説明

電気コネクタ

【課題】絶縁被覆電線10を所定のピッチで等間隔に横に並べる整列処理を必要としない電気コネクタを提供する。
【解決手段】横長の加圧手段30は、プラグボディ16の開口部16aに上方向より挿入し得る縦辺部30aとこれに対して略直交方向に連なる横辺部30bからなり、開口部16aに縦辺部30aを挿入した状態で、縦辺部30aの先端部と横辺部30bにそれぞれプラグボディ16に横に並べて組み付けたコンタクト18に対応する位置に絶縁被覆電線10を挿入し得る溝30c、30dを設ける。溝30c、30dに絶縁被覆電線10を挿入して位置決めして整列処理する。開口部16aに上方向から縦辺部30aと溝30c、30dで位置決めした絶縁被覆電線10を挿入すると、絶縁被覆電線10が縦辺部30aとコンタクト18の間に挟持され、突き刺し部18cが絶縁被覆電線10の絶縁被覆材10aに突き刺さって貫通して芯線10bに当接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁被覆電線を回路基板等に電気的接続するのに好適な電気コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
小型化や薄型化が進展する電子機器において、芯線の周りが絶縁被覆材により被覆された絶縁被覆電線が、その電子機器内の配線部材として多数使用されている。そして、この絶縁被覆電線の接続方法として、複数の絶縁被覆電線を多数本横に並べて一括して、半田することなしに、電気的接続せしめる電気コネクタが特開平11−345640号公報で提案されている。
【特許文献1】特開平11−345640号公報
【0003】
上記特許文献1記載の電気コネクタは、プラグ部材のハウジングに側方向およびこれに隣接する上方向が連通して開口する開口部を設け、この開口部に側方から複数本の絶縁被覆電線を挿入し、ハウジングに揺動自在に支持された蓋状の加圧部材で、挿入された各絶縁被覆電線に対応して設けられた圧接用接触子の刃状部を各絶縁被覆電線に対して同時に押圧し、刃状部が絶縁被覆電線の絶縁被覆材に突き刺さって貫通して芯線に当接して電気的接続される。かかる構成によって複数の絶縁被覆電線に対してそれぞれに対応する圧接用接触子を一括して当接させて電気的接続することが可能となり、作業の能率が向上する。
【0004】
ところで、小型化、高密度化が進む電子機器においては、その内部におけるプリント回路基板等の回路基板と絶縁被覆電線とを接続する電気コネクタにおいても、回路基板上の実装スペースが小さいことが要求され、かつ電気的接続の信頼性が高いことが望ましい。
【0005】
電気コネクタにあっては、絶縁被覆電線が電気的接続されるプラグ部材と、このプラグ部材が挿嵌されて電気的接続されるとともに回路基板上等に搭載されるソケット部材とからなる。そこで、上述の特許文献1記載の従来例にあっては、回路基板上にはソケット部材の実装スペースに加えて、側方から挿入する絶縁被覆電線のための空スペースが必要であり、全体として必要とするスペースが広く、省スペース化が困難である。
【0006】
そこで、本特許出願人は、上記のごとき従来技術の有する問題点を解決するために、実装スペースが小さく、かつ絶縁被覆電線との電気的接続の信頼性が高い電気コネクタとして、先に特願2004−345426号を出願した。
【特許文献2】特願2004−345426号
【0007】
本特許出願人が先に特願2004−345426号で出願した電気コネクタの構成を図21ないし図25を参照して簡単に説明する。図21は、先に出願した電気コネクタの加圧手段と整列部材で整列された絶縁被覆電線とプラグボディおよびコンタクトの分解斜視図である。図22は、プラグボディにコンタクトを組み付けたプラグ部材の断面拡大図である。図23は、プラグ部材に加圧手段と絶縁被覆電線の端部を挿入した状態の断面拡大図である。図24は、整列部材で整列された絶縁被覆電線の端面図である。図25は、回路基板上に搭載されたソケット部材にプラグ部材を挿嵌した状態の断面拡大図である。
【0008】
まず、絶縁被覆電線10、10…は、所定のピッチで等間隔に横に並べられて、その端部が絶縁樹脂材からなる整列部材12に接着または溶着等により適宜に固定されて、整列処理がなされる。また、加圧手段14は、平板状の縦辺部14aとこれに対して略直交方向に略逆L字状に折り曲げられて連なる平板状の横辺部14bを有し、板金等で形成される。プラグボディ16は、絶縁樹脂で成形され、絶縁被覆電線10、10…が整列されたピッチで、コンタクト18、18…が組み付けられてプラグ部材20が構成される。プラグボディ16には、加圧手段14の縦辺部14aを挿入できる上方向に開口した横長の開口部16aが設けられる。コンタクト18は、導電性の板金等で形成され、上方向を開口する第1と第2の略U字状部18a、18bからなる略W字状であり、第1の略U字状部18aの一端側(略W字状の中央の縦状部分)の先端部にU字状の外側に向けて(第2の略U字状部18bの内側に向けて)刃状の突き刺し部18cが設けられる。しかも、コンタクト18は、プラグボディ16に対して第2の略U字状部18bに開口部16aが位置し、突き刺し部18cが開口部16aの内側に向くように、また第1の略U字状部18aの他端側および第2の略U字状部18bの他端側(略W字状の両外側の縦状部分)の少なくとも一部がプラグボディ16の外側面から露出した状態に配設される。