説明

靴、特に運動靴

本発明は、靴(1)、特に運動靴であって、靴上側部分(2)が設けられている形式のものに関する。特に、使用時において十分な固有剛性を有している折り畳み可能な靴を得るために、本発明の構成では、靴上側部分(2)が少なくとも部分的に、靴長手方向(L)における靴上側部分(2)の押し縮めを可能にする曲がりやすい材料から成っており、靴上側部分(2)の、少なくとも靴長手方向(L)に延びている領域(3)において、少なくとも1つの補強エレメント(4)が靴上側部分(2)の表面に又は内部に配置されており、該補強エレメント(4)が、靴長手方向(L)に対してほぼ垂直な断面における靴(1)の形状を維持するようになっており、曲がりやすい材料が、靴フロント部分(6)と靴リヤ部分(7)との間における結合領域(5)に配置されており、靴上側部分(2)が少なくとも爪先領域(8)及びヒール領域(9)において、曲がりにくい材料から成っており、補強エレメント(4)が少なくとも、靴フロント部分(6)と靴リヤ部分(7)との間における結合領域(5)全体にわたって配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴、特に運動靴であって、靴上側部分を備えている形式のものに関する。
【0002】
従来技術に基づいて公知の靴は、靴長手方向軸線の方向において靴の長さを調節することができる手段を備えている。例えばUS6138385に開示された発明では靴底の構成によって、靴のサイズをある程度の範囲にわたって無段階式に調節することができ、これにより靴を個々の要求に合わせることができる。
【0003】
この公知の解決策は、靴のサイズの変化を単に一時的に、例えば運搬中に行いたいような場合には、適していない。そのために、例えばDE20119907U1に開示された運動靴の別の構成では、靴底とこの靴底に結合された靴上側部分とが設けられていて、この靴上側部分は、足のフロント部分、関節部分及び踵部分を取り囲んでいる。靴を、良好のために取扱い可能なフォーマットに簡単に折り畳むことができるようにするために、この公知の構成では、靴上側部分は踵領域に切り込みを有しており、この切り込みは鉛直方向で靴底に向かって延びており、靴上側部分の、切り込みの両側における部分は、踵領域において、靴運搬のために有利なフラットなフォーマットに折り畳むために、内方に靴底に向かって折り畳み可能に形成されている。
【0004】
この場合しばしば妥協策を甘受しなくてはならない。それというのは、靴を折り畳むための構成によって靴の形状安定性が損なわれるからである。
【0005】
ゆえに本発明の課題は、冒頭に述べた形式の靴、特に運動靴を改良して、一方では靴を小さなフォーマットに簡単に縮めることができ、かつ他方では靴を通常の使用時においては十分な固有強度もしくは固有剛性を有するようにすることである。
【0006】
この課題を解決するために本発明の構成では、靴上側部分が少なくとも部分的に、靴長手方向における靴上側部分の押し縮めを可能にする曲がりやすい材料から成っており、靴上側部分の、少なくとも靴長手方向に延びている領域において、少なくとも1つの補強エレメントが靴上側部分の表面に又は内部に配置されており、該補強エレメントが、靴長手方向に対してほぼ垂直な断面における靴の形状を維持するように働き、曲がりやすい材料が、靴フロント部分と靴リヤ部分との間における結合領域に配置されており、靴上側部分が少なくとも爪先領域及びヒール領域において、曲がりにくい材料から成っており、補強エレメントが少なくとも、靴フロント部分と靴リヤ部分との間における結合領域全体にわたって配置されているようにした。
【0007】
すなわち本発明による靴では、靴上側部分のための材料として、曲げ又は座屈に対してほとんど抵抗を示さないような材料、例えば薄い繊維材料が使用されている。これに対して補強エレメントは、使用位置からの靴の変形に関して、少なくともファクタ5、有利にはファクタ10だけ、剛性に形成されている。使用位置に靴を保つことは、つまり事実上もっぱら補強エレメントによって実現されており、補強エレメントが配置されている領域における靴上側部分の材料は、使用位置に靴を保つためには何ら役立たない。
【0008】
個々の補強エレメントは、足の解剖学に基づく鉛直に対してのある程度の傾斜を無視すれば、靴長手方向に対して垂直に位置する平面において延びている。
【0009】
つまり本発明によれば、曲がりやすい上側部分の材料は靴の中央領域にだけ設けられており、これに対して靴の踵及び爪先はクラシカルに形状安定性の材料から成っている。
