説明

電池制御装置、車両、及び電池制御方法

【課題】電池回路の効率をよくする電池制御装置、車両、電池制御方法を提供する。
【解決手段】複数の電池が並列に接続された電池回路と、並列に接続された前記複数の電池のそれぞれを、前記電池回路から電気的に切り離す複数のスイッチと、前記スイッチを制御して、劣化がより大きい前記電池を前記電池回路から切り離すことで、劣化がより小さい前記電池を劣化がより大きい前記電池より優先的に使用させるスイッチ制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、劣化が小さい電池を優先的に使用させる電池制御装置、車両、及び電池制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、異常が検出された電池セルを含む直列電池モジュールを電池回路から切り離す技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−238619号公報
【特許文献2】特開2008−288109号公報
【特許文献3】特許第3976268号
【特許文献4】特開2006−246595号公報
【特許文献5】特許第3279071号
【特許文献6】特開2000−149999号公報
【特許文献7】特開2003−111204号公報
【特許文献8】特開2005−302337号公報
【特許文献9】特許第4033130号
【特許文献10】特開平9−35760号公報
【特許文献11】特開平8−308122号公報
【特許文献12】特開平11−185832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
異常が検出された後に、電池モジュールを電池回路から切り離しても、劣化の異なる電池が接続されていることで、電池回路の効率が悪い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、電池制御装置であって、複数の電池が並列に接続された電池回路と、並列に接続された複数の電池のそれぞれを、電池回路から電気的に切り離す複数のスイッチと、スイッチを制御して、劣化がより大きい電池を電池回路から切り離すことで、劣化がより小さい電池を劣化がより大きい電池より優先的に使用させるスイッチ制御部とを備える。
【0006】
電池回路の電圧を検出する電圧検出部をさらに備えてよく、スイッチ制御部は、電池回路の電圧が所定値以下になった場合、スイッチを制御して、電池回路から切り離されている電池を電池回路に接続し、電池回路に接続されている電池を電池回路から切り離してよい。
【0007】
電池回路から負荷に供給される電力が不足するか否かを判断する電力不足判断部をさらに備えてよく、スイッチ制御部は、電力が不足している場合、スイッチを制御して、電池回路から切り離されている電池を電池回路に接続させてよい。
【0008】
発電して複数の電池の少なくとも1つを充電する発電部をさらに備えてよく、スイッチ制御部は、電池回路に接続されている電池が満充電になった場合、スイッチを制御して、電池回路から切り離されている電池を電池回路に接続し、電池回路に接続されている電池を電池回路から切り離してよい。
【0009】
複数の電池のそれぞれの劣化を検出する劣化検出部をさらに備えてよく、スイッチ制御部は、スイッチを制御して、複数の電池のうち、劣化が最も小さい電池との劣化の差が所定値以下の電池を電池回路に接続させ、劣化の差が所定値を越える電池を電池回路から切り離してよい。
【0010】
電池回路の電圧を検出する電圧検出部と、複数の電池のそれぞれの劣化を検出する劣化検出部とをさらに備えてよく、スイッチ制御部は、電池回路が負荷に電力を供給していないときに、複数の電池のそれぞれを順次電池回路に接続させ、接続させる当該電池以外の電池を電池回路から切り離した状態にしてよく、電圧検出部は、電池回路の電圧を検出することで、複数の電池のそれぞれの電圧を検出してよく、劣化検出部は、複数の電池のそれぞれの電圧から、複数の電池のそれぞれの電圧の劣化を検出してよい。
【0011】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】車両100の一例を示す。
【図2】電池セルのリパックの概要を示す。
【図3】電池制御装置101を備えた発電装置300の一例を示す。
【図4】別の電池制御装置400を備えた車両100の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】
図1は、車両100の一例を示す。車両100は、電池制御装置101、インバータ102、及びモータ103を備える。電池制御装置101は、複数の電池111、複数のスイッチ112、複数の電流検出部113、電圧検出部114、劣化検出部115、スイッチ制御部116、及び電力不足判断部117を有する。車両100は、電気自動車であってよい。
【0015】
複数の電池111は、並列に接続されている。複数の電池111が並列に接続されて電池回路を構成する。電池回路とは、負荷に供給することができる電池111が接続された回路のことをいい、電池回路を組電池と呼んでもよい。また、複数のスイッチ112は、並列に接続された複数の電池111のそれぞれを、電池回路から切り離す。具体的には、電池111aとスイッチ112aとが直列に接続され、電池111bとスイッチ112bとが直列に接続されるという具合に、それぞれの電池111とスイッチ112とが直列に接続されている。これにより、スイッチ112は、対応する電池111を電池回路から切り離したり接続したりすることができる。ここで、スイッチ112に対応する電池111とは、スイッチ112と直列に接続されている電池111のことをいう。
