電磁波シールド材料
【課題】 本発明は電磁波を遮蔽する電磁波シールド材料に関し、特に合成ゴムを用いて形成される電磁波シールド材料に関し、遮音・衝撃・防振の各特性に優れ、且つ大型化した対象物に対して容易・低コストに製作できる電磁波シールド材料を提供することを目的とする。
【解決手段】 導電性充填剤を添加された導電性を有する合成ゴムに、この合成ゴム100重量部に対して硫黄8ないし16重量部を添加することにより、特に高周波数帯域の電磁波を遮蔽できることとなり、遮音・衝撃・防振の各特性に優れ、且つ大型化した対象物に対して容易・低コストに製作できる。
【解決手段】 導電性充填剤を添加された導電性を有する合成ゴムに、この合成ゴム100重量部に対して硫黄8ないし16重量部を添加することにより、特に高周波数帯域の電磁波を遮蔽できることとなり、遮音・衝撃・防振の各特性に優れ、且つ大型化した対象物に対して容易・低コストに製作できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電磁波を遮蔽する電磁波シールド材料に関し、特にゴムを素材として形成される電磁波シールド材料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器がディジタル化すると共に、集積度が増して微小電流で動作するようになると、機器自身が発生する電磁波や、他の電子機器その他からの妨害電波によって信号が乱される電磁波障害(Electro Magnetic Interference;EMI)が多発している。このEMIは主としてスイッチング電源を発生源するノイズにより生じている。このノイズは、電子機器の回路を流れる導電ノイズと、空中を伝搬する輻射ノイズとがある。この導電ノイズが回路中にフィルタ等を介装することにより除去できるのに対し、輻射ノイズは導電性材料でシールドの対象となる電子機器等を覆って電磁波を透過させないことで除去できる。
【0003】
この従来の導電性材料からなる電磁波シールド材料は、導電性プラスチック成形材料、導電性の表面処理を施した材料、金属材料等がある。このプラスチック成形材料は、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂、PP(Polypropylene)樹脂、ナイロン樹脂等に導電性の充填剤を混入した成型材料で形成される。この導電性の充填剤としては、カーボンブラック、カーボン繊維、金属フレーク、金属繊維等がある。
【0004】
前記導電性の表面処理を施した材料は、EMIの対象となる電子機器等を収納する筐体の表面又は裏面に導電性の被膜で被覆するのに用いられる。この導電性の被膜は、亜鉛溶射、ニッケル・カーボン等の粉末を混入した導電性塗料の塗布、アルミニウム等の真空蒸着等により形成される。
【0005】
前記金属材料は、金属ホイル又は金属ホイル及びプラスチックフィルムのラミネートシート等で形成され、ノイズ発生を覆うように主として部品や接合部等の部分シールドとして用いられる。
【特許文献1】特開昭59−15441号公報
【特許文献2】特開平5−287122号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の電磁波シールド材料は以上のように構成されていたことから、導電性プラスチック成形材料及び金属材料で形成される場合には建物若しくは部屋全体を電磁波シールドするような形状に製作することが困難であり、また製作コストが高くなるという課題を有する。また、導電性プラスチック成形材料、導電性の表面処理を施した材料及び金属材料で電磁波シールド材料を形成した場合には、いづれも遮音特性、衝撃吸収特性について十分なものが得られないという課題を有する。
【0007】
特に、自動車、車輌、飛行機等の駆動部分を有する対象物において、前記従来材料により十分な防振・耐振特性を満足した状態で電磁波シールドを行なうことが困難であった。
【0008】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、遮音・衝撃・防振の各特性に優れ、且つ大型化した対象物に対して容易・低コストに製作できる電磁波シールド材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電磁波シールド材料は、ゴム素材に導電性充填剤を添加して導電性材料とし、当該ゴム素材100重量部に対して硫黄8ないし16重量部を前記導電性材料としたゴム素材に添加するものである。このように本発明においては、導電性充填剤を添加された導電性を有するゴム素材に、このゴム素材100重量部に対して硫黄8ないし16重量部を添加することにより、特に高周波数帯域の電磁波を遮蔽できることとなり、遮音・衝撃・防振の各特性に優れ、且つ大型化した対象物に対して容易・低コストに製作できる。
【0010】
また、本発明に係る電磁波シールド材料は必要に応じて、導電性充填剤がカーボンであるものである。このように本発明においては、カーボンを導電性充填剤とすることにより、より安定且つ均一にゴム素材を導電性材料とすることができる。
【0011】
また、本発明に係る電磁波シールド材料は必要に応じて、ゴム素材に亜鉛華を添加するものである。このように本発明においては、亜鉛華をゴム素材に加硫助剤として添加するようにしているので、ゴム素材をより均一且つ確実に導電性材料とすることができ、遮音・衝撃・防振の各特性に優れ、且つ大型化した対象物に対して容易・低コストに製作できる。
【0012】
また、本発明に係る電磁波シールド材料は必要に応じて、ゴム素材100重量部に対してカーボン35ないし65重量部及び亜鉛華3ないし30重量部をゴム素材に添加して導電性材料とするものである。このように本発明においては、ゴム素材に対してカーボン及び亜鉛華を特定の割合で添加するようにしているので、ゴム素材をより安定且つ均一に導電性材料とし、電磁波シールド作用を高周波帯域において向上させることができる。
【0013】
また、本発明に係る電磁波シールド材料は必要に応じて、ゴム素材又は前記いづれかが添加されたゴム素材が金属材で形成される網体を挟み込んで形成するものである。このように本発明においては、金属材で形成される網体を導電性のゴム素材で挟み込んで形成しているので、金属材で形成される板体からなるシールド材と同等の低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において電磁波シールド特性を有する。
【0014】
また、本発明に係る電磁波シールド材料は必要に応じて、ゴム素材100重量部に対して金属短繊維約30重量部をゴム素材に添加するものである。このように本発明においては、ゴム素材に金属短繊維約30重量部を添加するようにしているので、金属短繊維を形成する金属の板体と類似した低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において電磁波シールド特性を有する。
【0015】
また、本発明に係る電磁波シールド材料は必要に応じて、ゴム素材100重量部に対してカーボン繊維10ないし30重量部をゴム素材に添加して導電性材料とするものである。このように本発明においては、ゴム素材にカーボン繊維10ないし30重量部を添加して導電性材料としているので、ゴム素材をより確実に導電性材料とすることができ、金属の板体で形成される電磁波シールド材料と同等の低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において電磁波シールド特性を有し、併せて遮音・衝撃・防振の各特性に優れ、且つ大型化した対象物に対して容易・低コストに製作できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明においては、導電性充填剤を添加されて導電性を有するゴム素材に、このゴム素材100重量部に対して硫黄重量部8ないし16を添加することにより、特に高周波数帯域の電磁波を遮蔽できることとなり、遮音・衝撃・防振の各特性に優れ、且つ大型化した対象物に対して容易・低コストに製作できるという効果を奏する。また、本発明においては、カーボンを導電性充填剤とすることにより、より安定且つ均一にゴム素材を導電性材料とすることができるという効果を有する。また、本発明においては、本発明においては、カーボンを導電性充填剤とすることにより、より安定且つ均一にゴム素材を導電性材料とすることができるという効果を有する。また、本発明においては、亜鉛華をゴム素材に加硫助剤として添加するようにしているので、ゴム素材をより均一且つ確実に導電性材料とすることができ、遮音・衝撃・防振の各特性に優れ、且つ大型化した対象物に対して容易・低コストに製作できるという効果を有する。また、本発明においては、ゴム素材に対してカーボン及び亜鉛華を特定の割合で添加するようにしているので、ゴム素材をより安定且つ均一に導電性材料とし、電磁波シールド作用を高周波帯域において向上させることができるという効果を有する。