電気歯ブラシ、及び電気歯ブラシ用ブラシヘッド
本発明は、電気歯ブラシと、毛支持体の可動式装着のための装着手段を含む毛支持体及び毛支持体上に配列された複数の毛房を有する駆動可能なブラシヘッドと、を目的とする。前記毛支持体の中央区域は、中央区域に隣接する中間毛房の断面より大きい断面を有する2つの中央毛房からなる少なくとも1つの毛セクションを備え、中央毛房は、それぞれ、細長い形状、具体的には半月形又はバナナ形又は腎臓形の形状を有し、それらの形状が互いに補完し合うことにより、中央領域は、ほぼ円形又は卵形又は楕円形の構造を有する。複数の毛房は、いくつかの入れ子になった輪又は領域に設けられ、そこに、細長い房断面の外側の輪の外側毛房が装着され、中間の輪には中間毛房が装着され、そのそれぞれの断面は、外側の輪の細長い毛房の断面より小さい。本発明による中央毛房は、中央の有毛区域の高い安定性をもたらすので、中央毛房は、それらの毛房を歯面に押し付ける力の下で容易に逸れ曲がることなく、その押し付ける力を抑える(withhold)ことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気歯ブラシ、及び電気歯ブラシ用の駆動可能なブラシヘッドに関し、この電気歯ブラシは、毛支持体を可動式に装着するための装着手段を含む毛支持体と、毛支持体上に配列された複数の毛房と、を有する。
【背景技術】
【0002】
駆動可能な毛セクションを伴うと、毛支持体上に高い毛密度を達成することが困難であることがしばしばあり、特に、アンカータフティングと呼ばれる手法を用いて毛支持体に毛房を固定することが望まれるときは、なおさらである。一方、電気歯ブラシの駆動可能な毛支持体は、駆動運動を歯の表面に集中させるための表面積が比較的小さく、特に、その駆動が振動回転運動を実行するときはなおさらである。一方、駆動可能な毛セクションには、特別な房の構成が望まれる。例えば、回転運動で振動する丸形の毛支持体では、隣接歯の間にそれらが貫通することを可能にするために、しばしば、歯ブラシの長手方向軸の区域にパワーチップ(すなわち、他の房より高く、他の房を超えて突出する歯ブラシの房)が備えられる。毛支持体の外周辺上のそのような毛房は、便利なことに、幅が狭く長手方向に延びる房の断面を有する細長い輪郭を有するので、隣接歯間の洗浄効果を向上することを可能にし、加えて、毛セクションに適用された歯磨剤を作業表面上によりよく保持することを可能にする。
【0003】
例えば、EP 0835081 B1号に開示されている房は、長手方向軸の領域において円形の回転運動可能な毛セクションの周囲に配置されており、それらよりも内側に配置された房を超えて突出している。毛セクションの外周辺上のそのような延びた房は、隣接歯間の洗浄効果を高めることを実際可能にするが、隣接歯の間に隣接する歯側面(tooth flank)の部分に対する洗浄作用は、いまだに最適化されていない。一方、そのような構成の毛セクションを1つの歯から別の歯へと、ごくやさしく移動することができないために、歯ブラシの長手方向へのブラシヘッドのブラッシング運動によって突き刺されるような感覚がもたらされる。
【0004】
回転運動可能な同様の造りの、毛セクションの作業表面内に中央凹部又はくぼみを含むブラシヘッドは、US−D 478,214号、US−D 517,325号、又はUS−D 455,556号により既知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】EP 0835081 B1号
【特許文献2】US−D 478,214号
【特許文献3】US−D 517,325号
【特許文献4】US−D 455,556号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
その毛セクションの外周辺上の細長い毛房は、いくつかのアンカーワイヤとともに固着されなくてはならず、それに対応する間隔を要求するので、そのような細長い毛房は、アンカータフティング法という手段によって房を固着するときに毛支持体上に高い毛密度を達成することを可能にするための、前述の問題を悪化させる。
【0007】
前述のことを鑑みて、本発明は、先行技術の不利な点を抑える一方で、当該技術をより有利に更に開発する、改善された電気歯ブラシ及び改善されたブラシヘッドを設けることを望む。具体的には、アンカータフティング法によって毛房を固定する可能性をなくすことなく、毛支持体上に高い毛密度を達成することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、本発明にしたがって、請求項1、請求項17又は請求項18に記載のブラシヘッドと、請求項20に記載の電気歯ブラシとによって達成される。本発明の好ましい実施形態については、従属クレームに記述する。
【0009】
本発明の一態様にしたがい、毛支持体の可動式装着のための装着手段を有する毛支持体を備えるブラシヘッドが提案される。毛支持体は、好ましくはほぼ皿形状である。一実施形態では、毛支持体の回転振動の動きが可能となるように装着手段が配列される。複数の毛房は、毛支持体上に配列される。本発明の一態様では、毛支持体は、2つの中央毛房を含む毛セクションを備える中央区域を有し、これらの毛房の断面は、中央区域に隣接して配列された中間毛房の断面より大きい。中央毛房は、細長い形状を有し、具体的には、それらはほぼ半月のような形又はバナナのような形又は腎臓のような形を有するが、直線形の細長い房の中央毛房を除外するべきではない。2つの中央房は、それらの断面形状が互いを補完するように配列され、それによって、特にその毛セクションは、ほぼ円形、卵形、又は楕円構造を有することになる(この構造は、それら2つの中央毛房を備える凸面の包囲された区域によって画定され得る)。概して、2つの中央毛房によって形成される毛セクションの横寸法は、第1の横幅の測定値が、この第1の横幅に対して垂直の第2の横幅の約50%〜100%の寸法であり、具体的には、第1の横幅は第2の横幅の約70%〜約90%である。ここで注意すべきことは、用語「毛房」を、必ずしも長繊維の単一の房が単一の工程によって(例えばアンカータフティングによって)毛支持体に固定されたものとして理解すべきではなく、いくつかの小さい毛房を合わせてより大きいサイズの毛房(「複合毛房」)が形成される多工程プロセスによって構成されたものである場合があるにも関わらず、本質的に単一の毛房のように見える毛房に関係するものとして理解すべきである。更に注意すべきことは、毛房の(房の)断面が、毛支持体の毛房を乗せた表面に対して平行な平面において画定され、複合毛房が単一の毛房のように見えると仮定されることである。
【0010】
本発明の更なる態様にしたがい、毛支持体上に配列される複数の毛房は、互いに入れ子になって内側に収まる輪又は領域において設けられる。したがって、外側の輪又は領域が存在し、その上に外側毛房が装着され、中間の輪又は領域が存在し、この中間の輪又は領域は、外側の輪の内側で入れ子になっており、この中間の輪又は領域上に中間毛房が装着される。本発明のこの態様において、外側毛房は、細長い房断面を有し、外側毛房は、外側の輪又は領域の対向する側に配列される。更に、中間毛房は、外側毛房の断面より小さい断面を有する。本発明のこの態様において、上述のような2つの中央毛房を含む中央区域は、中間の輪又は領域の中央に設けられ、中央領域と隣接する中間毛房は、外側毛房及び中央毛房より小さい断面を有する。
【0011】
大きいサイズの中央毛房を設けることは、動作中のブラシヘッドの中央区域の安定性の向上をもたらす。通常、使用者はブラシヘッドの中央区域を歯の表面に対して押し付けるので、毛密度(房の安定性)が低すぎると、中央区域の毛はその付加された力によって屈曲することになり、結果的に洗浄効果が低減される。共になってほぼ円形、卵形、又は楕円の断面構造を有する提案されている中央毛房は、互いに十分な安定性を設けるので、中央区域の毛の屈曲は効率的に回避される。中央毛房の周囲に、より小さいサイズの中間毛房を設けることによって、毛支持材上に毛房の高密度をもたらすことが可能になる。細長い外側毛房を更に設けることは、毛支持材上の高い毛密度を更に支えるだけでなく、全体の毛房の場の周辺境界上の毛の場全体のための安定性もまた設ける。このように、大きいサイズの中央毛房を設けることは、本発明の一態様にしたがって、高い毛密度及び高い中央安定性をもたらすことになる。提案されているような、入れ子の輪又は領域に設けられる中間毛房及び外側毛房の更なる供給は、本発明の更なる態様の範囲内で、高い毛密度及び周辺の安定性をもたらす。
【0012】
一実施形態では、2つの中央房を備える包囲された円形区域内の毛区域は、包囲された円形区域の少なくとも約40%〜約80%の割合である。特定すると、有毛区域は、前記包囲された円形区域の少なくとも約50%である一部(fraction)を覆い、特定すると、有毛区域は、少なくとも約60%である。
【0013】
別の実施形態では、包囲された円形区域は、毛支持体の全面積の約5%〜約15%である。特定の実施形態では、包囲された円形区域は、毛支持体の面積の約7%〜約9%である。
【0014】
更なる実施形態では、中間毛房は、ほぼ同等のサイズの断面積を有する。これは、同じタフティング機を用いて全ての中間毛房を装着する、比較的シンプルな製造が可能になる。また更なる実施形態では、複数の毛房(外側毛房、中間毛房及び中央毛房を含む)のそれぞれの毛房は、基底面積とほぼ同一の断面積又は基底面積の整数倍数である断面積を有する。この場合、同じタフティング機を使用して全ての毛房を装着することができ、より大きいサイズの毛房は、細長い装着穴に並んで装着される2つ以上の基底毛房から組み立てられ、それによって、複合毛房を形成する。
【0015】
言い換えれば、より高い毛(又は毛房)充填密度が中央区域に設けられ、中央の歯係合区域を形成し、その毛密度の結果として、毛の長さに沿った更なる沈下を防ぐ。この、中央の毛セクションの毛の末端でのより高い密度は、複数の直接隣接する毛房(約1.5mm未満又は特定すると約1mm未満の距離を有する)によって得られる。中央区域に装着される毛房は、2つのより大きいサイズの複合毛房(ただし、それらを固定するために1つ以上のアンカータフティングワイヤを必要とする)を形成するように組み合わされる、及び/又は、皿形状の毛支持体から前進する中央毛房が互いに対して傾き、実質的にタフティング間隙が一切ない密な毛セクションを毛の末端が形成するようにしてもよい。したがって、中央の毛セクションの高密度の毛の末端は、上記の手段のいずれか1つによって、又は上記の3つのアプローチを所望により任意に組み合わせることによって、達成可能である。
【0016】
したがって、毛支持体の周辺外縁(外側毛房)及びその中央区域(中央毛房)に大きい断面積の毛房を集中させること、更に、縁及び中央にある、これらの大きい面積の毛房の間に、小さい断面積の房を中間の房の輪(中間毛房)の上に設けること、並びにその断面の幾何学及びそれらの相対的配向を賢く選択することによって、毛が密に充填されている場合でさえも房締結手段の衝突を回避することが、提案される。本発明によると、外側の輪上の細長い外側毛房の内側に、中間の輪上に配列された、細長い毛房の断面より小さい断面のいくつかの中間毛房があり、中間の輪上のこれらのより小さい房の内側に、中間の輪上の房の断面より大きい断面を有する少なくとも2つの房が設けられる。内側から外側への房断面のこの周期交代のおかげで、高い房密度が達成可能であり、締結手段の衝突がいっそう回避可能になる。加えて、洗浄効果に関する有利な結果ももたらされる。毛は、毛房ではない組み合わせによっても設けられ得ると理解されたい。したがって、上記の説明及び下記請求項に述べるように、毛房の参照は全て、本発明による毛の多数の参照として、代替的にみなされ得る。更に、毛の代わりに他のタイプの歯洗浄要素を代替的に使用してもよい。更に、この文脈において記述された毛房は、外側、中間、及び内側の輪の代わりに、相対的に配列された外側、中間、又は内側の領域上に配列されてもよい。
【0017】
そのほか、毛セクションの中央に通常適用される歯磨剤は、作業表面に、よりよく保持される。
【0018】
本発明の更なる態様において、様々な断面形を有する中間毛房は、少なくとも1つの中間の毛の輪に配列される。具体的には、前記少なくとも1つの中間の輪の中間毛房は、ほぼ正方形の房断面を有するように設けられ得る。あるいは、又は加えて、前記中間の輪はまた、丸い断面、具体的には、円形断面を有する中間毛房も含むことができる。角形(特定すると正方形)である場合、及び丸(特定すると円形)である場合、毛房は、前記中間の輪に配列され、それぞれ異なるセクターに有利に集中される。これを行うための様々な選択肢が一般に存在する。本発明の一実施形態によると、丸い中間毛房は、対向するセクターにある中間の輪上に配列され、毛支持体が偏向されていない中立位にある場合、それらは歯ブラシの長手方向軸を含む。これに対し、中間の輪の角形の毛房は、毛支持体の対向するセクターに有利に配列され、毛支持体の中立位では、横軸に対称に配列される。
【0019】
毛房の固定のために好ましい間隔条件を設けるために、本発明の更なる態様では、中間の輪の角形の毛房(少なくともそれらのいくつか)は、毛支持体の主軸に対して、及びそれらが配列されている輪の環状輪郭に対しても、鋭角に回転される。具体的には、角形毛房の少なくとも1つ、好ましくは1つ置きの角形毛房の主軸は、毛房断面の主軸が中間の輪の接線に対して鋭角に傾斜されるように回転される。結果的に、対応するアンカープレートは、他のアンカープレートの衝突範囲外に回転される。加えて、毛セクション全体の撓み挙動を全体的により均一にすること、特に、方向への依存を少なくすることができる。
【0020】
断面形が異なっていても、中間の輪の毛房は、少なくともほぼ同じ面積の断面を有し、それらの断面積の変化は好ましくは約+/−25%未満、特定すると約+/−10%未満、更に特定すると約+/−3%未満の範囲内である。
【0021】
中間の輪の毛房の断面積と比較して、外側の輪上の細長い外側毛房及び中央区域の少なくとも2つの最も内側の中央毛房は、少なくとも2倍大きい断面積を有する。
【0022】
この構造では、毛セクションの外側の輪に、いくつかの対向して置かれた対の細長い外側毛房が配置されている場合がある。毛セクションの異なる区域における異なる洗浄作用に毛の構成をより良く適応させるために、前記外側の輪は、毛の長さ及び/又は高さ及び/又は断面積において異なる、異なる設計の対の細長い毛房を含むことができる。
【0023】
概して、この文脈において様々な構成が可能である。本発明の実施形態によると、毛支持体の対向するセクターは、毛支持体が偏向されていないその中立位では、歯ブラシの長手方向軸を包含し、歯ブラシの長手方向軸に対して横に、それに対して直角に配向されたセクターにある房より長い毛房及び/又はより大きい断面積の細長い毛房を含む。
【0024】
外側の輪は、細長い外側毛房に加えて、細長くない輪郭の外側毛房を更に設けることができ、それらは、細長い毛房の断面積より小さい断面積の、ほぼ丸形又は正方形の断面を有することができる。
【0025】
本発明の更なる態様において、毛セクションの中央区域は、2つの同等に細長い中央毛房を含み、それらの長手方向軸、すなわちその細長い断面の長手方向の寸法は、毛支持体の主軸に対して平行に整列する。具体的には、前記最も内側の毛房は、毛支持体の偏向されていない中立位において歯ブラシの長手方向軸に対して平行に配向された、及び/又は、外側の輪の細長い毛房に向けて配向された、長手方向軸を有することができ、外側の輪上の細長い毛房は、最大の高さ及び/又は最大の断面積を有する。
【0026】
