説明

電気機器の取付構造

【課題】電気機器を取付パネルに容易に、しかもワンタッチで着脱自在に配設することができ、さらに電気機器の薄型化を図ることのできる電気機器の取付構造を提供する。
【解決手段】裏面カバー94に形成された第1フック体106を取付穴の内周縁に引っ掛けつつ、裏面カバー94をスイッチケース50に対して棒ばね100の付勢力に抗してスライドさせ、第1フック体106とスイッチケース50に形成された第2フック体108との距離を縮めた状態で該第2フック体108を取付穴の内周縁に引っ掛かけることで、押ボタンスイッチ装置を取付穴に容易に、しかもワンタッチで着脱自在に配設することができる。また、押ボタンスイッチ装置を取付穴に対してほぼ水平方向から取り付けることができるため、押ボタンスイッチ装置を高さ方向に大型化する必要がなく当該押ボタンスイッチ装置の薄型化を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、取付パネルに電気機器を着脱自在に取り付ける電気機器の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、押ボタンスイッチ装置等の電気機器を取付パネル110の取付穴112に取り付ける取付構造として、図19に示すような押ボタンスイッチ装置1の取付構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。図19に示すように、押ボタンスイッチ装置1は押ボタン11が配設されたスイッチケース12を備え、スイッチケース12の外周面には取付構造としてストッパ突起12aおよびテーパ突起12bが突設されている。そして、スイッチケース12が取付パネル110の取付穴112に挿入され取り付けられた状態で、ストッパ突起12aが取付穴112周縁部の表面に、テーパ突起12bが取付穴112周縁部の裏面に当接することでスイッチケース12が取付パネル110に固定されている。
【0003】
また、図19に示すように、スイッチケース12を取付パネル110に取り付けた状態で該取付パネル110の背面側に位置するテーパ突起12bは、取付パネル110の前面側から取付穴112へスイッチケース12を挿入するのが容易となるようにスイッチケース12の下端側から上端側へ広がるようにテーパ状に形成されている。また、押ボタンスイッチ装置内の接点と外部回路とは、スイッチケース12と押圧部材13とでフレキシブル基板3を挟持した状態でねじ14により押圧部材13をスイッチケース12に固定し、前記接点とフレキシブル基板3とを圧接させることで接続されている。
【0004】
【特許文献1】特開平3−145025号公報(第3頁左上欄、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した従来の押ボタンスイッチ装置1の取付構造では、スイッチケース12を取付穴112に対してほぼ垂直に挿入して当該スイッチケース12を取付パネル110に取り付けるため、次のような問題が生じるおそれがあった。すなわち、スイッチケース12のテーパ突起12bが形成された部分を、ストッパ突起12aが取付パネル110の表面に当接するまで取付穴112に対してほぼ垂直に挿入してスイッチケース12を取り付けるため、スイッチケース12の外周面に沿って押ボタンスイッチ装置1の高さ方向にテーパ突起12bを形成することとなり、テーパ突起12bの高さ方向への長さ分だけ押ボタンスイッチ装置が大型化するという問題があった。また、押ボタンスイッチをフレキシブル基板から着脱する度にねじ14の締付作業が必要となり、押しボタンスイッチ装置1の配設に手間がかかるという問題があった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、電気機器を取付パネルに容易に、しかもワンタッチで着脱自在に配設することができ、さらに電気機器の薄型化を図ることのできる電気機器の取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するために、請求項1に記載の電気機器の取付構造は、取付パネルに電気機器を着脱自在に取り付ける電気機器の取付構造において、前記取付パネルに形成された取付穴と、前記電気機器のケース裏面に平行な両方向にスライド自在に取り付けられた裏面カバーと、前記裏面カバーのスライド方向における一方の端部に形成され前記取付穴の内周縁に係合する第1フック体と、前記ケースの前記スライド方向における他方の端部に形成され前記内周縁に係合する第2フック体と、前記ケースの裏面と前記裏面カバーとの間に設けられ前記裏面カバーを前記スイッチケースに対しスライド方向の一方向へ付勢する付勢体とを備えていることを特徴としている。
【0008】
また、請求項2に記載の電気機器の取付構造は、前記付勢体は、一端部が前記ケースまたは裏面カバーのいずれか一方に固定され他端部が他方に係合して前記ケースに対して前記裏面カバーを相対的に付勢する棒ばねであることを特徴としている。
【0009】
また、請求項3に記載の電気機器の取付構造は、前記付勢体は、両端が前記ケースまたは裏面カバーのいずれか一方に固定され中央部が他方に係合して前記ケースに対して前記裏面カバーを相対的に付勢する棒ばねであることを特徴としている。
【0010】
また、請求項4に記載の電気機器の取付構造は、前記裏面カバーが樹脂製であり、前記付勢体は、前記裏面カバーに一体形成され先端部が前記ケースに係合して該ケースに対して前記裏面カバーを相対的に付勢する樹脂ばねであることを特徴としている。
【0011】
また、請求項5に記載の電気機器の取付構造は、前記ケースが樹脂製であり、前記付勢体は、前記ケースに一体形成され先端部が前記裏面カバーに係合して該裏面カバーを付勢する樹脂ばねであることを特徴としている。
【0012】
また、請求項6に記載の電気機器の取付構造は、前記取付パネルの前記取付穴の周縁部に形成された配線パターン部を備え、前記ケース内の内部回路部に接続された接続部材の先端部が前記ケースから露出され、前記電気機器の前記取付穴への取付時に、前記接続部材が前記配線パターン部に接触して前記内部回路部が前記配線パターン部に電気的に接続されることを特徴としている。
【0013】
また、請求項7に記載の電気機器の取付構造は、前記接続部材の前記ケースから露出した先端部が、前記配線パターン部に圧接される方向に付勢されていることを特徴としている。
【0014】
また、請求項8に記載の電気機器の取付構造は、前記接続部材は、前記内部回路部が備えるプリント基板に設けられていることを特徴としている。
【0015】
また、請求項9に記載の電気機器の取付構造は、前記接続部材は、導電板を片持ち状にその一端が前記プリント基板に固着されて他端にばね性が付与されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、電気機器を取付パネルに形成された取付穴に取り付ける場合に、裏面カバーに形成された第1フック体を取付穴の内周縁に引っ掛けつつ、裏面カバーをケースに対して付勢体の付勢力に抗してスライドさせ、第1フック体とケースに形成された第2フック体との距離を縮めた状態で該第2フック体を取付穴の内周縁に引っ掛かけた後、裏面カバーのスライド状態を解除することで付勢体の付勢力により第1及び第2フック体との距離が広がって、電気機器が第1及び第2フック体により取付パネルの取付穴に固定される。したがって、電気機器を取付パネルの取付穴に容易に、しかもワンタッチで着脱自在に配設することができる。
【0017】
また、電気機器を取付穴に取り付ける際に、取付穴に対してほぼ垂直方向から電気機器を挿入する従来の構成と異なり、取付穴に対してほぼ水平方向から第1フック体を引っ掛けた後、第2フック体を引っ掛けることで当該電気機器を取付穴に取り付けることができるため、第1及び第2フック体を形成するために電気機器を高さ方向に大型化する必要がなく当該電気機器の薄型化を図ることができる。
