説明

電子機器及びアダプタ装置

【課題】 USBホスト2からデータラインD+、D−にデータが供給されていない場合にも、DAP20に充電処理を実行させること。
【解決手段】 USBホスト2からデータが出力されていることが検出部3で検出されると、USBスイッチ4は、データラインD+、D−を介してDAP20にUSBホスト2からのデータを供給するよう切り換える。従って、DAP20にデータラインD+、D−を介してデータを供給でき、かつ、DAP20に充電処理を実行させることができる。USBホスト2からデータが出力されていないことが検出部3で検出されると、USBスイッチ4は、データラインD+、D−を介してDAP0に電圧供給部5からの所定電圧を供給するよう切り換える。従って、USBホスト2からデータが出力されていない場合であっても、DAP20に充電処理を実行させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ再生装置に充電電圧を供給する電子機器及びアダプタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体を備え、記憶媒体に記録されているコンテンツを再生する携帯型プレーヤ(以下、DAPという。)が広く使用されている。DAPは、充電池を内蔵しており、充電池に充電されている電圧を使用してコンテンツの再生を実行する。ここで、DAPは、PCやクレードルにUSB経由で接続され、PCやクレードルから充電用電圧が供給されることにより、充電池に充電処理を実行する。DAPの中には、USBのデータラインD+、D−にUSB信号が伝送されている、又は、USBのデータラインD+,D−に所定範囲の電圧値の電圧が供給されていることを判断したときのみ充電池の充電処理を実行する仕様のものが存在する。
【0003】
図6は、DAPがUSB経由でPCに接続された状態を示す。DAPは、USBのデータラインD+、D−にPCのUSBホストからUSB信号が出力されている場合に、+5V電源ラインを介してPCから充電用電圧を受け充電池を充電する。一方、USBのデータラインD+、D−にUSB信号が出力されていない場合に、+5V電源ラインを介してPCからの充電用電圧を受けず、充電池を充電しない。従って、PCの電源がオフ状態にされると、USBホストからUSBのデータラインD+、D−にUSB信号が出力されなくなるので、DAPは、充電池を充電できなくなるという問題がある。
【0004】
図7は、DAPがUSB経由でクレードルに接続された状態を示す。USBのデータラインD+には+5V電圧が抵抗Ra及びRbによって分圧されて供給され、D−には+5V電圧が抵抗Rc及びRdによって分圧されて供給される。DAPは、USBのデータラインD+、D−に所定範囲の電圧値の電圧が供給されることを判断し、+5V電源ラインを介してPCから充電用電圧を受け充電池を充電する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−68333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、データ送受信部からデータラインにデータが出力されていない場合にも、コンテンツ再生装置に充電処理を実行させることができる電子機器及びアダプタ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好ましい実施形態による電子機器は、データラインを介してデータが供給されている場合、又は、前記データラインを介して所定電圧が供給されている場合のみに電子機器からの充電用電圧を受け充電処理を実行するコンテンツ再生装置に接続可能であり、前記コンテンツ再生装置に前記充電用電圧を供給する前記電子機器であって、前記コンテンツ再生装置と前記データラインを介して前記データを送受信するデータ送受信部と、前記所定電圧を供給する電圧供給部と、前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記データ送受信部からの前記データを供給するか、又は、前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記電圧供給部からの前記所定電圧を供給するかを切り換えるスイッチ部と、前記データ送受信部から前記データが出力されているか否かを判断し、前記データ送受信部から前記データが出力されている場合、前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記データ送受信部からの前記データを供給させるよう前記スイッチ部を制御し、前記データ送受信部から前記データが出力されていない場合、前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記電圧供給部からの前記所定電圧を供給させるよう前記スイッチ部を制御する検出手段とを備える。
【0008】
