説明

靴底用の緩衝パーツ並びにこのものを具えた靴

【課題】 軽量化を含めたより高度な性能要求に応え、特に使用中のふんばり感、更には充分な耐久性をも確保できる新規な緩衝パーツ並びにこれを具えた靴の開発を技術課題とした。
【解決手段】 弾性変形可能なゲル素材の緩衝基材1から成り、緩衝基材1は、その厚さ方向に向かって設けられた有底凹部11を複数具え、且つこの有底凹部11は逆ドーム型であり、更に前記緩衝基材1における周側縁14の少なくとも一部には、厚さ方向に切除された状態となっている側凹部14aが形成され、前記側凹部14aは、周側縁14における隣接した2つの有底凹部11のほぼ中間に位置する部位に形成されたものであることを特徴として成り、側凹部14と有底凹部14aとが共動して緩衝パーツ1全体に応力の分散と反発弾性を発揮させて、反発によるスムーズな重心移動の補助作用を得ることができるだけでなく、使用中のふんばり感や充分な耐久性を付与することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は弾性素材を適用した靴底用の緩衝パーツ並びにこのものを具えた靴に関するものである。
【背景技術】
【0002】
主に運動時に供されるスポーツシューズやウォーキングシューズでは、激しい運動の負荷を充分吸収して、身体、特に足、下肢等を保護する機能や、競技毎の運動内容に合わせてアスリートの能力発揮を充分支援する機能、更にはその能力発揮が維持できるように負荷を減らすべく軽量化を図ること等の性能が要請される。加えてトップアスリート用の競技毎の消耗を前提としたものは別として、一般ユーザ向けには一定の耐久性が不可欠なものとなっている。
このような種々の要請に応えるべく、靴全体の設計の工夫、素材についての改良等が続けられているが、その一環として緩衝機能を担う緩衝パーツについても常にその開発が続けられている。
【0003】
ところでこのような緩衝パーツは、ゲル素材あるいは針入度値の大きい柔らかなゴム素材等が用いられているが、これらが完全な充実体であると、一定の緩衝性能は得られても重量が大きくなり、軽量化の要請には沿うことができない。
このため例えば緩衝素材をいわば肉抜き処理して全体としてハニカム構造とし、且つハニカム内に空気を閉じ込めるようにして、その弾性を積極的に狙ったものも提案されている(例えば特許文献1参照)。
このものは特に荷重がハニカムセルを押し潰す方向にかかる場合に限れば、ほぼ目的とした性能が得られるものと予想される。
【0004】
しかしながら現実のスポーツシューズ等における荷重の状況を見ると、上下方向の荷重もさることながら、競技中のアスリートの体重移動に伴い、緩衝パーツには常にあらゆる方向からの圧縮荷重と剪断荷重がかかっており、このため単に肉抜き状にしたハニカム構造等にあっては、荷重に対する体感的なふんばり感が得られなかったり、剪断荷重に伴う局部的な負荷集中による破断等を充分に回避し得ない。
具体的には、例えばスポーツにおいて、あらゆる方向からの荷重が生じるものの、とりわけスポーツやウォーキングにおいて、荷重の移動をする重要な要素としては、足の母指球の動き制御にあり、運動中、極端に横移動を行う場合や傾斜面の上り下りを行う場合などにおいて、特に常に方向を変化させる母指球への荷重のかかり方がバランスをとるうえで重要となってくる。また踵の着地時においても荷重のかかり方がバランスをとるうえで同様に重要になってくる。
そこで前述のような荷重に対しては、このような動きをサポートする緩衝パーツに求められる機能の一つとして、例えば斜め上からの荷重のかかり方のサポートが求められる。
更に好ましくは、緩衝パーツは、斜め上からの過剰な変形外力においてしっかり受け止める反面、蹴り上げにおいては押し上げるように固持しなければならないため、いわゆるふんばるように機能させたいのである。ここでふんばるように機能させるとは、具体的には着地時の斜め上から斜め下に向けての荷重からはじまり、蹴り出しの前斜め上方向への押し出し時において、しっかりと受け止めるように機能させることを意味するものである。
しかしながら現状では、このようなふんばり感と十分な耐久性との双方を満足することのできる緩衝パーツは実現されていない。
【特許文献1】実開平3−27603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこのような背景を考慮してなされたものであって、軽量化を含めたより高度な性能要求に応え、特に使用中のふんばり感、更には充分な耐久性をも確保できる新規な靴底用の緩衝パーツ並びにこれを具えた靴の開発を技術課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち請求項1記載の靴底用の緩衝パーツは、弾性変形可能なゲル素材の緩衝基材から成り、この緩衝基材は、その厚さ方向に向かって設けられた有底凹部を複数具え、且つこの有底凹部は逆ドーム型であり、有底凹部の深さ方向20%〜100%の範囲から底部中央に向けて円弧を描くように形成され、更に前記有底凹部の平均径に対する隔壁厚さの割合が1:1〜1:0.3の範囲に設定され、更に前記有底凹部の深さ寸法と緩衝基材厚さ寸法との比が0.4:1〜0.8:1の範囲に設定されていることを特徴として成るものである。
