説明

靴ひもの巻取装置

【課題】 2系統の靴ひもによる締め付け具合を個別に調節できるばかりか、それらの靴ひもを迅速に巻き取ることができる靴ひもの巻取装置を提供すること。
【解決手段】
本発明は、 第1の靴ひもW1を巻き取るための第1の巻取部D1と、第2の靴ひもW2を巻き取るための第2の巻取部D2と、当該第1の巻取部D1及び第2の巻取部D2を回転駆動するための1つのハンドル21と、前記ハンドル21の正逆の異なる回転方向に応じて当該ハンドル21による駆動力を前記第1の巻取部D1又は第2の巻取部D2に振り分けるための切換手段31,51と、を備え、ハンドル21を正逆交互に回すことでハンドル21から手を離すことなく第1の靴ひもW1及び第2の靴ひもW2を連続的に巻き取ることができるようにしたことを特徴とする靴ひもの巻取装置20である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴ひもの巻取装置に関するものであって、より詳細には、スキー、スノーボード、スケート、山登り、バイクの乗車を行う際などに使用するブーツなどの靴ひもを締め付けるのに適した靴ひもの巻取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スキー、スノーボード、スケートなどに使用するブーツの靴ひもを締め付けるために、ハンドル(円形ノブ)を回転することによって靴ひもを巻き付けることができる靴ひもの巻取装置が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
【0003】
これらの巻取装置は、手袋を装着したままであっても、靴ひもを締め付けることができるものであり、特にスノーボード用のブーツにおいて利便性に優れたものとして広く用いられるようになっている。
そして、これらの巻取装置に使用する靴ひもとしては、一般的に摩擦係数の低いワイヤーロープを使用しており、これらの巻取装置によってブーツの靴ひもを締め付けると、靴本体の甲部から靴本体の踝より上の部分を全体的に均一に締め付けることになる。
【0004】
しかしながら、スノーボード用のブーツなどにおいては、靴ひもによって靴本体の甲部と靴本体の踝より上の部分の締め付け具合を別々に調節したいという要望があり、それぞれの部分に対応して2系統の靴ひもとそれらに対応する2個の巻取装置を装着したブーツが提案されている。
【0005】
従って、従来の靴ひもの巻取装置を用いるブーツにおいて、靴本体の異なる部分を個別に締め付けられるようにするには、靴本体の前部及び側部、あるいは、靴本体の後部及び側部などにそれぞれ巻取装置を装着する必要があり、ブーツの構造が複雑化して大きくなってしまったり、ブーツの重量が増大するとか、ブーツの外観が損なわれるとか、ブーツの製造コストが大きくなるなどといった問題が避けられないものとなっている。
【0006】
さらに、従来の靴ひもの巻取装置において、靴本体の異なる部分を個別に締め付けるには、巻取装置の操作が煩雑になるという問題がある。
なお、1個の巻取装置内に靴ひもの巻取部を2個備えたものも提案されているが(特許文献3の図28〜図30参照)、この巻取部は一体化されて同時に回転するものであるため、2本の靴ひもの締め付け具合を個別に調節できるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4171774号公報
【特許文献2】特許第4538836号公報
【特許文献3】特開2010−148927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、従来の靴ひもの巻取装置においては、ブーツの異なる部分を2系統の靴ひもを用いて個別に締め付けて調節するという要望を実用的なレベルで達成できないということであり、本発明の目的は、2系統の靴ひもを個別に巻き取ることができる1個の巻取装置であって、しかも、その巻取装置のハンドルから手を離すことなく2系統の靴ひもを連続的に巻き取ることができる靴ひもの巻取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、「第1の靴ひもを巻き取るための第1の巻取部と、第2の靴ひもを巻き取るための第2の巻取部と、当該第1の巻取部及び第2の巻取部を回転駆動するための1つのハンドルと、前記ハンドルの正逆の異なる回転方向に応じて当該ハンドルによる駆動力を前記第1の巻取部又は第2の巻取部に振り分けるための切換手段と、を備え、ハンドルを正逆交互に回すことでハンドルから手を離すことなく第1の靴ひも及び第2の靴ひもを連続的に巻き取ることができるようにした靴ひもの巻取装置。」を最も主要な特徴とするものである。
【0010】
