説明

電子線照射装置及び電子線照射方法

【課題】ドライアイスのような冷媒を用いても装置を大型化することなく被照射物を効率良く冷却することができ電子線照射装置を提供する。
【解決手段】 被照射物(W)を巻回する第一のローラ(1)及び第二のローラ(2)と、第一のローラ(1)を収容する第一の冷却室(10)及び第二のローラ(2)を収容する第二の冷却室(20)と、第一の冷却室(10)と第二の冷却室(20)の間に形成され、被照射物に電子線を照射する電子線照射室(30)と、前記第一の冷却室(10)、前記第二の冷却室(20)及び前記電子線照射室(30)を冷却する冷却手段(4)とを有し、第一の冷却室(10)で冷却した被照射物を第一のローラ(1)から巻き出して電子線照射室(30)に導入し、この電子線照射室(30)で冷却しつつ電子線を照射し、さらに、第二の冷却室(20)で冷却しながら第二のローラ(2)で巻き取るように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被照射物を搬送しつつ前記被照射物に電子線を照射する電子線照射装置及び電子線照射方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子線照射装置および電子線照射方法は、高エネルギーの電子線を、その透過作用を利用して被照射物に照射するものである。一例として、ポリエチレン等の高分子基材に電子線を照射してグラフト鎖を形成し、このグラフト鎖にキレート形成基を導入してなる吸着材を挙げることができる。このような吸着材は、金などの有用稀少金属を吸着回収したり、廃液中の有害物質を吸着除去したりするのに用いられる(例えば、特許文献1参照)。
ところで、電子線照射によるグラフト重合においては、電子線の照射時及び照射後に被照射物を冷却にすることで、ラジカル重合の消滅を抑制できることが知られている(特許文献2,3参照)。例えば、特許文献2の段落0026には、照射時の温度を室温以下にすることで、ラジカルの消滅が起こりにくくなることが記載されている。また、特許文献3の段落0034には、室温又はドライアイスなどによる冷却下で放射線を照射することが記載されている。
【0003】
また、布帛やフィルム等の長尺帯状又は紐状の被照射物を搬送しながら電子線照射処理を行う電子線照射装置が一般に知られている(例えば、特許文献4〜7参照)。
例えば、特許文献5に記載の紫外線照射装置では、照射炉内に冷却ドラム33を設け、この冷却ドラム33にワークを接触させつつ搬送しながら、紫外線を照射するようにしている。また、特許文献6に記載の電子線照射装置では、筐体内を被照射物が搬送されながら電子線を照射する電子線照射装置において、電子線照射窓に吹き付ける冷却風(不活性ガス)で前記電子線照射窓と前記被照射物の二つを冷却するようにしている。同様に、特許文献7に記載の装置においても、電子線照射時に被照射物を冷却する冷却器Cを、電子線照射位置に設けている。
【特許文献1】特開2005−154973号公報
【特許文献2】特開2008−108723号公報(段落0026の記載参照)
【特許文献3】特開2008−105025号公報(段落0034の記載参照)
【特許文献4】特開平9−54200号公報(図面参照)
【特許文献5】特開2008−73597号公報(段落0026及び図2参照)
【特許文献6】実公平7−34399号公報(明細書の(2)頁左欄一番下から右欄上から2行目の記載参照)
【特許文献7】国際公開公報WO2005−86176号公報(図1及び段落0027の記載参照)
【0004】
しかし、これら従来の電子線照射装置は、以下のような問題がある。
効率良く被照射物を冷却できる冷却装置は、高価かつ大型であるため、電子線照射装置の価格を押し上げ、設置スペースも増大させて電子線処理のコスト高の一因となる。