電気掃除機
【課題】従来の電気掃除機は、蓋を閉成状態でロックさせるために、ボールと、ガイド手段を設けるようにしているので、部品点数が増加したり、構造が複雑化になるといった欠点があった。
【解決手段】集塵ケースにこの集塵ケースの開口部に蓋を係止させるための係止手段を設け、掃除機本体に集塵ケースを集塵部から外した状態で集塵蓋が閉じることを阻止する阻止手段を設け、この阻止手段に係止手段の一部を収容する凹部を形成した。
【解決手段】集塵ケースにこの集塵ケースの開口部に蓋を係止させるための係止手段を設け、掃除機本体に集塵ケースを集塵部から外した状態で集塵蓋が閉じることを阻止する阻止手段を設け、この阻止手段に係止手段の一部を収容する凹部を形成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電気掃除機として、例えば特許文献1(特開2005−52552号公報)がある。この特許文献1では、掃除機本体から取り外し可能な集塵ケースを備え、この集塵ケース内に吸込んだ塵埃を集塵するようにしている。集塵ケース内に塵埃が溜まると、集塵ケースにヒンジによって開閉可能に設けられた蓋を開き、溜まった塵埃を廃棄するようにしている。蓋は係止爪を有するボタンで閉成状態に維持され、ボタンを押すことによって係止状態が解除され、蓋が開放される。特許文献1では、ボタンは集塵ケースを掃除機本体から取り外す際に使用者が握るハンドル部の後部に設けられている。このため、集塵ケースを掃除機本体から取り外す際、使用者が誤ってボタンを押した状態で集塵ケースを掃除機本体から取り外してしまうと、蓋が開いて集塵ケース内に溜まった塵埃が飛び出してしまう虞がある。そこで、特許文献1では、ボタンに近傍に移動可能なボールと、このボールの移動をガイドするガイド手段とを設け、蓋が閉成状態でロックされ、集塵ケースを傾斜させるとボールが移動してロックが解除させるような機構を設けるようにしていた。
【0003】
【特許文献1】特開2005−52552号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術においては、蓋を閉成状態でロックさせるために、ボールと、ガイド手段を設けるようにしているので、部品点数が増加したり、構造が複雑化になるといった欠点があった。
【0005】
そこで本発明の目的は上記従来の課題を解決し、部品点数の増加を抑えつつ、簡単化構成で集塵ケースの取り出し時における誤操作を防止する電気掃除機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の特徴とするところは、電動送風機及び集塵部を有する掃除機本体と、前記集塵部を開閉する集塵蓋と、前記集塵部に着脱自在に設けられた集塵ケースとを有し、前記集塵ケースは、塵埃を収容する塵埃収容部と、該塵埃収容部の開口部を開閉する塵埃排出蓋と、該塵埃排出蓋を前記開口部に係止させる係止手段とを有する電気掃除機において、前記集塵ケースを前記集塵部から外した状態で前記集塵蓋が閉じることを阻止する阻止手段を有し、前記阻止手段には前記集塵ケースを前記集塵部に取り付けた状態で前記係止手段の一部を収容する凹部を設けたことにある。
【0007】
また、本発明の特徴とするところは、電動送風機及び集塵部を有する掃除機本体と、前記集塵部を開閉する集塵蓋と、前記集塵部に着脱自在に設けられた集塵ケースとを有し、前記集塵ケースは、塵埃を収容する塵埃収容部と、該塵埃収容部の開口部を開閉する塵埃排出蓋と、該塵埃排出蓋を前記開口部に係止させる係止手段とを有する電気掃除機において、前記集塵ケースを前記集塵部から外した状態で前記集塵蓋が閉じることを阻止する阻止手段を有し、前記阻止手段を前記集塵ケースを前記集塵部に取り付けた状態で前記係止手段を覆うように動作させることにある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、部品点数の増加を抑えつつ、簡単化構成で集塵ケースの取り出し時における誤操作を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施例を添付の図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0010】