前記第1の巻取部による靴ひもの巻取方向と、前記第2の巻取部による靴ひもの巻取方向とは、正逆の異なる回転方向であってもよい。
【0011】
前記切換手段は、ハンドルに形成されたハンドルギヤと噛合する第1のギヤ及び第2のギヤを備え、当該第1のギヤ及び第2のギヤは、前記第1の巻取部及び第2の巻取部の回転駆動機構とそれぞれ対応して連結されており、前記ハンドル位置を変更することによって当該ハンドルによる駆動力を前記第1の巻取部又は第2の巻取部に振り分けるようにしたものであってもよい。
【0012】
また、前記ハンドルは、その前側及び後側にそれぞれ異なるハンドルギヤを備えており、そのハンドル位置を前後に移動させることで、当該ハンドルギヤが前記第1のギヤ又は第2のギヤと選択的に噛合するものであってもよい。
そして、前記ハンドルの前側及び後側に形成されたハンドルギヤは、当該ハンドルの回転軸と直交する平面と交差するように傾斜して形成されており、前記第1のギヤ又は第2のギヤが当該ハンドルギヤと選択的に噛合するものであってもよく、さらに、そのハンドルギヤは、その歯の先端部が面取りされていることが望ましい。
【0013】
さらに、前記切換手段は、前記第1の巻取部及び第2の巻取部の回転駆動機構を選択的に駆動することができるラチェットから構成され、前記ハンドルによる駆動力を前記第1の巻取部又は第2の巻取部に振り分けるようにしたものであってもよい。
【発明の効果】
【0014】
上記のように構成した本発明の靴ひもの巻取装置においては、第1の靴ひも及び第2の靴ひもによる締め付け具合を個別に調節できるばかりか、ハンドルを正逆の異なる方向に交互に回すことでハンドルから手を離すことなく第1の靴ひも及び第2の靴ひもを連続的に巻き取ることができ、ブーツの異なる部分を締め付けるための靴ひもを締め付ける操作を迅速に行うことができる。
【0015】
前記第1の巻取部による靴ひもの巻取方向と、前記第2の巻取部による靴ひもの巻取方向とを、正逆の異なる回転方向とすることで、巻取装置の構造を簡潔なものとすることができる。
【0016】
そして、本発明の靴ひもの巻取装置においては、ハンドル位置を変更するという簡単な動作を加えるだけで、当該ハンドルによる駆動力を前記第1の巻取部又は第2の巻取部に振り分けることができ、ハンドルによる靴ひもの巻取操作が煩雑となることはない。
【0017】
また、前記ハンドルの前側及び後側に形成されたハンドルギヤを、当該ハンドルの回転軸と直交する平面と交差するように傾斜して形成し、第1のギヤ又は第2のギヤが当該ハンドルギヤと選択的に噛合するようにすることで、
1)ハンドルを前後に切り換える際のハンドルの移動量を少なくしてハンドルの切換操作を迅速化することができる。
2)ハンドルギヤと第1のギヤ又は第2のギヤとの間の必要な係合状態を得ることができる。
3)ハンドルを誤った方向に回してしまった場合においてもギヤ同士の噛み合わせをスムーズに逃がすことができる。
という効果を発揮することができる。
【0018】
さらに、ハンドルギヤの歯の先端部を面取りすることで、ギヤの耐久性を向上させることができる。
また、前記切換手段をラチェットから構成することにより、ハンドルを回転させる際に人為的にハンドルの切り換え操作を行う必要が無く、ハンドルによる駆動力を前記第1の巻取部又は第2の巻取部に迅速に振り分けて靴ひもを巻き取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は本発明の靴ひもの巻取装置の断面図であって、(A)は靴ひもW1を巻き取るための回転駆動機構を斜線で示す図、(B)は靴ひもW2を巻き取るための回転駆動機構を斜線で示す図である。
【図2】図2は本発明を具体化した靴ひもの巻取装置を備えたスノーボード用ブーツを示す斜視図である。
【図3】図3は本発明を具体化した靴ひもの巻取装置を備えたスノーボード用ブーツのタングと靴ひもの配線を示す図である。
【図4】図4は本発明を具体化した靴ひもの巻取装置の傘歯車とハンドルを示す図であって、(A)は傘歯車の底面図、(B)は傘歯車の正面図、(C)はハンドルの平面図、(D)はハンドルの斜視図である。
【図5】図5は本発明を具体化した靴ひもの巻取装置の傘歯車とハンドルを示す斜視図である。
【図6】図6は本発明を具体化した靴ひもの巻取装置の傘歯車の歯を拡大して示す斜視図。
【図7】図7は本発明を具体化した靴ひもの巻取装置の分解斜視図である。
【図8】図8は本発明を具体化した靴ひもの巻取装置のロック機構を示す平面図であって、(A)はロック状態を示す図、(B)はロック状態を解除して2つの巻取部をフリーにした状態を示す図である。
【図9】図9は本発明を具体化した靴ひもの巻取装置の傘歯車の歯を拡大して示す部分断面図である。
【図10】図10は本発明を具体化した靴ひもの巻取装置と従来の靴ひもの巻取装置の操作手順を比較して示す図である。
