説明

電柱間分岐引込線の引留部材及びそれを用いた引込線引込構造

【課題】電柱間にメッセンジャワイヤーを張ることなく電柱の間で配電線から引込線を分岐させる。部品点数を少なくする。
【解決手段】3本の配電線2A〜2Cに跨る長さの絶縁性棒状体11に、長さ方向に間隔をあけて3つの配電線取付部12A〜12Cを設け、絶縁性棒状体11の長さ方向中央部付近に2つの引込線引留部13B・13Cを設けた引留部材3を用いる。引留部材3に2つのヒューズホルダ7を取り付ける。電柱の間で、引留部材3を、その配電線取付部12A〜12Cをそれぞれ配電線2A〜2Cにバインド線31で縛り付けることにより配電線に取り付ける。電柱の間で配電線2A〜2Cから分岐した引込線4A〜4Cのうち電力線用の引込線4B・4Cの途中にそれぞれヒューズ6B・6Cを接続し、ヒューズ6B・6Cをヒューズホルダ7に支持させる。ヒューズの先の引込線4B・4Cを引留部材11の引込線引留部13B・13Cに引き留めた上で、3本の引込線4A〜4Cをまとめて電力需要家に引き込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電柱の間で配電線から引込線を分岐させて電力需要家に引き込む際に用いる引込線の引留部材と、それを用いた引込線の引込構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電柱の間で配電線から分岐させた引込線を電力需要家へ引き込む場合には、電柱間にメッセンジャワイヤーを張り、電柱付近で配電線に分岐接続した引込線を上記メッセンジャワイヤーに沿わせて電力需要家付近の引込線引留位置まで配線し、その引留位置から引込線を電力需要家に引き込むことが行われている(特許文献1の図12、特許文献2の図3)。
【0003】
なお、配電線は3本の場合(単相三線式、三相三線式)と、4本の場合(三相四線式)があり、引込線は3本の場合(単相三線式)と、4本の場合(三相四線式)と、2本の場合(単相二線式)がある。また、配電線は垂直方向に間隔をあけて架設される場合と、水平方向に間隔をあけて架設される場合とがある。
【0004】
また、電柱間の中間部で3本の配電線から3本の分岐線を分岐させる場合には、3本のうちの1本の配電線に細長い筒状の分岐線支持具を取り付け、この支持具の両端部に3本の配電線を所定の間隔に保持する間隔保持具を取り付け、前記支持具に3本の配電線に分岐接続した分岐線を引き留める方式も提案されている(特許文献3の図1、図2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−78340号公報
【特許文献2】特開平10−32918号公報
【特許文献3】特開2010−268637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1、2に記載された従来の方式では、電柱間にメッセンジャワイヤーを張り、そのメッセンジャワイヤーに沿って引込線を配線する必要があるため、引込線の引込工事に手間と時間がかかるという問題がある。
【0007】
また、特許文献3に記載された方式では、メッセンジャワイヤーを必要としない利点はあるが、配電線から分岐線を分岐させるのに1本の支持具と2本の間隔保持具を用いる必要があり、部品点数が多くなって、コスト高になるだけでなく、配電線への取付作業も面倒になるという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、電柱間にメッセンジャワイヤーを張ることなく電柱間の中間部で配電線から引込線を分岐させることができ、しかも部品点数が少なくて済む引込線の引留部材と、それを用いた引込線の引込構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
<1>本発明に係る引込線引留部材は、間隔をあけて架設された3本又は4本の配電線から、電柱の間で所要本数の引込線を分岐させるのに用いる引込線引留部材であって、前記3本又は4本の配電線に跨る長さの絶縁性棒状体にその長さ方向に間隔をあけて前記3本又は4本の配電線を取り付ける配電線取付部を設け、前記絶縁性棒状体の長さ方向中央部又はその付近に前記所要本数の引込線のうち少なくとも2本の引込線を引き留める2つ以上の引込線引留部を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
<2>本発明に係る前記<1>記載の引込線引留部材において、配電線取付部及び引込線引留部はそれぞれ、絶縁性棒状体と一体に形成された2つのフランジ部とその間の溝部で構成されていることが好ましい。
【0011】