【0016】
また、複数の電流検出部113は、それぞれの電池111の電流を検出する。つまり、それぞれの電池111から流れる電流を検出する。具体的には、電池111aと電流検出部113aとが直列に接続され、電池111bと電流検出部113bとが直列に接続されるという具合に、それぞれの電池111と電流検出部113とが直列に接続されている。これにより、電流検出部113は、対応する電池111から流れる電流を検出することができる。ここで、電流検出部113に対応する電池111とは、電流検出部113と直列に接続されている電池111のことをいう。複数の電流検出部113は、検出したそれぞれの電池111の電流値を劣化検出部115及び電力不足判断部117に出力する。
【0017】
電圧検出部114は、電池回路の電圧を検出する。電圧検出部114は、検出した電池回路の電圧値を劣化検出部115及び電力不足判断部117に出力する。劣化検出部115は、複数の電池111のそれぞれの劣化を検出する。劣化検出部115は、複数の電池111のそれぞれの電圧及び電流の少なくとも1つからそれぞれの電池111の劣化を検出する。劣化検出部115は、劣化として、例えば、電池111の内部抵抗値、電池111の充放電の回数、電池111の充電開始電圧、電池111の充電完了電圧、電池111の充電カーブ、電池111の劣化カーブの少なくとも1つを検出してよい。本実施の形態では、劣化検出部115は、電池111の内部抵抗値を検出する。劣化検出部115が検出した電池111の劣化を、スイッチ制御部116に出力する。劣化検出部115は、検出した劣化の度合いを示す劣化値をスイッチ制御部116に出力する。劣化値は、値が大きいほどより劣化が進んでいることを示す。劣化検出部115は、劣化として内部抵抗値を検出する場合は、該内部抵抗値を劣化値としてそのまま用いてよい。
【0018】
スイッチ制御部116は、複数のスイッチ112を制御する。スイッチ制御部116は、スイッチ112を制御して、それぞれの電池111を電池回路に接続したり、電池回路から切り離したりする。スイッチ制御部116は、スイッチ112を制御して、劣化がより大きい電池111を電池回路から切り離す。これにより、劣化がより小さい電池111は電池回路に接続されていることになるので、劣化がより小さい電池111を、劣化がより大きい電池111より優先的に使用させることができる。また、劣化がより大きい電池111の劣化の進行を抑えることができる。電池111の使用とは、放電及び充電の両方を含む。
【0019】
スイッチ制御部116は、スイッチ112を制御して、複数の電池111のうち、劣化が最も小さい電池111との劣化の差が所定値以下の電池111を電池回路に接続させ、劣化の差が所定値を越える電池111を電池回路から切り離す。具体的には、複数の電池111のそれぞれの内部抵抗値のうち、最も内部抵抗値が小さい電池111の内部抵抗値を基準にして、該基準となる内部抵抗値との差が所定値以下の内部抵抗値の電池111を電池回路に接続させる。また、逆に、基準となる内部抵抗値との差が所定値を越える内部抵抗値の電池111を電池回路から切り離す。
【0020】
スイッチ制御部116は、電池回路の電圧が所定値以下になった場合は、スイッチ112を制御して、電池回路から切り離されている電池111を電池回路に接続する。電池回路の電池残量は、電池回路の電圧に比例する。つまり、電池回路の電圧が低くなると、電池回路の電池残量も少なくなる。したがって、電池回路の電圧が所定値以下になった場合は、電池回路から切り離されている劣化が大きい電池111を電池回路に接続させることで、電池回路の電池残量を回復させることができる。また、スイッチ制御部116は、電池回路の電圧が所定値以下になった場合は、スイッチ112を制御して、電池回路から切り離されている電池111を電池回路に接続して、電池回路に接続されている電池111を電池回路から切り離してよい。電池回路に接続されている電池111は、劣化がより小さい電池111であるが、電池残量が少ないので当該電池111を電池回路から切り離す。
【0021】
また、スイッチ制御部116は、スイッチ112を制御して、複数の電池111のそれぞれを順次電池回路に接続させ、接続させる当該電池111以外の電池111を電池回路から切り離した状態にする。具体的には、スイッチ制御部116は、スイッチ112aを制御して電池111aを電池回路に接続させ、それ以外の電池111を電池回路から切り離す。次に、スイッチ112aを制御して電池111aを電池回路から切り離すとともに、スイッチ112bを制御して電池111bを電池回路に接続させる。この場合は、電池111bが電池回路に接続されており、それ以外の電池111は電池回路から切り離されている。このようにそれぞれの電池111を順々に電池回路に接続させ、接続させる電池111以外は電池回路から切り離した状態にする。電圧検出部114は、電池回路の電圧を検出するが、この場合は、電池回路には、順々に1つの電池111が接続されていくので、電圧検出部114は、複数の電池111のそれぞれの電圧を検出することができる。
【0022】
スイッチ制御部116は、複数の電池111のそれぞれを順次電池回路に接続させ、接続させる当該電池111以外の電池111を電池回路から切り離した状態にする動作を、充電開始時、充電完了時、車両100の停車時、又は車両100の駐車時に行うことで、電圧検出部114に、それぞれの電池111の電圧を検出させてよい。スイッチ制御部116は、電池回路がモータ103に電力を供給していないときに、複数の電池111のそれぞれを順次電池回路に接続させ、接続させる当該電池111以外の電池111を電池回路から切り離した状態にしてよい。また、スイッチ制御部116は、電池回路が負荷に電力を供給していないときに、複数の電池111のそれぞれを順次電池回路に接続させ、接続させる当該電池111以外の電池111を電池回路から切り離した状態にしてよい。負荷に電力を供給していないときに電池111の電圧を検出するので、正確に電池111の電圧を計測することができる。