【0018】
また、請求項2及び3に記載の発明によれば、棒ばねによって裏面カバーをケースに対して相対的に付勢するため、実用的な構成で確実に裏面カバーを付勢できる。
【0019】
また、請求項4及び5に記載の発明によれば、裏面カバーまたはケースに一体形成された樹脂ばねによって、裏面カバーをケースに対して相対的に付勢するため、別部材のばねを設ける場合に比べて部品点数の軽減を図ることができ、より実用的な構成で確実に裏面カバーを付勢できる。
【0020】
また、請求項6に記載の発明によれば、電気機器の取付穴への取付時に、ケース内の内部回路部に接続され先端部がケースから露出された接続部材が、取付穴の周縁部に形成された配線パターン部に接触して内部回路部が配線パターン部に電気的に接続されるため、電気機器の取付穴への取り付け作業と電気機器の配線作業とを同時に行うことができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0021】
また、請求項7に記載の発明によれば、ケースから露出した接続部材の先端部が、配線パターン部に圧接される方向に付勢されているため、電気機器が取付パネルに取り付けられた状態で接続部材と配線パターン部とを良好に接触させることができ、内部回路部と配線パターン部とを確実に電気的に接続することができる。
【0022】
また、請求項8に記載の発明によれば、接続部材は、内部回路部が備えるプリント基板に設けられているため、実用的な構成で接続部材を内部回路部と接続できる。
【0023】
また、請求項9に記載の発明によれば、接続部材は、導電板を片持ち状にその一端がプリント基板に固着されて他端にばね性が付与されて構成されているため、より実用的な構成で接続部材を介して配線パターン部と内部回路部とを接続できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
<第1実施形態>
以下に、本発明の第1実施形態について図1〜図11を参照して説明する。但し、図1は外観斜視図、図2は平面図、図3は図2中のX−X線における切断右側面図、図4は図2中のY−Y線における切断右側面図、図5は押ボタン部を除去した内部構成を示す平面図、図6は図5でさらに操作体を除去した内部構成を示す平面図、図7は斜め上方から見た分解斜視図、図8は斜め下方から見た分解斜視図、図9〜図11は押ボタンスイッチ装置のそれぞれ異なる状態における取付動作の説明図である。
【0025】
本実施形態では、電気機器として押ボタンスイッチを例に挙げて、当該押ボタンスイッチを取付パネルに着脱自在に取り付ける取付構造について説明する。まず、押ボタンスイッチ装置の構成について図1〜8を参照して説明する。即ち、本実施形態における押ボタンスイッチ装置は、樹脂製スイッチケース50を備えており、スイッチケース50は、矩形の枠体50aと、該枠体50aの上面前寄りの位置に枠体50a内を前後に仕切るべく一定形成された枠体50aの高さのほぼ半分程度の高さを有する仕切板50bと、該仕切板50bによる前端部の空間の上面を閉塞する第1の閉塞板50cと、仕切板50bによる前側を除く中央前寄りから後端にかけての空間の下面を閉塞する第2の閉塞板50dとを備えている。
【0026】
そして、枠体50aと仕切板50bと第1の閉塞板50cとにより、枠体50a内の前端部に形成された平面視横長の長方形状を成す空間が、後述するプリント基板の配置スペース52aとして使用され、枠体50aと仕切板50bと第2の閉塞板50dとにより、枠体50a内の中央前寄りから後端にかけて形成された平面視ほぼ正方形状を成す空間が、後述する押ボタン部の上下への可動スペース52bとして使用される。
【0027】
まず、枠体50a内の前端部に形成された配置スペース52aには、後述する発光素子の点灯制御用の半導体集積回路54をはじめ各種の回路素子が実装されたプリント基板56が配設され、このプリント基板56のほぼ中央部にはタクトスイッチ58が実装されている。なお、プリント基板56はその裏面が第1の閉塞板50cの下面に対向して配設されており、配設状態のプリント基板56の下面側にタクトスイッチ58が位置し、この状態でタクトスイッチ58が、スイッチ固有の所定値以上の操作力によって上向きに押圧されることにより、タクトスイッチ58がオンするようになっている。
【0028】
また、配設状態のプリント基板56の下面後端部には、発光素子である6個(但し、個数は6個に限るものではない)の発光ダイオード(以下、LEDと称する)60が配列状態で実装され、アクリルなどの透明材料からなる断面ほぼL字状の導光部材62によりこれらのLED60の光が、可動スペース52bに配設される後述の押ボタン部72まで導光されるようになっている。このように、半導体集積回路54、タクトスイッチ58、LED60及びプリント基板等により本発明の「内部回路部」が構成されている。
【0029】
このとき、特に図3に示されるように、導光部材62は、可動スペース52bの左右幅よりも幅の狭い平板状基部62aと、該基部62aの前端に上向きにほぼ90゜屈曲した屈曲部62bとから成り、屈曲部62bの上端面は各LED60それぞれに近接して導光し易いように波型形状に加工されると共に、基部62aと屈曲部62bとの境界は、各部62a,62bに対してほぼ45゜の偏向用傾斜面62cが形成されている。そして、基部62aが配置スペース52a側から仕切板50bの下側を経て第2の閉塞板50dに沿って可動スペース52b内に導入され、屈曲部62bの後面が仕切板50bの前面に当接、係止されて導光部材62が枠体50a内に配設され、屈曲部62bの上端面の6個の山部分が各LED60それぞれに近接して対向配置されている。
【0030】
さらに、各LED60の発する光が、屈曲部62bの上端面の近接箇所から屈曲部62b内部に進入すると、傾斜面62cにより反射されてその方向がほぼ90゜偏向され、基部62aの面方向に各LED60の光が拡散し、その上方に配設される押ボタン部72が下方から照光されて押ボタン部72の押圧によるタクトスイッチ58のオン状態が表示、報知されるようになっている。なお、各LED60による押ボタン部72の照光効果を上げるため、導光部材62の下面に沿って白色の反射シート64が配設されている。
【0031】
ところで、プリント基板56に実装状態におけるタクトスイッチ58には、該タクトスイッチ58を下方から覆うように平面視四角形の可撓性ラバー体66が装着されており、このラバー体66の復元力とタクトスイッチ58の操作力とを合わせた下向きの力が、後述する押圧体84を介して押ボタン部72に対して上向きの付勢力として作用する。すなわち、ラバー体66とタクトスイッチ58が、押圧体84の付勢手段として機能する。よって、押ボタン部72を付勢するためのばね等の付勢手段を別途設ける必要がなく、部品点数の低減を図ることができる。
【0032】
つぎに、枠体50a内の中央前寄りから後端にかけて形成された可動スペース52bには、ほぼ正方形の枠状を成す操作体70が上下に移動自在に配設され、この操作体70の内側には透光性を有する樹脂等から成る平面視ほぼ正方形状の押ボタン部72が着脱自在に装着されている。
【0033】
ここで、操作体70は、枠状部70aと、該枠状部70aの上面内周側が一様に切除されて該枠状部70aの内周に沿って形成された段差部70bとを備えており、押ボタン部72は操作体70よりも上方に突出した押圧操作部72aと、その周囲に一体形成された鍔状部72bとを備え、この鍔状部72bの上面側に形成された複数個の切欠部72cに、操作体70の枠状部70aの内周に形成された爪部70cが係合することで、押ボタン部72が操作体70に着脱自在に装着され、押ボタン部72の押圧操作部分72aを押圧操作すると、これに連動して操作体70が枠体50a内で上下に移動する。