<3>本発明に係る前記<2>の引込線引留部材において、配電線取付部を構成するフランジ部は、絶縁性棒状体の片側の部分を欠落させてあり、引込線引留部を構成するフランジ部は、絶縁性棒状体の前記片側と反対側の部分を欠落させてあることが好ましい。
【0012】
<4>本発明に係る前記<1>、<2>又は<3>記載の引込線引留部材は、絶縁性棒状体の配電線取付部の間にヒューズホルダが取り付けられていることが好ましい。
【0013】
<5>本発明に係る前記<4>記載の引込線引留部材において、ヒューズホルダは、絶縁性棒状体を把持する棒状体把持部と、この棒状体把持部と直交する方向に一体に設けられたヒューズ把持部とからなることが好ましい。
【0014】
<6>次に、本発明に係る電柱間分岐引込線の引込構造は、電柱の間で、前記<1>、<2>又は<3>記載の引込線引留部材を、その配電線取付部をそれぞれ配電線にバインド線で縛り付けることにより、配電線に取り付け、電柱の間で前記配電線から分岐した引込線のうち少なくとも2本の引込線を前記引込線引留部材の引込線引留部に引き留めた上で、全ての引込線をまとめて電力需要家に引き込むことを特徴とするものである。
【0015】
<7>本発明に係るもう一つの電柱間分岐引込線の引込構造は、電柱の間で、前記<4>又は<5>記載のヒューズホルダ付き引込線引留部材を、その配電線取付部をそれぞれ配電線にバインド線で縛り付けることにより、配電線に取り付け、電柱の間で前記配電線から分岐した引込線のうち電力線用の引込線の途中にそれぞれヒューズを割り込み接続し、そのヒューズを前記引込線引留部材のヒューズホルダに支持させるとともに、ヒューズの先の引込線を前記引込線引留部材の引込線引留部に引き留めた上で、全ての引込線をまとめて電力需要家に引き込むことを特徴とするものである。
【0016】
<8>本発明に係る前記<6>又は<7>記載の電柱間分岐引込線の引込構造において、引込線引留部材は、配電線の、引込線が引き込まれる側と反対側に取り付けることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、電柱間で3本又は4本の配電線に跨って棒状の引留部材を取り付け、この引留部材に設けた引込線引留部に、電柱間で前記配電線から分岐した引込線を引き留めるようにしたので、電柱間にメッセンジャワイヤーを張る必要がなくなり、かつ配電線には棒状の引留部材を1本だけ取り付ければよいので、コスト安であるとともに、引込線の引込工事を簡単に行うことができる。
【0018】
また、引込線引留部は、棒状の引留部材の長さ方向中央部又はその付近に設けられているので、引込線にかかる張力は引留部材によって3本又は4本の配電線にほぼ均等に分散されることになり、個々の配電線の荷重負担を軽くでき、配電線の架設状態を安定に維持することができる。
【0019】
また、配電線取付部及び引込線引留部を、絶縁性棒状体と一体に形成された2つのフランジ部とその間の溝部で構成したことにより、配電線への取り付け状態、引込線の引き留め状態を安定させることができる。
【0020】
また、配電線取付部を構成するフランジ部の、絶縁性棒状体の片側の部分を欠落させるとともに、引込線引留部を構成するフランジ部の、絶縁性棒状体の前記片側と反対側の部分を欠落させることにより、引留部材の重量を軽くできる。また、引留部材を、配電線の、引込線が引き込まれる側と反対側に取り付けることができるので、これにより引込線の張力によって引留部材が配電線に押し付けられる状態となり、引込線の引留状態を安定に維持することができる。
【0021】
また、引留部材にヒューズホルダを取り付けておくと、引込線の途中に割り込み接続されたヒューズをヒューズホルダに保持させることができるので、ヒューズの振れ等によってヒューズ付近の引込線が損傷するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る電柱間分岐引込線の引込構造の一実施例を示す、(A)は正面図、(B)は(A)のB−B線矢視図。
【図2】本発明に係る電柱間分岐引込線の引留部材の一実施例を示す、(A)は正面図、(B)は(A)の状態の平面図、(C)は側面図、(D)は(C)の状態の平面図。
【図3】図2の引留部材に取り付けられるヒューズホルダを示す、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は背面図、(D)は(B)の状態の平面図、(E)は(B)の状態の底面図。
【図4】図2の引留部材に図3のヒューズホルダを取り付けた状態を示す、(A)は正面図、(B)は側面図。
