説明

電極活物質とその製造方法、及びこれを用いた電極を含む電気化学キャパシタ

【課題】単位重量当たりの容量が大きく、内部抵抗が小さく、高電流でも性能が大きく低下しない、性能が向上したスーパーキャパシタ用電極活物質を提供する。
【解決手段】活性炭表面に形成され、多孔性構造を有する第1層20と、この第1層20に形成され、極性基を含む第2層30と、を含む電極活物質とその製造方法、及びこれを用いた電極を含む電気化学キャパシタである。高価な活性炭を、本発明の2重表面処理により製造された低価の活性炭で代替することができるために、経済的な効果にも優れている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極活物質とその製造方法、及びこれを用いた電極を含む電気化学キャパシタに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、キャパシタ(Capacitor)という電子素子は、化学的な反応や相変化なしに、物理的なメカニズムで電気を貯蔵する装置であって、電気を蓄積して放出することで、回路内の電気の流れを安定化させる機能を行う。このようなキャパシタは充放電時間が非常に短く、寿命が長くて出力密度も非常に高いが、エネルギー密度がきわめて低いため、エネルギー貯蔵装置としての使用に制限がある。
【0003】
一方、二次電池は、高密度のエネルギーを貯蔵できる素子であって、ノートパソコン、携帯電話、PDAなどのポータブル電子機器のエネルギー貯蔵媒体として使用されており、最近代表的な二次電池としてリチウムイオン電池が使用されている。
【0004】
また、前記キャパシタと二次電池の中間特性を発現し、高エネルギー密度と高い出力密度を要する電子機器の貯蔵媒体としては、電気化学キャパシタが使用されている。前記電気化学キャパシタは、スーパーキャパシタ(supercapacitor)、電気二重層キャパシタ(Electrical double layer capacitor;EDLC)、又はウルトラキャパシタなどとも称されている。
【0005】
前記電気化学キャパシタは、風力発電、ハイブリッド電気自動車(Hybrid Electric Vehicle;HEV)及び電気自動車(Electric Vehicle;EV)などの様々なものに使用されるエネルギー貯蔵媒体として潜在的な応用が可能であるため、最近、全世界から注目を集めている。
【0006】
スーパーキャパシタにおいて最も核心となる部分は電極材料である。前記電極材料は、何よりも、比表面積が大きくなければならず、電荷が電極において最小の電圧降下分布を成すように電気伝導性が高く、一定電位下で電気化学的に安定しなければならず、商用化のためにはコストが低くなければならない。
【0007】
このようなスーパーキャパシタは、使用される電極及びメカニズムによって三つに大別される。
【0008】
第一に、活性炭素(Activated carbon)を電極材料として使用し、電気二重層電荷吸着(Electric Double layer Charging)をメカニズムとする電気二重層キャパシタ(EDLC)がある。
【0009】
第二に、遷移金属酸化物(Transition metal oxide)や伝導性高分子(Conductive polymer)を電極材料として使用し、擬似容量(pseudo−capacitance)をメカニズムとして有する擬似キャパシタ(pseudocapacitor)あるいは電解キャパシタ(redox capacitor)がある。
【0010】
第三に、前記電気二重層キャパシタと電解キャパシタの中間の特性を有するハイブリッドキャパシタ(hybrid capacitor)がある。
【0011】
また、スーパーキャパシタは、単位セル電極の両端に数ボルトの電圧を印加して電解液内のイオンが電場に沿って移動し、電極表面に吸着されて発生する電気化学的メカニズムを作動原理とする。
【0012】
一方、このようなスーパーキャパシタの基本構造は、多孔性電極(electrode)、電解質(electrolyte)、集電体(current collector)と、分離膜(separator)からなっている。
【0013】
前記多孔性電極は、活物質、導電材、バインダー、溶媒、及びその他の添加剤を混合、スラリー状に製造し、前記集電体上に塗布して製造することができる。前記電極の活物質としては、活性炭素が主に使用されており、その表面に多孔性を付与して、比静電容量は比表面積に比例するため、電極材料の高容量化によるエネルギー密度が増加する。
【0014】
