説明

靴用脱臭器

【課題】靴用脱臭器の構造を簡素で小型なものとし、脱臭効率もよくすることができ、使用場所も制限されず利便性に優れる靴用脱臭器を提供することを目的としている。
【解決手段】吸気口7及び排気口11を有する本発明における筐体となる本体部1の内部に、交換可能な脱臭フィルター9、モーター駆動ファン6、電池収納部12、ファン駆動時間管理用のタイマー5を組込み、少なくとも上記吸気口7、脱臭フィルター9、モーター駆動ファン6、排気口11を直線上に配置したことにより構造は簡素且つ小型なものとなった。コードレスで使用できるため使用場所も制限されず利便性に優れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴用脱臭器として開発し、主としてブーツ内の脱臭を主目的とし、併せて短靴にも使用可能な靴用脱臭器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、靴内部に挿入し靴内の異臭及び悪臭を除去する脱臭器及びブーツ形状保持具は、提案されていた。
【0003】
特許文献1及び特許文献2は、オゾン生成、殺菌ランプ、紫外線発生、インバーター回路装置を必要とし、構造が複雑である。また、電源、ケーブルは外付けで使用場所が制限され利便性に欠ける。
【0004】
特許文献3は、形状が大きくコンパクト化されていない。更に、脱臭機能も活性炭を差込タイプで空気循環も悪く脱臭効率が悪い。
【特許文献1】特開2000−229115号 公開特許公報
【特許文献2】特開平11−104223号 公開特許公報
【特許文献3】特開2006−198055号 公開特許公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記のような従来の課題を解決するものであり、構造は簡素で小型化なものとし、脱臭効率も良くすることができ、使用場所も制限されず、利便性に優れる靴用脱臭器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、吸気口および排気口を有する筐体の内部に、交換可能な脱臭フィルター、モーター駆動ファン、電池収納部、ファン駆動時間管理用のタイマーを組込み、上記吸気口、脱臭フィルター、モーター駆動ファン、排気口を直線上に構成したものである。
【0007】
第2の発明は、第1の発明の改良に関するものであって、第1の発明における脱臭フィルターに、脱臭能力を再生する機能を有する光触媒を含有させたことで、長期間に渡る脱臭能力を付加した靴用脱臭器である。
【0008】
第3の発明は、第1の発明、又は第2の発明の改良に関するものであって、筐体成形材料に、抗菌剤を含有させたことにより、靴内で異臭及び悪臭を発生する菌に対して抗菌力を付加した靴用脱臭器である。
【0009】
第4の発明は、第1の発明、又は第2の発明、又は第3の発明の改良に関するものであって、筐体吸気口部内側に整流板を設ける手段を付加した靴用脱臭器である。
【0010】
第5の発明は、第1の発明、又は第2の発明、又は第3の発明、又は第4の発明の改良に関するものであって、筐体形状が人の足の形を模倣したものであって、長さ、厚さ、幅を一般成人女性の足のサイズより小さくした手段を付加した靴用脱臭器である。
【0011】
第6の発明は、第1の発明、又は第2の発明、又は第3の発明、又は第4の発明、又は第5の発明の改良に関するものである。靴用脱臭器は、左右一組からなるものであって、靴内に装着した場合、足を挿入する靴開口部から僅かに突出する長さの調整可能な伸縮棒が、上記筐体上部に着脱可能とされる手段を付加した靴用脱臭器である。
【0012】
第7の発明は、第6の発明の改良に関するものであって、上記伸縮棒が、上記筐体1個に対し1本使用するものであり、該伸縮棒は、左右端部に伸縮棒の固定機能を、中央部にブーツの固定機能を有する3点固定型クリップに連結固定して、左右ブーツの型崩れを防止する手段を付加した靴用脱臭器である。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明の効果であるが、吸気口および排気口を有する筐体の内部に、交換可能な脱臭フィルター、モーター駆動ファン、電池収納部、ファン駆動時間管理用のタイマーを組込み、上記吸気口、脱臭フィルター、モーター駆動ファン、排気口を直線上に構成したことで、靴内の異臭及び悪臭を素早く経済的に除去することが可能である。即ち、ファン駆動時間管理用のタイマーの設置により余剰のエネルギーを消費しないのである。
【0014】
第2の発明の効果であるが、上記脱臭フィルターは、脱臭能力を再生する機能を有する光触媒を含有させたことで長期間に渡り脱臭能力の持続を可能とすることができる。
【0015】
第3の発明の効果であるが、上記筐体は、成形材料に抗菌剤を含有させたことにより靴内で異臭及び悪臭を発生する菌に対して抗菌が可能である。
【0016】
第4の発明の効果であるが、当該靴用脱臭器は、筐体吸気口部内側に整流板を設けたことにより異臭及び悪臭を均一に分散してフィルターに吸着し偏りなく効果的な脱臭が可能である。
【0017】
第5の発明の効果であるが、上記筐体形状は、人の足の形を模倣したものであって、長さ、厚さ、幅を一般成人女性の足のサイズ(長さ約230mm,幅約80mm)より小さくしたことにより靴内側壁と密着しないため靴内部の効率的な空気循環が可能である。
【0018】
第6の発明の効果であるが、靴用脱臭器は、左右一組からなるものであって、靴内に装着した場合、足を挿入する靴開口部から僅かに突出する長さの調整可能な伸縮棒が、上記筐体上部に着脱が可能である。
【0019】
第7の発明の効果であるが、上記伸縮棒は、上記筐体1個に対し1本使用するものであり、該伸縮棒は、左右端部に伸縮棒の固定機能を、中央部にブーツの固定機能を有する3点固定型クリップに連結固定されて、左右ブーツの型崩れを防止することが可能である。
【0020】