【図5】図2の引留部材に図3のヒューズホルダを取り付ける途中の段階を示す、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は側面図。
【図6】図1(A)に示した電柱間分岐引込線の引込構造の要部を拡大して示す正面図。
【図7】図6の引込線引込構造における引込線引留部を示す断面図。
【図8】図3のヒューズホルダと組み合わせて用いるアダプタを示す、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は背面図、(D)は左側面図、(E)はアダプタをヒューズホルダに組み込んだ状態を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0023】
図1は本発明に係る引込線引留部材を用いた引込線引込構造の一実施例を示す。図において、1A、1Bは電柱、2A、2B、2Cは電柱1A、1B間に架設された3本の低圧配電線である。この配電線は単相3線式であり、一番上の配電線2Aが中性線(接地線)、その下の2本の配電線2B、2Cが電力線である。また、3は電柱1A、1Bの間で3本の配電線2A、2B、2Cに跨って取り付けられた本発明に係る引込線引留部材である。4A、4B、4Cは電柱1A、1Bの間で配電線2A、2B、2Cに分岐接続された3本の引込線、5A、5B、5Cはその分岐接続部、6B、6Cは分岐接続部5B、5C付近の引込線4B、4Cに割り込み接続されたヒューズである。ヒューズ6B、6Cはそれぞれ引込線引留部材3に取り付けられたヒューズホルダ7に保持されている。電力線用の引込線4B、4Cはヒューズ6B、6Cの先で引留部材3に引き留められている。引留部材3に引き留められた2本の引込線4B、4Cと、中性線用の配電線2Aから分岐した1本の引込線4Aはまとめて電力需要家(図示せず)に引き込まれる。
【0024】
図2は図1で用いた引込線引留部材3の一実施例を示す。この引込線引留部材3は、3本の配電線に跨る長さの絶縁性棒状体11にその長さ方向に等しい間隔をあけて3つの配電線取付部12A、12B、12Cを設けるとともに、前記絶縁性棒状体11の長さ方向中央部付近(中央の配電線取付部12Bの隣り)に2つの引込線引留部13B、13Cを設けたものである。引込線引留部材3は全体が繊維強化プラスチック製である。
【0025】
配電線取付部12A、12B、12C及び引込線引留部13B、13Cはそれぞれ、絶縁性棒状体と一体に形成された2つのフランジ部14とその間の溝部15で構成されている。配電線取付部12A、12B、12Cを構成するフランジ部14は、絶縁性棒状体11の片側の部分を欠落させて略D字形に形成されており、引込線引留部13B、13Cを構成するフランジ部14は、絶縁性棒状体11の前記片側と反対側の部分を欠落させて略D字形に形成されている。フランジ部14の一部を欠落させたのは、引留部材3の軽量化を図るためである。引留部材3の軽量化を図るためには、絶縁性棒状体11を中空にすることも有効である。
【0026】
また、絶縁性棒状体11の配電線取付部12A、12Bの間、12B、12Cの間には、後述するヒューズホルダを取り付けるためのホルダ取付部16B、16Cが設けられている。また、ホルダ取付部16B、16Cにはヒューズホルダの回転を規制するストッパー17が突設されている。
【0027】
図3は図2の引込線引留部材3に取り付けるヒューズホルダの一例を示す。このヒューズホルダ7は、引込線引留部材3のホルダ取付部(図2の16B、16C)を把持する引留部材把持部21と、ヒューズ(図1の6A、6B)を把持するヒューズ把持部22とを、それぞれの中心軸線を直交させて一体に形成したものである。
【0028】
引留部材把持部21は、軸線方向の両端側が略C字形の把持部本体21a、21bとなっており、その間が引留部材3のホルダ取付部16B、16Cを受け入れる受け入れ凹部21cとなっている。受け入れ凹部21cは、引留部材把持部21をホルダ取付部16B、16Cと直交する方向に向けた状態で、ヒューズ把持部22の反対側からホルダ取付部16B、16Cを受け入れるように形成されている。略C字形の把持部本体21a、21bは、それぞれの開口部がヒューズ把持部22の軸線方向の互いに反対側に向くように形成されている。ヒューズ把持部22は、その開口部が引留部材把持部21と反対側に向くように形成されている。
【0029】
引留部材把持部21は、その内径が引留部材3のホルダ取付部16B、16Cの外径より若干小さく設定されており、材料(プラスチック)のばね弾性によりホルダ取付部16B、16Cを締め付け把持するようになっている。ヒューズ把持部22も同様に、その内径がヒューズの外径より若干小さく設定されており、材料のばね弾性によりヒューズを締め付け把持するようになっている。なお、ヒューズ把持部22の両端縁に形成された凹部23は、後述するアダプタを位置決めする部分である。