図5は本発明の一実施例に係る電気掃除機の全体外観図である。
【0011】
図5において、201は吸引力を発生させる電動送風機、及びこの電動送風機が発生する吸引力で吸込んだ塵埃を集塵する集塵部とを備えた掃除機本体である。202は一端側が掃除機本体201の集塵部に連通するように掃除機本体201に接続されたホース、
203は一端側がホースの他端側と接続された手元操作部である。この手元操作部には電動送風機の運転に入り切りを行うスイッチ203aが設けられている。204は一端側が手元操作部203の他端側と接続された伸縮可能な延長管、205は延長管の他端側と接続され、掃除面の塵埃を吸込む吸口体である。手元操作部203のスイッチ203aを操作して電動送風機を運転させると、吸引力が発生し、吸口体205から吸込まれた塵埃が、延長管204,手元操作部203,ホース202を介して掃除機本体201の集塵部に集塵される。
【0012】
次に図1〜図4を用いて掃除機本体の構成を説明する。
【0013】
図1及び図2は本発明の一実施例に係る掃除機本体201の外観斜視図であり、図1は集塵ケース106を集塵部104に収納して集塵蓋105を開いた状態を示す外観斜視図、図2は集塵ケース106を集塵部104から外して集塵蓋105を開いた状態を示す外観斜視図である。図3及び図4は掃除機本体201の縦断面図であり、図3は集塵ケース106を集塵部104に収納して集塵蓋105を閉じた状態を示す縦断面図、図4は集塵ケース106を集塵部104から外して集塵蓋105が半開きになった状態を示す縦断面図である。
【0014】
101は掃除機本体201の下部分を構成する下ケース、102は下ケース101の上方に設けられた上ケースである。下ケース101及び上ケース102で構成される後方の空間内には、吸引力を発生させるための電動送風機103が収容されている。掃除機本体201の前方には、集塵部104が形成されている。この集塵部104は上方が開口されており、この開口を覆うように集塵蓋105が設けられている。この集塵蓋105は、回動軸105aを中心に回動自在に回動支持されており、集塵部104の開口を開閉自在に覆っている。
【0015】
106は集塵部104に着脱自在に装着される集塵ケースであり、この集塵ケース106は集塵蓋105を開閉することによって、集塵部104から取り外し、また、集塵部104に装着することができる。
【0016】
107は集塵ケース106の後方(下流側)に配置されたフィルタに振動を与えて除塵する除塵手段である。この除塵手段107は、筒状に形成されたシリンダ107aと、シリンダ107aの外周に螺旋状に巻かれたワイヤ107Bとから構成されている。そして、図示しないコードリールを引き出してコードリールのドラムを回転させ、これを駆動力としてドラムにギアを介して接続されたシリンダ107aを回転させる。シリンダ107aが回転すると螺旋状のワイヤ107bも回転し、ワイヤ107bでフィルタを弾いて振動を与え、フィルタに付着した塵埃の除塵を行う。108はホース202が接続されるホース接続口であり、集塵ケース106の流入口と連通する。
【0017】
109は集塵ケース106を集塵部104から外した状態で集塵蓋105が閉じることを阻止する阻止手段である。この阻止手段109の構成については後述する。
【0018】
次に図6及び図7を用いて集塵ケース106の構成について説明する。
【0019】
図6及び図7は集塵ケース106の外観斜視図であり、図6は塵埃排出蓋を閉じた状態を示す図、図7は塵埃排出蓋111を開放した状態を示す図である。
【0020】
集塵ケース106は、塵埃を収容すると共に、塵埃を排出する開口部を有する塵埃収容部110と、この塵埃収容部110の開口部を閉塞する塵埃排出蓋111を備えている。この塵埃排出蓋は集塵ケース106の流入口112(図3)にから流入した含塵空気から塵埃を取り除くフィルタで構成されている。集塵ケース106の上方には、掃除機本体