そして、ソケット部材22は、絶縁樹脂からなるソケットボディ24に絶縁被覆電線10、10…が配列されたピッチで、ソケットコンタクト26、26…が組み付けられ、このソケットボディ24にはプラグ部材20が上方向から挿嵌され得る横長のプラグ挿入用開口部24aが設けられる。、ソケットコンタクト26は、導電性の板金等で形成され、上方向を開口する略コ字状部26aとソケットボディ26の外側に導出される接続用導出端子部26bを有する。ソケットコンタクト26の略コ字状部26aはプラグ挿入用開口部24aの内壁に沿って配設され、プラグ部材20が挿嵌されると、コンタクト18、18…の略W字状の両外側の縦状部分が当接して電気的接続されるように形成される。また、ソケットコンタクト26の接続用導出端子部26bは、ソケット部材22が回路基板28等に搭載された状態で、回路基板28の表面に接して、回路基板28の表面に設けられた接続端子等に半田付け等により電気的接続され得るように形成される。
【0009】
かかる構成において、プラグボディ16にコンタクト18、18…を組み付けたプラグ部材20の開口部16aに、整列部材12で整列処理された絶縁被覆電線10、10…の端部を上方向から挿入し、続いて加圧手段14の縦辺部14aを挿入する。すると、絶縁被覆電線10、10…の端部は、加圧手段14の縦辺部14aとコンタクト18、18…の第1の略U字状部18a、18a…の一端側(略W字状の中央の縦状部分)との間に狭持され、突き刺し部18c、18c…が絶縁被覆電線10、10…の端部の絶縁被覆材10a、10a…に突き刺さって貫通して芯線10b、10b…に当接し、芯線10b、10b…とコンタクト18、18…が電気的接続される。
【0010】
上述の構成からなる先に出願した技術にあっては、プラグ部材20に絶縁被覆電線10、10…の端部を上方向から挿入するので、回路基板28にはソケット部材22を搭載する実装スペースがあれば良く、実装スペースが小さくて足りる。しかも、絶縁被覆電線10、10…は加圧手段14の横辺部14bによって、略直交方向に折り曲げられるので、この電気コネクタを搭載するのに必要な高さが低くて良いとともに、折り曲げ部分の接触摩擦抵抗力が大となって、絶縁被覆電線10、10…に引き抜き方向の外力が加わっても、抜けにくい構造となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述の先に出願した技術は、絶縁被覆電線10、10…を所定のピッチで等間隔に横に並べて整列させるために、予め整列部材12を用いた整列処理が不可欠であり、その処理が煩雑である。
【0012】
本発明は、上述のごとき事情に鑑みてなされたもので、絶縁被覆電線の整列処理を必要としない電気コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる目的を達成するために本発明の電気コネクタは、複数のソケットコンタクトが横に並べて配設されたソケット部材と、前記ソケット部材に対して上方向より挿嵌でき、その挿嵌状態で前記ソケットコンタクトとそれぞれ電気的接続される複数のコンタクトが横に並べて配されたプラグ部材と、を備えた電気コネクタであって、前記プラグ部材は、上方向に開口した横長の開口部を設けたプラグボディを有し、前記コンタクトは略U字状部を有し、この略U字状部の一端側の先端部に前記開口部内に突出する刃状の突き刺し部を設けるとともに他端側の一部を前記プラグボディの外側面から露出させて前記挿嵌状態で前記ソケットコンタクトに当接して電気的接続するように前記プラグボディに配設し、さらに前記開口部に上方向より挿入し得る縦辺部とこれに対して略直交方向に連なる横辺部からなり、前記開口部に前記縦辺部を挿入した状態で前記縦辺部の先端部と前記横辺部にそれぞれ前記コンタクトに対応する位置に絶縁被覆電線を挿入し得る溝を横に並べて設けた横長の加圧手段を有し、前記加圧手段の縦辺部と横辺部の溝に前記絶縁被覆電線をそれぞれに挿入した状態で、前記開口部に上方向から前記縦辺部と前記絶縁被覆電線を挿入すると、前記絶縁被覆電線が前記縦辺部と前記コンタクトの略U字状の一端側との間に挟持され、前記突き刺し部が前記絶縁被覆電線の絶縁被覆材に突き刺さって貫通して芯線に当接するように構成されている。
【0014】
また、前記絶縁被覆電線がシールド線付きであって、前記絶縁被覆電線の端部の先端部分を外側の絶縁被覆材と前記シールド線を除去して前記芯線の絶縁被覆材を露出させ、前記加圧手段を導電金属で形成し、前記横辺部の溝の幅を挿入された前記絶縁被覆電線の外側の絶縁被覆材を切り裂いて前記シールド線に当接するように設定し、前記絶縁被覆電線の外側の絶縁被覆材と前記シールド線を除去して前記芯線の絶縁被覆材を露出させた先端部分を前記縦辺部の溝に挿入するとともに前記絶縁被覆電線を前記横辺部の溝に挿入して外側の前記絶縁被覆材を切り裂いて前記シールド線に当接させた状態で、前記開口部に上方向から前記縦辺部と前記絶縁被覆電線の端部を挿入して、前記突き刺し部が前記芯線の絶縁被覆材に突き刺さって貫通して芯線に当接するとともに、前記シールド線に電気的接続した前記加圧手段が前記ソケット部材に配設したシールド接地コンタクトに当接して電気的接続するように構成されても良い。