この発明によれば、有底凹部の形状を厳密にマッチングさせることにより、緩衝パーツに使用に伴うあらゆる剪断応力が負荷した際に、使用において想定されるあらゆる剪断応力と圧縮応力に対して、応力分散と適度な反発弾性を発揮することができる。
【0007】
また請求項2記載の靴底用の緩衝パーツは、前記要件に加え、前記緩衝基材における周側縁の少なくとも一部には、厚さ方向に切除された状態となっている側凹部が形成されていることを特徴として成るものである。
この発明によれば、側凹部と有底凹部とが共動して緩衝パーツ全体に応力の分散と反発弾性を発揮させて、反発によるスムーズな重心移動の補助作用を得ることができるだけでなく、使用中のふんばり感や充分な耐久性を付与することができる。
【0008】
また請求項3記載の靴底用の緩衝パーツは、前記請求項2記載の要件に加え、前記側凹部は、周側縁における隣接した2つの有底凹部のほぼ中間に位置する部位に形成されたものであることを特徴として成るものである。
この発明によれば、緩衝パーツへの剪断応力と圧縮応力に対して、有底凹部の応力分散と適度な反発弾性を十分に発揮することができ、よりスムーズな重心移動の補助作用と使用中のふんばり感の向上を実現することができる。
【0009】
また請求項4記載の靴底用の緩衝パーツは、弾性変形可能なゲル素材の緩衝基材から成り、この緩衝基材は、その厚さ方向に向かって設けられた有底凹部を複数具え、且つこの有底凹部は逆ドーム型であり、更に前記緩衝基材における周側縁の少なくとも一部には、厚さ方向に切除された状態となっている側凹部が形成され、前記側凹部は、周側縁における隣接した2つの有底凹部のほぼ中間に位置する部位に形成されたものであることを特徴として成るものである。
この発明によれば、側凹部と有底凹部とが共動して緩衝パーツ全体に応力の分散と反発弾性を発揮させて、反発によるスムーズな重心移動の補助作用を得ることができるだけでなく、使用中のふんばり感や充分な耐久性を付与することができる。
【0010】
更にまた請求項5記載の靴底用の緩衝パーツは、前記請求項4記載の要件に加え、前記緩衝基材は硬度がSRIS 0101におけるアスカーCで20〜40のゲル素材から成るものであることを特徴として成るものである。
この発明によれば、緩衝パーツによってもたらされる、使用中のふんばり感や耐久性を、各種競技や機能特性に応じた良好なものとすることができる。
【0011】
更にまた請求項6記載の靴底用の緩衝パーツは、前記請求項4または5記載の要件に加え、前記有底凹部の逆ドーム型形状は、有底凹部の深さ方向20%〜100%の範囲から底部中央に向けて円弧を描くように形成されたものであることを特徴として成るものである。
この発明によれば、有底凹部の形状を厳密にマッチングさせることにより、緩衝パーツに使用に伴うあらゆる剪断応力が負荷した際に、使用において想定されるあらゆる剪断応力と圧縮応力に対して、応力分散と適度な反発弾性を発揮することができる。
【0012】
更にまた請求項7記載の靴底用の緩衝パーツは、前記請求項4、5または6記載の要件に加え、前記有底凹部の平均径に対する隔壁厚さの割合が1:1〜1:0.3の範囲に設定されていることを特徴として成るものである。
この発明によれば、有底凹部の形状を厳密にマッチングさせることにより、緩衝パーツに使用に伴うあらゆる剪断応力が負荷した際に、使用において想定されるあらゆる剪断応力と圧縮応力に対して、応力分散と適度な反発弾性を発揮することができる。
【0013】
更にまた請求項8記載の靴底用の緩衝パーツは、前記請求項4、5、6または7記載の要件に加え、前記有底凹部の深さ寸法と緩衝基材厚さ寸法との比が0.4:1〜0.8:1の範囲に設定されていることを特徴として成るものである。
この発明によれば、有底凹部の形状を厳密にマッチングさせることにより、緩衝パーツに使用に伴うあらゆる剪断応力が負荷した際に、使用において想定されるあらゆる剪断応力と圧縮応力に対して、応力分散と適度な反発弾性を発揮することができる。
【0014】
更にまた請求項9記載の靴底用の緩衝パーツは、前記要件に加え、前記緩衝基材は、平面視においてブロック毎に見かけ上の硬さを部分的に異ならせたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、緩衝パーツによってもたらされる、使用中のふんばり感や耐久性を、各種競技や機能特性に応じた良好なものとすることができ、極めてスムーズな重心移動の補助作用と使用中のふんばり感を向上させることができる。
【0015】