【0034】
ところで、操作体70の枠状部70aの各辺の外側面中央には、上下のガイド溝74が形成されると共に、枠体50aの可動スペース52bの内周の前後左右に各ガイド溝74に対応してガイド条76が形成され、操作体70の枠状部70aの左辺の外側上面及び右辺の外側上面の各前後端部には、合計4個の係合凹部78が切り欠き形成され、枠体50aの可動スペース52bの内周の左右に各係合凹部78に対応して下向きの係合爪80が形成されており、操作体70の左右を片方ずつ撓ませてながら可動スペース52b内に操作体70を挿入していくと、両ガイド溝74に両ガイド条76が嵌挿しつつ各係合凹部78に各係合爪80が係合し、操作体70が上方に抜けない状態で可動スペース52b内に上動自在に配設される。
【0035】
このとき、上記したように、後述する押圧体84を介してラバー体66の復元力とタクトスイッチ58の操作力とを合わせた下向きの力が押ボタン部72及び操作体70に上向きの付勢力として加わるため、操作体70に装着された押ボタン部72をこの付勢力に抗して下向きに押圧操作すると、操作体70が押ボタン部72の押圧に連動し、各係合爪80のうち押ボタン部72及び操作体70の押圧部位に応じた係合凹部78及びこれに係合した係合爪80を回転中心として操作体72の押圧部位が下向きに回転する。
【0036】
例えば、押ボタン部72の右前端部を押圧すると、左後側の係合凹部78とこれに係合した係合爪80が回転中心となり、押ボタン部72の左後端部を押圧すると、右前側の係合凹部78とこれに係合した係合爪80が回転中心となり、押ボタン部72の左端中央部を押圧すると、右側の両係合凹部78とこれらに係合した両係合爪80が回転中心となり、押ボタン部72の右端中央部を押圧すると、左側の両係合凹部78とこれらに係合した両係合爪80が回転中心となり、押ボタン部72を介した操作体70の押圧部位に応じて、操作体70の回転中心が切り換わる。
【0037】
また、図7及び図8に示すように、平面視コ字状の金属性の押圧体84が、可動スペース52b内の操作体70の下方に配設されており、押圧体84の左右の両辺84a,84bは、図5及び図6に示すように操作体70の左、右辺下方のほぼ中央部から前端にわたって位置すると共に、押圧体84の両辺84a,84bを橋絡する前辺84cは、図3に示すように配置スペース52a内に導入され、前辺84cの前端中央に一体形成された矩形の作動片84dがラバー体66の中央の突部下面に当接している。
【0038】
また、押圧体84の左、右辺84a,84bの外側ほぼ中央に突出して当接片86a,86bがそれぞれ一体形成され、両当接片86a,86bの下方位置におけるスイッチケース50の枠体50a上面それぞれには、押圧体84を支える支点となる突部を成す段部88が上方に盛り上がって一体形成され、操作体70の左右両辺の下面ほぼ中央部にそれぞれ下向きに突設された当接部90が押圧体84の左、右辺84a,84bの後端部上面に当接している。
【0039】
さらに、押圧体84は、左右の段部88に当接する両当接片86a,86bを支点とし、左右の当接部90に当接する押圧体84の左、右辺84a,84bの後端部を力点とし、ラバー体66に当接する作動片84dを作用点とする「てこ」として機能し、押ボタン部72の押圧により、その押圧部位に応じた操作体70の部位が下向きに回転すると、操作体70の両当接部90により押圧体84の左、右辺84a,84bの後端部が下向きの押し下げられ、これにより支点となる両当接片86a,86bを挟んで力点の反対側に位置する作動片84dが上向きに押し上げられてラバー体66を介してタクトスイッチ58がこれらの復元力及び操作力に抗して押圧され、タクトスイッチ58がオンするようになっている。ここでは、左右の段部88に押圧体84の両当接片86a,86bが当接して支点とするようにしているが、当接片86a,86bがなく直接押圧体84の左右の両辺84a,84bの中央部下面に当接するようにしてもよい。
【0040】
なお、押圧体84の力点の位置は、押ボタン部72及び操作体70の中心と平面視でほぼ同列上に並ぶように設定されており、これにより押ボタン部72の押圧部位がどこであっても、押圧体84の力点に加わる操作荷重をほぼ均一にしている。
【0041】
そして、押圧体84の支点の位置、つまり左右の段部88が押圧体84に当接する位置を力点側または作用点側に変更すれば、押圧体84の力点に加わる操作荷重を任意に可変設定することができる。すなわち、作用点側に加わるべきタクトスイッチ58の操作力とラバー体66の復元力との合力は一定であるため、例えば支点を力点側に寄せれば、タクトスイッチ58の操作力とラバー体66の復元力との合力に打ち勝つだけの操作荷重としてより大きな荷重が必要になり、逆に支点を作用点側に寄せれば、タクトスイッチ58の操作力とラバー体66の復元力との合力に打ち勝つだけの操作荷重はより小さくて済む。
【0042】
ところで、特に図8に示されるように、スイッチケース50の下面側の第2の閉塞板50dには、左右の両端部から外側に張り出して前後方向の突条体92が形成され、これらの突条体92と枠体50aの左右の両辺との間に前後方向のガイド路が形成されている。
【0043】
そして、図3及び図4に示すように、スイッチケース50の下面側には該下面を覆う裏面カバー94が設けられ、前記ガイド路をスライド自在に移動する内向きの鉤状係合体96が裏面カバー94の左端前後及び右端前後にそれぞれ一体形成され、これにより裏面カバー94がスイッチケース50の下面(裏面)を覆って着脱自在に装着されている。
【0044】
この裏面カバー94の後端部上面には、図7に示すように矩形凹部とその左右の線状溝から成る収容部98が形成され、中央が前側に凹状に屈曲した付勢体としての棒ばね100が、その両端が収容部98の線状溝により係止(固定)されつつ中央部が前後に移動可能に収容部98に収容されている。また、第2の閉塞板50dの後端部下面には、図8に示すように係合突起102が下向きに突出して一体形成され、この係合突起102に棒ばね100中央の屈曲部分が前側から当接し、これにより裏面カバー94が棒ばね100によってスイッチケース50に対して相対的に前方向に付勢された状態でスイッチケース50の下面に平行な前後方向にスライド自在に構成されている。
【0045】
なお、裏面カバー94がスイッチケース50の下面に装着された状態で、係合突起102が収容部98内に収容され、裏面カバー94がスイッチケース50に対してスライドする際に係合突起102が収容部98内を移動可能なように構成されている。このような構成とすれば、スイッチケース50の下面(第2の閉塞板50d)と、裏面カバー94の上面とを密接させることができ、押ボタンスイッチ装置の薄型化を図ることができる。
【0046】
また、棒ばね100による前方への付勢力が加わっていない状態において、裏面カバー94がスイッチケース50から脱離せず、かつ、裏面カバー94を容易にスライドさせ得るように、特に後側左右の鉤状係合体96と枠体50aには凹凸の組み合わせによる係止構造が採用されている。このように本実施形態では、棒ばね100がスイッチケース50の裏面と裏面カバー94との間に設けられ裏面カバー94をスイッチケース50に対して前方向(スライド方向の一方向)に付勢している。
【0047】
さらに、裏面カバー94の下面前端(一方の端部)には、後述する取付パネル110に形成された取付穴112の内周縁に係合する前向き横長のスイッチ取付保持用の第1フック体106が一体形成され、スイッチケース50の枠体50aの下面後端(他方の端部)には、取付穴112の内周縁に係合する後向き横長のスイッチ取付保持用の第2フック体108が一体形成されている。