【0015】
そして、前記加圧手段を前記縦辺部とこれに対して略直交方向に設けられた横辺部で断面略T字状に形成し、前記開口部に前記縦辺部を挿入した状態で前記縦辺部の先端部と前記横辺部の両端部にそれぞれ前記コンタクトに対応する位置に前記絶縁被覆電線を挿入し得る溝を横に並べて設け、前記絶縁被覆電線の端部を先端側から前記横辺部の他方の端部の溝と前記縦辺部の溝と前記横辺部の一方の端部の溝に順次に挿入した状態で、前記開口部に上方向から前記縦辺部と前記絶縁被覆電線の端部を挿入するように構成することもできる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の電気コネクタにあっては、加圧手段の縦辺部の先端部と横辺部のコンタクトに対応する位置に溝を設け、これらの溝に絶縁被覆電線を挿入することで、絶縁被覆電線がコンタクトに対応したピッチで横に並べて整列される。そこで、加圧手段の縦辺部と溝に挿入された絶縁被覆電線をプラグ部材の開口部に挿入すると、絶縁被覆電線はコンタクトの突き刺し部に対向する位置に挿入されるとともに突き刺し部が絶縁被覆電線の絶縁被覆材に突き刺さって貫通して芯線に当接して電気的接続がなされる。もって、先に出願した技術のごとき絶縁被覆電線の整列処理は必要なく、その作業工程が省かれる。また、整列処理のための整列部材が不要であり、部品点数も少なくなる。
【0017】
請求項2記載に電気コネクタにあっては、シールド線付きの絶縁被覆電線を導電金属で形成された加圧手段の横辺部の溝に挿入することで、溝が外側の絶縁被覆材を切り裂いてシールド線が溝の縁に当接し、シールド線が加圧手段に電気的接続される。そして、この加圧手段が、ソケット部材に設けられたシールド接地コンタクトに当接して電気的接続される。もって、シールド線が、加圧手段とシールド接地コンタクトを介して、ソケット部材が搭載される回路基板等の接地導体等に容易に電気的接続することができる。
【0018】
請求項3記載に電気コネクタにあっては、加圧手段を縦辺部と横辺部で断面略T字状に形成し、縦辺部の先端部と横辺部の両端部にそれぞれ溝を設け、これらの溝に絶縁被覆電線を挿入することで、絶縁被覆電線は3箇所で位置決めがなされ、より確実に所定のピッチで横に並べられて整列される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の第1実施例を図1ないし図4を参照して説明する。図1は、本発明の電気コネクタの第1実施例の絶縁被覆電線を組み付けた加圧手段とプラグボディおよびコンタクトの分解斜視図である。図2は、図1の加圧手段を示し、(a)は斜め上方から見た斜視図であり、(b)は加圧手段をひっくり返して下側部分を示す斜視図である。図3は、図1のA−A断面拡大図である。図4は、第1実施例でプラグボディにコンタクトを組み付けたプラグ部材に絶縁被覆電線を組み付けた加圧手段を挿入した状態の断面拡大図である。図1ないし図4において、図21ないし図25と同じもしくは均等な部材には同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0020】
本発明の電気コンタクトの第1実施例において、先に出願した技術と相違するところは、加圧手段30の縦辺部30aの先端部と横辺部30bにそれぞれ溝30c、30c…、30d、30d…が設けられたことにある。これらの溝30c、30c…、30d、30d…は、プラグボディ16の開口部16aに縦辺部30aが挿入された状態で、プラグボディ16に配設されたコンタクト118、18…に対向する位置に設けられる。また、溝30c、30c…、30d、30d…の幅は、絶縁被覆電線10、10…の外側の絶縁被覆材10a、10a…を適宜に変形させれば挿入し得る程度で、絶縁被覆材10a、10a…を切り裂いて芯線10b、10b…に当接することがないように設定される。なお、加圧手段30は、図3に示すごとく、横長の折り目によって、板金を2つに略折り重ね、さらに折り重ねた一方を略逆L字状に折り曲げ、折り重ねた部分で横辺部30bを逆L字状に折り曲げた部分で縦辺部30aが形成される。しかも、略逆L字状に折り曲げた縦辺部30aの先端部に溝30c、30c…が形成され、2つに折り重ねるように折り曲げた部分に溝30d、30d…が形成される。
【0021】
そして、図3に示すごとく、絶縁被覆電線10、10…の端部の先端部分を、縦辺部30aの溝30c、30c…に挿入し、先端部分に続く端部を、横辺部30bの溝30d、30d…に挿入する。すると、加圧手段30の溝30c、30c…、30d、30d…によって、絶縁被覆電線10、10…は、位置決めされて整列処理がなされる。この絶縁被覆電線10、10…が整列して組み付けられた加圧手段30の縦辺部30aを、プラグボディ16の開口部16aに上方から挿入すると、図4に示すごとく、絶縁被覆電線10、10…の先端部分がコンタクト18、18…の突き刺し部18c、18c…に押し付けられ、突き刺し部18c、18c…が絶縁被覆材10a、10a…に突き刺さって貫通して芯線10b、10b…に当接して電気的接続される。
【0022】