【0030】
図4は、図2の引込線引留部材3のホルダ取付部16B、16Cにそれぞれ、図3のヒューズホルダ7を取り付けた状態を示す。ヒューズホルダ7は、引留部材把持部21の把持部本体21a、21bのばね弾性でホルダ取付部16B、16Cを把持している。
【0031】
このようにヒューズホルダ7を引込線引留部材3に取り付けるには、まず図5(A)、(B)に示すように、引留部材把持部21をホルダ取付部16B(16C)と直交するように配置するとともに、受け入れ凹部21cに引込線引留部材のホルダ取付部16B(16C)を受け入れた後、ヒューズホルダ7を図5(C)の矢印P方向に90°回転させて、把持部本体21a、21bの開口部から把持部本体21a、21b内にホルダ取付部16B(16C)を押し込むようにすればよい。
【0032】
ヒューズホルダ7は、上記のようにして、ホルダ取付部16B(16C)に簡単に取り付けることができるとともに、取り付け後は、受け入れ凹部21cの両側で把持部本体21a、21bがホルダ取付部16B(16C)を把持するので、取付状態を安定させることができる。また、ヒューズホルダ7をホルダ取付部16B、16Cに取り付けると、図4(B)に示すように、ホルダ取付部16B、16Cのストッパー17が受け入れ凹部21c内に位置するため、ヒューズホルダ7がホルダ取付部16B、16Cの周りに一定限度以上に回転するのを規制することができる。
【0033】
なお、ヒューズが小型・軽量で引込線引留部材3にヒューズを保持させる必要のない場合、あるいは引込線にヒューズを接続しない場合は、ヒューズホルダ7を引込線引留部材3に取り付けるのを省略することができる。
【0034】
図6は、図4のようにヒューズホルダ7を取り付けた引込線引留部材3を、電柱間に架設された3本の低圧配電線2A、2B、2Cに取り付けて、引込線を引き込む構造、すなわち、図1に示した引込線引込構造の要部を示す詳細図である。引込線引留部材3は、配電線取付部12A、12B、12Cをそれぞれ配電線2A、2B、2Cにあてがい、バインド線31で縛り付けることにより、配電線2A、2B、2Cに取り付けられる。バインド線31としては樹脂被覆アルミ線などが用いられる。分岐接続部5B、5C付近の引込線4B、4Cに割り込み接続されたヒューズ6B、6Cは、ヒューズホルダ7のヒューズ把持部22に押し込んで、その位置に保持させてある。ヒューズ6B、6Cの先の引込線4B、4Cは、引込線引留部13B、13Cへ案内され、図7に示すように引込線引留部13B、13Cを1周させてヒューズ側と電力需要家側をまとめてバインド線32で縛ることにより、引込線引留部13B、13Cに引き留められる。引込線引留部13B、13Cに引き留められた電力線用引込線4B、4Cと、分岐接続部5Aから分岐した中性線用引込線4Aは3本まとめて電力需要家に引き込まれる。
【0035】
引込線4A〜4Cは、配電線2A〜2Cの真下に引き下げられることは希で、配電線2A〜2Cを含む垂直な平面の右側か左側に引き下げられる場合が殆どである。この場合、引込線引留部材3は、図1(B)に示すように、配電線2A〜2Cを含む垂直な平面を境にして引込線4A〜4Cが引き込まれる側と反対側に位置するように配電線2A〜2Cに取り付けられる。このようにすれば、引込線4A〜4Cにかかる張力が、引込線引留部材3を介して配電線2A〜2Cに確実に伝達され、バインド線31にかかることはなくなるので、引留状態を安定に維持することができる。
【0036】
ところで、引込線に接続されるヒューズは、電流容量やメーカー等によって直径が異なる。ある程度の直径の変化は、ヒューズホルダのヒューズ把持部22のばね弾性で吸収できるが、ヒューズの外径がヒューズホルダのヒューズ把持部22の内径では把持力が不足する程度に小さい場合には、図8(A)〜(D)に示すようなアダプタ24を使用するとよい。このアダプタ24は、ヒューズホルダのヒューズ把持部22より一回り小さい断面略C字形に形成したものである(外径がヒューズ把持部22の内径と同じ)。アダプタ24の両端縁にはヒューズ把持部22の凹部23に対応させて凸部25が形成されている。
【0037】
図8(E)は上記のアダプタ24をヒューズホルダ7のヒューズ把持部22に装着した状態を示す。アダプタ24は、その凸部25がヒューズ把持部22の凹部23に入り込み、ヒューズ把持部22内で移動しないように保持される。このようにすれば、ヒューズホルダ7のヒューズ把持部22では十分な把持力が得られない程度に外径が小さいヒューズにも対応することができる。
