電子楽器
【課題】 単一の操作子の操作に基づいて一括して有効又は無効になる複数の設定の状態をユーザに判別し易くさせる。
【解決手段】 ベースパートの楽音に関わる設定と、コードの構成音に対応する鍵の一部を押鍵するだけで所望するコードが得られるようにする設定と、鍵の押鍵状態を離鍵後も維持する設定とを、一括して有効又は無効にするためにユーザにより操作されるEASYボタン26を設けると共に、EASYボタン26に対応してLED26aを設けるようにし、前記3つの設定が全て有効である場合にLED26aを点灯し、そうでない場合にLED26aを消灯する。これにより、前記3つの設定が有効であるか否かをユーザに容易に知らせることができる。
【解決手段】 ベースパートの楽音に関わる設定と、コードの構成音に対応する鍵の一部を押鍵するだけで所望するコードが得られるようにする設定と、鍵の押鍵状態を離鍵後も維持する設定とを、一括して有効又は無効にするためにユーザにより操作されるEASYボタン26を設けると共に、EASYボタン26に対応してLED26aを設けるようにし、前記3つの設定が全て有効である場合にLED26aを点灯し、そうでない場合にLED26aを消灯する。これにより、前記3つの設定が有効であるか否かをユーザに容易に知らせることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子楽器に関し、特に、ユーザが演奏に関わる設定を行うために用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、演奏に関わる複数の設定を、単一の操作子の操作により一括して有効及び無効にする電子楽器が提案されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平7-19152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の電子楽器では、単一の操作子の操作に基づいて一括して有効又は無効になる複数の設定の状態をユーザが判別しづらいという問題点があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、単一の操作子の操作に基づいて一括して有効又は無効になる複数の設定の状態をユーザに判別し易くさせることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の電子楽器は、演奏に関わる複数の設定を一括して有効又は無効にするためにユーザにより操作される単一の一括設定用操作子と、前記複数の設定を個別に有効又は無効にするためにユーザにより操作される複数の個別設定用操作子と、前記複数の設定が有効であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記複数の設定の全てが無効であるか否かを表示する単一の一括設定表示手段と、前記複数の設定が有効であるか否かを個別に表示する複数の個別設定表示手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、演奏に関わる複数の設定が、有効であるのか、それとも無効であるのかをユーザに判別し易くさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態を示し、電子楽器の概略構成の一例を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施形態を示し、操作パネルに設けられた操作子の一部の外観構成の一例を示した図である。
【図3】本発明の実施形態を示し、第1のAUTOBASSボタン、第2のAUTOBASSボタン、MCSボタン、MEMORYボタン、及びEASYボタンの操作状態と、これらのボタンに対応するLEDの点灯状態との関係を示す図である。
【図4】本発明の実施形態を示し、メインルーチンの処理の一例を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態を示し、イベント処理の一例を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態を示し、パネル処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態を示し、Easy処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態を示し、Song処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態を示し、Style処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態を示し、Regist処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態を示し、Key処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態を示し、コード処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態を示し、時変数処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の電子楽器の概略構成の一例を示したブロック図である。
図1において、電子楽器は、中央処理装置(以下、CPUと称する)1と、フラッシュメモリ2と、ランダムアクセスメモリ(以下、RAMと称する)3と、外部記憶媒体装着部4と、外部入出力用インターフェース部5と、信号バス6と、キースキャン回路7と、鍵盤8と、パネルスキャン回路9と、操作パネル10と、楽音発生部11と、波形フラッシュメモリ12と、デジタル/アナログ変換部(以下、D/A変換部と称する)13と、アナログ信号処理部14と、パワーアンプ15と、スピーカ部16とを有している。
【0009】
図1に示すように、CPU1、フラッシュメモリ2、RAM3、キースキャン回路7、パネルスキャン回路9、楽音発生部11、外部記憶媒体装着部4、及び外部入出力用インターフェース部5は、それぞれ信号バス6に接続され、相互に通信することが可能である。
【0010】
(鍵盤)
鍵盤8は、複数の鍵と、それら複数の鍵の各々に対応して設けられた複数の鍵スイッチとを有している。電子楽器のユーザは、前記複数の鍵を押鍵及び離鍵して所望の演奏を行う。なお、本実施形態の電子楽器では、コードを判別するために押鍵及び離鍵されるコード判別領域が、前記複数の鍵の一部に対して設定されている。
(キースキャン回路)
キースキャン回路7は、鍵盤8の各鍵スイッチのスキャン処理を行うためのものである。
【0011】
(操作パネル)
操作パネル10は、各種操作子や表示装置を有している。本実施形態の電子楽器では、表示装置として、例えばLCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)が設けられている。このLCDは、各種操作子の選択状態や設定状態等を表示する。
【0012】
前記操作子としては、電子楽器に電源を供給するための電源スイッチや、電子楽器の設定状態を初期値にリセットするためのリセットスイッチや、テンポや音量を設定するためのダイアルや、音色を選択するための音色選択スイッチが設けられている。
【0013】
また、前記操作子として、レジストレーションの記憶を行うためのRegist設定スイッチや、設定したレジストレーションを呼び出すためのRegistボタンが設けられている。なお、レジストレーションとは、ユーザが鍵盤8を押鍵及び離鍵して行う演奏時の設定を言う。ここで、演奏時の設定は、操作パネル10や鍵盤8の操作内容に基づいて行われるものであり、例えば、音色、伴奏、テンポ、及び演奏効果(音色に変化を与えること)等が設定項目となる。また、本実施形態の電子楽器では、前記Registボタンが複数設けられており、これら複数のRegistボタンに対して1つずつレジストレーションを設定することが可能になっている。
【0014】
さらに、前記操作子として、外部記憶媒体装着部4に装着された外部記憶媒体にデータを書き込む指示を行うためのディスク書込ボタン(スイッチ)と、外部記憶媒体装着部4に装着された外部記憶媒体からデータを読み込む指示を行うためのディスク読込ボタン(スイッチ)とを含むディスク操作スイッチが設けられている。
【0015】
また、前記操作子として、自動伴奏データを呼び出すための自動伴奏呼び出しスイッチや、自動伴奏スイッチにより呼び出された自動伴奏データに基づく自動伴奏を開始するための自動伴奏開始スイッチも設けられている。さらに、電子楽器を動作可能にするための電源スイッチ等も設けられている。ここで、自動伴奏とは、鍵盤8の押鍵及び離鍵に応じたメロディパート(演奏音)を発音させて行うマニュアル演奏に対する伴奏を電子楽器が自動で行うことを言う。
【0016】
この他、前記操作子として、自動伴奏及びリズム等から構成される演奏スタイルを選択するためのStyleボタンや、予め演奏内容が設定されている楽曲(ソング)を選択するためのSongボタンが設けられている。
【0017】
そして、本実施形態の電子楽器には、前記操作子として、図2に示すように、リズム選択ボタン群21と、第1及び第2のAUTOBASSボタン22、23と、MCS(Music Chord System)ボタン24と、MEMORYボタン25と、EASYボタン26と、INTROENDINGボタン27と、STATSTOPボタン28と、RHYTHMTEMPOボタン29とが設けられている。
【0018】
リズム選択ボタン群21は、リズムを選択するための複数のボタンから構成されている。図2に示すように、本実施形態の電子楽器では、「BIG BAND」、「COUNTRY」、「MARCH」、「EASY LATIN」、「BASIC(4/4)」、及び「BASIC(3/4)」が選択可能となっている。
第1のAUTOBASSボタン22は、前記自動伴奏を行うことが選択されている場合には、自動伴奏のベースパートの演奏を行う設定を有効又は無効にするためにユーザにより操作される。一方、前記自動伴奏を行うことが選択されていない場合には、前記コード判別領域として設定されている鍵の押鍵に基づいて判別されたコードのルート(根音)をベース音色で演奏する設定を有効又は無効にするためにユーザにより操作されるスイッチである。
【0019】
前記自動伴奏を行うことが選択され、且つ第1のAUTOBASSボタン22の裏面側に設けられたLED22aが消灯しているときに第1のAUTOBASSボタン22が操作されると、自動伴奏のベースパートの演奏を行う設定を有効にすると共に、LED22aを点灯する。
一方、前記自動伴奏を行うことが選択され、且つLED22aが点灯しているときに第1のAUTOBASSボタン22が操作されると、自動伴奏のベースパートの演奏を行う設定を無効にすると共に、LED22aを消灯する。
【0020】
また、前記自動伴奏を行うことが選択されず、且つLED22aが消灯しているときに第1のAUTOBASSボタン22が操作されると、前記コード判別領域として設定されている鍵の押鍵に基づいて判別されたコードのルート(根音)をベース音色で演奏する設定を有効にすると共に、LED22aを点灯する。
一方、前記自動伴奏を行うことが選択されず、且つLED22aが点灯しているときに第1のAUTOBASSボタン22が操作されると、前記コード判別領域として設定されている鍵の押鍵に基づいて判別されたコードのルート(根音)をベース音色で演奏する設定を無効にすると共に、LED22aを消灯する。
【0021】
このように、本実施形態の電子楽器では、前記自動伴奏のベースパートの演奏を行う設定を有効にするか否か、又は前記コード判別領域として設定されている鍵の押鍵に基づいて判別されたコードのルート(根音)をベース音色で演奏する設定が有効であるか否かを、LED22aの点灯状態により、ユーザに報知するようにしている。また、電子楽器の内部では、この設定が有効であるか否かを、例えば、RAM3等に設定されるフラグを用いて判別するようにしている。
なお、以下の説明では、必要に応じて、LEDが点灯する場合の操作子の操作を「オン」と称し、LEDが消灯する場合の操作子の操作を「オフ」と称する。
【0022】
第2のAUTOBASSボタン23は、前記自動伴奏を行うことが選択されている場合には、自動伴奏のベースパートの演奏を行う設定を有効又は無効にするためにユーザにより操作される。一方、前記自動伴奏を行うことが選択されていない場合には、前記コード判別領域で押鍵された鍵に対応する音のうち、最低音をベース音色で演奏する設定を有効又は無効にするためにユーザにより操作されるスイッチである。
【0023】
前記自動伴奏を行うことが選択され、且つ第2のAUTOBASSボタン23の裏面側に設けられたLED23aが消灯しているときに第2のAUTOBASSボタン23が操作されると、自動伴奏のベースパートの演奏を行う設定を有効にすると共に、LED23aを点灯する。
一方、前記自動伴奏を行うことが選択され、且つLED23aが点灯しているときに第2のAUTOBASSボタン23が操作されると、自動伴奏のベースパートの演奏を行う設定を無効にすると共に、LED23aを消灯する。
【0024】