201の集塵部104から集塵ケース106を取り外したり、或いは集塵部104に集塵ケース106を装着する時に使用者が握るためのハンドル部113が形成されている。このハンドル部113は掃除機本体201の前後方向(長手方向)に延びるように設けられている。塵埃排出蓋111側にあるハンドル部113の端部には、塵埃排出蓋111を塵埃収容部110に保持するための係止手段114が設けられている。この係止手段114は使用者が押すためのボタン部114aと、塵埃排出蓋の上部に形成された係合穴部111aと係合する係合爪部114bを備えている。ボタン部114aはハンドル部113側(掃除機本体201の前側)に押されると、係合爪部114bが下方向に移動し、係合穴部
111aとの係合状態を解除する。これにより、塵埃排出蓋111は回動軸115を回動支点として塵埃収容部110の開口部を開放し、塵埃収容部110内の塵埃を排出する。このように本実施例ではボタン部114aを押すことで、塵埃排出蓋111を回動させて塵埃収容部110の開口部を開放できるので、使用者が誤ってボタン部114aを押した状態で掃除機本体201の集塵部104から集塵ケース106を引き上げて取り外すと、塵埃排出蓋111が回動して塵埃収容部110の開口部が開放し、塵埃収容部110内の塵埃が外部に飛び出す虞がある。これを防止するための構成について図8〜図11を用いて説明する。
【0021】
図8は図1のA部の部分拡大図、図9は図2のB部の部分拡大図、図10は図3のC部の部分拡大図、図11は図4のD部の部分拡大図である。
【0022】
図9及び図11において、阻止手段109は、回動軸120を有して掃除機本体201に取り付けられている。この阻止手段109の中央部には、後述する係止手段114のボタン部114aが収容される凹部130が形成されている。また、下方でかつ回動軸120の回転中心より前側の位置にはバネ等の付勢手段121が設けられている。この付勢手段121は、阻止手段109の回動軸120の回転中心より前側の部分を押し上げるようにして働き、これにより阻止手段109は回動軸120を支点として上部109aが後方側に倒れるように回動する。この状態において、集塵蓋105で集塵部104を閉塞するようにすると、図4及び図11に示すように集塵蓋105の集塵部104側に向かって突出したリブ体105aと、後方側に倒れた阻止手段の上部109aとが当接し、集塵蓋105が閉じるのを阻止する。これにより、使用者は集塵部104に集塵ケース106が装着されていないことを知ることができ、集塵ケース106が集塵部104に装着されていない状態で電動送風機103が運転されるのを防ぐことができる。
【0023】
次に集塵ケース106を集塵部104に装着すると、図8及び図10に示すように、係止手段114のボタン部114aが阻止手段109の凹部130に入り込み、さらに阻止手段109の前側部分を下方向に押す。阻止手段109は係止手段114のボタン部114aで押圧されることにより、付勢手段121に付勢力に打ち勝って阻止手段109の上部
109aが後方部から起き上がる。この状態において、集塵蓋105で集塵部104を閉塞するようにすると、図10に示すように阻止手段の上部109aは集塵蓋105のリブ体105aと当接する位置から退避し、集塵蓋105を閉じることができる。
【0024】
集塵部104に集塵ケース106が装着されている状態から集塵ケース106を取り外す場合には、ハンドル部113を持って集塵部104の上方に向かって引き抜くようにするが、本実施例では係止手段114のボタン部114aは阻止手段109の凹部130に収容され、ボタン部114aの周りが覆われるようにしているので、係止手段114のボタン部114aを押すことができず、集塵ケース106を取り外す際に誤って係止手段
114のボタン部114aを押すことがない。従って、集塵ケース106を取り外す際に塵埃が集塵収容部110から飛び出すのを防止することができる。
【0025】
しかも本実施例では、集塵部104から集塵ケース106を取り外す際、係止手段114のボタン部114aが押せないようにするための機能を阻止手段109に持たせるようにしたので、部品点数を増加することなく、簡単化構成で集塵ケース106の取り出し時における誤操作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】集塵ケース106を集塵部104に収納して集塵蓋105を開いた状態を示す外観斜視図である。