特許文献2には、冷媒として安価なドライアイスを用いることが提案されているが、ドライアイスのような冷媒を用いてどのように被照射物を冷却するかについての具体的手段は開示されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたもので、ドライアイスのように冷媒を用いて被照射物を効率良く冷却することができ、装置を複雑かつ大型化することなく、高いグラフト率の電子線照射処理を低廉なコストで行うことのできる電子線照射装置及び電子線照射方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、被照射物を搬送しながら前記被照射物の電子線照射処理を行う電子線照射装置において、前記被照射物に電子線を照射する電子線照射室と、被照射物を巻回する第一のローラ及び第二のローラと、前記電子線照射室の両側に隣接して設けられ、第一のローラを収容する第一の冷却室及び第二のローラを収容する第二の冷却室と、前記第一の冷却室、前記第二の冷却室及び前記電子線照射室を冷却するための冷媒を収容する冷媒収容部とを有し、前記第一の冷却室で冷却した前記被照射物を前記第一のローラから巻き出して前記電子線照射室に導入し、この電子線照射室で冷却しつつ電子線を照射し、さらに、前記第二の冷却室で冷却しながら前記第二のローラで巻き取る構成としてある。
【0007】
この構成によれば、第一の冷却室で予冷却された被照射物が電子線照射室に送られ、搬送さなれながら電子線が照射される。電子線照射室も冷却されているので、被照射物の温度上昇を最小に抑制することができる。電子線照射の終了した被照射物は、さらに第二の冷却室でも冷却されながら第二のローラに巻き取られる。そのため、ラジカル消滅が少なく、高グラフト率の処理を行うことが可能になる。
冷媒としては、液体窒素等を用いることもできるが、請求項2に記載するように、ドライアイスを用いることができる。ドライアイスは低価格であるため、グラフト率の高い電子線照射処理を行うことのできる電子線照射装置を低価格で提供することができる。
また、請求項3に記載するように、前記冷媒によって前記第一の冷却室,前記電子線照射室及び前記第二の冷却室から空気を追い出す空気追い出し口を設けるとよい。
この構成によれば、ドライアイス等の冷媒を用いた場合に、気化した冷媒によって前記第一の冷却室、前記第二の冷却室及び前記電子線照射室内の空気が空気追い出し口から追い出され、第一の冷却室、第二の冷却室及び電子線照射室に窒素ガス等の不活性ガスを充填する必要がなくなる。
【0008】
さらに、本発明では、第一のローラと第二のローラとの間で被照射物を往復搬送しながら、電子線照射処理開始前の被照射物の予冷却や電子線照射処理を行うことが可能である。具体的に、請求項4に記載の発明は、前記被照射物への電子線照射処理を開始する前及び/又は電子線照射処理を行う際に、前記第一のローラと前記第二のローラとの間で前記被照射物を往復移動させる構成としてある。
このようにすれば、電子線照射開始前には、被照射物を第一の冷却室、第二の冷却室及び電子線照射室内で往復移動させることで予冷却することができ、電子線照射処理時には、一回当たりの電子線の照射量を小さくして、電子線照射による温度上昇を抑制し、グラフト率を高めることができる。
【0009】
請求項5に記載するように、前記第一の冷却室及び前記第二の冷却室には、前記冷媒による冷却気体を送気するファンを設けてもよい。このファンによって、冷却気体を前記第一の冷却室内及び前記第二の冷却室内で強制的に循環させて、室内の温度を均一にすることができる。
また、各室の冷却温度は、−20℃〜10℃の間で一定に保持されるのが好ましいが、ファンの回転速度を調整することで、各室の温度を上記の範囲内に調整することも可能である。この場合は、例えば、各室に温度センサーを設けるとともに、この温度センサーが検出した温度に基づいて、ファンの回転速度を調整するようにするとよい。
なお、前記ファンは、電子線照射室にも設けてよい。
【0010】
本発明の電子線照射方法は、請求項6に記載するように、被照射物を搬送しながら前記被照射物の電子線照射処理を行う電子線照射方法において、被照射物及び前記被照射物を巻回する第一のローラを第一の冷却室の予冷却雰囲気中に設置し、前記第一のローラから巻き出した前記被照射物を、前記予冷却雰囲気中を通して電子線照射室に搬出し、前記電子線照射室の冷却雰囲気中で前記被照射物を搬送しながら電子線を照射して電子線照射処理を行い、電子線照射処理の終了した前記被照射物を、第二の冷却室の冷却雰囲気中を搬送しつつ第二のローラで巻き取る方法である。
請求項7に記載するように、前記第一の冷却室、前記電子線照射室及び前記第二の冷却室の冷却を冷媒によって行う場合に、前記電子線照射処理を開始するに先立って、前記冷媒の冷気によって、前記第一の冷却室、前記電子線照射室及び前記第二の冷却室内の空気を追い出すようにしてもよい。