また、前記自動伴奏を行うことが選択されず、且つLED23aが消灯しているときに第2のAUTOBASSボタン23が操作されると、前記コード判別領域で押鍵された鍵が発音する音のうち、最低音をベース音色で演奏する設定を有効にすると共に、LED23aを点灯する。
一方、前記自動伴奏を行うことが選択されず、且つLED23aが点灯しているときに第2のAUTOBASSボタン23が操作されると、前記コード判別領域で押鍵された鍵が発音する音のうち、最低音をベース音色で演奏する設定を無効にすると共に、LED23aを消灯する。
このように、本実施形態の電子楽器では、前記自動伴奏のベースパートの演奏を行う設定を有効にするか否か、又は前記コード判別領域で押鍵された鍵が発音する音のうち、最低音をベース音色で演奏する設定を有効にするか否かを、LED23aの点灯状態により、ユーザに報知するようにしている。また、電子楽器の内部では、この設定が有効であるか否かを、例えば、RAM3等に設定されるフラグを用いて判別するようにしている。
なお、以下の説明では、自動伴奏のベースパートの演奏を行う設定と、前記コード判別領域で押鍵された鍵に基づく音をベース音色で演奏する設定とを、必要に応じて、ベースパートの楽音に関わる設定と総称する。
【0025】
MCSボタン24は、前記コード判別領域として設定された鍵のうち、コードの構成音に対応する鍵の一部を押鍵するだけで、所望するコードが得られるようにする設定を有効又は無効にするためにユーザにより操作されるスイッチである。
MCSボタン24の裏面側に設けられたLED24aが消灯しているときにMCSボタン24が操作されると、コードの構成音に対応する鍵の一部を押鍵するだけで、所望するコードが得られるようにする設定を有効にすると共に、LED24aを点灯する。
一方、LED24aが点灯しているときにMCSボタン24が操作されると、コードの構成音に対応する鍵の一部を押鍵するだけで、所望するコードが得られるようにする設定を無効にする(すなわち、コードの構成音に対応する全ての鍵を押鍵しなければ、所望するコードが得られないようにする)と共に、LED24aを消灯する。
このように、本実施形態の電子楽器では、コードの構成音に対応する鍵の一部を押鍵するだけで、所望するコードが得られるようにする設定を有効にするか否かを、LED24aの点灯状態により、ユーザに報知するようにしている。また、電子楽器の内部では、この設定が有効であるか否かを、例えば、RAM3等に設定されるフラグを用いて判別するようにしている。
【0026】
以上のようなMCSボタン24を利用してメジャーコードを得るようにする場合、例えば、最低1音の鍵を押鍵することで、コードを判別することが可能になる。具体的に、「C」に対応する鍵と、「C」及び「E」に対応する鍵と、「C」及び「G」に対応する鍵と、「C」、「E」、及び「G」に対応する鍵とのうち、何れかを押鍵することにより、Cメジャーコードが得られる。
【0027】
また、マイナーコードや、セブンスコード等を得るようにする場合には、最低2音の鍵を押鍵することで、コードを判別することが可能になる。具体的に、「C」及び「Eb」に対応する鍵と、「C」、「Eb」、及び「G」に対応する鍵とのうち、何れかを押鍵することにより、Cマイナーコードが得られる。また、「C」及び「Bb」に対応する鍵と、「C」、「E」、及び「Bb」に対応する鍵と、のうち、「C」、「G」、及び「Bb」に対応する鍵と、「C」、「E」、「G」、及び「Bb」に対応する鍵とのうち、何れかを押鍵することにより、Cセブンス(7th)コードが得られる。
【0028】
MEMORYボタン25は、前記コード判別領域として設定されている鍵の押鍵状態を、その鍵を離鍵した後も維持する設定を有効又は無効にするためにユーザにより操作されるスイッチである。すなわち、このMEMORYボタン25がオンされている場合には、鍵を押し続けなくても、その鍵に対応する音を発音し続けることができるようになる。
MEMORYボタン25の裏面側に設けられたLED25aが消灯しているときにMEMORYボタン25が操作されると、鍵の押鍵状態を離鍵後も維持する設定を有効にすると共に、LED25aを点灯する。
一方、LED25aが点灯しているときにMEMORYボタン25が操作されると、鍵の押鍵状態を離鍵後も維持する設定を無効にする(すなわち、鍵の押鍵状態を離鍵後に維持しないようにする)と共に、LED25aを消灯する。
このように、本実施形態の電子楽器では、鍵の押鍵状態を離鍵後も維持する設定が有効であるか否かを、LED25aの点灯及び消灯により、ユーザに報知するようにしている。一方、電子楽器の内部では、この設定が有効であるか否かを、例えば、RAM3等に記憶されるフラグを用いて判別するようにしている。
【0029】
なお、本実施形態では、MCSボタン24がオンされている場合に、MEMORYボタン25がオンされると、次のコードが判別されるまで、すでに判別されているコードを維持するようにしている。一方、MCSボタン24がオフされている場合に、MEMORYボタン25がオンされると、次の押鍵があるまで、離鍵された鍵の押鍵状態を維持するようにしている。
【0030】
EASYボタン26は、前述した3つの設定(すなわち、ベースパートの楽音に関わる設定と、コードの構成音に対応する鍵の一部を押鍵するだけで所望するコードが得られるようにする設定と、鍵の押鍵状態を離鍵後も維持する設定)を一括して有効にするか否かを指定するためにユーザにより操作されるスイッチである。
【0031】
EASYボタン26の裏面側に設けられたLED26aが消灯しているときにEASYボタン26が操作されると、前述した3つの設定を一括して有効にする。そして、LED26aを点灯すると共に、LED22a〜25aが消灯している場合には、その消灯しているLED22a〜25aを点灯する。
一方、LED26aが消灯しているときにEASYボタン26が操作されると、前述した3つの設定を一括して無効にする。そして、LED26aを消灯すると共に、LED22a〜25aが点灯している場合には、その点灯しているLED22a〜25aを消灯する。
【0032】
また、第1のAUTOBASSボタン22及び第2のAUTOBASSボタン23の何れか一方と、MCSボタン24と、MEMORYボタン25との少なくとも何れか1つが、オンからオフになった場合には、LED26aを消灯する。
さらに、LED26aが消灯しているときに、第1のAUTOBASSボタン22及び第2のAUTOBASSボタン23の何れか一方と、MCSボタン24と、MEMORYボタン25とがオンになった場合には、LED26aを点灯する。
【0033】
以上のように本実施形態では、LED26aが点灯しているときに、第1のAUTOBASSボタン22、第2のAUTOBASSボタン23、MCSボタン24、及びMEMORYボタン25の何れかがオフされた場合には、そのオフされたボタンに対応するLEDを消灯すると共に、LED26aを消灯させる。また、LED26aが消灯しているときに、第1のAUTOBASSボタン22及び第2のAUTOBASSボタン23の何れか一方と、MCSボタン24と、MEMORYボタン25とが全てオンされると、そのオンされたボタンに対応するLEDを点灯すると共に、LED26aを点灯させる。このようにすることにより、LED22a〜25aの表示内容とLED26aの表示内容とに矛盾が生じないようにしている。
【0034】
図3は、第1のAUTOBASSボタン22、第2のAUTOBASSボタン23、MCSボタン24、MEMORYボタン25、及びEASYボタン26の操作状態と、これらのボタン22〜26に対応するLED22a〜26aの点灯状態との関係を示す図である。
図3において、状態(STATUS BEFORE)31は、欄33に示されているボタンが操作される前の状態を示し、状態(STATUS AFTER)32は、欄33に示されているボタンが操作された後の状態を示す。
具体的に「1」は、そのボタンに対応するLEDが点灯することを示し、「0」は、そのボタンに対応するLEDが消灯することを示す。ただし、第1のAUTOBASSボタン22及び第2のAUTOBASSボタン23(AUTO BASS)については、「1」は、第1のAUTOBASSボタン22に対応するLED22aが点灯することを示し、「2」は、第2のAUTOBASSボタン23に対応するLED23aが点灯することを示し、「0」は、LED22a、23aの何れもが消灯することを示す。
【0035】
なお、図3では、MCSボタン24を「MCS」と表し、MEMORYボタン25を「MEMORY」と表し、第1のAUTOBASSボタン22及び第2のAUTOBASSボタン23を、それぞれ「AUTOBASS1」及び「AUTO BASS2」と表している。
【0036】
図3において、本実施形態では、第1のAUTOBASSボタン22、第2のAUTOBASSボタン23、MCSボタン24、MEMORYボタン25、及びEASYボタン26が、状態31a〜31kから状態32a〜32kになることが特徴の一つである。
例えば、状態31aでは、MCSボタン24に対応するLED24aと、MEMORYボタン25に対応するLED25aとが点灯し、第1のAUTOBASSボタン22に対応するLED22aと、第2のAUTOBASSボタン23に対応するLED23aと、EASYボタン26に対応するLED26aとが消灯している。この状態31aで、第1のAUTOBASSボタン(欄33内の「AUTO BASS1」)22がオンされると、状態32aに遷移する。
【0037】
この状態32aでは、MCSボタン24に対応するLED24aと、MEMORYボタン25に対応するLED25aとに加え、第1のAUTOBASSボタン22に対応するLED22aが点灯する。したがって、LED22a〜25aの表示内容とLED26aの表示内容とが矛盾しないように、EASYボタン26に対応するLED26aも点灯するようにする。
【0038】
また、例えば、状態31iでは、MCSボタン24に対応するLED24aと、MEMORYボタン25に対応するLED25aと、第2のAUTOBASSボタン23に対応するLED23aと、EASYボタン26に対応するLED26aとが点灯し、第1のAUTOBASSボタン22に対応するLED22aが消灯している。この状態31iで、MCSボタン(欄33内の「MCS」)24がオンされると、状態32iに遷移する。
この状態32iでは、MCSボタン24に対応するLED24aが消灯する。したがって、LED22a〜25aの表示内容とLED26aの表示内容とが矛盾しないように、EASYボタン26に対応するLED26aも消灯するようにする。
【0039】
図2に説明を戻し、INTROENDINGボタン27は、自動伴奏のイントロやエンディングを行うか否かを指定するためにユーザにより操作されるスイッチである。
STATSTOPボタン28は、リズム選択スイッチ群21で選択されたリズムでの発音を開始又は終了するためにユーザにより操作されるスイッチである。
RHYTHMTEMPOボタン29は、テンポを変更するためにユーザにより操作されるスイッチであり、テンポを上げる場合に操作されるボタン29aと、テンポを下げる場合に操作されるボタン29bとを有する。
なお、操作パネル10に配設される操作子は、前述したものに限定されないということは言うまでもない。
また、リズム選択スイッチ群21、INTROENDINGボタン27、STATSTOPボタン28、及びRHYTHMTEMPOボタン29の操作に基づく設定内容をユーザに報知するために、これらのボタン21、27〜29に対応するLEDを設けるようにしてもよいということも言うまでもない。
【0040】
(パネルスキャン回路)
パネルスキャン回路9は、操作パネル10に設けられている各種操作子のスキャン処理を行うためのものである。
【0041】
(CPU)
CPU1は、本実施形態の電子楽器の全体を統括制御するためのものであり、フラッシュメモリ2に格納されている制御プログラムに従って、RAM3をワークメモリとして利用しながら、例えば次のような処理を行う。
【0042】
CPU1は、パネルスキャン回路9によりスキャン処理された結果を入力し、操作パネル10の操作内容を識別する。
また、CPU1は、キースキャン回路7によりスキャン処理された結果を入力して、鍵の操作内容(押鍵及び離鍵)を識別する。
そして、その鍵の操作内容(鍵の押鍵及び離鍵)に基づく演奏データや、操作パネル10の操作内容に基づくデータを楽音発生部11に割り当てる処理を行う。
【0043】
この演奏データは、前記各鍵の操作が押鍵(キーオン)であるか離鍵(キーオフ)であるかを示すキーオン/オフ信号や、音高データである音高や、音量制御データであるベロシティデータや、演奏のテンポの絶対値を示すテンポ情報(以下、必要に応じて単にテンポ情報と称する)や、各鍵の動作スピードに関するキータッチレスポンス信号などから構成される。
【0044】
また、CPU1は、前記自動伴奏スイッチの操作内容に基づき、フラッシュメモリ2に記憶されている自動伴奏データを読み出す。その後、前記自動伴奏開始スイッチが操作されると、読み出した自動伴奏データを楽音発生部11に割り当てる。これにより、自動伴奏データに基づく自動伴奏の楽音が発音されるようになる。このように、本実施形態の電子楽器では、CPU1が、自動伴奏データの再生を行うシーケンサの役割の一部を果たすようにしている。