【図11】図11は靴ひもの巻取装置の他の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、「第1の靴ひもを巻き取るための第1の巻取部と、第2の靴ひもを巻き取るための第2の巻取部と、当該第1の巻取部及び第2の巻取部を回転駆動するための1つのハンドルと、前記ハンドルの正逆の異なる回転方向に応じて当該ハンドルによる駆動力を前記第1の巻取部又は第2の巻取部に振り分けるための切換手段と、を備え、ハンドルを正逆交互に回すことでハンドルから手を離すことなく第1の靴ひも及び第2の靴ひもを連続的に巻き取ることができるようにした靴ひもの巻取装置。」であって、以下において説明する実施例の形態などにより好適に具体化することができる。
【0021】
以下、本発明の靴ひもの巻取装置をスノーボード用ブーツに具体化した一実施例について説明する。
【実施例1】
【0022】
図1は本発明の一実施例の靴ひもの巻取装置20を示し、図2は靴ひもの巻取装置20を備えたスノーボード用ブーツ10を示す図であって、このブーツ10は、1)ソール11と、2)当該ソール11上において爪先から略水平方向に延びる靴本体甲部12とくるぶし付近から略鉛直方向に延びる靴本体上部(下肢部)13とを有する靴本体14とを備えている。
【0023】
前記靴本体14は、スノーボードに対してブーツ着用者の下肢をしっかりと固定してスノーボードを正しく操作できるように、合成皮革、天然皮革、生地、発泡体、合成樹脂などの材料からなる部材を積層、一体化し、剛性のある構造となっている。そして、前記靴本体14は、靴本体甲部12の上面及び靴本体上部13の前面に該当するすね部が略「V」字状に切り欠かれた開口部15を有しており、靴本体上部13の上端部から足を入れられるようになっている。
【0024】
また、前記ブーツ10は、前記靴本体14内にクッション性を備えたインナー16を備え、さらに、前記ブーツ10は、前記靴本体甲部12及び靴本体上部13の前面に該当するすね部に配置されたタング1を備えている。
【0025】
前記タング1は、強度の高い合成皮革又は撥水コート生地からなる正面部と、当該正面部より柔軟な素材(EVA発泡材など)からなる背面部とを接着後に熱プレスして立体的な略「L」字状に屈曲成形し、裏生地を貼って縁縫いすることで製造されており、屈曲部2の下方を構成する甲部3と、屈曲部2の上方を構成するすね部4とを備えている。
【0026】
なお、本実施例のように靴ひもの巻取装置20をタング1の前面に装着する場合には、前記背面部の上部裏面を硬めの発泡材(EVA発泡材又はPE発泡材など)に置き換えて違和感を解消するようにしてもよい。
【0027】
前記タング1は、この種のブーツにおいて一般的に採用されているタングと同様に、甲部3とすね部4の強度が高く、それらの間にある屈曲部2の強度が低くなるような形態になっており、屈曲部2を中心として甲部3とすね部4とが接近したり離反したりすることができるようになっている。
【0028】
そして、前記タング1は、前記開口部15を靴本体14の内側から塞ぐように靴本体14の内部に配置されており、そのタング1の先端部3aが靴本体甲部12に縫い付けられることで、靴本体14と相対移動可能となっている。
【0029】
前記タング1の屈曲部2より若干上方位置において、前記すね部4には左右一対の第1の靴ひも通し穴H1が設けられている。かかる第1の靴ひも通し穴H1は、タング1のほぼ上下方向(縦方向)に沿って、かつ、前記タング1の表側からタング1の内部に至るように形成されている。
【0030】
前記タング1は、その前記屈曲部2付近に第1の靴ひもW1を通過させる交差ガイド部5を備えており、この交差ガイド部5は、高さの異なるガイド孔に第1の靴ひもW1を挿通することで靴ひもW1同士が互いに接触して切れることがないようにしている。
さらに、この交差ガイド部5は、前記甲部3の山形に形成された部分に配置されているため、第1の靴ひもW1が引き締められると、前記甲部3の頂部を第1の靴ひもW1によって押し下げる作用をも発揮する。
【0031】
一方、前記靴本体甲部12には、前記タング1の屈曲部2付近であって、かつ、前記第1の靴ひも通し穴H1より下方位置において、前記開口部15周縁に第2の靴ひも通し穴H2が向き合うように1組設けられている。
さらに、前記靴本体甲部12には、前記タング1の先端部付近(前記第2の靴ひも通し穴H2より前方位置)において、第3の靴ひも通し穴H3が向き合うように3組設けられている。
【0032】
前記タング1は、そのすね部4の前面に巻取装置20を備えており、前記すね部4の内部において、この巻取装置20に剛性を備えたチューブ7の上端部が接続され、当該チューブ7の下端部が前記第1の靴ひも通し穴H1と接続されることで、チューブ7に挿通された靴ひもW1をスムーズに巻き取ることができるようになっている。