【0048】
1.押ボタンスイッチ装置の取付方法
次に、組み上がった押ボタンスイッチ装置を所定の固定部材の取付位置に取り付ける方法について図9〜図11を参照して説明する。まず、図9に示すように、取付パネル110にスイッチケース50とほぼ同形状の矩形の取付穴112を穿設する。そして、図10に示すように、取付穴112の内周縁に第1フック体106を係合し、この状態でスイッチカバー50を前方へ引っ張ることで、棒ばね100の付勢力に抗しつつ裏面カバー94をスイッチケース50に対して後方へスライドさせる。
【0049】
そして、両フック体106,108間の距離が縮まった状態で、第2フック体108を取付穴112の内周縁に係合させた後、スイッチカバー50の前方への引っ張りを解除すれば、棒ばね100の付勢力により裏面カバー94がスイッチケース50に対して前方へスライドしてもとの状態に戻り、図11に示すように、押ボタンスイッチ装置が取付パネル110の取付穴112にワンタッチで取り付けられる。
【0050】
一方、押ボタンスイッチ装置を取付パネル110から取り外す際には、上記した手順と逆の動作、すなわち、スイッチカバー50を前方へ引っ張ることで、棒ばね100の付勢力に抗しつつ裏面カバー94をスイッチケース50に対して後方へスライドさせる。そして、両フック体106,108間の距離が縮まった状態で、第2フック体108を取付穴112と内周縁との係合状態を解除することで、押ボタンスイッチを取付穴112から容易に、ワンタッチで取り外すことができる。
【0051】
2.押ボタン動作
つぎに、押ボタン部72の押圧操作による押ボタンスイッチ装置の具体的動作について詳述するが、押ボタン部72の押圧に操作体70が連動するため、以下の動作等の説明では、押ボタン部72の押圧部位を操作体70の押圧部位と同一に扱って説明することとする。
【0052】
上記の構成を有する押ボタンスイッチ装置が、機器起動用スイッチなどに適用され、使用者が押ボタン部72を押圧操作した場合には、操作体70がタクトスイッチ58の操作力及びラバー体66の復元力による付勢力に抗して押圧され、操作体70の両当接部90が押圧体84の左、右辺84a,84bの後端部を押し下げるため、左右の段部88に当接する両当接片86a,86bを支点として押圧体84の前端の作動片84dが押し上げられ、これによりラバー体66を介してタクトスイッチ58がこれらの復元力や操作力に抗して押圧されてオンする。
【0053】
このとき、タクトスイッチ58のオンにより各LED60が点灯して導光部材62により各LED60の光が押ボタン部72まで導光され、各LED60の点灯状態が所定条件の成立(スイッチ操作後、機器が所定状態になるなど)まで保持され、押ボタン部72が照光されてタクトスイッチ58がオン状態になったことが使用者に目視できるようになっている。
【0054】
いま、図2中に示す押ボタン部72の中央であるB部分が押圧されると、押ボタン部72への押圧力が操作体70のほぼ中央部に加わる。このとき、操作体70は、各係合爪80の各係合凹部78との係合箇所のいずれをも支点とすることがなく、操作体70はラバー体66の復元力及びタクトスイッチ58の操作力による上向きの付勢力に抗して下方に平行移動し、押ボタン部72への押圧力が操作体70の中央付近に位置する両当接部90にそのまま伝わる。このとき、押圧時に両当接部90を介して操作体70が受ける反力は、押圧体84を介して受けるラバー体66の復元力とタクトスイッチ58の操作力とを合わせた力であり、これが操作荷重に相当する。
【0055】
その結果、操作体70の両当接部90により押圧体84の後端部が押し下げられ、上記したように、左右の段部88に当接する両当接片86a,86bを支点として押圧体84の前端の作動片84dが押し上げられ、これによりタクトスイッチ58が押圧されてオンする。
【0056】
次に、図2中に示す押ボタン部72の中央B部分の左側のA部分が押圧されると、押ボタン部72への押圧力が操作体70の左端部寄りに加わるため、押圧体84の左辺84aを介して操作体70の左端部に加わる付勢力に抗して、操作体70の左端部が右側の両係合爪80と両係合凹部78との係合箇所P1,P2を回転中心として下向きに回転し、操作体70の左端部が下動する。
【0057】
そして、操作体70の左端部の下動により、操作体70の特に左側の当接部90が押圧体84の左辺84aを強く押下するが、押圧体84自体がある程度剛性を有するため、左辺84aの押下であっても押圧体84の右辺84bも同様に押下されることになる。
【0058】
その結果、押ボタン部72の中央B部分を押圧したのと同じように、左右の段部88に当接する両当接片86a,86bを支点として押圧体84の前端の作動片84dが押し上げられ、これによりラバー体66を介してタクトスイッチ58がこれらの復元力や操作力に抗して押圧されてオンする。
【0059】
一方、図2中に示す押ボタン72の中央B部分の右側のC部分が押圧されると、押ボタン部72への押圧力が操作体70の右端部寄りに加わるため、押圧体84の右辺84bを介して操作体70の右端部に加わる付勢力に抗して、操作体70の右端部が左側の両係合爪80と両係合凹部78との係合箇所P3,P4を回転中心として下向きに回転し、操作体70の右端部が下動する。
【0060】
そして、操作体70の右端部の下動により、操作体70の特に右側の当接部90が押圧体84の右辺84bを強く押下するが、押圧体84自体の剛性のため右辺84bの押下により押圧体84の左辺84aも同様に押下され、その結果、押ボタン部72の中央B部分を押圧したのと同じように、左右の段部88に当接する両当接片86a,86bを支点として押圧体84の前端の作動片84dが押し上げられ、これによりラバー体66を介してタクトスイッチ58がこれらの復元力や操作力に抗して押圧されてオンする。
【0061】
ところで、図2中に示す押ボタン部72の中央B部分の後側のE部分が押圧されると、押ボタン部72への押圧力が操作体70の後端部寄りに加わり、各係合爪80と各係合凹部78との係合箇所のうち前側、つまり上記したP2,P4を回転中心として、操作体70の後端部がラバー体66の復元力及びタクトスイッチ58の操作力による上向きの付勢力に抗して下向きに回転し、操作体70の後端部が下動する。
【0062】
そして、操作体70の後端部の下動により、左右の段部88に当接する両当接片86a,86bを支点として押圧体84の前端の作動片84dが押し上げられ、これによりタクトスイッチ58が押圧されてオンする。
【0063】
また、図2中に示す押ボタン72の中央B部分の前側のH部分が押圧されると、押ボタン部72への押圧力が操作体70の前端部寄りに加わり、各係合爪80と各係合凹部78との係合箇所のうち前側、つまり上記したP1,P3を回転中心として、操作体70の前端部がラバー体66の復元力及びタクトスイッチ58の操作力による上向きの付勢力に抗して下向きに回転し、操作体70の前端部が下動する。
【0064】
そして、操作体70の前端部の下動により、左右の段部88に当接する両当接片86a,86bを支点として押圧体84の前端の作動片84dが押し上げられ、これによりタクトスイッチ58が押圧されてオンする。
【0065】
さらに、図2中に示す押ボタン部72の左後側のD部分が押圧されると、押ボタン部72への押圧力が操作体70の左後端部寄りに加わるため、押圧体84の左辺84aを介して操作体70の左後端部に加わる付勢力に抗して、操作体70の左後端部が右前側の両係合爪80と両係合凹部78との係合箇所P2を回転中心として下向きに回転し、操作体70の左後端部が下動する。
【0066】
