説明

電池用セパレータへの水塗布方法および水塗布装置

【課題】高速ロータリーダイヤル方式の電池製造設備において、セパレータの底部成形性を向上させるための水を精度良く確実に少量塗布する電池用セパレータへの水塗布方法および水塗布装置を提供する。
【解決手段】セパレータ開口端部が下方を向くように円筒状セパレータ10をマンドレル2に回転可能に保持させ、該円筒状セパレータの開口端部の外周面に対して水タンク3を可動に近接配置し、親水性と可撓性を有する給水部材4の一端部を水タンク3内の水に浸漬させるとともに、給水部材4の他端部を前記セパレータ開口端部の外周面に対面させ、水タンク3をマンドレル2のほうに向けて前進させ、給水部材4の他端部をセパレータ開口端部の外周面に押し付け接触させている間に、マンドレル2を軸まわりに回転させ、セパレータ開口端部の外周面の全周に給水部材から水を塗布後、水タンク3をマンドレル2から後退させ、塗布後の円筒状セパレータを送り出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池の正極と負極を離隔する円筒状セパレータの底部を熱成形する前に、その成形性を向上させるために成形部に予め少量の水を塗布する電池用セパレータへの水塗布方法および水塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のアルカリ電池を構成する部品の正極と負極を隔離する円筒状セパレータの底部を熱成形する設備は間欠的に動作する処理速度の遅い低速装置であり、円筒状セパレータの底部を熱成形する際は間欠動作の停止時にディスペンサノズルなどにより成形部分に予め水を少量滴下した後、加熱された成形金型にこの成形部を押し当てて底成形している。
【0003】
例えば特許文献1には、円筒状セパレータの底部成形性を向上させるために、成形前のセパレータ端部の外周面にディスペンサノズルから少量の水を噴霧して塗布する、有底円筒状セパレータの底成形方法が記載されている。
【特許文献1】特開2002−216732号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アルカリ電池の生産性を向上させるためには、その部品であるセパレータを高速で次々に送給して処理する高速ロータリーダイヤル方式の製造設備が必要不可欠である。近時、アルカリ電池製造ラインでの処理工程は高速化がますます進んできていることから、セパレータ底成形加工の直前に行われるセパレータへの水塗布についても迅速に処理することが強く要望されている。
【0005】
しかしながら、従来のディスペンサノズルを近時の高速化したロータリーダイヤル方式の製造設備に適用すると、水塗布量に過不足を生じやすくなり、品質の安定性が保たれ難くなるという問題を生じる。すなわち、次から次に続々と送られてくるセパレータの1個当たりの滞留時間(水塗布時間)が短くなっていることから、水塗布量が不足すると、成形性が不十分になり、セパレータ底部の形状不良を生じるおそれがある。一方、水塗布量の不足を解消するために、その対策としてディスペンサノズルからの水噴霧量を増加させると、セパレータ端部が過剰に水を含んでしまい、強度低下したセパレータ端部が成形時にちぎれてしまうおそれがある。
【0006】
このように従来のディスペンサノズルを用いる水塗布方法は、近時の高速化したロータリーダイヤル方式の製造ラインにおいて、円筒状セパレータの端部に少量の水塗布を精度良く確実に行うことが困難である。
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、高速ロータリーダイヤル方式の電池製造設備において、セパレータの底部成形性を向上させるための水を精度良く確実に少量塗布する電池用セパレータへの水塗布方法および水塗布装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電池用セパレータへの水塗布方法は、電池の正極と負極を離隔する絶縁性の円筒状セパレータの開口端部を熱成形する前に、成形性を向上させるために前記セパレータ開口端部の外周面に少量の水を塗布する電池用セパレータへの水塗布方法において、(a)前記セパレータ開