また請求項10記載の靴は、前記請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の靴底用の緩衝パーツがソールに組み込まれていることを特徴として成るものである。
この発明によれば、靴のソールに対し、使用中のふんばり感や充分な耐久性を付与することができる。
【0016】
更にまた請求項11記載の靴は、前記請求項10記載の要件に加え、前記靴底用の緩衝パーツのソールへの組み込み個所は、母指球の下方に位置する部分であることを特徴として成るものである。
この発明によれば、荷重移動の著しい母指球への着地時の衝撃を緩和し、一方、蹴り出し時の荷重移動とふんばり感を効果的に付与することができる。
【0017】
更にまた請求項12記載の靴は、前記請求項10または11記載の要件に加え、前記靴底用の緩衝パーツは、長尺且つ平板状の形状を採る平面視で台形状の外形を有するものであり、幅方向の長辺側が内側に位置するように配置されていることを特徴として成るものである。
この発明によれば、荷重移動の著しい母指球への着地時の衝撃を緩和し、一方、蹴り出し時のふんばり感をより効果的に付与することができ、また、歩行や走行時に伴う母指球と子指球の間に発生する指の曲げによる剪断応力と圧縮応力に対して、逆ドーム型の有底凹部の応力分散と適度な反発弾性を長手方向により十分に発揮することができる。
更に、逆ドーム型の有底凹部は深さ方向から底部中央に向けて円弧を描くように形成されていることから、型抜きし易く生産性が向上するとともに、耐久性が向上する。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、軽量化を含むより高度な性能要求に応え、特に使用中のふんばり感、更には充分な耐久性をも確保できる新規な靴底用の緩衝パーツ並びにこのものを具えた靴を提供することができる。これにより使用者である競技者の身体、特に足、下肢等を保護するとともに、記録の向上に寄与することができる。更にウォーキング時においては、極端な横移動や傾斜面の上り下りを行う際に、特に母指球への荷重のかかり方は、緩衝パーツが斜め上からの過剰な変形外力においてしっかり受け止める反面、蹴り上げにおいては押し上げるように固持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図示の実施例に基づいて説明する。
なお、以下の実施例に対して本発明の技術的思想の範囲内において適宜変更を加えることも可能である。
【実施例】
【0020】
符号1で示すものが本発明の靴底用の緩衝パーツ(以下、緩衝パーツと称する)であって、このものは靴2に対して組み込まれて供される。
まず前記靴2について図示の実施例に基づいて具体的に説明すると、このものは一例として図1に示すように、装着者の足を包むように覆うアッパー20と、靴底21とを具えて成り、これらが適宜、接着や縫製によって一体化されて成るものである。
【0021】
このうち前記アッパー20は、アッパー本体200、ベロ201、アンクルパッド202、ヒールガード203及びトウガード204が接着や縫製によって一体化されて成るものであり、その側周部には装飾のためのライン模様205が縫い付けられており、更に靴紐206等が具えられて成るものである。
一方、前記靴底21は、例えばインナーソール210、ミッドソール211、アウターソール212等を一体化して構成されるものである。
【0022】
そして上述したような靴2に対して、本発明の緩衝パーツ1を組み付けるにあたり、前記靴底21のミッドソール211を一部くり抜くような形にしてパーツポケット23が形成されるものであり、ここに緩衝パーツ1が組み付けられる。なお、インナーソール210の裏面にパーツポケット23を形成するようにしてもよい。
また緩衝パーツ1の組み付け位置は競技に応じた適切な部位が選択されるものであるが、図3(a)に示すように体重移動に伴う応力のかかる部位として母指球と子指球と踵の3点を結ぶ範囲下に設けることが好ましい。
【0023】
次に前記緩衝パーツ1について更に詳しく説明する。図2中、符号10で示すものが、長尺かつ平板状の部材である緩衝基材であり、一例として平面視で一方がやや狭まった形状の台形状ないしは楔状を呈するような形状に形成される。
このような緩衝パーツ1には、その一方の面を開放状態とした複数の有底凹部11が厚さ方向に向かって設けられるものであり、図2に示す実施例では、前記有底凹部11は、緩衝基材10の長手方向に沿って、左右それぞれ一列ずつの外側列111と、更にその間に挟まれる中央列112とを形成するように配列されている。
もちろん前記有底凹部11がこのように緩衝基材10の長手方向に沿って整列されていることに着眼して、外側列111、中央列112と称したものであるが、このような整列状態を必ずしも厳密に維持する必要があるものではない。ちなみに、長手方向に4列以上整列する場合は、中央列112を2列以上として設定する。
