説明

靴底用発泡体ゴム組成物及びアウトソール

【課題】軽量かつ適度な硬度で、引張強度、引裂強度、衝撃吸収性、金型内流動性に優れた靴底用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】(A)沸騰n−ヘキサン不溶分;1〜25重量%で,沸騰n−ヘキサン可溶分;99〜75重量%であるビニル・シスブタジエンゴム(VCR)、(A)以外の(B)ジエン系ゴムおよび(C)熱可塑性樹脂を混錬後、加硫前の段階で(D1)マスターバッチ化した熱膨張型発泡剤とマスターバッチ化した(D2)2種類の熱分解型発泡剤からなる発泡剤および(E)過酸化物を併用して製造した事を特徴とする靴底用発泡体ゴム組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は軽量かつ適度な硬度で、引張強度、引裂強度、衝撃吸収性、金型内流動性に優れた靴底用ゴム組成物、及び発泡後の寸法安定性にも優れた靴底用ゴム発泡体組成物、さらにはそのゴム組成物を用いたアウトソールに関する。
【背景技術】
【0002】
履物分野においては、着用者の体重を支え、運動に伴う荷重や衝撃力に耐える強度と靴の履き心地、安全性を高める為の軽量化、グリップ性が求められている。その中でも近年、低硬度・軽量化と成型品の寸法安定性(低収縮率)要求されており、これらの特性を向上させる必要がある。
【0003】
低硬度・軽量化を図るには化学発泡剤(特許文献1)や物理発泡剤(特許文献2)が用いられ、製品中に気泡を混入させる事により低硬度・軽量化を達成していた。しかし、軽量化を図る為に化学発泡剤を単独で大量に添加すると異常発泡による発泡体の破壊、発泡製品表面の悪化や製品寸法の不安定などの問題がある。
【0004】
上記問題を解決する為、従来の1,2−ポリブタジエンに比べガラス転移温度(Tg)が低い熱可塑性樹脂とビニル・シスポリブタジエン(VCR)を併用し有機化酸化物にて架橋し、厚み精度に優れ、適度な硬度を有し、平滑性に優れ、さらに加工性の向上を図っている(特許文献3)。
また、特許文献4では1,2−ポリブタジエン及びポリエチレン系重合体、エチレン-酢酸ビニル重合体樹脂に第三成分として天然ゴム(イソプレン)を配合する事でゴム弾性に富み、軽量かつ優れた硬度、耐衝撃性及び、引裂強度の向上させている。
【0005】
さらに、熱分解型発泡剤と熱膨張型発泡剤を併用する事により、軽量かつ適度な硬度で、引張強度、引裂強度、衝撃吸収性の向上を図る改良がなされてきている(特許文献5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−174601号公報
【特許文献2】特開平10−152575号公報
【特許文献3】特開2006−16518号公報
【特許文献4】特開昭61−55126号公報
【特許文献5】WO2010/050628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、VCRをベースとして、加硫段階においてマスターバッチ化した2種類の熱分解型発泡剤とマスターバッチ化した熱膨張型発泡剤さらに過酸化物を併用する事により、軽量かつ適度な硬度で、引張強度、引裂強度、衝撃吸収性を有する靴底用発泡体ゴム組成物およびそれを用いたアウトソールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(A)沸騰n−ヘキサン不溶分;1〜25重量%で,沸騰n−ヘキサン可溶分;99〜75重量%であるビニル・シスブタジエンゴム(VCR)、(A)以外の(B)ジエン系ゴムおよび(C)熱可塑性樹脂を混錬後、加硫前の段階で(D1)マスターバッチ化した熱膨張型発泡剤とマスターバッチ化した(D2)2種類の熱分解型発泡剤からなる発泡剤および(E)過酸化物を併用して製造した事を特徴とする靴底用発泡体ゴム組成物に関する。
【0009】
該(A)のジエン系ゴムが天然ゴムである事を特徴とする前記の靴底用ゴム発泡体組成物に関する。
【0010】
該(C)の熱可塑性樹脂が、融点が70℃〜110℃である1,2−ポリブタジエン樹脂又はエチレン−ビニルアセテート共重合体である事を特徴とする前記の靴底用ゴム発泡体組成物に関する。
【0011】
該(D1)熱膨張型発泡剤が熱膨張性マイクロカプセルであって粒径が8〜17μmからなる前記の靴底用発泡体ゴム組成物に関する。
【0012】
該(D2)の該2種類の熱分解型発泡剤がアゾジカルボンアミドと4,4'-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)の併用物である事を特徴とする前記の靴底用ゴム発泡体組成物に関する。
【0013】
該(E)の過酸化物がジクミルパーオキサイドであることを特徴とする前記の靴底用ゴム発泡体組成物に関する。
【0014】
前記の靴底用ゴム発泡体組成物を用いたアウトソール。
【発明の効果】
【0015】