毛支持体及び/又は毛支持体上に形成された毛セクションは、概して様々な外側輪郭を有することができ、毛支持体は、特に回転駆動されるときに有利な丸い構成である。しかし、本発明の特に有利な更なる態様においては、毛支持体は円形でなく、円形から外れた形状である。具体的には、毛支持体は卵形又は楕円構成、又は同様な方法によるわずかに平坦化された構成であることができる。あるいは、又は加えて、少なくとも外側の列すなわち毛房の外側の輪は、卵形上又は楕円上に、又は同様な方法によって平坦化された輪上に、配列され得る。
【0027】
毛支持体を上から見下ろした際、毛房は、毛支持体の主軸に対して対称に及び/又は回転対称に配列され得、具体的には、毛房、又は、毛支持体上のそれらの付着点は、180°回転することにより、他方の付着点に転換可能となっている。
【0028】
しかし、あるいは、又は加えて、側面図に見られるように毛セクションは非対称の輪郭、具体的には歯ブラシの長手方向軸に対して横方向に非対称の輪郭を有してもよく、特に、高さのプロファイルが他方に比べて一方の側に向かってより激しく隆起するように非対称の輪郭を有してもよい。
【0029】
本発明の更なる態様では、毛セクションは、毛房の自由端によって画定される作業表面内に中央にくぼみを有し、有利にも一方向に湾曲し、それに対して垂直の方向にほぼ一直線の、溝形状の底を有することができる。毛セクション又はその作業面の中間部分にあるそのようなほぼ一軸に湾曲したくぼみによって、歯磨剤又は同様のゲル状の歯洗浄剤をよりよく保持するだけでなく、何よりも、より快適でやさしい洗浄の感覚を伴うよりよい洗浄効果を歯にもたらすことが可能である。対向する周辺側に向かって隆起する作業表面の輪郭は、横方向の歯側面により深く入り込み、いわばそれらの歯側面にぴったり沿って包囲するので、特に隣接歯の間に隣接する歯側面の部分がよりよく洗浄される。
【0030】
中間にプレーンなくぼみ(plane depressions)がある毛セクションと異なり、最も内側の毛房すなわち中間毛房及び中央毛房が最初に逸れ曲がる(bend away)必要はない。むしろ、中間及び中央毛房は、曲がらずに歯面の横方向の側面にぴったりと沿って置かれる。加えて、房の高さの変化によって、特にブラシヘッドを1つの歯から次の歯に動かすときに、よりやさしい洗浄感覚がもたらされ、また、中央領域では、ブラシが歯側面をわたって掃くときに個々の房は、連続的に押しやられ、ブラシヘッドは次の歯の側面の周囲のくぼみの湾曲した表面に沿っていわば押され、ブラシヘッドがいわばくぼみに落ちることはない。具体的には、毛セクションの回転駆動によって、回転軸からの距離が増すにつれて歯側面に沿って進んでいる房がより激しく曲がるので、やさしく拭う運動が追加的にもたらされる。
【0031】
毛セクションの表面のへこんだ中央部分の溝形状の湾曲は、概して様々な方法で達成することができる。例えば、対応する湾曲した毛支持体を設け、一方、房を均一の長さにすることができる。しかし、本発明の更なる態様では、房及び特に房の内側に置かれる房の長さを変えることにより、それらの自由端によって前記溝形状の湾曲を画定する。具体的には、内側に置いてある房の長さは、自由端によって画定される作業表面の湾曲の方向に、毛支持体の中心点からの距離の増加とともに増すことによって、中央のくぼみの前記溝形状の湾曲を画定することができる。より突出している毛がそれらの長さがより長いおかげでより容易に曲がることができるので、そのような変化を持たせた房の長さによって、歯面をわたる毛セクションのやさしい洗浄感覚及びやさしい動きを達成することが可能である。
【0032】
中央のくぼみの最も連続した湾曲表面を得るために、くぼみの領域において前記作業表面を画定する内側の房の自由端は毛支持体に対して平行に延びる末端表面は有さず、毛支持体の表面に対して鋭角に傾斜した末端表面を有し、異なる内側房は異なる傾斜の末端表面を有し、したがって、それらの異なる傾斜の末端表面が互いに補完し合って、中央のくぼみの前記溝形状の輪郭のパスを画定する。具体的には、房の自由端の末端表面の傾斜は、毛支持体の中央からの房の距離が増すにつれてより顕著にすることができ、したがって、前記溝形状の底の壁は毛セクションの周辺縁の方向に徐々に急な傾斜になる。
【0033】
概して、房は、それらの自由端に平面を形成することができる。この場合、内側の房は前記溝形状の湾曲を房から房へ階段状に斜めに増す、いわば畝(chine)型の構造物の形状に画定する。
【0034】
しかし、本発明の好ましい更なる態様では、内側の房の自由端は、前述の溝形状のくぼみを形成する連続に湾曲した包囲された表面を近隣の房の互いに補完し合う自由端が画定するように、平面でなく弧状に湾曲した末端表面をそれらの自由端に有することができる。個々の房の湾曲した末端表面は、有利にも一軸湾曲されており、すなわちそれら自体が既に溝形状に湾曲されており、したがって、一方向に一直線に走る一方で、それに対し垂直の方向への湾曲を有する。
【0035】
毛セクションの作業表面の中央領域の溝形状の湾曲した底は、概して対称の構成、すなわちほぼ放物線状に延在することができる。この場合、内側の房は、毛セクションの対向する周辺側までほぼ同等のレートでそれらの自由端とともに隆起する。
【0036】
本発明の更なる態様において、毛セクションの作業表面内で中央のくぼみの湾曲の非対称のパスもまた設けることができ、この場合、具体的にはバナナ形の溝湾曲を設けることができる。この構造では、毛セクションの作業表面内で中央のくぼみを画定する房は、対向する周辺側に不均等に隆起し、したがって、溝形状のくぼみの1つの上位の縁は、それに対向する縁より高い。そのほか、これを使用して、例えば、使用者が歯側面に対して正確でない接線にブラシヘッドを位置づける傾向を補正して、むしろ好ましくはわずかにV形の配向に位置づけるようにすることができる。
【0037】
更に大きく改善された隣接歯間清浄効果さえも達成すべく、本発明の更なる態様では、より外側の又はより長い又はより高い房は、それらの自由端表面上に少なくとも1つの面取り部を有する。具体的には、末端表面の外側縁を面取りして面取り部にすることができる。第一に、前記外側のより長い毛房は、隣接歯間をよりよく貫くことができる。その一方で、周方向に外側に置かれている房の面取り部は、毛セクションをいわばくさび形の傾斜した表面として隣の歯側面上に隆起するので、そのブラシヘッドをより容易に、よりやさしく、1つの歯から隣の歯へ移動することができる。
【0038】
この構造では、外側のより長い房は内側と外側との両方に向かってほぼ面取りされる。しかし、本発明の一実施形態では、1つの面取り部のみが、それぞれの房の側部の1つの側部に設けられ、したがって、十分に幅広の、面取りされていない末端表面が残され、結果的に、洗浄効果は隣接歯間及び歯側面に同等に達成される。
【0039】
本発明の特に有利な更なる態様では、房の自由端の外側の縁、すなわち内側の房に背を向けている縁が面取りされる。結果的に、1つの歯から隣の歯へブラシヘッドを特にやさしく押すことができる。
【0040】
あるいは、又は加えて、前記外側のより長い房の末端表面の内側の縁もまた面取りすることができる。結果的に、毛セクションの作業表面を、丸い体の歯側面に対して特にぴったりと適応して置くことができる。内側面取り部は、毛セクションの作業表面の中央の溝形状の湾曲したくぼみのいわば連続部分である。
【0041】
あるいは、又は加えて、ブラシの長手方向に対して横方向にある前記外側のより短い房の末端表面の内側の縁もまた面取りすることができる。これは、歯肉から歯にかけての区域の洗浄効果を強める。
【0042】
房の適用及び構成に依存して、周辺のより長い房の面取り部を様々に目だたせることができる。歯間及び歯面の表面間の両方で良好な洗浄効果は、周辺の房の前記面取り部が、その房の面取りされていない末端表面に対して約20°〜60°、好ましくは25°〜40°の角度で傾斜されているときに達成され得る。前記面取り部が房の末端で房の幅の約25%〜75%にかけて延在する場合は、隣接歯間への容易な挿入と、歯側面への残りの洗浄能力との間の有利な妥協を実現することによって、概して、様々な面取り部の深さを選択することができる。この文脈において、「幅」は、房の長手方向軸に対して垂直で、面取り部の長手方向に対して横の、房の寸法を意味すると理解される。
【0043】
特に効果的なのは、周方向に外側のより長い毛房、特に前記面取り部と組み合わされた毛房であり、前記房が、少なくともそれらの外側で、毛支持体に対して縦の鋭角で外側周辺側に向かって傾斜されるとき、これは、好ましくは1.5°〜15°の範囲の角度、好ましくは約3〜10°の角度である。結果的に、房は、ブラシヘッドの往復動の間に一方向に座屈することへの抵抗が低下し、したがって、隣接歯間へのよりよい挿入をもたらす。
【0044】
本発明の更なる態様において、前記外側のより長い毛房は、それらの自由端に向かって大きくなる断面積、及び/又は、毛支持体からそれらが進むにつれて広がる外側面を有する。具体的には、前記周方向に外側の毛房は、長手方向の断面図に見られるように台形に形作ることができ、したがって、房の自由端は毛支持体上のその基底より広い。第一に、そのような台形の構成は房の自由端上により大きい作業表面をもたらす。一方、扇形に広がっていることにより、房内の毛が互いに対してより容易に動くことが可能になり、結果的に、全体として歯の輪郭によりよく適合し、洗浄性能を向上する。具体的には、房の自由端の外側面取り部によって、前記房は、歯面の境界の輪郭によりよく入り込む、より触知可能な縁を有する好ましい幾何学的比率を得る。
【0045】
外側のより長い房の台形の構成は、有利にも、毛支持体に対して垂直の関係において非対称である。具体的には、前記房の、内側の房に面する内側の側面は、毛支持体の表面に対してほぼ垂直に延在することができ、一方、それぞれの房の、内側の房に背を向けている外側は、毛支持体の垂直線に対して鋭角に、外側に向かって傾斜する。したがって、外側の側面は、ある角度で外向きに立ち、一方、内側の側面は真っ直ぐに立つ、すなわち毛支持体の表面に対してほぼ垂直に整列する。
【0046】
細長い毛房では、前述の房の自由端上の面取り部は、房の細長い末端表面の長手方向軸に対して有利にも平行に及び/又は正接に、延在する。
【0047】
本発明の更なる態様では、外側のより長い毛房は、対向する周辺側の対向する周辺セクターの外側周辺上に設けられ、したがって、中央のくぼみは、毛セクションの作業表面内で対向する周辺のより長い房の間に延在する。この構造では、より長い外側毛房は、有利にも、毛セクションの全周辺に沿ってではなく、好ましくは60°/セクターの角度未満の限られた角度のセクターにのみ設けられるが、より長い、高い外側毛房のいずれも、中央領域の溝形状の湾曲したくぼみが最も深い中間セクターの周辺にもはや位置づけられない。溝形状の中央のくぼみは、毛セクションのいわば全体にわたって横方向に延在する。溝形状のくぼみがその最も深いところにある前記セクターにおいて、外側の周辺の房は、溝形状のくぼみの輪郭構成に適合されるか、その一部を形成する。
【0048】
ブラシヘッドは、概して様々な方法で駆動され得る。歯ブラシ及びその駆動の構成に依存して、異なる駆動運動学を実施することができる。本発明の有利な更なる態様では、駆動運動は、毛支持体を通って延在する回転軸の周囲の振動回転運動を含む。本発明の有利な実施形態では、前記回転軸は、その中心点又は重心を通って毛支持体の平面に対して垂直に延在することができる。
【0049】
しかし、本発明の代替実施形態によると、回転軸が偏心に位置づけられることもまた可能であり、したがって、毛セクションの異なる周辺側において異なる強度の運動構成要素が生成される。本発明の有利な更なる態様では、この偏心は、外側のより長い毛房に適用され、すなわち、回転軸は、対向する外側のより長い房を通る接続線に対して平行に変位される。毛セクションの構成に依存して、偏心は、一方では異なる周辺側の所望の異なるサイズの洗浄動作と、他方では回転軸が毛支持体の直径線を55%〜45%から最高70%〜30%の長さ比率で分割するときに達成されるなお許容される振動と、を上手く妥協することによって様々に顕著にすることができる。
【0050】
あるいは、又は加えて、毛支持体の回転軸を、前記支持体によって画定された平面に対して鋭角に傾斜することが可能であり、傾斜角は、毛支持体の平面に対して好ましくは89°〜65°、特定すると88°〜82°の範囲内である。結果的に、毛セクションの溝形状の湾曲面の形状とともに、回転運動に打突運動を付加することが可能である。好ましくは、回転軸は、毛セクションが歯ブラシのハンドピースから傾いて離れるように傾けられる。これは、特に臼歯及び切歯の内側の面に関して、洗浄が難しい歯の区域への到達をより容易にする。
【0051】
本発明の更なる態様では、毛セクションの回転振動が与えられると、平面図で細長く見える、周方向に外側のより長い房の末端表面は、回転軸の周りで弧状に、具体的には回転軸の周りで円弧状に延びる。
【0052】
本発明の更なる態様では、より長い外側毛房の外端上の前述の面取り部は、直線で延在することができるが、房の弧状に湾曲した細長い末端表面にほぼ接線方向に好ましくは延在できる。第一に、これは房の生産を簡易にする。また、これは、面取り部の幅及びそれと付随して面取りされていない末端表面に周方向の変化をもたらし、くさび形表面の様式においてこれは、隣接歯間への、対応する房の連続的な挿入と退出を引き起こすことができる。
【0053】
しかし、本発明の別の実施形態によると、特に房の面取り部及び/又は残りの非面取り部の末端表面が、周方向に一定の輪郭及び幅を有するようにするために、面取り部が回転軸の周囲で同等に弧状湾曲に延在することもまた可能である。結果的に、歯側面への房の非常にやさしい接触及び隣接歯の間への好適又は均質な貫通が可能となる。
【0054】
外側のより長い房は、毛セクション又は毛支持体の周辺の約25%〜75%を覆う距離に沿って内側の房を囲む。
【0055】
作業表面の前記中央のくぼみを画定する自由端を有する内側の房は、それらの自由端でほぼ連続した表面に形成することができ、したがって事実上連続した溝形状のくぼみをもたらすことができる。したがって、それは第一に、歯側面全面の包囲を達成することが可能であり、したがって、大きい区域にかけての洗浄効果が可能である。その一方で、それは歯磨剤又は歯洗浄剤の配置に有益な影響を有し、歯磨剤又は歯洗浄剤は、毛セクションの作業表面によりよく保持され、房間から毛支持体に流れ落ちにくくなる。
【0056】
本発明の代替的な更なる態様では、前記内側の房は、それらの自由端によって、分離した末端表面を形成することが可能であり、その結果、緩んだ破片の排出をしやすくすることが可能になる。
【0057】
本発明のこれら及び更なる特徴は、請求項の要約とは無関係に、単独で又は任意の二次的な組み合わせにおいて使用されたときに本発明の課題を形成することが可能であり、請求項からによってのみでなく、本発明の好ましい実施形態をより詳細に説明する後続の説明及び添付の図からもまた明確になるであろう。これらの図面では、
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の代表的な実施形態による回転駆動可能なブラシヘッドを有する電気歯ブラシの概略的側面図。
【図2】図1の歯ブラシのブラシヘッドの上面図。
【図3】歯ブラシの長手方向軸に対して平行な、図2の線B−Bに沿って取られたブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図4】図2の線A−Aに沿って取られた図2のブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図5】房の面取り部を示す拡大概略図において示された図3の外側のより長い毛房の1つの拡大側面図。
【図6】本発明の別の実施形態による、図1の歯ブラシのブラシヘッドの概略的上面図。
