説明

靴下の装飾構造

【課題】一足の靴下を、需用者の購買意欲を惹起させる態様に装飾させながら接続させ合わせる。
【解決手段】二枚重ねにした左右靴下S、Sを、そのはき口Sa側からそのつま先部Scが中心に位置されるように丸め込んで果物や野菜などの実のようにした状態において、接続させ合わせ且つ装飾する構造である。果物や野菜などの実の柄状の部分を模した軸体1を有し、この軸体1の一端部1dと、前記左右靴下S、Sのつま先部Scとに、一端側に頭部2aを備え他端側をTバー部2bとした可撓性を持ったプラスチック製のタグピン状体2を打ち込んで両者を止め合わせてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一足の靴下、すなわち、左右靴下を、需用者の購買意欲を惹起させる態様に装飾させながら接続させ合わせる装飾構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一足の靴下は、通例、そのはき口側でタグピンなどにより止め合わされて販売されている。靴下は通例、この種のタグピンに付けられるタグに形成されたフック部などによって吊り下げ状に陳列されたり、折りたたまれて棚上に載せ置かれて陳列されるが、その際において靴下の形状には格別の工夫は加えられていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、一足の靴下を、需用者の購買意欲を惹起させる態様に装飾させながら接続させ合わせるようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、靴下の装飾構造を、二枚重ねにした左右靴下を、そのはき口側からそのつま先部が中心に位置されるように丸め込んで果物や野菜などの実のようにした状態において、接続させ合わせ且つ装飾する構造であって、
果物や野菜などの実の柄状の部分を模した軸体を有し、この軸体の一端部と、前記左右靴下のつま先部とに、
一端側に頭部を備え他端側をTバー部とした可撓性を持ったプラスチック製のタグピン状体を打ち込んで両者を止め合わせてなるものとした。
【0005】
このようにした場合、二枚重ねにした左右靴下をタグピン状体によって接続させ合わしながら、前記実のように丸め込まれた左右靴下の中央部にこの実の柄状の部分を模した軸体をタグピン状体によって位置づけさせることができる。これにより、販売時に前記実のような外観を持たせながら左右靴下を支障なく一体化させておくことができる。軸体は丸め込まれた靴下の中央にその一端部を押し込ませたような状態で保持される。購入後は、需用者において、タグピン状体のTバー部あるいは頭部を鋏などで切除するなどすることにより、靴下と軸体とを分離させると共に左右靴下を分離させて左右靴下をそれぞれ靴下としての使用の用に供し可能な状態にすることができる。
【0006】
前記タグピン状体のTバー部の座板をさらに設けさせておけば、靴下のつま先部側にTバー部を掛合させるようにしていても靴下の生地からTバー部を外れ難くすることができる。
【発明の効果】
【0007】
この発明にかかる靴下の装飾構造によれば、左右靴下を、需用者の購買意欲を惹起させる態様に装飾させながら、少なくともその販売時において合理的に接続させ合わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図1〜図4に基づいて、この発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0009】
なお、ここで図1は、この発明を適用して構成された靴下Sの装飾構造を構成する各部材を分離させた状態として、図2は、内外二枚重ねにした一足の靴下S、Sを丸め込んだ状態でその中心が広くなるようにこれを広げるようにしてそのつま先部Scに軸体1を取り付けさせた状態を、図3および図4は、図2の状態から丸め込んだ靴下Sを広げた状態を止めてこの靴下Sを果物などの実のような外観に整えた状態をそれぞれ示している。
【0010】
この実施の形態にかかる靴下Sの装飾構造は、左右靴下Sを、需用者の購買意欲を惹起させる態様に装飾させながら、少なくともその販売時において合理的に接続させ合わせるものである。より具体的には、かかる靴下Sの装飾構造は、左右靴下S、Sを、需用者の趣味感などに訴える態様で、容易に分離可能な状態で接続させ合わせるものである。
【0011】
すなわち、かかる靴下Sの装飾構造は、内外二枚重ねにした左右靴下S、Sを、そのはき口Sa側からそのつま先部Scが中心に位置されるように丸め込んで果物や野菜などの実のようにした状態において、接続させ合わせ且つ装飾する構造である。
【0012】
左右靴下S、Sは、左の靴下Sの内側に右の靴下Sを入れ込ませ、あるいはまた、右の靴下Sの内側に左の靴下Sを入れ込ませて、内外の二枚重ねにされる。そして、このように二枚重ねにされた左右靴下S、Sが前記実のような形に丸められる。すなわち、はき口Sa側からそのはき口縁Sbがもっとも内側に位置されるように順次に二枚重ねにされた靴下S、Sの外側が内側に入り込んでゆくようにこの二枚重ねにした靴下Sを丸め込んでゆくことで靴下Sのはき口Saとつま先部Scとは次第に近づき最終的にはこのつま先部Scを中心に位置させるようにして二枚重ねにした靴下S、Sは略球状に丸め込まれる。(図1から図2)これとは逆に、順次に二枚重ねにされた靴下S、Sの内側が外側に表れてゆくようにこの二枚重ねにした靴下Sを丸め込んでゆくことで靴下Sを略球状に丸め込むこともできる。