本発明で得られる靴底用発泡体ゴム組成物およびそれを用いたアウトソールは、軽量かつ適度な硬度で、引張強度、引裂強度、衝撃吸収性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(A)成分の説明
(A)成分のビニル・シスブタジエンゴム(以下,VCRと略す)について説明する。VCRは沸騰n−ヘキサン不溶分;1〜25重量%で,沸騰n−ヘキサン可溶分;99〜75重量%であるビニル・シスブタジエンゴムであり,沸騰n−ヘキサン不溶分はシンジオタクチック1,2−ポリブタジエン樹脂(以下,SPBと略す)である。
沸騰n−ヘキサン可溶分は高シス−1,4−ポリブタジエンであり,ミクロ構造はシス−1,4構造が90重量%以上である。ここで言う沸騰n−ヘキサン不溶分とはVCRを沸騰n−ヘキサン中に還流した時に不溶分として回収される部分をいい,沸騰n−ヘキサン可溶分とはVCRを沸騰n−ヘキサン中で還流した時に溶解する部分である。
沸騰n−ヘキサン不溶分はオルトジクロロベンゼン溶液で測定した還元粘度(135℃,濃度0.20g/dオルトジクロロベンゼン溶液)が0.5〜4であり,好ましくは0.8〜3の範囲である。沸騰n−ヘキサン不溶分の還元粘度が0.5より小さい時には,配合物のダイスウェルが十分改善されない。
一方沸騰n−ヘキサン不溶分の還元粘度が4より大きい時には,重合時にSPBが高シス−1,4−ポリブタジエン中で凝集塊を形成するようになり分散不良を起こして加工性や耐久性が低下してこの発明の目的を達成できない。また,沸騰n−ヘキサン可溶分の重量平均分子量は300,000〜800,000の範囲であることが好ましく,300,000未満では加硫物の耐久性や反発弾性が低下するので好ましくない。800,000を超えると配合物ムーニー粘度が高くなりすぎて加工が困難になるので好ましくない。
【0017】
上記のVCRの製造方法は例えば特公昭49−17666号公報,特公昭49−17667号公報,特公昭61−57858号公報,特公昭62−171号公報,特公昭63−36324号公報,特公平2−37927号公報,特公平2−38081号公報,特公平3−63566号公報などに記載された方法を用いることができる。但し,この発明に用いるVCRの製造方法は,これらの方法に限定されるものではない。
【0018】
(A)成分のVCRの配合量としては、全ゴム分100重量部において、VCRを40〜80重量部、好ましくは50〜70重量部を配合するものが好ましい。前記範囲内で配合すると、履物の諸物性(引張強度、伸び、引裂強度、耐摩耗性)を付与する事が出来る。
ただし、配合量が40重量部より少ないと耐摩耗性の悪化の問題が生じ、また逆に80重量部よりも多いと比重の上昇や硬度の上昇の問題が生ずるため好ましくない。
【0019】
本願発明で用いた、宇部興産社製VCR412およびVCR450の物性一覧を表1に示す。表1よりVCR450に含まれる沸騰n−ヘキサン不溶分は、VCR412のそれよりも3分の1ほど低く、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)も小さい。
【0020】
【表1】

【0021】
(B)成分の説明
(B)のジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリル−クロロプレンゴム、アクリロニトリル−イソプレンゴム、スチレン−クロロプレンゴム、スチレン−イソプレンゴムなどのジエン系ゴムが挙げられる。これらを単独でもよいし複数組み合わせて使用してもよい。
【0022】
好ましくは天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム及びスチレン−ブタジエンゴムから選択されるゴム成分であり、特に好ましくは、天然ゴム(NR)である。
【0023】
(B)の配合量としては、全ゴム分100重量部において、ジエン系ゴムを2〜30重量部、好ましくは5〜20重量部、特に好ましくは7〜15重量部である。前記配合範囲内で配合すると、ロール加工性に必要な特性(シート肌の形状外観)や履物の諸物性(引張強度、伸び、引裂強度)を付与する事が出来る。
ただし、配合量が2重量部より少ないとシート肌の荒れや加工性の問題が生じ、また逆に30重量部よりも多いと比重の上昇や収縮の悪化の問題が生ずるため好ましくない。
【0024】
(C)成分の説明
(C)熱可塑性樹脂としては、例えば、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン樹脂(SPB)、ポリエチレン及びその無水マレイン酸グラフト重合体、ポリイソブチレン、エチレンビニルアセテート共重合体、エチレンアクリレート、エチレンアクリル酸共重合体、ポリプロピレン及びその無水マレイン酸グラフト重合体、塩素化ポリプロピレン、4−メチルペンテン−1樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート等を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂(C)は、単独でも2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0025】