データ送受信部からデータが出力されている場合、スイッチ部は、データラインを介してコンテンツ再生装置にデータ送受信部からのデータを供給させるよう切り換える。従って、コンテンツ再生装置にデータラインを介してデータを供給でき、かつ、コンテンツ再生装置に充電処理を実行させることができる。データ送受信部からデータが出力されていない場合、スイッチ部は、データラインを介してコンテンツ再生装置に電圧供給部からの所定電圧を供給させるよう切り換える。従って、データ送受信部からデータが出力されていない場合であっても、コンテンツ再生装置に充電処理を実行させることができる。
【0009】
好ましい実施形態においては、前記検出手段が、前記データ送受信部から出力される前記データの所定時間当たりのパルス数が所定数以上であるか否かを判断し、前記データ送受信部から出力される前記データの所定時間当たりのパルス数が所定数以上である場合、前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記データ送受信部からの前記データを供給させるよう前記スイッチ部を制御し、前記データ送受信部から出力される前記データの所定時間当たりのパルス数が所定数未満である場合、前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記電圧供給部からの前記所定電圧を供給させるよう前記スイッチ部を制御する。
【0010】
好ましい実施形態においては、前記スイッチ部が前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記データ送受信部からの前記データを供給させている状態においては、前記検出手段が、前記データ送受信部から前記データが出力されていない状態が一定時間以上継続したか否かを判断し、前記データ送受信部から前記データが出力されていない状態が一定時間以上継続した場合に、前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記電圧供給部からの前記所定電圧を供給させるよう前記スイッチ部を制御する。
【0011】
電子機器の電源がオン状態であり、かつ、きわめて短い時間のみデータ送受信部からデータラインにデータが供給されない場合には、スイッチ部は、データラインを介してコンテンツ再生装置に電圧供給部からの所定電圧を供給させるよう切り換えない。従って、データ供給部からのデータがデータラインを介してコンテンツ再生装置に供給されなくなり、電子機器とコンテンツ再生装置との間でデータを送受信できなくなることを防止できる。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によるアダプタ装置は、コンテンツ再生装置との間でデータラインを介してデータを送受信するデータ送受信部を備える電子機器と、前記データラインを介して前記データが供給されている場合、又は、前記データラインを介して所定電圧が供給されている場合にのみアダプタ装置からの充電用電圧を受け充電処理を実行する前記コンテンツ再生装置との間に接続可能であり、前記コンテンツ再生装置に前記充電用電圧を供給する前記アダプタ装置であって、前記所定電圧を供給する電圧供給部と、前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記データ送受信部からの前記データを供給するか、又は、前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記電圧供給部からの前記所定電圧を供給するかを切り換えるスイッチ部と、前記データ送受信部から前記データが出力されているか否かを判断し、前記データ送受信部から前記データが出力されている場合、前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記データ送受信部からの前記データを供給させるよう前記スイッチ部を制御し、前記データ送受信部から前記データが出力されていない場合、前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記電圧供給部からの前記所定電圧を供給させるよう前記スイッチ部を制御する検出手段とを備える。
【0013】
好ましい実施形態においては、前記検出手段が、前記データ送受信部から出力される前記データの所定時間当たりのパルス数が所定数以上であるか否かを判断し、前記データ送受信部から出力される前記データの所定時間当たりのパルス数が所定数以上である場合、前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記データ送受信部からの前記データを供給させるよう前記スイッチ部を制御し、前記データ送受信部から出力される前記データの所定時間当たりのパルス数が所定数未満である場合、前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記電圧供給部からの前記所定電圧を供給させるよう前記スイッチ部を制御する。
【発明の効果】