【0023】
インバータ102は、電池回路から供給される直流電流を交流電流に変換する。インバータ102は、変換した交流電流をモータ103に供給する。モータ103は、車両100の車輪を駆動する。モータ103は、ユーザのアクセルの踏み具合に応じて回転数を変える。また、モータ103は、ユーザのブレーキ操作等によって、回生エネルギーが生じた場合は、インバータ102を介して該回生エネルギーを複数の電池111の少なくとも1つを充電する。つまり、モータ103は、発電部としての機能も有する。
【0024】
モータ103からの回生エネルギーを電池111に充電する場合は、スイッチ制御部116は、電池回路に接続されている劣化がより小さい電池111が満充電になった場合に、スイッチ112を制御して、電池回路から切り離されている劣化がより大きい電池111を電池回路に接続するとともに、電池回路に接続されている劣化がより小さい電池111を電池回路から切り離す。また、モータ103からの回生エネルギーを電池111に充電する場合に、電池回路に劣化がより大きい電池111が接続されている場合は、該劣化がより大きい電池111を電池回路から切り離してもよい。つまり、劣化がより大きい電池111は充電せずに、劣化がより小さい電池111が満充電になった場合だけ、劣化がより大きい電池111を充電させてよい。また、回生エネルギーを電池111に充電する場合に、電池回路に劣化がより小さい電池111が接続されていない場合は、該劣化がより小さい電池111を電池回路に接続させてよい。つまり、劣化がより小さい電池111を優先的に使用してよい。
【0025】
電力不足判断部117は、電池回路から負荷に供給される電力が不足するか否かを判断する。電力不足判断部117は、電池回路から負荷に供給できる電力が、負荷が消費する電力量より多いか否かを判断することで、電力が不足するか否かを判断する。負荷は、例えば、モータ103であってよく、空調装置であってもよい。また、モータ103は、回転数によって消費する電力が変わる。また、空調装置も設定温度等によって消費する電力が変わる。電力不足判断部117は、アクセルの踏み具合、設定温度等によって負荷が消費する電力を算出してもよい。また、電力不足判断部117は、電池回路の電圧及び電池回路から流れる電流の少なくとも1つに基づいて電池回路から負荷に供給できる電力を求めてもよい。複数の電流検出部113が検出した電池回路に接続されている電池の電流値を合算した値が電池回路から流れる電流となる。また、電力不足判断部117は、電池回路に接続されている電池111の電圧及び該電池111から流れる電流の少なくとも1つに基づいて電池回路から負荷に供給できる電力を求めてもよい。複数の電池111のそれぞれの電圧は、上述した方法で検出することができる。
【0026】
スイッチ制御部116は、電池回路から負荷に供給される電力が不足している場合は、スイッチ112を制御して、電池回路から切り離されている劣化がより大きい電池111を電池回路に接続させてよい。これにより、電池回路の電池容量が多くなり、電池回路から負荷に供給する電力を大きくすることができる。
【0027】
ここで、劣化検出部115の劣化検出について説明する。電池111の内部抵抗値は、電池111の電圧と電流とから求めることができる。劣化検出部115は、検出した電池111の電圧及び電流から当該電池111の内部抵抗値を検出してよい。また、劣化検出部115は、周期的に電池111の内部抵抗値を検出してその履歴を記録してよい。また、電池111の充放電の回数は、充電から放電までを1回とカウントする。つまり、充電されてから、次の充電が行われるまでを1回とカウントしてよい。充放電のカウントは、電圧の履歴、電流の履歴によってカウントすることができる。劣化検出部115は、電池111の電圧の履歴から充放電の回数を検出してよい。また、劣化検出部115は、電池111の電流から充放電の回数を検出してよい。この充放電回数が多くなれば劣化が進む。この充放電の回数に応じて劣化値を定めてよい。
【0028】
電圧の履歴とは、時間の経過に伴う電池111の電圧の変化のことをいう。つまり、劣化検出部115は、電池111の電圧を所定周期毎に記録することで電圧の履歴を得ることができる。電流の履歴とは、時間の経過に伴う電池111の電流の変化のことをいう。つまり、劣化検出部115は、電池111の電流を所定周期毎に記録することで電流の履歴を得ることができる。
【0029】
電池111の充電開始電圧とは、電池111の充電を開始したときの該電池111の電圧のことをいう。劣化検出部115は、充電を開始したときの電池111の電圧の値の履歴を記録して、最も低い充電開始電圧を検出してよい。充電を開始したときの電池111の電圧が低ければ劣化が進む。充電を開始したときの電圧は、その電圧まで放電させたことを意味する。充電開始電圧に応じて劣化値を定めてよい。なお、劣化検出部115は、所定電圧より低い充電開始電圧が検出された回数を検出してもよい。所定電圧より低い充電開始電圧が検出された回数が多ければ多いほど劣化が進む。所定電圧とは、過放電となる電圧であってよい。所定電圧より低い充電開始電圧が検出された回数に応じて劣化値を定めてよい。
【0030】