【図2】集塵ケース106を集塵部104から外して集塵蓋105を開いた状態を示す外観斜視図である。
【図3】集塵ケース106を集塵部104に収納して集塵蓋105を閉じた状態を示す縦断面図である。
【図4】集塵ケース106を集塵部104から外して集塵蓋105が半開きになった状態を示す縦断面図である。
【図5】本発明の一実施例に係る電気掃除機の全体外観図である。
【図6】塵埃排出蓋111を閉じた状態を示す図である。
【図7】塵埃排出蓋111を開放した状態を示す図である。
【図8】図1のA部の部分拡大図である。
【図9】図2のB部の部分拡大図である。
【図10】図3のC部の部分拡大図である。
【図11】図4のD部の部分拡大図である。
【符号の説明】
【0027】
104…集塵部、105…集塵蓋、106…集塵ケース、109…阻止手段、114…係止手段、130…凹部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電気掃除機として、例えば特許文献1(特開2005−52552号公報)がある。この特許文献1では、掃除機本体から取り外し可能な集塵ケースを備え、この集塵ケース内に吸込んだ塵埃を集塵するようにしている。集塵ケース内に塵埃が溜まると、集塵ケースにヒンジによって開閉可能に設けられた蓋を開き、溜まった塵埃を廃棄するようにしている。蓋は係止爪を有するボタンで閉成状態に維持され、ボタンを押すことによって係止状態が解除され、蓋が開放される。特許文献1では、ボタンは集塵ケースを掃除機本体から取り外す際に使用者が握るハンドル部の後部に設けられている。このため、集塵ケースを掃除機本体から取り外す際、使用者が誤ってボタンを押した状態で集塵ケースを掃除機本体から取り外してしまうと、蓋が開いて集塵ケース内に溜まった塵埃が飛び出してしまう虞がある。そこで、特許文献1では、ボタンに近傍に移動可能なボールと、このボールの移動をガイドするガイド手段とを設け、蓋が閉成状態でロックされ、集塵ケースを傾斜させるとボールが移動してロックが解除させるような機構を設けるようにしていた。
【0003】
【特許文献1】特開2005−52552号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術においては、蓋を閉成状態でロックさせるために、ボールと、ガイド手段を設けるようにしているので、部品点数が増加したり、構造が複雑化になるといった欠点があった。
【0005】
そこで本発明の目的は上記従来の課題を解決し、部品点数の増加を抑えつつ、簡単化構成で集塵ケースの取り出し時における誤操作を防止する電気掃除機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の特徴とするところは、電動送風機及び集塵部を有する掃除機本体と、前記集塵部を開閉する集塵蓋と、前記集塵部に着脱自在に設けられた集塵ケースとを有し、前記集塵ケースは、塵埃を収容する塵埃収容部と、該塵埃収容部の開口部を開閉する塵埃排出蓋と、該塵埃排出蓋を前記開口部に係止させる係止手段とを有する電気掃除機において、前記集塵ケースを前記集塵部から外した状態で前記集塵蓋が閉じることを阻止する阻止手段を有し、前記阻止手段には前記集塵ケースを前記集塵部に取り付けた状態で前記係止手段の一部を収容する凹部を設けたことにある。
【0007】
また、本発明の特徴とするところは、電動送風機及び集塵部を有する掃除機本体と、前記集塵部を開閉する集塵蓋と、前記集塵部に着脱自在に設けられた集塵ケースとを有し、前記集塵ケースは、塵埃を収容する塵埃収容部と、該塵埃収容部の開口部を開閉する塵埃排出蓋と、該塵埃排出蓋を前記開口部に係止させる係止手段とを有する電気掃除機において、前記集塵ケースを前記集塵部から外した状態で前記集塵蓋が閉じることを阻止する阻止手段を有し、前記阻止手段を前記集塵ケースを前記集塵部に取り付けた状態で前記係止手段を覆うように動作させることにある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、部品点数の増加を抑えつつ、簡単化構成で集塵ケースの取り出し時における誤操作を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施例を添付の図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0010】