【0010】
補強エレメントは有利には、靴上側部分の周囲において延在する閉じられたリングとして形成されていても、又は靴上側部分の周囲において部分的に延在するリング区分として形成されていてもよい。この場合互いに平行に配置された複数の補強エレメントが、靴上側部分の表面に又は内部に配置されていると、有利である。そしてこれらの補強エレメントは少なくとも、靴フロント部分と靴リヤ部分との間における結合領域全体にわたって配置されている。場合によっては最も前に位置する爪先領域を除いて、補強エレメントはほぼ、靴上側部分の長手方向延在領域全体にわたって配置されていることができる。本発明の別の構成では、靴フロント部分及び/又は靴リヤ部分において補強エレメントに、靴長手方向における靴上側部分の押し縮めを阻止又は困難にする硬化手段が設けられている。これらの硬化手段は、互いに隣接する2つの補強エレメントの間におけるウェブ形状の結合部によって形成されることができる。この結合部は、互いに隣接する2つの補強エレメントの間において、波形に又は魚骨状に形成されていることができる。この場合硬化手段は、補強エレメントの、地面もしくは床に向けられた領域に配置されていることができる。
【0011】
本発明の特に有利な構成では、取外し可能な硬化手段が靴上側部分に配置可能であり又は配置されており、取外し可能な硬化手段が、靴長手方向における靴上側部分の押し縮めを阻止又は困難にするために、互いに隣接する少なくとも2つの補強エレメントを少なくとも部分的に形状結合式に取り囲んでいて、該補強エレメント相互の間隔を保つようになっている。この取外し可能な硬化手段は例えば、装着可能なクランプとして、特に甲領域に装着可能なクランプとして形成されている。しかしながらまた、取外し可能な硬化手段はソールエレメントとして形成されていてもよい。この場合、取外し可能な硬化手段が、補強エレメントの形状に合わせられた切欠きを有していると、有利である。そして別の構成では、硬化手段と該硬化手段と共働する補強エレメントとの間に、クリップ結合部が配置されている。
【0012】
靴長手方向における靴上側部分の押し縮めを阻止もしくは困難にするための上述の硬化手段は、固有剛性のインソールとして形成されていてもよい。
【0013】
また製造技術的に有利な構成では、少なくとも1つの補強エレメントが、靴上側部分の曲がりやすい材料に射出又は圧着によって取り付けられている。
【0014】
本発明の別の構成におけるように、靴が固定ストラップを有しており、該固定ストラップが、抗張性の材料から成っていて、靴の踵を取り囲むように延びていると、規定された長さへの靴の調節が容易になる。この場合固定ストラップは、ガイドに、特に靴上側部分に固定された布地管(Stoffrohr)に配置されていることができる。
【0015】
本発明の別の構成では、甲領域に配置された少なくとも1つの補強エレメントが、周方向において伸縮性のある弾性材料から成っている。
【0016】
靴の胴部(つまり靴上側部分の材料)は、必要に応じて、防水性に又は通気性に選択することができる。個々の、環状の又は部分的に環状の多数のリブもしくはリング(補強エレメント)から、1つのフレームを形成することができ、この場合補強エレメントは靴上側部分の材料に直に射出すること又は圧着させることができる。相応な材料としては例えば、熱可塑性プラスチック、主としてポリアミド又はポリウレタン、又は圧着されたもしくは射出されたゴム又は熱可塑性ゴムが挙げられる。
【0017】
環状のもしくは部分的に環状のリブは、胴部(靴上側部分)の領域全体にわたって延びていても、又は胴部(靴上側部分)の部分領域にだけ、例えばフロント部分及び/又は関節領域にだけ、延びていてよい。
【0018】
下側の胴部領域においては、外部からの影響に対する保護のために、リブ(補強エレメント)の間の材料が一種の靴底ベースを形成していてもよい。爪先もしくは踵領域は同様な方法で、機能的な部分として、例えばオートバイ用ブーツにおける爪先保護として及び/又は踵キャップとして、一緒に成形されることができる。この場合残りの胴部は、機能的な部分に後から縫い付けられることも可能である。この場合特に、ソール部分を縫い付けられた靴のことが思い浮かべられる。機能的な部分は例えば通気切欠き又は特殊な毛羽立ち面(Abriebsflaeche)を有すること、又は付加的なアクセサリ(例えば電装コンポーネント)用の受容部として働くことができる。
【0019】
靴長手方向における靴上側部分の伸びは、伸張が僅かな胴部材料もしくは相応に伸張しない裏地材料もしくは補強部によって得ることができる。