また、請求項8に記載するように、前記被照射物への電子線照射処理を開始する前及び/又は電子線照射処理を行う際に、前記第一のローラと前記第二のローラとの間で前記被照射物を往復移動させるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、装置を大型化することなく、さらなる装置の小型化を可能にするとともに、高いグラフト率で電子線照射処理を行うことのできる電子線照射装置及び電子線処理方法を低廉なコストで提供することができる。
本発明によれば、従来装置及び方法で30%程度であったグラフト率を、55〜90%まで高めることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の電子線照射装置の一実施形態にかかり、装置構成を説明する概略正面図である。
電子線照射装置は、電子線を照射する電子線照射室30と、この電子線照射室30の一側(図の左側)に隣接して配置された第一の冷却室10と、電子線照射室30の他側(同右側)に隣接して配置された第二の冷却室20とを有している。
第一の冷却室10,電子線照射室30及び第二の冷却室20のそれぞれは、密閉状に形成されているとともに、第一の冷却室10と電子線照射室30との間には、被照射物Wが挿通する孔が貫通形成され、第二の冷却室20と電子線照射室30との間には、被照射物Wが挿通する孔が貫通形成されている。また、第一の冷却室10,電子線照射室30及び第二の冷却室20には、第一のローラ1から巻き出された被照射物Wを、前記孔を通して電子線照射室30内の電子線照射領域に案内し、さらに電子線照射室30から前記孔を通して第二のローラ2まで案内する複数のガイドローラ5が設けられている。
【0013】
第一の冷却室,第二の冷却室20の床面近傍及び電子線照射室30の中程には、冷媒であるドライアイス45を収容する冷媒収容部41,42,43が設けられている。冷媒収容部41,42,43は、上方を開口した箱状に形成され、第一の冷却室,第二の冷却室20及び電子線照射室30に対して引き出し状に出し入れが自在である。
なお、図示するように、第一の冷却室10の冷媒収容部41及び第二の冷却室20の冷媒収容部42には、ドライアイス45が気化して発生した冷却気体を第一の冷却室10及び第二の冷却室20の全体で強制循環させ、室内を均一温度にするファン41a,42aを設けるのが好ましい。
また、この実施形態では、電子線照射室30の冷媒収容部43にはファンを設けていないが、電子線照射室30の冷媒収容部43にファンを設けてもよいことは言うまでもない。
【0014】
さらに、上記のファン41a,42aを用いて、第一の冷却室10,電子線照射室30及び第二の冷却室20の温度を−20℃〜10℃の範囲内になるように調整するようにしてもよい。この場合は、各室に温度センサーを設置し、各室の温度の変化に応じて、制御装置が、ファン41a,42aの回転速度を調整する指令を出力する。第一の冷却室10,電子線照射室30及び第二の冷却室20の温度は、同一の温度になるように設定してもよいし、異なる温度になるように設定してもよい。例えば、被照射物Wを第一のローラ1と第二のローラ2との間で往復搬送しながら電子線照射処理を繰り返し行う場合は、往路で被照射物Wの予冷却を行う第一の冷却室10と、復路で被照射物Wの予冷却を行う第二の冷却室20とを同一の温度に設定するとよい。
【0015】
第一の冷却室10,電子線照射室30及び第二の冷却室20を構成する天井材、側壁材及び床材は、断熱性の高い材料で形成するのが好ましい。また、特に図示はしないが、電子線照射室30の天井,側壁及び床は、電子線の照射による温度上昇を抑制するために、冷却水の配管を敷設するなど、冷却手段を設けるのが好ましい。なお、この冷却手段は、従来の電子線照射装置に一般的に設けられている公知のものを用いることができる。
【0016】
電子線照射室30の外側上面には、電子線照射室30の上面に開口する電子線照射口3を通して電子線照射室30内の被照射物Wに電子線を照射する電子銃6が配置されている。この電子銃6は、電子線照射室30の上面外側に取り付けられた電子銃室60に収容されている。
【0017】