(C)熱可塑性樹脂の配合量としては、全ゴム分100重量部において、1,2−ポリブタジエン樹脂を10〜35重量部、好ましくは15〜30重量部、特に好ましくは18〜28重量部である。
この範囲内で配合をするとき、履物の諸物性(軽量化、寸法安定性)を付与する事が出来る。
一方、配合量が10重量部より少ないと発泡ガスの抜け出しによる比重上昇や寸法安定性(収縮)の問題が生じ、また逆に35重量部よりも多いと硬度の上昇の問題が生ずるため好ましくない。
【0026】
ここに全ゴム成分とは、(A)+(B)+(C)を意味する。
【0027】
(D1)熱膨張型発泡剤(物理発泡剤)
熱膨張型発泡剤としては、一般に熱膨張性のマイクロカプセルを用いる。熱膨張性マイクロカプセルとは、合成樹脂カプセルの中に、加熱することにより膨張する液体や気体を内包させたものであり、押出成形や射出成形の際のスクリューなどによる混練溶融熱で内包された液体や気体が膨張することにより外殻となるマイクロカプセルを膨張させるが、成形時の温度条件によっては溶融し、破裂することなく成形が完了するものを用いる。
【0028】
マイクロカプセルの素材としては、アクリルニトリルをモノマー成分の一つとした共重合体が用いられ、アクリルニトリルと共重合しても良い他のモノマー成分として、例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデンなどを上げることができるが、これらに限定するものでない。
【0029】
マイクロカプセルに内包する液体または気体としては、マイクロカプセルの軟化点以下の温度でガスになって膨張するもので、例えばプロパン、プロピレン、ブテン、ノルマルブタン、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、ノルマルペンタン、ヘキサン、ペプタン、石油エーテル、メタンのハロゲン化物、例えば塩化メチル、メチレンクロリド、CCl3 F、CCl2 F2 などのクロロフルオロカーボン、テトラメチルシラン、トリメチルエチルシランなどのテトラアルキルシランなどの低沸点液体のほか、加熱により熱分解してガス状になるAIBNなどの化合物を用いる。
【0030】
また、押出成形や射出成形では、押出機や射出機によってホッパーから投入された原料がスクリューなどで混練されることから、熱膨張性マイクロカプセルにも混練による剪断力などが加わるとともに、ダイや金型に押出されるときに押出力や射出力が加わることから、これらの力が加わってもマイクロカプセルが壊れないものである必要があり、大きさなどが選定される。
【0031】
したがって、このような押出成形または射出成形によって成形される発泡成形体では、膨張した後の熱膨張性マイクロカプセルの数(混合量)と粒径によって気泡の量と大きさが定まり、これらから成形体の比重が定まることから、熱可塑性樹脂原料に混合する未膨張の熱膨張性マイクロカプセルの数(混合量)と成形途中の加熱量による膨張後の熱膨張性マイクロカプセルの粒径の予測によって発泡状態のコントロールが可能となり、従来のガスを直接膨張させる場合に比べてガスだけが外部に逃げることもなく、簡単に目的の比重にすることができる。
【0032】
このように押出成形または射出成形によって、熱可塑性樹脂中に熱膨張性マイクロカプセルが膨張されて包含された状態で発泡体を成形することができ、各気泡はマイクロカプセルで包まれた状態で安定しており、押出成形の場合で、ダイから押出されて圧力が開放された状態でもガスが直接成形品の外部に抜けることもなく、表面外観の良好な発泡体を得ることができる。
【0033】
また、市販の熱膨張性マイクロカプセル(たとえばEXPANCEL社製、EXPANCEL920DU40な
ど)を使用することができる。
ただし、熱膨張性マイクロカプセルの粒径が8〜17μmであることが好ましく、より好ましくは10〜16μmである。当該範囲では、低比重化と成形品の表面肌の平滑性の効果を期待できる。
上記範囲より小さいマイクロカプセルを使用すると、低比重化を図る効果が少なくなるという問題が生ずる、一方、上記範囲より大きいマイクロカプセルを使用すると、成形品の表面肌の荒れ(平滑性)の問題が生ずる。
【0034】
熱膨張型発泡剤の配合量としては、全ゴム分100重量部において、0.5〜3.0重量部、好ましくは0.75〜2.5重量部、特に好ましくは1.2〜2.0重量部である。
上記配合範囲では、加硫初期の発泡圧力上昇に伴いエアーの除去や成形品外観(表面状態の平滑性や寸法安定性)、低比重化に伴う諸物性(引張強度、破断伸びや引裂強度)の低下幅を抑える事が出来る。