図5は本発明の一実施例に係る電気掃除機の全体外観図である。
【0011】
図5において、201は吸引力を発生させる電動送風機、及びこの電動送風機が発生する吸引力で吸込んだ塵埃を集塵する集塵部とを備えた掃除機本体である。202は一端側が掃除機本体201の集塵部に連通するように掃除機本体201に接続されたホース、
203は一端側がホースの他端側と接続された手元操作部である。この手元操作部には電動送風機の運転に入り切りを行うスイッチ203aが設けられている。204は一端側が手元操作部203の他端側と接続された伸縮可能な延長管、205は延長管の他端側と接続され、掃除面の塵埃を吸込む吸口体である。手元操作部203のスイッチ203aを操作して電動送風機を運転させると、吸引力が発生し、吸口体205から吸込まれた塵埃が、延長管204,手元操作部203,ホース202を介して掃除機本体201の集塵部に集塵される。
【0012】
次に図1〜図4を用いて掃除機本体の構成を説明する。
【0013】
図1及び図2は本発明の一実施例に係る掃除機本体201の外観斜視図であり、図1は集塵ケース106を集塵部104に収納して集塵蓋105を開いた状態を示す外観斜視図、図2は集塵ケース106を集塵部104から外して集塵蓋105を開いた状態を示す外観斜視図である。図3及び図4は掃除機本体201の縦断面図であり、図3は集塵ケース106を集塵部104に収納して集塵蓋105を閉じた状態を示す縦断面図、図4は集塵ケース106を集塵部104から外して集塵蓋105が半開きになった状態を示す縦断面図である。
【0014】
101は掃除機本体201の下部分を構成する下ケース、102は下ケース101の上方に設けられた上ケースである。下ケース101及び上ケース102で構成される後方の空間内には、吸引力を発生させるための電動送風機103が収容されている。掃除機本体201の前方には、集塵部104が形成されている。この集塵部104は上方が開口されており、この開口を覆うように集塵蓋105が設けられている。この集塵蓋105は、回動軸105aを中心に回動自在に回動支持されており、集塵部104の開口を開閉自在に覆っている。
【0015】
106は集塵部104に着脱自在に装着される集塵ケースであり、この集塵ケース106は集塵蓋105を開閉することによって、集塵部104から取り外し、また、集塵部104に装着することができる。
【0016】
107は集塵ケース106の後方(下流側)に配置されたフィルタに振動を与えて除塵する除塵手段である。この除塵手段107は、筒状に形成されたシリンダ107aと、シリンダ107aの外周に螺旋状に巻かれたワイヤ107Bとから構成されている。そして、図示しないコードリールを引き出してコードリールのドラムを回転させ、これを駆動力としてドラムにギアを介して接続されたシリンダ107aを回転させる。シリンダ107aが回転すると螺旋状のワイヤ107bも回転し、ワイヤ107bでフィルタを弾いて振動を与え、フィルタに付着した塵埃の除塵を行う。108はホース202が接続されるホース接続口であり、集塵ケース106の流入口と連通する。
【0017】
109は集塵ケース106を集塵部104から外した状態で集塵蓋105が閉じることを阻止する阻止手段である。この阻止手段109の構成については後述する。
【0018】
次に図6及び図7を用いて集塵ケース106の構成について説明する。
【0019】
図6及び図7は集塵ケース106の外観斜視図であり、図6は塵埃排出蓋を閉じた状態を示す図、図7は塵埃排出蓋111を開放した状態を示す図である。
【0020】
集塵ケース106は、塵埃を収容すると共に、塵埃を排出する開口部を有する塵埃収容部110と、この塵埃収容部110の開口部を閉塞する塵埃排出蓋111を備えている。この塵埃排出蓋は集塵ケース106の流入口112(図3)にから流入した含塵空気から塵埃を取り除くフィルタで構成されている。集塵ケース106の上方には、掃除機本体