また、本発明においては、金属材で形成される網体を導電性のゴム素材で挟み込んで形成しているので、金属材で形成される板体からなるシールド材と同等の低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において電磁波シールド特性を有するという効果を有する。また、本発明においては、ゴム素材に金属短繊維約30重量部を添加するようにしているので、金属短繊維を形成する金属の板体と類似した低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において電磁波シールド特性を有するという効果を有する。また、本発明においては、ゴム素材にカーボン繊維10ないし30重量部を添加して導電性材料としているので、ゴム素材をより確実に導電性材料とすることができ、金属短繊維を形成する金属の板体と同等の低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において電磁波シールド特性を有し、併せて遮音・衝撃・防振の各特性に優れ、且つ大型化した対象物に対して容易・低コストに製作できるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態としての実施例を説明する。
【実施例1】
【0018】
本発明の第1の実施形態に係る電磁波シールド材料を図1ないし図4に示す試験データに基づいて説明する。図1は本実施形態に係る電磁波シールド材料における配合例No.1ないしNo.9の各配合説明図、図2(A)、(B)(C)は配合例No.1ないしNo.3の各電磁波シールド特性図、図3(A)、(B)、(C)は配合例No.4ないしNo.6の各電磁波シールド特性図、図4(A)、(B)、(C)は配合例No.7ないしNo.9の各電磁波シールド特性図である。
【0019】
本実施形態に係る電磁波シールド材料の各配合例No.1ないしNo.9は、合成ゴムを基本素材とし、この合成ゴムに複数種類の導電性剤(補強剤)を添加して導電性の合成ゴムとし、この合成ゴム100重量部(以下、phr;par hundred rubber)に対して硫黄1.5phrないし18phrを添加する構成である。前記導電性剤(補強剤)は、アセチレンブラックとファーネスブラックとの2種類のカーボンからなり、前記合成ゴム100phrに対してアセチレンブラック45phr、60phr又は65phr、ファーネスブラック20phr又は10phrとして添加する構成である。さらに、この基本素材となる合成ゴムには、加硫助剤として亜鉛華3号、軟化剤、可塑剤、加工助剤、老化防止剤、促進剤が添加される。前記硫黄はオイル等による表面処理がなされていないものを使用する。
【0020】
前記各種の添加する配合剤の混合比率は、合成ゴム100phrに対して、亜鉛華3号の加硫助剤を5phr、軟化剤を1phr、可塑剤を20phr又は25phr、加工助剤を5phr、樹脂としての加工助剤を3phr、老化防止剤を1phr、加硫促進剤DMを1.5phr、加硫促進剤Dを0.5phrとする混合比率で添加する。
【0021】
前記各配合剤を所定の混合比率で添加し、硫黄を1.5phrないし18phrの間で混合比率を変化させると(図1参照)、図2ないし図4に示すように硫黄11phrないし13phrの混合比率とした場合に700MHz以上の高周波数帯域の電磁波を遮蔽してノイズレベルとしては30dBまで低減させることができる。特に、合成ゴム100phrに対して硫黄12phrに特定して添加した場合にの配合例No.6で、700MHz以上の高周波数帯域の電磁波を40dBまで低減させることができる。
【実施例2】
【0022】
本発明の第2の実施形態に係る電磁波シールド材料を図5ないし図8に示す試験データに基づいて説明する。図5は本実施形態に係る電磁波シールド材料における配合例No.10ないしNo・15の各配合説明図、図6(A)、(B)は配合例No.10及び配合例No.11の各電磁波シールド特性図、図7(A)、(B)は配合例No.12及び配合例No.13の各電磁波シールド特性図、図8(A)、(B)は配合例No.14及び配合例No.15の各電磁波シールド特性図である。
【0023】
本実施形態に係る電磁波シールド材料の各配合例No.10ないしNo.15は、前記図1に記載の実施形態材料と同様に、合成ゴムに亜鉛華3号、軟化剤、アセチレンブラック、可塑剤、老化防止剤、加硫促進剤DM、加硫促進剤Dを添加して構成し、さらに分子量2000以下の脂肪族系合成樹脂主体である軟化剤S(例えば、Struktol 60NS)を追加して添加する構成である。前記各配合剤の配合比率は、合成ゴム100phrに対して亜鉛華3号5phr又は30phr、軟化剤1phr、アセチレンブラック65phr、可塑剤20phr、老化防止剤1phr、加硫促進剤DM1.5phr、加硫促進剤D0.5phr、硫黄12phr又は2phrを添加する。
【0024】
前記図6(A)に示す配合例No.10の混合比率は亜鉛華3号を5phrとしているのに対して、図6(B)に示す配合例No.11の混合比率は亜鉛華3号を30phrとしている。同図(A)の配合例No.10は低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において30dB前後で電磁波の遮蔽をおこなえるのに対して、同図(B)の配合例No.11は低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において30dB以上の電磁波の遮蔽をおこなえることを示している。
【0025】
前記図7(A)に示す配合例No.12の混合比率は前記軟化剤Sを3phrを追加し亜鉛華3号を5phrとしているのに対して、図7(B)に示す配合例No.13の混合比率は軟化剤Sを3phrを追加し亜鉛華3号を30phrとしている。同図(A)、(B)の配合例No.12及び配合例No.13は低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において30dB前後の電磁波の遮蔽を行なえることなり、前記図6(B)の配合例No.11における亜鉛華3号30phrのみの混合比率よりも電磁波の遮蔽特性が低下していることを示している。この遮蔽特性の低下は、軟化剤Sの添加に伴い溶剤、油脂分などを含浸させることにより電気抵抗が高くなるためと考えられる。
【0026】
前記図8(A)に示す配合例No.14の混合比率は硫黄を12phrとしているのに対して図8(B)に示す配合例No.15の混合比率は硫黄を2phrとしている。同図(A)において配合例No.14は高周波数帯域において20ないし30dBの間で電磁波の遮蔽をおこなえるのに対して、同図(B)において配合例No.15は高周波数帯域において30dB前後の電磁波の遮蔽をおこなえることを示している。
【実施例3】
【0027】
本発明の第3の実施形態に係る電磁波シールド材料を図9ないし図11に示す試験データに基づいて説明する。図9は本実施形態に係る電磁波シールド材料における配合例No.16ないしNo.20の各配合説明図、図10(A)、(B)、(C)は配合例No.16ないしNo.18の各電磁波シールド特性図、図11(A)、(B)は配合例No.19及び配合例No.20の各電磁波シールド特性図である。
【0028】
本実施形態に係る電磁波シールド材料の各配合例No.16ないしNo.20は、前記図1に記載の実施形態材料と同様に、合成ゴムに亜鉛華3号、軟化剤、アセチレンブラック、可塑剤、老化防止剤、加硫促進剤DM、加硫促進剤Dを添加して構成し、この構成に加え、合成ゴム100phrに対してカーボン繊維30phrを合成ゴムに添加し、前記合成ゴム100phrに対してアセチレンブラック20phrないし65phrの間で変化させる構成である。このように合成ゴムにカーボン繊維30phrを添加して導電性材料とした状態で、アセチレンブラック20phrないし65phrの間で変化させると図10(A)、(B)、(C)、図11(A)、(B)に示すようにアセチレンブラックの混合比率が多くなる程に低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において電磁波シールドの特性を向上させることができることを示している。なお、このアセチレンブラックの混合比率は、合成ゴム100phrに対してアセチレンブラック65phr前後となり、その混合練り合わせ作業を円滑に行え、且つ製品加工に支障をきたさない範囲で適宜調整できる。
【実施例4】
【0029】
本発明の第4の実施形態に係る電磁波シールド材料を図12ないし図15に示す試験データに基づいて説明する。図12は本実施形態に係る電磁波シールド材料における配合例No.21ないしNo.29の各配合説明図、図13(A)、(B)、(C)は配合例No.21ないしNo.23の各電磁波シールド特性図、図14(A)、(B)(C)は配合例No.24ないしNo.26の各電磁波シールド特性図、図15(A)、(B)(C)は配合例No.27ないしNo.29の各電磁波シールド特性図である。