口端部が下方を向くように前記円筒状セパレータをマンドレルに回転可能に保持させ、(b)前記マンドレルに保持された円筒状セパレータの開口端部の外周面に対して水タンクを可動に近接配置し、親水性と可撓性を有する給水部材の一端部を前記水タンク内の水に浸漬させるとともに、前記給水部材の他端部を前記セパレータ開口端部の外周面に対面させ、(c)前記水タンクを前記マンドレルのほうに向けて前進させ、前記給水部材の他端部を前記セパレータ開口端部の外周面に押し付け、(d)前記給水部材の他端部を前記セパレータ開口端部の外周面に押し付けて接触させている間に、前記マンドレルを軸まわりに回転させ、前記セパレータ開口端部の外周面の全周に前記給水部材から水を塗布し、(e)前記水タンクを前記マンドレルから後退させ、前記給水部材の他端部を前記セパレータ開口端部の外周面から引き離し、塗布後の円筒状セパレータを送り出し、(f)塗布前の円筒状セパレータを前記水タンクの前方に搬入し、該円筒状セパレータの開口端部の外周面を前記給水部材の他端部に対面させ、前記工程(c)〜(e)の動作を繰り返すことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る電池用セパレータへの水塗布装置は、高速ロータリーダイヤル方式の電池製造設備に取り付けられ、電池の正極と負極を離隔する絶縁性の円筒状セパレータの開口端部を熱成形する前に、成形性を向上させるために前記セパレータ開口端部の外周面に少量の水を塗布する電池用セパレータへの水塗布装置であって、前記セパレータ開口端部が下方を向き、かつその先端から前記セパレータ開口端部が突出した状態で、前記円筒状セパレータを回転可能に保持するマンドレルと、複数の前記マンドレルを周縁部に所定のピッチ間隔に並べて支持する回転部材を有し、該回転部材を回転させて配列された複数のマンドレルを順次送給するロータリーダイヤルと、前記マンドレルに保持された円筒状セパレータの開口端部の外周面に近接して配置される水タンクと、その一端部が前記水タンク内の水に浸漬され、他端部が前記セパレータ開口端部の外周面に対面するように設けられ、親水性と可撓性を有する給水部材と、前記給水部材を可動に保持し、前記給水部材の他端部を前記セパレータ開口端部の外周面に押しつける押圧手段と、前記給水部材の他端部が前記セパレータ開口端部の外周面に押しつけて接触させている間に、前記マンドレルを軸まわりに回転させる回転手段と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、布などの給水部材をセパレータ開口端部の外周面に直接接触させた状態で水を塗布するため、セパレータ開口端部の外周面に対して過不足なく適量の水を迅速かつ確実に塗布することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の電池用セパレータへの水塗布方法においては、先ずセパレータ開口端部が下方を向くように円筒状セパレータをマンドレルに回転可能に保持させ、マンドレルに保持された円筒状セパレータの開口端部の外周面に対して水タンクを可動に近接配置し、親水性と可撓性を有する給水部材の一端部を水タンク内の水に浸漬させるとともに、給水部材の他端部をセパレータ開口端部の外周面に対面させる。次いで、水タンクをマンドレルのほうに向けて前進させ、給水部材の他端部をセパレータ開口端部の外周面に押し付け、給水部材の他端部をセパレータ開口端部の外周面に押し付けて接触させている間に、マンドレルを軸まわりに回転させ、セパレータ開口端部の外周面の全周に給水部材から水を塗布する。このように給水部材をセパレータ開口端部の外周面に直接接触させた状態で水を塗布するため、セパレータ開口端部の外周面に対して過不足なく適量の水が迅速かつ確実に塗布される。
【0012】
本発明において、給水部材には天然繊維及び/又は合成繊維からなる布または紙、あるいはスポンジのような多孔質材料など種々の親水性(吸水性、水透過性)と可撓性を有する材料を用いることができる。このうち布が耐久性や材質安定性(変質しにくい)の点から優れており、給水部材に最も適している。ここで、布は、長繊維の縦糸と横糸を織った長繊維織物のみに限られず、短繊維を生地にランダムに吹き付け接着した不織布(フリースのようなもの)も含まれる。