また、図2中に示す押ボタン72の右後側のF部分が押圧されると、押ボタン部72への押圧力が操作体70の右後端部寄りに加わるため、押圧体84の右辺84bを介して操作体70の右後端部に加わる付勢力に抗して、操作体70の右後端部が左前側の両係合爪80と両係合凹部78との係合箇所P4を回転中心として下向きに回転し、操作体70の右後端部が下動する。
【0067】
一方、図2中に示す押ボタン72の左前側のG部分が押圧されると、押ボタン部72への押圧力が操作体70の左前端部寄りに加わるため、押圧体84の左辺84aを介して操作体70の左前端部に加わる付勢力に抗して、操作体70の左前端部が右後側の両係合爪80と両係合凹部78との係合箇所P1を回転中心として下向きに回転し、操作体70の左前端部が下動する。
【0068】
さらに、図2中に示す押ボタン72の右前側のI部分が押圧されると、押ボタン部72への押圧力が操作体70の右前端部寄りに加わるため、押圧体84の右辺84bを介して操作体70の右前端部に加わる付勢力に抗して、操作体70の右前端部が左後側の両係合爪80と両係合凹部78との係合箇所P3を回転中心として下向きに回転し、操作体70の右前端部が下動する。
【0069】
そして、操作体70の左後端部、右後端部、左前端部、右前端部のいずれが下動しても、押圧体84自体がある程度剛性を有するため、図2中の押ボタン部72のA,C部分を押圧した場合と同様に、押圧体84全体が押下されることになり、その結果、押ボタン部72の中央B部分を押圧したのと同じように、左右の段部88に当接する両当接片86a,86bを支点として押圧体84の前端の作動片84dが押し上げられ、これによりラバー体66を介してタクトスイッチ58がこれらの復元力や操作力に抗して押圧されてオンする。
【0070】
また、押ボタン部72のA部分及びC部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重を対比すると、押圧部位であるA部分から支点P1,P2までの距離と、押圧部位であるC部分から支点P3,P4までの距離とはほぼ同じになり、しかも押ボタン72のA部分及びC部分をそれぞれ押圧したときの操作体70が受ける反力もほとんど同じであるため、押ボタン部72のA部分及びC部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重にほとんど差はない。
【0071】
また、押ボタン部72のE部分及びH部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重を対比すると、押圧部位であるE部分から支点P2,P4までの距離と、押圧部位であるH部分から支点P1,P3までの距離とはほぼ同じになり、しかも押ボタン部72のE部分及びH部分をそれぞれ押圧したときの操作体70が受ける反力もほとんど同じであるため、押ボタン部72のE部分及びH部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重にほとんど差はない。
【0072】
また、押ボタン部72のD部分及びF部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重を対比すると、押圧部位であるD部分から支点P2までの距離と、押圧部位であるF部分から支点P4までの距離とはほぼ同じになり、しかも押ボタン部72のD部分及びF部分をそれぞれ押圧したときの操作体70が受ける反力もほとんど同じであるため、押ボタン部72のD部分及びF部分をぞれぞれ押圧したときの操作荷重にほとんど差はない。尚、押ボタン部72のG部分及びI部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重は、押ボタン部72のD部分及びF部分をそれぞれ押圧したときと同様の理由からほとんど同じになる。
【0073】
一方、押ボタン部72のB部分及びA(またはC、D,E,F,G,H,I)部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重を対比しても、押ボタン部72のB部分及びA(またはC、D,E,F,G,H,I)部分をそれぞれ押圧したときの操作体70が受ける反力に顕著な差はないことから、押ボタン部72のB部分及びA(またはC、D,E,F,G,H,I)部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重の差は小さく、従来のように、押ボタンの操作時における支点が1つで、その支点から遠い部位を押圧したときと近い部位を押圧したときの操作荷重の差ほど大きくなることがない。
【0074】
よって、押ボタン部72のB部分及びA(またはC、D,E,F,G,H,I)部分をそれぞれ押圧したときの操作荷重は、使用者が違和感を覚えるほど大きくなることがなく、ほぼ同じような操作荷重になる。
【0075】
3.操作荷重の可変設定
また、このような操作荷重は、上記したように、押圧体84の支点の位置を適宜変更することで任意に可変設定することができる。つまり、押圧体84の作用点側に加わるべきタクトスイッチ58の操作力とラバー体66の復元力との合力は一定であることから、例えば操作荷重を現状よりも大きくしたいときには支点を力点側に寄せればよく、操作荷重を現状よりも小さくしたいときには支点を作用点側に寄せればよく、支点位置を変えることにより、非常に広い範囲(前記合力よりも大きい範囲、小さい範囲のどちらでも)で、操作荷重を可変設定できる。そして、支点の位置調整は、段部88を削ったり肉盛りするなどで対応可能である。
【0076】
また望ましくは、支点となる両段部88の位置を前後方向に移動自在であって、かつ、力点、作用点間の任意の位置で両段部88の位置を固定可能に、両段部88をスイッチケース50に設けるのがよい。例えば、スイッチケース50の前後方向のスライド溝を設け、このスライド溝に沿って両段部を同時にスライドできるように支持機構により支持し、スライド溝の途中数箇所に係止部を設けて、いずれかの係止部に支持機構を係止して段部の位置を固定するなどすればよい。
【0077】
以上のように、上記した実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。すなわち、押ボタンスイッチ装置を取付パネル110に形成された取付穴112に取り付ける場合に、裏面カバー94に形成された第1フック体106を取付穴112の内周縁に引っ掛けつつ、裏面カバー94をスイッチケース50に対して棒ばね100の付勢力に抗してスライドさせ、第1フック体106とスイッチケース50に形成された第2フック体108との距離を縮めた状態で該第2フック体108を取付穴112内周縁に引っ掛かけた後、裏面カバー94のスライド状態を解除することで棒ばね100の付勢力により第1及び第2フック体106,108との距離が広がって、押ボタンスイッチ装置が第1及び第2フック体106,108により取付パネル110の取付穴112に固定される。したがって、押ボタンスイッチ装置を取付パネル110の取付穴112に容易に、しかもワンタッチで着脱自在に配設することができる。
【0078】
また、押ボタンスイッチ装置を取付穴112に取り付ける際に、取付穴112に対してほぼ垂直方向から押ボタンスイッチ装置を挿入する従来の構成と異なり、取付穴112に対してほぼ水平方向から第1フック体106を引っ掛けた後、第2フック体108を引っ掛けることで当該押ボタンスイッチ装置を取付孔112に取り付けることができるため、第1及び第2フック体106,108を形成するために押ボタンスイッチ装置を高さ方向に大型化する必要がなく当該押ボタンスイッチ装置の薄型化を図ることができる。
【0079】