【0045】
さらに、CPU1は、前記レジストレーション設定スイッチを用いて設定されたレジストレーションの内容をフラッシュメモリ2に記憶する。その後、前記レジストレーション実行スイッチが操作されると、操作されたレジストレーション実行スイッチに応じたレジストレーションの内容をフラッシュメモリ2から読み出し、読み出したレジストレーションの内容に従った演奏が行われるように電子楽器の設定を変更する。
なお、CPU1は、前述したものの他に種々の処理を行うということは言うまでもない。
【0046】
(フラッシュメモリ)
フラッシュメモリ2は、読み出し可能なメモリであり、CPU1の制御プログラムの他、レジストレーションデータや、自動伴奏データ等、種々のデータを格納する。
【0047】
(RAM)
RAM3は読み書きが可能なメモリであり、CPU1のプログラム実行過程において各種の必要なデータを一時的に記憶したり、編集可能なパラメータデータを記憶したりする記憶領域を有している。このRAM3の一部あるいは全部はバッテリーバックアップされており、必要なデータを、電子楽器の電源がオフにされても保持しておくことができるようにしている。
【0048】
(波形メモリ)
波形メモリ12は、音色や音域に応じた種々の楽音波形データを記憶している。
(楽音発生部)
楽音発生部11は、前述したようにしてCPU1により割り当てられた演奏データや自動伴奏データと、操作パネル10の操作内容に基づくデータとに基づいて、波形メモリ12から必要な楽音波形データを読み出し、所望のデジタル楽音信号を発生させる。
【0049】
(D/A変換部)
D/A変換部13は、楽音発生部11で発生されたデジタル楽音信号をアナログ楽音信号に変換する機能を有する。
(アナログ信号処理部)
アナログ信号処理部14は、D/A変換部13でD/A変換されたアナログ楽音信号に対し、フィルタ処理(ノイズ除去処理)や音質調整、信号レベル(ゲイン)調整等を施す機能を有する。
【0050】
(パワーアンプ)
パワーアンプ15は、アナログ信号処理部14でノイズ除去処理が施されたアナログ楽音信号に対し、増幅処理を施して適当なレベルに増幅する。
(スピーカ部)
スピーカ部16は、パワーアンプ15で増幅されたアナログ楽音信号を可聴信号として放音するためのものであり、1個あるいは複数個で構成されている。
【0051】
(外部記憶装置装着部)
外部記憶媒体装着部4は、例えば、CD−RWドライブである。そして、CPU1は、CD−RWドライブに装着されたCD−ROMに記憶されている制御プログラムや各種データを読み出して必要な処理を行う。なお、外部記憶媒体装着部4は、CD−RWドライブに限定されず、フレキシブルディスク(FD)装置や、光磁気ディスク(MO)装置などであってもよいということは言うまでもない。
【0052】
(外部入出力用インターフェース部)
外部入出力用インターフェース部5は、外部装置との間で、演奏情報などのデータのやり取りを行うためのものである。具体的に、この外部入出力用インターフェース部5は、例えばMIDI(Musical Instrument Digital Interface)である。
【0053】
次に、図4〜図13を参照しながら、本実施形態の電子楽器に配設されたCPU1により実行される処理の一例を説明する。
【0054】
図4は、CPU1により実行されるメインルーチンの処理の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS1において、初期化処理を実行する。
次に、ステップS2において、イベントが発生したか否かを判定する。この判定の結果、イベントが発生した場合には、ステップS3に進み、イベント処理を実行する。このイベント処理の詳細については、図5を参照しながら後述する。一方、イベントが発生していない場合には、このステップS3を省略してステップS4に進む。
そして、ステップS4において、時変数処理を実行する。この時変数処理の詳細については、図13を参照しながら後述する。
【0055】
次に、図5のフローチャートを参照しながら、イベント処理の詳細の一例を説明する。
まず、ステップS11において、発生したイベントが鍵盤8の押鍵又は離鍵に関するイベント(keyイベント)か否かを判定する。この判定の結果、鍵盤8の押鍵又は離鍵に関するイベント(keyイベント)である場合には、ステップS12に進み、key処理を実行して、図4に示したメインフローチャートに戻る。このkey処理の詳細については、図11を参照しながら後述する。
ステップS11において、鍵盤8の押鍵又は離鍵に関するイベント(keyイベント)でないと判定した場合には、ステップS13に進み、発生したイベントが操作パネル10に関するイベント(パネルイベント)か否かを判定する。この判定の結果、操作パネル10に関するイベント(パネルイベント)である場合には、ステップS14に進み、パネル処理を実行して、図4に示したメインフローチャートに戻る。このパネル処理の詳細については、図6〜図10を参照しながら後述する。
【0056】
ステップS13において、操作パネル10に関するイベントでないと判定した場合には、ステップS15に進み、その他の処理を実行して、図4に示したメインフローチャートに戻る。
【0057】
図6は、図5のステップS14におけるパネル処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS21において、EASYボタン26の操作であるか否かを判定する。この判定の結果、EASYボタン26の操作である場合には、ステップS22に進み、Easy処理を実行して、図4に示したメインフローチャートに戻る。このEasy処理の詳細については、図7を参照しながら後述する。
【0058】
ステップS21において、EASYボタン26の操作でないと判定した場合には、ステップS23に進み、前記Songボタンの操作であるか否かを判定する。この判定の結果、前記Songボタンの操作である場合には、ステップS24に進み、Song処理を実行して、図4に示したメインフローチャートに戻る。このSong処理の詳細については、図8を参照しながら後述する。
【0059】
ステップS23において、前記Songボタンの操作でないと判定した場合には、ステップS25に進み、前記Styleボタンの操作であるか否かを判定する。この判定の結果、前記Styleボタンの操作である場合には、ステップS26に進み、Style処理を実行して、図4に示したメインフローチャートに戻る。このStyle処理の詳細については、図9を参照しながら後述する。
【0060】
ステップS25において、前記Styleボタンの操作でないと判定した場合には、ステップS27に進み、前記Registボタンの操作であるか否かを判定する。この判定の結果、前記Registボタンの操作である場合には、ステップS28に進み、Regist処理を実行して、図4に示したメインフローチャートに戻る。このRegist処理の詳細については、図10を参照しながら後述する。
ステップS27において、前記Registボタンの操作でないと判定した場合には、ステップS29に進み、その他の処理を実行して、図4に示したメインフローチャートに戻る。
【0061】
図7は、図6のステップS22のEasy処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS31において、EASYボタン26が操作される前のEASYボタン26の操作状態がオンであったか否かを判定する。この判定の結果、EASYボタン26の操作状態がオンであった場合には、ステップS32に進み、コードの構成音に対応する鍵の一部を押鍵するだけで、そのコードに対応する楽音が得られるようにする設定を無効にする(すなわち、コードの構成音に対応する全ての鍵を押鍵しなければ、そのコードに対応する楽音が得られないようにする)と共に、MCSボタン24に対応して設けられているLED24aを消灯する。
【0062】
次に、ステップS33において、前記コード判別領域として設定されている鍵の押鍵状態を、その鍵を離鍵した後も維持する設定を無効にする(すなわち、鍵の押鍵状態を離鍵後に維持しないようにする)と共に、MEMORYボタン25に対応して設けられているLED25aを消灯する。
次に、ステップS34において、前記ベースパートの楽音に関わる設定を無効にすると共に、第1のAUTOBASSボタン22及び第2のAUTOBASSボタン23に対応して設けられているLED22a、23aを消灯する。
次に、ステップS35において、EASYボタン26に対応して設けられているLED26aを消灯して、図4に示したメインフローチャートに戻る。
【0063】
ステップS31において、EASYボタン26の操作状態がオフであったと判定した場合には、ステップS36に進み、コードの構成音に対応する鍵の一部を押鍵するだけで、そのコードに対応する楽音が得られるようにする設定を有効にすると共に、MCSボタン24に対応して設けられているLED24aを点灯する。
【0064】
次に、ステップS37において、前記コード判別領域として設定されている鍵の押鍵状態を、その鍵を離鍵した後も維持する設定を有効にすると共に、MEMORYボタン25に対応して設けられているLED25aを点灯する。
次に、ステップS38において、前記ベースパートの楽音に関わる設定を有効にすると共に、第1のAUTOBASSボタン22に対応して設けられているLED22aを点灯する。
【0065】
なお、ここでは、第1のAUTOBASSボタン22の操作状態をオンにして、LED22aを点灯するようにしたが、第2のAUTOBASSボタン23の操作状態をオンにして、LED23aを点灯するようにしてもよい。
次に、ステップS35において、EASYボタン26に対応して設けられているLED26aを点灯して、図4に示したメインフローチャートに戻る。
【0066】
図8は、図6のステップS24のSong処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS41において、ステップS23で操作されたと判定された前記Songボタンに対応付けて設定されている楽曲(ソング)におけるレジストレーションデータをRAM3に展開する。
【0067】
次に、ステップS42において、前記レジストレーションデータに基づき、EASYボタン26に対応して設けられているLED26aを点灯又は消灯する。具体的に説明すると、前記レジストレーションデータに基づき、第1のAUTOBASSボタン22及び第2のAUTOBASSボタン23の何れか一方と、MCSボタン24と、MEMORYボタン25とを全てオンする必要がある場合には、LED26aを点灯し、そうでない場合には、LED26aを消灯する。なお、このとき、前記レジストレーションデータに基づいて、ボタン22〜25のうち、オンする必要があるボタンを判定し、オンする必要があるボタンに対応して設けられているLEDを点灯し、オンする必要がないボタンに対応して設けられているLEDを消灯するのが好ましい。
次に、ステップS43において、前記レジストレーションデータに基づく演奏(伴奏)ができるように、電子楽器の設定を行って、図4に示したメインフローチャートに戻る。
【0068】
図9は、図6のステップS26のStyle処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS51において、ステップS25で操作されたと判定された前記Styleボタンに対応付けて設定されている演奏スタイルにおけるレジストレーションデータをRAM3に展開する。
【0069】
次に、ステップS52において、前記レジストレーションデータに基づき、EASYボタン26に対応して設けられているLED26aを点灯又は消灯する。具体的に説明すると、前記レジストレーションデータに基づき、第1のAUTOBASSボタン22及び第2のAUTOBASSボタン23の何れか一方と、MCSボタン24と、MEMORYボタン25とを全てオンする必要がある場合には、LED26aを点灯し、そうでない場合には、LED26aを消灯する。なお、このとき、前記レジストレーションデータに基づいて、ボタン22〜25のうち、オンする必要があるボタンを判定し、オンする必要があるボタンに対応して設けられているLEDを点灯し、オンする必要がないボタンに対応して設けられているLEDを消灯するのが好ましい。
次に、ステップS53において、前記レジストレーションデータに基づく演奏(伴奏)ができるように、電子楽器の設定を行って、図4に示したメインフローチャートに戻る。
【0070】
図10は、図6のステップS28のRegist処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS61において、操作された前記Registボタンに対応して設定されているレジストレーションデータをRAM3に展開する。
【0071】