【0013】
例えば靴下Sが赤い編み生地よりなるときはこのように丸められた靴下Sからトマトや赤リンゴなどの実をイメージさせることができる。また、例えば靴下Sが黄色の編み生地よりなるときはこのように丸められた靴下Sから蜜柑や黄色のパプリカなどの実をイメージさせることができる。また、例えば靴下Sが緑色の編み生地よりなるときはこのように丸められた靴下Sから青リンゴやかぼちゃなどの実をイメージさせることができる。また、例えば靴下Sが桃色の編み生地よりなるときはこのように丸められた靴下Sから桃などの実をイメージさせることができる。
【0014】
かかる装飾構造は、このように丸められた靴下Sからイメージされる果物や野菜などの実の柄状の部分を模した軸体1を有している。図示の例では、細長く折り込み、あるいは、丸め込んだ紙の外側に緑色の毛糸1bなどを巻き付けてこのような柄状をなす軸体1を構成させている。もっとも、かかる軸体1は、後述するタグピン状体2が打ち込み可能な材質のもので、かつ、かかる柄状のものと認識されるものであれば良く、色彩を付した厚手の紙やプラスチックなどから構成させることもできる。図示の例では、軸体1にはその他端側に特にフェルト製の葉を模した飾り1cが備え付けられている。
【0015】
そして、かかる装飾構造にあっては、このように構成される軸体1の一端部1dと、前記左右靴下S、Sのつま先部Scとに、一端側に頭部2aを備え他端側をTバー部2bとした可撓性を持ったプラスチック製のタグピン状体2をタグガンなどにより打ち込んで両者を止め合わせている。
【0016】
かかる打ち込みは、典型的には、左右靴下S、Sを重ね合わせて前記のように丸め込んだ後になされるが、可能であればこの丸め込みをなす前になしても構わない。
【0017】
タグピン状体2は、軸体1を貫通して二枚重ねにした左右靴下S、Sのつま先部Scの一面側から入り込み他面側に抜け、その頭部2aとTバー部2bとで両者を止め合わせる。図示の例では、タグピン状体2の打ち込み側が軸体1側であり、したがってその頭部2aが軸体1側に位置され、Tバー部2bが前記つま先部Scの他面側に位置されるようになっている。タグピン状体2は、縦線状部2cの一端部につまみ状の頭部2aを有し、かつ、他端部にこの縦線状部2cに対し略直交するように接合された横線状部2dを有しており、この横線状部2dによってTバー部2bを形成させている。前記打ち込みの過程において横線状部2dを縦線状部2cに重なり合わせるようにTバー部2bは弾性変形され、この打ち込みが終了するとこのTバー部2bの弾性復帰によってタグピン状体2の打ち込み先側にTバー部2bは掛合される。なお、図示の例では、かかるタグピン状体2が打ち込まれる軸体1における一端部1dには毛糸1bなどが巻き付けられていない。
【0018】
かかる装飾構造によれば、二枚重ねにした左右靴下S、Sをタグピン状体2によって接続させ合わしながら、前記実のように丸め込まれた左右靴下S、Sの中央部にこの実の柄状の部分を模した軸体1をタグピン状体2によって位置づけさせることができる。軸体1は丸め込まれた靴下Sの中央にその一端部を押し込ませたような状態で保持される。図示の例では、このように保持されて外側に突き出す軸体1の他端部に前記葉を模した飾り1cが位置されるようになっている。これにより、販売時に前記実のような外観を持たせながら左右靴下S、Sを支障なく一体化させておくことができる。購入後は、需用者において、タグピン状体2のTバー部2bあるいは頭部2aを鋏などで切除するなどすることにより、靴下Sと軸体1とを分離させると共に左右靴下S、Sを分離させて左右靴下S、Sをそれぞれ靴下Sとしての使用の用に供し可能な状態にすることができる。
【0019】
図示の例では、タグピン状体2のTバー部2bの座板3がさらに設けられている。図示の例では、略円形の紙製の座板3をタグピン状体2の打ち込み先側に添装させた状態でタグピン状体2を打ち込ませている。これにより、靴下Sのつま先部Sc側にTバー部2bを掛合させるようにしていても靴下Sの生地からTバー部2bが外れ難くなっている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】装飾構造の構成部材の分離斜視図
【図2】同断面構成図
【図3】同断面構成図
【図4】同断面構成図
【符号の説明】
【0021】
S 靴下
Sa はき口
Sc つま先部
1 軸体
1d 一端部
2 タグピン状体
2a 頭部
2b Tバー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内外二枚重ねにした左右靴下を、そのはき口側からそのつま先部が中心に位置されるように丸め込んで果物や野菜などの実のようにした状態において、接続させ合わせ且つ装飾する構造であって、
果物や野菜などの実の柄状の部分を模した軸体を有し、この軸体の一端部と、前記左右靴下のつま先部とに、
一端側に頭部を備え他端側をTバー部とした可撓性を持ったプラスチック製のタグピン状体を打ち込んで両者を止め合わせてなることを特徴とする靴下の装飾構造。
【請求項2】
タグピン状体のTバー部の座板を有していることを特徴とする請求項1記載の靴下の装飾構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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