【図7】歯ブラシの長手方向軸に対して平行な図6の線B−Bに沿って取られた歯ブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図8】図6の線A−Aに沿って取られたブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図9】本発明の別の実施形態による、図1の歯ブラシのブラシヘッドの概略的上面図。
【図10】歯ブラシの長手方向軸に対して平行な、図9の線B−Bに沿って取られた歯ブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図11】図9の線A−Aに沿って取られたブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図12】本発明の別の実施形態による、図1の歯ブラシのブラシヘッドの概略的上面図。
【図13】歯ブラシの長手方向軸に対して平行な図12の線B−Bに沿って取られた歯ブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図14】図12の線A−Aに沿って取られたブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図15】本発明の別の実施形態による、図1の歯ブラシのブラシヘッドの概略的上面図。
【図16】歯ブラシの長手方向軸に対して平行な図15の線B−Bに沿って取られた歯ブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図17】図15の線A−Aに沿って取られたブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図18】本発明の別の実施形態による、図1の歯ブラシのブラシヘッドの概略的上面図。
【図19】歯ブラシの長手方向軸に対して平行な図18の線B−Bに沿って取られた歯ブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図20】図18の線A−Aに沿って取られたブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図21】本発明の別の実施形態による、図1の歯ブラシのブラシヘッドの概略的上面図。
【図22】歯ブラシの長手方向軸に対して平行な図21の線B−Bに沿って取られた歯ブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図23】図21の線A−Aに沿って取られたブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図24】本発明の別の実施形態による、図1の歯ブラシのブラシヘッドの概略的上面図。
【図25】歯ブラシの長手方向軸に対して平行な図24の線B−Bに沿って取られた歯ブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図26】図24の線A−Aに沿って取られたブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図27】本発明の別の実施形態による、図1の歯ブラシのブラシヘッドの概略的長手方向の断面図であり、図では、周方向に外側のより長い毛房は、それらの外端上に内側面取り部を有する。
【図28】図27のブラシヘッドの概略的機能図であり、毛セクションの湾曲した作業表面がいかにして歯側面に沿って進むかを示している。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1に示す代表的な電気歯ブラシ1は、ハンドルセクション2と、それに取り外し可能に連結されるように適応されるブラシヘッド4とを備える。ブラシヘッド4は、ハンドルセクション2に接続された歯ブラシ1の首セクション3を備えており、前記首セクション3は部分的に中空の管の形状に構成されている。
【0060】
ハンドルセクション2は、その内部に、好ましくは充電式電池の形態であるエネルギー源20と、好ましくは電気モーターの形態であるモーター5と、制御装置21とを収容する。
【0061】
実施形態で示されるように、モーター5の回転運動は、伝動装置22の手段によって、首セクション3を通ってブラシヘッド4の遠位端まで延在するドライブシャフト23の振動回転運動に転換される。歯ブラシ1は、ハンドルセクション2上に装着されたスイッチ24によって起動及び停止することができる。
【0062】
好適な伝動装置(例えば、実施形態に示されているのと異なるベベルギヤ25)を使用する既知の方法で、ドライブシャフト23の末端で、ある毛支持材7を、歯ブラシの長手方向軸26に対して横方向にほぼ延びる回転軸9の周りで振動回転運動を駆動可能である。これが生じるにつれて、ブラシヘッド4の毛支持体7によって掃かれる角度範囲は、約±35°〜±5°の範囲の値を有し、また、±10°〜±100°の範囲の振動が可能である。振動周波数は、例えば10Hz〜100Hzの間で変動すること及びその間にあることができる。図1に示す実施形態では、回転軸9は歯ブラシの長手方向軸26と直角を成す。加えて、ブラシヘッド4の駆動は、回転又は振動の軸の方向への脈動のために、第3の次元に設けられる。
【0063】
図2〜5は、歯ブラシ1のブラシヘッド4に使用するブラシ部の代表的な実施形態を示す。この実施形態では、毛支持体7は丸いが円形ではなく(ただし円形を除外しない)、わずかに卵形及び/又は楕円形であり、中立位の毛支持体7において卵形又は楕円形の長軸が歯ブラシの長手方向軸26に対して平行に延び、卵形又は楕円形の短軸はそれに対して横方向に延びる。図2において、卵形又は楕円形の長軸は線B−Bと平行である。
【0064】
毛支持体7上には複数の毛房が配列され、これらの毛房は、いくつかの輪12、14及び15に配列され、毛セクション10の上に拡がる。図2に図示された実施形態では、外側の輪12上には8つの外側毛房が配置されており、それらのうち4つは細長い輪郭を有するが、他の4つは概して丸い若しくは等辺の断面輪郭を有する。前記外側の輪12上の房の長さには変化があり、これについてはより詳細に説明するが、概して、より長い房は、セクター29及び30でなく、対向するセクター27及び28に概して設けられ、これらは毛支持体7の初期位置では歯ブラシの長手方向軸26を包含し、セクター29及び30はその横方向に配向される、すなわちそれらの間に置かれる(図2を参照)。
【0065】
図2に示すように、房11及び31は外側の輪12上に主軸B−B及びA−A上にそれぞれ置かれ、上面図で細長くなっており、一方、それらの間に置かれる房32はほぼ等辺の輪郭を有するか、又はほぼ立方体(cubic)若しくは丸い断面を有する。前記細長い房11及び31は、振動/回転軸9の周りに弧状に湾曲して延在する(図2を参照)。
【0066】
この構造では、より長い主軸B−B上に置かれた外側毛房11は、周辺セクションの約50°〜90°にかけて、好ましくは約70°にかけて延在し、一方、より短い主軸A−Aに置かれた外側毛房31は、周辺セクションの、約20°〜45°にかけて、好ましくは約30°にかけて延在する。
【0067】
外側から見て第2の房の輪15上には、合計10の中間毛房13a及び13bが配置されており、そのいくつかは円形断面を有し、残りは角形の断面を有する。具体的には、円形断面を有する中間毛房13aは、図2に示されるように、外側の輪12のより長い外側毛房11が置かれているセクター27及び28に配列され、一方、角形の房は第2の輪14上に、毛支持体7の中間セクター29及び30に設けられる。また、第2の輪14上のこれらの中間毛房13a及び13bの長さは、短い主軸に置かれるセクター29及び30でなく前記セクター27及び28により長い房が設けられるように、輪14の周辺に沿って房から房へと周期的に変化する。
【0068】
中間の輪14の丸い中間毛房13a及び角ばった、ほぼ正方形の(又は角形)中間毛房13bは、それらの異なった断面輪郭とは無関係に、だいたい少なくともほぼ同じ区域を有する。
【0069】
図2が示すように、毛房の固定のために好ましい隙間条件を設けるために、本発明の更なる態様では、中間リング14の角形の中間毛房13b(少なくともそれらのいくつか)を、毛支持体7の主軸A−A及びB−Bに対して、及びまた、それらが配列される輪14の環状輪郭に対して、鋭角に回転することができる。具体的には、角形の中間毛房の少なくとも1つ、好ましくは第2の角形の中間毛房13bの主軸は、毛房断面の主軸37が中間の輪14の接線に対して鋭角に傾斜されるように回転され得る。これによって、対応するアンカープレートは、他のアンカープレートの衝突範囲外に回転される。加えて、毛セクション全体の撓み作用を全体的により均一にすること、特に、方向への依存を少なくすることができる。
【0070】
最後に、外側から見て最も内側の区域又は第3の房の輪には、2つの細長い中央毛房13cが設けられ、これらは、より長い主軸B−Bに平行な長手方向軸38に沿って延在する。
【0071】
中央毛房13cは、中間の輪の中間毛房13a及び13bよりはるかに大きい断面積を有する。図の実施形態では、それらの断面積は中間の輪14の中間毛房13a及び13bの断面積の200%〜400%である。
【0072】
この構造では、中央毛房13cは、それらの長手方向の寸法38がそれらの横方向の寸法の150%を超え、好ましくはほぼ150%〜300%である、細長い構成にある。図の実施形態では、中央毛房13cは有利にも外側輪郭が凸面形に湾曲し、内側輪郭が一直線であり、内側輪郭と外側輪郭とは有利にも丸い端部輪郭によって接続されている。したがって、代表的な中央毛房13cの全体的な形は、ほぼバナナ形である。これら2つのほぼ半月形の中央毛房13cは、それらが共になってほぼ楕円形の毛セクションを形成するようにそれらの形が互いを補完するように配列される。概して、2つの中央毛房の形は、ほぼ半月形又はバナナ形又は腎臓形であってよく、それらの形が互いを補完して、2つの中央毛房の周囲を包囲された引かれる凸面湾曲によって画定される概して丸い、例えば円形、卵形、又は楕円形の毛セクションを形成するように配列され得る。
【0073】
示される中央毛房13cは、毛支持体の主軸に対して平行に整列された長手方向軸38を有し、毛支持体7の偏向されていない中立位においては、歯ブラシの長手方向軸26又はそれを通る長手方向中央平面に対して平行に延びる。それらの房は、その毛の末端で、実質的に均質の密に充填された毛末端表面を形成する。これは、中央毛房が互いに傾斜し合うように約1°〜2°の角度で回転軸の方へ内向きに傾けられたタフティング穴壁13dを設けることによって達成される。
【0074】
図3に示すように、毛セクション10の房は、それらの長さ及び/又は高さに関して互いに凹凸があるか、互いに協調した自由端を有し、したがって、それらの房の自由端によって画定される毛セクション10の作業表面34は溝形状の底17を有する中央のくぼみ16を有し、このくぼみは一方向において湾曲しており、それに対する垂直の方向においては真っ直ぐである。この湾曲は、有利にも、毛支持体7がその偏向されていない中立位にあるとき、より長い主軸B−Bの方向に、すなわち歯ブラシの長手方向軸26の方向に延在する。それに対する垂直の方向、すなわち毛支持体7がその偏向されていない中立位にあるときに毛支持体7の短い方の主軸A−Aに対して平行に、及び/又は、歯ブラシの長手方向軸26に対して横方向に、延びる方向においては、くぼみ16は図3に示すように真っ直ぐな輪郭を有する。
【0075】
中央のくぼみ16は様々な深さに構成され得る。本発明の有利な更なる態様において、くぼみ16の最も深い点は毛セクション10の最も高い点より約1mm〜3mm、好ましくは約2mm深いところに設定される。くぼみ16の底17の溝形状の輪郭は、概して異なる曲率を有することができる。図3〜5に示した実施形態では、8mm〜17mmの範囲、好ましくは約10mm〜14mmの範囲の曲率半径を有する円弧形の輪郭が設けられるが、これは、毛セクションの寸法及び構成に依存して変化し得る。
【0076】
図3に示すように、同じように組み合わせて溝形状の底17を画定する中間及び中央毛房13a、13b、13cの末端表面、及びより短い外側毛房31の末端表面は、平面としてでなく、それら自体が同じように溝形に湾曲されたものとして、構成される。溝形状の湾曲した末端表面35は互いを補完するように組み合わされて、中央のくぼみ16の底17の前記溝形状の輪郭を形成する。具体的に述べると、回転軸9から主軸B−Bに平行な方向への距離が増すにつれて、中間毛房及び中央毛房13a〜13cの末端表面の傾斜は増す(図3を参照)。言い換えれば、横方向に延びる主軸A−A上に配列される毛房は、それらの自由端においてわずかに湾曲されるものの、毛支持体の表面に対して実質的に平行に整列し、一方、それらの自由端の傾斜は、前記主軸A−Aからの距離が増すにつれて増す。
【0077】
同じく図3に示すように、セクター27及び28において外側の輪12に配列される外側毛房11は、他の房より長く延びている、すなわちそれらより長く、そのため他の房を超えて突き出ている。この結果、中央のくぼみ16に対して一段の高さ上昇部(図3を参照)、すなわち、図3に示す実施形態では中央のくぼみ16は前記外側毛房11の末端表面と滑らかに合流しない。
【0078】
毛支持体の中立位において歯ブラシの長手方向軸26を含む、対向するセクター27及び28における前記外側毛房11は、有利にも、房11の長手方向軸に対してほぼ垂直に配列される平坦なセクション19と、外側に向かう前記末端表面36に面取りされた面取り部18と、を含む末端表面36を有する。
【0079】
図5に示すように、前記面取り部18は約20°〜60°、好ましくは約30°〜40°の範囲で角度γで延在する。面取り部18は有利にも、その対応する房11の幅Wのほぼ25%〜75%を覆う深さ及び幅である。この場合、幅Wは、房の自由端の領域における、その長手方向軸に垂直で、その面取り部18の長手方向に垂直の寸法であると理解される(図5を参照)。図5に示す実施形態では、面取り部は幅Wの約4分の1から4分の3(長手方向軸B−Bに沿って測定)にかけて延在する。
【0080】
前記より長い外側毛房11は、長手方向のセクションとして見たとき全体として台形構成である。房11の内側に置かれている側面は、毛支持体7によって画定される平面に対してほぼ垂直に延在するが、外側に置かれている側面は毛支持体7上の垂線に向かって約1.5°〜10°、好ましくは約3°〜5°の角度αで傾斜し、そのため、房11の断面はその自由端に向かって増す、すなわち、この房はその自由端に向かって広がる。結果的に、毛支持体7のサイズを制限しつつ、大きい作業表面を得ることができる。加えて、房11の自由端において、房11の面取り部18に対して好ましい幾何学的比率がもたらされる。
【0081】
歯側面をできるだけ完全に抱くために、及び広い区域にかけてブラシの圧力を分布するために、及び歯磨剤又は同様のものを作業表面34に保持するために、房の自由端は、有利にも、毛支持体7によって画定される区域の少なくとも35%〜55%、好ましくは50%以上を占有する。図2に示すように、全ての房の伸張をともに合計すると、外側の輪12上の房は周辺セクションの約200°〜300°にかけて延在することができる。外側から見て2番目の輪14は、同様に、周辺に沿った全ての房をともに合計すると、全体で周辺のほぼ200°〜300°にかけて延在することができる。最も内側の房は、その全表面にかけて実質的に閉じられた区域を、有利にもそれらの自由端で覆うことができる。
【0082】
図6〜8に示すブラシヘッド4の実施形態は、図2〜5の実施形態と実質的に対応するので、説明の重複を避けるために、対応する前述の説明を参照する。図6から8の実施形態が図2〜5の実施形態と実質的に異なる唯一の点は、中央の溝形状のくぼみ16の輪郭がやや深いことであり、このくぼみは、より小さい曲率半径で、房の外側の輪12上の細長くない房32の丸い輪郭全体の中及び上において、湾曲している。