【0014】
データ送受信部からデータラインにデータが供給されていない場合にも、コンテンツ再生装置に充電処理を実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の好ましい実施形態による電子機器1及びDAP20を示すブロック図である。
【図2】本発明の別の好ましい実施形態による電子機器1B及びDAP20を示すブロック図である。
【図3】電子機器1の処理を示すフローチャートである。
【図4】電子機器1の処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の好ましい実施形態による電子機器1C、アダプタ装置10及びDAP20を示すブロック図である。
【図6】従来のPC及びDAPを示すブロック図である。
【図7】従来のクレードル及びDAPを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0017】
図1は、本発明の好ましい実施形態による電子機器(以下、PCという。)1と、携帯型プレーヤ(以下、DAP(Digital Audio Player)という。)20とを示す概略ブロック図である。DAP20は、データライン及び電源ラインを含む所定規格の通信ライン(以下、USB(Universal Serial Bus)という。)を介して、PC1に接続可能である。USBは、+5V電源ラインと、データラインD+、D−と、接地ラインとを含む。
【0018】
DAP20は、図示しないHDD又はフラッシュメモリ等の記憶媒体を備え、記憶媒体に記録されているコンテンツ(音楽ファイルや映像ファイル等)を再生する。DAP20は、充電池を内蔵し、PC1にUSB経由で接続されることにより、PC1から+5V電源ラインを介して充電用電圧を受けて、充電池に充電処理を実行する。DAP20は、USBのデータラインD+、D−を介してPC1のUSBホスト2からデータ(以下、USB信号という。)が出力されている(つまり、USBホスト2との間でUSB信号を送受信している)、又は、USBのデータラインD+、D−に所定範囲の電圧値の電圧が供給されていることを判断した場合のみに、充電池への充電処理を実行し、そうでない場合に充電処理を実行しない。
【0019】
PC1は、USB経由で接続されるDAP20に充電用電圧を+5V電源ラインを介して供給し、DAP20に充電処理を実行させる。PC1は、USBホスト2と、検出部3と、USBスイッチ4と、電圧供給部5と、USBポート6とを概略備える。
【0020】
USBホスト2は、USBのデータラインD+、D−にUSB信号を供給する、又は、USBポート6に接続されたDAP20から供給されるUSB信号を受信することにより、DAP20と通信を行うものである。
【0021】
検出部3は、USBホスト2からUSB信号が出力されているか否かを検出し、検出結果に基づいて、USBスイッチ4を切り換え制御する。PC1の電源がオフ状態になると、USBホスト2はUSB信号を出力しなくなり、PC1の電源がオン状態になると、USBホスト2はUSB信号を出力する。
【0022】
検出部3は、USBホスト2からUSB信号が出力されていることを検出すると、USBポート6がUSBホスト2に接続されるように、USBスイッチ4を制御する。これにより、USBホスト2からUSB信号が出力されている場合、DAP20にデータラインD+、D−を介してUSBホスト2からのUSB信号が供給され、DAP20に充電処理を実行させることができる。
【0023】
一方、検出部3は、USBホスト2からUSB信号が出力されていないことを検出すると、USBポート6がUSBホスト2ではなく電源供給部5に接続されるように、USBスイッチ4を制御する。これにより、USBホスト2からUSB信号が出力されていない場合、DAP20に電源供給部5からデータラインD+、D−を介して所定範囲の電圧値の電圧が供給されるので、DAP20にクレードルに接続された状態であると認識させ、DAP20に充電処理を実行させることができる。
【0024】
詳細には、USBホスト2からUSB信号が出力されているか否かを検出するということは、USBホスト2からデータラインD+、D−に出力されるUSB信号の所定時間当たりのパルス数が所定数以上であるか否かを検出することである。つまり、検出部3は、USB信号のパルス数をカウントしている。なお、所定数とは、DAP20が、データラインD+、D−にUSB信号が供給されていると判断することができるパルス数であり、DAP20の製造者によって定められている。例えば、PC1の電源がオフ状態になると、USB信号の所定時間当たりのパルス数は0になる。また、PCの電源がオン状態になると、USBホスト2からUSBポート6に対して所定間隔で問い合わせのUSB信号が送信されるので、USB信号の所定時間当たりのパルス数が所定数以上になる。さらに、USBポート6にDAP20が接続されると、USBホスト2とDAP20との間で頻繁に通信が行われるので、USB信号の所定時間当たりのパルス数は所定数よりもかなり多くなる。