201の集塵部104から集塵ケース106を取り外したり、或いは集塵部104に集塵ケース106を装着する時に使用者が握るためのハンドル部113が形成されている。このハンドル部113は掃除機本体201の前後方向(長手方向)に延びるように設けられている。塵埃排出蓋111側にあるハンドル部113の端部には、塵埃排出蓋111を塵埃収容部110に保持するための係止手段114が設けられている。この係止手段114は使用者が押すためのボタン部114aと、塵埃排出蓋の上部に形成された係合穴部111aと係合する係合爪部114bを備えている。ボタン部114aはハンドル部113側(掃除機本体201の前側)に押されると、係合爪部114bが下方向に移動し、係合穴部
111aとの係合状態を解除する。これにより、塵埃排出蓋111は回動軸115を回動支点として塵埃収容部110の開口部を開放し、塵埃収容部110内の塵埃を排出する。このように本実施例ではボタン部114aを押すことで、塵埃排出蓋111を回動させて塵埃収容部110の開口部を開放できるので、使用者が誤ってボタン部114aを押した状態で掃除機本体201の集塵部104から集塵ケース106を引き上げて取り外すと、塵埃排出蓋111が回動して塵埃収容部110の開口部が開放し、塵埃収容部110内の塵埃が外部に飛び出す虞がある。これを防止するための構成について図8〜図11を用いて説明する。
【0021】
図8は図1のA部の部分拡大図、図9は図2のB部の部分拡大図、図10は図3のC部の部分拡大図、図11は図4のD部の部分拡大図である。
【0022】
図9及び図11において、阻止手段109は、回動軸120を有して掃除機本体201に取り付けられている。この阻止手段109の中央部には、後述する係止手段114のボタン部114aが収容される凹部130が形成されている。また、下方でかつ回動軸120の回転中心より前側の位置にはバネ等の付勢手段121が設けられている。この付勢手段121は、阻止手段109の回動軸120の回転中心より前側の部分を押し上げるようにして働き、これにより阻止手段109は回動軸120を支点として上部109aが後方側に倒れるように回動する。この状態において、集塵蓋105で集塵部104を閉塞するようにすると、図4及び図11に示すように集塵蓋105の集塵部104側に向かって突出したリブ体105aと、後方側に倒れた阻止手段の上部109aとが当接し、集塵蓋105が閉じるのを阻止する。これにより、使用者は集塵部104に集塵ケース106が装着されていないことを知ることができ、集塵ケース106が集塵部104に装着されていない状態で電動送風機103が運転されるのを防ぐことができる。
【0023】
次に集塵ケース106を集塵部104に装着すると、図8及び図10に示すように、係止手段114のボタン部114aが阻止手段109の凹部130に入り込み、さらに阻止手段109の前側部分を下方向に押す。阻止手段109は係止手段114のボタン部114aで押圧されることにより、付勢手段121に付勢力に打ち勝って阻止手段109の上部
109aが後方部から起き上がる。この状態において、集塵蓋105で集塵部104を閉塞するようにすると、図10に示すように阻止手段の上部109aは集塵蓋105のリブ体105aと当接する位置から退避し、集塵蓋105を閉じることができる。
【0024】
集塵部104に集塵ケース106が装着されている状態から集塵ケース106を取り外す場合には、ハンドル部113を持って集塵部104の上方に向かって引き抜くようにするが、本実施例では係止手段114のボタン部114aは阻止手段109の凹部130に収容され、ボタン部114aの周りが覆われるようにしているので、係止手段114のボタン部114aを押すことができず、集塵ケース106を取り外す際に誤って係止手段
114のボタン部114aを押すことがない。従って、集塵ケース106を取り外す際に塵埃が集塵収容部110から飛び出すのを防止することができる。
【0025】
しかも本実施例では、集塵部104から集塵ケース106を取り外す際、係止手段114のボタン部114aが押せないようにするための機能を阻止手段109に持たせるようにしたので、部品点数を増加することなく、簡単化構成で集塵ケース106の取り出し時における誤操作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】集塵ケース106を集塵部104に収納して集塵蓋105を開いた状態を示す外観斜視図である。