また、電池111の充電完了電圧とは、満充電したときの電池111の電圧のことをいう。劣化検出部115は、満充電時の電池111の電圧を示す値を記録して、直近の電圧を検出してよい。劣化が進むと満充電時の電圧が低下する。満充電時の電圧に応じて劣化値を定めてよい。なお、劣化検出部115は、満充電電圧より高い電圧が検出された回数を検出してもよい。つまり、過充電された回数を検出してよい。過充電された回数が多ければ多いほど劣化が進む。
【0031】
また、充電カーブとは、電池111の充電中における充電時間と、電圧との関係を示す。劣化検出部115は、充電開始から充電終了時までに検出した電圧を示す値から充電カーブを検出してよい。充電時間に対する電池111の電圧の上昇が高い場合は、電池111の劣化は小さく、充電時間に対する電池111の電圧の上昇が低い場合は、電池111の劣化は大きい。この充電カーブの度合いに応じて劣化値を定めてよい。
【0032】
劣化カーブは、電池111の劣化履歴を示す。劣化カーブは、満充電時における電池111の電圧の遷移を示してよい。劣化カーブは、充電回数と満充電時における電池111の電圧との関係を示してよい。電池111の充電回数が増えていくと、満充電時における電池111の電圧が小さくなる。つまり、劣化が進むにつれ、満充電時における電池111の電圧が小さくなる。劣化検出部115は、満充電時における電池111の電圧と現在の充電回数を記録していくことで劣化カーブを検出してよい。また、劣化カーブは、電池111の内部抵抗値の変化であってもよい。電池111の内部抵抗が大きくなっていくにつれ、電池111が劣化していく。劣化カーブは、電池111の充電回数と内部抵抗値との関係を示してよい。電池111は、充電回数が増えていくと、電池111の内部抵抗が大きくなっていく。劣化カーブの度合いに応じて劣化値を定めてもよい。なお、電池111は温度によっても劣化が進み易くなるので、劣化検出部115は、電池111の温度を考慮して電池111の劣化を検出してよい。この場合は、車両は、電池111のそれぞれの温度を検出する温度センサを備える。
【0033】
次に、図1の車両100の動作について説明する。電池回路からモータ103に電力を供給する場合の動作を説明する。スイッチ制御部116は、スイッチ112を制御して、劣化がより大きい電池111を電池回路から切り離すとともに、劣化がより小さい電池111を電池回路に接続させた状態にする。具体的には、スイッチ制御部116は、劣化検出部115が検出した複数の電池111の劣化値を用いて、劣化が最も小さい電池111との劣化の差が所定値以下の電池111を電池回路に接続させ、劣化の差が所定値を越える電池111を電池回路から切り離す。これにより、劣化がより小さい電池111が電池回路に接続されているので、劣化がより小さい電池111が優先的に使用される。つまり、劣化がより小さい電池111の電力がモータ103などの負荷に供給される。これにより、劣化がより大きい電池111は、頻繁に放電されることなく、劣化がより大きい電池111の劣化の進行を遅くすることができる。また、電池回路全体としての劣化の進行を遅くすることができる。
【0034】
また、劣化がより小さい電池と劣化がより大きい電池とが並列に接続されていないので、電池回路の効率を上げることができる。例えば、劣化がより小さい電池と、劣化がより大きい電池とが並列に接続されると、劣化がより大きい電池を基準に放電されてしまい、劣化がより小さい電池の性能を発揮させることができず、劣化がより小さい電池に蓄えられている電力を十分に使用することができない。なお、スイッチ制御部116は、スイッチ112を制御して、劣化がより大きい電池111を電池回路から切り離すとともに、劣化がより小さい電池111を電池回路に接続させた状態にする動作を、所定周期で行ってもよい。また、スイッチ制御部116は、車両100の使用開始時、又は、車両100の使用終了時に行ってもよい。定期的に行うことで、劣化がより小さい電池111の優先的使用により該電池111の劣化が、劣化がより大きい電池111の劣化と略同一となった場合は、該劣化がより大きい電池111は、電池回路に接続されることになる。
【0035】
そして、以下の場合には、劣化がより大きい電池111が電池回路に接続される。例えば、劣化がより小さい電池111を優先的に放電することにより、劣化がより小さい電池111の電圧が低下する。これに伴って、電池回路の電圧も低下する。スイッチ制御部116は、電池回路の電圧が所定値以下になると、スイッチ112を制御して、電池回路から切り離されている劣化がより大きい電池111を電池回路に接続するとともに、電池回路に接続されている劣化がより小さい電池111を電池回路から切り離す。これにより、電池回路の電圧を上げることができると共に、劣化がより小さい電池111の過放電を防止することができる。なお、劣化がより小さい電池111が充電された場合は、スイッチ制御部116は、スイッチ112を制御して、再び劣化がより小さい電池111を電池回路に接続するとともに、劣化がより大きい電池111を電池回路から切り離した状態にする。つまり、劣化がより大きい電池111は、バックアップ電源として用いられる。
【0036】
また、例えば、電力不足判断部117が電池回路からモータ103などの負荷に供給する電力が不足すると判断した場合は、スイッチ制御部116は、スイッチ112を制御して、電池回路から切り離されている劣化がより大きい電池111を電池回路に接続させる。これにより、負荷に供給する電力不足を解消することができる。つまり、劣化がより大きい電池111は、補助バッテリとして用いられる。なお、劣化がより小さい電池111の電力で、負荷に供給する電力を賄える場合は、スイッチ制御部116は、スイッチ112を制御して、劣化がより大きい電池111を電池回路から切り離す。
【0037】