【0030】
本実施形態に係る電磁波シールド材料の各配合例No.21ないしNo.29は、前記図1に記載の実施形態材料と同様に、合成ゴムに亜鉛華3号、軟化剤、アセチレンブラック、可塑剤、老化防止剤、加硫促進剤DM、加硫促進剤D、硫黄を添加して構成し、この構成に加え、合成ゴム100phrに対してカーボン繊維10phr、20phr若しくは30phrを三種の混合比率で合成ゴムに添加し、前記合成ゴム100phrに対してカーボン粉末0phr、20phr若しくは65phrを三種の混合比率で合成ゴムに添加し、前記合成ゴム100phrに対して充填剤25phr及び活性剤2.5phrを添加する構成である。また、前記硫黄の混合比率は、合成ゴム100phrに対して硫黄12phrを特定して添加される構成である。
【0031】
前記図13(A)、(B)、(C)において配合例No.21ないしNo.23は充填剤を25phr及び活性剤を2.5phrとして添加されており、この混合比率に加えて、カーボン繊維を10phr、20phr、30phrの三種の混合比率で添加される構成である。同図(A)、(B)、(C)の各図おいて、各配合例No.21ないしNo.23は、低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において電磁波シールドの効果を全く得られないことが解る。
【0032】
前記図14(A)、(B)、(C)において配合例No.24ないしNo.26は、カーボン繊維を10phr、20phr、30phrの三種の混合比率で添加され、且つカーボン粉末を20phrを一律の混合比率で添加される構成である。同図(A)、(B)(C)の各図において、各配合例No.24ないしNo.26は低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において電磁波シールドの効果を十分なものとすることができないことが解る。
【0033】
前記図15(A)、(B)、(C)において、各配合例No.27ないしNo.29は、カーボン繊維を10phr、20phr、30phrの三種の混合比率で添加され、且つカーボン粉末を65phrを一律の混合比率で添加される構成である。同図(A)、(B)、(C)の各図において、各配合例No.27ないしNo.29は低周波数から高周波数帯域までの全帯域において電磁波シールドを30dB又は40dB以下までに大きく減衰させるという効果を達成できる。
【実施例5】
【0034】
本発明の第5の実施形態に係る電磁波シールド材料を図16及び図17に示す試験データにに基づいて説明する。図16は本実施形態に係る電磁波シールド材料における配合例No.30ないしNo.37の各配合説明図、図17(A)、(B)、(C)は配合例No.30ないしNo.37の各電磁波シールド特性比較図である。
【0035】
本実施形態に係る電磁波シールド材料の各配合例No.30ないしNo.37は、前記図1に記載の実施形態材料と同様に、合成ゴムに亜鉛華3号、軟化剤、アセチレンブラック、可塑剤、老化防止剤、加硫促進剤DM、加硫促進剤D、硫黄を添加して基本配合を構成し、この構成に加え、合成ゴム100phrに対してカーボン繊維30phrとし、このカーボン繊維の繊維長さを6mm、12mmの二種とし、さらに繊維長さ3mmのカーボン繊維を10phrを適宜添加する構成である。
【0036】
前記図17(A)において配合例No.30及びNo.31は、前記基本配合に加え、合成ゴム100phrに対してファーネスブラック20phr、加工助剤5phr、加工助剤(樹脂)3phrを合成ゴムに添加する構成である。同図(A)において配合例No.30、No.31はいづれも高周波数帯域の電磁波シールド特性が十分でないことが解る。この配合例No.31は、配合例No.30の混合比率に加えて繊維長さ6mmのカーボン繊維30phrを添加して構成されるが、配合例No.30の電磁波シールド特性から僅かの改善があるものの、十分な特性が得られないことが解る。
【0037】
前記図17(B)において、配合例No.33、No.34は、前記基本配合で亜鉛華3号の混合比率を30phrと5phrとにする構成である。また、配合例No.35、No.36は前記基本配合が共通し、配合例No.35が繊維長さ12mm(太さ7μm2)のカーボン繊維を30phrの混合比率で添加され、配合例No.36が繊維長さ12mm(太さ7μm2)のカーボン繊維を20phr及び繊維長さ3mmのアルミ繊維を10phrの混合比率で添加される構成である。
【0038】
このように各混合比率の異なる配合例No.30ないしNo.36において、まず、配合例No.30と同じ基本配合にカーボン繊維を30phrの混合比率で添加した配合例No.31は配合例No.30の電磁波シールド特性から僅かの改善があるものの、十分な特性が得られないことが解る。また、配合例No.32は基本配合のうち硫黄を12phrの混合比率とすることにより高周波数帯域において20dB前後の電磁波シールド特性が得られ、配合例No.33は基本配合のうち硫黄を12phr、亜鉛華3号を30phrの混合比率とすることにより、高周波数帯域において20dBないし30dBの電磁波シールド特性が得られることが解る。
【0039】
さらに、配合例No.34は、前記配合例No.32の基本配合に加え、前記繊維長さ6mmのカーボン繊維を30phrの混合比率で添加することにより、低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において金属板で形成されるシールド材に近い電磁波シールドの特性が得られることが解る。前記配合例No.35は、前記配合例No.32の基本配合に加え、前記繊維長さ12mmのカーボン繊維を30phrの混合比率で添加することにより、低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において金属板で形成されるシールド材に近い電磁波シールドの特性が得られることが解る。また、前記配合例No.36は、前記配合例No.32の基本配合に加え、前記繊維長さ12mmのカーボン繊維を20phr及び繊維長さ3mmのアルミ繊維を10phrの混合比率で添加することにより、低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において金属板で形成されるシールド材に近い電磁波シールドの特性が得られることが解る。
【0040】
前記図17(C)において配合例No.37は、基本配合の基礎母材とは異なり導電性の特性がない非導電性の合成ゴムに繊維長さ5mmのカーボン繊維を30phrの混合比率で添加した例であり、同図に示すようにカーボン繊維による電磁波シールド特性の効果を全く認めることができない。
【0041】
前記配合例No.30ないしNo.37の各電磁波シールド特性から解るように合成ゴムに亜鉛華3号、軟化剤、アセチレンブラック、可塑剤、老化防止剤、加硫促進剤DM、加硫促進剤D、硫黄を添加して構成される基本配合の基礎母材が20dBないし30dBの電磁波シールド特性を有することを前提とし、この基礎母材にカーボン繊維又はアルミ繊維を添加することにより金属板の電磁波シールド材と同等のシールド特性が得られることとなる。
【実施例6】
【0042】
本発明の第6の実施形態に係る電磁波シールド材料を図18に示す試験データにに基づいて説明する。この図18(A)、(B)は配合例No.38、No.39及びアルミニウムの金属板の各電磁波シールド特性図を示す。
【0043】
本実施形態に係る電磁波シールド材料の配合例No.38は、前記図1に記載の実施形態材料と同様に、合成ゴムに亜鉛華3号、軟化剤、アセチレンブラック、可塑剤、老化防止剤、加硫促進剤DM、加硫促進剤D、硫黄を添加して基本配合を構成し、この構成に加え、この基本配合の基礎母材でステンレス鋼の網体を挟み込んで形成する構成である。この配合例No.38を図18(A)に示すと共に同図中に比較例として配合例No.39を示す。この配合例No.39は、前記基本配合の基礎母材とは異なり導電性の特性がない非導電性の合成ゴムに前記ステンレス鋼の網体を挟み込んで形成する構成である。
【0044】
前記図18(A)において配合例No.38は、同図(B)に示すアルミニウムの金属板で形成される電磁波シールド材料の電磁波シールド特性とほぼ同等の特性であることが解る。この配合例No.38に対して、配合例No.39は低周波数帯域においてはアルミニウムの金属板と同等の電磁波シールド特性を有するものの、高周波数帯域においては電磁波シールドの特性がないことが解る。この配合例No.39は、高周波帯域の電磁波のみを選択透過できるフィルタリング作用を有する。
【0045】