また、棒ばね100によって裏面カバー94をスイッチケース50に対して相対的に付勢するため、実用的な構成で確実に裏面カバー94を付勢できる。また、棒状の棒ばね100を採用することにより、該棒ばね100を収容部98内に配設することが可能となり、スイッチケース50の下面(第2の閉塞板50d)と、裏面カバー94の上面とを密接させることができるため、押ボタンスイッチ装置の薄型化を図ることができる。
【0080】
また、押ボタン部72の押圧部位に応じて操作体70の回転中心となる係合箇所の位置を切り換えることができるため、押ボタン部72の中央以外の端部や隅部を押圧した場合であっても、押圧時の操作荷重を、押ボタン部72の中央を押圧したのとほぼ同じにすることができ、押ボタン部72の押圧部位に関係なく操作荷重をほぼ均一にすることができる。
【0081】
また、タクトスイッチ58の操作力とラバー体66の復元力との合力を、押圧体84を介して操作体70の付勢力としているため、操作体70の付勢のためにばね等の付勢手段を専用に設ける必要がなく、部品点数の低減を図ることができて装置を安価に構成することが可能になる。
【0082】
さらに、押圧体84の支点の位置を適宜調整することで、スイッチ操作荷重を可変設定することができ、使用者の好みや押ボタンスイッチ装置の使用状況に応じて操作荷重の可変設定を容易に行うことが可能になる。
【0083】
また、押ボタン部72を押圧し続けたときに、押圧体84前端の作動片84dがタクトスイッチ58に当接しつつ、操作体70を介して押圧体84の左、右辺84a,84bの後端に継続的に強い荷重がかかり続ける状況になることがあるが、例えば押圧体を矩形枠状とした場合であって、押ボタン部を押圧し続けたときに、矩形枠状の押圧体の両端部分が内蔵スイッチなどに当接してそれ以上の押下が阻止されつつ、矩形枠状の押圧体の中央部に継続的に強い荷重がかかり続ける状況になる構成、つまり押圧体の両端部分が支持された状態で押圧体の中央部に荷重がかかる、いわゆる両持ち状態の押ボタンスイッチ装置と比較して、上記した実施形態における押圧体84は、段部88で支持され押圧体84の後端(左右辺84a,84bの後端)に荷重がかかる、いわゆる片持ち状態であり、押圧体84全体に及ぶ負荷は大幅に軽減される。その結果、押圧体84の長寿命化を図ることができ、スイッチ装置全体としての長寿命化が望める。
【0084】
さらに、各LED60をタクトスイッチ58と同じプリント基板56に実装し、導光部材62により各LED60の光を押ボタン部72まで導光するようにしたため、各LED60をタクトスイッチ58と別の回路基板に実装して押ボタン部72の下方に配置したり、押ボタン部72の下方以外でタクトスイッチ58とは異なる位置に配置する場合に比べ、装置の大型化を招くこともなく、より薄型の押ボタンスイッチ装置を得ることができる。
【0085】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について図12〜図17を参照して説明する。但し、図12は斜め下方から見た外観斜視図、図13は斜め上方から見た分解斜視図、図14は斜め下方から見た分解斜視図、図15〜図17は押ボタンスイッチ装置のそれぞれ異なる状態における取付動作の説明図である。
【0086】
本実施形態が上記第1実施形態と大きく異なる点は、図12に示すように後述する接続端子57の先端部がスイッチケース50に形成された露出孔59から露出するように構成されている点と、図13及び図15に示すように棒ばね100aの両端がスイッチケース50に固定され該棒ばね100aの中央部によって裏面カバー94に形成された係合突起99が付勢されている点である。その他の構成及び動作は上記第1実施形態とほぼ同一であるため、上記第1実施形態と同一な構成については相当符号を付してその構成および動作の説明を省略する。以下、上記第1実施形態と異なる点を中心に第2実施形態について詳細に説明する。
【0087】
図13及び図14に示すように、本実施形態では、タクトスイッチ58等が実装されたプリント基板56の上面前端部に、導電板を片持ち状にその一端の固着部57aが該プリント基板56に固着されて他端にばね性が付与されて、下方に向って付勢力を有するように接続端子(本発明の「接続部材」に相当)57が設けられている。そして、図12及び図14に示すように、スイッチケース50の下面前方側には露出孔59が形成され、プリント基板56がスイッチケース50内に配設された状態で該プリント基板56に設けられた配線パターンに接続された接続端子57の先端部が下方に向って付勢力を有しつつスイッチケース50から露出するように構成されている。なお、露出孔59の後方側には支持部50c1が突設されており、プリント基板56が配置スペース52aに配設された状態で、支持部50c1とプリント基板56とで接続端子57の固着部57aの前よりの部分を挟持して接続端子57を支持するように構成されている。
【0088】
また、取付パネル110の取付穴112の周縁部には配線パターン部(図示省略)が設けられ、押ボタンスイッチ装置の取付穴112への取付時に、接続端子57が配線パターン部に接触してプリント基板56が該配線パターン部に電気的に接続されるように構成されている。このとき、接続端子57の先端部は下方に向って、すなわち取付パネル110の方向に向って付勢力を有しているため、押ボタンスイッチ装置が取付穴112に取り付けられた状態で接続端子57の先端部が取付穴112の周縁部に設けられた配線パターン部に圧接されることとなる。
【0089】
ところで、本実施形態では上記した第1実施形態と同様に、裏面カバー94がスイッチケース50の下面(裏面)を覆って着脱自在に装着されている。そして、図14に示すように、この第2の閉塞板50d(スイッチケース50)の後端部下面には、略T字状の凹部とその左右に突設された係止部103aから成る収容部103が形成され、棒ばね100aが、その両端が係止部103aにより係止(固定)されつつ中央部が前後に移動可能に収容部103に収容されている。また、裏面カバー94の後端部上面には、図13に示すように係合突起99が上向きに突出して一体形成され、この係合突起99に棒ばね100aの中央が後側から当接し、これにより裏面カバー94が棒ばね100aによってスイッチケース50に対して相対的に前方向に付勢された状態で、スイッチケース50の下面に平行な前後方向にスライド自在に構成されている。
【0090】
なお、裏面カバー94がスイッチケース50の下面に装着された状態で、係合突起99が収容部103内に収容され、裏面カバー94がスイッチケース50に対してスライドする際に係合突起99が収容部103内(特に中央部分)を移動可能なように構成されている。このような構成とすれば、スイッチケース50の下面(第2の閉塞板50d)と、裏面カバー94の上面とを密接させることができ、押ボタンスイッチ装置の薄型化を図ることができる。
【0091】
また、上記した第1実施形態と同様に、裏面カバー94の下面前端(一方の端部)には、後述する取付パネル110に形成された取付穴112の内周縁に係合する前向き横長のスイッチ取付保持用の第1フック体106が一体形成され、スイッチケース50の枠体50aの下面後端(他方の端部)には、取付穴112の内周縁に係合する後向き横長のスイッチ取付保持用の第2フック体108が一体形成されている。
【0092】
1.押ボタンスイッチ装置の取付方法
次に、組み上がった押ボタンスイッチ装置を所定の固定部材の取付位置に取り付ける方法について図15〜図17を参照して説明する。まず、図15に示すように、取付パネル110にスイッチケース50とほぼ同形状の矩形の取付穴112を穿設する。そして、図16の一点鎖線で囲まれた部分に示すように、取付穴112の内周縁に第1フック体106を係合し接合端子57を取付パネル110側の配線パターン部に圧接しつつ、この状態でスイッチケース50を前方へ引っ張ることで、棒ばね100aの付勢力に抗しつつ裏面カバー94をスイッチケース50に対して後方へスライドさせる。