【0025】
USBスイッチ4は、USBポート6のデータラインD+、D−を、USBホスト2に接続させるか、又は、電源供給部5に接続させるかを、検出部3からの指示に基づいて切り換える。USBスイッチ4はデータラインD+、D−のそれぞれに対応するスイッチを有しており、各スイッチは連動して切り換えられる。USBスイッチ4が図示上側に切り換えられたとき、USBポート6にUSBホスト2が接続され、USBスイッチ4が図示下側に切り換えられたとき、USBポート6に電源供給部5が接続される。
【0026】
電源供給部5は、USBホスト2がUSB信号を出力していないとき(つまり、USBホスト2からのUSB信号の所定時間当たりのパルス数が所定数未満のとき)、USBのデータラインD+、D−に所定範囲の電圧値の電圧を供給することにより、DAP20にクレードルが接続されたことを認識させ、充電処理を実行させる。電源供給部5は、+5V電源と、抵抗Ra〜Rdを含む。電源供給部5は、データラインD+に+5V電源電圧が抵抗Ra及びRbによって分圧された電圧を供給し、データラインD−に+5V電源電圧が抵抗Rc及びRdによって分圧された電圧が供給される。
【0027】
USBポート6は、DAP20のUSBポート21とUSBを介して接続される。USBポート6は、+5V電源電圧が供給される端子と、データラインD+、D−に対応する端子と、接地電位に対応する端子とを含む。
【0028】
図2は、図1の変形例を示す。図2に示すPC1Bは、検出部3の代わりに制御手段であるMCU7が設けられている。MCU7のポートは、データラインD+、D−に接続されている。MCU7は、検出部2と同じ機能を有し、USBホスト2からUSB信号が出力されているか否か(つまり、USBホスト2から出力されているUSB信号の所定時間当たりのパルス数が所定数以上であるか否か)を検出し、検出結果に基づいて、USBスイッチ4を切り換え制御する。
【0029】
以下、本発明の動作を説明する。図3は、図1のPC1が電源オフ状態から電源オン状態に移行する際の処理を示す。PC1が電源オフ状態であるとき(S1)、USBスイッチ4は電圧供給部5を選択し、USBポート6は電圧供給部5に接続されている(S2)。従って、データラインD+、D−には電圧供給部5からの所定電圧が供給されている。DAP20は、データラインD+、D−に所定電圧が供給されていることを判断し、その結果、クレードルが接続されていると認識し、+5V電源ラインを介してPC1から充電用電圧を受けて、充電処理を実行する。
【0030】
PC1が電源オン状態に移行すると(S3)、検出部3は、USBホスト2からUSB信号が出力されているか(つまり、USB信号の所定時間当たりのパルス数が所定数以上であるか)否かを判断する(S4)。USBホスト2からUSB信号が出力されていなければ(S4でNO)、USBポート6が電圧供給部5に接続された状態が維持される。USBホスト2からUSB信号が出力されていると判断されると(S4でYES)、検出部3は、USBスイッチ4を制御し、USBスイッチ4にUSBホスト2を選択させる。USBポート6は、USBホスト2に接続され(S5)、データラインD+、D−にUSBホスト2からUSB信号が供給される。DAP20は、データラインD+、D−にUSB信号が供給されていることを判断し、PC1とUSB経由で通信可能であることを認識し、+5V電源ラインを介してPC1から充電用電圧を受けて、充電処理を実行する。
【0031】
検出部2はUSBホスト2からUSB信号が出力されていない状態が、一定時間以上継続している(USB信号の所定時間当たりのパルス数が所定数未満である状態が一定時間以上継続している)か否かを判断する(S6)。継続している場合(S6でYES)、DAP20がPC1とUSB経由で通信していないと判断し、充電処理を実行しない可能性がある。従って、検出部3は、USBスイッチ4に電圧供給部5を選択させ、USBポート6は、電圧供給部5に接続される(S7)。従って、データラインD+、D−には電圧供給部5からの所定電圧が供給され、DAP20は、データラインD+、D−に所定電圧が供給されていることを判断し、クレードルが接続されていると認識し、充電処理を実行する。その後、S4に戻って、検出部2は、再度、USBホスト2からUSB信号が出力されているか否かを判断し、出力されている場合、USBスイッチ4にUSBホスト2を選択させる。
【0032】
S6において、USBホスト2からUSB信号が出力されていない状態が、一定時間以上継続していない場合、つまり、USBホスト2からUSB信号が出力されていない状態が非常に短い時間だけ存在する場合には、検出部3は、USBスイッチ4にUSBホスト2を選択させた状態を継続させる。従って、一瞬だけUSBホスト2からUSB信号が出力されないときには、USBポート6が電圧供給部5に接続されることがないので、USBホスト2とDAP20との間でUSB信号を送受信できなくなることを防止できる。