なお、前記各実施形態においては電磁波シールド材料をシート体について説明したが、この電磁波シールド材料をシート体以外に電線若しくはケーブルの金属編組に代えて用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る電磁波シールド材料の第1の実施形態における配合例No.1ないしNo.9の各配合説明図である。
【図2】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第1の実施形態における配合例No.1の電磁波シールド特性図である。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第1の実施形態における配合例No.2の電磁波シールド特性図である。(C)は本発明に係る電磁波シールド材料の第1の実施形態における配合例No.3の電磁波シールド特性図である。
【図3】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第1の実施形態における配合例No.4ないしNo.6の各電磁波シールド特性図である。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第1の実施形態における配合例No.4ないしNo.6の各電磁波シールド特性図である。(C)は本発明に係る電磁波シールド材料の第1の実施形態における配合例No.4ないしNo.6の各電磁波シールド特性図である。
【図4】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第1の実施形態における配合例No.7ないしNo.9の各電磁波シールド特性図である。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第1の実施形態における配合例No.7ないしNo.9の各電磁波シールド特性図である。(C)は本発明に係る電磁波シールド材料の第1の実施形態における配合例No.7ないしNo.9の各電磁波シールド特性図である。
【図5】本発明に係る電磁波シールド材料の第2の実施形態における配合例No.10ないしNo・15の各配合説明図である。
【図6】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第2の実施形態における配合例No.10及び配合例No.11の各電磁波シールド特性図である。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第2の実施形態における配合例No.10及び配合例No.11の各電磁波シールド特性図である。
【図7】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第2の実施形態における配合例No.12及び配合例No.13の各電磁波シールド特性図である。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第2の実施形態における配合例No.12及び配合例No.13の各電磁波シールド特性図である。
【図8】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第2の実施形態における配合例No.14及びNo・15の電磁波シールド特性図である。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第2の実施形態における配合例No.14及びNo・15の電磁波シールド特性図である。
【図9】本発明に係る電磁波シールド材料の第3の実施形態における配合例No.16ないしNo.20の各配合説明図である。
【図10】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第3の実施形態における配合例No.16ないしNo.18の各電磁波シールド特性図である。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第3の実施形態における配合例No.16ないしNo.18の各電磁波シールド特性図である。(C)は本発明に係る電磁波シールド材料の第3の実施形態における配合例No.16ないしNo.18の各電磁波シールド特性図である。
【図11】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第3の実施形態における配合例No.19及びNo.20の各電磁波シールド特性図である。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第3の実施形態における配合例No.19及びNo.20の各電磁波シールド特性図である。
【図12】本発明に係る電磁波シールド材料の第4の実施形態における配合例No.21ないしNo.29の各配合説明図である。
【図13】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第4の実施形態における配合例No.21ないしNo.23の各電磁波シールド特性図である。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第4の実施形態における配合例No.21ないしNo.23の各電磁波シールド特性図である。(C)は本発明に係る電磁波シールド材料の第4の実施形態における配合例No.21ないしNo.23の各電磁波シールド特性図である。
【図14】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第4の実施形態における配合例No.24ないしNo.26の各電磁波シールド特性図である。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第4の実施形態における配合例No.24ないしNo.26の各電磁波シールド特性図である。(C)は本発明に係る電磁波シールド材料の第4の実施形態における配合例No.24ないしNo.26の各電磁波シールド特性図である。
【図15】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第4の実施形態における配合例No.27ないしNo.29の各配合説明図である。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第4の実施形態における配合例No.27ないしNo.29の各配合説明図である。(C)は本発明に係る電磁波シールド材料の第4の実施形態における配合例No.27ないしNo.29の各配合説明図である。
【図16】本発明に係る電磁波シールド材料の第5の実施形態における配合例No.30ないしNo.37の各配合説明図である。
【図17】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第5の実施形態における配合例No.30ないしNo.37の各電磁波シールド特性比較図である。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第5の実施形態における配合例No.30ないしNo.37の各電磁波シールド特性比較図である。(C)は本発明に係る電磁波シールド材料の第5の実施形態における配合例No.30ないしNo.37の各電磁波シールド特性比較図である。
【図18】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第6の実施形態における配合例No.38、No.39及びアルミニウムの金属板の各電磁波シールド特性図を示す。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第6の実施形態における配合例No.38、No.39及びアルミニウムの金属板の各電磁波シールド特性図を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は電磁波を遮蔽する電磁波シールド材料に関し、特にゴムを素材として形成される電磁波シールド材料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器がディジタル化すると共に、集積度が増して微小電流で動作するようになると、機器自身が発生する電磁波や、他の電子機器その他からの妨害電波によって信号が乱される電磁波障害(Electro Magnetic Interference;EMI)が多発している。このEMIは主としてスイッチング電源を発生源するノイズにより生じている。このノイズは、電子機器の回路を流れる導電ノイズと、空中を伝搬する輻射ノイズとがある。この導電ノイズが回路中にフィルタ等を介装することにより除去できるのに対し、輻射ノイズは導電性材料でシールドの対象となる電子機器等を覆って電磁波を透過させないことで除去できる。
【0003】