【0083】
図9〜11に示すブラシヘッド4の他の実施形態は、図6〜8の実施形態と実質的に対応するので、説明の重複を避けるために、その前述の説明を参照する。先に述べた実施形態と異なり、偏向されていない中立位において歯ブラシの長手方向軸25を含む、毛支持体7のセクター27及び28におけるより長い外側毛房11は、より顕著な面取り部18を有し、それらは、隣接歯間へのこれらの房11のよりよい貫通を可能にするために、末端表面36の平坦なセクション19に対して55°の角度γで面取りされる。
【0084】
一方、内側の房13のいくつか及び/又は全て、具体的には、自由端が中央のくぼみ16の溝形状の底を画定する中間毛房13b及び中央毛房13cは、特別に構成された自由端を有する。前記中間毛房13b及び中央毛房13cは、末端が広げられた長繊維を少なくとも部分的に含み、そのおかげで、それらの自由端において、いわば柔らかいパイル及び/フリースが生成され、その結果、歯磨剤は特にこの領域によく保持され、それらの房は歯面の表面のほぼ全面の周囲にぴったり沿う。
【0085】
図12〜14に示す実施形態は、図9〜11の実施形態と実質的に対応するので、その前述の説明を参照する。前述の実施形態と異なり、くぼみ16の底17の同じ曲率に対して、くぼみ16の最も深い点と毛セクションの最も高い点との間の高さの最大差はより大きく、約2mmである。セクター27及び28の領域の毛の長さは異なる。これは、臼歯及び切歯の内側歯面へのよりよいアクセスを可能にする。加えて、毛の外側の傾斜は3°〜5°である。
【0086】
図15〜17のブラシヘッド4の他の実施形態は、図12〜14の前述の実施形態と実質的に対応するので、その前述の説明を参照する。前述の実施形態と異なり、毛支持体7の最も内側の輪15は、わずかに楕円の断面を実質的に有する、長手方向軸が主軸B−Bに対して平行に配向されている2つの、細長さの度合いが少ない房13cを含む。しかし、図17に示すように、前記最も内側の房13cは、より顕著なテーパーで広げられているので、それらの断面は自由端に向かって増す。図17に示すように、中間毛房及び中央毛房13a、13b、13cは約0°〜10°、好ましくは約1.5°〜5°の開始角度で広がって、それらの自由端の領域で2つの中央毛房13cがいわば合致して接合表面を形成する一方で、毛支持体7上のそれらの足元の末端では、それらの毛房は、互いに間隔を空けて配置される。
【0087】
図18〜20に示す実施形態は、前述の図15〜17の実施形態と実質的に対応するので、その前述の説明を参照する。しかし、前述の実施形態と異なり、セクター27及び28の、より高い外側毛房11の面取り部18は異なる構成である。前述の実施形態の面取り部18は直線で延在し、すなわち、上面図で見られるように房11の弧状の形にも関わらず平面を画定するが、図18〜20の実施形態の面取り部18は弧状に湾曲しており、それらの面取り部18は房11の湾曲形に従って回転軸9の周りで同じように湾曲され、結果的に、房11の実質的に均一の面取りがもたらされる。より正確に述べると、面取り部18は房11の形を追従するので、房11は、それらのほぼ全長すなわちそれらの周方向の次元に沿って同量が面取りされる。これは、前述の他の実施形態にも適用され得る。
【0088】
図21〜23に示す実施形態は、図12〜14の実施形態と実質的に対応するので、その前述の説明を参照する。図21〜23の実施形態では、より長い外側毛房11に対するくぼみ16は、図15〜17と比較してより深く作られ、したがって、くぼみ16の最も深い点と房11の最も高い点との間に約2mmの高さの差が生じる。
【0089】
図24〜26に示す実施形態は、前述の図18〜20の実施形態と実質的に対応するので、その前述の説明を参照する。前述の実施形態と比べて、くぼみ16はより長い外側毛房11に対してより深く作られ、したがって、高さにして約2mmの最大差が生じる。
【0090】
図27に示すように、セクター27及び28、並びにセクター29及び30にそれぞれ配列される、より長い外側毛房11及びより短い外側毛房31は(この場合、歯ブラシの長手方向軸26は、好ましくは、毛支持体7の偏向されていない中立位に置かれる)、その内側の側部すなわち回転軸に近い側にも面取り部18を有することができ、面取り部18の幅及び角度は前述の幾何学的比率にほぼ相当することができる。図27に示すように、房11の内側すなわち内側面に面取りが設けられる前記房11は、同じように台形であるが、支持体7上の垂線に向かって3°〜10°の範囲に鋭角に傾斜され、一方、外側面は支持体7に対してほぼ垂直に立っている。
【0091】
図28に示すように、より長い外側毛房11の内側の側部上の前記面取り18の結果として、それらの毛の自由端は歯側面の上反りの輪郭に特にぴったり沿って置かれる。
【0092】
内側の面取りを含む変異型は、歯肉の上の歯面の区域への洗浄効果を高める能力があるので、より短い外側毛房31と共に好ましい。
【0093】
本発明の以下の更なる態様は、別の実施形態において、及びこれらの請求項に具体的に特徴づけられる請求項の機構の特徴の補足として又はそれらから独立して、設ける。中央毛房の断面積が、中間領域に配列される毛房13a、13b、32の断面積の1倍から4倍の整数である、ブラシヘッド。ブラシヘッドは、中間毛房13a、13b、32の断面積が1.75±0.25mm2の範囲である。ブラシヘッドは、13a、13b、32に対する毛房11の断面積が4対1の比率であり、同時に、13a、13b、32に対する毛房31の断面積が2対1の比率である。ブラシヘッドは、毛房13c対13a、13b又は32の断面積の比率が2対1である。ブラシヘッドは、曲率が半径8〜17mm、又は好ましくは11〜14mmである円筒構成である。ブラシヘッドは、使用される毛が0.01〜0.025mm2の範囲の断面積又は4.5〜7ミルの直径を有する。ブラシヘッドは、平坦なセクション19に対する毛房11の毛の長さが8.55±0.25mmである。ブラシヘッドは、毛セクションのくぼみ16又は中央領域の、最も深い点に、最低でも6.85±0.25mmの毛の長さが設けられる。ブラシヘッドは、外側に対する、毛セクションの外側毛房11の毛の最大長が8.8±0.25mmであり、毛セクションの同じように外側の対向する毛房11の毛の最大長が8.15±0.25mmである。ブラシヘッドは、毛セクションの中央領域の毛が扇状に広がることができ、具体的には、毛の末端からのその扇状の広がりが1〜2.5mmの範囲内である。ブラシヘッドは、毛房11、31が、毛セクションの中央に面する内側上に面取り部18を含む。ブラシヘッドは、毛房が、その外側領域に(図5に図示するような)台形構造を有する。ブラシヘッドは、毛房31、32の鋭角(α)又は傾斜が、毛房11の角度より小さい。ブラシヘッドは、好ましくは支持体7に対して毛房11が3°の鋭角(α)であり、毛房31、32が直角である。ブラシヘッドは、全ての房の断面積の毛密度が支持体7の表面の35〜50%である。ブラシヘッドは、毛房13cの外側が支持体上の垂線に対して内向きに又は回転角に向かって1〜5°の鋭角に傾斜されている。
【0094】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0095】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願書類を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、その全体を参考として本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0096】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の書類名特許請求の範囲で扱うものとする。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気歯ブラシ、及び電気歯ブラシ用の駆動可能なブラシヘッドに関し、この電気歯ブラシは、毛支持体を可動式に装着するための装着手段を含む毛支持体と、毛支持体上に配列された複数の毛房と、を有する。
【背景技術】
【0002】
駆動可能な毛セクションを伴うと、毛支持体上に高い毛密度を達成することが困難であることがしばしばあり、特に、アンカータフティングと呼ばれる手法を用いて毛支持体に毛房を固定することが望まれるときは、なおさらである。一方、電気歯ブラシの駆動可能な毛支持体は、駆動運動を歯の表面に集中させるための表面積が比較的小さく、特に、その駆動が振動回転運動を実行するときはなおさらである。一方、駆動可能な毛セクションには、特別な房の構成が望まれる。例えば、回転運動で振動する丸形の毛支持体では、隣接歯の間にそれらが貫通することを可能にするために、しばしば、歯ブラシの長手方向軸の区域にパワーチップ(すなわち、他の房より高く、他の房を超えて突出する歯ブラシの房)が備えられる。毛支持体の外周辺上のそのような毛房は、便利なことに、幅が狭く長手方向に延びる房の断面を有する細長い輪郭を有するので、隣接歯間の洗浄効果を向上することを可能にし、加えて、毛セクションに適用された歯磨剤を作業表面上によりよく保持することを可能にする。
【0003】
例えば、EP 0835081 B1号に開示されている房は、長手方向軸の領域において円形の回転運動可能な毛セクションの周囲に配置されており、それらよりも内側に配置された房を超えて突出している。毛セクションの外周辺上のそのような延びた房は、隣接歯間の洗浄効果を高めることを実際可能にするが、隣接歯の間に隣接する歯側面(tooth flank)の部分に対する洗浄作用は、いまだに最適化されていない。一方、そのような構成の毛セクションを1つの歯から別の歯へと、ごくやさしく移動することができないために、歯ブラシの長手方向へのブラシヘッドのブラッシング運動によって突き刺されるような感覚がもたらされる。
【0004】
回転運動可能な同様の造りの、毛セクションの作業表面内に中央凹部又はくぼみを含むブラシヘッドは、US−D 478,214号、US−D 517,325号、又はUS−D 455,556号により既知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】EP 0835081 B1号
【特許文献2】US−D 478,214号
【特許文献3】US−D 517,325号
【特許文献4】US−D 455,556号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
その毛セクションの外周辺上の細長い毛房は、いくつかのアンカーワイヤとともに固着されなくてはならず、それに対応する間隔を要求するので、そのような細長い毛房は、アンカータフティング法という手段によって房を固着するときに毛支持体上に高い毛密度を達成することを可能にするための、前述の問題を悪化させる。
【0007】
前述のことを鑑みて、本発明は、先行技術の不利な点を抑える一方で、当該技術をより有利に更に開発する、改善された電気歯ブラシ及び改善されたブラシヘッドを設けることを望む。具体的には、アンカータフティング法によって毛房を固定する可能性をなくすことなく、毛支持体上に高い毛密度を達成することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、本発明にしたがって、請求項1、請求項17又は請求項18に記載のブラシヘッドと、請求項20に記載の電気歯ブラシとによって達成される。本発明の好ましい実施形態については、従属クレームに記述する。
【0009】
本発明の一態様にしたがい、毛支持体の可動式装着のための装着手段を有する毛支持体を備えるブラシヘッドが提案される。毛支持体は、好ましくはほぼ皿形状である。一実施形態では、毛支持体の回転振動の動きが可能となるように装着手段が配列される。複数の毛房は、毛支持体上に配列される。本発明の一態様では、毛支持体は、2つの中央毛房を含む毛セクションを備える中央区域を有し、これらの毛房の断面は、中央区域に隣接して配列された中間毛房の断面より大きい。中央毛房は、細長い形状を有し、具体的には、それらはほぼ半月のような形又はバナナのような形又は腎臓のような形を有するが、直線形の細長い房の中央毛房を除外するべきではない。2つの中央房は、それらの断面形状が互いを補完するように配列され、それによって、特にその毛セクションは、ほぼ円形、卵形、又は楕円構造を有することになる(この構造は、それら2つの中央毛房を備える凸面の包囲された区域によって画定され得る)。概して、2つの中央毛房によって形成される毛セクションの横寸法は、第1の横幅の測定値が、この第1の横幅に対して垂直の第2の横幅の約50%〜100%の寸法であり、具体的には、第1の横幅は第2の横幅の約70%〜約90%である。ここで注意すべきことは、用語「毛房」を、必ずしも長繊維の単一の房が単一の工程によって(例えばアンカータフティングによって)毛支持体に固定されたものとして理解すべきではなく、いくつかの小さい毛房を合わせてより大きいサイズの毛房(「複合毛房」)が形成される多工程プロセスによって構成されたものである場合があるにも関わらず、本質的に単一の毛房のように見える毛房に関係するものとして理解すべきである。更に注意すべきことは、毛房の(房の)断面が、毛支持体の毛房を乗せた表面に対して平行な平面において画定され、複合毛房が単一の毛房のように見えると仮定されることである。
【0010】
本発明の更なる態様にしたがい、毛支持体上に配列される複数の毛房は、互いに入れ子になって内側に収まる輪又は領域において設けられる。したがって、外側の輪又は領域が存在し、その上に外側毛房が装着され、中間の輪又は領域が存在し、この中間の輪又は領域は、外側の輪の内側で入れ子になっており、この中間の輪又は領域上に中間毛房が装着される。本発明のこの態様において、外側毛房は、細長い房断面を有し、外側毛房は、外側の輪又は領域の対向する側に配列される。更に、中間毛房は、外側毛房の断面より小さい断面を有する。本発明のこの態様において、上述のような2つの中央毛房を含む中央区域は、中間の輪又は領域の中央に設けられ、中央領域と隣接する中間毛房は、外側毛房及び中央毛房より小さい断面を有する。
【0011】
大きいサイズの中央毛房を設けることは、動作中のブラシヘッドの中央区域の安定性の向上をもたらす。通常、使用者はブラシヘッドの中央区域を歯の表面に対して押し付けるので、毛密度(房の安定性)が低すぎると、中央区域の毛はその付加された力によって屈曲することになり、結果的に洗浄効果が低減される。共になってほぼ円形、卵形、又は楕円の断面構造を有する提案されている中央毛房は、互いに十分な安定性を設けるので、中央区域の毛の屈曲は効率的に回避される。中央毛房の周囲に、より小さいサイズの中間毛房を設けることによって、毛支持材上に毛房の高密度をもたらすことが可能になる。細長い外側毛房を更に設けることは、毛支持材上の高い毛密度を更に支えるだけでなく、全体の毛房の場の周辺境界上の毛の場全体のための安定性もまた設ける。このように、大きいサイズの中央毛房を設けることは、本発明の一態様にしたがって、高い毛密度及び高い中央安定性をもたらすことになる。提案されているような、入れ子の輪又は領域に設けられる中間毛房及び外側毛房の更なる供給は、本発明の更なる態様の範囲内で、高い毛密度及び周辺の安定性をもたらす。
【0012】
一実施形態では、2つの中央房を備える包囲された円形区域内の毛区域は、包囲された円形区域の少なくとも約40%〜約80%の割合である。特定すると、有毛区域は、前記包囲された円形区域の少なくとも約50%である一部(fraction)を覆い、特定すると、有毛区域は、少なくとも約60%である。
【0013】
別の実施形態では、包囲された円形区域は、毛支持体の全面積の約5%〜約15%である。特定の実施形態では、包囲された円形区域は、毛支持体の面積の約7%〜約9%である。