一方、配合量が0.5重量部より少ないと、低比重化を図る効果が少なくなるという問題が生じ、逆に3.0重量部より多いと成形品の表面肌の荒れ(平滑性)の問題が生ずる。
【0035】
(D2)熱分解型発泡剤(化学発泡剤)
熱分解型発泡剤としては、以下の有機系発泡剤を2種類以上組み合わせたものである。例えば、アゾシカルボンアミド系複合体(ADCA)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、N、N’−ジメチル−N、N’−ジニトロソテレフタルアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド(BSH)、p−トルエンスルホニルヒドラジド(TSH)、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、3,3’−ジスルホンヒドラジドジフェニルスルホン、トルエンジスルホニルヒドラジン、p−トルエンジスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルセミ力ルバジド、ジエチルアゾジカルボキシレート等である。
【0036】
熱分解型発泡剤として使用に好ましいのは、成形加工上、分解温度が150〜210℃くらいのものの組み合わせであり、かつ発生ガス量が100〜300(ml/g)の有機系発泡剤である。
特にアゾジカルボンアミドと4,4'-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)の2種類が最適である。
【0037】
上述した特性の2種類の熱分解型発泡剤を使用すると、併用する(D1)熱膨張型発泡剤との発泡効果が最大限に発揮でき、加硫初期の発泡圧力上昇に伴うエアーを完全に除去できるだけでなく、成形品外観(表面状態の平滑性や寸法安定性)、低比重化に伴う諸物性(引張強度、破断伸びや引裂強度)の低下幅を抑える事が出来る。
【0038】
2種類の熱分解型発泡剤のそれぞれの配合量としては、全ゴム分100重量部において、0.5〜7.0重量部、好ましくは0.75〜6.0重量部、特に好ましくは1.0〜4.5重量部である。上記配合範囲では、加硫初期の発泡圧力上昇に伴いエアーの除去や成形品外観(表面状態の平滑性や寸法安定性)、低比重化に伴う諸物性(引張強度、破断伸びや引裂強度)の低下幅を抑える事が出来る。
一方、配合量が0.5重量部より少ないと、低比重化と低硬度を図る効果が少なくなるという問題が生じ、逆に7.0重量部より多いと高発泡に伴う寸法安定性の低下の問題が生ずる。
【0039】
なお、本願発明の主要な点は、(D1)熱膨張型発泡剤と(D2)2種類の熱分解型発泡剤は、加工段階ではマスターバッチ化したものを用いて行うことが必要である。
マスターバッチのマトリクス成分としては、エチレン−プロピレン−ジエン三元重合体(EPDM)やスチレン-ブタジエン共重合体(SBR)が最適である。
【0040】
マスターバッチ化せず、加工時に直接マイクロカプセルを投入すると、マイクロカプセルが破壊し、比重と硬度が高くなる傾向を示すため好ましくない。さらに、破壊したマイクロカプセルから放出したガスと熱分解型複合発泡剤が反応し、変色を起こす可能性があるので好ましくない。
また、マスターバッチ化しないで(D1)熱膨張型発泡剤や(D2)2種類の熱分解型発泡剤を直接添加すると、添加時にロールガイド板下に入り込み、発泡剤の分散性が悪くなるなどの問題が生じてしまう。
【0041】
(E)過酸化物
過酸化物としては、ベンゾイールパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1’−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチレンシクロヘキサン、1,3−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ジイソプロピルベンゼン等がある。
この中でも特に、ジクミルパーオキサイド(以下DCPと略記)が好ましい。
当該(E)過酸化物は、加硫工程の段階で組み込まれることが必要で、後述する(G)加硫促進剤や(H)加硫剤との組み合わせによって使用される。
本願発明のもう一つの主要な点は、加硫工程において(E)過酸化物を使用することである。過酸化物を使用することで、加硫促進剤の加硫促進効果が原因で生じやすい発泡剤に起因する発泡ガスの発生しづらさを改善し、加硫反応をマイルドに進めるだけでなく、しっかりと加硫することが出来るようになる。
【0042】
使用する(E)過酸化物の量としては、全ゴム分100重量部に対して、0.25〜0.35が良く、0.27〜0.33が特に好ましい。
DCP量が多すぎると架橋密度が上がり発泡しにくくなり高比重となる事や機械的強度の低下などが発生し好ましくない。
【0043】
(F)ゴム補強剤