この従来の導電性材料からなる電磁波シールド材料は、導電性プラスチック成形材料、導電性の表面処理を施した材料、金属材料等がある。このプラスチック成形材料は、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂、PP(Polypropylene)樹脂、ナイロン樹脂等に導電性の充填剤を混入した成型材料で形成される。この導電性の充填剤としては、カーボンブラック、カーボン繊維、金属フレーク、金属繊維等がある。
【0004】
前記導電性の表面処理を施した材料は、EMIの対象となる電子機器等を収納する筐体の表面又は裏面に導電性の被膜で被覆するのに用いられる。この導電性の被膜は、亜鉛溶射、ニッケル・カーボン等の粉末を混入した導電性塗料の塗布、アルミニウム等の真空蒸着等により形成される。
【0005】
前記金属材料は、金属ホイル又は金属ホイル及びプラスチックフィルムのラミネートシート等で形成され、ノイズ発生を覆うように主として部品や接合部等の部分シールドとして用いられる。
【特許文献1】特開昭59−15441号公報
【特許文献2】特開平5−287122号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の電磁波シールド材料は以上のように構成されていたことから、導電性プラスチック成形材料及び金属材料で形成される場合には建物若しくは部屋全体を電磁波シールドするような形状に製作することが困難であり、また製作コストが高くなるという課題を有する。また、導電性プラスチック成形材料、導電性の表面処理を施した材料及び金属材料で電磁波シールド材料を形成した場合には、いづれも遮音特性、衝撃吸収特性について十分なものが得られないという課題を有する。
【0007】
特に、自動車、車輌、飛行機等の駆動部分を有する対象物において、前記従来材料により十分な防振・耐振特性を満足した状態で電磁波シールドを行なうことが困難であった。
【0008】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、遮音・衝撃・防振の各特性に優れ、且つ大型化した対象物に対して容易・低コストに製作できる電磁波シールド材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電磁波シールド材料は、ゴム素材に導電性充填剤を添加して導電性材料とし、当該ゴム素材100重量部に対して硫黄8ないし16重量部を前記導電性材料としたゴム素材に添加するものである。このように本発明においては、導電性充填剤を添加された導電性を有するゴム素材に、このゴム素材100重量部に対して硫黄8ないし16重量部を添加することにより、特に高周波数帯域の電磁波を遮蔽できることとなり、遮音・衝撃・防振の各特性に優れ、且つ大型化した対象物に対して容易・低コストに製作できる。
【0010】
また、本発明に係る電磁波シールド材料は必要に応じて、導電性充填剤がカーボンであるものである。このように本発明においては、カーボンを導電性充填剤とすることにより、より安定且つ均一にゴム素材を導電性材料とすることができる。
【0011】
また、本発明に係る電磁波シールド材料は必要に応じて、ゴム素材に亜鉛華を添加するものである。このように本発明においては、亜鉛華をゴム素材に加硫助剤として添加するようにしているので、ゴム素材をより均一且つ確実に導電性材料とすることができ、遮音・衝撃・防振の各特性に優れ、且つ大型化した対象物に対して容易・低コストに製作できる。
【0012】
また、本発明に係る電磁波シールド材料は必要に応じて、ゴム素材100重量部に対してカーボン35ないし65重量部及び亜鉛華3ないし30重量部をゴム素材に添加して導電性材料とするものである。このように本発明においては、ゴム素材に対してカーボン及び亜鉛華を特定の割合で添加するようにしているので、ゴム素材をより安定且つ均一に導電性材料とし、電磁波シールド作用を高周波帯域において向上させることができる。
【0013】
また、本発明に係る電磁波シールド材料は必要に応じて、ゴム素材又は前記いづれかが添加されたゴム素材が金属材で形成される網体を挟み込んで形成するものである。このように本発明においては、金属材で形成される網体を導電性のゴム素材で挟み込んで形成しているので、金属材で形成される板体からなるシールド材と同等の低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において電磁波シールド特性を有する。
【0014】
また、本発明に係る電磁波シールド材料は必要に応じて、ゴム素材100重量部に対して金属短繊維約30重量部をゴム素材に添加するものである。このように本発明においては、ゴム素材に金属短繊維約30重量部を添加するようにしているので、金属短繊維を形成する金属の板体と類似した低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において電磁波シールド特性を有する。
【0015】
また、本発明に係る電磁波シールド材料は必要に応じて、ゴム素材100重量部に対してカーボン繊維10ないし30重量部をゴム素材に添加して導電性材料とするものである。このように本発明においては、ゴム素材にカーボン繊維10ないし30重量部を添加して導電性材料としているので、ゴム素材をより確実に導電性材料とすることができ、金属の板体で形成される電磁波シールド材料と同等の低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において電磁波シールド特性を有し、併せて遮音・衝撃・防振の各特性に優れ、且つ大型化した対象物に対して容易・低コストに製作できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明においては、導電性充填剤を添加されて導電性を有するゴム素材に、このゴム素材100重量部に対して硫黄重量部8ないし16を添加することにより、特に高周波数帯域の電磁波を遮蔽できることとなり、遮音・衝撃・防振の各特性に優れ、且つ大型化した対象物に対して容易・低コストに製作できるという効果を奏する。また、本発明においては、カーボンを導電性充填剤とすることにより、より安定且つ均一にゴム素材を導電性材料とすることができるという効果を有する。また、本発明においては、本発明においては、カーボンを導電性充填剤とすることにより、より安定且つ均一にゴム素材を導電性材料とすることができるという効果を有する。また、本発明においては、亜鉛華をゴム素材に加硫助剤として添加するようにしているので、ゴム素材をより均一且つ確実に導電性材料とすることができ、遮音・衝撃・防振の各特性に優れ、且つ大型化した対象物に対して容易・低コストに製作できるという効果を有する。また、本発明においては、ゴム素材に対してカーボン及び亜鉛華を特定の割合で添加するようにしているので、ゴム素材をより安定且つ均一に導電性材料とし、電磁波シールド作用を高周波帯域において向上させることができるという効果を有する。また、本発明においては、金属材で形成される網体を導電性のゴム素材で挟み込んで形成しているので、金属材で形成される板体からなるシールド材と同等の低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において電磁波シールド特性を有するという効果を有する。また、本発明においては、ゴム素材に金属短繊維約30重量部を添加するようにしているので、金属短繊維を形成する金属の板体と類似した低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において電磁波シールド特性を有するという効果を有する。また、本発明においては、ゴム素材にカーボン繊維10ないし30重量部を添加して導電性材料としているので、ゴム素材をより確実に導電性材料とすることができ、金属短繊維を形成する金属の板体と同等の低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において電磁波シールド特性を有し、併せて遮音・衝撃・防振の各特性に優れ、且つ大型化した対象物に対して容易・低コストに製作できるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態としての実施例を説明する。
【実施例1】
【0018】
本発明の第1の実施形態に係る電磁波シールド材料を図1ないし図4に示す試験データに基づいて説明する。図1は本実施形態に係る電磁波シールド材料における配合例No.1ないしNo.9の各配合説明図、図2(A)、(B)(C)は配合例No.1ないしNo.3の各電磁波シールド特性図、図3(A)、(B)、(C)は配合例No.4ないしNo.6の各電磁波シールド特性図、図4(A)、(B)、(C)は配合例No.7ないしNo.9の各電磁波シールド特性図である。
【0019】