【0014】
更なる実施形態では、中間毛房は、ほぼ同等のサイズの断面積を有する。これは、同じタフティング機を用いて全ての中間毛房を装着する、比較的シンプルな製造が可能になる。また更なる実施形態では、複数の毛房(外側毛房、中間毛房及び中央毛房を含む)のそれぞれの毛房は、基底面積とほぼ同一の断面積又は基底面積の整数倍数である断面積を有する。この場合、同じタフティング機を使用して全ての毛房を装着することができ、より大きいサイズの毛房は、細長い装着穴に並んで装着される2つ以上の基底毛房から組み立てられ、それによって、複合毛房を形成する。
【0015】
言い換えれば、より高い毛(又は毛房)充填密度が中央区域に設けられ、中央の歯係合区域を形成し、その毛密度の結果として、毛の長さに沿った更なる沈下を防ぐ。この、中央の毛セクションの毛の末端でのより高い密度は、複数の直接隣接する毛房(約1.5mm未満又は特定すると約1mm未満の距離を有する)によって得られる。中央区域に装着される毛房は、2つのより大きいサイズの複合毛房(ただし、それらを固定するために1つ以上のアンカータフティングワイヤを必要とする)を形成するように組み合わされる、及び/又は、皿形状の毛支持体から前進する中央毛房が互いに対して傾き、実質的にタフティング間隙が一切ない密な毛セクションを毛の末端が形成するようにしてもよい。したがって、中央の毛セクションの高密度の毛の末端は、上記の手段のいずれか1つによって、又は上記の3つのアプローチを所望により任意に組み合わせることによって、達成可能である。
【0016】
したがって、毛支持体の周辺外縁(外側毛房)及びその中央区域(中央毛房)に大きい断面積の毛房を集中させること、更に、縁及び中央にある、これらの大きい面積の毛房の間に、小さい断面積の房を中間の房の輪(中間毛房)の上に設けること、並びにその断面の幾何学及びそれらの相対的配向を賢く選択することによって、毛が密に充填されている場合でさえも房締結手段の衝突を回避することが、提案される。本発明によると、外側の輪上の細長い外側毛房の内側に、中間の輪上に配列された、細長い毛房の断面より小さい断面のいくつかの中間毛房があり、中間の輪上のこれらのより小さい房の内側に、中間の輪上の房の断面より大きい断面を有する少なくとも2つの房が設けられる。内側から外側への房断面のこの周期交代のおかげで、高い房密度が達成可能であり、締結手段の衝突がいっそう回避可能になる。加えて、洗浄効果に関する有利な結果ももたらされる。毛は、毛房ではない組み合わせによっても設けられ得ると理解されたい。したがって、上記の説明及び下記請求項に述べるように、毛房の参照は全て、本発明による毛の多数の参照として、代替的にみなされ得る。更に、毛の代わりに他のタイプの歯洗浄要素を代替的に使用してもよい。更に、この文脈において記述された毛房は、外側、中間、及び内側の輪の代わりに、相対的に配列された外側、中間、又は内側の領域上に配列されてもよい。
【0017】
そのほか、毛セクションの中央に通常適用される歯磨剤は、作業表面に、よりよく保持される。
【0018】
本発明の更なる態様において、様々な断面形を有する中間毛房は、少なくとも1つの中間の毛の輪に配列される。具体的には、前記少なくとも1つの中間の輪の中間毛房は、ほぼ正方形の房断面を有するように設けられ得る。あるいは、又は加えて、前記中間の輪はまた、丸い断面、具体的には、円形断面を有する中間毛房も含むことができる。角形(特定すると正方形)である場合、及び丸(特定すると円形)である場合、毛房は、前記中間の輪に配列され、それぞれ異なるセクターに有利に集中される。これを行うための様々な選択肢が一般に存在する。本発明の一実施形態によると、丸い中間毛房は、対向するセクターにある中間の輪上に配列され、毛支持体が偏向されていない中立位にある場合、それらは歯ブラシの長手方向軸を含む。これに対し、中間の輪の角形の毛房は、毛支持体の対向するセクターに有利に配列され、毛支持体の中立位では、横軸に対称に配列される。
【0019】
毛房の固定のために好ましい間隔条件を設けるために、本発明の更なる態様では、中間の輪の角形の毛房(少なくともそれらのいくつか)は、毛支持体の主軸に対して、及びそれらが配列されている輪の環状輪郭に対しても、鋭角に回転される。具体的には、角形毛房の少なくとも1つ、好ましくは1つ置きの角形毛房の主軸は、毛房断面の主軸が中間の輪の接線に対して鋭角に傾斜されるように回転される。結果的に、対応するアンカープレートは、他のアンカープレートの衝突範囲外に回転される。加えて、毛セクション全体の撓み挙動を全体的により均一にすること、特に、方向への依存を少なくすることができる。
【0020】
断面形が異なっていても、中間の輪の毛房は、少なくともほぼ同じ面積の断面を有し、それらの断面積の変化は好ましくは約+/−25%未満、特定すると約+/−10%未満、更に特定すると約+/−3%未満の範囲内である。
【0021】
中間の輪の毛房の断面積と比較して、外側の輪上の細長い外側毛房及び中央区域の少なくとも2つの最も内側の中央毛房は、少なくとも2倍大きい断面積を有する。
【0022】
この構造では、毛セクションの外側の輪に、いくつかの対向して置かれた対の細長い外側毛房が配置されている場合がある。毛セクションの異なる区域における異なる洗浄作用に毛の構成をより良く適応させるために、前記外側の輪は、毛の長さ及び/又は高さ及び/又は断面積において異なる、異なる設計の対の細長い毛房を含むことができる。
【0023】
概して、この文脈において様々な構成が可能である。本発明の実施形態によると、毛支持体の対向するセクターは、毛支持体が偏向されていないその中立位では、歯ブラシの長手方向軸を包含し、歯ブラシの長手方向軸に対して横に、それに対して直角に配向されたセクターにある房より長い毛房及び/又はより大きい断面積の細長い毛房を含む。
【0024】
外側の輪は、細長い外側毛房に加えて、細長くない輪郭の外側毛房を更に設けることができ、それらは、細長い毛房の断面積より小さい断面積の、ほぼ丸形又は正方形の断面を有することができる。
【0025】
本発明の更なる態様において、毛セクションの中央区域は、2つの同等に細長い中央毛房を含み、それらの長手方向軸、すなわちその細長い断面の長手方向の寸法は、毛支持体の主軸に対して平行に整列する。具体的には、前記最も内側の毛房は、毛支持体の偏向されていない中立位において歯ブラシの長手方向軸に対して平行に配向された、及び/又は、外側の輪の細長い毛房に向けて配向された、長手方向軸を有することができ、外側の輪上の細長い毛房は、最大の高さ及び/又は最大の断面積を有する。
【0026】
毛支持体及び/又は毛支持体上に形成された毛セクションは、概して様々な外側輪郭を有することができ、毛支持体は、特に回転駆動されるときに有利な丸い構成である。しかし、本発明の特に有利な更なる態様においては、毛支持体は円形でなく、円形から外れた形状である。具体的には、毛支持体は卵形又は楕円構成、又は同様な方法によるわずかに平坦化された構成であることができる。あるいは、又は加えて、少なくとも外側の列すなわち毛房の外側の輪は、卵形上又は楕円上に、又は同様な方法によって平坦化された輪上に、配列され得る。
【0027】
毛支持体を上から見下ろした際、毛房は、毛支持体の主軸に対して対称に及び/又は回転対称に配列され得、具体的には、毛房、又は、毛支持体上のそれらの付着点は、180°回転することにより、他方の付着点に転換可能となっている。
【0028】
しかし、あるいは、又は加えて、側面図に見られるように毛セクションは非対称の輪郭、具体的には歯ブラシの長手方向軸に対して横方向に非対称の輪郭を有してもよく、特に、高さのプロファイルが他方に比べて一方の側に向かってより激しく隆起するように非対称の輪郭を有してもよい。
【0029】
本発明の更なる態様では、毛セクションは、毛房の自由端によって画定される作業表面内に中央にくぼみを有し、有利にも一方向に湾曲し、それに対して垂直の方向にほぼ一直線の、溝形状の底を有することができる。毛セクション又はその作業面の中間部分にあるそのようなほぼ一軸に湾曲したくぼみによって、歯磨剤又は同様のゲル状の歯洗浄剤をよりよく保持するだけでなく、何よりも、より快適でやさしい洗浄の感覚を伴うよりよい洗浄効果を歯にもたらすことが可能である。対向する周辺側に向かって隆起する作業表面の輪郭は、横方向の歯側面により深く入り込み、いわばそれらの歯側面にぴったり沿って包囲するので、特に隣接歯の間に隣接する歯側面の部分がよりよく洗浄される。
【0030】
中間にプレーンなくぼみ(plane depressions)がある毛セクションと異なり、最も内側の毛房すなわち中間毛房及び中央毛房が最初に逸れ曲がる(bend away)必要はない。むしろ、中間及び中央毛房は、曲がらずに歯面の横方向の側面にぴったりと沿って置かれる。加えて、房の高さの変化によって、特にブラシヘッドを1つの歯から次の歯に動かすときに、よりやさしい洗浄感覚がもたらされ、また、中央領域では、ブラシが歯側面をわたって掃くときに個々の房は、連続的に押しやられ、ブラシヘッドは次の歯の側面の周囲のくぼみの湾曲した表面に沿っていわば押され、ブラシヘッドがいわばくぼみに落ちることはない。具体的には、毛セクションの回転駆動によって、回転軸からの距離が増すにつれて歯側面に沿って進んでいる房がより激しく曲がるので、やさしく拭う運動が追加的にもたらされる。
【0031】
毛セクションの表面のへこんだ中央部分の溝形状の湾曲は、概して様々な方法で達成することができる。例えば、対応する湾曲した毛支持体を設け、一方、房を均一の長さにすることができる。しかし、本発明の更なる態様では、房及び特に房の内側に置かれる房の長さを変えることにより、それらの自由端によって前記溝形状の湾曲を画定する。具体的には、内側に置いてある房の長さは、自由端によって画定される作業表面の湾曲の方向に、毛支持体の中心点からの距離の増加とともに増すことによって、中央のくぼみの前記溝形状の湾曲を画定することができる。より突出している毛がそれらの長さがより長いおかげでより容易に曲がることができるので、そのような変化を持たせた房の長さによって、歯面をわたる毛セクションのやさしい洗浄感覚及びやさしい動きを達成することが可能である。
【0032】
中央のくぼみの最も連続した湾曲表面を得るために、くぼみの領域において前記作業表面を画定する内側の房の自由端は毛支持体に対して平行に延びる末端表面は有さず、毛支持体の表面に対して鋭角に傾斜した末端表面を有し、異なる内側房は異なる傾斜の末端表面を有し、したがって、それらの異なる傾斜の末端表面が互いに補完し合って、中央のくぼみの前記溝形状の輪郭のパスを画定する。具体的には、房の自由端の末端表面の傾斜は、毛支持体の中央からの房の距離が増すにつれてより顕著にすることができ、したがって、前記溝形状の底の壁は毛セクションの周辺縁の方向に徐々に急な傾斜になる。
【0033】
概して、房は、それらの自由端に平面を形成することができる。この場合、内側の房は前記溝形状の湾曲を房から房へ階段状に斜めに増す、いわば畝(chine)型の構造物の形状に画定する。
【0034】
しかし、本発明の好ましい更なる態様では、内側の房の自由端は、前述の溝形状のくぼみを形成する連続に湾曲した包囲された表面を近隣の房の互いに補完し合う自由端が画定するように、平面でなく弧状に湾曲した末端表面をそれらの自由端に有することができる。個々の房の湾曲した末端表面は、有利にも一軸湾曲されており、すなわちそれら自体が既に溝形状に湾曲されており、したがって、一方向に一直線に走る一方で、それに対し垂直の方向への湾曲を有する。
【0035】
毛セクションの作業表面の中央領域の溝形状の湾曲した底は、概して対称の構成、すなわちほぼ放物線状に延在することができる。この場合、内側の房は、毛セクションの対向する周辺側までほぼ同等のレートでそれらの自由端とともに隆起する。
【0036】
本発明の更なる態様において、毛セクションの作業表面内で中央のくぼみの湾曲の非対称のパスもまた設けることができ、この場合、具体的にはバナナ形の溝湾曲を設けることができる。この構造では、毛セクションの作業表面内で中央のくぼみを画定する房は、対向する周辺側に不均等に隆起し、したがって、溝形状のくぼみの1つの上位の縁は、それに対向する縁より高い。そのほか、これを使用して、例えば、使用者が歯側面に対して正確でない接線にブラシヘッドを位置づける傾向を補正して、むしろ好ましくはわずかにV形の配向に位置づけるようにすることができる。
【0037】
更に大きく改善された隣接歯間清浄効果さえも達成すべく、本発明の更なる態様では、より外側の又はより長い又はより高い房は、それらの自由端表面上に少なくとも1つの面取り部を有する。具体的には、末端表面の外側縁を面取りして面取り部にすることができる。第一に、前記外側のより長い毛房は、隣接歯間をよりよく貫くことができる。その一方で、周方向に外側に置かれている房の面取り部は、毛セクションをいわばくさび形の傾斜した表面として隣の歯側面上に隆起するので、そのブラシヘッドをより容易に、よりやさしく、1つの歯から隣の歯へ移動することができる。
【0038】
この構造では、外側のより長い房は内側と外側との両方に向かってほぼ面取りされる。しかし、本発明の一実施形態では、1つの面取り部のみが、それぞれの房の側部の1つの側部に設けられ、したがって、十分に幅広の、面取りされていない末端表面が残され、結果的に、洗浄効果は隣接歯間及び歯側面に同等に達成される。
【0039】
本発明の特に有利な更なる態様では、房の自由端の外側の縁、すなわち内側の房に背を向けている縁が面取りされる。結果的に、1つの歯から隣の歯へブラシヘッドを特にやさしく押すことができる。
【0040】
あるいは、又は加えて、前記外側のより長い房の末端表面の内側の縁もまた面取りすることができる。結果的に、毛セクションの作業表面を、丸い体の歯側面に対して特にぴったりと適応して置くことができる。内側面取り部は、毛セクションの作業表面の中央の溝形状の湾曲したくぼみのいわば連続部分である。
【0041】
あるいは、又は加えて、ブラシの長手方向に対して横方向にある前記外側のより短い房の末端表面の内側の縁もまた面取りすることができる。これは、歯肉から歯にかけての区域の洗浄効果を強める。
【0042】
房の適用及び構成に依存して、周辺のより長い房の面取り部を様々に目だたせることができる。歯間及び歯面の表面間の両方で良好な洗浄効果は、周辺の房の前記面取り部が、その房の面取りされていない末端表面に対して約20°〜60°、好ましくは25°〜40°の角度で傾斜されているときに達成され得る。前記面取り部が房の末端で房の幅の約25%〜75%にかけて延在する場合は、隣接歯間への容易な挿入と、歯側面への残りの洗浄能力との間の有利な妥協を実現することによって、概して、様々な面取り部の深さを選択することができる。この文脈において、「幅」は、房の長手方向軸に対して垂直で、面取り部の長手方向に対して横の、房の寸法を意味すると理解される。
【0043】
特に効果的なのは、周方向に外側のより長い毛房、特に前記面取り部と組み合わされた毛房であり、前記房が、少なくともそれらの外側で、毛支持体に対して縦の鋭角で外側周辺側に向かって傾斜されるとき、これは、好ましくは1.5°〜15°の範囲の角度、好ましくは約3〜10°の角度である。結果的に、房は、ブラシヘッドの往復動の間に一方向に座屈することへの抵抗が低下し、したがって、隣接歯間へのよりよい挿入をもたらす。
【0044】
本発明の更なる態様において、前記外側のより長い毛房は、それらの自由端に向かって大きくなる断面積、及び/又は、毛支持体からそれらが進むにつれて広がる外側面を有する。具体的には、前記周方向に外側の毛房は、長手方向の断面図に見られるように台形に形作ることができ、したがって、房の自由端は毛支持体上のその基底より広い。第一に、そのような台形の構成は房の自由端上により大きい作業表面をもたらす。一方、扇形に広がっていることにより、房内の毛が互いに対してより容易に動くことが可能になり、結果的に、全体として歯の輪郭によりよく適合し、洗浄性能を向上する。具体的には、房の自由端の外側面取り部によって、前記房は、歯面の境界の輪郭によりよく入り込む、より触知可能な縁を有する好ましい幾何学的比率を得る。