本発明は、強制的に紫外線、オゾンを発生させることがなく環境に配慮した靴用脱臭器である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
図1は第1実施例を示す。
図1に示す様に本靴用脱臭器は、左右一組で用いられるものであって、ブーツ4内に装填され、ブーツ4の脱臭および型崩れ防止を行うものである。当該脱臭器は靴内の空気循環を良くするためブーツ4内の側壁に密着しない様に、長さ、厚さ、幅を一般成人女性の足のサイズ(長さ約230mm,幅約80mm)より小さくコンパクトに形成されている。
【0022】
当該脱臭器は本発明における筐体となる左右一組の本体部1と、左右一組の伸縮棒2と、クリップ3とで構成されている。
【0023】
図1に示す様に伸縮棒2は、足を挿入する靴開口部から僅かに突出する長さに調整可能であり、ブーツに固定した上記クリップ3と連結固定したことにより伸縮棒2が支柱になるため、脛部16(ここで「脛部16」とは、膝から足首までの部分をいう)の長いブーツ及び短いブーツの脛部16の折れによる型崩れを防止できる構造に形成されている。
【0024】
本体部1と伸縮棒2は、冶具を必要としない軽度な力で着脱できる。但し、当該脱臭器のブーツ4への挿入方向、離脱方向の力では接合部は外れない構造に形成されている。
【0025】
図4に示す様にクリップ3は、左右端部に本体部1に装着した伸縮棒2を固定し、中央部でブーツ4を連結固定する構造に形成されている。
【0026】
ファン駆動時間管理用のタイマー5を作動させることによりモーター駆動ファン6が回転する。モーター駆動ファン6によって吸気口7より異臭及び悪臭を吸気する構造に形成されている。
【0027】
本体内部吸気口7側には図2に示すように整流板8が設置されていて、整流板8後方(図2中8の右方)の脱臭フィルター9に異臭及び悪臭が均一に接触及び通過するように調整される構造に形成されている。
【0028】
脱臭フィルター9は本体部1中央部にフィルターケース10に収納され、図3に示すよう引出し方式のため本体部1を分解することなく容易に脱臭フィルター9が交換可能な構造に形成されている。
【0029】
脱臭フィルター9を通過した異臭及び悪臭はモーター駆動ファン6によって排気口11より排気される構造に形成されている。
【0030】
本体部1の電池収納部12とフタ13は軽度な力で装着でき、フタ13に有するロック解除機能でフタ13が外れ、簡単に電池14の交換が可能な構造に形成されている。
【0031】
当該脱臭器は、電源が単三電池14を使用する。そのため、コードレスで使用でき場所を限定することなく利便性に優れる構造に形成されている。
【0032】
当該脱臭器は、図2に示す様に足の裏側に当たる部位に吸気口7、整流板8、脱臭フィルター9、モーター駆動ファン6、排気口11を順次直線的に配置し、これらの上方部である足首に当たる部位に、ファン駆動時間管理用のタイマー5、電池収納部12を配置した。吸気口7から排気口11を直線上に配置したことにより靴内の空気循環が効率的に行われる構造に形成されている。
【0033】
図5は第2実施を示す。
図5に示すように本靴用脱臭器は短靴15内に装填され、第1実施例同様に実施される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1実施例の使用状態を示す斜視説明図。
【図2】靴用脱臭器の断面説明図。
【図3】脱臭フィルターのフィルターケースを取出した状態を示す斜視説明図。
【図4】伸縮棒とクリップ及びブーツの固定状態を示す説明図
【図5】第2実施例の使用状態を示す側面説明図。
【符号の説明】
【0035】
1 本体部
2 伸縮棒
3 クリップ
4 ブーツ
5 タイマー
6 モーター駆動ファン
7 吸気口
8 整流板
9 脱臭フィルター
10 フィルターケース
11 排気口
12 電池収納部
13 フタ
14 電池
15 短靴
16 脛部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口及び排気口を有する筐体の内部に、交換可能な脱臭フィルター、モーター駆動ファン、電池収納部、ファン駆動時間管理用のタイマーを組込み、少なくとも上記吸気口、脱臭フィルター、モーター駆動ファン、排気口を直線上に配置したことを特徴とする靴用脱臭器。
【請求項2】
上記脱臭フィルターは、脱臭能力を再生する機能を有する光触媒を含有させたことを特徴とする請求項1記載の靴用脱臭器。
【請求項3】
上記筐体は、成形材料に抗菌剤を含有させたことを特徴とする請求項1、又は請求項2記載の靴用脱臭器。
【請求項4】
上記筐体吸気口側内側部に、整流板を設けたことを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3記載の靴用脱臭器。
【請求項5】
上記筐体形状は、人の足の形を模倣したものであって、長さ、厚さ、幅を一般成人女性の足のサイズより小さくした請求項1、又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4記載の靴用脱臭器。
【請求項6】
靴用脱臭器は、左右一組からなるものであって、靴内に装着した場合、足を挿入する靴開口部から僅かに突出する長さの調整可能な伸縮棒が、上記筐体上部に着脱可能とされた請求項1、又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4、又は請求項5記載の靴用脱臭器。
【請求項7】
上記伸縮棒は、上記筐体1個に対し1本使用するものであり、該伸縮棒は、左右端部に伸縮棒の固定機能を、中央部にブーツの固定機能を有する3点固定型クリップに連結固定されて、左右ブーツの型崩れを防止するものである請求項6記載の靴用脱臭器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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