【0024】
また多くの有底凹部11は、平面視で六角形状を有するものとして形成されるが、緩衝基材10の長手方向の一方の端部が幅狭に狭まっていることに因み、幅狭側に寄るにしたがい、外側列111における六角形状自体も必ずしも等辺状とならない、歪んだ形状が採られるようにした。
また中央列112にあっては、特に狭小端側の有底凹部11は、菱形状に形成されるようにした。
なおこのような有底凹部11側の異形状への変形は、それらの間に形成される隔壁13の厚さ寸法をいずれの位置でも略等しく確保できるような状態を結果的にもたらせており、詳しくは後述するが、これによって中央列112の見かけ硬さが硬くなるように設定している。
【0025】
また前記有底凹部11はその縦断面方向で見ると、底部11a寄りの位置に、応力の分散/累加発現部12が設けられているものであり、具体的には底部11a寄りの内壁が逆ドーム状に適宜の円弧を描いて側壁から底部11aに向かって滑らかに連なるように形成されている。
このように応力の分散/累加発現部12を逆ドーム状とすることにより、あらゆる剪断方向からの応力に対して応力分散と適度な反発弾性を発揮するので、ふんばり感とともに、反発によるスムーズな重心移動の補助作用を得ることが可能となる。
なお、このような逆ドーム型の有底凹部11と、後述の側凹部14aとが共動することが、緩衝パーツ1全体に応力を分散させ、反発弾性性能を発揮させるにあたって重要となるものであり、特に有底凹部11の深さ方向に向けて円弧を描くように形成された部位について、応力の分散/累加発現部12として呼称するようにした。
【0026】
そして更に好ましくは、前記緩衝基材10における長手方向または幅方向のいずれか一方または双方の周側縁14においては、緩衝基材10の一部が厚み方向に切除された状態となっている側凹部14aが形成されることにより、剪断応力が印加された時のストレッチ性が向上させられている。
このため図4(a)〜(d)及び図5(a)〜(d)に示すように緩衝基材10がパーツポケット23に組み付けられた状態であっても、長手方向の周側縁14とパーツポケット23との接触面において、周側縁14の応力変形が拘束されにくく、周側縁14及び有底凹部11が均一に変形しやすくなる。
なお図4(a)〜(d)及び図5(a)〜(d)には、緩衝基材10の長手方向の周側縁14に側凹部14aを形成した実施例を示したが、仕様によっては幅方向の周側縁14に側凹部14aを形成したり、長手方向及び幅方向双方の周側縁14に側凹部14aを形成してもよい。
【0027】
また、これらの実施例では前記側凹部14aを、外側列111(最外列)における隣接した2つの有底凹部11のほぼ中間に位置する部位に形成させているので、長手方向から印加される剪断応力と圧縮応力に対して、逆ドーム型の有底凹部11の応力分散と適度な反発弾性を長手方向に十分に発揮することができる。
これによって、重心移動をよりスムーズに補助して、運動する際のふんばり感をより一層向上させることができる。
このように、周側縁14の変形と、有底凹部11の変形とが共動して、緩衝パーツ1全面に応力を分散させることが可能となるのである。
因みに図4(e)〜(h)は、側凹部(14a)が設けられていない場合の緩衝パーツ1の変形状態を示したものであり、応力がかかった周辺部位に位置する有底凹部11に変形が集中して剪断応力が印加された時のストレッチ性を抑制し、応力が緩衝パーツ1の全面には分散されていない状態が示されているものである。
ここで前述のストレッチ性を発現させるにおいて具体的に説明すると、図5(e)〜(h)は、着地する側の周側縁14に側凹部14aを設け、対向する蹴り出しする側の周側縁14には側凹部(14a)を設けない場合の緩衝パーツ1の変形状態を示したものである。これは例えばスポーツの種類により、着地する際に印加される応力に対しては適度な応力分散と反発弾性を発揮させつつ体重移動も損なわせず、他方、蹴り出しする側はあえて応力の分散/累加機能のストレッチ性の発現を緩衝パーツ1の所望の一部において制限しようとする際において有効である。
【0028】
なおこれら側凹部14aが設けられることにより、前記隔壁13の周側縁14側における隔壁厚さWを他の部位と同じような寸法に設定することが可能となるものである。
また図示は省略するが、前記周側縁14側における隔壁厚さWを長手方向の一方から他方にかけて厚くまたは薄くなるように設ければ、厚さWの薄い側(見かけ硬さが柔らかい側)へと応力を誘導させることができる。例えば靴2のインコース側となる隔壁厚さWを適度に柔らかく(見かけ硬さを)すれば、インコース側へと応力を誘導させつつ応力の分散/累加機能をフォローすることができるのである。
また側凹部14aの形状としては、図7(a)〜(e)に示すような種々の形態が採り得るものであり、上方に向かって垂直ないし傾斜面を有するような状態で形成されている。
【0029】