本実施形態に係る電磁波シールド材料の各配合例No.1ないしNo.9は、合成ゴムを基本素材とし、この合成ゴムに複数種類の導電性剤(補強剤)を添加して導電性の合成ゴムとし、この合成ゴム100重量部(以下、phr;par hundred rubber)に対して硫黄1.5phrないし18phrを添加する構成である。前記導電性剤(補強剤)は、アセチレンブラックとファーネスブラックとの2種類のカーボンからなり、前記合成ゴム100phrに対してアセチレンブラック45phr、60phr又は65phr、ファーネスブラック20phr又は10phrとして添加する構成である。さらに、この基本素材となる合成ゴムには、加硫助剤として亜鉛華3号、軟化剤、可塑剤、加工助剤、老化防止剤、促進剤が添加される。前記硫黄はオイル等による表面処理がなされていないものを使用する。
【0020】
前記各種の添加する配合剤の混合比率は、合成ゴム100phrに対して、亜鉛華3号の加硫助剤を5phr、軟化剤を1phr、可塑剤を20phr又は25phr、加工助剤を5phr、樹脂としての加工助剤を3phr、老化防止剤を1phr、加硫促進剤DMを1.5phr、加硫促進剤Dを0.5phrとする混合比率で添加する。
【0021】
前記各配合剤を所定の混合比率で添加し、硫黄を1.5phrないし18phrの間で混合比率を変化させると(図1参照)、図2ないし図4に示すように硫黄11phrないし13phrの混合比率とした場合に700MHz以上の高周波数帯域の電磁波を遮蔽してノイズレベルとしては30dBまで低減させることができる。特に、合成ゴム100phrに対して硫黄12phrに特定して添加した場合にの配合例No.6で、700MHz以上の高周波数帯域の電磁波を40dBまで低減させることができる。
【実施例2】
【0022】
本発明の第2の実施形態に係る電磁波シールド材料を図5ないし図8に示す試験データに基づいて説明する。図5は本実施形態に係る電磁波シールド材料における配合例No.10ないしNo・15の各配合説明図、図6(A)、(B)は配合例No.10及び配合例No.11の各電磁波シールド特性図、図7(A)、(B)は配合例No.12及び配合例No.13の各電磁波シールド特性図、図8(A)、(B)は配合例No.14及び配合例No.15の各電磁波シールド特性図である。
【0023】
本実施形態に係る電磁波シールド材料の各配合例No.10ないしNo.15は、前記図1に記載の実施形態材料と同様に、合成ゴムに亜鉛華3号、軟化剤、アセチレンブラック、可塑剤、老化防止剤、加硫促進剤DM、加硫促進剤Dを添加して構成し、さらに分子量2000以下の脂肪族系合成樹脂主体である軟化剤S(例えば、Struktol 60NS)を追加して添加する構成である。前記各配合剤の配合比率は、合成ゴム100phrに対して亜鉛華3号5phr又は30phr、軟化剤1phr、アセチレンブラック65phr、可塑剤20phr、老化防止剤1phr、加硫促進剤DM1.5phr、加硫促進剤D0.5phr、硫黄12phr又は2phrを添加する。
【0024】
前記図6(A)に示す配合例No.10の混合比率は亜鉛華3号を5phrとしているのに対して、図6(B)に示す配合例No.11の混合比率は亜鉛華3号を30phrとしている。同図(A)の配合例No.10は低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において30dB前後で電磁波の遮蔽をおこなえるのに対して、同図(B)の配合例No.11は低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において30dB以上の電磁波の遮蔽をおこなえることを示している。
【0025】
前記図7(A)に示す配合例No.12の混合比率は前記軟化剤Sを3phrを追加し亜鉛華3号を5phrとしているのに対して、図7(B)に示す配合例No.13の混合比率は軟化剤Sを3phrを追加し亜鉛華3号を30phrとしている。同図(A)、(B)の配合例No.12及び配合例No.13は低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において30dB前後の電磁波の遮蔽を行なえることなり、前記図6(B)の配合例No.11における亜鉛華3号30phrのみの混合比率よりも電磁波の遮蔽特性が低下していることを示している。この遮蔽特性の低下は、軟化剤Sの添加に伴い溶剤、油脂分などを含浸させることにより電気抵抗が高くなるためと考えられる。
【0026】
前記図8(A)に示す配合例No.14の混合比率は硫黄を12phrとしているのに対して図8(B)に示す配合例No.15の混合比率は硫黄を2phrとしている。同図(A)において配合例No.14は高周波数帯域において20ないし30dBの間で電磁波の遮蔽をおこなえるのに対して、同図(B)において配合例No.15は高周波数帯域において30dB前後の電磁波の遮蔽をおこなえることを示している。
【実施例3】
【0027】
本発明の第3の実施形態に係る電磁波シールド材料を図9ないし図11に示す試験データに基づいて説明する。図9は本実施形態に係る電磁波シールド材料における配合例No.16ないしNo.20の各配合説明図、図10(A)、(B)、(C)は配合例No.16ないしNo.18の各電磁波シールド特性図、図11(A)、(B)は配合例No.19及び配合例No.20の各電磁波シールド特性図である。
【0028】
本実施形態に係る電磁波シールド材料の各配合例No.16ないしNo.20は、前記図1に記載の実施形態材料と同様に、合成ゴムに亜鉛華3号、軟化剤、アセチレンブラック、可塑剤、老化防止剤、加硫促進剤DM、加硫促進剤Dを添加して構成し、この構成に加え、合成ゴム100phrに対してカーボン繊維30phrを合成ゴムに添加し、前記合成ゴム100phrに対してアセチレンブラック20phrないし65phrの間で変化させる構成である。このように合成ゴムにカーボン繊維30phrを添加して導電性材料とした状態で、アセチレンブラック20phrないし65phrの間で変化させると図10(A)、(B)、(C)、図11(A)、(B)に示すようにアセチレンブラックの混合比率が多くなる程に低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において電磁波シールドの特性を向上させることができることを示している。なお、このアセチレンブラックの混合比率は、合成ゴム100phrに対してアセチレンブラック65phr前後となり、その混合練り合わせ作業を円滑に行え、且つ製品加工に支障をきたさない範囲で適宜調整できる。
【実施例4】
【0029】
本発明の第4の実施形態に係る電磁波シールド材料を図12ないし図15に示す試験データに基づいて説明する。図12は本実施形態に係る電磁波シールド材料における配合例No.21ないしNo.29の各配合説明図、図13(A)、(B)、(C)は配合例No.21ないしNo.23の各電磁波シールド特性図、図14(A)、(B)(C)は配合例No.24ないしNo.26の各電磁波シールド特性図、図15(A)、(B)(C)は配合例No.27ないしNo.29の各電磁波シールド特性図である。
【0030】
本実施形態に係る電磁波シールド材料の各配合例No.21ないしNo.29は、前記図1に記載の実施形態材料と同様に、合成ゴムに亜鉛華3号、軟化剤、アセチレンブラック、可塑剤、老化防止剤、加硫促進剤DM、加硫促進剤D、硫黄を添加して構成し、この構成に加え、合成ゴム100phrに対してカーボン繊維10phr、20phr若しくは30phrを三種の混合比率で合成ゴムに添加し、前記合成ゴム100phrに対してカーボン粉末0phr、20phr若しくは65phrを三種の混合比率で合成ゴムに添加し、前記合成ゴム100phrに対して充填剤25phr及び活性剤2.5phrを添加する構成である。また、前記硫黄の混合比率は、合成ゴム100phrに対して硫黄12phrを特定して添加される構成である。
【0031】
前記図13(A)、(B)、(C)において配合例No.21ないしNo.23は充填剤を25phr及び活性剤を2.5phrとして添加されており、この混合比率に加えて、カーボン繊維を10phr、20phr、30phrの三種の混合比率で添加される構成である。同図(A)、(B)、(C)の各図おいて、各配合例No.21ないしNo.23は、低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において電磁波シールドの効果を全く得られないことが解る。
【0032】
前記図14(A)、(B)、(C)において配合例No.24ないしNo.26は、カーボン繊維を10phr、20phr、30phrの三種の混合比率で添加され、且つカーボン粉末を20phrを一律の混合比率で添加される構成である。同図(A)、(B)(C)の各図において、各配合例No.24ないしNo.26は低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において電磁波シールドの効果を十分なものとすることができないことが解る。