本発明に係るゴム組成物に配合されるゴム補強剤(F)としては、各種のカーボンブラック、ホワイトカーボン、シリカ、活性化炭酸カルシウム、及び超微粒子珪酸マグネシウムなどが挙げられる。
これらの中ではシリカ及び又はカーボンブラックが好ましい。中でも乾式法による無水ケイ酸、湿式法による含水ケイ酸、合成ケイ酸塩等の平均一次粒径5〜100nmのシリカ、及び粒子径が90nm以下、ジブチルフタレート(DBP)給油量が70ml/100g以上のカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしてはファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック等が挙げられ、より具体的には、ASTMコードNo.110、212、N242、S315、N330、N550、N660、N765等が挙げられる。
【0044】
シリカは、湿式シリカ及び乾式シリカのどちらでも用いる事ができ、併用も可能である。さらにシリカは単独で用いる事も出来る。また、使用するシリカは、シリカ純度が97%以上であるのが好ましい。また、シリカの純度が97%以上の天然石英を粉砕したものも用いることができる。さらに、シラン等の有機珪素化合物を加水分解して得られた粒子も好ましく用いられる。
純度97%未満のシリカはゴムの補強効果が充分ではないので、このようなシリカをブレンドしたゴム組成物は耐摩耗性が充分ではない。
【0045】
シリカ粒子の平均粒径は、好ましくは0.1〜50μm、さらに好ましくは1〜50μm、特に好ましくは5〜50μmの範囲である。かかるシリカ粒径は、例えば完全溶融した石英ガラスを然るべき粒径になるように粉砕するなどの方法により得る事が出来る。
一方、平均粒径が0.1μmより小さいとゴム内に混入しづらく、ロスや分散不良の問題を生じ、逆に50μmより大きいと補強効果が低いという問題を生ずるため好ましくない。
【0046】
使用されるゴム補強剤の量は、全ゴム分100重量部において、10〜30重量部、好ましくは12〜25重量部、より好ましくは15〜20重量部である。前述の範囲内では、補強効果が充分得られ、耐摩耗性向上の効果を得る事が出来る。
一方、10重量部より少ない量では、補強効果が低く、諸物性の低下(機械的強度や耐摩耗性)の問題を生じ、逆に30重量部より多いと粘度上昇に伴う加工性の低下の問題を生ずるため好ましくない。
【0047】
(G)加硫促進剤
本発明で用いられる加硫促進剤としては、例えばアルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類等が挙げられ、より具体的には、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(OBS)、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)、ジベンゾチアジルスルフィド(MBTS)、ジンクジ-n-ブチルジチオカーバイド(ZnBDC)、ジンクジメチルジチオカーバイド(ZnMDC)等が挙げられる。
この中でも特に、ジベンゾチアジルスルフィド(MBTS)、ジオルトトリルグアニジン(DOTG)が好ましい。
【0048】
加硫促進剤の量としては、全ゴム分100重量部において、0.5〜2.0重量部、好ましくは0.7〜1.8重量部、より好ましくは0.8〜1.5重量部である。前述の範囲内では、加硫効果が充分得る事が出来る。
一方、0.5重量部より少ない量では、加硫時間の遅延や架橋密度の低下による諸物性の低下の問題を生じ、逆に2.0重量部より多いと架橋先行による発泡の阻害の問題を生ずるため好ましくない。
【0049】
(H)加硫剤
また、本願発明で用いる加硫剤としては、硫黄、加熱により硫黄を生成させる化合物、有機過酸化物、酸化マグネシウム等の金属酸化物、多官能性モノマー、シラノール化合物等が挙げられる。加熱により硫黄を生成させる化合物として、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド等があげられる。
この中でも特に硫黄が好ましい。
【0050】
加硫剤の量としては、全ゴム分100重量部において、0.2〜2.0重量部、好ましくは0.5〜1.8重量部、より好ましくは0.8〜1.5重量部である。前術の範囲内では、加硫効果が充分得る事が出来る。
一方、0.3重量部より少ない量では、加硫時間の遅延や架橋密度の低下による諸物性の低下の問題を生じ、逆に2.0重量部より多いと架橋先行による発泡の阻害の問題を生ずるため好ましくない。
【0051】
(I)その他添加剤
本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により通常、ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば老化防止剤、加工助剤、プロセスオイル、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸などを含有させる事が出来る。