かかる構成の第1実施例にあっては、加圧手段30の溝30c、30c…、30d、30d…に絶縁被覆電線10、10…を組み付けるだけで絶縁被覆電線10、10…を所定のピッチで横に並べた整列処理がなされるので、先に出願した技術のごとく整列部材を用いて予め整列させる処理を必要としない分だけ、手間が省ける。また、整列部材を用いないために、部品点数が少なくできる。
【0023】
図5は、本発明の第1実施例の加圧手段の変形例の断面拡大図である。この変形例では、板金の両端側を横長方向の折り目で先端が向き合うようにそれぞれ2つに折り重ね、さらに一方の端側を略L字状に折り曲げ、この略L字状に折り曲げた部分で縦辺部30aが形成され、2つに折り重ねられた部分で横辺部30bが形成されている。
【0024】
次に、本発明の第2実施例を図6および図7を参照して説明する。図6は、本発明の電気コネクタの第2実施例でプラグボディにコンタクトを組み付けたプラグ部材に絶縁被覆電線を組み付けた加圧手段を挿入した状態の断面拡大図である。図7は、加圧手段に組み付け得るように処理した絶縁被覆電線の斜視図である。図6および図7において、図1ないし図4および図21ないし図25と同じもしくは均等な部材には同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0025】
本発明の電気コンタクトの第2実施例にあっては、絶縁被覆電線10、10…がシールド線10c、10c…付きである。そこで、まず図7に示すごとく、絶縁被覆電線10、10…の端部の先端部分を外側の絶縁被覆材10d、10d…およびシールド線10c、10c…を取り除いて、芯線10b、10b…の絶縁被覆材10a、10a…を露出させる。そして、導電金属からなる加圧手段30の縦辺部30aの溝30c、30c…に、絶縁被覆材10a、10a…を露出させた絶縁被覆電線10、10…の端部の先端部分を挿入し、横辺部30bの溝30d、30d…に絶縁被覆電線10、10…の端部を挿入する。ここで、縦辺部30aの溝30c、30c…の幅は、絶縁被覆電線10、10…の芯線10b、10b…の絶縁被覆材10a、10a…を適宜に変形させれば挿入し得る程度で、絶縁被覆材10a、10a…を切り裂いて芯線10b、10b…に当接することがないように設定される。また、横辺部30bの溝30d、30d…の幅は、絶縁被覆電線10、10…の挿入で外側の絶縁被覆材10d、10d…を切り裂いてシールド線10c、10c…に当接するように設定される。このようにしてシールド線10c、10c…付きの絶縁被覆電線10、10…の端部を加圧手段30に組み付けて、絶縁被覆電線10、10…と加圧手段30の縦辺部30aをプラグボディ16の開口部16aに挿入する。
【0026】
かかる構成の第2実施例にあっては、加圧手段30の横辺部30bの溝30d、30d…に絶縁被覆電線10、10…を挿入するだけで、シールド線10c、10c…が加圧手段30に電気的接続される。そこで、この加圧手段30を適宜に回路基板の接地導体等に電気的接続すれば、絶縁被覆電線10、10…のシールド線10c、10c…を容易に接地することが可能である。なお、絶縁被覆電線10、10…の芯線10b、10b…に突き刺し部18c、18c…が当接して、芯線10b、10b…にコンタクト18、18…が電気的接続することは第1実施例と同じである。
【0027】
また、本発明の第3実施例を図8ないし図11を参照して説明する。図8は、本発明の電気コネクタの第3実施例の絶縁被覆電線を組み付けた加圧手段とプラグボディおよびコンタクトの分解斜視図である。図9は、図8の加圧手段を示し、(a)は斜め上方から見た斜視図であり、(b)は加圧手段をひっくり返して下側部分を示す斜視図である。図10は、図8のB−B断面拡大図である。図11は、第3実施例でプラグボディにコンタクトを組み付けたプラグ部材に絶縁被覆電線を組み付けた加圧手段を挿入した状態の断面拡大図である。図8ないし図11において、図1ないし図7および図21ないし図25と同じもしくは均等な部材には同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0028】
本発明の電気コンタクトの第3実施例において、第1実施例と相違するところは、以下の点にある。まず、加圧手段40は、図10に示すごとく、横長方向の折り目によって板金を2つに略折り重ね、また一方の片の先端側を横長方向の折り目で先端が互いに向き合うように同方向に折り返し、さらに他方の折り重ねた片を横長方向の折り目で略逆L字状に折り曲げ、この略L字状に折り曲げた部分を縦辺部40aとし、2つに折り重ねられた部分で横辺部40bとする。しかも、縦辺部40aの先端部に溝40c、40c…が形成され、2つに折り重ねられた両端側に溝40d、40d…、40e、40e…が形成される。なお、プラグボディ46には、横長の開口部46aが設けられ、コンタクト48、48…が所定のピッチで横に並べて配設されることは、第1実施例と同様である。そして、コンタクト48は、導電性の板金等で形成され、上方向を開口する第1と第2の略U字状部48a、48bからなる略W字状であり、第1の略U字状部48aの一端側(略W字状の中央の縦状部分)の先端にU字状の内側に向けて(第2の略U字状部48bの外側に向けて)刃状の突き刺し部48cが設けらる。しかも、コンタクト48は、第1の略U字状部48a内にプラグボディ46の開口部46aが設けられて突き刺し部48cが開口部46aの内側に向けて配設される。