【0013】
以下、添付の図面を参照して本発明を実施するための最良の実施の形態について説明する。
【0014】
高速ロータリーダイヤル方式の電池製造装置1は、上方に図示しないロータリーダイヤルを有し、図1に示すように上方のロータリーダイヤルから下方に延び出す複数のマンドレル2および水タンク3を備えている。ロータリーダイヤルは垂直軸(Z軸)まわりに連続的に回転する回転円盤(図示せず)を有しており、この回転円盤の周縁部に複数のマンドレル2が所定の等ピッチ間隔で取り付けられている。
【0015】
各マンドレル2は、ステッピングモータのような回転駆動機構(図示せず)によりZ軸まわりに回転(自転)可能に支持されている。マンドレル2の内部は中空であり、その中空部は図示しない真空吸引ポンプの吸い込み口に連通している。マンドレル2の下部の外周面には中空部に連通する複数の真空吸引孔21が開口し、その外周面に円筒状セパレータ10が真空吸着されるようになっている。なお、セパレータ装着装置(図示せず)が電池製造装置1の近傍に設けられ、マンドレル2の下部に円筒状セパレータ10が装着されるようになっている。
【0016】
装置1には円筒状セパレータの開口端部に水を塗布するための所定の水塗布位置が定められている。この水塗布位置の近傍に水タンク3が配置されている。水タンク3は、水供給口31および水オーバーフロー口32を備えており、そのなかに貯留される水6が所定レベルの水位に調整されている。
【0017】
水タンク3には給水部材としての布4が取り付けられている。布4は所定の長さと幅を有する合成繊維からなり、その一端部は水タンク3内に貯留された水6のなかに浸漬され、他端部は水タンク3の外部に引き出されて水タンク3の上部外周面に沿って下方に垂れ下がっている。この布4の他端部は、上述の水塗布位置にあるマンドレル2に保持されたセパレータ2の開口端部の外周面と近接対面するように配置されている。さらに、水タンク3の上縁部を跨ぐ布4の上方にはディスペンサノズル5が設けられ、水タンク3の外部に引き出された布4に適量の水が滴下・補給され、布4の乾燥が防止されるようになっている。
【0018】
また、水タンク3は図示しないX軸駆動機構により可動に支持されている。
【0019】
次に、図1と図2を参照しながら上記の電池製造装置を用いてセパレータ開口端部の外周面に水を塗布する場合について説明する。
【0020】
図示しないセパレータ供給装置から円筒状に成形されたセパレータ10を電池製造装置1に送給し、吸引孔21を介して真空吸引することにより円筒状セパレータ10をマンドレル2の外周に吸着する。このとき円筒状セパレータ10の開口端部は、マンドレル2の最下端部から所定長だけ下方に突出した状態となる。図示しないロータリーダイヤルの外周位置には水塗布用の水タンク3と、この水タンク3に一部を浸し、他の一部をロータリーダイヤル側に垂らし固定した布4とが設置されている。水タンク3に浸された側の布は毛細管現象により水タンク3内の水を吸い上げロータリーダイヤル側に垂らされた側に水を供給する。このときロータリーダイヤル側に垂らした布の下端が水タンクの水上面より低くなるとロータリーダイヤル側に垂らした布4の下端から水が滴下するので、水タンク3に給水口31とオーバーフロー口32を設け、常に水位を一定レベルに保つようにしている。ロータリーダイヤルの回転円盤を連続的に回転させながら、図2の(a)に示すように、ホーム位置にある水タンク3の前面にマンドレル2に保持されたセパレータ10を位置させる。
【0021】
ロータリーダイヤルの回転(公転)中に、水タンク3をX軸方向に前進させ、図2の(b)に示すように、水塗布位置にあるセパレータ10の開口端部の外周面に布4の他端部を押し付けるとともに、水で濡らされた布4をセパレータ端部外周面に接触させた状態でマンドレル2を軸まわりに回転(自転)させ、セパレータ端部外周面の全周にわたり適量の水を塗布する。つまりロータリーダイヤルを連続回転(公転)させながら、接触している間にマンドレル2を自転させる。マンドレル2の自転数は水を含んだ布4に接触している間に1周以上回転するように設定されており、結果としてセパレータ端末部の全周に少量の水が精度良く塗布される。