次に、ステップS62において、前記レジストレーションデータに基づき、EASYボタン26に対応して設けられているLED26aを点灯又は消灯する。具体的に説明すると、前記レジストレーションデータに基づき、第1のAUTOBASSボタン22及び第2のAUTOBASSボタン23の何れか一方と、MCSボタン24と、MEMORYボタン25とを全てオンする必要がある場合には、LED26aを点灯し、そうでない場合には、LED26aを消灯する。なお、このとき、前記レジストレーションデータに基づいて、ボタン22〜25のうち、オンする必要があるボタンを判定し、オンする必要があるボタンに対応して設けられているLEDを点灯し、オンする必要がないボタンに対応して設けられているLEDを消灯するのが好ましい。
次に、ステップS63において、前記レジストレーションデータに基づく演奏(伴奏)ができるように、電子楽器の設定を行って、図4に示したメインフローチャートに戻る。
【0072】
図11は、図5のステップS12のKey処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS71において、押鍵又は離鍵された鍵(Key)がコード判別領域として設定された鍵であるか否かを判定する。この判定の結果、押鍵又は離鍵された鍵(Key)がコード判別領域として設定された鍵である場合には、ステップS72に進み、コード処理を実行して、図4に示したメインフローチャートに戻る。このコード処理の詳細については、図12を参照しながら後述する。
【0073】
一方、押鍵又は離鍵された鍵(Key)がコード判別領域として設定された鍵でない場合には、ステップS73に進み、押鍵又は離鍵された鍵に基づく発音又は消音処理を実行して、図4に示したメインフローチャートに戻る。
【0074】
図12は、図11のステップS72のコード処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS81において、MCSボタン24がオンであるか否かを判定する。この判定の結果、MCSボタン24がオンである場合には、ステップS82に進み、MCSコード判別処理を行う。このコード判別処理では、コードの構成音に対応する鍵の一部の押鍵に基づいてコードを判別する。ただし、コードの構成音に対応する鍵の全部が押鍵された場合には、それら押鍵された鍵に基づいてコードを判別する。この処理の結果(判別したコード)は、例えば、RAM3等に設定されるフラグを用いて記憶しておく。
一方、MCSボタン24がオフである場合には、ステップS83に進み、通常コード判別処理を行う。この通常コード判別処理では、コードの構成音に対応する全ての鍵の押鍵に基づいてコードを判別し、前述したMCSコード判別処理のように、コードの構成音に対応する鍵の一部の押鍵だけでは、当該コードを判別することができない。
【0075】
以上のようにしてコードが判別されると、ステップS84において、MEMORYボタン25がオンであるか否かを判定する。この判定の結果、MEMORYボタン25がオンである場合には、ステップS85に進む。ステップS85において、MCSボタン24がオフされている場合には、押鍵された鍵を、離鍵後も押鍵状態に維持するための処理を行い、MCSボタン24がオンされている場合には、次のコードが判別されるまで、すでに判別されているコードの発音状態を維持するための処理を行う。この処理の結果は、例えば、RAM3等に設定されるフラグを用いて記憶しておく。
【0076】
ステップS84において、MEMORYボタン25がオフである場合には、ステップS85を省略して、ステップS86に進む。そして、ステップS86において、第1のAUTOBASSボタン22又は第2のAUTOBASSボタン23がオンであるか否かを判定する。この判定の結果、第1のAUTOBASSボタン22又は第2のAUTOBASSボタン23がオンである場合には、ステップS87に進み、前記ベースパートの楽音に関わる設定に基づく処理を行って、図4に示したメインフローチャートに戻る。この処理の結果は、例えば、RAM3等に設定されるフラグを用いて記憶しておく。
【0077】
なお、前述したように、前記ベースパートの楽音に関わる設定は、前記自動伴奏を行うことが選択されている場合には、自動伴奏のベースパートの演奏を行う設定を言う。一方、前記自動伴奏を行うことが選択されず、且つ第1のAUTOBASSボタン22がオンである場合には、前記コード判別領域として設定された鍵の押鍵に基づいて判別されたコードのルート(根音)をベース音色で演奏する設定を言う。さらに、前記自動伴奏を行うことが選択されず、且つ第2のAUTOBASSボタン23がオンである場合には、前記コード判別領域で押鍵された鍵に対応する音のうち、最低音をベース音色で演奏する設定を言う。
【0078】
ステップS86において、第1のAUTOBASSボタン22又は第2のAUTOBASSボタン23がオンでない場合には、ステップS87を省略して、図4に示したメインフローチャートに戻る。
【0079】
図13は、図4のステップS4の時変数処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS91において、操作パネル10の操作内容に応じて、発音させる楽音の音を変化させる音変化処理を行う。音変化処理の具体例としては、発音させる楽音にエコーやビブラートを施すことが挙げられる。
次に、ステップS92において、操作パネル10の操作内容に応じて、自動伴奏を実行する自動伴奏処理を実行して、図4に示したメインフローチャートに戻る。具体的には、前記自動伴奏呼び出しスイッチの操作に基づいて呼び出された自動伴奏データに基づく自動伴奏を、前記自動伴奏開始スイッチの操作に基づいて開始する。前述したように、自動伴奏を開始するに際し、第1のAUTOBASSボタン22又は第2のAUTOBASSボタン23がオンされている場合には、自動伴奏のベースパートの演奏を行うようにする。
【0080】
以上のように本実施形態では、ベースパートの楽音に関わる設定と、コードの構成音に対応する鍵の一部を押鍵するだけで所望するコードが得られるようにする設定と、鍵の押鍵状態を離鍵後も維持する設定とを、一括して有効又は無効にするためにユーザにより操作されるEASYボタン26を設けると共に、EASYボタン26に対応してLED26aを設けるようにし、前記3つの設定が全て有効である場合にLED26aを点灯し、そうでない場合にLED26aを消灯するようにしたので、前記3つの設定が有効であるか否かをユーザに容易に知らせることができる。
また、LED22a〜25aの表示状態と、LED26aの表示状態とに矛盾が生じないようにしたので、ユーザが電子楽器の設定内容がどのようなものであるのかが分からなくなってしまうことを可及的に防止することができる。
【0081】
なお、本実施形態では、第1のAUTOBASSボタン22及び第2のAUTOBASSボタン23の何れか一方と、MCSボタン24と、MEMORYボタン25とが全てオンされた場合にのみ、EASYボタン26をオンするようにし、その他の場合には、EASYボタン26をオフするようにしたが、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、第2のAUTOBASSボタン23、MCSボタン24、及びMEMORYボタン25の全部がオフされた場合にのみEASYボタン26をオフするようにし、その他の場合には、EASYボタン26をオンするようにしてもよい。
【0082】
また、本実施形態では、LED22a〜26aの点灯及び消灯により、前述した設定が有効であるか否かをユーザに報知するようにしたが、前述した設定が有効であるか否かを、必ずしもLEDを用いて報知する必要はない。例えば、操作パネル10に設けられている前記LCDに、前述した設定が有効であるか否かを表示するようにしてもよい。
【0083】
さらに、本実施形態のように、第1のAUTOBASSボタン22、第2のAUTOBASSボタン23、MCSボタン24、及びMEMORYボタン25を電子楽器に設けるようにすれば、前述した設定を個別に有効及び無効にすることができると共に、各設定が有効であるか否かをLED22a〜25aにより個別に遊技者に報知することができ好ましい。しかしながら、前述した設定を電子機器の内部で有効及び無効にすることができれば、これらのボタン22〜25を必ずしも設ける必要はない。この場合、前述した設定を個別に有効及び無効にすることを電子楽器に実行させないようにしてもよいし、前記ボタン22〜25に相当する役割を既存の操作子(例えば鍵盤8)に持たせることにより、前述した設定を個別に有効及び無効にするようにしてもよい。
なお、以上の説明においては、説明の都合上、「設定を有効にする」及び「設定を無効にする」という表現を用いたが、「設定を有効にする」を「設定する」に置き換えることができ、「設定を無効にする」を「設定を解除する」に置き換えることができる。
【0084】
(本発明の他の実施形態)
前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
また、前述した実施形態の機能を実現するべく各種のデバイスを動作させるように、該各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに対し、前記実施形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に格納されたプログラムに従って前記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
【0085】
また、この場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えば、かかるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムコードを記憶する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−フラッシュメモリ、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、フラッシュメモリ等を用いることができる。
【0086】
また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、前述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して前述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
【0087】
さらに、供給されたプログラムコードがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0088】
1 CPU
2 フラッシュメモリ
3 RAM
4 外部記憶媒体装着部
5 外部入出力用インターフェース部
6 信号バス
7 キースキャン回路
8 鍵盤
9 パネルスキャン回路
10 操作パネル
11 楽音発生部
12 波形メモリ
13 D/A変換部
14 アナログ信号処理部
15 パワーアンプ
16 スピーカ部
22 第1のAUTOBASSボタン
23 第2のAUTOBASSボタン
24 MCSボタン
25 MEMORYボタン
26 EASYボタン
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子楽器に関し、特に、ユーザが演奏に関わる設定を行うために用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、演奏に関わる複数の設定を、単一の操作子の操作により一括して有効及び無効にする電子楽器が提案されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平7-19152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の電子楽器では、単一の操作子の操作に基づいて一括して有効又は無効になる複数の設定の状態をユーザが判別しづらいという問題点があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、単一の操作子の操作に基づいて一括して有効又は無効になる複数の設定の状態をユーザに判別し易くさせることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の電子楽器は、演奏に関わる複数の設定を一括して有効又は無効にするためにユーザにより操作される単一の一括設定用操作子と、前記複数の設定を個別に有効又は無効にするためにユーザにより操作される複数の個別設定用操作子と、前記複数の設定が有効であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記複数の設定の全てが無効であるか否かを表示する単一の一括設定表示手段と、前記複数の設定が有効であるか否かを個別に表示する複数の個別設定表示手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、演奏に関わる複数の設定が、有効であるのか、それとも無効であるのかをユーザに判別し易くさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態を示し、電子楽器の概略構成の一例を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施形態を示し、操作パネルに設けられた操作子の一部の外観構成の一例を示した図である。