【0029】
そして、図10に示すごとく、絶縁被覆電線10、10…の端部を先端側から、横辺部40bの他方の溝40e、40e…と縦辺部40aの溝40c、40c…さらに横辺部40bの一方の溝40d、40d…に順次に挿入する。すると、加圧手段40に対して絶縁被覆電線10、10…は3箇所で位置決めされて整列処理がなされる。この絶縁被覆電線10、10…が組み付けられた加圧手段40の縦辺部40aを、プラグボディ46の開口部46aに上方から挿入すると、図11に示すごとく、絶縁被覆電線10、10…の端部の先端部分は、加圧手段40の縦辺部40aにより開口部46a内に略U字状に折り曲げられて挿入され、その先端側が縦辺部40aとコンタクト48、48…の突き刺し部48c、48c…に狭持され、突き刺し部48c、48c…が絶縁被覆電線10、10…の外側の絶縁被覆材10a、10a…に突き刺さって貫通して芯線10b、10b…に当接して電気的接続される。
【0030】
かかる構成の第3実施例にあっては、加圧手段40の溝40c、40c…、40d、40d…、40e、40e…に絶縁被覆電線10、10…を組み付けることで、整列処理がなされ、しかも3箇所で位置決めされるので、より確実な整列が得られる。また、絶縁被覆電線10、10…が開口部46a内で略U字状に折り曲げられて挿入されるので、加圧手段40の縦辺部40aやプラグボディ46の開口部46aの縁等に対して絶縁被覆電線10、10…が強く押圧され、引き抜き方向の力に対して強い接触摩擦抵抗力が作用して、抜けが確実に阻止され得る。
【0031】
図12は、本発明の第3実施例の加圧手段の第1変形例の断面拡大図である。この第1変形例では、板金の両端側を横長方向の折り目で先端が向き合うように同じ方向にそれぞれ2つに折り重ねることは第3実施例と同じであるが、縦辺部40aとするためにL字状に折り曲げる端部が図10のものと相違する。
【0032】
図13は、本発明の第3実施例の加圧手段の第2変形例の断面拡大図である。この第2変形例では、板金の両端側を横長方向の折り目で先端が互いに逆の方向となるようにそれぞれ2つに折り重ね、一方の端部をL字状に折り曲げて縦辺部40aとしたものである。そして、絶縁被覆電線10、10…の端部が先端側から、縦辺部40aの溝40c、40c…と横辺部40bの他方の端部の溝40e、40e…と一方の溝40d、40d…に順次に挿入される。かかる構成にあっては、絶縁被覆電線10、10…が本発明の電気コネクタの高い位置から横方向に引き出されることとなり、回路基板等の表面の搭載される電子部品が絶縁被覆電線10、10…の引き出しの邪魔となることが少ない。
【0033】
さらに、本発明の第4実施例を図14ないし図18を参照して説明する。図14は、本発明の電気コネクタの第4実施例でプラグ部材とソケット部材の分解斜視図である。図15は、シールド接地コンタクトを設けた接地金具とソケット部材の分解斜視図である。図16は、図14のC−C断面拡大図である。図17は、図14でソケット部材にプラグ部材を挿嵌した状態におけるC−C断面拡大図である。図18は、図14でソケット部材にプラグ部材を挿嵌した状態におけるD−D断面拡大図である。図14ないし図18において、図1ないし図13および図21ないし図25と同じもしくは均等な部材には同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0034】
本発明の電気コンタクトの第4実施例にあっては、第2実施例と同様に、絶縁被覆電線10、10…がシールド線10c、10c…付きである。そこで、第3実施例と同様な加圧手段40において、横辺部40bの一方の溝40d、40d…の幅は、絶縁被覆電線10、10…の端部が挿入されると外側の絶縁被覆材10d、10d…を切り裂いてシールド線10c、10c…に当接して電気的接続するように設定されている。さらに、加圧手段40には、シールド用コンタクト40f、40f…が設けられている。かかる絶縁被覆電線材10、10…が組み付けられた加圧手段40がプラグ部材50に挿入される。
【0035】
そして、ソケット部材60は、先に出願した技術と同様に、プラグ部材50が挿嵌し得るプラグ挿入用開口部62aを有するソケットボディ62にソケットコンタクト64、64…が適宜に配設される。さらに、ソケット部材60には、プラグ部材50が挿嵌された状態で、加圧手段40のシールド用コンタクト40f、40f…に当接して電気的接続するシールド接地コンタクト66a、66a…を有する導電金属からなる接地金具66が配設される。
【0036】