また、前記活物質スラリーを集電体に塗布した後、乾燥しながら活物質と活物質、活物質と集電体の間がバインダーにより結着されることで電極が製造される。前記バインダーは、キャパシタとしての性能を決定する重要な要因の一つである。バインダーの性能が低下したり電極内に適した量が含有されていなければ、電極塗布時に均一な厚さの膜を形成することが困難であり、キャパシタを構成した後にも活物質あるいは集電体から活物質が脱落してキャパシタの容量が低下したり、内部抵抗が増加する。その反面、バインダーの量が多すぎる場合、電極内活物質の量が減少してキャパシタの容量が低下したり、また、ほとんどが電気不導体である高分子の電気的特性により内部抵抗が増加する原因となる。
【0015】
現在、スーパーキャパシタ用電極材料として使用される物質は、活性炭、導電性炭素、伝導性高分子、遷移金属酸化物などがある。このうち、炭素材料などは製造が容易であるが、原料物質として使用される炭素は、韓国で生産されるものは不純物が多く、比表面積が小さいためほとんどが輸入に依存しており、EDLC用活性炭の場合、高価である場合が多い。そのため、経済的費用が多くかかるという短所がある。また、一般的な金属酸化物は電気的性質には優れているが、比表面積が小さく抵抗が大きいため実際に適用するには限界がある。
【0016】
従って、安価で様々な物性に優れているスーパーキャパシタ用電極材料の開発が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2007-281088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、前記のような従来技術の問題を解決するためのものであって、高容量、低抵抗の電気化学キャパシタに使用することができる電極活物質を提供することを目的とする。
【0019】
また、本発明は、前記電極活物質の製造方法を提供することを目的とする。
【0020】
また、本発明は、前記電極活物質を用いた電気化学キャパシタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の課題を解決するための一実施例による電極活物質は、活性炭表面に形成され、多孔性構造を有する第1層と、この第1層に形成され、極性基を有する第2層と、を含むことができる。
【0022】
前記活性炭の比表面積は、2,000m2/g〜3,000m2/gであることが好ましい。
【0023】
前記第2層の極性基は、前記第1層の表面上の炭素結合の置換により得られたものとすることができる。
【0024】
前記第2層の極性基は、C=N基、アミノ基、環状アミド基、ニトリル基(RCN、ここでRは炭化水素基)、及び環中に1個の窒素原子を含む5原子の複素環式化合物からなる群から選択される何れか1つ以上の窒素含有物質とすることができるが、これに限定されるものではない。
【0025】
前記第2層は、10nm以内の厚さで形成されることが好ましい。
【0026】
本発明の他の課題を解決するための一実施例による電極活物質の製造方法は、活性炭を熱処理して多孔性構造を有する第1層を形成する段階と、前記第1層の表面上の炭素結合の置換により得られた極性基を有する第2層を形成する段階と、を含むことを特徴とする。
【0027】
前記熱処理はアルカリ水溶液を用いて行うことができる。
【0028】
前記熱処理は、300〜700℃の温度で1〜3時間行うことができる。
【0029】
本発明の一実施例によると、前記極性基の置換は、プラズマ処理、窒酸酸化(Nitric acid oxidation)及びアンモニア処理(ammonia treatment)から選択される何れか1つの方法を用いることができる。
【0030】
また、本発明は、活性炭表面に形成され、多孔性構造を有する第1層と、前記第1層に形成され、極性基を含む第2層と、を含む電極活物質を用いた電気化学キャパシタをさらに提供することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によると、単位重量当たりの容量が大きく、内部抵抗が小さく、高電流でも性能が大きく低下しない、性能が向上した電気化学キャパシタ用電極活物質を提供することができる。
【0032】
また、主に輸入に依存していた高価な活性炭を、本発明のような2重表面処理により製造された低価の活性炭で代替することができるため、経済的な効果にも優れている。
【0033】
また、前記電極活物質を使用することにより、高容量、高出力の電気化学キャパシタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による電極活物質の構造を示すものである。