【図3】本発明の実施形態を示し、第1のAUTOBASSボタン、第2のAUTOBASSボタン、MCSボタン、MEMORYボタン、及びEASYボタンの操作状態と、これらのボタンに対応するLEDの点灯状態との関係を示す図である。
【図4】本発明の実施形態を示し、メインルーチンの処理の一例を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態を示し、イベント処理の一例を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態を示し、パネル処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態を示し、Easy処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態を示し、Song処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態を示し、Style処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態を示し、Regist処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態を示し、Key処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態を示し、コード処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態を示し、時変数処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の電子楽器の概略構成の一例を示したブロック図である。
図1において、電子楽器は、中央処理装置(以下、CPUと称する)1と、フラッシュメモリ2と、ランダムアクセスメモリ(以下、RAMと称する)3と、外部記憶媒体装着部4と、外部入出力用インターフェース部5と、信号バス6と、キースキャン回路7と、鍵盤8と、パネルスキャン回路9と、操作パネル10と、楽音発生部11と、波形フラッシュメモリ12と、デジタル/アナログ変換部(以下、D/A変換部と称する)13と、アナログ信号処理部14と、パワーアンプ15と、スピーカ部16とを有している。
【0009】
図1に示すように、CPU1、フラッシュメモリ2、RAM3、キースキャン回路7、パネルスキャン回路9、楽音発生部11、外部記憶媒体装着部4、及び外部入出力用インターフェース部5は、それぞれ信号バス6に接続され、相互に通信することが可能である。
【0010】
(鍵盤)
鍵盤8は、複数の鍵と、それら複数の鍵の各々に対応して設けられた複数の鍵スイッチとを有している。電子楽器のユーザは、前記複数の鍵を押鍵及び離鍵して所望の演奏を行う。なお、本実施形態の電子楽器では、コードを判別するために押鍵及び離鍵されるコード判別領域が、前記複数の鍵の一部に対して設定されている。
(キースキャン回路)
キースキャン回路7は、鍵盤8の各鍵スイッチのスキャン処理を行うためのものである。
【0011】
(操作パネル)
操作パネル10は、各種操作子や表示装置を有している。本実施形態の電子楽器では、表示装置として、例えばLCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)が設けられている。このLCDは、各種操作子の選択状態や設定状態等を表示する。
【0012】
前記操作子としては、電子楽器に電源を供給するための電源スイッチや、電子楽器の設定状態を初期値にリセットするためのリセットスイッチや、テンポや音量を設定するためのダイアルや、音色を選択するための音色選択スイッチが設けられている。
【0013】
また、前記操作子として、レジストレーションの記憶を行うためのRegist設定スイッチや、設定したレジストレーションを呼び出すためのRegistボタンが設けられている。なお、レジストレーションとは、ユーザが鍵盤8を押鍵及び離鍵して行う演奏時の設定を言う。ここで、演奏時の設定は、操作パネル10や鍵盤8の操作内容に基づいて行われるものであり、例えば、音色、伴奏、テンポ、及び演奏効果(音色に変化を与えること)等が設定項目となる。また、本実施形態の電子楽器では、前記Registボタンが複数設けられており、これら複数のRegistボタンに対して1つずつレジストレーションを設定することが可能になっている。
【0014】
さらに、前記操作子として、外部記憶媒体装着部4に装着された外部記憶媒体にデータを書き込む指示を行うためのディスク書込ボタン(スイッチ)と、外部記憶媒体装着部4に装着された外部記憶媒体からデータを読み込む指示を行うためのディスク読込ボタン(スイッチ)とを含むディスク操作スイッチが設けられている。
【0015】
また、前記操作子として、自動伴奏データを呼び出すための自動伴奏呼び出しスイッチや、自動伴奏スイッチにより呼び出された自動伴奏データに基づく自動伴奏を開始するための自動伴奏開始スイッチも設けられている。さらに、電子楽器を動作可能にするための電源スイッチ等も設けられている。ここで、自動伴奏とは、鍵盤8の押鍵及び離鍵に応じたメロディパート(演奏音)を発音させて行うマニュアル演奏に対する伴奏を電子楽器が自動で行うことを言う。
【0016】
この他、前記操作子として、自動伴奏及びリズム等から構成される演奏スタイルを選択するためのStyleボタンや、予め演奏内容が設定されている楽曲(ソング)を選択するためのSongボタンが設けられている。
【0017】
そして、本実施形態の電子楽器には、前記操作子として、図2に示すように、リズム選択ボタン群21と、第1及び第2のAUTOBASSボタン22、23と、MCS(Music Chord System)ボタン24と、MEMORYボタン25と、EASYボタン26と、INTROENDINGボタン27と、STATSTOPボタン28と、RHYTHMTEMPOボタン29とが設けられている。
【0018】
リズム選択ボタン群21は、リズムを選択するための複数のボタンから構成されている。図2に示すように、本実施形態の電子楽器では、「BIG BAND」、「COUNTRY」、「MARCH」、「EASY LATIN」、「BASIC(4/4)」、及び「BASIC(3/4)」が選択可能となっている。
第1のAUTOBASSボタン22は、前記自動伴奏を行うことが選択されている場合には、自動伴奏のベースパートの演奏を行う設定を有効又は無効にするためにユーザにより操作される。一方、前記自動伴奏を行うことが選択されていない場合には、前記コード判別領域として設定されている鍵の押鍵に基づいて判別されたコードのルート(根音)をベース音色で演奏する設定を有効又は無効にするためにユーザにより操作されるスイッチである。
【0019】
前記自動伴奏を行うことが選択され、且つ第1のAUTOBASSボタン22の裏面側に設けられたLED22aが消灯しているときに第1のAUTOBASSボタン22が操作されると、自動伴奏のベースパートの演奏を行う設定を有効にすると共に、LED22aを点灯する。
一方、前記自動伴奏を行うことが選択され、且つLED22aが点灯しているときに第1のAUTOBASSボタン22が操作されると、自動伴奏のベースパートの演奏を行う設定を無効にすると共に、LED22aを消灯する。
【0020】
また、前記自動伴奏を行うことが選択されず、且つLED22aが消灯しているときに第1のAUTOBASSボタン22が操作されると、前記コード判別領域として設定されている鍵の押鍵に基づいて判別されたコードのルート(根音)をベース音色で演奏する設定を有効にすると共に、LED22aを点灯する。
一方、前記自動伴奏を行うことが選択されず、且つLED22aが点灯しているときに第1のAUTOBASSボタン22が操作されると、前記コード判別領域として設定されている鍵の押鍵に基づいて判別されたコードのルート(根音)をベース音色で演奏する設定を無効にすると共に、LED22aを消灯する。
【0021】
このように、本実施形態の電子楽器では、前記自動伴奏のベースパートの演奏を行う設定を有効にするか否か、又は前記コード判別領域として設定されている鍵の押鍵に基づいて判別されたコードのルート(根音)をベース音色で演奏する設定が有効であるか否かを、LED22aの点灯状態により、ユーザに報知するようにしている。また、電子楽器の内部では、この設定が有効であるか否かを、例えば、RAM3等に設定されるフラグを用いて判別するようにしている。
なお、以下の説明では、必要に応じて、LEDが点灯する場合の操作子の操作を「オン」と称し、LEDが消灯する場合の操作子の操作を「オフ」と称する。
【0022】
第2のAUTOBASSボタン23は、前記自動伴奏を行うことが選択されている場合には、自動伴奏のベースパートの演奏を行う設定を有効又は無効にするためにユーザにより操作される。一方、前記自動伴奏を行うことが選択されていない場合には、前記コード判別領域で押鍵された鍵に対応する音のうち、最低音をベース音色で演奏する設定を有効又は無効にするためにユーザにより操作されるスイッチである。
【0023】
前記自動伴奏を行うことが選択され、且つ第2のAUTOBASSボタン23の裏面側に設けられたLED23aが消灯しているときに第2のAUTOBASSボタン23が操作されると、自動伴奏のベースパートの演奏を行う設定を有効にすると共に、LED23aを点灯する。
一方、前記自動伴奏を行うことが選択され、且つLED23aが点灯しているときに第2のAUTOBASSボタン23が操作されると、自動伴奏のベースパートの演奏を行う設定を無効にすると共に、LED23aを消灯する。
【0024】
また、前記自動伴奏を行うことが選択されず、且つLED23aが消灯しているときに第2のAUTOBASSボタン23が操作されると、前記コード判別領域で押鍵された鍵が発音する音のうち、最低音をベース音色で演奏する設定を有効にすると共に、LED23aを点灯する。
一方、前記自動伴奏を行うことが選択されず、且つLED23aが点灯しているときに第2のAUTOBASSボタン23が操作されると、前記コード判別領域で押鍵された鍵が発音する音のうち、最低音をベース音色で演奏する設定を無効にすると共に、LED23aを消灯する。
このように、本実施形態の電子楽器では、前記自動伴奏のベースパートの演奏を行う設定を有効にするか否か、又は前記コード判別領域で押鍵された鍵が発音する音のうち、最低音をベース音色で演奏する設定を有効にするか否かを、LED23aの点灯状態により、ユーザに報知するようにしている。また、電子楽器の内部では、この設定が有効であるか否かを、例えば、RAM3等に設定されるフラグを用いて判別するようにしている。
なお、以下の説明では、自動伴奏のベースパートの演奏を行う設定と、前記コード判別領域で押鍵された鍵に基づく音をベース音色で演奏する設定とを、必要に応じて、ベースパートの楽音に関わる設定と総称する。
【0025】
MCSボタン24は、前記コード判別領域として設定された鍵のうち、コードの構成音に対応する鍵の一部を押鍵するだけで、所望するコードが得られるようにする設定を有効又は無効にするためにユーザにより操作されるスイッチである。
MCSボタン24の裏面側に設けられたLED24aが消灯しているときにMCSボタン24が操作されると、コードの構成音に対応する鍵の一部を押鍵するだけで、所望するコードが得られるようにする設定を有効にすると共に、LED24aを点灯する。
一方、LED24aが点灯しているときにMCSボタン24が操作されると、コードの構成音に対応する鍵の一部を押鍵するだけで、所望するコードが得られるようにする設定を無効にする(すなわち、コードの構成音に対応する全ての鍵を押鍵しなければ、所望するコードが得られないようにする)と共に、LED24aを消灯する。
このように、本実施形態の電子楽器では、コードの構成音に対応する鍵の一部を押鍵するだけで、所望するコードが得られるようにする設定を有効にするか否かを、LED24aの点灯状態により、ユーザに報知するようにしている。また、電子楽器の内部では、この設定が有効であるか否かを、例えば、RAM3等に設定されるフラグを用いて判別するようにしている。
【0026】
以上のようなMCSボタン24を利用してメジャーコードを得るようにする場合、例えば、最低1音の鍵を押鍵することで、コードを判別することが可能になる。具体的に、「C」に対応する鍵と、「C」及び「E」に対応する鍵と、「C」及び「G」に対応する鍵と、「C」、「E」、及び「G」に対応する鍵とのうち、何れかを押鍵することにより、Cメジャーコードが得られる。
【0027】
また、マイナーコードや、セブンスコード等を得るようにする場合には、最低2音の鍵を押鍵することで、コードを判別することが可能になる。具体的に、「C」及び「Eb」に対応する鍵と、「C」、「Eb」、及び「G」に対応する鍵とのうち、何れかを押鍵することにより、Cマイナーコードが得られる。また、「C」及び「Bb」に対応する鍵と、「C」、「E」、及び「Bb」に対応する鍵と、のうち、「C」、「G」、及び「Bb」に対応する鍵と、「C」、「E」、「G」、及び「Bb」に対応する鍵とのうち、何れかを押鍵することにより、Cセブンス(7th)コードが得られる。