【0033】
図4は、図1のPC1において、電源オン状態から電源オフ状態に移行する際の処理を示す。上記の通り、PC1の電源がオン状態である場合(S11)、検出部3は、USBスイッチ4を制御し、USBスイッチ4にUSBホスト2を選択させる。これにより、USBポート6は、USBホスト2に接続され(S12)、データラインD+、D−にUSBホスト2からUSB信号が供給される。DAP20は、データラインD+、D−にUSB信号が供給されていることを判断し、PC1とUSB経由で通信可能であることを認識し、+5V電源ラインを介してPC1から充電用電圧を受けて、充電処理を実行する。
【0034】
PC1が電源オン状態から電源オフ状態に移行すると(S13)、検出部3は、USBホスト2からUSB信号が出力されているか(つまり、USB信号の所定時間当たりのパルス数が所定数以上であるか)否かを判断する(S14)。USBホスト2からUSB信号が出力されなくなると(S14でNO)、検出部3は、USBスイッチ4に電圧供給部5を選択させ、USBポート6は、電圧供給部5に接続される(S15)。従って、データラインD+、D−には電圧供給部5からの所定電圧が供給され、DAP20は、データラインD+、D−に所定電圧が供給されていることを判断し、クレードルが接続されていると認識し、+5V電源ラインを介してPC1から充電用電圧を受けて、充電処理を実行する。
【0035】
以上のように、本実施形態によると、PC1が電源オフ状態である等の理由で、USBホスト2からUSB信号が供給されない場合でも、DAP20に充電処理を実行させることができる。
【0036】
図5は、本発明の別の好ましい実施形態を説明する図である。本例では、PC1CとDAP20との間にUSBを介して接続可能であり、PC1Cから電源電圧を受けDAP20に充電用電圧を供給するアダプタ装置(クレードル)10がさらに設けられている。なお、アダプタ装置10は、PC1Cから電源電圧を受けるのではなく、商用交流電源から直接電源電圧を受けてもよい。アダプタ装置10は、図1においてPC1が有する検出部3、USBスイッチ4および電圧供給部5を備えている。また、アダプタ装置10は、検出部2からの検出結果を受けて、USBスイッチ4を切り換え制御する制御手段であるMCU11をさらに備えている。アダプタ装置10は、PC1CにUSBを介して接続されるUSBポート12と、DAP20にUSBを介して接続されるUSBポート13とを備える。USBポート12、13は、+5V電源電圧が供給される端子と、データラインD+、D−に対応する端子と、接地電位に対応する端子とを含む。
【0037】
本例によると、上記の実施形態と同様に、検出部3は、PC1C内のUSBホスト2からUSB信号が出力されている(つまり、USB信号の所定時間当たりのパルス数が所定数以上である)か否かを判断し、その情報をMCU11に通知する。MCU11は、USB信号が出力されている場合、USBスイッチ4にUSBホスト2を選択させ、USBポート13がUSBホスト2に接続される。一方、MCU11は、USB信号が出力されていない場合、USBスイッチ4に電圧供給部5を選択させ、USBポート13が電圧供給部5に接続される。なお、本例における動作は、図3、図4で説明した動作と同様であるので、説明を援用する。
【0038】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。所定規格の通信ラインはUSBに限定されず、充電用電圧とデータとを送信可能な他の任意の規格の通信ラインを使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明はPC等の電子機器やクレードル等に好適に適用され得る。
【符号の説明】
【0040】
1 PC(電子機器)
2 USBホスト
3 検出部
4 USBスイッチ
5 電圧供給部
6 USBポート
7 MCU
10 アダプタ装置
11 MCU
12 USBポート
13 USBポート
20 DAP
21 USBポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データラインを介してデータが送受信されている場合、又は、前記データラインを介して所定電圧が供給されている場合のみに電子機器からの充電用電圧を受け充電処理を実行するコンテンツ再生装置に接続可能であり、前記コンテンツ再生装置に前記充電用電圧を供給する前記電子機器であって、
前記コンテンツ再生装置と前記データラインを介して前記データを送受信するデータ送受信部と、
前記所定電圧を供給する電圧供給部と、
前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記データ送受信部からの前記データを送受信するか、又は、前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記電圧供給部からの前記所定電圧を供給するかを切り換えるスイッチ部と、