また、スイッチ制御部116は、電池回路の使用により、電池回路に接続されている電池111の劣化が、電池回路から切り離されている劣化がより大きい電池の劣化と略同じになった場合は、スイッチ112を制御して、該劣化がより大きい電池401を電池回路に接続させてもよい。
【0038】
次に、モータ103からの回生エネルギーを電池回路に充電する場合の動作を説明する。スイッチ制御部116は、スイッチ112を制御して、劣化がより大きい電池111を電池回路から切り離すとともに、劣化がより小さい電池111を電池回路に接続させた状態にする。これにより、劣化がより小さい電池111が優先的に使用される。つまり、劣化がより小さい電池111に回生エネルギーが充電される。これにより、劣化がより大きい電池111は、頻繁に充電されることなく、劣化がより大きい電池111の劣化の進行を遅くすることができる。また、劣化がより小さい電池と劣化がより大きい電池とが並列に接続されていないので、電池回路の効率を上げることができる。例えば、劣化がより小さい電池と、劣化がより大きい電池とが並列に接続されると、劣化がより大きい電池を基準に充電されてしまい、劣化がより小さい電池の性能を発揮させることができず、劣化がより小さい電池を満充電にすることができない。
【0039】
そして、劣化がより小さい電池111が満充電になると、スイッチ制御部116は、スイッチ112を制御して、電池回路から切り離されている劣化がより大きい電池111を電池回路に接続させるとともに、劣化がより小さい電池111を電池回路から切り離す。これにより、劣化がより大きい電池111の充電回数を減らすことができるとともに、劣化がより小さい電池111の過充電を防止することができる。つまり、劣化がより大きい電池111は、補助バッテリとして用いられる。なお、モータ103から回生エネルギーが供給されなくなると、スイッチ制御部116は、スイッチ112を制御して、劣化がより小さい電池111を電池回路に接続させた状態にするとともに、劣化がより大きい電池111を電池回路から切り離した状態にする。また、劣化がより大きい電池111が満充電になると、スイッチ制御部116は、スイッチ112を制御して、劣化がより大きい電池111を電池回路から切り離す。つまり、すべての電池111が、電池回路から切り離される。
【0040】
図1の電池111は、電池セルであってもよく、複数の電池セルが直列に接続された電池モジュールであってもよい。また、電池モジュールは、劣化度合いが略同一の複数の電池セルから構成されていてもよい。また、回収した電池モジュール又は電池パックを電池セル単位に分解して、その電池セルをリパックして電池モジュールを電池111として用いてよい。
【0041】
図2は、電池セルのリパックの概要を示す。使用された複数の電池モジュール200を電池セル201単位毎に分解する。つまり、複数の電池モジュール200を分解して、それぞれの電池セル201同士をばらばらにする。そして、ばらばらにした複数の電池セル201のうち、電池セル201の劣化が略同一となる電池セル201群を1つの電池モジュールに組み込む電池セルとして選択する。そして、選択された電池セル201を1つの電池モジュール200に組み込んで、電池モジュール200を再形成する。このように、劣化が略同一の複数の電池セル201を電池モジュール200に組み込むことで、電池モジュールの劣化の進行を遅くすることがきる。略同一の劣化の電池セル201群を1つの電池モジュール200に組み込んだ場合は、それぞれの電池モジュール200の劣化は既知となる。劣化検出部115は、それぞれの電池モジュール200の劣化を記憶してよい。また、使用した電池を劣化がより大きい電池111として用い、新品の電池を劣化がより小さい電池111として用いるようにしてもよい。これにより、コストを低減させることができる。
【0042】
また、電池制御装置101は、車両100に設けるようにしたが、他の装置、機器等に設けてよい。図3は、電池制御装置101を備えた発電装置300を示す。発電装置300は、電池制御装置101の他に発電部301を備える。発電部301は、電力を発電する。発電部301は、発電して複数の電池111の少なくとも1つを充電する。発電部301は、太陽光で発電する太陽光発電機であってもよく、風力によって発電する風力発電機であってもよい。また、燃料電池であってもよい。発電装置300には、電池制御装置101の電池回路の電力が供給される負荷が接続されてよい。発電装置300の電池制御装置101の動作は、図1の車両100の電池制御装置101の動作と同じで合ってよい。これにより、発電部301が発電した電力は、原則として、劣化がより小さい電池111に充電されると共に、劣化がより小さい電池111の電力が負荷に供給される。つまり、劣化がより小さい電池111が優先的に使用されることになる。また、劣化がより大きい電池111は、バックアップ電源、補助バッテリとして用いられる。
【0043】
図4は、別の電池制御装置400を備えた車両100の一例を示す。車両100は、電池制御装置400、インバータ102、モータ103を備える。インバータ102及びモータ103は、図1で説明したので、電池制御装置400について説明する。電池制御装置400は、複数の電池401、複数のバイパス回路402、複数のスイッチ403、電圧検出部404、電流検出部405、劣化検出部406、及びスイッチ制御部407を有する。
【0044】
複数の電池401は、直列に接続されている。複数の電池401が直列に接続されて電池回路を構成する。この電池回路を組電池と呼んでもよい。複数のバイパス回路402は、複数の電池のそれぞれを電池回路から除外する。複数のスイッチ403は、複数の電池401をそれぞれ直列に接続させるか、バイパス回路402に接続させて電池回路から除外するかを切り換える。直列に接続された電池401は電池回路に接続される。