【0028】
MEMORYボタン25は、前記コード判別領域として設定されている鍵の押鍵状態を、その鍵を離鍵した後も維持する設定を有効又は無効にするためにユーザにより操作されるスイッチである。すなわち、このMEMORYボタン25がオンされている場合には、鍵を押し続けなくても、その鍵に対応する音を発音し続けることができるようになる。
MEMORYボタン25の裏面側に設けられたLED25aが消灯しているときにMEMORYボタン25が操作されると、鍵の押鍵状態を離鍵後も維持する設定を有効にすると共に、LED25aを点灯する。
一方、LED25aが点灯しているときにMEMORYボタン25が操作されると、鍵の押鍵状態を離鍵後も維持する設定を無効にする(すなわち、鍵の押鍵状態を離鍵後に維持しないようにする)と共に、LED25aを消灯する。
このように、本実施形態の電子楽器では、鍵の押鍵状態を離鍵後も維持する設定が有効であるか否かを、LED25aの点灯及び消灯により、ユーザに報知するようにしている。一方、電子楽器の内部では、この設定が有効であるか否かを、例えば、RAM3等に記憶されるフラグを用いて判別するようにしている。
【0029】
なお、本実施形態では、MCSボタン24がオンされている場合に、MEMORYボタン25がオンされると、次のコードが判別されるまで、すでに判別されているコードを維持するようにしている。一方、MCSボタン24がオフされている場合に、MEMORYボタン25がオンされると、次の押鍵があるまで、離鍵された鍵の押鍵状態を維持するようにしている。
【0030】
EASYボタン26は、前述した3つの設定(すなわち、ベースパートの楽音に関わる設定と、コードの構成音に対応する鍵の一部を押鍵するだけで所望するコードが得られるようにする設定と、鍵の押鍵状態を離鍵後も維持する設定)を一括して有効にするか否かを指定するためにユーザにより操作されるスイッチである。
【0031】
EASYボタン26の裏面側に設けられたLED26aが消灯しているときにEASYボタン26が操作されると、前述した3つの設定を一括して有効にする。そして、LED26aを点灯すると共に、LED22a〜25aが消灯している場合には、その消灯しているLED22a〜25aを点灯する。
一方、LED26aが消灯しているときにEASYボタン26が操作されると、前述した3つの設定を一括して無効にする。そして、LED26aを消灯すると共に、LED22a〜25aが点灯している場合には、その点灯しているLED22a〜25aを消灯する。
【0032】
また、第1のAUTOBASSボタン22及び第2のAUTOBASSボタン23の何れか一方と、MCSボタン24と、MEMORYボタン25との少なくとも何れか1つが、オンからオフになった場合には、LED26aを消灯する。
さらに、LED26aが消灯しているときに、第1のAUTOBASSボタン22及び第2のAUTOBASSボタン23の何れか一方と、MCSボタン24と、MEMORYボタン25とがオンになった場合には、LED26aを点灯する。
【0033】
以上のように本実施形態では、LED26aが点灯しているときに、第1のAUTOBASSボタン22、第2のAUTOBASSボタン23、MCSボタン24、及びMEMORYボタン25の何れかがオフされた場合には、そのオフされたボタンに対応するLEDを消灯すると共に、LED26aを消灯させる。また、LED26aが消灯しているときに、第1のAUTOBASSボタン22及び第2のAUTOBASSボタン23の何れか一方と、MCSボタン24と、MEMORYボタン25とが全てオンされると、そのオンされたボタンに対応するLEDを点灯すると共に、LED26aを点灯させる。このようにすることにより、LED22a〜25aの表示内容とLED26aの表示内容とに矛盾が生じないようにしている。
【0034】
図3は、第1のAUTOBASSボタン22、第2のAUTOBASSボタン23、MCSボタン24、MEMORYボタン25、及びEASYボタン26の操作状態と、これらのボタン22〜26に対応するLED22a〜26aの点灯状態との関係を示す図である。
図3において、状態(STATUS BEFORE)31は、欄33に示されているボタンが操作される前の状態を示し、状態(STATUS AFTER)32は、欄33に示されているボタンが操作された後の状態を示す。
具体的に「1」は、そのボタンに対応するLEDが点灯することを示し、「0」は、そのボタンに対応するLEDが消灯することを示す。ただし、第1のAUTOBASSボタン22及び第2のAUTOBASSボタン23(AUTO BASS)については、「1」は、第1のAUTOBASSボタン22に対応するLED22aが点灯することを示し、「2」は、第2のAUTOBASSボタン23に対応するLED23aが点灯することを示し、「0」は、LED22a、23aの何れもが消灯することを示す。
【0035】
なお、図3では、MCSボタン24を「MCS」と表し、MEMORYボタン25を「MEMORY」と表し、第1のAUTOBASSボタン22及び第2のAUTOBASSボタン23を、それぞれ「AUTOBASS1」及び「AUTO BASS2」と表している。
【0036】
図3において、本実施形態では、第1のAUTOBASSボタン22、第2のAUTOBASSボタン23、MCSボタン24、MEMORYボタン25、及びEASYボタン26が、状態31a〜31kから状態32a〜32kになることが特徴の一つである。
例えば、状態31aでは、MCSボタン24に対応するLED24aと、MEMORYボタン25に対応するLED25aとが点灯し、第1のAUTOBASSボタン22に対応するLED22aと、第2のAUTOBASSボタン23に対応するLED23aと、EASYボタン26に対応するLED26aとが消灯している。この状態31aで、第1のAUTOBASSボタン(欄33内の「AUTO BASS1」)22がオンされると、状態32aに遷移する。
【0037】
この状態32aでは、MCSボタン24に対応するLED24aと、MEMORYボタン25に対応するLED25aとに加え、第1のAUTOBASSボタン22に対応するLED22aが点灯する。したがって、LED22a〜25aの表示内容とLED26aの表示内容とが矛盾しないように、EASYボタン26に対応するLED26aも点灯するようにする。
【0038】
また、例えば、状態31iでは、MCSボタン24に対応するLED24aと、MEMORYボタン25に対応するLED25aと、第2のAUTOBASSボタン23に対応するLED23aと、EASYボタン26に対応するLED26aとが点灯し、第1のAUTOBASSボタン22に対応するLED22aが消灯している。この状態31iで、MCSボタン(欄33内の「MCS」)24がオンされると、状態32iに遷移する。
この状態32iでは、MCSボタン24に対応するLED24aが消灯する。したがって、LED22a〜25aの表示内容とLED26aの表示内容とが矛盾しないように、EASYボタン26に対応するLED26aも消灯するようにする。
【0039】
図2に説明を戻し、INTROENDINGボタン27は、自動伴奏のイントロやエンディングを行うか否かを指定するためにユーザにより操作されるスイッチである。
STATSTOPボタン28は、リズム選択スイッチ群21で選択されたリズムでの発音を開始又は終了するためにユーザにより操作されるスイッチである。
RHYTHMTEMPOボタン29は、テンポを変更するためにユーザにより操作されるスイッチであり、テンポを上げる場合に操作されるボタン29aと、テンポを下げる場合に操作されるボタン29bとを有する。
なお、操作パネル10に配設される操作子は、前述したものに限定されないということは言うまでもない。
また、リズム選択スイッチ群21、INTROENDINGボタン27、STATSTOPボタン28、及びRHYTHMTEMPOボタン29の操作に基づく設定内容をユーザに報知するために、これらのボタン21、27〜29に対応するLEDを設けるようにしてもよいということも言うまでもない。
【0040】
(パネルスキャン回路)
パネルスキャン回路9は、操作パネル10に設けられている各種操作子のスキャン処理を行うためのものである。
【0041】
(CPU)
CPU1は、本実施形態の電子楽器の全体を統括制御するためのものであり、フラッシュメモリ2に格納されている制御プログラムに従って、RAM3をワークメモリとして利用しながら、例えば次のような処理を行う。
【0042】
CPU1は、パネルスキャン回路9によりスキャン処理された結果を入力し、操作パネル10の操作内容を識別する。
また、CPU1は、キースキャン回路7によりスキャン処理された結果を入力して、鍵の操作内容(押鍵及び離鍵)を識別する。
そして、その鍵の操作内容(鍵の押鍵及び離鍵)に基づく演奏データや、操作パネル10の操作内容に基づくデータを楽音発生部11に割り当てる処理を行う。
【0043】
この演奏データは、前記各鍵の操作が押鍵(キーオン)であるか離鍵(キーオフ)であるかを示すキーオン/オフ信号や、音高データである音高や、音量制御データであるベロシティデータや、演奏のテンポの絶対値を示すテンポ情報(以下、必要に応じて単にテンポ情報と称する)や、各鍵の動作スピードに関するキータッチレスポンス信号などから構成される。
【0044】
また、CPU1は、前記自動伴奏スイッチの操作内容に基づき、フラッシュメモリ2に記憶されている自動伴奏データを読み出す。その後、前記自動伴奏開始スイッチが操作されると、読み出した自動伴奏データを楽音発生部11に割り当てる。これにより、自動伴奏データに基づく自動伴奏の楽音が発音されるようになる。このように、本実施形態の電子楽器では、CPU1が、自動伴奏データの再生を行うシーケンサの役割の一部を果たすようにしている。
【0045】
さらに、CPU1は、前記レジストレーション設定スイッチを用いて設定されたレジストレーションの内容をフラッシュメモリ2に記憶する。その後、前記レジストレーション実行スイッチが操作されると、操作されたレジストレーション実行スイッチに応じたレジストレーションの内容をフラッシュメモリ2から読み出し、読み出したレジストレーションの内容に従った演奏が行われるように電子楽器の設定を変更する。
なお、CPU1は、前述したものの他に種々の処理を行うということは言うまでもない。
【0046】
(フラッシュメモリ)
フラッシュメモリ2は、読み出し可能なメモリであり、CPU1の制御プログラムの他、レジストレーションデータや、自動伴奏データ等、種々のデータを格納する。
【0047】
(RAM)
RAM3は読み書きが可能なメモリであり、CPU1のプログラム実行過程において各種の必要なデータを一時的に記憶したり、編集可能なパラメータデータを記憶したりする記憶領域を有している。このRAM3の一部あるいは全部はバッテリーバックアップされており、必要なデータを、電子楽器の電源がオフにされても保持しておくことができるようにしている。
【0048】
(波形メモリ)
波形メモリ12は、音色や音域に応じた種々の楽音波形データを記憶している。
(楽音発生部)
楽音発生部11は、前述したようにしてCPU1により割り当てられた演奏データや自動伴奏データと、操作パネル10の操作内容に基づくデータとに基づいて、波形メモリ12から必要な楽音波形データを読み出し、所望のデジタル楽音信号を発生させる。
【0049】
(D/A変換部)
D/A変換部13は、楽音発生部11で発生されたデジタル楽音信号をアナログ楽音信号に変換する機能を有する。
(アナログ信号処理部)
アナログ信号処理部14は、D/A変換部13でD/A変換されたアナログ楽音信号に対し、フィルタ処理(ノイズ除去処理)や音質調整、信号レベル(ゲイン)調整等を施す機能を有する。
【0050】
(パワーアンプ)
パワーアンプ15は、アナログ信号処理部14でノイズ除去処理が施されたアナログ楽音信号に対し、増幅処理を施して適当なレベルに増幅する。
(スピーカ部)
スピーカ部16は、パワーアンプ15で増幅されたアナログ楽音信号を可聴信号として放音するためのものであり、1個あるいは複数個で構成されている。
【0051】
(外部記憶装置装着部)
外部記憶媒体装着部4は、例えば、CD−RWドライブである。そして、CPU1は、CD−RWドライブに装着されたCD−ROMに記憶されている制御プログラムや各種データを読み出して必要な処理を行う。なお、外部記憶媒体装着部4は、CD−RWドライブに限定されず、フレキシブルディスク(FD)装置や、光磁気ディスク(MO)装置などであってもよいということは言うまでもない。
【0052】
(外部入出力用インターフェース部)
外部入出力用インターフェース部5は、外部装置との間で、演奏情報などのデータのやり取りを行うためのものである。具体的に、この外部入出力用インターフェース部5は、例えばMIDI(Musical Instrument Digital Interface)である。
【0053】
次に、図4〜図13を参照しながら、本実施形態の電子楽器に配設されたCPU1により実行される処理の一例を説明する。
【0054】
図4は、CPU1により実行されるメインルーチンの処理の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS1において、初期化処理を実行する。