【0020】
長さ調節可能性は、例えば前記固定ストラップによる調節可能性によって得ることができる。
【0021】
本発明の他の構成では、フレーム(例えば個々の補強エレメントの配置)は別個に射出され、この場合前記変化実施例の可能性を得ることができる。モカシンとして形成された胴部、つまり靴上側部分は、この場合後から配置され、つまりクリップ結合される。この場合胴部材料は相応な突出部(縫い付けられるか又は同様に射出される)を有しており、これらの突出部は、フレームの個々のリブの間にクリップ止めされ、これによって個々の補強エレメント相互の強いシフトもしくは胴部材料とフレームとのシフトを阻止することができる。これによって靴が、靴長手方向において短縮することは阻止される。本発明のこの構成の利点は、胴部を、例えば異なった使用例のために交換できることにある。
【0022】
環状の補強エレメント(リブ)は基本的には直接、接地面として働くことができる。リブの折れ曲がりもしくは激しい「浮遊(Schwimmen)」を回避するために、しかも靴の押し縮めを引き続き可能にしておくためには、2つの有利な可能性がある:すなわち、
リングは底領域において、非直線的なラインとして形成されていることができ、例えば同心的な軸として又は魚骨状成形体として形成されていることができる。
【0023】
択一的にまた、リングを、ネガティブな付加的なソールエレメント(硬化手段)によって安定化させることも可能であり、このソールエレメントは、足のフロント部分もしくはリヤ部分を介して、部分的に又は全面的に覆うように、リブ内に進入させられ、形状結合(Formschluss)に基づいて、もしくは摩擦に基づいてリブに固着される。硬化手段として機能するこのソールエレメントには、付加的な緩衝エレメントが組み込まれていてもよい。
【0024】
靴のサイズもしくは靴の長さの調節は、種々様々な形式で達成することができる。
【0025】
初めにこの調節は、伸縮性に乏しい胴部材料もしくは補強エレメント材料によって保証されることができ、つまりこの場合この材料の最大の伸びによって規定されている。
【0026】
また、ヒールの周りを延びている固定ストラップを設けることも可能であり、この固定ストラップは伸縮不能又は調節不能に形成されていることができる。
【0027】
布地管(胴部材料から形成された)内に配置可能な固定ストラップは、自由に延びていて、前端部において最前位のリブ(補強エレメント)と結合されていて、後端部に相応な調節可能性を有していることができる。このような調節形式には、靴を意識的に引き縮めることができ、かつ規定のポジションにおいて固定ストラップの固定によって靴がこのポジションに留まる、という利点がある。
【0028】
靴の結びも同様に種々様々な形式で実現することができる:すなわち、
もちろん、汎用の靴ひもを用いた通常の結び形式も使用することができる。この場合には、胴部の引き締めを可能にするために、リブははと目皮領域において終わっている。
【0029】
また、足の周囲に合わせられた弾性的なリブを、特に甲領域に設けることも可能である。
【0030】
さらにまた、大まかに合わせられていて、プラスチック製の予負荷された付加的な胴部クランプによって助成される、弾性的なリブを設けることも可能である。クリップとして形成された胴部クランプは、この場合上から(後で実施例について詳しく述べる)及び下から靴に装着することができる。下からの装着の場合には、個々のクリップバーは、一体成形された中央のターンロックファスナによって極めて簡単に固定することができる。
【0031】
他の結び可能性としては、弾性的なリブ(補強エレメント)内へのバイメタル線材の射出が挙げられる。この場合には相応な電気パルスによって、線材は縮められたり、伸ばされたりする。
【0032】
靴、特に運動靴の上に述べた構成によって、必要に応じて靴を簡単に押し縮めることが可能になり、その結果、例えばトランクに収納してのスペースを節減した運搬が可能になる。
【0033】
そしてこの場合靴は十分な固有剛性を有していて、特に、装着者の足の十分な支持を保証するねじれ強さを有している。足の自然な可動性は保証され、足の保護作用が損なわれることはない。
【0034】
十分に薄い胴部材料(靴上側部分の材料)によって、靴の通気性を保証することができる。
【0035】
本発明の思想は、種々様々な使用のために基本モジュールとして利用されることができる。
【0036】
本発明による靴は、靴型の最適なコピーを再現し、その結果靴の良好な形状を得ることができる。
【0037】
