説明

靴底

本発明は、滑り止めハニカム断面を有する上部第1外部内底表面(1)と、衝撃が吸収されることを可能にする垂直ポリプロピレン繊維(5)の形状をなす三次元テキスタイル構造(4)と、高い抗菌及び抗真菌性を有するポリエステルでできた高強度表面を有する下部第2外部表面(3)とを備えた多層複合体からなる靴底に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元テキスタイルでできた靴底に関する。
【背景技術】
【0002】
配合物及び発泡体(シリコーン、ポリウレタン等)のような緩衝及び/又は絶縁材料でできた靴底が、知られている。
【0003】
衣料産業におけるこのタイプの材料の使用は、その製造において極めて大量のエネルギーを消費し、かつ再利用することが、非常に複雑であるという欠点を有する。
【0004】
この事実は、特に欧州連合でその製品を市販する企業を不利にしている。
【0005】
更には、発泡体中に存在する気泡は、圧力増加によりエネルギーを徐々に吸収する多くのエアクッションのように作用する。使用及び時間の経過により、材料は、多孔質になり、かつそれ故にその緩衝能力を失う。
【0006】
靴が、層の重ね合わせでできていることが知られており、それらは、足から地面の順で、
・ 内底カバー:抗菌及び抗真菌快適性、換気、吸収及び脱離能力;
・ 内底:これは、(それが接着される)内底カバー、中底及び(それが縫い付けられる)甲革を支持する;
・ 中底:これは、断熱材及び緩衝器として作用し、かつ一般的に接着によって内底カバー、及び必要があれば穿刺防止インサートと組み立てられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、繰り返される機械的衝撃を吸収し、同時に良好な形状記憶を有することが可能な靴底を製造することである。
【0008】
本発明による靴底が満たさねばならない仕様は、以下の通りである:
・ 欧州指針の仕様に基づく再利用及びエコデザイン、
・ 減衰、
・ 屈曲、
・ 抗菌及び抗真菌機能、
・ 滑り止め、
・ 人間工学、可変形状、
・ 換気、
・ 湿気からの絶縁、
・ 断熱及び導電性。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による靴底は、
・ 滑り止めハニカム断面を示す上部第1外部衛生面と、
・ 衝撃吸収ポリプロピレンでできた垂直ロッドの形状をなす三次元テキスタイル構造と、
・ 非常に良好な抗菌及び抗真菌性を有するポリエステルでできた高強度表面を示す下部第2外部面とを備えた多層複合体からなる。
【0010】
本発明による靴底は、抗菌、抗真菌及び帯電防止複合繊維でできた上部第1外部衛生面からなる。
【0011】
本発明による靴底は、靴の内底カバーを形成する上部第1外部衛生面からなる。
【0012】
本発明による靴底は、靴の内底を形成する三次元テキスタイル構造からなる。
【0013】
本発明による靴底は、靴の中底を形成する下部第2外部面からなる。
【0014】
本発明による靴底は、足が静止する領域に応じて変化する多数の垂直ロッドを含む三次元テキスタイル構造からなる。
【0015】
本発明による靴底は、それぞれ内底カバー及び中底からなる外部面において殺生剤でできた三次元テキスタイル構造からなる。
【0016】
非限定的な例として与えられる、添付図面を参照して以下に続く記載は、本発明、その特徴、及びそれが与えやすい利点のより良い理解を可能にするであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、内底カバー1と、内底2と、中底3とを組み合わせた多層複合体からなる靴底Sを示す。
【0018】
内底カバー1は、滑り止め、微換気、抗菌、抗真菌及び帯電防止ハニカム断面を有する。この内底カバーは、出願人名のフランス特許出願FR2882267で記載され、かつ保護されたような複合繊維でできている。
【0019】
内底2は、密度が、支持領域に応じて、かつ所望の湿気絶縁程度に応じて変化できる垂直衝撃吸収ポリプロピレンロッド5の形状をなす三次元テキスタイル構造4でできている。
【0020】
中底3は、非常に良好な抗菌及び抗真菌性を有するポリエステルからなる高強度表面である。中底3は、靴底Sの基部も形成する。
【0021】
図2及び3は、屈曲への反応の原理と、靴底Sを形成する内底2の三次元テキスタイル構造4における垂直ロッド5の分布を表す。
【0022】
垂直ロッド5は、圧力領域及び足からの圧力に個別に反応する多くの緩衝器のように作用する。
【0023】
三次元テキスタイル構造4は、足のあらゆる動きにおいて、足に随伴するように良好な長手方向及び横方向屈曲性を提供する。
【0024】
製品の寿命全体を通じた衛生、快適性及び安全性を改善するために、三次元テキスタイル構造4は、それぞれ内底カバー1と中底3からなる外部面において、フランス特許出願FR2882267によって保護される殺生剤でできている。
【0025】
2つの外部面上のこの殺生剤の存在は、感染又は真菌感染から足の底を保護し、かつ悪臭定着から靴の底部を保護する。
【0026】
三次元テキスタイル構造4の内底カバー1及び中底3からそれぞれなる外部面は、激しい使用(スポーツ)に完全に適したグリップを有する表面を示すハニカム複合体の形状をなす。その構造は、フーリングとして知られる摩擦を防止する。
【0027】
足に良好な支持を提供することは、体重分布が最大である足の底を支持する領域において、三次元テキスタイル構造4に非常に多くの垂直ロッド5があることを必要とすることが明らかに明瞭である。
【0028】
従って、必要な支持領域において、垂直ロッド5の数及び密度を増加させることによって、三次元テキスタイル構造4の強度を増加させることが絶対的に必要である。
【0029】
図4の(A)及び(B)は、本発明による靴底Sの換気原理を示す。
【0030】
このように、毎回圧力Pが靴底Sに及ぼされると、それぞれ内底カバー1と中底3からなる2つの外部接触面の間に存在する空気は、靴の端部に押し出される(A)。
【0031】
反対に、毎回靴底Sがその形状Rを取り戻すと、新鮮な空気の流入が、それぞれ内底カバー1と中底3からなる2つの外部接触面の間におこる(B)。
【0032】
換言すれば、空力的現象が、一歩毎に靴の底部を換気し、圧力現象により、靴底S内に含まれる熱気AC及び湿気Hの素早い排除がなされ、それに続く靴底がその形状を取り戻す時の新鮮な空気AFの流入に繋がる。
【0033】
図5は、湿気に対する、本発明による靴底Sの絶縁の原理を表す。
【0034】
三次元テキスタイル構造4は、汗に対する完全な絶縁を提供する。内底カバー1からなる上部外部面の多孔性及び吸収能力は、汗を捕捉し、汗は次に三次元テキスタイル4によって排出される。
【0035】
本発明による靴底Sは、発泡体とは異なり、湿気を皮膚から除去し、かつ貯蔵することが可能である。このことは次に、浸漬作用、皮膚の軟化による発赤及び水膨れの危険性を回避する。
【0036】
三次元テキスタイル構造4は、靴の内部表面から足の底を絶縁する大量の空気を含む。このようにして存在する空気量は、接触による伝導性を有する靴の材料と、足との間にバッファ領域を作る。
【0037】
同様に、フランス特許出願FR2882267に記載された繊維の存在は、静電気の放出を可能にする。
【0038】
前述の記載は、単に例として与えられたこと、及びそれが本発明の分野を決して限定しないこと、及び記載された実施態様の詳細を、他のいずれかの同等物と置き換えることが、本発明の分野からの逸脱を構成しないことが、同様に理解されねばならない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明による靴底を示す略図である。
【図2】本発明による靴底の屈曲への反応の原理を表す略図である。
【図3】本発明による靴底の三次元テキスタイルの剛毛の分布を示す略図である。
【図4】本発明による靴底の換気原理を示す略図である。
【図5】本発明による靴底の湿気に対する絶縁の原理を表す略図である。
【符号の説明】
【0040】
1 上部第1外部衛生面(内底カバー)
2 内底
3 下部第2外部面(中底)
4 三次元テキスタイル構造
5 垂直ロッド
S 靴底