次に、ステップS2において、イベントが発生したか否かを判定する。この判定の結果、イベントが発生した場合には、ステップS3に進み、イベント処理を実行する。このイベント処理の詳細については、図5を参照しながら後述する。一方、イベントが発生していない場合には、このステップS3を省略してステップS4に進む。
そして、ステップS4において、時変数処理を実行する。この時変数処理の詳細については、図13を参照しながら後述する。
【0055】
次に、図5のフローチャートを参照しながら、イベント処理の詳細の一例を説明する。
まず、ステップS11において、発生したイベントが鍵盤8の押鍵又は離鍵に関するイベント(keyイベント)か否かを判定する。この判定の結果、鍵盤8の押鍵又は離鍵に関するイベント(keyイベント)である場合には、ステップS12に進み、key処理を実行して、図4に示したメインフローチャートに戻る。このkey処理の詳細については、図11を参照しながら後述する。
ステップS11において、鍵盤8の押鍵又は離鍵に関するイベント(keyイベント)でないと判定した場合には、ステップS13に進み、発生したイベントが操作パネル10に関するイベント(パネルイベント)か否かを判定する。この判定の結果、操作パネル10に関するイベント(パネルイベント)である場合には、ステップS14に進み、パネル処理を実行して、図4に示したメインフローチャートに戻る。このパネル処理の詳細については、図6〜図10を参照しながら後述する。
【0056】
ステップS13において、操作パネル10に関するイベントでないと判定した場合には、ステップS15に進み、その他の処理を実行して、図4に示したメインフローチャートに戻る。
【0057】
図6は、図5のステップS14におけるパネル処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS21において、EASYボタン26の操作であるか否かを判定する。この判定の結果、EASYボタン26の操作である場合には、ステップS22に進み、Easy処理を実行して、図4に示したメインフローチャートに戻る。このEasy処理の詳細については、図7を参照しながら後述する。
【0058】
ステップS21において、EASYボタン26の操作でないと判定した場合には、ステップS23に進み、前記Songボタンの操作であるか否かを判定する。この判定の結果、前記Songボタンの操作である場合には、ステップS24に進み、Song処理を実行して、図4に示したメインフローチャートに戻る。このSong処理の詳細については、図8を参照しながら後述する。
【0059】
ステップS23において、前記Songボタンの操作でないと判定した場合には、ステップS25に進み、前記Styleボタンの操作であるか否かを判定する。この判定の結果、前記Styleボタンの操作である場合には、ステップS26に進み、Style処理を実行して、図4に示したメインフローチャートに戻る。このStyle処理の詳細については、図9を参照しながら後述する。
【0060】
ステップS25において、前記Styleボタンの操作でないと判定した場合には、ステップS27に進み、前記Registボタンの操作であるか否かを判定する。この判定の結果、前記Registボタンの操作である場合には、ステップS28に進み、Regist処理を実行して、図4に示したメインフローチャートに戻る。このRegist処理の詳細については、図10を参照しながら後述する。
ステップS27において、前記Registボタンの操作でないと判定した場合には、ステップS29に進み、その他の処理を実行して、図4に示したメインフローチャートに戻る。
【0061】
図7は、図6のステップS22のEasy処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS31において、EASYボタン26が操作される前のEASYボタン26の操作状態がオンであったか否かを判定する。この判定の結果、EASYボタン26の操作状態がオンであった場合には、ステップS32に進み、コードの構成音に対応する鍵の一部を押鍵するだけで、そのコードに対応する楽音が得られるようにする設定を無効にする(すなわち、コードの構成音に対応する全ての鍵を押鍵しなければ、そのコードに対応する楽音が得られないようにする)と共に、MCSボタン24に対応して設けられているLED24aを消灯する。
【0062】
次に、ステップS33において、前記コード判別領域として設定されている鍵の押鍵状態を、その鍵を離鍵した後も維持する設定を無効にする(すなわち、鍵の押鍵状態を離鍵後に維持しないようにする)と共に、MEMORYボタン25に対応して設けられているLED25aを消灯する。
次に、ステップS34において、前記ベースパートの楽音に関わる設定を無効にすると共に、第1のAUTOBASSボタン22及び第2のAUTOBASSボタン23に対応して設けられているLED22a、23aを消灯する。
次に、ステップS35において、EASYボタン26に対応して設けられているLED26aを消灯して、図4に示したメインフローチャートに戻る。
【0063】
ステップS31において、EASYボタン26の操作状態がオフであったと判定した場合には、ステップS36に進み、コードの構成音に対応する鍵の一部を押鍵するだけで、そのコードに対応する楽音が得られるようにする設定を有効にすると共に、MCSボタン24に対応して設けられているLED24aを点灯する。
【0064】
次に、ステップS37において、前記コード判別領域として設定されている鍵の押鍵状態を、その鍵を離鍵した後も維持する設定を有効にすると共に、MEMORYボタン25に対応して設けられているLED25aを点灯する。
次に、ステップS38において、前記ベースパートの楽音に関わる設定を有効にすると共に、第1のAUTOBASSボタン22に対応して設けられているLED22aを点灯する。
【0065】
なお、ここでは、第1のAUTOBASSボタン22の操作状態をオンにして、LED22aを点灯するようにしたが、第2のAUTOBASSボタン23の操作状態をオンにして、LED23aを点灯するようにしてもよい。
次に、ステップS35において、EASYボタン26に対応して設けられているLED26aを点灯して、図4に示したメインフローチャートに戻る。
【0066】
図8は、図6のステップS24のSong処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS41において、ステップS23で操作されたと判定された前記Songボタンに対応付けて設定されている楽曲(ソング)におけるレジストレーションデータをRAM3に展開する。
【0067】
次に、ステップS42において、前記レジストレーションデータに基づき、EASYボタン26に対応して設けられているLED26aを点灯又は消灯する。具体的に説明すると、前記レジストレーションデータに基づき、第1のAUTOBASSボタン22及び第2のAUTOBASSボタン23の何れか一方と、MCSボタン24と、MEMORYボタン25とを全てオンする必要がある場合には、LED26aを点灯し、そうでない場合には、LED26aを消灯する。なお、このとき、前記レジストレーションデータに基づいて、ボタン22〜25のうち、オンする必要があるボタンを判定し、オンする必要があるボタンに対応して設けられているLEDを点灯し、オンする必要がないボタンに対応して設けられているLEDを消灯するのが好ましい。
次に、ステップS43において、前記レジストレーションデータに基づく演奏(伴奏)ができるように、電子楽器の設定を行って、図4に示したメインフローチャートに戻る。
【0068】
図9は、図6のステップS26のStyle処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS51において、ステップS25で操作されたと判定された前記Styleボタンに対応付けて設定されている演奏スタイルにおけるレジストレーションデータをRAM3に展開する。
【0069】
次に、ステップS52において、前記レジストレーションデータに基づき、EASYボタン26に対応して設けられているLED26aを点灯又は消灯する。具体的に説明すると、前記レジストレーションデータに基づき、第1のAUTOBASSボタン22及び第2のAUTOBASSボタン23の何れか一方と、MCSボタン24と、MEMORYボタン25とを全てオンする必要がある場合には、LED26aを点灯し、そうでない場合には、LED26aを消灯する。なお、このとき、前記レジストレーションデータに基づいて、ボタン22〜25のうち、オンする必要があるボタンを判定し、オンする必要があるボタンに対応して設けられているLEDを点灯し、オンする必要がないボタンに対応して設けられているLEDを消灯するのが好ましい。
次に、ステップS53において、前記レジストレーションデータに基づく演奏(伴奏)ができるように、電子楽器の設定を行って、図4に示したメインフローチャートに戻る。
【0070】
図10は、図6のステップS28のRegist処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS61において、操作された前記Registボタンに対応して設定されているレジストレーションデータをRAM3に展開する。
【0071】
次に、ステップS62において、前記レジストレーションデータに基づき、EASYボタン26に対応して設けられているLED26aを点灯又は消灯する。具体的に説明すると、前記レジストレーションデータに基づき、第1のAUTOBASSボタン22及び第2のAUTOBASSボタン23の何れか一方と、MCSボタン24と、MEMORYボタン25とを全てオンする必要がある場合には、LED26aを点灯し、そうでない場合には、LED26aを消灯する。なお、このとき、前記レジストレーションデータに基づいて、ボタン22〜25のうち、オンする必要があるボタンを判定し、オンする必要があるボタンに対応して設けられているLEDを点灯し、オンする必要がないボタンに対応して設けられているLEDを消灯するのが好ましい。
次に、ステップS63において、前記レジストレーションデータに基づく演奏(伴奏)ができるように、電子楽器の設定を行って、図4に示したメインフローチャートに戻る。
【0072】
図11は、図5のステップS12のKey処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS71において、押鍵又は離鍵された鍵(Key)がコード判別領域として設定された鍵であるか否かを判定する。この判定の結果、押鍵又は離鍵された鍵(Key)がコード判別領域として設定された鍵である場合には、ステップS72に進み、コード処理を実行して、図4に示したメインフローチャートに戻る。このコード処理の詳細については、図12を参照しながら後述する。
【0073】
一方、押鍵又は離鍵された鍵(Key)がコード判別領域として設定された鍵でない場合には、ステップS73に進み、押鍵又は離鍵された鍵に基づく発音又は消音処理を実行して、図4に示したメインフローチャートに戻る。
【0074】
図12は、図11のステップS72のコード処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS81において、MCSボタン24がオンであるか否かを判定する。この判定の結果、MCSボタン24がオンである場合には、ステップS82に進み、MCSコード判別処理を行う。このコード判別処理では、コードの構成音に対応する鍵の一部の押鍵に基づいてコードを判別する。ただし、コードの構成音に対応する鍵の全部が押鍵された場合には、それら押鍵された鍵に基づいてコードを判別する。この処理の結果(判別したコード)は、例えば、RAM3等に設定されるフラグを用いて記憶しておく。
一方、MCSボタン24がオフである場合には、ステップS83に進み、通常コード判別処理を行う。この通常コード判別処理では、コードの構成音に対応する全ての鍵の押鍵に基づいてコードを判別し、前述したMCSコード判別処理のように、コードの構成音に対応する鍵の一部の押鍵だけでは、当該コードを判別することができない。
【0075】
以上のようにしてコードが判別されると、ステップS84において、MEMORYボタン25がオンであるか否かを判定する。この判定の結果、MEMORYボタン25がオンである場合には、ステップS85に進む。ステップS85において、MCSボタン24がオフされている場合には、押鍵された鍵を、離鍵後も押鍵状態に維持するための処理を行い、MCSボタン24がオンされている場合には、次のコードが判別されるまで、すでに判別されているコードの発音状態を維持するための処理を行う。この処理の結果は、例えば、RAM3等に設定されるフラグを用いて記憶しておく。
【0076】
ステップS84において、MEMORYボタン25がオフである場合には、ステップS85を省略して、ステップS86に進む。そして、ステップS86において、第1のAUTOBASSボタン22又は第2のAUTOBASSボタン23がオンであるか否かを判定する。この判定の結果、第1のAUTOBASSボタン22又は第2のAUTOBASSボタン23がオンである場合には、ステップS87に進み、前記ベースパートの楽音に関わる設定に基づく処理を行って、図4に示したメインフローチャートに戻る。この処理の結果は、例えば、RAM3等に設定されるフラグを用いて記憶しておく。