【0038】
なお、以上の実施例では配電線が3本(単相三線式)の場合を説明したが、配電線が4本(三相四線式)の場合は、4本の配電線に跨る長さの絶縁性棒状体にその長さ方向に間隔をあけて4つの配電線取付部を設ければよい。この場合は引込線引留部を絶縁性棒状体の長さ方向中央部に設けることができる。
【0039】
また、上記の実施例では、3本の配電線が垂直に配置されている場合を説明したが、本発明は、3本又は4本の配電線が水平に配置されている場合にも同様に適用可能である。
【0040】
さらに、上記の実施例では、ヒューズホルダとして図3等に示したものを用いたが、ヒューズホルダはヒューズを絶縁性棒状体に固定できるものであればよく、バインド部材などを用いることもできる。
【符号の説明】
【0041】
1A、1B:電柱
2A、2B、2C:配電線
3:引込線引留部材
4A、4B、4C:引込線
5A、5B、5C:分岐接続部
6B、6C:ヒューズ
7:ヒューズホルダ
11:絶縁性棒状体
12A、12B、12C:配電線取付部
13B、13C:引込線引留部
14:フランジ部
15:溝部
16B、16C:ホルダ取付部
17:ストッパー
21:引留部材把持部
21a、21b:把持部本体
21c:受け入れ凹部
22:ヒューズ把持部
23:凹部
24:アダプタ
25:凸部
31、32:バインド線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔をあけて架設された3本又は4本の配電線から、電柱の間で所要本数の引込線を分岐させるのに用いる引込線引留部材であって、
前記3本又は4本の配電線に跨る長さの絶縁性棒状体にその長さ方向に間隔をあけて前記3本又は4本の配電線を取り付ける配電線取付部を設け、
前記絶縁性棒状体の長さ方向中央部又はその付近に前記所要本数の引込線のうち少なくとも2本の引込線を引き留める2つ以上の引込線引留部を設けたことを特徴とする電柱間分岐引込線の引留部材。
【請求項2】
配電線取付部及び引込線引留部はそれぞれ、絶縁性棒状体と一体に形成された2つのフランジ部とその間の溝部で構成されていることを特徴とする請求項1記載の電柱間分岐引込線の引留部材。
【請求項3】
配電線取付部を構成するフランジ部は、絶縁性棒状体の片側の部分を欠落させてあり、引込線引留部を構成するフランジ部は、絶縁性棒状体の前記片側と反対側の部分を欠落させてあることを特徴とする請求項2記載の電柱間分岐引込線の引留部材。
【請求項4】
絶縁性棒状体の配電線取付部の間にヒューズホルダが取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電柱間分岐引込線の引留部材。
【請求項5】
ヒューズホルダは、絶縁性棒状体を把持する棒状体把持部と、この棒状体把持部と直交する方向に一体に設けられたヒューズ把持部とからなることを特徴とする請求項4記載の電柱間分岐引込線の引留部材。
【請求項6】
電柱の間で、請求項1〜3のいずれかに記載の引込線引留部材を、その配電線取付部をそれぞれ配電線にバインド線で縛り付けることにより、配電線に取り付け、電柱の間で前記配電線から分岐した引込線のうち少なくとも2本の引込線を前記引込線引留部材の引込線引留部に引き留めた上で、全ての引込線をまとめて電力需要家に引き込むことを特徴とする電柱間分岐引込線の引込構造。
【請求項7】
電柱の間で、請求項4又は5記載のヒューズホルダ付き引込線引留部材を、その配電線取付部をそれぞれ配電線にバインド線で縛り付けることにより、配電線に取り付け、電柱の間で前記配電線から分岐した引込線のうち電力線用の引込線の途中にそれぞれヒューズを割り込み接続し、そのヒューズを前記引込線引留部材のヒューズホルダに支持させるとともに、ヒューズの先の引込線を前記引込線引留部材の引込線引留部に引き留めた上で、全ての引込線をまとめて電力需要家に引き込むことを特徴とする電柱間分岐引込線の引込構造。
【請求項8】
引込線引留部材は、配電線の、引込線が引き込まれる側と反対側に取り付けることを特徴とする請求項6又は7記載の電柱間分岐引込線の引込構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−99146(P2013−99146A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240722(P2011−240722)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【出願人】(000227722)株式会社日本ネットワークサポート (19)
【Fターム(参考)】