【0033】
前記図15(A)、(B)、(C)において、各配合例No.27ないしNo.29は、カーボン繊維を10phr、20phr、30phrの三種の混合比率で添加され、且つカーボン粉末を65phrを一律の混合比率で添加される構成である。同図(A)、(B)、(C)の各図において、各配合例No.27ないしNo.29は低周波数から高周波数帯域までの全帯域において電磁波シールドを30dB又は40dB以下までに大きく減衰させるという効果を達成できる。
【実施例5】
【0034】
本発明の第5の実施形態に係る電磁波シールド材料を図16及び図17に示す試験データにに基づいて説明する。図16は本実施形態に係る電磁波シールド材料における配合例No.30ないしNo.37の各配合説明図、図17(A)、(B)、(C)は配合例No.30ないしNo.37の各電磁波シールド特性比較図である。
【0035】
本実施形態に係る電磁波シールド材料の各配合例No.30ないしNo.37は、前記図1に記載の実施形態材料と同様に、合成ゴムに亜鉛華3号、軟化剤、アセチレンブラック、可塑剤、老化防止剤、加硫促進剤DM、加硫促進剤D、硫黄を添加して基本配合を構成し、この構成に加え、合成ゴム100phrに対してカーボン繊維30phrとし、このカーボン繊維の繊維長さを6mm、12mmの二種とし、さらに繊維長さ3mmのカーボン繊維を10phrを適宜添加する構成である。
【0036】
前記図17(A)において配合例No.30及びNo.31は、前記基本配合に加え、合成ゴム100phrに対してファーネスブラック20phr、加工助剤5phr、加工助剤(樹脂)3phrを合成ゴムに添加する構成である。同図(A)において配合例No.30、No.31はいづれも高周波数帯域の電磁波シールド特性が十分でないことが解る。この配合例No.31は、配合例No.30の混合比率に加えて繊維長さ6mmのカーボン繊維30phrを添加して構成されるが、配合例No.30の電磁波シールド特性から僅かの改善があるものの、十分な特性が得られないことが解る。
【0037】
前記図17(B)において、配合例No.33、No.34は、前記基本配合で亜鉛華3号の混合比率を30phrと5phrとにする構成である。また、配合例No.35、No.36は前記基本配合が共通し、配合例No.35が繊維長さ12mm(太さ7μm2)のカーボン繊維を30phrの混合比率で添加され、配合例No.36が繊維長さ12mm(太さ7μm2)のカーボン繊維を20phr及び繊維長さ3mmのアルミ繊維を10phrの混合比率で添加される構成である。
【0038】
このように各混合比率の異なる配合例No.30ないしNo.36において、まず、配合例No.30と同じ基本配合にカーボン繊維を30phrの混合比率で添加した配合例No.31は配合例No.30の電磁波シールド特性から僅かの改善があるものの、十分な特性が得られないことが解る。また、配合例No.32は基本配合のうち硫黄を12phrの混合比率とすることにより高周波数帯域において20dB前後の電磁波シールド特性が得られ、配合例No.33は基本配合のうち硫黄を12phr、亜鉛華3号を30phrの混合比率とすることにより、高周波数帯域において20dBないし30dBの電磁波シールド特性が得られることが解る。
【0039】
さらに、配合例No.34は、前記配合例No.32の基本配合に加え、前記繊維長さ6mmのカーボン繊維を30phrの混合比率で添加することにより、低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において金属板で形成されるシールド材に近い電磁波シールドの特性が得られることが解る。前記配合例No.35は、前記配合例No.32の基本配合に加え、前記繊維長さ12mmのカーボン繊維を30phrの混合比率で添加することにより、低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において金属板で形成されるシールド材に近い電磁波シールドの特性が得られることが解る。また、前記配合例No.36は、前記配合例No.32の基本配合に加え、前記繊維長さ12mmのカーボン繊維を20phr及び繊維長さ3mmのアルミ繊維を10phrの混合比率で添加することにより、低周波数帯域から高周波数帯域までの全帯域において金属板で形成されるシールド材に近い電磁波シールドの特性が得られることが解る。
【0040】
前記図17(C)において配合例No.37は、基本配合の基礎母材とは異なり導電性の特性がない非導電性の合成ゴムに繊維長さ5mmのカーボン繊維を30phrの混合比率で添加した例であり、同図に示すようにカーボン繊維による電磁波シールド特性の効果を全く認めることができない。
【0041】
前記配合例No.30ないしNo.37の各電磁波シールド特性から解るように合成ゴムに亜鉛華3号、軟化剤、アセチレンブラック、可塑剤、老化防止剤、加硫促進剤DM、加硫促進剤D、硫黄を添加して構成される基本配合の基礎母材が20dBないし30dBの電磁波シールド特性を有することを前提とし、この基礎母材にカーボン繊維又はアルミ繊維を添加することにより金属板の電磁波シールド材と同等のシールド特性が得られることとなる。
【実施例6】
【0042】
本発明の第6の実施形態に係る電磁波シールド材料を図18に示す試験データにに基づいて説明する。この図18(A)、(B)は配合例No.38、No.39及びアルミニウムの金属板の各電磁波シールド特性図を示す。
【0043】
本実施形態に係る電磁波シールド材料の配合例No.38は、前記図1に記載の実施形態材料と同様に、合成ゴムに亜鉛華3号、軟化剤、アセチレンブラック、可塑剤、老化防止剤、加硫促進剤DM、加硫促進剤D、硫黄を添加して基本配合を構成し、この構成に加え、この基本配合の基礎母材でステンレス鋼の網体を挟み込んで形成する構成である。この配合例No.38を図18(A)に示すと共に同図中に比較例として配合例No.39を示す。この配合例No.39は、前記基本配合の基礎母材とは異なり導電性の特性がない非導電性の合成ゴムに前記ステンレス鋼の網体を挟み込んで形成する構成である。
【0044】
前記図18(A)において配合例No.38は、同図(B)に示すアルミニウムの金属板で形成される電磁波シールド材料の電磁波シールド特性とほぼ同等の特性であることが解る。この配合例No.38に対して、配合例No.39は低周波数帯域においてはアルミニウムの金属板と同等の電磁波シールド特性を有するものの、高周波数帯域においては電磁波シールドの特性がないことが解る。この配合例No.39は、高周波帯域の電磁波のみを選択透過できるフィルタリング作用を有する。
【0045】
なお、前記各実施形態においては電磁波シールド材料をシート体について説明したが、この電磁波シールド材料をシート体以外に電線若しくはケーブルの金属編組に代えて用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る電磁波シールド材料の第1の実施形態における配合例No.1ないしNo.9の各配合説明図である。
【図2】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第1の実施形態における配合例No.1の電磁波シールド特性図である。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第1の実施形態における配合例No.2の電磁波シールド特性図である。(C)は本発明に係る電磁波シールド材料の第1の実施形態における配合例No.3の電磁波シールド特性図である。
【図3】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第1の実施形態における配合例No.4ないしNo.6の各電磁波シールド特性図である。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第1の実施形態における配合例No.4ないしNo.6の各電磁波シールド特性図である。(C)は本発明に係る電磁波シールド材料の第1の実施形態における配合例No.4ないしNo.6の各電磁波シールド特性図である。
【図4】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第1の実施形態における配合例No.7ないしNo.9の各電磁波シールド特性図である。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第1の実施形態における配合例No.7ないしNo.9の各電磁波シールド特性図である。(C)は本発明に係る電磁波シールド材料の第1の実施形態における配合例No.7ないしNo.9の各電磁波シールド特性図である。
【図5】本発明に係る電磁波シールド材料の第2の実施形態における配合例No.10ないしNo・15の各配合説明図である。