【0077】
なお、前述したように、前記ベースパートの楽音に関わる設定は、前記自動伴奏を行うことが選択されている場合には、自動伴奏のベースパートの演奏を行う設定を言う。一方、前記自動伴奏を行うことが選択されず、且つ第1のAUTOBASSボタン22がオンである場合には、前記コード判別領域として設定された鍵の押鍵に基づいて判別されたコードのルート(根音)をベース音色で演奏する設定を言う。さらに、前記自動伴奏を行うことが選択されず、且つ第2のAUTOBASSボタン23がオンである場合には、前記コード判別領域で押鍵された鍵に対応する音のうち、最低音をベース音色で演奏する設定を言う。
【0078】
ステップS86において、第1のAUTOBASSボタン22又は第2のAUTOBASSボタン23がオンでない場合には、ステップS87を省略して、図4に示したメインフローチャートに戻る。
【0079】
図13は、図4のステップS4の時変数処理の詳細の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS91において、操作パネル10の操作内容に応じて、発音させる楽音の音を変化させる音変化処理を行う。音変化処理の具体例としては、発音させる楽音にエコーやビブラートを施すことが挙げられる。
次に、ステップS92において、操作パネル10の操作内容に応じて、自動伴奏を実行する自動伴奏処理を実行して、図4に示したメインフローチャートに戻る。具体的には、前記自動伴奏呼び出しスイッチの操作に基づいて呼び出された自動伴奏データに基づく自動伴奏を、前記自動伴奏開始スイッチの操作に基づいて開始する。前述したように、自動伴奏を開始するに際し、第1のAUTOBASSボタン22又は第2のAUTOBASSボタン23がオンされている場合には、自動伴奏のベースパートの演奏を行うようにする。
【0080】
以上のように本実施形態では、ベースパートの楽音に関わる設定と、コードの構成音に対応する鍵の一部を押鍵するだけで所望するコードが得られるようにする設定と、鍵の押鍵状態を離鍵後も維持する設定とを、一括して有効又は無効にするためにユーザにより操作されるEASYボタン26を設けると共に、EASYボタン26に対応してLED26aを設けるようにし、前記3つの設定が全て有効である場合にLED26aを点灯し、そうでない場合にLED26aを消灯するようにしたので、前記3つの設定が有効であるか否かをユーザに容易に知らせることができる。
また、LED22a〜25aの表示状態と、LED26aの表示状態とに矛盾が生じないようにしたので、ユーザが電子楽器の設定内容がどのようなものであるのかが分からなくなってしまうことを可及的に防止することができる。
【0081】
なお、本実施形態では、第1のAUTOBASSボタン22及び第2のAUTOBASSボタン23の何れか一方と、MCSボタン24と、MEMORYボタン25とが全てオンされた場合にのみ、EASYボタン26をオンするようにし、その他の場合には、EASYボタン26をオフするようにしたが、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、第2のAUTOBASSボタン23、MCSボタン24、及びMEMORYボタン25の全部がオフされた場合にのみEASYボタン26をオフするようにし、その他の場合には、EASYボタン26をオンするようにしてもよい。
【0082】
また、本実施形態では、LED22a〜26aの点灯及び消灯により、前述した設定が有効であるか否かをユーザに報知するようにしたが、前述した設定が有効であるか否かを、必ずしもLEDを用いて報知する必要はない。例えば、操作パネル10に設けられている前記LCDに、前述した設定が有効であるか否かを表示するようにしてもよい。
【0083】
さらに、本実施形態のように、第1のAUTOBASSボタン22、第2のAUTOBASSボタン23、MCSボタン24、及びMEMORYボタン25を電子楽器に設けるようにすれば、前述した設定を個別に有効及び無効にすることができると共に、各設定が有効であるか否かをLED22a〜25aにより個別に遊技者に報知することができ好ましい。しかしながら、前述した設定を電子機器の内部で有効及び無効にすることができれば、これらのボタン22〜25を必ずしも設ける必要はない。この場合、前述した設定を個別に有効及び無効にすることを電子楽器に実行させないようにしてもよいし、前記ボタン22〜25に相当する役割を既存の操作子(例えば鍵盤8)に持たせることにより、前述した設定を個別に有効及び無効にするようにしてもよい。
なお、以上の説明においては、説明の都合上、「設定を有効にする」及び「設定を無効にする」という表現を用いたが、「設定を有効にする」を「設定する」に置き換えることができ、「設定を無効にする」を「設定を解除する」に置き換えることができる。
【0084】
(本発明の他の実施形態)
前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
また、前述した実施形態の機能を実現するべく各種のデバイスを動作させるように、該各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに対し、前記実施形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に格納されたプログラムに従って前記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
【0085】
また、この場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えば、かかるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムコードを記憶する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−フラッシュメモリ、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、フラッシュメモリ等を用いることができる。
【0086】
また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、前述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して前述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
【0087】
さらに、供給されたプログラムコードがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0088】
1 CPU
2 フラッシュメモリ
3 RAM
4 外部記憶媒体装着部
5 外部入出力用インターフェース部
6 信号バス
7 キースキャン回路
8 鍵盤
9 パネルスキャン回路
10 操作パネル
11 楽音発生部
12 波形メモリ
13 D/A変換部
14 アナログ信号処理部
15 パワーアンプ
16 スピーカ部
22 第1のAUTOBASSボタン
23 第2のAUTOBASSボタン
24 MCSボタン
25 MEMORYボタン
26 EASYボタン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演奏に関わる複数の設定を一括して有効又は無効にするためにユーザにより操作される単一の一括設定用操作子と、
前記複数の設定を個別に有効又は無効にするためにユーザにより操作される複数の個別設定用操作子と、
前記複数の設定が有効であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、前記複数の設定の全てが無効であるか否かを表示する単一の一括設定表示手段と、
前記複数の設定が有効であるか否かを個別に表示する複数の個別設定表示手段とを有することを特徴とする電子楽器。
【請求項2】
自動伴奏を行う自動伴奏手段と、
前記自動伴奏手段による自動伴奏を行うか否かを選択するためにユーザにより操作される自動伴奏選択用操作子と、
複数の鍵の一部に対して設定されたコード判別領域でのユーザによる鍵操作に基づいてコード判別を行うコード判別手段とを更に有し、
前記複数の設定は、少なくとも自動伴奏を行うことが選択されていない場合の、前記コード判別領域でのユーザによる鍵操作に対応する処理に関わる設定であることを特徴とする請求項1に記載の電子楽器。
【請求項3】
前記複数の設定は、
前記コード判別領域として設定された鍵のうち、コードの構成音に対応する鍵の一部を押鍵するだけで、所望するコードが得られるようにする設定を有効又は無効にする第1の設定と、
前記コード判別領域として設定されている鍵の押鍵状態を、その鍵を離鍵した後も維持する設定を有効又は無効にする第2の設定と、
前記自動伴奏を行うことが選択されていない場合には、前記コード判別領域として設定されている鍵の押鍵に基づいて判別されたコードの根音又は最低音をベース音色で演奏する設定を有効又は無効にする第3の設定とのうち、少なくとも何れか2つを含むことを特徴とする請求項2に記載の電子楽器。
【請求項4】
前記一括設定表示手段は、前記判定手段により、前記複数の設定の全てが無効であると判定された場合に消灯し、前記判定手段により、前記複数の設定の全てが無効でないと判定された場合に点灯する発光手段であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電子楽器。
【請求項1】
演奏に関わる複数の設定を一括して有効又は無効にするためにユーザにより操作される単一の一括設定用操作子と、
前記複数の設定を個別に有効又は無効にするためにユーザにより操作される複数の個別設定用操作子と、
前記複数の設定が有効であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、前記複数の設定の全てが無効であるか否かを表示する単一の一括設定表示手段と、
前記複数の設定が有効であるか否かを個別に表示する複数の個別設定表示手段とを有することを特徴とする電子楽器。
【請求項2】
自動伴奏を行う自動伴奏手段と、
前記自動伴奏手段による自動伴奏を行うか否かを選択するためにユーザにより操作される自動伴奏選択用操作子と、
複数の鍵の一部に対して設定されたコード判別領域でのユーザによる鍵操作に基づいてコード判別を行うコード判別手段とを更に有し、
前記複数の設定は、少なくとも自動伴奏を行うことが選択されていない場合の、前記コード判別領域でのユーザによる鍵操作に対応する処理に関わる設定であることを特徴とする請求項1に記載の電子楽器。
【請求項3】
前記複数の設定は、
前記コード判別領域として設定された鍵のうち、コードの構成音に対応する鍵の一部を押鍵するだけで、所望するコードが得られるようにする設定を有効又は無効にする第1の設定と、
前記コード判別領域として設定されている鍵の押鍵状態を、その鍵を離鍵した後も維持する設定を有効又は無効にする第2の設定と、
前記自動伴奏を行うことが選択されていない場合には、前記コード判別領域として設定されている鍵の押鍵に基づいて判別されたコードの根音又は最低音をベース音色で演奏する設定を有効又は無効にする第3の設定とのうち、少なくとも何れか2つを含むことを特徴とする請求項2に記載の電子楽器。
【請求項4】
前記一括設定表示手段は、前記判定手段により、前記複数の設定の全てが無効であると判定された場合に消灯し、前記判定手段により、前記複数の設定の全てが無効でないと判定された場合に点灯する発光手段であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電子楽器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−204695(P2010−204695A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143676(P2010−143676)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【分割の表示】特願2005−144309(P2005−144309)の分割
【原出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【出願人】(000001410)株式会社河合楽器製作所 (563)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【分割の表示】特願2005−144309(P2005−144309)の分割
【原出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【出願人】(000001410)株式会社河合楽器製作所 (563)
【Fターム(参考)】
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