【0033】
この巻取装置20は、内部に前記第1の靴ひもW1を巻き取るための第1の巻取部としての第1のドラムD1と、第2の靴ひもW2を巻き取るための第2の巻取部としての第2のドラムD2とを備えており、前面に設けられたハンドル21を前後に切り換えて正逆の異なる方向に交互に回転操作することで、ハンドル21による駆動力を振り分けて前記第1の靴ひもW1及び第2の靴ひもW2を巻き取ることができるようになっている。
【0034】
前記第2の靴ひもW2は、靴本体上部13を締め付けるため、前記第1及び第2の靴ひも通し穴H1を通過する第1の靴ひもW1とは別系統の靴ひもであって、その両端が巻取装置20によって巻き取られるようになっている。
この第2の靴ひもW2は、前記靴本体上部13において、前記開口部15周縁に向き合って2組設けられた第4の靴ひも通し穴H4に挿通され、前記靴本体上部13を前記第1の靴ひもW1とは別個独立して締め付けることができるようになっている。
【0035】
なお、前記巻取装置20は、その前面に設けられた後述するスイッチ26を操作することで、巻き取られた第1の靴ひもW1及び第2の靴ひもW2を同時に解放してそれらの靴ひもW1,W2を緩めることができるようになっている。
【0036】
本実施例において、前記第1の靴ひもW1及び第2の靴ひもW2は、編み込まれた金属製のワイヤーロープのように摩擦係数の低いものを好適に使用することができるが、合成樹脂が被覆されたワイヤー(コーティングロープ)を使用してもよい。
【0037】
金属製のワイヤーロープとしては、直径0.11〜0.13mmのステンレス製の素線を49本撚り合わせたワイヤーロープにスウェージングマシンにて加工を加え、ロープ径を0.86mmに仕上げ、切断加重729N以上としたワイヤーロープを好適に用いることができる。
【0038】
繊維製の靴ひもとしては、例えば、1)マニラ麻、サイザル麻などの天然繊維、2)ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリ塩化ビニリデン系などの汎用合成樹脂、3)アラミド系、ポリアリレート系、超高分子ポリエチレン系などのスーパー合成繊維からなるものを使用できるが、それらの靴ひもを巻き取る巻取装置又は巻き取る方法としては、靴ひもの強度・特性及びブーツの用途に応じて適宜その形状や寸法などを選択する必要がある。
【0039】
次に、前記巻取装置20の細部の構造について説明する。
この巻取装置20は、第1の靴ひもW1を巻き取るための第1のドラムD1を回転させる回転駆動機構Xと、第2の靴ひもW2を巻き取るための第2のドラムD2を回転させる回転駆動機構Yを備えている。
そして、この回転駆動機構Xと回転駆動機構Yは、それらを構成する部品の配置が前後逆向きとなっており、第1のドラムD1と第2のドラムD2を正逆の異なる方向に回転させて靴ひもW1,W2を巻き取るようになっている。
【0040】
この巻取装置20は、筐体20aの前面に設けられたハンドル21を手前側に引くと、第1の靴ひもW1を巻き取る第1のドラムD1を回転操作するための回転軸30と連結され(図1(A)参照)、ハンドル21を押し込むと、第2の靴ひもW2を巻き取る第2のドラムD2を回転操作するための回転軸50と連結されるようになっている(図1(B)参照)。
【0041】
なお、前記回転軸50は、回転軸30の外側に嵌め込まれるように装着されており、両回転軸30,50は、同一の回転中心を有し、ハンドル21によって選択的に回転操作されるようになっている。
【0042】
そして、第1のドラムD1に第1の靴ひもW1を巻き取る際には、図1(A)の矢印Fに示すように前方に引いたハンドル21を図3において反時計回り方向に回転操作する。一方、第2のドラムD2に第2の靴ひもW2を巻き取る際には、図1(B)矢印Rに示すように後方に押したハンドル21を図3において時計回り方向に回転操作する。
【0043】
従って、第1の靴ひもW1及び第2の靴ひもW2を締め付ける際には、ハンドル21を保持したまま手首を正逆の異なる方向に交互に回転させることにより、ハンドル21から手を離すことなく連続的かつ速やかに第1の靴ひもW1及び第2の靴ひもW2を締め付けることができる。
【0044】
即ち、本発明の巻取装置20においては、第1の靴ひもW1及び第2の靴ひもW2を締め付けるためのハンドル21の回転方向を正逆の異なる方向としたことにより、手首をハンドル21から離したり手首を無駄に回転させる操作を省くことができる。
それにより、本発明の巻取装置20は、厚い手袋を嵌めたまま行うスキー及びスノーボードなどに使用するブーツに採用する場合において特に利便性の高いものとすることができる。