【0052】
(I1)老化防止剤
老化防止剤としては、アミン・ケトン系、イミダゾール系、アミン系、フェノール系、硫黄系及び、燐系等の老化防止剤が挙げられる。
【0053】
(I2)加硫助剤
加硫助剤としては、公知の加硫助剤、例えばアルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、及びキサンテート類等が用いられる。
【0054】
(I3)スコーチ防止剤(リターダー)
スコーチ防止剤としては、有機酸やニトロソ化合物、N-シクロヘキシルチオフタルイミ
ド、及びスルホンアミド誘導体等が用いられる。
【0055】
(I4)プロセスオイル
プロセスオイルはアロマティック系、ナフテン系、及びパラフィン系のいずれを用いてもよい。
【0056】
(加工方法)
(A)沸騰n−ヘキサン不溶分;1〜25重量%で,沸騰n−ヘキサン可溶分;99〜75重量%であるビニル・シスブタジエンゴム(VCR)、(A)以外の(B)ジエン系ゴムおよび(C)熱可塑性樹脂からなる、(A)+(B)+(C)全ゴム成分100重量部に対し、加硫前の段階で加硫剤、加硫促進剤とともに(E)過酸化物を0.20〜0.35の量を投入する。次いで、(D1)マスターバッチ化した熱膨張型発泡剤0.5〜3.0重量部とマスターバッチ化した(D2)2種類の熱分解型発泡剤をそれぞれ0.5〜3.0重量部からなる発泡剤によって得られたゴム組成物を作製する。当該一連の工程はロール等の開放式混練機、バンバリーミキサー等の密閉式混練機などの混練機を用いて混練りする事によって得られ、成形加工後に加硫を行い、各種ゴム製品に適用する事が出来る。
【0057】
(靴底用発泡体ゴム組成物およびアウトソール)
(A)沸騰n−ヘキサン不溶分;1〜25重量%で,沸騰n−ヘキサン可溶分;99〜75重量%であるビニル・シスブタジエンゴム(VCR)、(A)以外の(B)ジエン系ゴムおよび(C)熱可塑性樹脂からなる、(A)+(B)+(C)全ゴム成分100重量部に対し、加硫前の段階で加硫剤、加硫促進剤とともに(E)過酸化物を0.20〜0.35の量を投入する。次いで、(D1)マスターバッチ化した熱膨張型発泡剤0.5〜3.0重量部とマスターバッチ化した(D2)2種類の熱分解型発泡剤をそれぞれ0.5〜3.0重量部からなる発泡剤、かつ(F)ゴム補強剤10〜30重量部からなる構成にする事で、ソリッド系ゴム靴底材料(比重=1以上)と比較し、低硬度・低比重・引張強度・破断伸びが大きく、加硫後の成型品の収縮・外観及び、モールド成型性に優れ、かつそれらのバランスに優れた靴底用発泡体組成物を得る事が出来ることを見出した。
【0058】
(実施例)
得られたゴム組成物の物性は、熱風乾燥機内(70℃×2時間)にゴム組成物を入れ加熱し縮み取り(Postcure)を実施後、以下のようにして測定した。
(1)比重(密度);JIS K6268に準じて、A法で測定した。
【0059】
(2)発泡圧力;ALPHA TECHNOLOGIES社製RPA2000(ロータレス型、ゴム加工性解析装置)を用いて、JIS K6300に従って160℃における10%及び、90%加硫度に達する時間と発泡圧力を測定した。圧力の数値が高いほど良好である事を示す。
【0060】
(3)硬度;JIS K6253に準じて、タイプAデュロメータを、用いて室温で測定した。また、SR1S0101に準拠したAsker C型(スポンジ硬度計)を用いて室温で測定した。数値が小さいほど軟らかく良好である事を示す。
【0061】
(4)引張弾性率、引張強度、破断伸び;JIS K6251に従って測定した。数値が高いほど良好である事を示す。
【0062】
(5)引裂強度;JIS K6252に従い測定した。数値が高いほど良好である事を示す。
【0063】
(6)DIN摩耗;JIS K6264に従い摩耗減量を測定した。DIN Indexの数値が小さいほどDIN摩耗性能が良好な物性を示す。
【0064】
(7)反撥弾性率;JIS K6255に準じて、トリプソ式を用いて測定した。
【0065】
(8)収縮率;成型品作成後(室温で30分経過後の長さ)、室温で5日経過後の長さより算出した。数値が小さいほど寸法安定性が良好である事を示す。
【0066】
(9)アクロン摩耗;JIS K6264に従い摩耗減量を測定した。摩耗減量(cc)の数値が小さいほどアクロン摩耗性能が良好な物性を示す。
【0067】
(実施例1)
表2のVCR412/天然ゴム/RB820を配合比60/10/30重量部にし、ゴム補強剤であるシリカと亜鉛華やステアリン酸などの添加剤と共に1.7リットルの密閉式混練装置を使用して混錬した。その後、加硫促進剤と硫黄と過酸化物、並びに熱膨張型発泡剤、及び熱分解型発泡剤をオープンロールで混合した。次いで、プレス加硫し、得られた加硫試験片により物性を評価した。その結果を表3に示した。