【0045】
外側のより長い房の台形の構成は、有利にも、毛支持体に対して垂直の関係において非対称である。具体的には、前記房の、内側の房に面する内側の側面は、毛支持体の表面に対してほぼ垂直に延在することができ、一方、それぞれの房の、内側の房に背を向けている外側は、毛支持体の垂直線に対して鋭角に、外側に向かって傾斜する。したがって、外側の側面は、ある角度で外向きに立ち、一方、内側の側面は真っ直ぐに立つ、すなわち毛支持体の表面に対してほぼ垂直に整列する。
【0046】
細長い毛房では、前述の房の自由端上の面取り部は、房の細長い末端表面の長手方向軸に対して有利にも平行に及び/又は正接に、延在する。
【0047】
本発明の更なる態様では、外側のより長い毛房は、対向する周辺側の対向する周辺セクターの外側周辺上に設けられ、したがって、中央のくぼみは、毛セクションの作業表面内で対向する周辺のより長い房の間に延在する。この構造では、より長い外側毛房は、有利にも、毛セクションの全周辺に沿ってではなく、好ましくは60°/セクターの角度未満の限られた角度のセクターにのみ設けられるが、より長い、高い外側毛房のいずれも、中央領域の溝形状の湾曲したくぼみが最も深い中間セクターの周辺にもはや位置づけられない。溝形状の中央のくぼみは、毛セクションのいわば全体にわたって横方向に延在する。溝形状のくぼみがその最も深いところにある前記セクターにおいて、外側の周辺の房は、溝形状のくぼみの輪郭構成に適合されるか、その一部を形成する。
【0048】
ブラシヘッドは、概して様々な方法で駆動され得る。歯ブラシ及びその駆動の構成に依存して、異なる駆動運動学を実施することができる。本発明の有利な更なる態様では、駆動運動は、毛支持体を通って延在する回転軸の周囲の振動回転運動を含む。本発明の有利な実施形態では、前記回転軸は、その中心点又は重心を通って毛支持体の平面に対して垂直に延在することができる。
【0049】
しかし、本発明の代替実施形態によると、回転軸が偏心に位置づけられることもまた可能であり、したがって、毛セクションの異なる周辺側において異なる強度の運動構成要素が生成される。本発明の有利な更なる態様では、この偏心は、外側のより長い毛房に適用され、すなわち、回転軸は、対向する外側のより長い房を通る接続線に対して平行に変位される。毛セクションの構成に依存して、偏心は、一方では異なる周辺側の所望の異なるサイズの洗浄動作と、他方では回転軸が毛支持体の直径線を55%〜45%から最高70%〜30%の長さ比率で分割するときに達成されるなお許容される振動と、を上手く妥協することによって様々に顕著にすることができる。
【0050】
あるいは、又は加えて、毛支持体の回転軸を、前記支持体によって画定された平面に対して鋭角に傾斜することが可能であり、傾斜角は、毛支持体の平面に対して好ましくは89°〜65°、特定すると88°〜82°の範囲内である。結果的に、毛セクションの溝形状の湾曲面の形状とともに、回転運動に打突運動を付加することが可能である。好ましくは、回転軸は、毛セクションが歯ブラシのハンドピースから傾いて離れるように傾けられる。これは、特に臼歯及び切歯の内側の面に関して、洗浄が難しい歯の区域への到達をより容易にする。
【0051】
本発明の更なる態様では、毛セクションの回転振動が与えられると、平面図で細長く見える、周方向に外側のより長い房の末端表面は、回転軸の周りで弧状に、具体的には回転軸の周りで円弧状に延びる。
【0052】
本発明の更なる態様では、より長い外側毛房の外端上の前述の面取り部は、直線で延在することができるが、房の弧状に湾曲した細長い末端表面にほぼ接線方向に好ましくは延在できる。第一に、これは房の生産を簡易にする。また、これは、面取り部の幅及びそれと付随して面取りされていない末端表面に周方向の変化をもたらし、くさび形表面の様式においてこれは、隣接歯間への、対応する房の連続的な挿入と退出を引き起こすことができる。
【0053】
しかし、本発明の別の実施形態によると、特に房の面取り部及び/又は残りの非面取り部の末端表面が、周方向に一定の輪郭及び幅を有するようにするために、面取り部が回転軸の周囲で同等に弧状湾曲に延在することもまた可能である。結果的に、歯側面への房の非常にやさしい接触及び隣接歯の間への好適又は均質な貫通が可能となる。
【0054】
外側のより長い房は、毛セクション又は毛支持体の周辺の約25%〜75%を覆う距離に沿って内側の房を囲む。
【0055】
作業表面の前記中央のくぼみを画定する自由端を有する内側の房は、それらの自由端でほぼ連続した表面に形成することができ、したがって事実上連続した溝形状のくぼみをもたらすことができる。したがって、それは第一に、歯側面全面の包囲を達成することが可能であり、したがって、大きい区域にかけての洗浄効果が可能である。その一方で、それは歯磨剤又は歯洗浄剤の配置に有益な影響を有し、歯磨剤又は歯洗浄剤は、毛セクションの作業表面によりよく保持され、房間から毛支持体に流れ落ちにくくなる。
【0056】
本発明の代替的な更なる態様では、前記内側の房は、それらの自由端によって、分離した末端表面を形成することが可能であり、その結果、緩んだ破片の排出をしやすくすることが可能になる。
【0057】
本発明のこれら及び更なる特徴は、請求項の要約とは無関係に、単独で又は任意の二次的な組み合わせにおいて使用されたときに本発明の課題を形成することが可能であり、請求項からによってのみでなく、本発明の好ましい実施形態をより詳細に説明する後続の説明及び添付の図からもまた明確になるであろう。これらの図面では、
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の代表的な実施形態による回転駆動可能なブラシヘッドを有する電気歯ブラシの概略的側面図。
【図2】図1の歯ブラシのブラシヘッドの上面図。
【図3】歯ブラシの長手方向軸に対して平行な、図2の線B−Bに沿って取られたブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図4】図2の線A−Aに沿って取られた図2のブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図5】房の面取り部を示す拡大概略図において示された図3の外側のより長い毛房の1つの拡大側面図。
【図6】本発明の別の実施形態による、図1の歯ブラシのブラシヘッドの概略的上面図。
【図7】歯ブラシの長手方向軸に対して平行な図6の線B−Bに沿って取られた歯ブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図8】図6の線A−Aに沿って取られたブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図9】本発明の別の実施形態による、図1の歯ブラシのブラシヘッドの概略的上面図。
【図10】歯ブラシの長手方向軸に対して平行な、図9の線B−Bに沿って取られた歯ブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図11】図9の線A−Aに沿って取られたブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図12】本発明の別の実施形態による、図1の歯ブラシのブラシヘッドの概略的上面図。
【図13】歯ブラシの長手方向軸に対して平行な図12の線B−Bに沿って取られた歯ブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図14】図12の線A−Aに沿って取られたブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図15】本発明の別の実施形態による、図1の歯ブラシのブラシヘッドの概略的上面図。
【図16】歯ブラシの長手方向軸に対して平行な図15の線B−Bに沿って取られた歯ブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図17】図15の線A−Aに沿って取られたブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図18】本発明の別の実施形態による、図1の歯ブラシのブラシヘッドの概略的上面図。
【図19】歯ブラシの長手方向軸に対して平行な図18の線B−Bに沿って取られた歯ブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図20】図18の線A−Aに沿って取られたブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図21】本発明の別の実施形態による、図1の歯ブラシのブラシヘッドの概略的上面図。
【図22】歯ブラシの長手方向軸に対して平行な図21の線B−Bに沿って取られた歯ブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図23】図21の線A−Aに沿って取られたブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図24】本発明の別の実施形態による、図1の歯ブラシのブラシヘッドの概略的上面図。
【図25】歯ブラシの長手方向軸に対して平行な図24の線B−Bに沿って取られた歯ブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図26】図24の線A−Aに沿って取られたブラシヘッドの長手方向の断面図。
【図27】本発明の別の実施形態による、図1の歯ブラシのブラシヘッドの概略的長手方向の断面図であり、図では、周方向に外側のより長い毛房は、それらの外端上に内側面取り部を有する。
【図28】図27のブラシヘッドの概略的機能図であり、毛セクションの湾曲した作業表面がいかにして歯側面に沿って進むかを示している。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1に示す代表的な電気歯ブラシ1は、ハンドルセクション2と、それに取り外し可能に連結されるように適応されるブラシヘッド4とを備える。ブラシヘッド4は、ハンドルセクション2に接続された歯ブラシ1の首セクション3を備えており、前記首セクション3は部分的に中空の管の形状に構成されている。
【0060】
ハンドルセクション2は、その内部に、好ましくは充電式電池の形態であるエネルギー源20と、好ましくは電気モーターの形態であるモーター5と、制御装置21とを収容する。
【0061】
実施形態で示されるように、モーター5の回転運動は、伝動装置22の手段によって、首セクション3を通ってブラシヘッド4の遠位端まで延在するドライブシャフト23の振動回転運動に転換される。歯ブラシ1は、ハンドルセクション2上に装着されたスイッチ24によって起動及び停止することができる。
【0062】
好適な伝動装置(例えば、実施形態に示されているのと異なるベベルギヤ25)を使用する既知の方法で、ドライブシャフト23の末端で、ある毛支持材7を、歯ブラシの長手方向軸26に対して横方向にほぼ延びる回転軸9の周りで振動回転運動を駆動可能である。これが生じるにつれて、ブラシヘッド4の毛支持体7によって掃かれる角度範囲は、約±35°〜±5°の範囲の値を有し、また、±10°〜±100°の範囲の振動が可能である。振動周波数は、例えば10Hz〜100Hzの間で変動すること及びその間にあることができる。図1に示す実施形態では、回転軸9は歯ブラシの長手方向軸26と直角を成す。加えて、ブラシヘッド4の駆動は、回転又は振動の軸の方向への脈動のために、第3の次元に設けられる。
【0063】
図2〜5は、歯ブラシ1のブラシヘッド4に使用するブラシ部の代表的な実施形態を示す。この実施形態では、毛支持体7は丸いが円形ではなく(ただし円形を除外しない)、わずかに卵形及び/又は楕円形であり、中立位の毛支持体7において卵形又は楕円形の長軸が歯ブラシの長手方向軸26に対して平行に延び、卵形又は楕円形の短軸はそれに対して横方向に延びる。図2において、卵形又は楕円形の長軸は線B−Bと平行である。
【0064】
毛支持体7上には複数の毛房が配列され、これらの毛房は、いくつかの輪12、14及び15に配列され、毛セクション10の上に拡がる。図2に図示された実施形態では、外側の輪12上には8つの外側毛房が配置されており、それらのうち4つは細長い輪郭を有するが、他の4つは概して丸い若しくは等辺の断面輪郭を有する。前記外側の輪12上の房の長さには変化があり、これについてはより詳細に説明するが、概して、より長い房は、セクター29及び30でなく、対向するセクター27及び28に概して設けられ、これらは毛支持体7の初期位置では歯ブラシの長手方向軸26を包含し、セクター29及び30はその横方向に配向される、すなわちそれらの間に置かれる(図2を参照)。
【0065】
図2に示すように、房11及び31は外側の輪12上に主軸B−B及びA−A上にそれぞれ置かれ、上面図で細長くなっており、一方、それらの間に置かれる房32はほぼ等辺の輪郭を有するか、又はほぼ立方体(cubic)若しくは丸い断面を有する。前記細長い房11及び31は、振動/回転軸9の周りに弧状に湾曲して延在する(図2を参照)。
【0066】
この構造では、より長い主軸B−B上に置かれた外側毛房11は、周辺セクションの約50°〜90°にかけて、好ましくは約70°にかけて延在し、一方、より短い主軸A−Aに置かれた外側毛房31は、周辺セクションの、約20°〜45°にかけて、好ましくは約30°にかけて延在する。
【0067】
外側から見て第2の房の輪15上には、合計10の中間毛房13a及び13bが配置されており、そのいくつかは円形断面を有し、残りは角形の断面を有する。具体的には、円形断面を有する中間毛房13aは、図2に示されるように、外側の輪12のより長い外側毛房11が置かれているセクター27及び28に配列され、一方、角形の房は第2の輪14上に、毛支持体7の中間セクター29及び30に設けられる。また、第2の輪14上のこれらの中間毛房13a及び13bの長さは、短い主軸に置かれるセクター29及び30でなく前記セクター27及び28により長い房が設けられるように、輪14の周辺に沿って房から房へと周期的に変化する。
【0068】
中間の輪14の丸い中間毛房13a及び角ばった、ほぼ正方形の(又は角形)中間毛房13bは、それらの異なった断面輪郭とは無関係に、だいたい少なくともほぼ同じ区域を有する。
【0069】
図2が示すように、毛房の固定のために好ましい隙間条件を設けるために、本発明の更なる態様では、中間リング14の角形の中間毛房13b(少なくともそれらのいくつか)を、毛支持体7の主軸A−A及びB−Bに対して、及びまた、それらが配列される輪14の環状輪郭に対して、鋭角に回転することができる。具体的には、角形の中間毛房の少なくとも1つ、好ましくは第2の角形の中間毛房13bの主軸は、毛房断面の主軸37が中間の輪14の接線に対して鋭角に傾斜されるように回転され得る。これによって、対応するアンカープレートは、他のアンカープレートの衝突範囲外に回転される。加えて、毛セクション全体の撓み作用を全体的により均一にすること、特に、方向への依存を少なくすることができる。
【0070】
最後に、外側から見て最も内側の区域又は第3の房の輪には、2つの細長い中央毛房13cが設けられ、これらは、より長い主軸B−Bに平行な長手方向軸38に沿って延在する。
【0071】
中央毛房13cは、中間の輪の中間毛房13a及び13bよりはるかに大きい断面積を有する。図の実施形態では、それらの断面積は中間の輪14の中間毛房13a及び13bの断面積の200%〜400%である。
【0072】