【0045】
具体的には、電池401a、スイッチ403a、電池401b、スイッチ403bという順番に、それぞれの電池401とスイッチ403とが交互に直列に接続される。また、それぞれのスイッチ403を介して、それぞれの電池401とそれぞれのバイパス回路402とが並列に接続される。これにより、それぞれのスイッチ403は、対応する電池401を直列に接続させるか、バイパス回路に接続させて対応する電池401を電池回路から除外するかを切り換えることができる。具体的には、スイッチ403aは、電池401aを直列に接続させるか、電池回路から除外するかを切り換える。スイッチ403bは、電池401bを直列に接続させるか、電池回路から除外するかを切り換える。
【0046】
電圧検出部404は、それぞれの電池401の電圧を検出する。また、電圧検出部404は、電池回路の電圧を検出する。電圧検出部404は、検出したそれぞれの電池401の電圧を劣化検出部406及び電力不足判断部408に出力する。電流検出部405は、電池回路の電流を検出する。つまり、電流検出部405は、電池回路から流れる電流を検出する。電流検出部405は、検出した電流を劣化検出部406及び電力不足判断部408に出力する。劣化検出部406は、複数の電池401のそれぞれの劣化を検出する。劣化検出部406は、複数の電池401のそれぞれの電圧及び電流の少なくとも1つからそれぞれの電池401の劣化を検出する。劣化検出部406は、劣化として、例えば、電池401の内部抵抗値、電池401の充放電の回数、電池401の充電開始電圧、電池401の充電完了電圧、電池401の充電カーブ、電池401の劣化カーブの少なくとも1つを検出してよい。劣化検出部406は、図1の劣化検出部115と同じ機能を有してよい。本実施の形態では、劣化検出部406は、電池401の内部抵抗値を検出する。劣化検出部406は、検出した電池401の劣化をスイッチ制御部407に出力する。劣化検出部406は、検出した劣化の度合いを示す劣化値をスイッチ制御部407に出力する。劣化検出部406は、劣化として内部抵抗値を検出する場合は、内部抵抗値を劣化値としてそのまま用いてよい。
【0047】
スイッチ制御部407は、複数のスイッチ403を制御する。スイッチ制御部407は、スイッチ403を制御して、劣化がより大きい電池401を電池回路から除外する。これにより、電池回路全体としての劣化の進行速度を遅くすることができ、電池回路全体としての効率をよくすることができる。また、劣化がより小さい電池401だけが直列に接続されることになるので、電池401の劣化の進行速度を遅くすることができる。
【0048】
劣化がより大きい電池401と劣化がより小さい電池401とを直列に接続して、充電する場合に、劣化がより大きい電池を基準に充電すると、劣化がより小さい電池401を満充電できない。逆に、劣化がより小さい電池401を基準に充電すると、劣化がより大きい電池401が過充電になる。また、放電の場合も同様に、劣化がより大きい電池401を基準に放電すると、劣化がより小さい電池401が十分に放電することができない。逆に、劣化がより小さい電池401を基準に放電すると、劣化がより大きい電池401が過放電となる。したがって、劣化がより大きい電池401と劣化がより小さい電池401とを直列に接続すると、電池回路として劣化の進行速度は速くなり、電池回路全体して効率が悪くなる。
【0049】
スイッチ制御部407は、複数の電池401のうち、最も劣化が小さい電池401との劣化の差が所定値以下の電池401を直列に接続させ、劣化の差が所定値を越える電池401を電池回路から除外してよい。具体的には、複数の電池401のそれぞれの内部抵抗値のうち、最も内部抵抗値が小さい電池の内部抵抗値を基準にして、該基準となる内部抵抗値との差が所定値以下の内部抵抗値の電池401を直列に接続させる。また、逆に、基準となる内部抵抗値との差が所定値を越える内部抵抗値の電池401を電池回路から除外する。
【0050】
スイッチ制御部407は、電池回路の電圧が所定値以下になった場合は、スイッチ403を制御して、電池回路から除外されている電池401を直列に接続させる。電池回路の電池残量は、電池回路に電圧に比例する。つまり、電池回路の電圧が小さくなると電池回路の電池残量も少なくなる。したがって、電池回路の電圧が所定値以下になった場合は、電池回路から除外されている電池401を直列に接続させることで、電池回路の電池残量を回復させることができる。
【0051】
スイッチ制御部407は、スイッチ403を制御して、複数の電池401のそれぞれを順次直列に接続させ、直列に接続させる当該電池401以外の電池を電池回路から除外した状態にする。具体的には、スイッチ制御部407は、スイッチ403aを電池401a側に接続させ、スイッチ403a以外のスイッチ403をバイパス回路402に接続させる。つまり、電池401aが直列に接続され、それ以外の電池401は電池回路から除外された状態となる。次に、スイッチ403aをバイパス回路402aに接続させ、スイッチ403bを電池401bに接続させる。この場合は、スイッチ403b以外のスイッチ403は、バイパス回路402に接続されている。つまり、電池401bが直列に接続され、それ以外の電池401は電池回路から除外された状態となる。このように、それぞれの電池401を順次直列に接続させて、直列に接続される当該電池401以外の電池401を電池回路から除外した状態する。電流検出部405は、電池回路の電流を検出するが、この場合は、電池回路には、順々に1つの電池401が接続されていくので、電流検出部405は、複数の電池401のそれぞれの電流を検出することができる。
【0052】