長尺帯状の被照射物Wは、第一のローラ1に巻回された状態で、第一のローラ1とともに第一の冷却室10に収容される。また、第一のローラ1から巻き出され、電子線照射処理が終了した被照射物Wを巻き取る第二のローラ2は、第二の冷却室20に収容される。
【0018】
第一のローラ1及び第二のローラ2は、サーボモータ等の駆動体によって、それぞれ速度調整可能かつ反転可能に回転される。前記駆動体の駆動は、第一のローラ1の巻き出し速度と第二のローラの巻き取り速度とが同一になるように、図示しない制御装置によって制御される。
【0019】
次に、上記構成の電子線照射装置の作用を、本発明の電子線照射方法とともに説明する。
第一の冷却室10に被照射物Wを巻回した第一のローラ1を搬入し、所定位置に設置する。また、第二の冷却室20には第二のローラ2を搬入し、所定位置に設置する。冷媒収容部41,42,43のそれぞれには、ドライアイス45を収容する。
次いで、第一のローラ1から巻き出した被照射物Wを、第一の冷却室10,電子線照射室30及び第二の冷却室20のガイドローラ5に案内させて送りながら、その先端を第二のローラ2に係合させる。
この後、第一の冷却室10,電子線照射室30及び第二の冷却室20の各扉を閉じて、密閉状態にする。
【0020】
冷媒収容部41,42,43のドライアイス45が気化した冷却気体により、第一の冷却室10,電子線照射室30及び第二の冷却室20内の空気が、電子線照射口3を通して外気中に放出される。一定時間が経過すると、第一の冷却室10,電子線照射室30及び第二の冷却室20はドライアイス45が気化した冷却気体が充満する。そのため、この実施形態においては、窒素ガス等の不活性ガスを用いる必要は特に無い。勿論、補助的に、窒素ガス等の不活性ガスを電子線照射室30等に供給することは可能である。
冷却気体を各室に充満させた後、ファン41a,42aを駆動させて冷却気体を第一の冷却室10及び第二の冷却室20内で強制的に循環させる。これにより、第一の冷却室10及び第二の冷却室20の内部温度が均一になる。なお、電子線照射室30内の冷却気体は、ファンを設けなくても、被照射物Wの搬送によって攪拌され、内部温度が均一にされる。
第一のローラ1に巻回された被照射物Wは、第一の冷却室10内で予冷却される。なお、電子線照射処理開始前に、第一のローラ1と第二のローラ2との間で被照射物Wを複数回往復させることで、被照射物Wの予冷却を迅速に行うことができ。
被照射物Wが十分に冷却された後、第一のローラ1及び第二のローラ2を回転させるとともに、電子銃6から電子線を発射させて被照射物の電子線照射処理を開始する。
【0021】
被照射物Wへの電子線照射処理は、第一のローラ1から巻き出された被照射物Wが、電子線照射室30を通過して第二のローラ2に巻き取られる一回の搬送で完了してもよい。
また、第二のローラ2で被照射物Wを巻き取った後に、第二のローラ2及び第一のローラ1を反転させ、第二のローラ2から巻き出した被照射物Wを第一のローラ1で巻き取る過程で再度電子線照射処理を行うようにしてもよい。
このように、被照射物Wを往復搬送させつつ、電子線照射処理を複数回繰り返すことで、一回当たりの電子線照射量を少なくすることができ、電子線照射による温度上昇を抑制して、グラフト率をさらに高めることができる。
【0022】
本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
例えば、冷媒収容部41,42,43を設ける位置は、上記の実施形態に限らず、第一の冷却室10,電子線照射室30及び第二の冷却室20の天井部分でもよいし背面部分でもよい。また、冷媒収容部は、第一の冷却室10,電子線照射室30及び第二の冷却室20を冷却することができるのであれば、各室のいずれか一つ又は二つに設けてもよい。
さらに、上記の実施形態では、空気追い出し口は、電子線照射口3であるとして説明したが、冷媒収容部41,42,43のいずれかに設けた専用の空気追い出し口であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、本発明は、被照射物を搬送しつつ電子線を照射するあらゆる電子線照射処理に広範に適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の電子線照射装置の一実施形態にかかり、その全体構成を説明する概略正面図である。
【符号の説明】
【0025】