【0093】
そして、両フック体106,108間の距離が縮まった状態で、第2フック体108を取付穴112の内周縁に係合させた後、スイッチケース50の前方への引っ張りを解除すれば、棒ばね100aの付勢力により裏面カバー94がスイッチケース50に対して前方へスライドしてもとの状態に戻り、図17に示すように、押ボタンスイッチ装置が取付パネル110の取付穴112に取り付けられると同時に、接続端子57が取付パネル側の配線パターン部に接触してプリント基板56と配線パターン部とが電気的に接続される(図17中の、一点鎖線で囲まれた部分参照)。
【0094】
以上のように、本実施形態では、上記した第1実施形態と同様の効果を奏することができると共に、特に、以下の効果を奏することができる。すなわち、押ボタンスイッチ装置の取付穴112への取付時に、スイッチケース50内のプリント基板56に接続され先端部がスイッチケースから露出された接続端子57が、取付穴112側の配線パターン部に接触してプリント基板56が配線パターン部に電気的に接続されるため、押ボタンスイッチ装置の取付穴112への取り付け作業と、押ボタンスイッチ装置の配線作業とを同時に行うことができ作業効率の向上を図ることができる。
【0095】
また、スイッチケース50から露出した接続端子57の先端部が、取付パネル110側の配線パターン部に圧接される方向に付勢されているため、押ボタンスイッチ装置が取付パネル110に取り付けられた状態で接続端子57と配線パターン部とを良好に接触させることができ、プリント基板56と配線パターン部とを確実に電気的に接続することができる。このとき、図17に示すように、接続端子57の先端部にはその付勢力に応じた上向きの反作用力が加わるが、この反作用力は支持部50c1に作用することとなり、固着部57aをプリント基板56から剥離させる力としては作用しないため、押ボタンスイッチ装置を取付パネル110に取り付けることにより固着部57aがプリント基板56から剥離するのを効果的に防止できる。
【0096】
また、接続端子57は、導電板を片持ち状にその一端がプリント基板56に固着されて他端にばね性が付与されて構成されているため、実用的な構成で接続端子57をスイッチケース50内に設けることができると共に、当該接続端子57介して取付パネル110側の配線パターン部と内部回路部とを確実に電気的に接続できる。
【0097】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について図18を参照して説明する。但し、図18は下面図である。本実施形態が上記第1及び第2実施形態と大きく異なる点は、図18に示すように、本発明の「付勢体」として裏面カバー94aに樹脂ばね100bが一体形成されている点である。その他の構成及び動作は上記第1及び第2実施形態とほぼ同一であるため、上記第1及び第2実施形態と同一な構成については相当符号を付してその構成および動作の説明を省略する。以下、上記第1及び第2実施形態と異なる点を中心に第3実施形態について詳細に説明する。
【0098】
図18に示すように、本実施形態では裏面カバー94aは弾性を有する樹脂製であり、裏面カバー94aの後方に樹脂ばね100bが一体形成されている。詳述すれば、裏面カバー94aの後方に長孔100b1が2つ形成され、長孔100b1の後片100b3に凸部100b2が突設されることで樹脂ばね100bが形成されている。このような構成とすれば、凸部100b2が押圧されることにより、後片100b3が弾性変形して長孔100b1が変形し、この長孔100b1が元の形に復元する際の復元力が樹脂ばね100bの付勢力として作用する。そして、樹脂ばね100bの先端部がスイッチケース50に形成された第2フック体108の前方側に係合することで、スイッチケース50に対して裏面カバー94aを相対的に前方側へ付勢している。
【0099】
したがって、上記した第2実施形態と同様に本実施形態の押ボタンスイッチ装置を取付パネル110の取付穴112に取り付けることができる。すなわち、取付穴112の内周縁に第1フック体106を係合し接合端子57を取付パネル110に設けられた配線パターン部に圧接しつつ、この状態でスイッチカバー50を前方へ引っ張ることにより、樹脂ばね100bの付勢力に抗しつつ裏面カバー94aをスイッチケース50に対して後方へスライドさせる。そして、両フック体106,108間の距離が縮まった状態で、第2フック体108を取付穴112の内周縁に係合させた後、スイッチカバー50の前方への引っ張りを解除すれば、樹脂ばね100bの付勢力により裏面カバー94aがスイッチケース50に対して前方へスライドして元の状態に戻り、押ボタンスイッチ装置が取付パネル110の取付穴112に取り付けられると同時に、接続端子57が配線パターン部に接触してプリント基板56と配線パターン部とが電気的に接続される。
【0100】
以上のように、本実施形態では、裏面カバー94aに一体形成された樹脂ばね100bによって、裏面カバー94aをスイッチケース50に対して相対的に付勢するため、部品点数の増加を招くことなく、より実用的な構成で確実に裏面カバー94aを付勢できる。なお、スイッチケース50を弾性を有する樹脂で構成し、本発明の「付勢体」として、上記した樹脂ばね100bと同様の構成の樹脂ばねをスイッチケース50に一体形成して、その先端部が裏面カバー94に係合して該裏面カバー94を付勢するようにしてもよい。
【0101】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記した実施形態では本発明の電気機器として「押ボタンスイッチ装置」を例に挙げて説明したが、電気機器としてはこれに限られず、文字、図形等を表示する表示手段としての液晶ディスプレイ、LEDディスプレイ、有機ELディスプレイ、またはLEDなどの発光手段を備えた表示灯等、種々の電気機器に本発明を適用することができる。また、表示手段及び発光手段と、押ボタンスイッチ装置等を組み合わせた電気機器にも本発明を適用することができる。特に薄型化が要求される電気機器についてより好適であり、例えば電気機器として文字、図形等を表示する表示手段と押ボタンスイッチ装置とを組み合わせたものに本発明を採用することで、自動販売機の薄型化を図ったり、エレベータの操作部の薄型化を図ったりすることができる。
【0102】
また、上記した実施形態では、裏面カバー94,94aをスイッチケース50に対して相対的に前後方向にスライド自在に取り付けているが、裏面カバー94,94aのスライド方向としては前後方向に限られず、左右方向等、どのような方向であってもよい。また、取付パネル110に形成される取付孔112の形状はどのような形状であってもよく、要は第1及び第2フック体106,108が係合できる形状であればどのような形状であってもよい。また、第1及び第2フック体106,108は、それぞれ裏面カバー94,94a及びスイッチケース50に必ずしも一体形成されていなくともよい。
【0103】
また、アルミニウムや鉄等の金属製のパネル、樹脂製のパネルまたはプリント基板を取付パネル110として採用できる。特に、上記した第2及び第3実施形態において、取付パネル110としてプリント基板を採用することで、取付穴112の周縁部に配線パターン部を容易に設けることができる。また、金属製あるいは樹脂製の取付パネル110の取付孔112の周縁部にプリント基板を配設することで配線パターン部を構成してもよい。
【0104】