スイッチ制御部407は、複数の電池401のそれぞれを順次直列に接続させ、直列に接続させる当該電池401以外の電池を電池回路から除外した状態する動作を、充電開始時、充電完了時、車両100の停車時、又は車両100の駐車時に行うことで、電流検出部405に、それぞれの電池401の電流を検出させてよい。スイッチ制御部407は、電池回路がモータ103等の負荷に電力を供給していないときに、又はモータ等の負荷が一定の電力量で駆動しているときに、複数の電池401のそれぞれを順次直列に接続させ、直列に接続させる当該電池401以外の電池401を電池回路から除外した状態する動作を行ってよい。そして、電流検出部405がそれぞれの電池401の電流を検出してよい。モータ103は時間変化に伴って、モータ103の回転数が変わるので、それに応じてモータ103に供給する電力量も変化してしまう。したがって、モータ103の回転数が時間とともに変わっているときに、電池401の電流を検出しても正確な電流を検出することができない。したがって、モータ103などの負荷に電力を供給していないときに電池401の電流を検出することが好ましい。この場合は、電池401に抵抗などの一定の負荷を接続させて電流を検出することが好ましい。
【0053】
電力不足判断部408は、電池回路から負荷に供給される電力が不足するか否かを判断する。電力不足判断部408は、電池回路から負荷に供給できる電力が、負荷が消費する電力量より多いか否かを判断することで、電力が不足するか否かを判断する。負荷は、例えば、モータ103であってよく、空調装置であってもよい。また、モータ103は、回転数によって消費する電力が変わる。また、空調装置も設定温度等によって消費する電力が変わる。電力不足判断部408は、アクセルの踏み具合、設定温度等によって負荷が消費する電力を算出してもよい。また、電力不足判断部408は、電池回路の電圧及び電池回路から流れる電流の少なくとも1つに基づいて電池回路から負荷に供給できる電力を求めてもよい。また、電力不足判断部408は、電池回路に接続されている電池401の電圧及び該電池401から流れる電流の少なくとも1つに基づいて電池回路から負荷に供給できる電力を求めてもよい。複数の電池401のそれぞれの電圧は、上述した方法で検出することができる。電力不足判断部408は、図1の電力不足判断部117と同じ機能を有してよい。
【0054】
スイッチ制御部407は、電池回路から負荷に供給される電力が不足している場合は、スイッチ403を制御して、電池回路から除外されている劣化がより大きい電池401を直列に接続させてよい。これにより、電池回路の電圧が高くなり、電池回路から負荷に供給する電力を大きくすることができる。
【0055】
次に、図4の車両100の動作について説明する。スイッチ制御部407は、スイッチ403を制御して、劣化がより大きい電池401を電池回路から除外して、劣化がより小さい電池401を直列に接続させる。具体的には、スイッチ制御部407は、劣化検出部406が検出した複数の電池401の劣化値を用いて、劣化が最も小さい電池401との劣化の差が所定値以下の電池401を直列に接続させ、劣化の差が所定値を越える電池401を電池回路から除外する。これにより、電池回路全体としての効率を上げることができ、電池回路の劣化を遅くすることができる。また、劣化がより大きい電池401が、劣化がより小さい電池401の劣化となるまで、電池回路から除外して休ませる。なお、スイッチ制御部407は、スイッチ403を制御して、劣化がより大きい電池401を電池回路から除外するとともに、劣化がより小さい電池401を直列に接続させた状態にする動作を、所定周期で行ってよい。また、スイッチ制御部407は、車両100の使用開始時、又は、車両100の使用終了時に行ってもよい。定期的に行うことで、劣化がより小さい電池401の使用により該電池401の劣化が、劣化がより大きい電池401の劣化と略同一となった場合は、該劣化がより大きい電池401は、電池回路に接続されることになる。
【0056】
そして、劣化がより小さい電池401の使用により、劣化がより小さい電池401が低下する。これに伴って、電池回路の電圧も低下する。スイッチ制御部407は、電池回路の電圧が所定値以下になると、スイッチ403を制御して、電池回路から除外されている劣化がより大きい電池401を直列に接続させる。これにより、電池回路の電圧を上げることができる。なお、スイッチ制御部407は、電池回路から除外されている劣化がより大きい電池401を直列に接続させ、直列に接続されている劣化がより小さい電池401を電池回路から除外してよい。また、劣化がより小さい電池401が充電された場合は、スイッチ制御部407は、スイッチ403を制御して、再び劣化がより小さい電池401を直列に接続するとともに、劣化がより大きい電池401を電池回路から除外した状態にする。
【0057】
また、例えば、電力不足判断部408が電池回路からモータ103などの負荷に供給する電力が不足すると判断した場合は、スイッチ制御部407は、スイッチ403を制御して、電池回路から除外されている劣化がより大きい電池401を直列に接続させる。これにより、負荷に供給する電力不足を解消することができる。なお、劣化がより小さい電池401の電力で、負荷に供給する電力を賄える場合は、スイッチ制御部407は、スイッチ403を制御して、劣化がより大きい電池401を電池回路から除外する。
【0058】
また、スイッチ制御部407は、電池回路の使用により直列に接続している電池401の劣化が、電池回路から除外している劣化がより大きい電池401の劣化と略同じになった場合は、スイッチ403を制御して、該劣化がより大きい電池401を直列に接続させてもよい。
【0059】