かかる構成の第4実施例にあっては、加圧手段40の縦辺部40aの溝40c、40c…と横辺部40bの溝40e、40e…に絶縁被覆電線10、10…の端部で外側の絶縁被覆材10d、10d…とシールド線10c、10c…を取り除いた先端部分を挿入し、横辺部40bの溝40d、40d…に絶縁被覆電線10、10…の端部で外側の絶縁被覆材10d、10d…とシールド線10c、10c…を取り除いていない部分を挿入する。横辺部40bの溝40d、40d…により、第2実施例と同様に、加圧手段40がシールド線10c、10c…と電気的接続される。そして、絶縁被覆電線10、10…が組み付けられた加圧手段40を、コンタクト48、48…が組み付けられたプラグボディ46の開口部46aに挿入して、図16の状態とされる。さらに、このプラグ部材50が回路基板28等に搭載されたソケット部材60のプラグ挿入用開口部66aに挿嵌される。なお、ソケット部材60は、ソケットボディ62にソケットコンタクト64、64…と接地金具66が組み付けられている。そこで、図17に示すごとく、絶縁被覆電線10、10…の芯線10b、10b…に電気的接続したコンタクト48、48…がソケットコンタクト64、64…に当接して電気的接続され、これらのソケットコンタクト64、64…が回路基板28等の表面に設けられた接続端子等に適宜に電気的接続され得る。また、図18に示すごとく、絶縁被覆電線10、10…のシールド線10c、10c…に電気的接続した加圧手段40のシールド用コンタクト40f、40f…が接地金具66のシールド接地コンタクト66a、66a…に当接して電気的接続され、これらのシールド接地コンタクト66a、66a…により回路基板28等の表面に設けられた接地導体等に適宜に電気的接続され得る。もって、絶縁被覆電線10、10…の芯線10b、10b…およびシールド線10c、10c…を、簡単に回路基板28等の表面に設けられた接続端子および接地導体等に、それぞれの電気回路を形成して電気的接続することができる。
【0037】
そしてさらに、本発明の第5実施例を図19および図20を参照して説明する。図19は、本発明の電気コネクタの第5実施例でプラグボディにコンタクトを組み付けたプラグ部材に絶縁被覆電線を組み付けた加圧手段を挿入した状態の断面拡大図である。図20は、加圧手段に組み付け得るように処理した絶縁被覆電線の斜視図である。図19および図20において、図1ないし図18および図21ないし図25と同じもしくは均等な部材には同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0038】
本発明の電気コンタクトの第5実施例にあっては、第2実施例と同様に、絶縁被覆電線10、10…がシールド線10c、10c…付きである。そこで、まず図20に示すごとく、絶縁被覆電線10、10…の端部の先端部分を外側の絶縁被覆材10d、10d…およびシールド線10c、10c…を取り除いて、芯線10b、10b…の絶縁被覆材10a、10a…を露出させ、さらに端部の先端部分以外の部分を外側の絶縁被覆材10d、10d…を除去してシールド線10c、10c…を露出させる。そして、導電金属からなる加圧手段30の縦辺部30aの溝30c、30c…に、絶縁被覆材10a、10a…を露出させた絶縁被覆電線10、10…の端部の先端部分を挿入し、横辺部30bの溝30d、30d…に絶縁被覆電線10、10…の端部のシールド線10c、10c…を露出させた部分を挿入する。ここで、縦辺部30aの溝30c、30c…の幅は、絶縁被覆電線10、10…の芯線10b、10b…の絶縁被覆材10a、10a…を適宜に変形させれば挿入し得る程度で、絶縁被覆材10a、10a…を切り裂いて芯線10b、10b…に当接することがないように設定される。また、横辺部30bの溝30d、30d…の幅は、絶縁被覆電線10、10…の挿入でシールド線10c、10c…が適宜な力で狭持されて当接するように設定される。このようにしてシールド線10c、10c…付きの絶縁被覆電線10、10…の端部を加圧手段30に組み付けて、絶縁被覆電線10、10…と加圧手段30の縦辺部30aをプラグボディ16の開口部16aに挿入する。
【0039】
かかる構成の第5実施例にあっては、加圧手段30の横辺部30bの溝30d、30d…に絶縁被覆電線10、10…のシールド線10c、10c…を挿入して、シールド線10c、10c…が加圧手段30に確実に電気的接続される。そこで、この加圧手段30を適宜に回路基板の接地導体等に電気的接続すれば、第2実施例と同様に、絶縁被覆電線10、10…のシールド線10c、10c…を容易に接地することが可能である。
【0040】
なお、上記実施例において、コンタクト18、48は、いずれも第1と第2の略U字状部を有する略W字状であるが、コンタクト18、48をプラグボディ16、46に適宜に安定して固定し得るならば、略U字状部は1つであっても良い。そして、略U字状部は上方を開口させた略コ字状であっても良い。また、上記実施例では、プラグボディ16、46にコンタクト18、48を組み付けているが、プラグボディ16、46とコンタクト18、48をインサート成形等により一体に成形しても良く、ソケットボディ62にソケットコンタクト64を組み付けているが、ソケットボディ62とソケットコンタクト64をインサート成形等により一体に成形しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の電気コネクタの第1実施例の絶縁被覆電線を組み付けた加圧手段とプラグボディおよびコンタクトの分解斜視図である。
【図2】図1の加圧手段を示し、(a)は斜め上方から見た斜視図であり、(b)は加圧手段をひっくり返して下側部分を示す斜視図である。
【図3】図1のA−A断面拡大図である。
【図4】第1実施例でプラグボディにコンタクトを組み付けたプラグ部材に絶縁被覆電線を組み付けた加圧手段を挿入した状態の断面拡大図である。
【図5】本発明の第1実施例の加圧手段の変形例の断面拡大図である。