靴はまた、例えば成長期にある子供におけるサイズ適合を可能にする。
【0038】
さらに、比較的軽い靴を得ることができるという利点があり、このことは例えばランニングシューズにおいて効果を発揮する。さらにまた、「リブ」に基づいて、例えば衝撃や蹴飛ばしのような外力に対する良好な保護が得られ、このことは特に、サッカーシューズとして使用される場合に有利である。
【0039】
次に図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
【0040】
図1は、使用位置における運動靴を示す側面図であり、
図2は、図1に示された靴を、小さなフォーマットに縮められた不使用位置で示す図であり、
図3は、図1に示された実施例とは異なった、全部で3つの硬化手段を備えた本発明による靴の別の実施例を示す分解図であり、
図4は、靴のための固有剛性のインソールの形をした硬化手段を示す斜視図である。
【0041】
図1に側面図で示された運動靴1は、公知のように靴上側部分2を有している。靴上側部分2は靴長手方向Lにおいて3つの領域にわたって、つまり靴フロント部分6と、この靴フロント部分6に続く結合領域5と、靴リヤ部分7とにわたって延びている。結合領域5はこの場合靴1の使用状態において、つまり靴の引き出された状態において、靴長手方向Lで測定された靴の全長の、有利には少なくとも30%の長さにわたって、特に有利には40%の長さにわたって延在している。
【0042】
靴の(仮想の)分割はまた次のように行うこともできる。すなわちこの場合、靴フロント部分には爪先領域8が規定されており、この爪先領域8には別の領域3が続き、この領域3にはさらに靴リヤ部分において踵領域9が隣接している。この場合においても相応に、領域3は、使用状態における靴1の全長の、有利には少なくとも30%にわたって、特に有利には少なくとも40%にわたって延びている。
【0043】
領域3は、その長手方向に沿って靴上側部分2の材料が曲がりやすく形成されていることによって、特徴付けられている。つまりこの靴上側部分2の材料は僅かな固有剛性しか有しておらず、つまり薄い繊維材料であり、このような材料は、靴長手方向Lにおける靴1の押し縮めに対してほとんど抵抗力がない。
【0044】
従って靴1は、図1に示された使用位置から、図2に示されている不使用位置に押し縮めることができる。
【0045】
しかしながら靴1が使用時において十分な固有剛性を有し、特に十分なねじれ剛性を有するようにするために、複数の補強エレメント4が設けられており、これらの補強エレメント4はリング状に形成されていて、かつ靴長手方向Lに対してほぼ垂直な一平面において円形にもしくは楕円形に延びている。これらの補強エレメント4は図示の実施例では、靴上側部分2に直に射出された射出成形プラスチックから成っている。
【0046】
図1から分かるように、領域3は補強エレメント4の延在領域として形成されており、つまりこの領域3にわたって、補強エレメント4が靴上側部分2に設けられている。
【0047】
図1の実施例ではさらに、爪先領域8及び踵領域9はクラシカルに形成されており、つまりこれらの領域においては、靴は通常のように、固有剛性の材料から成っている。
【0048】
図1及び図2から分かるように、靴は靴長手方向Lにおいて、個々のリブ状の補強エレメント4が互いに接触し合うまで、押し縮められることができる。靴の踵の周りに延びている固定ストラップ14は、靴をその使用ポジションにおいて所望の(最大)長さに保つことができる。
【0049】
靴1が使用時に、特に足前側領域において十分な固有剛性を有するようにするために、フロントソール部分11が設けられており、このフロントソール部分11は、補強エレメントとして形成されていて、また複数の切欠き13を有しており、これらの切欠き13は、靴の地面もしくは床に向けられた領域において補強エレメント4の形状に合わせられている。リブ4は補強手段11の切欠き13内に押し込まれることができ、これによってソールエレメント11と靴上側部分2との間における結合部が形成されている。
【0050】