【0022】
なお、水の塗布量を更に多くしたい場合は、ロータリーダイヤル側に垂らした布4の下端を水タンク3の水上面より下げて、水6が常にロータリーダイヤル側に垂らした布の下端から滴下する状態にする方法や、あるいはロータリーダイヤル側に垂らした布4の一部にディスペンサノズル5などにより適量の水を滴下・補充し、布4に含まれる水の量を増やす方法がある。これらの方法を適宜組み合わせて用いることにより、さらにセパレータ開口端部の成形圧着加工に最適の量の水を塗布することができるようになる。
【0023】
次に、図3を参照して円筒状セパレータ開口端部の成形圧着加工について説明する。
【0024】
図3の(a)に示すように、マンドレル2に円筒状セパレータ10を装着する。ロータリーダイヤルを公転させ、水タンク3の前面にセパレータ10が位置するところで停止させ、水タンク3を前進させ、図3の(b)に示すように、円筒状セパレータ10の端部外周面に布4の他端部を接触させながらマンドレル2を自転させて円筒状セパレータ10の端部外周面に水を塗布する。この塗布水がセパレータ10の端部に浸透して軟らかくなり、成形しやすい状態になる。
【0025】
次いで、図3の(c)に示すように、所定温度に加熱したすり鉢形状の凹部をもつ底圧着成形用金型15(金型は円周上に連続している)を上昇させてマンドレル2の端部に押圧し、円筒状セパレータ10の開口端部に浸透した水分を金型15の保有熱で蒸発させる。これにより円筒状セパレータ10の開口端部が内側にほぼ直角に折り曲げられ、図3の(d)に示すように、セパレータの開口端部が閉じた状態になる。金型15を下降させてマンドレル2から金型15を引き離すと、円筒状セパレータ10は端部が閉じた形状に成形されたものとなる。ロータリーダイヤルを公転させ、成形されたセパレータ端部(底部)10aをもつ円筒状セパレータ10を次工程へ搬送する。
【0026】
次に、図4を参照して電池の製造方法の概要を説明する。
【0027】
図4の(a)に示す円筒状セパレータ10の開口端部を上記のように圧着成形し、図4の(b)に示すように閉じた端部10aとした後に、この成形端部10aをもつ円筒状セパレータ10をアウター缶12のなかに挿入する。アウター缶12のなかには予め正極活物質11が設けられているため、図4の(c)に示すように円筒状セパレータ10は正極活物質11の内側に配置されることになる。さらに負極活物質(図示せず)を
円筒状セパレータ10の内側に挿入し、電解液を注入した後にかしめ加工により封口して電池が完成する。
【実施例】
【0028】
次に、本発明の実施例を比較例と対比して説明する。
【0029】
(実施例1)
実施例1として、単三型アルカリ乾電池に使用されるポリプロピレン(PP)とポリエチレン(PE)の混合繊維質の不織布を円筒状セパレータに用いた。この円筒状セパレータの開口端部の外周面に上記装置を用いて適量の水を塗布した。給水部材には普通織りされた木綿布を用いた。本実施例1では、円筒状セパレータへの水塗布領域をセパレータ端面から4.0±0.2mmの範囲とした。
【0030】
(実施例2)
実施例2として、単三型アルカリ乾電池に使用されるポリプロピレン(PP)とポリエチレン(PE)の混合繊維質の不織布を円筒状セパレータに用いた。この円筒状セパレータの開口端部の外周面に上記装置を用いて適量の水を塗布した。給水部材には普通織りされた木綿布を用いた。本実施例2では、円筒状セパレータへの水塗布領域をセパレータ端面から2.0±0.2mmの範囲とした。
【0031】
(比較例)
比較例として、単三型アルカリ乾電池に使用されるポリプロピレン(PP)とポリエチレン(PE)の混合繊維質の不織布を円筒状セパレータに用いた。従来のディスペンサノズルを用いて円筒状セパレータの開口端部の外周面に水を塗布した。
【0032】
上記の実施例1,2および比較例のサンプルをそれぞれ1000個ずつ作製した。これらを評価した結果を表1に示した。ここで「外観不良率」は、肉眼による外観検査により調べた結果、セパレータ底部成形部がチギレて破断したもの、および底部成形部にひび割れが発生したものを不良品としたときの百分率を示したものである。