【0045】
前記ハンドル21は、中央部に軸孔22を備え、その軸孔22を中心としてハンドル21の前側に円環状のハンドルギヤ23が形成され、後側に円環状のハンドルギヤ24が形成されている。
そして、ハンドル21の前方には、前記回転軸30と連結された第1のギヤとしての傘歯車31が装着されており、ハンドル21を前方に引いた状態で当該傘歯車31と前記ハンドルギヤ23が係合可能となっている(図1(A)、図4、図5参照)。
【0046】
一方、前記ハンドル21の後方には、前記回転軸50と連結された第2のギヤとしての傘歯車51が配置されており、ハンドル21を後方へ押した状態で当該傘歯車51と前記ハンドルギヤ24が係合可能となっている。
従って、前記ハンドル21及び傘歯車31,51により、前記ハンドル21の正逆の回転方向に応じて当該ハンドル21による駆動力を前記第1のドラムD1又は第2のドラムD2に振り分けるための切換手段が構成される。
なお、前記ハンドルギヤ23,24及び傘歯車31,51の歯は、その先端部が面取りされており(本実施例においては、Rが0.5mm程度の面取り。)、耐久性に優れたものとなっている(図6参照)。
【0047】
前記傘歯車31の軸部32は、周回状に形成された前後2列の凹溝33,34を備えるとともに、前記ハンドル21の軸孔22に挿通されている。そして、前記ハンドル21の軸孔22に沿って配置されたバネ25が前記凹溝33,34に選択的に嵌合することで、ハンドル21の前後位置を選択し、いずれかの傘歯車31,51と選択的に係合できるようになっている(図4参照)。
従って、ハンドル21位置の状態を把握することも容易である。
【0048】
前記回転軸30,50は、太陽歯車35,55を備えており、その太陽歯車35,55がそれぞれ3つの遊星歯車36,56と噛み合うようになっている。前記遊星歯車36,56は、前記ドラムD1,D2と一体となっている遊星キャリア37,57によって互いの位置が保持されて回転可能となっている。そして、遊星歯車36は、環状歯車38の内周面に形成された外側の歯車(図示略)と係合する。
なお、遊星歯車56は、同様に環状歯車58の内周面に形成された外側の歯車58aと係合する。
【0049】
また、前記ドラムD1,D2(遊星キャリア37,57)と前記回転軸30,50とは互いに固定されておらず、前記環状歯車38,58と前記回転軸30,50とは互いに固定されていない。
一方、前記環状歯車38の内周面に形成された内側の歯車(図示略)には、静摩擦力制御部材39に互いに120度離間して設けられた3つの止め爪39aが係合するようになっている。
前記環状歯車58の内周面に形成された内側の歯車58bには、同様に静摩擦力制御部材59に互いに120度離間して設けられた3つの止め爪59aが係合するようになっている。
【0050】
そして、前記靴ひもW1,W2から前記ドラムD1,D2に大きな張力が加わっていない状態では、回転軸30,50の回転は静摩擦力制御部材39,59の止め爪39a,59aから環状歯車38,58に伝達され、ドラムD1,D2が回転軸30,50の回転と同じ角度にて速やかに回転駆動される。
【0051】
一方、前記靴ひもW1,W2が徐々に締め付けられて、靴ひもW1,W2から前記ドラムD1,D2に大きな張力が加わる状態となると、回転軸30,50の回転は静摩擦力制御部材39,59から環状歯車38,58に伝達することができなくなり、遊星歯車36,56の回転として伝達されるようになる。
【0052】
ここで、前記環状歯車38,58の外周面には、ロックピース40,60が係合するギヤ38c、58cが形成されており、ラチェットとして環状歯車38,58が靴ひもW1,W2を締め付ける方向にのみ回転するように制御できるようになっている。
従って、前記遊星歯車36,56の回転は、回転軸30,50の回転を減速した回転として(増大されたトルクを以て)ドラムD1,D2を回転駆動する。
【0053】
このロックピース40,60によるラチェットは、図8に示すように、巻取装置20の筐体20aの前面に取り付けられたスイッチ26を左右の位置に切り換えることで、ロックピース40,60による環状歯車38,58の回転ロック状態を同時に解除したり、ロックピース40,60によって靴ひもW1,W2を締め付ける方向にのみ回転するように制御できるようになっている。
【0054】
なお、前記スイッチ26によるロックピース40,60の駆動は、スイッチ26の裏面に固定された切換軸26aが前記筐体20aの上部に左右方向に形成された長孔27に挿通され、その切換軸26aがロックピース40,60の摺動面41,61に沿って駆動されることで行われるようになっている。
【0055】