【図2】本発明による電極活物質の構造を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明をより詳細に説明すると次のとおりである。
【0036】
本明細書で用いられる用語は、特定の実施例を説明するために用いられ、本発明を限定するためのものではない。本明細書で用いられたように、単数型は文脈上異なる場合を明白に指摘するものでない限り、複数型を含む。また、本明細書で用いられる「含む(comprise)」及び/又は「含んでいる(comprising)」は言及された形状、数字、段階、動作、部材、要素及びこれらの組み合わせが存在することを特定するものであり、一つ以上の他の形状、数字、段階、動作、部材、要素及びこれらの組み合わせの存在又は付加を排除するものではない。
【0037】
本発明は、電気化学キャパシタ用電極活物質とその製造方法、及びこれを用いた電気化学キャパシタに関する。
【0038】
本発明の一実施例による電極活物質は、図1のような構造を有しており、これを参照すると、活性炭10の表面に形成され、多孔性構造を有する第1層20と、前記第1層20に形成され、極性基を含む第2層30と、を含むことができる。
【0039】
即ち、活性炭を電極活物質として使用し、2回に亘った表面処理過程を経て2層構造を有する活性炭粉末を製造する。
【0040】
前記第1層は、活性炭を熱処理して表面に無数の気孔(pore)を形成することにより、多孔性構造を有している。この場合、前記第1層の有効な気孔の割合を最大にするとともに容量を増加させるためには、活性炭の比表面積が、2,000m2/g〜3,000m2/gの範囲になるようにするのが有利である。
【0041】
従来の電極活物質として使用した活性炭の場合、既にその表面に多孔性構造を有する製品を商業的に購入して使用していた。しかし、このような活性炭の使用は容易であるが、そのコストが非常に高いため、実際に大容量の製品に適用することは経済的に負担となる。
【0042】
しかし、本発明のように、原料活性炭(raw activated carbon)を適切な方法で熱処理することにより、所望レベルの比表面積を有する活性炭粉末を製造することができる。
【0043】
従って、前記活性炭粉末を電気化学キャパシタの電極活物質として使用する場合には、単位重量、単位体積当たりの容量増大の効果を期待することができる。
【0044】
また、本発明による電極活物質は、前記第1層上に極性基を含む極性層である第2層を形成させ、前記第2層は、前記第1層の表面の炭素原子を極性基に置換して形成する。
【0045】
即ち、一般的な活性炭は、ほぼ炭素のみからなり、ほとんどの場合、疎水性(hydrophobicity)が非常に高い。従って、これを電極活物質として使用する場合、電解液内の対イオンが吸着/脱着する確率が相対的に低い。
【0046】
従って、本発明ではこのような活性炭が有する疎水性の問題を解決するために、炭素結合を極性基に置換して極性層を形成するようにした。
【0047】
この際に使用される前記第2層の極性基は、C=N基、アミノ基、環状アミド基、ニトリル基(RCN、ここでRは炭化水素基)、及び環中に1個の窒素原子を含む5原子の複素環式化合物(例えば、ピロール)からなる群から選択される何れか1つ以上の窒素含有化合物とすることができる。
【0048】
また、極性基の形成によるセルの抵抗増加を最小化するとともに、単位重量当たり、あるいは体積当たりの容量を最大化するためには、前記極性層である第2層を10nm以内の厚さで形成することが好ましい。
【0049】
以下、本発明による電極活物質の製造方法を詳細に説明する。
【0050】
図2を参照すると、先ず、第1段階は、活性炭10に熱処理を施すと、その表面に多孔性構造を有する第1層20が形成される。
【0051】
前記原料活性炭は、木材(wood)、褐炭(lignite)、ピート及び石炭(peat&coal)、農業用ゴミまたは副産物(例えば、マカダミアナッツ殻、ココナッツ殻、製紙工場のスラッジ、モモの種、パーム核の殻など)を用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0052】
前記活性炭にアルカリ水溶液を添加して、相対的に低温で熱処理すると、熱処理によるアルカリ金属のインターカレーションにより、前記活性炭表面に無数の気孔(pore)が形成される。
【0053】
前記アルカリ水溶液は、NaOH、KOHを使用することができるが、これに限定されるものではない。
【0054】