この構造では、中央毛房13cは、それらの長手方向の寸法38がそれらの横方向の寸法の150%を超え、好ましくはほぼ150%〜300%である、細長い構成にある。図の実施形態では、中央毛房13cは有利にも外側輪郭が凸面形に湾曲し、内側輪郭が一直線であり、内側輪郭と外側輪郭とは有利にも丸い端部輪郭によって接続されている。したがって、代表的な中央毛房13cの全体的な形は、ほぼバナナ形である。これら2つのほぼ半月形の中央毛房13cは、それらが共になってほぼ楕円形の毛セクションを形成するようにそれらの形が互いを補完するように配列される。概して、2つの中央毛房の形は、ほぼ半月形又はバナナ形又は腎臓形であってよく、それらの形が互いを補完して、2つの中央毛房の周囲を包囲された引かれる凸面湾曲によって画定される概して丸い、例えば円形、卵形、又は楕円形の毛セクションを形成するように配列され得る。
【0073】
示される中央毛房13cは、毛支持体の主軸に対して平行に整列された長手方向軸38を有し、毛支持体7の偏向されていない中立位においては、歯ブラシの長手方向軸26又はそれを通る長手方向中央平面に対して平行に延びる。それらの房は、その毛の末端で、実質的に均質の密に充填された毛末端表面を形成する。これは、中央毛房が互いに傾斜し合うように約1°〜2°の角度で回転軸の方へ内向きに傾けられたタフティング穴壁13dを設けることによって達成される。
【0074】
図3に示すように、毛セクション10の房は、それらの長さ及び/又は高さに関して互いに凹凸があるか、互いに協調した自由端を有し、したがって、それらの房の自由端によって画定される毛セクション10の作業表面34は溝形状の底17を有する中央のくぼみ16を有し、このくぼみは一方向において湾曲しており、それに対する垂直の方向においては真っ直ぐである。この湾曲は、有利にも、毛支持体7がその偏向されていない中立位にあるとき、より長い主軸B−Bの方向に、すなわち歯ブラシの長手方向軸26の方向に延在する。それに対する垂直の方向、すなわち毛支持体7がその偏向されていない中立位にあるときに毛支持体7の短い方の主軸A−Aに対して平行に、及び/又は、歯ブラシの長手方向軸26に対して横方向に、延びる方向においては、くぼみ16は図3に示すように真っ直ぐな輪郭を有する。
【0075】
中央のくぼみ16は様々な深さに構成され得る。本発明の有利な更なる態様において、くぼみ16の最も深い点は毛セクション10の最も高い点より約1mm〜3mm、好ましくは約2mm深いところに設定される。くぼみ16の底17の溝形状の輪郭は、概して異なる曲率を有することができる。図3〜5に示した実施形態では、8mm〜17mmの範囲、好ましくは約10mm〜14mmの範囲の曲率半径を有する円弧形の輪郭が設けられるが、これは、毛セクションの寸法及び構成に依存して変化し得る。
【0076】
図3に示すように、同じように組み合わせて溝形状の底17を画定する中間及び中央毛房13a、13b、13cの末端表面、及びより短い外側毛房31の末端表面は、平面としてでなく、それら自体が同じように溝形に湾曲されたものとして、構成される。溝形状の湾曲した末端表面35は互いを補完するように組み合わされて、中央のくぼみ16の底17の前記溝形状の輪郭を形成する。具体的に述べると、回転軸9から主軸B−Bに平行な方向への距離が増すにつれて、中間毛房及び中央毛房13a〜13cの末端表面の傾斜は増す(図3を参照)。言い換えれば、横方向に延びる主軸A−A上に配列される毛房は、それらの自由端においてわずかに湾曲されるものの、毛支持体の表面に対して実質的に平行に整列し、一方、それらの自由端の傾斜は、前記主軸A−Aからの距離が増すにつれて増す。
【0077】
同じく図3に示すように、セクター27及び28において外側の輪12に配列される外側毛房11は、他の房より長く延びている、すなわちそれらより長く、そのため他の房を超えて突き出ている。この結果、中央のくぼみ16に対して一段の高さ上昇部(図3を参照)、すなわち、図3に示す実施形態では中央のくぼみ16は前記外側毛房11の末端表面と滑らかに合流しない。
【0078】
毛支持体の中立位において歯ブラシの長手方向軸26を含む、対向するセクター27及び28における前記外側毛房11は、有利にも、房11の長手方向軸に対してほぼ垂直に配列される平坦なセクション19と、外側に向かう前記末端表面36に面取りされた面取り部18と、を含む末端表面36を有する。
【0079】
図5に示すように、前記面取り部18は約20°〜60°、好ましくは約30°〜40°の範囲で角度γで延在する。面取り部18は有利にも、その対応する房11の幅Wのほぼ25%〜75%を覆う深さ及び幅である。この場合、幅Wは、房の自由端の領域における、その長手方向軸に垂直で、その面取り部18の長手方向に垂直の寸法であると理解される(図5を参照)。図5に示す実施形態では、面取り部は幅Wの約4分の1から4分の3(長手方向軸B−Bに沿って測定)にかけて延在する。
【0080】
前記より長い外側毛房11は、長手方向のセクションとして見たとき全体として台形構成である。房11の内側に置かれている側面は、毛支持体7によって画定される平面に対してほぼ垂直に延在するが、外側に置かれている側面は毛支持体7上の垂線に向かって約1.5°〜10°、好ましくは約3°〜5°の角度αで傾斜し、そのため、房11の断面はその自由端に向かって増す、すなわち、この房はその自由端に向かって広がる。結果的に、毛支持体7のサイズを制限しつつ、大きい作業表面を得ることができる。加えて、房11の自由端において、房11の面取り部18に対して好ましい幾何学的比率がもたらされる。
【0081】
歯側面をできるだけ完全に抱くために、及び広い区域にかけてブラシの圧力を分布するために、及び歯磨剤又は同様のものを作業表面34に保持するために、房の自由端は、有利にも、毛支持体7によって画定される区域の少なくとも35%〜55%、好ましくは50%以上を占有する。図2に示すように、全ての房の伸張をともに合計すると、外側の輪12上の房は周辺セクションの約200°〜300°にかけて延在することができる。外側から見て2番目の輪14は、同様に、周辺に沿った全ての房をともに合計すると、全体で周辺のほぼ200°〜300°にかけて延在することができる。最も内側の房は、その全表面にかけて実質的に閉じられた区域を、有利にもそれらの自由端で覆うことができる。
【0082】
図6〜8に示すブラシヘッド4の実施形態は、図2〜5の実施形態と実質的に対応するので、説明の重複を避けるために、対応する前述の説明を参照する。図6から8の実施形態が図2〜5の実施形態と実質的に異なる唯一の点は、中央の溝形状のくぼみ16の輪郭がやや深いことであり、このくぼみは、より小さい曲率半径で、房の外側の輪12上の細長くない房32の丸い輪郭全体の中及び上において、湾曲している。
【0083】
図9〜11に示すブラシヘッド4の他の実施形態は、図6〜8の実施形態と実質的に対応するので、説明の重複を避けるために、その前述の説明を参照する。先に述べた実施形態と異なり、偏向されていない中立位において歯ブラシの長手方向軸25を含む、毛支持体7のセクター27及び28におけるより長い外側毛房11は、より顕著な面取り部18を有し、それらは、隣接歯間へのこれらの房11のよりよい貫通を可能にするために、末端表面36の平坦なセクション19に対して55°の角度γで面取りされる。
【0084】
一方、内側の房13のいくつか及び/又は全て、具体的には、自由端が中央のくぼみ16の溝形状の底を画定する中間毛房13b及び中央毛房13cは、特別に構成された自由端を有する。前記中間毛房13b及び中央毛房13cは、末端が広げられた長繊維を少なくとも部分的に含み、そのおかげで、それらの自由端において、いわば柔らかいパイル及び/フリースが生成され、その結果、歯磨剤は特にこの領域によく保持され、それらの房は歯面の表面のほぼ全面の周囲にぴったり沿う。
【0085】
図12〜14に示す実施形態は、図9〜11の実施形態と実質的に対応するので、その前述の説明を参照する。前述の実施形態と異なり、くぼみ16の底17の同じ曲率に対して、くぼみ16の最も深い点と毛セクションの最も高い点との間の高さの最大差はより大きく、約2mmである。セクター27及び28の領域の毛の長さは異なる。これは、臼歯及び切歯の内側歯面へのよりよいアクセスを可能にする。加えて、毛の外側の傾斜は3°〜5°である。
【0086】
図15〜17のブラシヘッド4の他の実施形態は、図12〜14の前述の実施形態と実質的に対応するので、その前述の説明を参照する。前述の実施形態と異なり、毛支持体7の最も内側の輪15は、わずかに楕円の断面を実質的に有する、長手方向軸が主軸B−Bに対して平行に配向されている2つの、細長さの度合いが少ない房13cを含む。しかし、図17に示すように、前記最も内側の房13cは、より顕著なテーパーで広げられているので、それらの断面は自由端に向かって増す。図17に示すように、中間毛房及び中央毛房13a、13b、13cは約0°〜10°、好ましくは約1.5°〜5°の開始角度で広がって、それらの自由端の領域で2つの中央毛房13cがいわば合致して接合表面を形成する一方で、毛支持体7上のそれらの足元の末端では、それらの毛房は、互いに間隔を空けて配置される。
【0087】
図18〜20に示す実施形態は、前述の図15〜17の実施形態と実質的に対応するので、その前述の説明を参照する。しかし、前述の実施形態と異なり、セクター27及び28の、より高い外側毛房11の面取り部18は異なる構成である。前述の実施形態の面取り部18は直線で延在し、すなわち、上面図で見られるように房11の弧状の形にも関わらず平面を画定するが、図18〜20の実施形態の面取り部18は弧状に湾曲しており、それらの面取り部18は房11の湾曲形に従って回転軸9の周りで同じように湾曲され、結果的に、房11の実質的に均一の面取りがもたらされる。より正確に述べると、面取り部18は房11の形を追従するので、房11は、それらのほぼ全長すなわちそれらの周方向の次元に沿って同量が面取りされる。これは、前述の他の実施形態にも適用され得る。
【0088】
図21〜23に示す実施形態は、図12〜14の実施形態と実質的に対応するので、その前述の説明を参照する。図21〜23の実施形態では、より長い外側毛房11に対するくぼみ16は、図15〜17と比較してより深く作られ、したがって、くぼみ16の最も深い点と房11の最も高い点との間に約2mmの高さの差が生じる。
【0089】
図24〜26に示す実施形態は、前述の図18〜20の実施形態と実質的に対応するので、その前述の説明を参照する。前述の実施形態と比べて、くぼみ16はより長い外側毛房11に対してより深く作られ、したがって、高さにして約2mmの最大差が生じる。
【0090】
図27に示すように、セクター27及び28、並びにセクター29及び30にそれぞれ配列される、より長い外側毛房11及びより短い外側毛房31は(この場合、歯ブラシの長手方向軸26は、好ましくは、毛支持体7の偏向されていない中立位に置かれる)、その内側の側部すなわち回転軸に近い側にも面取り部18を有することができ、面取り部18の幅及び角度は前述の幾何学的比率にほぼ相当することができる。図27に示すように、房11の内側すなわち内側面に面取りが設けられる前記房11は、同じように台形であるが、支持体7上の垂線に向かって3°〜10°の範囲に鋭角に傾斜され、一方、外側面は支持体7に対してほぼ垂直に立っている。
【0091】
図28に示すように、より長い外側毛房11の内側の側部上の前記面取り18の結果として、それらの毛の自由端は歯側面の上反りの輪郭に特にぴったり沿って置かれる。
【0092】
内側の面取りを含む変異型は、歯肉の上の歯面の区域への洗浄効果を高める能力があるので、より短い外側毛房31と共に好ましい。
【0093】
本発明の以下の更なる態様は、別の実施形態において、及びこれらの請求項に具体的に特徴づけられる請求項の機構の特徴の補足として又はそれらから独立して、設ける。中央毛房の断面積が、中間領域に配列される毛房13a、13b、32の断面積の1倍から4倍の整数である、ブラシヘッド。ブラシヘッドは、中間毛房13a、13b、32の断面積が1.75±0.25mm2の範囲である。ブラシヘッドは、13a、13b、32に対する毛房11の断面積が4対1の比率であり、同時に、13a、13b、32に対する毛房31の断面積が2対1の比率である。ブラシヘッドは、毛房13c対13a、13b又は32の断面積の比率が2対1である。ブラシヘッドは、曲率が半径8〜17mm、又は好ましくは11〜14mmである円筒構成である。ブラシヘッドは、使用される毛が0.01〜0.025mm2の範囲の断面積又は4.5〜7ミルの直径を有する。ブラシヘッドは、平坦なセクション19に対する毛房11の毛の長さが8.55±0.25mmである。ブラシヘッドは、毛セクションのくぼみ16又は中央領域の、最も深い点に、最低でも6.85±0.25mmの毛の長さが設けられる。ブラシヘッドは、外側に対する、毛セクションの外側毛房11の毛の最大長が8.8±0.25mmであり、毛セクションの同じように外側の対向する毛房11の毛の最大長が8.15±0.25mmである。ブラシヘッドは、毛セクションの中央領域の毛が扇状に広がることができ、具体的には、毛の末端からのその扇状の広がりが1〜2.5mmの範囲内である。ブラシヘッドは、毛房11、31が、毛セクションの中央に面する内側上に面取り部18を含む。ブラシヘッドは、毛房が、その外側領域に(図5に図示するような)台形構造を有する。ブラシヘッドは、毛房31、32の鋭角(α)又は傾斜が、毛房11の角度より小さい。ブラシヘッドは、好ましくは支持体7に対して毛房11が3°の鋭角(α)であり、毛房31、32が直角である。ブラシヘッドは、全ての房の断面積の毛密度が支持体7の表面の35〜50%である。ブラシヘッドは、毛房13cの外側が支持体上の垂線に対して内向きに又は回転角に向かって1〜5°の鋭角に傾斜されている。
【0094】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0095】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願書類を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、その全体を参考として本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0096】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の書類名特許請求の範囲で扱うものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気歯ブラシ(1)用のブラシヘッドであって、
毛支持体(7)の可動式装着のための装着手段(8)を有する毛支持体(7)と、
前記毛支持体(7)上の互いに入れ子になった少なくとも2つの輪又は領域内に配列されている、複数の毛房(11、13a、13b、13c)と、を備え、
外側の輪(12)又は領域は、細長い房断面を有する外側毛房(11)を備え、前記外側毛房(11)は、前記外側の輪又は領域の対向する側に装着され、
前記外側の輪(12)又は領域内に入れ子になった中間の輪(14)又は領域は、前記外側毛房(11)の断面より小さい断面をそれぞれ有するいくつかの中間毛房(13a、13b)を備え、
前記中間の輪(14)又は領域の中央区域は、前記中間の輪(14)又は領域の前記中間毛房(13a、13b)の断面より大きい断面を有する2つの中央毛房(13c)からなる少なくとも1つの毛セクションを備え、前記中央毛房(13c)はそれぞれ、細長い形状、具体的には半月形、バナナ形、又は腎臓形の形状を有し、それらの形状が互いに補完し合うことにより、前記中央領域の毛セクションがほぼ円形、卵形、又は楕円形の構造を有する、電気歯ブラシ用のブラシヘッド。
【請求項2】