前記ハンドル21の前側及び後側に形成された円環状のハンドルギヤ23,24と、傘歯車31,51の形状は、1)ハンドル21の回転方向の迅速な切り換えを図るため、2)ギヤ同士の噛み合わせ力を十分得られるようにするため、さらには、3)ハンドル21を誤った方向に回してしまった場合においてギヤ同士の噛み合わせを逃がすことができるようにするため、ハンドル21の回転軸と直交する平面と交差するように、ギヤ面を適度に傾斜させることが望まれる。
【0056】
そこで、図9(A)〜(H)に示すように、傘歯車51(31)のギヤ面の傾斜角度を適宜変更してハンドル21の操作性及びギヤ(ハンドルギヤ23,24、傘歯車31,51)の耐久性について比較検討した結果について以下の表1に示す。
【0057】
【表1】

【0058】
上記の比較検討結果から、前記ハンドルギヤ23,24と、傘歯車31,51のギヤ面の傾斜角度は、50〜70度程度が好ましく、約60度(57度)の場合が最も良好な結果を得ることができた。
即ち、前記ハンドルギヤ23,24と、傘歯車31,51のギヤ面を約60度(57度)傾斜させることで、1)ハンドル21を前後に切り換える際のハンドル2の移動量を少なくしてハンドルの切換操作を迅速化することができ、2)ハンドルギヤ23,24と傘歯車31,51との間の必要な係合状態を確実に得ることができ、さらには、3)ハンドル21を誤った方向に回してしまった場合においてもギヤ同士の噛み合わせをスムーズに逃がすことができる。
【0059】
次に、本発明の靴ひもの巻取装置20を備えたスノーボード用ブーツ10を製造する方法について説明する。
本発明の靴ひもの巻取装置を備えたブーツ10を製造するには、通常のスノーボードブーツと同様のソール11と、(靴本体甲部12、靴本体上部13及び開口部15を有する)靴本体14と、インナー16とを設ける。
【0060】
この靴本体14には、その開口部15に沿って第2の靴ひも通し穴H2〜第4の靴ひも通し穴H4を形成する。これらの靴ひも通し穴H2〜H4は、側方に開口する略「U」字状の管路を形成する靴ひもガイドを靴本体14に埋設する従来の製法にて好適に用意することができる。
【0061】
次に、屈曲部2の下方を構成する甲部3と、屈曲部2の上方を構成するすね部4とを備えたタング1を用意する。
そして、前記タング1のすね部4の前面に、巻取装置20を固定し、タング1の内部にてこの巻取装置20に剛性を備えたチューブ7の上端部を接続し、当該チューブ7の下端部を前記タング1に設けた第1の靴ひも通し穴H1と接続する。
上記のように製造した前記タング1の先端部3aを靴本体甲部12に縫い付けることで、前記開口部15を靴本体14の内側から塞ぐようにタング1を取り付ける。
【0062】
前記巻取装置20は、前記回転駆動機構X及び回転駆動機構Yを構成する各部品を、図7に示すように配置して順次組み付けることで予め製造可能である。
そして、各靴ひも通し穴H1〜H4及びチューブ7などに靴ひもW1,W2を通し、巻取装置20の第1のドラムD1及び第2のドラムD2の軸部にそれぞれ第1の靴ひもW1及び第2の靴ひもW2の両端部を固定し、巻取装置20にて靴ひもW1,2を巻き取って靴ひもW1,W2を締め付けできるようにする。
【0063】
なお、本実施例においては、ハンドルギヤ23,24、傘歯車31,51、環状歯車38,58をガラス繊維を含むナイロン樹脂から製造し、回転軸30,50、遊星キャリア37,57、第1及び第2のドラムD1,D2、太陽歯車35,55、遊星歯車36,56をアルミ合金から製造している。
【0064】
上記のように構成された靴ひもの巻取装置20を備えたブーツ10は、各靴ひもW1,W2の巻取量を個別に調節し、各靴ひもW1,W2による締め付け具合を独立して変更することができるばかりか、巻取装置20のハンドル21を持った手を離すことなく、ブーツ10の異なる部分を締め付けるための2本の靴ひもW1,W2を速やかに巻き取ってそれらの靴ひもW1,W2を締め付けることができる(図10参照)。
さらに、ブーツ10は、タング1をブーツ着用者の甲部方向へ引き寄せてブーツ着用者の甲部及び足首の屈曲部付近を常に直接効果的に締め付けることができ、スノーボードの滑走時において良好なコントロール性能を安定して発揮することができた。
【0065】
次に、本発明の巻取装置を用いた場合の効果について、従来構造の巻取装置を用いた場合と比較するために行った試験の結果について以下の表2に示す。
【0066】
【表2】

【0067】
ここで、表2における「試験1」は、特許文献2において開示されている遊星歯車機構を採用した変速式の巻取装置により、1本の靴ひもを巻き取る場合におけるハンドルが回る角度、靴ひもの巻き取り量、靴ひもを締め付け終わるまでに必要となったハンドルを巻いた回数、巻取開始から巻取終了までの総時間をそれぞれ測定したものである。
【0068】