また、本発明の「付勢体」としては上記した構成に限られず、例えば、一端部がスイッチケース50または裏面カバー94のいずれか一方に固定され他端部が他方に係合してスイッチケース50に対して裏面カバー94を相対的に付勢する棒ばねであってもよい。このような構成としても、棒ばねによって裏面カバー94をスイッチケース50に対して相対的に付勢して、実用的な構成で確実に裏面カバー94を付勢できる。このように、本発明の「付勢体」としては上記した棒ばね100,100a、樹脂ばね100b以外にもコイルスプリング等、種々のものを採用することができる。要は、スイッチケース50に対して裏面カバー94を相対的に付勢することができればどのような構成であってもよい。
【0105】
また、押圧体84の支点をスイッチケース50に形成した段部88により構成したが、段部88に代えて、突起その他の突部により支点を構成してもよく、或いは、押圧体84側に設けた突部や、該突部とスイッチケース50側の凹部との組み合わせにより支点を構成してもよい。
【0106】
また、上記した実施形態では、ラバー体66及びタクトスイッチ58を押圧体84の付勢手段とした場合について説明したが、押圧体84の付勢のために専用ばねやその他のゴム等の弾性部材を付勢手段として設けてもよいのは勿論である。
【0107】
また、操作体70に付勢力を与えるラバー体66は、特に設ける必要はなく、タクトスイッチ58をはじめとするその他のスイッチの操作力のみで押圧体84を介して操作体70に上向きの付勢力を与えるようにしてもよい。
【0108】
また、上記した実施形態ではスイッチケース50をはじめ、操作体70を平面視矩形にした例を示したが、円形その他の対称形状であってもよいのは勿論であり、この場合にも上記した実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0109】
また、上記した実施形態では、操作体70に押ボタン部72を着脱自在に装着するように構成したが、操作体70に押ボタン部72が一体化された構成であっても構わない。
【0110】
さらに、押ボタンスイッチ装置として、必ずしもLED60やその他ランプ等の発光素子や導光部材62などを内蔵する必要はない。
【0111】
また、スイッチケース50に配設するスイッチも上記したタクトスイッチ60に限定されるものではなく、何らかの操作力を発生し得るスイッチであればよく、例えばリーフスイッチであってもよい。さらに、上記した実施形態のタクトスイッチ60は、押圧によりオンする(いわゆるa接点)として説明したがオフする(いわゆるb接点)構成でもよい。
【0112】
また、タクトスイッチ60のような有接点スイッチ以外に無接点スイッチを用いてもよく、この場合にはラバー体66のような可撓性を有する部材を設けて、ラバー体66の如き可撓性部材の復元力を押圧体84の一端(前端)の付勢力とするのが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0113】
ところで、本発明の電気機器の取付構造は、上記した実施形態において説明した如く各種電気機器に適用でき、特に薄型の電気機器に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の第1実施形態の外観斜視図である。
【図2】第1実施形態の平面図である。
【図3】図2中のX−X線における切断右側面図である。
【図4】図2中のY−Y線における切断右側面図である。
【図5】第1実施形態における押ボタン部を除去した内部構成を示す平面図である。
【図6】図5でさらに操作体を除去した内部構成を示す平面図である。
【図7】第1実施形態の斜め上方から見た分解斜視図である。
【図8】第1実施形態の斜め下方から見た分解斜視図である。
【図9】第1実施形態のある状態における取付動作の説明図である。
【図10】第1実施形態の異なる状態における取付動作の説明図である。
【図11】第1実施形態のさらに異なる状態における取付動作の説明図である。
【図12】本発明の第2実施形態の斜め下方から見た外観斜視図である。
【図13】第2実施形態の斜め上方から見た分解斜視図である。
【図14】第2実施形態の斜め下方から見た分解斜視図である。
【図15】第2実施形態のある状態における取付動作の説明図である。
【図16】第2実施形態の異なる状態における取付動作の説明図である。
【図17】第2実施形態のさらに異なる状態における取付動作の説明図である。
【図18】本発明の第3実施形態の底面図である。
【図19】従来の押ボタンスイッチ装置を示す断面図である。
【符号の説明】
【0115】
50……スイッチケース
56……プリント基板(内部回路部)
57……接続端子(接続部材、導電板)
58……タクトスイッチ(内部回路部)
60……LED(内部回路部)
94,94a……裏面カバー
100,100a……棒ばね(付勢体)
100b……樹脂ばね(付勢体)
106……第1フック体
108……第2フック体
110……取付パネル
112……取付穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付パネルに電気機器を着脱自在に取り付ける電気機器の取付構造において、
前記取付パネルに形成された取付穴と、
前記電気機器のケース裏面に平行な両方向にスライド自在に取り付けられた裏面カバーと、
前記裏面カバーのスライド方向における一方の端部に形成され前記取付穴の内周縁に係合する第1フック体と、
前記ケースの前記スライド方向における他方の端部に形成され前記内周縁に係合する第2フック体と、
前記ケースの裏面と前記裏面カバーとの間に設けられ前記裏面カバーを前記スイッチケースに対しスライド方向の一方向へ付勢する付勢体と
を備えていることを特徴とする電気機器の取付構造。
【請求項2】
前記付勢体は、一端部が前記ケースまたは裏面カバーのいずれか一方に固定され他端部が他方に係合して前記ケースに対して前記裏面カバーを相対的に付勢する棒ばねであることを特徴とする請求項1に記載の電気機器の取付構造。
【請求項3】
前記付勢体は、両端が前記ケースまたは裏面カバーのいずれか一方に固定され中央部が他方に係合して前記ケースに対して前記裏面カバーを相対的に付勢する棒ばねであることを特徴とする請求項1に記載の電気機器の取付構造。
【請求項4】
前記裏面カバーが樹脂製であり、前記付勢体は、前記裏面カバーに一体形成され先端部が前記ケースに係合して該ケースに対して前記裏面カバーを相対的に付勢する樹脂ばねであることを特徴とする請求項1に記載の電気機器の取付構造。
【請求項5】
前記ケースが樹脂製であり、前記付勢体は、前記ケースに一体形成され先端部が前記裏面カバーに係合して該裏面カバーを付勢する樹脂ばねであることを特徴とする請求項1に記載の電気機器の取付構造。
【請求項6】
前記取付パネルの前記取付穴の周縁部に形成された配線パターン部を備え、
前記ケース内の内部回路部に接続された接続部材の先端部が前記ケースから露出され、
前記電気機器の前記取付穴への取付時に、前記接続部材が前記配線パターン部に接触して前記内部回路部が前記配線パターン部に電気的に接続されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の電気機器の取付構造。
【請求項7】
前記接続部材の前記ケースから露出した先端部が、前記配線パターン部に圧接される方向に付勢されていることを特徴とする請求項6に記載の電気機器の取付構造。
【請求項8】
前記接続部材は、前記内部回路部が備えるプリント基板に設けられていることを特徴とする請求項6または7に記載の電気機器の取付構造。
【請求項9】
前記接続部材は、導電板を片持ち状にその一端が前記プリント基板に固着されて他端にばね性が付与されていることを特徴とする請求項8に記載の電気機器の取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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