この原理は、図3に示された解決策ではさらに進められている。すなわち図3に示された靴は、靴長手方向Lにおけるその全長にわたって、最先端の爪先領域を除いて、補強エレメント4を備えている。リブ4相互の間隔を靴の使用のために必要な間隔に保つために、3つの硬化手段10,11,12、つまりインステップクランプ10、フロントソールエレメント11及びリヤソールエレメント12が設けられている。ソールエレメント11,12は切欠き13を有しており、これらの切欠き13は、補強エレメント4を形状結合式の受容するために形成されている。この場合リブ4と切欠き13との間にはクリップ結合部が設けられている。リブ4へのエレメント11,12の押込みもしくはクリップ止めによって、足のフロント領域及びリヤ領域において、靴1の規定された使用位置を固定することができる。相応なことはインステップクランプ10に対しても言える。つまりインステップクランプ10は上から、靴のインステップ領域つまり足の甲領域に装着され、インステップクランプ10のアーム15は、互いに隣接した2つの補強エレメント4の間にクランプして、隣接した2つの補強エレメント4の間の間隔を、規定された間隔に保つことができる。
【0051】
ソール硬化手段11,12はさらに固定エレメント16を有しており、これらの固定エレメント16によってソール硬化手段11,12は靴上側部分2に固定されることができ、図示の実施例ではスナップボタン式結合部が使用されている。この場合結合部としては、例えばベルクロのようなその他の任意の結合形式を使用することができる。靴上側部分2における硬化手段10,11,12の取付けは矢印によって示されている。
【0052】
図4には固有剛性のインソール12′が示されており、このインソール12′は択一的に又は付加的に、取外し可能な硬化手段として使用することができる。このインソール12′によって、靴長手方向Lにおける靴の押し縮めを阻止もしくは困難にすることができる。インソール12′は、靴がその使用長さに引き伸ばされた後で、ソールエレメントとして靴内部に挿入される。このインソール12′は有利にはプラスチック、複合材料又は両方の材料の組合せから成っている。
【0053】
ソール部分11,12内には、ソールの緩衝性に対して所望のように影響を与えるために、緩衝エレメントが組み込まれていてもよい。
【0054】
さらに略示されているだけだが、靴の自体公知の別の構成、例えば通気開口17が靴上側部分2に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】使用位置における運動靴を示す側面図である。
【図2】図1に示された靴を、小さなフォーマットに縮められた不使用位置で示す図である。
【図3】図1に示された実施例とは異なった、全部で3つの硬化手段を備えた本発明による靴の別の実施例を示す分解図である。
【図4】靴のための固有剛性のインソールの形をした硬化手段を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0056】
1 靴(運動靴)、 2 靴上側部分、 3 補強エレメントの延在領域、 4 補強エレメント、 5 結合領域、 6 靴フロント部分、 7 靴リヤ部分、 8 爪先領域、 9 踵領域、 10 取外し可能な硬化手段(インステップクランプ)、 11 取外し可能な硬化手段(フロントソール)、 12 取外し可能な硬化手段(リヤソール)、 12′ 取外し可能な硬化手段(固有剛性のインソール)、 13 切欠き、 14 固定ストラップ、 15 アーム、 16 固定エレメント、 17 通気開口、 L 靴長手方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴(1)、特に運動靴であって、靴上側部分(2)が設けられている形式のものにおいて、
靴上側部分(2)が少なくとも部分的に、靴長手方向(L)における靴上側部分(2)の押し縮めを可能にする曲がりやすい材料から成っており、
靴上側部分(2)の、少なくとも靴長手方向(L)に延びている領域(3)において、少なくとも1つの補強エレメント(4)が靴上側部分(2)の表面に又は内部に配置されており、該補強エレメント(4)が、靴長手方向(L)に対してほぼ垂直な断面における靴(1)の形状を維持し、
曲がりやすい材料が、靴フロント部分(6)と靴リヤ部分(7)との間における結合領域(5)に配置されており、
靴上側部分(2)が少なくとも爪先領域(8)及びヒール領域(9)において、曲がりにくい材料から成っており、
補強エレメント(4)が少なくとも、靴フロント部分(6)と靴リヤ部分(7)との間における結合領域(5)全体にわたって配置されていることを特徴とする靴。
【請求項2】
補強エレメント(4)が、靴上側部分(2)の周囲において延在する閉じられたリングとして形成されている、請求項1記載の靴。
【請求項3】
補強エレメント(4)が、靴上側部分(2)の周囲において部分的に延在するリング区分として形成されている、請求項1記載の靴。
【請求項4】