同様に、表2における「試験2」は、特許文献1などにおいて開示されているような変速機構を備えていない従来の靴ひもの巻取装置により、1本の靴ひもを巻き取る場合におけるハンドルが回る角度、靴ひもの巻取り量、ハンドルを巻いた回数、巻き取りの総時間をそれぞれ測定したものである。
【0069】
同様に、表2における「試験3」は、特許文献1などにおいて開示されているような変速機構を備えていない従来の靴ひもの巻取装置を2個装着したブーツにより、2本の靴ひもを巻き取る場合におけるハンドルが回る角度、靴ひもの巻取り量、ハンドルを巻いた回数、巻き取りの総時間をそれぞれ測定したものである。
【0070】
同様に、表2における「試験4」は、本発明を具体化した靴ひもの巻取装置20により、2本の靴ひもを巻き取る場合におけるハンドルが回る角度、靴ひもの巻取り量、ハンドルを巻いた回数、巻き取りの総時間をそれぞれ測定したものである。
【0071】
従って、本発明は、従来の靴ひもの巻取装置と比較して迅速に2本の靴ひもを巻き取ることができることを確認できた。
即ち、本発明の巻取装置を1個使用することで、2本の靴ひもであっても、1本の靴ひもを巻き取る場合とほぼ同じ時間で2本の靴ひもを巻き取って締め付けることができた。
【実施例2】
【0072】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、図11に示すようなラチェット機構を採用したハンドル81を操作することで、ハンドル81から手を離すことなく、ハンドル81を正逆の異なる方向に交互に連続して回転操作することで、2系統の靴ひもを速やかに巻き取ることができる巻取装置80として具体化して実施してもよい。
【0073】
即ち、この実施例2の巻取装置80においては、前記実施例における回転軸30と回転軸50にそれぞれ歯車82,83を連結し、ハンドル81を正回転させた場合には回転軸30のみを回転できるようにし、ハンドル81を逆回転させた場合には回転軸50のみを回転できるようにすることで、本発明を具体化することができる。
この巻取装置80は、前記実施例1の巻取装置20とは異なり、ハンドル81位置を人為的に前後に切り換える必要がないので、靴ひもを巻き取る操作が容易となるが、ラチェット機構及びロック解除の機構がやや複雑化するおそれがある。
【0074】
なお、本明細書中において、ハンドルとは、回転駆動機構X,Yを回転駆動するための操作部として機能するものであれば特に形状が限定されるものではなく、円盤状又は多角形状のダイヤルの他、板状、三叉状、十字状、星形などのつまみ又はレバーであってもよい。
【0075】
また、本発明は、ハンドルの回転方向を逆転させることで2つの巻取部を交互に回転駆動できればよく、2つの巻取部の回転方向については同一方向であっても逆方向であってもよい。
しかしながら、本実施例のように、2つの巻取部による靴ひもW1,W2の巻取方向を正逆の異なる回転方向とすることで、回転駆動機構Xの構成を回転駆動機構Yの構成と前後逆向きにするといった簡潔なものとすることができる。
さらに、ハンドルのいずれの回転方向を正回転として第1の靴ひも又は第2の靴ひもを巻き取るようにするかは任意である。
【0076】
本発明の前記実施例においては、第1のドラムD1及び第2のドラムD2を同一軸心上に並べるようにして回転駆動機構X及び回転駆動機構Yを前後に配置して実施したが、第1のドラムD1と第2のドラムD2を異なる軸心上に配置し、例えば回転駆動機構X及び回転駆動機構Yを同一平面上に配置して実施してもよい。
【0077】
本発明は上記各実施例のように配線した靴ひもを締め付けるための巻取装置に限定されるものではなく、靴本体甲部12の異なる部分を締め付ける2系統の靴ひもを巻き取る巻取装置に具体化して実施したり、靴本体上部13の異なる部分を締め付ける2系統の靴ひもを巻き取る巻取装置に具体化して実施してもよい。
【0078】
また、試験を繰り返した結果、ハンドルを押し込んで時計回り方向にハンドルを回転させ、ハンドルを引いて反時計回り方向にハンドルを回転させて靴ひもを締め付けるという本実施例の操作方法が扱い易いものであることが解った。
なお、巻取装置を靴本体甲部の上に設置するような場合には、巻取装置20によるハンドルの切換操作は、前後方向ではなく上下方向となることは勿論である。
【0079】
本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、スキー、スケート、山登り、バイクの乗車などに用いるブーツに本発明の靴ひもの巻取装置を用いて実施してもよい。