更に図3(d)(e)に示すように周側縁14の断面形状をテーパーを持たせたものとしてもよく、この場合、側凹部14aの形状は図7(f)(g)に示したものとなる。そして隔壁13の断面形状を下部から上部にかけて次第に細くさせることによって、長手方向から印加される応力を受ける際のストレッチ性を高めることができる。また、緩衝基材10の成型の際に離型性が向上するため、その生産性を高めることができる。なお、傾斜をつける場合の角度は、例えば歩行から走行の際の着地角度にならって1〜12度程度で適宜設ければよい。
【0030】
ここで周側縁14と側凹部14aの作用について図5(b)を用いて補足する。例えばスポーツの際の足の着地では、運動によりまたはクセ等により傾斜(足を外側に傾ける「ハイパープロネーション」や足を内側に傾ける「ハイパースピネーション」)が発生しており、そのため応力は周側縁14に対して真正面(垂直)から印可されることはむしろ極めて少なく、厳密には、わずからながらも応力は真正面よりも左右いずれかにぶれて印加されている。ここで、側凹部14a同士の間のそれぞれに区切られた周側縁14が印加される近くから応力に対して個別に追従しやすくなり、斜めに応力がかかった際にも、それぞれの周側縁14が順に変形しつつ追従し誘導するから、的確に応力を補足して応力の分散/累加機能を適切にサポートできるのである。
【0031】
次に前記緩衝基材10、有底凹部11及び隔壁13の各種寸法設定等について述べる。
まず例えば図2に示す実施例では、緩衝基材10の厚さ寸法tは4mmを有するものであり、これに対し有底凹部11の深さ寸法hは2mmとなっている。
このように有底凹部11の深さ寸法hと緩衝基材10厚さ寸法tとの比は、緩衝基材10が受ける負荷の大きさに応じ、0.4:1〜0.8:1の範囲にあるように設定されている。なお前記有底凹部11の深さ寸法hと緩衝基材10厚さ寸法tとの比が0.4:1より小さい(h/t<0.4)と、緩衝基材に剪断応力が負荷したときに有底凹部11を形成する隔壁13の変形が小さすぎて応力分散性やふんばり感が極めて乏しくなってしまう。また前記比が0.8:1より大きい(h/t>0.8)と、剪断応力に対して容易に変形(座屈)してしまい、ふんばり感が得られない。
因みに深さ寸法hと厚さ寸法tとを異ならせたときのふんばり感は、表1〜3に示したような官能テストによって確認されている。なお表1、2、3はそれぞれ緩衝基材10の高度をアスカーC10、20、40と異ならせたものである。
因みに前記官能テストは、インナーソール(210)に対し図3に示すように母指球と踵との2つの部位のスポンジ部分を裏側から表面布を残してくり抜いてパーツポケット(23)を形成し、その2カ所に緩衝パーツ(1)を有底凹部(11)の開口部が下にくるように設け、ウォーキングシューズに組み付けて実履き試験を行ったものである。
更にこの官能テストは5人の被験者に対して行われたものであり、緩衝パーツ(1)毎に、足への負担やバランスの取れやすさといった全体の歩きやすさや履き心地を意識的に感じるかの有無を確認したものである。そして、その結果として5人が有とした場合を◎、4人が有とした場合を○、3名が有とした場合を△、それより少ない場合(半数未満)を×として採点した。
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】
【表3】

【0035】
また有底凹部11を平面視した場合において、その平均径Dは5mmを有するものであり、これに対し隔壁厚さWは2mmとなっている。
このように有底凹部11の平均径Dと隔壁厚さWとの比は、1:1〜1:0.3(0.3<W/D<1)の範囲にあるように設定されている。なお平均径Dを1とした場合において、隔壁厚さWが1より大きいと剪断応力が負荷した際に隔壁を介した隣接有底凹部への応力変形伝達が発現し難くなるため、良好な応力分散性が得られない。また、隔壁厚さWが0.3より小さいと剪断応力に対して容易に変形(座屈)してしまい、ふんばり感が得られないばかりか、耐久性を著しく損なってしまう。
なお平均径Dと隔壁厚さWとを異ならせたときのふんばり感も、表1〜3に示したような官能テストによって確認されている。
【0036】
更にまた有底凹部11を断面の方向に見た場合において、応力の分散/累加発現部12の開始点は、深さ方向に20%〜100%の範囲(表面を100%とする)に在り、ここから底部11a中央に向けて応力の分散/累加発現部12が形成されている。
因みに応力の分散/累加発現部12の開始点を異ならせたときのふんばり感と履き心地は、表4に示したような官能テストによって確認されている。
【0037】
【表4】

【0038】
なお前記表4で示した官能テストでは、R位置(応力の分散/累加発現部12の開始点)を50%として形成した緩衝パーツ(試料1と記す)の評価が高く、別途、以下に示す試料との比較試験を行って、繰り返し印加される荷重に対する剪断圧縮変形の影響を確認した。