互いに平行に配置された複数の補強エレメント(4)が、靴上側部分(2)の表面に又は内部に配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の靴。
【請求項5】
補強エレメント(4)がほぼ、靴上側部分(2)の長手方向延在領域全体にわたって配置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の靴。
【請求項6】
靴フロント部分(6)及び/又は靴リヤ部分(7)において補強エレメント(4)に、靴長手方向(L)における靴上側部分(2)の押し縮めを阻止又は困難にする硬化手段が設けられている、請求項5記載の靴。
【請求項7】
硬化手段が、互いに隣接する2つの補強エレメント(4)の間におけるウェブ形状の結合部によって形成される、請求項6記載の靴。
【請求項8】
互いに隣接する2つの補強エレメント(4)の間における結合部が、波形に形成されている、請求項6又は7記載の靴。
【請求項9】
互いに隣接する2つの補強エレメント(4)の間における結合部が、魚骨状に形成されている、請求項7記載の靴。
【請求項10】
硬化手段が、補強エレメント(4)の、地面もしくは床に向けられた領域に配置されている、請求項6から8までのいずれか1項記載の靴。
【請求項11】
硬化手段が、固有剛性のインソール(12′)として形成されている、請求項6記載の靴。
【請求項12】
取外し可能な硬化手段(10,11,12)が靴上側部分(2)に配置可能であり又は配置されており、取外し可能な硬化手段(11,12,13)が、靴長手方向(L)における靴上側部分(2)の押し縮めを阻止又は困難にするために、互いに隣接する少なくとも2つの補強エレメント(4)を少なくとも部分的に形状結合式に取り囲んでいて、該補強エレメント(4)相互の間隔を保つ、請求項1から10までのいずれか1項記載の靴。
【請求項13】
取外し可能な硬化手段(10)が、装着可能なクランプとして、特に甲領域に装着可能なクランプとして形成されている、請求項12記載の靴。
【請求項14】
取外し可能な硬化手段(11,12)がソールエレメントとして形成されている、請求項12記載の靴。
【請求項15】
取外し可能な硬化手段(10,11,12)が、補強エレメント(4)の形状に合わせられた切欠き(13)を有している、請求項12から14までのいずれか1項記載の靴。
【請求項16】
硬化手段(10,11,12)と該硬化手段(10,11,12)と共働する補強エレメント(4)との間に、クリップ結合部が配置されている、請求項12から15までのいずれか1項記載の靴。
【請求項17】
少なくとも1つの補強エレメント(4)が、靴上側部分(2)の曲がりやすい材料に射出又は圧着によって取り付けられている、請求項1から16までのいずれか1項記載の靴。
【請求項18】
靴が固定ストラップ(14)を有しており、該固定ストラップ(14)が、抗張性の材料から成っていて、靴の踵を取り囲むように延びている、請求項1から17までのいずれか1項記載の靴。
【請求項19】
固定ストラップ(14)が、ガイドに、特に靴上側部分(2)に固定された布地管に配置されている、請求項18記載の靴。
【請求項20】
甲領域に配置された少なくとも1つの補強エレメント(4)が、周方向において伸縮性のある弾性材料から成っている、請求項1から19までのいずれか1項記載の靴。
【請求項21】
補強エレメント(4)がプラスチック、特に熱可塑性材料から成っている、請求項1から20までのいずれか1項記載の靴。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−540976(P2009−540976A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−516954(P2009−516954)
【出願日】平成19年6月23日(2007.6.23)
【国際出願番号】PCT/EP2007/005539
【国際公開番号】WO2008/000398
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(398049829)プーマ アクチエンゲゼルシャフト ルードルフ ダスレル シュポルト (18)
【氏名又は名称原語表記】Puma Aktiengesellschaft Rudolf Dassler Sport
【住所又は居所原語表記】Wuerzburger Strasse 13, D−91074 Herzogenaurach, Germany
【Fターム(参考)】