さらに、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で巻取装置の各部の材質、形状、寸法、強度、設置位置、厚さ、大きさ、数などを適宜変更して実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、スキー、スノーボード、スケート、山登り、バイクの乗車などに用いるブーツにおける靴ひもの巻取装置として好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 タング
2 屈曲部
3 甲部
3a 先端部
4 すね部
5 交差ガイド部
7 チューブ
10 スノーボード用ブーツ
11 ソール
12 靴本体甲部
13 靴本体上部
14 靴本体
15 開口部
16 インナー
20 巻取装置(実施例1)
20a 筐体
21 ハンドル
23 ハンドルギヤ
24 ハンドルギヤ
26 スイッチ
30 回転軸
31 第1のギヤとしての傘歯車
32 軸部
33 凹溝
34 凹溝
35 太陽歯車
36 遊星歯車
37 遊星キャリア
38 環状歯車
38c ギヤ
39 静摩擦力制御部材
39a 止め爪
40 ロックピース
41 摺動面
50 回転軸
51 第2のギヤとしての傘歯車
55 太陽歯車
56 遊星歯車
57 遊星キャリア
58 環状歯車
58a 外側の歯車
58b 内側の歯車
58c ギヤ
59 静摩擦力制御部材
59a 止め爪
60 ロックピース
61 摺動面
80 巻取装置(実施例2)
81 ハンドル
82 歯車
83 歯車
D1 第1の巻取部としての第1のドラム
D2 第2の巻取部としての第2のドラム
H1 第1の靴ひも通し穴
H2 第2の靴ひも通し穴
H3 第3の靴ひも通し穴
H4 第4の靴ひも通し穴
W1 第1の靴ひも
W2 第2の靴ひも
X 第1の靴ひもW1を巻き取るための回転駆動機構
Y 第2の靴ひもW2を巻き取るための回転駆動機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の靴ひもを巻き取るための第1の巻取部と、
第2の靴ひもを巻き取るための第2の巻取部と、
当該第1の巻取部及び第2の巻取部を回転駆動するための1つのハンドルと、
前記ハンドルの正逆の異なる回転方向に応じて当該ハンドルによる駆動力を前記第1の巻取部又は第2の巻取部に振り分けるための切換手段と、
を備え、ハンドルを正逆交互に回すことでハンドルから手を離すことなく第1の靴ひも及び第2の靴ひもを連続的に巻き取ることができるようにしたことを特徴とする靴ひもの巻取装置。
【請求項2】
前記第1の巻取部による靴ひもの巻取方向と、前記第2の巻取部による靴ひもの巻取方向とは、正逆の異なる回転方向であることを特徴とする請求項1に記載の靴ひもの巻取装置。
【請求項3】
前記切換手段は、ハンドルに形成されたハンドルギヤと噛合する第1のギヤ及び第2のギヤを備え、当該第1のギヤ及び第2のギヤは、前記第1の巻取部及び第2の巻取部の回転駆動機構とそれぞれ対応して連結されており、
前記ハンドル位置を変更することによって当該ハンドルによる駆動力を前記第1の巻取部又は第2の巻取部に振り分けるようにしたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の靴ひもの巻取装置。
【請求項4】
前記ハンドルは、その前側及び後側にそれぞれ異なるハンドルギヤを備えており、
そのハンドル位置を前後に移動させることで、当該ハンドルギヤが前記第1のギヤ又は第2のギヤと選択的に噛合するものであることを特徴とする請求項3に記載の靴ひもの巻取装置。
【請求項5】
前記ハンドルの前側及び後側に形成されたハンドルギヤは、当該ハンドルの回転軸と直交する平面と交差するように傾斜して形成されており、
前記第1のギヤ又は第2のギヤが当該ハンドルギヤと選択的に噛合するものであることを特徴とする請求項4に記載の靴ひもの巻取装置。
【請求項6】
前記ハンドルギヤは、その歯の先端部が面取りされていることを特徴とする請求項5に記載の靴ひもの巻取装置。
【請求項7】
前記切換手段は、前記第1の巻取部及び第2の巻取部の回転駆動機構を選択的に駆動することができるラチェットから構成され、
前記ハンドルによる駆動力を前記第1の巻取部又は第2の巻取部に振り分けるようにしたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の靴ひもの巻取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−120679(P2012−120679A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273478(P2010−273478)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(303011275)株式会社ジャパーナ (43)
【Fターム(参考)】