1:第一のローラ
10:第一の冷却室
2:第二のローラ
20:第二の冷却室
3:電子線照射口(空気追い出し口)
30:電子線照射室
41,42,43:冷媒収容部
41a,42a:ファン
5:ガイドローラ
6:電子銃
60:電子銃室
W:被照射物


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被照射物を搬送しながら前記被照射物の電子線照射処理を行う電子線照射装置において、
前記被照射物に電子線を照射する電子線照射室と、
被照射物を巻回する第一のローラ及び第二のローラと、
前記電子線照射室の両側に隣接して設けられ、第一のローラを収容する第一の冷却室及び第二のローラを収容する第二の冷却室と、
前記第一の冷却室、前記第二の冷却室及び前記電子線照射室を冷却するための冷媒を収容する冷媒収容部と、
を有し、
前記第一の冷却室で冷却した前記被照射物を前記第一のローラから巻き出して前記電子線照射室に導入し、この電子線照射室で冷却しつつ電子線を照射し、さらに、前記第二の冷却室で冷却しながら前記第二のローラで巻き取ること、
を特徴とする電子線照射装置。
【請求項2】
前記冷媒がドライアイスであることを特徴とする請求項1に記載の電子線照射装置。
【請求項3】
前記冷媒によって前記第一の冷却室,前記電子線照射室及び前記第二の冷却室から空気を追い出す空気追い出し口を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子線照射装置。
【請求項4】
前記被照射物への電子線照射処理を開始する前及び/又は電子線照射処理を行う際に、前記第一のローラと前記第二のローラとの間で前記被照射物を往復移動させること、
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子線照射装置。
【請求項5】
前記第一の冷却室及び前記第二の冷却室に、前記冷媒による冷却気体を送気するファンを設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子線照射装置。
【請求項6】
被照射物を搬送しながら前記被照射物の電子線照射処理を行う電子線照射方法において、
被照射物及び前記被照射物を巻回する第一のローラを第一の冷却室の予冷却雰囲気中に設置し、
前記第一のローラから巻き出した前記被照射物を、前記予冷却雰囲気中を通して電子線照射室に搬出し、
前記電子線照射室の冷却雰囲気中で前記被照射物を搬送しながら電子線を照射して電子線照射処理を行い、
電子線照射処理の終了した前記被照射物を、第二の冷却室の冷却雰囲気中を搬送しつつ第二のローラで巻き取ること、
を特徴とする電子線照射方法。
【請求項7】
前記第一の冷却室、前記電子線照射室及び前記第二の冷却室の冷却を冷媒によって行う場合に、前記電子線照射処理を開始するに先立って、前記冷媒の冷気によって、前記第一の冷却室、前記電子線照射室及び前記第二の冷却室内の空気を追い出すことを特徴とする請求項6に記載の電子線照射方法。
【請求項8】
前記被照射物への電子線照射処理を開始する前及び/又は電子線照射処理を行う際に、前記第一のローラと前記第二のローラとの間で前記被照射物を往復移動させることを特徴とする請求項6又は7に記載の電子線照射方法。



【図1】
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【公開番号】特開2010−54407(P2010−54407A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−220937(P2008−220937)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 発行者 財団法人若狭湾エネルギー研究センター 刊行物の名称 「平成19年度地域新生コンソーシアム研究開発事業立体構造繊維と電子線グラフト重合技術を用いた金属捕集材の開発 成果報告書」 発行日 平成20年3月
【出願人】(504145320)国立大学法人福井大学 (287)
【出願人】(300046658)株式会社ミツヤ (17)
【出願人】(390023412)花山工業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】