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の水塗布方法に用いられる装置を側方から見て示す内部透視断面図。
【図2】(a)は本発明の水塗布方法に用いられる装置(非塗布時)を示す平面図、(b)は本発明の水塗布方法に用いられる装置(塗布時)を示す平面図。
【図3】(a),(b),(c),(d)はセパレータの端末処理加工を示す工程断面図。
【図4】(a),(b),(c)はアルカリ電池の製造工程の一部を示す工程断面図。
【符号の説明】
【0034】
1…電池製造装置、2…マンドレル、21…真空吸引孔、
3…水タンク、31…給水口、32…オーバーフロー口、
4…給水部材(布)、5…ディスペンサノズル、6…水、
10…円筒状セパレータ、10a…成形されたセパレータ底部(端部)、
11…正極活物質、12…アウター缶、15…成形用金型。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の正極と負極を離隔する絶縁性の円筒状セパレータの開口端部を熱成形する前に、成形性を向上させるために前記セパレータ開口端部の外周面に少量の水を塗布する電池用セパレータへの水塗布方法において、
(a)前記セパレータ開口端部が下方を向くように前記円筒状セパレータをマンドレルに回転可能に保持させ、
(b)前記マンドレルに保持された円筒状セパレータの開口端部の外周面に対して水タンクを可動に近接配置し、親水性と可撓性を有する給水部材の一端部を前記水タンク内の水に浸漬させるとともに、前記給水部材の他端部を前記セパレータ開口端部の外周面に対面させ、
(c)前記水タンクを前記マンドレルのほうに向けて前進させ、前記給水部材の他端部を前記セパレータ開口端部の外周面に押し付け、
(d)前記給水部材の他端部を前記セパレータ開口端部の外周面に押し付けて接触させている間に、前記マンドレルを軸まわりに回転させ、前記セパレータ開口端部の外周面の全周に前記給水部材から水を塗布し、
(e)前記水タンクを前記マンドレルから後退させ、前記給水部材の他端部を前記セパレータ開口端部の外周面から引き離し、塗布後の円筒状セパレータを送り出し、
(f)塗布前の円筒状セパレータを前記水タンクの前方に搬入し、該円筒状セパレータの開口端部の外周面を前記給水部材の他端部に対面させ、前記工程(c)〜(e)の動作を繰り返すことを特徴とする電池用セパレータへの水塗布方法。
【請求項2】
高速ロータリーダイヤル方式の電池製造設備に取り付けられ、電池の正極と負極を離隔する絶縁性の円筒状セパレータの開口端部を熱成形する前に、成形性を向上させるために前記セパレータ開口端部の外周面に少量の水を塗布する電池用セパレータへの水塗布装置であって、
前記セパレータ開口端部が下方を向き、かつその先端から前記セパレータ開口端部が突出した状態で、前記円筒状セパレータを回転可能に保持するマンドレルと、
複数の前記マンドレルを周縁部に所定のピッチ間隔に並べて支持する回転部材を有し、該回転部材を回転させて配列された複数のマンドレルを順次送給するロータリーダイヤルと、
前記マンドレルに保持された円筒状セパレータの開口端部の外周面に近接して配置される水タンクと、
その一端部が前記水タンク内の水に浸漬され、他端部が前記セパレータ開口端部の外周面に対面するように設けられ、親水性と可撓性を有する給水部材と、
前記給水部材を可動に保持し、前記給水部材の他端部を前記セパレータ開口端部の外周面に押しつける押圧手段と、
前記給水部材の他端部が前記セパレータ開口端部の外周面に押しつけて接触させている間に、前記マンドレルを軸まわりに回転させる回転手段と、
を具備することを特徴とする電池用セパレータへの水塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−80133(P2010−80133A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−244791(P2008−244791)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(000003539)東芝電池株式会社 (109)
【Fターム(参考)】