試料2:試料1と同一外形でかつ有底凹部(11)の内部をドーム状とせず直角としたもの(表4におけるR位置を0%として形成したもの)。
試料3:試料2の底部を除去して貫通させたもの。
(これら試料1、2、3は、有底凹部(11)の形状が異なるのみであり、素材及び外形はまったく同じである。)
試験手法は以下に示すとおりである。
まず繰り返し圧縮試験機を用い、ランニングの着地角度を想定して約10度に傾斜させた透明アクリル板の試料台を用意し、その上に前記試料を入れたインナーソール(210)を、つま先側が下方になるようにして両面粘着テープで試料台に固定して配置する。
そして、母指球と踵部に入れた緩衝パーツ(1)のそれぞれの中央に、重力方向から成人男性の足裏の母指球を想定して曲率φ20mm高さ10mmのドーム型の木材の突起部を設けた加圧子を落下させたときに、この突起部が緩衝パーツ(1)を50%圧縮されるように荷重をかけて、その加圧子を重力方向上下に、1秒に1回の定速往復運動するようにした。
これによりインナーソール(210)は傾斜にしっかりと固定して定位置に留めるとともに、加圧子の突起部が傾斜方向から押圧させることができるので、緩衝パーツ(1)には常に安定した剪断圧縮させるように荷重をかけることができる。
【0039】
この結果、試料3は、パーツポケット(23)内で次第に傾斜台の下方側に移動して大きくズレ寄って全体が縮むように変形し始めた。
また、試料2は、試料3ほどには著しくズレは生じないものの、次第にパーツポケット(23)内で傾斜台の下方側へ移動して有底凹部(11)の開口部がやや変形した状態になり始めた。
しかし、試料1だけは、ズレも有底凹部(11)の開口部の変形も生じてこなかった。
このような結果から、本願発明の緩衝パーツ(1)は、斜め方向からの荷重を十分に緩衝していることが確認できた。このことから、剪断や圧縮の荷重に対しても安定した緩衝性能を維持しつつ、ウォーキングなどのスポーツシューズで特に重要とされる履き心地や踏んばり感、バランスに貢献していると考えられるものである。
【0040】
緩衝基材10はこのような外形形状を具えるものであり、次にその素材について説明すると、この素材は弾性変形可能な素材であって、ゲル素材が適用される。
具体的には、硬度がSRIS 0101におけるアスカーCで20〜40のゲル素材が好ましく用いることができ、一例として東レ・ダウコーニング社製CF5056(硬度:SRIS 0101準拠 アスカーC 30)が採用される。
なお緩衝基材10の素材としては上述したシリコーンゲル素材の他にも、ウレタン、ポリエチレン、アクリル、アクリルウレタン、ブタジエン、イソプレン、ブチル、スチレンブタジエン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、フッ素等のゲル素材が適用し得るものである。また、ゲル素材の諸特性に影響のない範囲であれば公知の顔料を添加して色付けしてもよい。更に軽量化を図るために素材100重量部に対して0.1〜3.0重量部の中空フィラーや、足の裏等に発生する摩擦による熱を放熱させるための放熱フィラーを適宜添加してもよい。
【0041】
そして緩衝パーツ1を靴2に組み付けるにあたっては、ミッドソール211等に形成されたパーツポケット23に対し、非接着で嵌め込むように組み付ける手法を基本形態とするが、上下両面や周側縁14に接着剤を塗布することにより接着したり、表面を一体に布で被う等、機能を阻害しない範囲で固定するようにしてもよい。
また緩衝パーツ1の組み付けは、図3(b)に示すように有底凹部11の開口部を上にする他、図3(c)に示すように有底凹部11の開口部を下にするようにしてもよい。
【0042】
またこの実施例では、前記緩衝パーツ1のミッドソール211への組み込み個所を、母指球の下方に位置する部分とし、更に前記緩衝パーツ1の形状を、平面視で台形状の外形を有するものとし、幅方向の長辺側が内側に位置するように配置するようにした。これは、子指球と比較的強い応力が広く印加される母指球との間にかかる荷重をくまなくフォローするためである。
【0043】
更に前記緩衝パーツ1は、平面視においてブロック毎に見かけ上の硬さが異なるように形成されるものであり、図6(a)に示す例は、長手方向に沿って区画された三列のブロックB1、B2、B3の内、中央のブロックB2よりも、その外側(上下)のブロックB1、B3が軟質となるようにしたものである。これによって、長手両方向から印加される応力に対して適度な応力分散と反発弾性を発揮させることができる。
また図6(b)に示すように、幅方向に沿って区画された三列のブロックB4、B5、B6の内、中央のブロックB5よりも、その外側(左右)のブロックB4、B6が硬質となるようにすることもできる。これによって、長手方向の中央付近へと沈み込ませ応力を誘導させつつ両端側がホールドされるように安定させることができる。