【図2】集塵ケース106を集塵部104から外して集塵蓋105を開いた状態を示す外観斜視図である。
【図3】集塵ケース106を集塵部104に収納して集塵蓋105を閉じた状態を示す縦断面図である。
【図4】集塵ケース106を集塵部104から外して集塵蓋105が半開きになった状態を示す縦断面図である。
【図5】本発明の一実施例に係る電気掃除機の全体外観図である。
【図6】塵埃排出蓋111を閉じた状態を示す図である。
【図7】塵埃排出蓋111を開放した状態を示す図である。
【図8】図1のA部の部分拡大図である。
【図9】図2のB部の部分拡大図である。
【図10】図3のC部の部分拡大図である。
【図11】図4のD部の部分拡大図である。
【符号の説明】
【0027】
104…集塵部、105…集塵蓋、106…集塵ケース、109…阻止手段、114…係止手段、130…凹部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動送風機及び集塵部を有する掃除機本体と、前記集塵部を開閉する集塵蓋と、前記集塵部に着脱自在に設けられた集塵ケースとを有し、
前記集塵ケースは、塵埃を収容する塵埃収容部と、該塵埃収容部の開口部を開閉する塵埃排出蓋と、該塵埃排出蓋を前記開口部に係止させる係止手段とを有する電気掃除機において、
前記集塵ケースを前記集塵部から外した状態で前記集塵蓋が閉じることを阻止する阻止手段を有し、
前記阻止手段には前記集塵ケースを前記集塵部に取り付けた状態で前記係止手段の一部を収容する凹部が設けられていることを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
電動送風機及び集塵部を有する掃除機本体と、前記集塵部を開閉する集塵蓋と、前記集塵部に着脱自在に設けられた集塵ケースとを有し、
前記集塵ケースは、塵埃を収容する塵埃収容部と、該塵埃収容部の開口部を開閉する塵埃排出蓋と、該塵埃排出蓋を前記開口部に係止させる係止手段とを有する電気掃除機において、
前記集塵ケースを前記集塵部から外した状態で前記集塵蓋が閉じることを阻止する阻止手段を有し、
前記阻止手段は前記集塵ケースを前記集塵部に取り付けた状態で前記係止手段を覆うように動作することを特徴とする電気掃除機。
【請求項1】
電動送風機及び集塵部を有する掃除機本体と、前記集塵部を開閉する集塵蓋と、前記集塵部に着脱自在に設けられた集塵ケースとを有し、
前記集塵ケースは、塵埃を収容する塵埃収容部と、該塵埃収容部の開口部を開閉する塵埃排出蓋と、該塵埃排出蓋を前記開口部に係止させる係止手段とを有する電気掃除機において、
前記集塵ケースを前記集塵部から外した状態で前記集塵蓋が閉じることを阻止する阻止手段を有し、
前記阻止手段には前記集塵ケースを前記集塵部に取り付けた状態で前記係止手段の一部を収容する凹部が設けられていることを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
電動送風機及び集塵部を有する掃除機本体と、前記集塵部を開閉する集塵蓋と、前記集塵部に着脱自在に設けられた集塵ケースとを有し、
前記集塵ケースは、塵埃を収容する塵埃収容部と、該塵埃収容部の開口部を開閉する塵埃排出蓋と、該塵埃排出蓋を前記開口部に係止させる係止手段とを有する電気掃除機において、
前記集塵ケースを前記集塵部から外した状態で前記集塵蓋が閉じることを阻止する阻止手段を有し、
前記阻止手段は前記集塵ケースを前記集塵部に取り付けた状態で前記係止手段を覆うように動作することを特徴とする電気掃除機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−381(P2008−381A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−173257(P2006−173257)
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】
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