前記データ送受信部から前記データが出力されているか否かを判断し、前記データ送受信部から前記データが出力されている場合、前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記データ送受信部からの前記データを供給させるよう前記スイッチ部を制御し、前記データ送受信部から前記データが出力されていない場合、前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記電圧供給部からの前記所定電圧を供給させるよう前記スイッチ部を制御する検出手段とを備える、電子機器。
【請求項2】
前記検出手段が、前記データ送受信部から出力される前記データの所定時間当たりのパルス数が所定数以上であるか否かを判断し、前記データ送受信部から出力される前記データの所定時間当たりのパルス数が所定数以上である場合、前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記データ送受信部からの前記データを供給させるよう前記スイッチ部を制御し、前記データ送受信部から出力される前記データの所定時間当たりのパルス数が所定数未満である場合、前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記電圧供給部からの前記所定電圧を供給させるよう前記スイッチ部を制御する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記スイッチ部が前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記データ送受信部からの前記データを出力させている状態においては、前記検出手段が、前記データ送受信部から前記データが出力されていない状態が一定時間以上継続したか否かを判断し、前記データ送受信部から前記データが出力されていない状態が一定時間以上継続した場合に、前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記電圧供給部からの前記所定電圧を供給させるよう前記スイッチ部を制御する、請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
コンテンツ再生装置との間でデータラインを介してデータを送受信するデータ送受信部を備える電子機器と、前記データラインを介して前記データが送受信されている場合、又は、前記データラインを介して所定電圧が供給されている場合にのみアダプタ装置からの充電用電圧を受け充電処理を実行する前記コンテンツ再生装置との間に接続可能であり、前記コンテンツ再生装置に前記充電用電圧を供給する前記アダプタ装置であって、
前記所定電圧を供給する電圧供給部と、
前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記データ送受信部からの前記データを出力するか、又は、前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記電圧供給部からの前記所定電圧を供給するかを切り換えるスイッチ部と、
前記データ送受信部から前記データが出力されているか否かを判断し、前記データ送受信部から前記データが出力されている場合、前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記データ送受信部からの前記データを供給させるよう前記スイッチ部を制御し、前記データ送受信部から前記データが出力されていない場合、前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記電圧供給部からの前記所定電圧を供給させるよう前記スイッチ部を制御する検出手段とを備える、アダプタ装置。
【請求項5】
前記検出手段が、前記データ送受信部から出力される前記データの所定時間当たりのパルス数が所定数以上であるか否かを判断し、前記データ送受信部から出力される前記データの所定時間当たりのパルス数が所定数以上である場合、前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記データ送受信部からの前記データを供給させるよう前記スイッチ部を制御し、前記データ送受信部から出力される前記データの所定時間当たりのパルス数が所定数未満である場合、前記データラインを介して前記コンテンツ再生装置に前記電圧供給部からの前記所定電圧を供給させるよう前記スイッチ部を制御する、請求項4に記載のアダプタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−8673(P2011−8673A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−153527(P2009−153527)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)