更に図6(c)に示すように、硬質部分がH字状に分布したものとすることもできる。このように見かけ上の硬さをH字状の分布に設定すれば、一方の長手方向から他方にかけて印加される剪断応力と圧縮応力に対して、逆ドーム型の有底凹部11の応力分散と適度な反発弾性を長手方向により十分に発揮することができる。
更には、一方の長手方向から他方の長手方向への緩衝パーツ1上での荷重移動に対して、両端側がホールドされるように安定させることができ、緩衝パーツ1上で安定しスムーズな荷重移動を促すことができ、荷重移動を適切な方向に誘導することができる。
【0044】
以上のとおり、緩衝パーツ1を平面視でブロック毎に見かけ上の硬さを異ならせたものとすることは、前記側凹部14aを周側縁14に形成することでも実現することができる。
また見かけ上の硬さを異ならせることは、平面視における側凹部14aと有底凹部11との間隔によっても設定することができ、特に有底凹部11同士の中間位置に側凹部14aが位置するようにすると、前述したような応力の分散/累加機能の発現をより全体に発現させることができる。
そして有底凹部11間の距離(隔壁13の厚さ)を十分に確保することで、その部分を特に見かけ硬さが硬いものとすることができるものであり、平面視において緩衝基材10の中央から外側に向かって有底凹部11の大きさや隣接する間隔(隔壁13の厚さ)を少しづつ変化させることにより、図6(a)(b)(c)に示すような硬度分布を実現することができるものである。
【0045】
なお、図1に示すように母指球の下に位置する緩衝パーツ1においては、母指球が安定するように左右方向より中央部分を比較的柔らかく設定する一方、前後方向には長手方向の側面を比較的柔らかく設定することがよい(見かけ硬さを図6(c)に示すようにH字状の分布に硬く設定し、H字状の分布以外の部位に応力の分散/累加機能の発現をより発現させることができる)。
更に、緩衝基材10の長手方向の周側縁14の少なくとも一部に設けた側凹部14aが、その形状や位置によって、見かけ硬さでH字状の分布以外の部位にかけて次第に柔らかくなるように設定することによって、母指球の荷重移動を適切な方向に誘導するよう調整することができるのである。
【0046】
また、応力の分散/累加機能を発現させるための有底凹部11の平面形状としては、図8(a)に示すようなハニカム形状の他にも、図8(b)に示すように整列した矩形としてもよいし、図8(c)に示すように鱗状に整列したもの、更には図8(d)に示すように円形とダイヤ形で構成されたものなど適宜の形状を適用することができる。
なお、隔壁厚さについて補足するが、上記のケースでは有底凹部11同士が表面上の間隔を並行かつ均等に隣接するように設けておりその間隔を測定したものであるが、有底凹部11の平均径Dに対する隔壁厚さWの割合としたのは、例えば同一形状や相似形状でも配置角度が互いに異なり間隔が並行せず隔壁厚さWが異なる場合や、有底凹部11の形状も配置も異なる複雑に配置させ隔壁厚さWが異なる場合など、様々なケースを想定のうえ考慮し、その場合にはパーツの表面を全体的にみてその平均的な隔壁の幅として捉えるべきであると理解すべきためである。
更にまた有底凹部11の平面形状や、隣接する有底凹部11の間隔、すなわち隔壁13の厚さを全域に亘って細かく調整して、平面視における見かけ硬さを詳細に調整することによって、応力の分散/累加機能の発現しやすさをより繊細に調整することができる。
【0047】
そして前記緩衝パーツ1は靴2に組み付けられた状態で図4に示すベクトルVの方向に荷重を受けると、競技中のアスリートの体重移動に伴い、応力の分散/累加発現部12の作用によってふんばり感を与えることができ、競技者の身体、特に足、下肢等を保護するとともに、記録の向上に寄与することができる。また応力の分散/累加発現部12により、緩衝パーツ1自体の耐久性が向上する。つまり、特に激しいスポーツにおいて着地から蹴り出しまでの動きでベクトルを過大に変化される応力が緩衝パーツ1に印加されても、応力の分散/累加機能がパーツ全体に発現することで、応力の受け入れから荷重移動と共に応力が開放されるまでを一連として適切に誘導できる機能を有するのである。
更にこのとき、周側縁14とパーツポケット23との接触面においては、側凹部14aにより、周側縁14の応力変形が拘束されにくくなっており、更に周側縁14及び有底凹部11が均一に変形しやすくなっているため、周側縁14の変形と、有底凹部11の変形とが共動して、緩衝パーツ1全面に応力を分散させることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の緩衝パーツを具えた靴を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の緩衝パーツを示す六面図及び縦断側面図である。