具体的な配合成分を表2に示している。
ここで、VCR412は、宇部興産社製のVCR412を用いた。
天然ゴムは、SMR−L(標準マレーシアゴム)を用いた。
RB820は、JSR社製のRB820を用いた。
ゴム補強剤であるシリカは東ソー・シリカ株式会社製のニプシルVN3を用いた。
亜鉛華は、堺化学工業製のSazex1号を用いた。
ステアリン酸は、旭電化株式会社製のアデカ脂肪酸 SA−300を用いた。
密閉式混練装置は、南千住製作所製の1.7インターナルミキサーを用いた。
加硫促進剤は、大内新興化学工業株式会社製のノクセラーDM,ノクセラーDT,ノクセラーTBzTDを用いた。
硫黄は、エスアンドエスジャパン社製の不溶性硫黄ストラクトール SU109を用いた。
熱膨張型発泡剤は、EXPANCEL社製の920DU40−MBを用いた。尚、マスターバッチ化させるベースゴムは、EPDMを使用し920DU40濃度50%で作製された熱膨張型発泡剤を用いた。
熱分解型発泡剤は、三協化成株式会社製のマスターバッチタイプのADCA、及びOBSHを用いた。尚、マスターバッチ化させるベースゴムはEPDMを使用し、分解温度204℃、発生ガス量270ml/gのADCA、及び分解温度158℃、発生ガス量115ml/gのOBSHをそれぞれの発泡剤濃度70%で作製されたマスターバッチタイプの熱分解型発泡剤を用いた。
オープンロールは、株式会社 ショージ製の10インチロールを用いた。
【0068】
(実施例2)
VCR412/天然ゴム/RB820を配合比60/5/35重量部にし、以下実施例1と同様の手法により加硫試験片を作成し、物性を評価した。その結果を表3に示した。
【0069】
(実施例3)
VCR412/天然ゴム/EVAを配合比60/10/30重量部にし、ゴム補強剤であるシリカと亜鉛華やステアリン酸などの添加剤と共に1.7リットルの密閉式混練装置を使用して混錬した。その後、加硫促進剤と硫黄と過酸化物、並びに熱膨張型発泡剤、及び熱分解型発泡剤をオープンロールで混合した。次いで、プレス加硫し、得られた加硫試験片により物性を評価した。その結果を表3に示した。
【0070】
(実施例4)
VCR450/天然ゴム/RB820を配合比60/10/30重量部にし、以下実施例1と同様の手法により加硫試験片を作成し、物性を評価した。その結果を表3に示した。VCR450は、宇部興産社製のVCR450を用いた。
【0071】
(実施例5)
ゴム補強剤(Ultrasil−VN3)を30重量部にした以外は、実施例4と同様の手法により加硫試験片を作成し、物性を評価した。その結果を表3に示した。
【0072】
(実施例6)
RB820を35重量部にした以外は、実施例4と同様の手法により加硫試験片を作成し、物性を評価した。その結果を表3に示した。
【0073】
(実施例7)
VCR450/天然ゴム/RB820を配合比58/7/35重量部にし、以下実施例4と同様の手法により加硫試験片を作成し、物性を評価した。その結果を表3に示した。
【0074】
(比較例7)
マスターバッチ系ではなく、パウダー系(熱膨張型発泡剤は、EXPANCEL社製の920DU40を用いた。また熱分解型発泡剤は、三協化成株式会社製CELLMIC C−2(ADCA)及び、CELLMIC S(OBSH))を用いた。
VCR450/天然ゴム/RB820を配合比58/7/35重量部にし、以下実施例4と同様の手法により加硫試験片を作成し、物性を評価した。その結果を表3に示した。
【0075】
【表2】

【0076】
【表3】

【0077】
(実施例8)
パウダー系(熱膨張型発泡剤は、EXPANCEL社製の920DU40を用いた。また熱分解型発泡剤は、三協化成株式会社製CELLMIC C−2(ADCA)及び、CELLMICS(OBSH))を用いた。
VCR450/BR230/RB820を配合比60/10/30重量部にし、ゴム補強剤(Ultrasil−VN3)を20重量部、ポリエチレングリコール#4000を2.0重量部にした以外は、以下実施例1と同様の手法により加硫試験片を作成し、物性を評価した。配合成分を表4に、物性結果を表5に示した。
VCR450及びBR230は、宇部興産社製のVCR450及びBR230を用いた。
【0078】
(実施例9)
VCR450/BR230を配合比50/20重量部にした以外は、実施例8と同様の手法により加硫試験片を作成し、物性を評価した。配合成分を表4に、物性結果を表5に示した。
【0079】
(実施例11)
VCR450/BR230を配合比40/30重量部にした以外は、実施例8と同様の手法により加硫試験片を作成し、物性を評価した。配合成分を表4に、物性結果を表5に示した。
【0080】
(実施例12)
ポリエチレングリコール#4000を2.5重量部にした以外は、実施例8と同様の手法により加硫試験片を作成し、物性を評価した。配合成分を表4に、物性結果を表5に示した。