なお、電池401は、電池セルであってもよく、複数の電池セルが直列に接続された電池モジュールであってもよい。また、電池401は、図1に示すように、複数の電池111が並列に接続された電池回路であってもよい。また、電池401は、並列に接続された複数の電池111のそれぞれを電池回路から切り離す複数のスイッチ112を備えてもよい。また、電池401は、該スイッチ112を制御するスイッチ制御部を備えてよい。また、電池401は、図1に示す電池制御装置101であってもよい。
【0060】
また、図1の電池111は、図4に示すように、複数の電池401が直列に接続された電池回路であってもよい。また、電池111は、直列に接続された複数の電池401のそれぞれを電池回路から除外するバイパス回路402を備えてもよい。また、電池111は、複数の電池401をそれぞれ直列に接続させるか、バイパス回路402に接続させて電池回路から除外するかを切り換える複数のスイッチ403を備えてもよい。また、電池111は、複数のスイッチ403を制御するスイッチ制御部407を備えてよい。
【0061】
なお、電池制御装置101は、車両100、発電装置300に設けるようにしたが、他の装置に設けてもよい。また、電池制御装置400は、車両100に設けるようにしたが、発電装置300等の他の装置に設けてもよい。
【0062】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0063】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0064】
100 車両、101 電池制御装置、102 インバータ、103 モータ、
111 電池、112 スイッチ、113 電流検出部、114 電圧検出部、115 劣化検出部、116 スイッチ制御部、117 電力不足判断部、200 電池モジュール、201 電池セル、300 発電装置、301 発電部、400 電池制御装置、401 電池、402 バイパス回路、403 スイッチ、404 電圧検出部、405 電流検出部、406 劣化検出部、407 スイッチ制御部、408 電力不足判断部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池が並列に接続された電池回路と、
並列に接続された前記複数の電池のそれぞれを、前記電池回路から電気的に切り離す複数のスイッチと、
前記スイッチを制御して、劣化がより大きい前記電池を前記電池回路から切り離すことで、劣化がより小さい前記電池を劣化がより大きい前記電池より優先的に使用させるスイッチ制御部と、
を備える電池制御装置。
【請求項2】
前記電池回路の電圧を検出する電圧検出部をさらに備え、
前記スイッチ制御部は、前記電池回路の電圧が所定値以下になった場合、前記スイッチを制御して、前記電池回路から切り離されている前記電池を前記電池回路に接続し、前記電池回路に接続されている前記電池を前記電池回路から切り離す
請求項1に記載の電池制御装置。
【請求項3】
前記電池回路から負荷に供給される電力が不足するか否かを判断する電力不足判断部をさらに備え、
前記スイッチ制御部は、電力が不足している場合、前記スイッチを制御して、前記電池回路から切り離されている前記電池を前記電池回路に接続させる
請求項1又は2に記載の電池制御装置。
【請求項4】
発電して前記複数の電池の少なくとも1つを充電する発電部をさらに備え、
前記スイッチ制御部は、前記電池回路に接続されている前記電池が満充電になった場合、前記スイッチを制御して、前記電池回路から切り離されている前記電池を前記電池回路に接続し、前記電池回路に接続されている前記電池を前記電池回路から切り離す
請求項1から3の何れかに記載の電池制御装置。
【請求項5】
前記複数の電池のそれぞれの劣化を検出する劣化検出部をさらに備え、
前記スイッチ制御部は、前記スイッチを制御して、前記複数の電池のうち、劣化が最も小さい前記電池との劣化の差が所定値以下の前記電池を前記電池回路に接続させ、劣化の差が所定値を越える前記電池を前記電池回路から切り離す
請求項1から4の何れかに記載の電池制御装置。
【請求項6】
前記電池回路の電圧を検出する電圧検出部と、
前記複数の電池のそれぞれの劣化を検出する劣化検出部と
をさらに備え、
前記スイッチ制御部は、前記電池回路が負荷に電力を供給していないときに、前記複数の電池のそれぞれを順次前記電池回路に接続させ、接続させる当該電池以外の前記電池を前記電池回路から切り離した状態にし、
前記電圧検出部は、前記電池回路の電圧を検出することで、前記複数の電池のそれぞれの電圧を検出し、
前記劣化検出部は、前記複数の電池のそれぞれの電圧から、前記複数の電池のそれぞれの電圧の劣化を検出する
請求項1から5の何れかに記載の電池制御装置。
【請求項7】
請求項1から6の何れかに記載の電池制御装置を備える車両。
【請求項8】
電池回路が有する並列に接続された複数の電池のそれぞれを前記電池回路から電気的に切り離す複数のスイッチを制御して、劣化がより大きい前記電池を前記電池回路から切り離すことで、劣化がより小さい前記電池を劣化がより大きい前記電池より優先的に使用させるスイッチ制御工程を備える電池制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−232106(P2010−232106A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−80629(P2009−80629)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000000147)伊藤忠商事株式会社 (43)
【出願人】(302064762)株式会社日本総合研究所 (367)
【Fターム(参考)】