また、前記熱処理は、300〜700℃の温度で1〜3時間行うことが好ましい。
【0055】
従って、比表面積2,000m2/g〜3,000m2/gの範囲の多孔性構造を有する活性炭を得ることができる。
【0056】
第2段階は、前記第1層の表面の炭素原子を極性基に置換して極性基を有する第2層を形成する。
【0057】
前記第2段階は、1次熱処理後にあり得る不純物を除去するとともに、前記第1層の表面にある炭素結合を極性基に置換して、結合エネルギーを変化させるためのものである。
【0058】
この際に使用される前記第2層の極性基は、C=N基、アミノ基、環状アミド基、ニトリル基(RCN、ここでRは炭化水素基)、及び環中に1個の窒素原子を含む5原子の複素環式化合物(例えば、ピロールなど)からなる群から選択される何れか1つ以上の窒素含有物質を使用することができる。
【0059】
即ち、図2のように、活性炭表面の炭素結合(C)をNのような極性基に置換すると、極性基である窒素(N)原子が、前記第1層を取り囲んで第2層30を形成するようになり、処理されていない活性炭の表面よりN−形態の配列サイト(configuration distribution site)が相対的に増加する。これにより電解液内の対イオン40との結合力が増加してさらに多いイオンの吸脱着が可能となる。
【0060】
従って、このような構造の活物質を電極として使用する場合、容量増大の効果があり、メカニズム上増加した表面におけるイオン吸脱着であるため、パワー密度の損失もほとんどないことが予測できる。
【0061】
本発明の一実施例によると、前記極性基の置換は、プラズマ処理、窒酸酸化(Nitric acid oxidation)及びアンモニア処理(ammonia treatment)から選択される何れか1つの方法を用いることができる。
【0062】
また、本発明は、前記のような過程により製造された活性炭を電極活物質として使用し、これに導電材、バインダー、溶媒、及びその他の添加剤を混合して電極活物質スラリーに製造する。
【0063】
前記導電材、バインダー、溶媒、及びその他の添加剤は、本発明の電極活物質の物性を損なわない範囲内で、また、電気化学キャパシタにおいて通常使用される材料を使用することができ、その種類及び含量は特に限定されるものではない。
【0064】
また、本発明は、前記電極活物質スラリーを用いた電極を含む電気化学キャパシタを提供することができる。
【0065】
本発明による前記電極は、両極及び/または陰極として使用することができる。
【0066】
また、本発明の電気化学キャパシタを構成する集電体、電解液、分離膜などは特に限定されるものではなく、通常の電気二重層キャパシタのような電気化学キャパシタにおいて使用されるものであれば、どのようなものでもよく、その具体的な説明は省略する。
【0067】
以下、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。以下の実施例は、本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲がこれらの実施例により制限されるものに解釈されてはならない。また、以下の実施例では特定化合物を用いて例示したが、これらの均等物を使用した場合においても同等、類似した程度の効果を発揮できることは当業者に自明である。
【0068】
実施例1:電極活物質の製造
1次表面処理は、アルカリ活性化過程であって、ココナッツ殻原料で製造された活性炭をKOH塩と混合して、700℃で2時間熱処理し、その表面に多孔性を有する活性炭を製造した。
【0069】
その後、2次表面処理は、次のような過程で行われた。1次表面処理が完了された活性炭の水分を除去するために150℃で48時間、石英チューブ炉(quartz tube furnace)内に置いた。その後、真空雰囲気下で窒素プラズマ処理を施し、前記1次表面処理された表面の炭素原子を窒素に置換した。この際、パワーは500W、4Torr、窒素ガスの流速(flow rate)は91sccmに維持した。
【0070】
製造された活性炭の比表面積は2,570m2/gであった。
【0071】
実施例2:電極活物質スラリー組成物の製造
前記実施例1から製造された活性炭(比表面積2,570m2/g)85g、導電材としてSuper−P18g、バインダーとしてCMC3.5g、SBR12.0g、PTFE5.5gを水250gに混合及び攪拌して電極活物質スラリー組成物を製造した。
【0072】
比較例1