【0081】
【表4】

【0082】
【表5】

【0083】
(比較例1)
表2の実施例4において、熱分解型発泡剤(ADCA−MB)および熱分解型発泡剤(OBSH−MB)を用いなかった以外は同様にして行った。配合物性一覧を表6に、試験結果を表7に示した。
【0084】
(比較例2)
表2の実施例1において、加硫前の段階で過酸化物を入れなかった以外は同様にして行った。配合物性一覧を表6に、試験結果を表7に示した。
【0085】
(比較例3)
表2の実施例2において、加硫前の段階で過酸化物を入れなかった以外は同様にして行った。配合物性一覧を表6に、試験結果を表7に示した。
【0086】
(比較例4)
表2の実施例3において、加硫前の段階で過酸化物を入れなかった以外は同様にして行った。配合物性一覧を表6に、試験結果を表7に示した。
【0087】
(比較例5)
表2の実施例4において、加硫前の段階で過酸化物を入れなかった以外は同様にして行った。配合物性一覧を表6に、試験結果を表7に示した。
【0088】
(比較例6)
表2の実施例5において、加硫前の段階で過酸化物を入れなかった以外は同様にして行った。配合物性一覧を表6に、試験結果を表7に示した。
(比較例7)
パウダー系(熱膨張型発泡剤は、EXPANCEL社製の920DU40を用いた。また熱分解型発泡剤は、三協化成株式会社製CELLMIC C−2(ADCA)及び、CELLMIC S(OBSH))を用いた。
VCR450/RB230/RB820を配合比60/10/30重量部にし、以下比較例6と同様の手法により加硫試験片を作成し、物性を評価した。
配合物性一覧を表6に、試験結果を表7に示した。
(比較例8)
パウダー系(熱膨張型発泡剤は、EXPANCEL社製の920DU40を用いた。また熱分解型発泡剤は、三協化成株式会社製CELLMIC C−2(ADCA)及び、CELLMIC S(OBSH))を用いた。
VCR450/天然ゴム/RB820を配合比58/7/35重量部にし、以下実施例4と同様の手法により加硫試験片を作成し、物性を評価した。
表2の実施例5において、加硫前の段階で過酸化物を入れなかった以外は同様にして行った。配合物性一覧を表6に、試験結果を表7に示した。
【0089】
【表6】

【0090】
【表7】

【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明で得られるゴム発泡体組成物を用いた用途としては、靴底分野、特にスポーツシューズ、ランニングシューズ、カジュアルシューズなどの履物全般の靴底材料として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)沸騰n−ヘキサン不溶分;1〜25重量%で,沸騰n−ヘキサン可溶分;99〜75重量%であるビニル・シスブタジエンゴム(VCR)、(A)以外の(B)ジエン系ゴムおよび(C)熱可塑性樹脂を混錬後、加硫前の段階で(D1)マスターバッチ化した熱膨張型発泡剤とマスターバッチ化した(D2)2種類の熱分解型発泡剤からなる発泡剤および(E)過酸化物を併用して製造した事を特徴とする靴底用発泡体ゴム組成物。
【請求項2】
該(A)のジエン系ゴムが天然ゴムである事を特徴とする請求項1に記載の靴底用ゴム発泡体組成物。
【請求項3】
該(C)の熱可塑性樹脂が、融点が70℃〜110℃である1,2−ポリブタジエン樹脂又はエチレン−ビニルアセテート共重合体である事を特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の靴底用ゴム発泡体組成物。
【請求項4】
該(D1)熱膨張型発泡剤が熱膨張性マイクロカプセルであって粒径が8〜17μmからなる請求項1〜3のいずれかに記載の靴底用発泡体ゴム組成物。
【請求項5】
該(D2)の該2種類の熱分解型発泡剤がアゾジカルボンアミドと4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)の併用物である事を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の靴底用ゴム発泡体組成物。
【請求項6】
該(E)の過酸化物がジクミルパーオキサイドであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の靴底用ゴム発泡体組成物。
【請求項7】
該請求項1〜6のいずれかに記載の靴底用ゴム発泡体組成物を用いたアウトソール。

【公開番号】特開2012−213615(P2012−213615A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−61475(P2012−61475)
【出願日】平成24年3月19日(2012.3.19)
【出願人】(000000206)宇部興産株式会社 (2,022)
【Fターム(参考)】