【図6】本発明の電気コネクタの第2実施例でプラグボディにコンタクトを組み付けたプラグ部材に絶縁被覆電線を組み付けた加圧手段を挿入した状態の断面拡大図である。
【図7】加圧手段に組み付け得るように処理した絶縁被覆電線の斜視図である。
【図8】本発明の電気コネクタの第3実施例の絶縁被覆電線を組み付けた加圧手段とプラグボディおよびコンタクトの分解斜視図である。
【図9】図8の加圧手段を示し、(a)は斜め上方から見た斜視図であり、(b)は加圧手段をひっくり返して下側部分を示す斜視図である。
【図10】図8のB−B断面拡大図である。
【図11】第3実施例でプラグボディにコンタクトを組み付けたプラグ部材に絶縁被覆電線を組み付けた加圧手段を挿入した状態の断面拡大図である。
【図12】本発明の第3実施例の加圧手段の第1変形例の断面拡大図である。
【図13】本発明の第3実施例の加圧手段の第2変形例の断面拡大図である。
【図14】本発明の電気コネクタの第4実施例でプラグ部材とソケット部材の分解斜視図である。
【図15】シールド接地コンタクトを設けた接地金具とソケット部材の分解斜視図である。
【図16】図14のC−C断面拡大図である。
【図17】図14でソケット部材にプラグ部材を挿嵌した状態におけるC−C断面拡大図である。
【図18】図14でソケット部材にプラグ部材を挿嵌した状態におけるD−D断面拡大図である。
【図19】本発明の電気コネクタの第5実施例でプラグボディにコンタクトを組み付けたプラグ部材に絶縁被覆電線を組み付けた加圧手段を挿入した状態の断面拡大図である。
【図20】加圧手段に組み付け得るように処理した絶縁被覆電線の斜視図である。
【図21】先に出願した電気コネクタの加圧手段と整列部材で整列処理された絶縁被覆電線とプラグボディおよびコンタクトの分解斜視図である。
【図22】プラグボディにコンタクトを組み付けたプラグ部材の断面拡大図である。
【図23】プラグ部材に加圧手段と絶縁被覆電線の端部を挿入した状態の断面拡大図である。
【図24】整列部材で整列された絶縁被覆電線の端面図である。
【図25】回路基板上に搭載されたソケット部材にプラグ部材を挿嵌した状態の断面拡大図である。
【符号の説明】
【0042】
10 絶縁被覆電線
10a 絶縁被覆材
10b 芯線
10c シールド線
10d 外側の絶縁被覆線
14、30、40 加圧手段
14a、30a、40a 縦辺部
14b、30b、40b 横辺部
16、46 プラグボディ
16a、46a 開口部
18、48 コンタクト
18a 第1の略U字状部
18b 第2の略U字状部
18c 突き刺し部
20、50 プラグ部材
22、60 ソケット部材
24、62 ソケットボディ
24a、62a プラグ挿入用開口部
26、64 ソケットコンタクト
26a 略コ字状部
26b 接続用導出部
28 回路基板
30c、30d、40c、40d、40e 溝
40f シールド用コンタクト
66 接地金具
66a シールド接地コンタクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のソケットコンタクトが横に並べて配設されたソケット部材と、前記ソケット部材に対して上方向より挿嵌でき、その挿嵌状態で前記ソケットコンタクトとそれぞれ電気的接続される複数のコンタクトが横に並べて配されたプラグ部材と、を備えた電気コネクタであって、前記プラグ部材は、上方向に開口した横長の開口部を設けたプラグボディを有し、前記コンタクトは略U字状部を有し、この略U字状部の一端側の先端部に前記開口部内に突出する刃状の突き刺し部を設けるとともに他端側の一部を前記プラグボディの外側面から露出させて前記挿嵌状態で前記ソケットコンタクトに当接して電気的接続するように前記プラグボディに配設し、さらに前記開口部に上方向より挿入し得る縦辺部とこれに対して略直交方向に連なる横辺部からなり、前記開口部に前記縦辺部を挿入した状態で前記縦辺部の先端部と前記横辺部にそれぞれ前記コンタクトに対応する位置に絶縁被覆電線を挿入し得る溝を横に並べて設けた横長の加圧手段を有し、前記加圧手段の縦辺部と横辺部の溝に前記絶縁被覆電線をそれぞれに挿入した状態で、前記開口部に上方向から前記縦辺部と前記絶縁被覆電線を挿入すると、前記絶縁被覆電線が前記縦辺部と前記コンタクトの略U字状の一端側との間に挟持され、前記突き刺し部が前記絶縁被覆電線の絶縁被覆材に突き刺さって貫通して芯線に当接するように構成したことを特徴とする電気コネクタ。
【請求項2】
請求項1記載の電気コネクタにおいて、前記絶縁被覆電線がシールド線付きであって、前記絶縁被覆電線の端部の先端部分を外側の絶縁被覆材と前記シールド線を除去して前記芯線の絶縁被覆材を露出させ、前記加圧手段を導電金属で形成し、前記横辺部の溝の幅を挿入された前記絶縁被覆電線の外側の絶縁被覆材を切り裂いて前記シールド線に当接するように設定し、前記絶縁被覆電線の外側の絶縁被覆材と前記シールド線を除去して前記芯線の絶縁被覆材を露出させた先端部分を前記縦辺部の溝に挿入するとともに前記絶縁被覆電線を前記横辺部の溝に挿入して外側の前記絶縁被覆材を切り裂いて前記シールド線に当接させた状態で、前記開口部に上方向から前記縦辺部と前記絶縁被覆電線の端部を挿入して、前記突き刺し部が前記芯線の絶縁被覆材に突き刺さって貫通して芯線に当接するとともに、前記シールド線に電気的接続した前記加圧手段が前記ソケット部材に配設したシールド接地コンタクトに当接して電気的接続するように構成したことを特徴とする電気コネクタ。