表面処理されていない一般の活性炭(比表面積2,150m2/g)85g、導電材としてSuper−P18g、バインダーとしてCMC3.5g、SBR12.0g、PTFE5.5gを水225gに混合及び攪拌して電極活物質スラリーを製造した。
【0073】
実施例3、比較例2:電気化学キャパシタの製造
1)電極製造
前記実施例2、比較例1による電極活物質スラリーを厚さ20μmのアルミニウムエッチング箔上にコンマコーター(comma coater)を用いて塗布し、一時乾燥させた後、電極サイズが50mm×100mmになるように切断した。電極断面の厚さは60μmであった。セルを組み立てる前に、120℃の真空状態で48時間乾燥させた。
【0074】
2)電解液製造
アクリロニトリル系の溶媒に、スピロ系塩1.3モル/リットルの濃度になるように溶解して電解液を調剤した。
【0075】
3)キャパシタセルの組み立て
前記の製造された電極(陽極、陰極)を用い、その間に、セパレータ(TF4035 from NKK、セルロース系分離膜)を挿入し、電解液を含浸させ、ラミネートフィルムケースに投入して密封した。
【0076】
試験例:電気化学キャパシタセルの容量評価
25℃の恒温条件下で、定電流−定電圧で1mA/cm2の電流密度で2.5Vまで充電し、30分間経過した後、また1mA/cm2の定電流で3回放電させて最後のサイクルの容量を測定し、その結果を以下の表1に示した。
【0077】
また、各セルの抵抗特性は、電流−抵抗器(ampere−ohm meter)とインピーダンス分光法(impedance spectroscopy)で測定し、その結果を以下の表1に示した。
【0078】
【表1】

【0079】
前記表1の結果のように、通常の電極活物質スラリー組成を有する比較例1による活物質スラリーを製造し、これを用いた電極を含む電気化学キャパシタ(EDLCセル)である比較例2の容量は、10.78Fを示し、この場合の抵抗値は19.03mΩであった。
【0080】
一方、本発明のように、表面改質した活性炭を使用した実施例2による電極活物質スラリーで製造された電極を含む電気化学キャパシタ(EDLCセル)である実施例3の容量は、13.21Fを示し、この場合の抵抗値は18.77mΩであった。
【0081】
このような結果から、前記のような活性炭構造により、高容量、高出力の特性を示すセルを製造できることを確認した。
【符号の説明】
【0082】
10 活性炭
20 第1層
30 第2層
40 電解液内の対イオン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性炭表面に形成され、多孔性構造を有する第1層と、
この第1層に形成され、極性基を有する第2層と、を含む電極活物質。
【請求項2】
前記電極活物質の比表面積は2,000〜3,000m2/gである請求項1に記載の電極活物質。
【請求項3】
前記第2層の極性基は、前記第1層の表面上の炭素結合の置換により得られたものである請求項1に記載の電極活物質。
【請求項4】
前記第2層の極性基は、C=N基、アミノ基、環状アミド基、ニトリル基(RCN、ここでRは炭化水素基)、及び環中に1個の窒素原子を含む5原子の複素環式化合物からなる群から選択される何れか1つ以上の窒素含有物質である請求項1に記載の電極活物質。
【請求項5】
前記第2層は10nm以内の厚さで形成されるものである請求項1に記載の電極活物質。
【請求項6】
活性炭を熱処理させて多孔性構造を有する第1層を形成する段階と、
前記第1層の表面上の炭素結合の置換により得られた極性基を有する第2層を形成する段階と、を含む電極活物質の製造方法。
【請求項7】
前記熱処理はアルカリ水溶液を用いて行う請求項6に記載の電極活物質の製造方法。
【請求項8】
前記熱処理は、300〜700℃の温度で1〜3時間行われる請求項6に記載の電極活物質の製造方法。
【請求項9】
前記極性基の置換は、プラズマ処理、窒酸酸化(Nitric acid oxidation)及びアンモニア処理(ammonia treatment)から選択される何れか1つの方法を用いて行われる請求項6に記載の電極活物質の製造方法。
【請求項10】
請求項1に記載の電極活物質を用いた電極を含む電気化学キャパシタ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−46053(P2013−46053A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−108242(P2012−108242)
【出願日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】