【図6】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第2の実施形態における配合例No.10及び配合例No.11の各電磁波シールド特性図である。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第2の実施形態における配合例No.10及び配合例No.11の各電磁波シールド特性図である。
【図7】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第2の実施形態における配合例No.12及び配合例No.13の各電磁波シールド特性図である。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第2の実施形態における配合例No.12及び配合例No.13の各電磁波シールド特性図である。
【図8】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第2の実施形態における配合例No.14及びNo・15の電磁波シールド特性図である。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第2の実施形態における配合例No.14及びNo・15の電磁波シールド特性図である。
【図9】本発明に係る電磁波シールド材料の第3の実施形態における配合例No.16ないしNo.20の各配合説明図である。
【図10】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第3の実施形態における配合例No.16ないしNo.18の各電磁波シールド特性図である。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第3の実施形態における配合例No.16ないしNo.18の各電磁波シールド特性図である。(C)は本発明に係る電磁波シールド材料の第3の実施形態における配合例No.16ないしNo.18の各電磁波シールド特性図である。
【図11】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第3の実施形態における配合例No.19及びNo.20の各電磁波シールド特性図である。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第3の実施形態における配合例No.19及びNo.20の各電磁波シールド特性図である。
【図12】本発明に係る電磁波シールド材料の第4の実施形態における配合例No.21ないしNo.29の各配合説明図である。
【図13】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第4の実施形態における配合例No.21ないしNo.23の各電磁波シールド特性図である。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第4の実施形態における配合例No.21ないしNo.23の各電磁波シールド特性図である。(C)は本発明に係る電磁波シールド材料の第4の実施形態における配合例No.21ないしNo.23の各電磁波シールド特性図である。
【図14】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第4の実施形態における配合例No.24ないしNo.26の各電磁波シールド特性図である。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第4の実施形態における配合例No.24ないしNo.26の各電磁波シールド特性図である。(C)は本発明に係る電磁波シールド材料の第4の実施形態における配合例No.24ないしNo.26の各電磁波シールド特性図である。
【図15】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第4の実施形態における配合例No.27ないしNo.29の各配合説明図である。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第4の実施形態における配合例No.27ないしNo.29の各配合説明図である。(C)は本発明に係る電磁波シールド材料の第4の実施形態における配合例No.27ないしNo.29の各配合説明図である。
【図16】本発明に係る電磁波シールド材料の第5の実施形態における配合例No.30ないしNo.37の各配合説明図である。
【図17】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第5の実施形態における配合例No.30ないしNo.37の各電磁波シールド特性比較図である。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第5の実施形態における配合例No.30ないしNo.37の各電磁波シールド特性比較図である。(C)は本発明に係る電磁波シールド材料の第5の実施形態における配合例No.30ないしNo.37の各電磁波シールド特性比較図である。
【図18】(A)は本発明に係る電磁波シールド材料の第6の実施形態における配合例No.38、No.39及びアルミニウムの金属板の各電磁波シールド特性図を示す。(B)は本発明に係る電磁波シールド材料の第6の実施形態における配合例No.38、No.39及びアルミニウムの金属板の各電磁波シールド特性図を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成ゴムに、該合成ゴム100重量部に対してカーボン65乃至70重量部及び亜鉛華5乃至30重量部を添加して導電性材料とし、前記合成ゴム100重量部に対して硫黄11乃至13重量部を前記導電性材料に添加することを特徴とする電磁波シールド材料。
【請求項2】
請求項1記載の電磁波シールド材料によるシート体2枚の間に、金属材で形成される網体を挟み込んで形成することを特徴とする電磁波シールド材料。
【請求項3】
請求項1記載の電磁波シールド材料において、導電性材料を合成ゴムに、前記合成ゴム100重量部に対してカーボン20乃至65重量部、亜鉛華5重量部及びカーボン繊維10乃至30重量部を、カーボンとカーボン繊維との合計が50重量部以上となるように添加したものとすることを特徴とする電磁波シールド材料。
【請求項4】
請求項1記載の電磁波シールド材料において、導電性材料を合成ゴムに、前記合成ゴム100重量部に対してカーボン65重量部、亜鉛華5重量部、カーボン繊維20重量部及び金属短繊維10重量部を添加したものとすることを特徴とする電磁波シールド材料。
【請求項1】
合成ゴムに、該合成ゴム100重量部に対してカーボン65乃至70重量部及び亜鉛華5乃至30重量部を添加して導電性材料とし、前記合成ゴム100重量部に対して硫黄11乃至13重量部を前記導電性材料に添加することを特徴とする電磁波シールド材料。
【請求項2】
請求項1記載の電磁波シールド材料によるシート体2枚の間に、金属材で形成される網体を挟み込んで形成することを特徴とする電磁波シールド材料。
【請求項3】
請求項1記載の電磁波シールド材料において、導電性材料を合成ゴムに、前記合成ゴム100重量部に対してカーボン20乃至65重量部、亜鉛華5重量部及びカーボン繊維10乃至30重量部を、カーボンとカーボン繊維との合計が50重量部以上となるように添加したものとすることを特徴とする電磁波シールド材料。
【請求項4】
請求項1記載の電磁波シールド材料において、導電性材料を合成ゴムに、前記合成ゴム100重量部に対してカーボン65重量部、亜鉛華5重量部、カーボン繊維20重量部及び金属短繊維10重量部を添加したものとすることを特徴とする電磁波シールド材料。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−258737(P2007−258737A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−130083(P2007−130083)
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【分割の表示】特願平9−128096の分割
【原出願日】平成9年4月30日(1997.4.30)
【出願人】(591202155)熊本県 (17)
【出願人】(000100399)つちやゴム株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【分割の表示】特願平9−128096の分割
【原出願日】平成9年4月30日(1997.4.30)
【出願人】(591202155)熊本県 (17)
【出願人】(000100399)つちやゴム株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]