【請求項3】
請求項1記載の電気コネクタにおいて、前記加圧手段を前記縦辺部とこれに対して略直交方向に設けられた横辺部で断面略T字状に形成し、前記開口部に前記縦辺部を挿入した状態で前記縦辺部の先端部と前記横辺部の両端部にそれぞれ前記コンタクトに対応する位置に前記絶縁被覆電線を挿入し得る溝を横に並べて設け、前記絶縁被覆電線の端部を先端側から前記横辺部の他方の端部の溝と前記縦辺部の溝と前記横辺部の一方の端部の溝に順次に挿入した状態で、前記開口部に上方向から前記縦辺部と前記絶縁被覆電線の端部を挿入するように構成したことを特徴とする電気コネクタ。
【請求項4】
請求項3記載の電気コネクタにおいて、前記絶縁被覆電線がシールド線付きであって、前記絶縁被覆電線の端部の先端部分を外側の絶縁被覆材と前記シールド線を除去して前記芯線の絶縁被覆材を露出させ、前記加圧手段を導電金属で形成し、前記横辺部の一方の端部の溝の幅を挿入された前記絶縁被覆電線の外側の絶縁被覆材を切り裂いて前記シールド線に当接するように設定し、前記絶縁被覆電線の外側の絶縁被覆材と前記シールド線を除去して前記芯線の絶縁被覆材を露出させた先端部分を前記横辺部の他方の端部の溝と前記縦辺部の溝に挿入するとともに前記絶縁被覆電線を前記横辺部の一方の端部の溝に挿入して外側の前記絶縁被覆材を切り裂いて前記シールド線に当接させた状態で、前記開口部に上方向から前記縦辺部と前記絶縁被覆電線の端部を挿入して、前記突き刺し部が前記芯線の絶縁被覆材に突き刺さって貫通して芯線に当接するとともに、前記シールド線に電気的接続した前記加圧手段が前記ソケット部材に配設したシールド接地コンタクトに当接して電気的接続するように構成したことを特徴とする電気コネクタ。
【請求項5】
請求項1記載の電気コネクタにおいて、前記加圧手段を前記縦辺部とこれに対して略直交方向に設けられた横辺部で断面略T字状に形成し、前記開口部に前記縦辺部を挿入した状態で前記縦辺部の先端部と前記横辺部の両端部にそれぞれ前記コンタクトに対応する位置に前記絶縁被覆電線を挿入し得る溝を横に並べて設け、前記絶縁被覆電線の端部を先端側から前記縦辺部の溝と前記横辺部の他方の端部の溝と一方の端部の溝とに順次に挿入した状態で、前記開口部に上方向から前記縦辺部と前記絶縁被覆電線の端部を挿入するように構成したことを特徴とする電気コネクタ。
【請求項6】
請求項1記載の電気コネクタにおいて、前記開口部が前記略U字状の外側となるように前記コンタクトを前記プラグボディに配設し、前記コンタクトの略U字状部の一端側の先端部に前記突き刺し部を前記略U字状の外側で前記開口部内に向けて設け、前記加圧手段の縦辺部と横辺部の溝に前記絶縁被覆電線を横に並べてそれぞれに挿入した状態で、前記開口部に上方向から前記縦辺部と前記絶縁被覆電線を挿入すると、前記縦辺部と前記絶縁被覆電線が前記コンタクトの略U字状の外側に位置して、前記絶縁被覆電線が前記縦辺部と前記コンタクトの前記略U字状の一端側の外側との間に挟持されるように構成したことを特徴とする電気コネクタ。
【請求項7】
請求項1記載の電気コネクタにおいて、前記開口部が前記略U字状の内側となるように前記コンタクトを前記プラグボディに配設し、前記コンタクトの略U字状部の一端側の先端部に前記突き刺し部を前記略U字状の内側で前記開口部内に向けて設け、前記加圧手段の縦辺部と横辺部の溝に前記絶縁被覆電線を横に並べてそれぞれに挿入した状態で、前記開口部に上方向から前記縦辺部と前記絶縁被覆電線を挿入すると、前記縦辺部と前記絶縁被覆電線が前記コンタクトの略U字状の内側に位置して、前記絶縁被覆電線が前記縦辺部と前記コンタクトの前記略U字状の一端側の内側との間に挟持されるように構成したことを特徴とする電気コネクタ。
【請求項8】
請求項1記載の電気コネクタにおいて、前記絶縁被覆電線がシールド線付きであって、前記絶縁被覆電線の端部の先端部分を外側の絶縁被覆材と前記シールド線を除去して前記芯線の絶縁被覆材を露出させ、前記端部の前記先端部分以外の部分を前記外側の絶縁被覆材を除去して前記シールド線を露出させ、前記加圧手段を導電金属で形成し、前記絶縁被覆電線の前記芯線の絶縁被覆材を露出させた部分を前記縦辺部の溝に挿入するとともに前記絶縁被覆電線の前記シールド線を露出させた部分を前記横辺部の溝に挿入した状態で、前記開口部に上方向から前記縦辺部と前記絶縁被覆電線の端部を挿入して、前記シールド線に前記加圧手段を押圧当接させて電気的接続するとともに、前記加圧手段が前記ソケット部材に配設したシールド接地コンタクトに当接して電気的接続するように構成したことを特徴とする電気コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2007−280765(P2007−280765A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−105542(P2006−105542)
【出願日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(000006758)株式会社ヨコオ (158)
【Fターム(参考)】