【図3】インナーソールまたはミッドソールを示す平面図並びに緩衝パーツを収容したパーツポケットを示す断面図並びに周側縁にテーパーを持たせた緩衝パーツを示す断面図である。
【図4】側凹部が設けられた緩衝パーツの変形の様子を示す正面図及び平面図並びに側凹部が設けられていない緩衝パーツの変形の様子を示す平面図である。
【図5】側凹部が二辺に設けられた緩衝パーツの変形の様子を示す側面図及び平面図並びに側凹部が一辺に設けられた緩衝パーツの変形の様子を示す平面図である。
【図6】ブロック毎に見かけ上の硬さを異ならせた緩衝パーツを示す平面図である。
【図7】形状を異ならせた側凹部を示す斜視図である。
【図8】有底凹部の平面形状の実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 (靴底用の)緩衝パーツ
10 緩衝基材
11 有底凹部
11a 底部
111 外側列
112 中央列
12 (応力の)分散/累加発現部
13 隔壁
14 周側縁
14a 側凹部
2 靴
20 アッパー
200 アッパー本体
201 ベロ
202 アンクルパッド
203 ヒールガード
204 トウガード
205 ライン模様
206 靴紐
21 靴底
210 インナーソール
211 ミッドソール
212 アウターソール
23 パーツポケット
B1 ブロック
B2 ブロック
B3 ブロック
B4 ブロック
B5 ブロック
B6 ブロック
D 平均径
h 深さ寸法
t 厚さ寸法
V ベクトル
W 隔壁厚さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性変形可能なゲル素材の緩衝基材から成り、この緩衝基材は、その厚さ方向に向かって設けられた有底凹部を複数具え、且つこの有底凹部は逆ドーム型であり、有底凹部の深さ方向20%〜100%の範囲から底部中央に向けて円弧を描くように形成され、更に前記有底凹部の平均径に対する隔壁厚さの割合が1:1〜1:0.3の範囲に設定され、更に前記有底凹部の深さ寸法と緩衝基材厚さ寸法との比が0.4:1〜0.8:1の範囲に設定されていることを特徴とする靴底用の緩衝パーツ。
【請求項2】
前記緩衝基材における周側縁の少なくとも一部には、厚さ方向に切除された状態となっている側凹部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の靴底用の緩衝パーツ。
【請求項3】
前記側凹部は、周側縁における隣接した2つの有底凹部のほぼ中間に位置する部位に形成されたものであることを特徴とする請求項2記載の靴底用の緩衝パーツ。
【請求項4】
弾性変形可能なゲル素材の緩衝基材から成り、この緩衝基材は、その厚さ方向に向かって設けられた有底凹部を複数具え、且つこの有底凹部は逆ドーム型であり、更に前記緩衝基材における周側縁の少なくとも一部には、厚さ方向に切除された状態となっている側凹部が形成され、前記側凹部は、周側縁における隣接した2つの有底凹部のほぼ中間に位置する部位に形成されたものであることを特徴とする靴底用の緩衝パーツ。
【請求項5】
前記緩衝基材は硬度がSRIS 0101におけるアスカーCで20〜40のゲル素材から成るものであることを特徴とする請求項4記載の靴底用の緩衝パーツ。
【請求項6】
前記有底凹部の逆ドーム型形状は、有底凹部の深さ方向20%〜100%の範囲から底部中央に向けて円弧を描くように形成されたものであることを特徴とする請求項4または5記載の靴底用の緩衝パーツ。
【請求項7】
前記有底凹部の平均径に対する隔壁厚さの割合が1:1〜1:0.3の範囲に設定されていることを特徴とする請求項4、5または6記載の靴底用の緩衝パーツ。
【請求項8】
前記有底凹部の深さ寸法と緩衝基材厚さ寸法との比が0.4:1〜0.8:1の範囲に設定されていることを特徴とする請求項4、5、6または7記載の靴底用の緩衝パーツ。
【請求項9】
前記緩衝基材は、平面視においてブロック毎に見かけ上の硬さを部分的に異ならせたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の靴底用の緩衝パーツ。
【請求項10】
前記請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の靴底用の緩衝パーツがソールに組み込まれていることを特徴とする靴。
【請求項11】
前記靴底用の緩衝パーツのソールへの組み込み個所は、母指球の下方に位置する部分であることを特徴とする請求項10記載の靴。
【請求項12】
前記靴底用の緩衝パーツは、長尺且つ平板状の形状を採る平面視で台形状の外形を有するものであり、幅方向の長辺側が内側に位置するように配置されていることを特徴とする請求項10または11記載の靴。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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