【特許請求の範囲】
【請求項1】
・ 滑り止めハニカム断面を示す上部第1外部衛生面(1)と、
・ 衝撃吸収ポリプロピレンでできた垂直ロッド(5)の形状をなす三次元テキスタイル構造(4)と、
・ 非常に良好な抗菌及び抗真菌性を有するポリエステルでできた高強度表面を示す下部第2外部面(3)とを備えた多層複合体からなることを特徴とする靴底。
【請求項2】
上部第1外部衛生面(1)が、抗菌、抗真菌及び帯電防止複合繊維でできていることを特徴とする請求項1に記載の靴底。
【請求項3】
上部第1外部衛生面が、靴の内底カバー(1)を形成することを特徴とする請求項1に記載の靴底。
【請求項4】
三次元テキスタイル構造(4)が、靴の内底(2)を形成することを特徴とする請求項1に記載の靴底。
【請求項5】
下部第2外部面が、靴の中底(3)を形成することを特徴とする請求項1に記載の靴底。
【請求項6】
三次元テキスタイル構造(4)が、足が静止する領域に応じて変化する多数の垂直ロッド(5)を含むことを特徴とする請求項1に記載の靴底。
【請求項7】
三次元テキスタイル構造(4)が、それぞれ内底カバー(1)及び中底(3)からなる外部面において殺生剤でできていることを特徴とする請求項1に記載の靴底。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−509603(P2009−509603A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532825(P2008−532825)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際出願番号】PCT/FR2006/002195
【国際公開番号】WO2007/036637
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(508097995)
【氏名又は名称原語表記】ACTIF WEAR
【Fターム(参考)】