前記2つの中央毛房(13c)を備える包囲された円形領域内の毛区域は、少なくとも約40%〜約80%である、請求項1に記載のブラシヘッド。
【請求項3】
前記包囲された円形区域は、前記毛支持体(7)の区域の約5%〜約15%である、請求項2に記載のブラシヘッド。
【請求項4】
前記中間毛房(13a、13b)は、ほぼ同等のサイズの断面積を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項5】
前記複数の毛房(11、13a、13b、13c)のそれぞれの毛房は、前記毛房の基底面積とほぼ同一又は前記毛房の基底面積の整数倍の断面積を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項6】
前記中間の輪(14)上の前記毛房(13)は、様々な断面形を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項7】
前記中間毛房(13a、13b)は矩形の毛房(13b)を備え、前記毛房(13b)は、前記中間の輪(14)の対向する側に配列され、角形の、好ましくは矩形の、特に好ましくはほぼ正方形の断面を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項8】
前記中間の輪(14)の少なくとも1つの矩形の毛房(13b)の主軸は、前記主軸(37)が前記中間の輪(14)の接線に対して鋭角に傾斜されるように回転されており、前記角度は約3°〜約30°、好ましくは約5°〜約15°の範囲である、請求項7に記載のブラシヘッド。
【請求項9】
前記外側毛房(11)の断面積及び前記少なくとも2つの中央毛房(13c)の断面積は、前記中間の輪上の毛房(13a、13b)の房の断面積の少なくとも2倍大きい、請求項1〜8のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項10】
前記外側毛房(11)の間に、前記外側毛房(11)の断面積より小さいほぼ丸形又は正方形の断面を有する少なくとも1つの毛房(32)が配列される、請求項1〜9のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項11】
前記中央毛房(13c)は長手方向軸(38)を有し、前記長手方向軸(38)は、互いに平行に延在し、及び/又は、前記毛支持体(7)の主軸に対して平行に延在し、及び/又は、前記外側の輪(12)上の2つの対向する外側毛房(11)を接続する接続線に対して平行に整列されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項12】
前記毛支持体(7)は、円形ではないが丸い形、具体的には卵形又は楕円形を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項13】
前記複数の毛房(11、13、31、32)は、前記毛支持体(7)を上から見下ろした際、前記毛支持体(7)の主軸に対して対称に及び/又は回転対称に配列されており、前記毛支持体(7)上の一つの前記毛房の付着点は、180°回転することにより、他方の付着点に転換可能となっている、請求項1〜12のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項14】
前記外側毛房(11)は、前記中間毛房及び中央毛房(13a、13b、13c)を上回る高さであることにより、前記房の自由端によって画定される作業表面(34)内で中央のくぼみ(16)を形成し、好ましくは前記中央のくぼみ(16)と前記外側毛房(11)との間で、階段状の高さ上昇部が設けられている、請求項1〜13のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項15】
前記毛支持体(7)の前記装着手段(8)は、駆動状態において前記毛支持体の振動回転運動を生成するのに適する前記毛支持体(7)の回転軸(9)を画定する、請求項1〜14のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項16】
前記毛支持体(7)は卵形又は楕円形である、及び/又は、前記複数の毛房の少なくとも1つの輪、好ましくは毛房の外側の輪(12)は、前記回転軸(9)の周りに卵形又は楕円形を描く、請求項1〜15のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項17】
電気歯ブラシ(1)用のブラシヘッドにおいて、好ましくはほぼ皿形状の毛支持体(7)を有し、前記毛支持体は、前記毛支持体(7)の可動式装着のための装着手段(8)と、前記毛支持体(7)上のいくつかの入れ子になった輪又は領域に配列された多数の毛房(11、13a、13b、13c)とを含み、外側の輪(12)又は領域の対向する側に細長い房断面の細長い毛房(11)が装着され、前記外側の輪(12)の内側の中間の輪(14)又は領域に、それぞれの毛房の断面が前記外側の輪(12)又は領域の前記細長い毛房(11)の断面より小さいいくつかの毛房(13a、13b)が装着され、前記中間の輪(14)又は領域の中央の区域に、少なくとも1つの毛セクションが設けられ、具体的には、前記中間の輪(14)又は領域の前記毛房(13a、13b)の断面より大きい断面を有し、毛の末端によって形成される、毛房(13c)が設けられていることを特徴とする、ブラシヘッド。
【請求項18】
電気歯ブラシ(1)用のブラシヘッドであって、
毛支持体(7)の可動式装着のための装着手段(8)を有する毛支持体(7)と、
前記毛支持体(7)上に配列されている複数の毛房(11、13a、13b、13c)と、を備え、
前記毛支持体の中央区域は、前記中央区域に隣接する前記中間毛房(13a、13b)の断面より大きい断面を有する2つの中央毛房(13c)からなる少なくとも1つの毛セクションを備え、前記中央毛房(13c)はそれぞれ、細長い形状、具体的には半月形、バナナ形、又は腎臓形の形状を有し、それらの形状が互いに補完し合うことにより、前記中央領域の毛セクションがほぼ円形、卵形、又は楕円形の構造を有する、電気歯ブラシ用のブラシヘッド。
【請求項19】
請求項1〜16のいずれか一項に記載の追加的特徴を少なくとも1つ有する、請求項19に記載のブラシヘッド。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか一項に記載のブラシヘッドを有する電気歯ブラシ。
【請求項21】
前記電気歯ブラシは、前記ブラシヘッドに連結された駆動構造を有し、前記ブラシヘッドは前記毛支持体(7)を回転振動式に回転軸の周りで駆動するように構成されている、請求項20に記載の電気歯ブラシ。
【請求項1】
電気歯ブラシ(1)用のブラシヘッドであって、
毛支持体(7)の可動式装着のための装着手段(8)を有する毛支持体(7)と、
前記毛支持体(7)上の互いに入れ子になった少なくとも2つの輪又は領域内に配列されている、複数の毛房(11、13a、13b、13c)と、を備え、
外側の輪(12)又は領域は、細長い房断面を有する外側毛房(11)を備え、前記外側毛房(11)は、前記外側の輪又は領域の対向する側に装着され、
前記外側の輪(12)又は領域内に入れ子になった中間の輪(14)又は領域は、前記外側毛房(11)の断面より小さい断面をそれぞれ有するいくつかの中間毛房(13a、13b)を備え、
前記中間の輪(14)又は領域の中央区域は、前記中間の輪(14)又は領域の前記中間毛房(13a、13b)の断面より大きい断面を有する2つの中央毛房(13c)からなる少なくとも1つの毛セクションを備え、前記中央毛房(13c)はそれぞれ、細長い形状、具体的には半月形、バナナ形、又は腎臓形の形状を有し、それらの形状が互いに補完し合うことにより、前記中央領域の毛セクションがほぼ円形、卵形、又は楕円形の構造を有する、電気歯ブラシ用のブラシヘッド。
【請求項2】
前記2つの中央毛房(13c)を備える包囲された円形領域内の毛区域は、少なくとも約40%〜約80%である、請求項1に記載のブラシヘッド。
【請求項3】
前記包囲された円形区域は、前記毛支持体(7)の区域の約5%〜約15%である、請求項2に記載のブラシヘッド。
【請求項4】
前記中間毛房(13a、13b)は、ほぼ同等のサイズの断面積を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項5】
前記複数の毛房(11、13a、13b、13c)のそれぞれの毛房は、前記毛房の基底面積とほぼ同一又は前記毛房の基底面積の整数倍の断面積を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項6】
前記中間の輪(14)上の前記毛房(13)は、様々な断面形を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項7】
前記中間毛房(13a、13b)は矩形の毛房(13b)を備え、前記毛房(13b)は、前記中間の輪(14)の対向する側に配列され、角形の、好ましくは矩形の、特に好ましくはほぼ正方形の断面を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項8】
前記中間の輪(14)の少なくとも1つの矩形の毛房(13b)の主軸は、前記主軸(37)が前記中間の輪(14)の接線に対して鋭角に傾斜されるように回転されており、前記角度は約3°〜約30°、好ましくは約5°〜約15°の範囲である、請求項7に記載のブラシヘッド。
【請求項9】
前記外側毛房(11)の断面積及び前記少なくとも2つの中央毛房(13c)の断面積は、前記中間の輪上の毛房(13a、13b)の房の断面積の少なくとも2倍大きい、請求項1〜8のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項10】
前記外側毛房(11)の間に、前記外側毛房(11)の断面積より小さいほぼ丸形又は正方形の断面を有する少なくとも1つの毛房(32)が配列される、請求項1〜9のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項11】
前記中央毛房(13c)は長手方向軸(38)を有し、前記長手方向軸(38)は、互いに平行に延在し、及び/又は、前記毛支持体(7)の主軸に対して平行に延在し、及び/又は、前記外側の輪(12)上の2つの対向する外側毛房(11)を接続する接続線に対して平行に整列されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項12】
前記毛支持体(7)は、円形ではないが丸い形、具体的には卵形又は楕円形を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項13】
前記複数の毛房(11、13、31、32)は、前記毛支持体(7)を上から見下ろした際、前記毛支持体(7)の主軸に対して対称に及び/又は回転対称に配列されており、前記毛支持体(7)上の一つの前記毛房の付着点は、180°回転することにより、他方の付着点に転換可能となっている、請求項1〜12のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項14】
前記外側毛房(11)は、前記中間毛房及び中央毛房(13a、13b、13c)を上回る高さであることにより、前記房の自由端によって画定される作業表面(34)内で中央のくぼみ(16)を形成し、好ましくは前記中央のくぼみ(16)と前記外側毛房(11)との間で、階段状の高さ上昇部が設けられている、請求項1〜13のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項15】
前記毛支持体(7)の前記装着手段(8)は、駆動状態において前記毛支持体の振動回転運動を生成するのに適する前記毛支持体(7)の回転軸(9)を画定する、請求項1〜14のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項16】
前記毛支持体(7)は卵形又は楕円形である、及び/又は、前記複数の毛房の少なくとも1つの輪、好ましくは毛房の外側の輪(12)は、前記回転軸(9)の周りに卵形又は楕円形を描く、請求項1〜15のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項17】
電気歯ブラシ(1)用のブラシヘッドにおいて、好ましくはほぼ皿形状の毛支持体(7)を有し、前記毛支持体は、前記毛支持体(7)の可動式装着のための装着手段(8)と、前記毛支持体(7)上のいくつかの入れ子になった輪又は領域に配列された多数の毛房(11、13a、13b、13c)とを含み、外側の輪(12)又は領域の対向する側に細長い房断面の細長い毛房(11)が装着され、前記外側の輪(12)の内側の中間の輪(14)又は領域に、それぞれの毛房の断面が前記外側の輪(12)又は領域の前記細長い毛房(11)の断面より小さいいくつかの毛房(13a、13b)が装着され、前記中間の輪(14)又は領域の中央の区域に、少なくとも1つの毛セクションが設けられ、具体的には、前記中間の輪(14)又は領域の前記毛房(13a、13b)の断面より大きい断面を有し、毛の末端によって形成される、毛房(13c)が設けられていることを特徴とする、ブラシヘッド。
【請求項18】
電気歯ブラシ(1)用のブラシヘッドであって、
毛支持体(7)の可動式装着のための装着手段(8)を有する毛支持体(7)と、
前記毛支持体(7)上に配列されている複数の毛房(11、13a、13b、13c)と、を備え、
前記毛支持体の中央区域は、前記中央区域に隣接する前記中間毛房(13a、13b)の断面より大きい断面を有する2つの中央毛房(13c)からなる少なくとも1つの毛セクションを備え、前記中央毛房(13c)はそれぞれ、細長い形状、具体的には半月形、バナナ形、又は腎臓形の形状を有し、それらの形状が互いに補完し合うことにより、前記中央領域の毛セクションがほぼ円形、卵形、又は楕円形の構造を有する、電気歯ブラシ用のブラシヘッド。
【請求項19】
請求項1〜16のいずれか一項に記載の追加的特徴を少なくとも1つ有する、請求項19に記載のブラシヘッド。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか一項に記載のブラシヘッドを有する電気歯ブラシ。
【請求項21】
前記電気歯ブラシは、前記ブラシヘッドに連結された駆動構造を有し、前記ブラシヘッドは前記毛支持体(7)を回転振動式に回転軸の周りで駆動するように構成されている、請求項20に記載の電気歯ブラシ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公表番号】特表2012−506752(P2012−506752A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533924(P2011−533924)
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【国際出願番号】PCT/IB2009/054899
【国際公開番号】WO2010/052653
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(596181730)ブラウン ゲーエムベーハー (75)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【国際出願番号】PCT/IB2009/054899
【国際公開番号】WO2010/052653
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(596181730)ブラウン ゲーエムベーハー (75)
【Fターム(参考)】
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