説明

靴紐の締め装置(apparatusforfasteningshoelace)

【課題】製品の操作上の利便性及び生産性の向上のため、簡単な操作で靴紐を締めたり、緩めることができ、しかも単純な構造によって部材や工程の追加が必要のない靴紐の締め装置を提供する。
【解決手段】内周にラチェットギア41が具備され、円筒型の内面を持つハウジング40とその上部を覆う、下面部に拘束突起が形成された回転カバー。上記ハウジング内側の下部に回転軸で結合され、上部に結合収容部を持つワイヤー巻き取りリール30。上記の回転カバーとリールの間に、一定方向に限定された回転動作を行うように、ラチェット合部が外周面側に突出するよう具備された反転防止アーム。回転カバーを逆方向に回転させた時、回転カバー下面の拘束突起による加圧で下方向にスライドし、上記のリール上部の結合収容部と結合することによって逆回転を可能にする弾性結合アームが下面に形成された回転制御盤20。これらの部品によって靴紐の締め装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術の分野】
【0001】
本発明は、簡素化した装置の構成によって、操作方法を簡便化して使用上の利便性を図るとともに、製品製造上の生産性を向上させる靴紐の締め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、靴は、靴に具備された靴紐を引っ張って締める事で、靴と使用者の足の密着性を高め、快適な歩行や走行が出来るようにする。足の健康においても、歩行の時、靴が足を圧迫しない範囲内でぴったり合うように靴紐を締めるのが望ましい。
靴を脱着する際には、靴紐を締めた歩行時の状態から、脱着しやすいように紐を緩める必要がある。
【0003】
しかし、靴を脱着する度に、靴紐を、締めたり、緩めたりするのは面倒であるため、特別な場合を除いては、適当に結んだ状態を保ちながら、靴を脱ぎ履きするのが一般的である。
その状態では、歩行中に靴紐が緩んで解ける場合があって、不便であり、又、固定されていない靴紐の両端は、だらしない印象を与える。
さらに、スポーツや登山の場合、状況や激しい動作中に、靴紐が何かに引っかかって解けると、運動能力や記録の低下、事故の発生など、望ましくない結果を招く。
又、競技や運動中の休息時に、しっかり締めた靴紐を容易に緩める事ができれば、身体や足の負担が軽減され、疲労回復に役立つ。
【0004】
上記のような理由から、靴紐の締めと緩めの操作を簡単且つ円滑に出来るように、ラッチェット方式の部品を使った多くの装置が開発されており、本出願人も同方式の部品を使った靴紐の締め装置を開発し、大韓民国の特許「10−0598627号」として登録されている。
【先行技術文献】
【0005】
【特許文献】
【特許文献】大韓民国登録特許「10−0598627」
【発明の概要】

【解決しようとする課題】
【0006】
従来のラチェット方式の靴紐の締め装置は、紐を締めるために回転部材を何度も回して靴紐を巻き、緩める場合は、手で解放用のボタンを押し続ける状態を保っていなければならなかった。そのため、操作が簡単ではなく、特に子供や高齢者が使うには、問題があった。
【0007】
又、従来の靴紐締め装置は、紐を緩める際、しっかりと解放ボタンを押してない場合、靴紐を緩める動作が中断することもあり、正確に、緩めることができず、製品に関する信頼性が損なわれることがあった。
【0008】
さらに、この問題を解決する為、上記回転部材の内側や周辺に、円滑で正確な動作を促す固定具を新たに配置すれば、構造が複雑になって部品や工程が増え、製品の生産性が著しく落ちてしまう問題があった。
【0009】
本発明は、簡便な装置の構成で、靴紐を締めたり緩めたりする際の操作性、利便性の向上及び、製造時の生産性が向上できるラチェット方式の部品を使った靴紐の締め装置を提供することを解決課題とする。
【課題の解決手段】
【0010】
上記の課題を解決する為に、本発明は、下記の部品によって、簡単な構造で、操作時の利便性に優れた靴紐の締め装置を提供する。
内周にラチェットギアが具備され、円筒型の内面を持つハウジングとその上部を覆うように回転可能で、下面部に拘束突起が形成された回転カバー。
上記ハウジング内側の下部に回転軸で結合され、回転出来るように配置され、上部に結合収容部を持つワイヤー巻き取りリール。
上記の回転カバーとリールの間に、上記ハウジングのラチェットギアと咬み合い、一定方向に限定された回転動作を行うように、ラチェット合部が外周面側に突出するよう具備された反転防止アーム。
回転カバーを逆方向に回転させた時、回転カバー下面の拘束突起による加圧で下方向にスライドし、上記のリール上部の結合収容部と結合することによって逆回転を可能にする弾性結合アームが下面に形成された回転制御盤。
【0011】
ここで、上記の反転防止アームのラチェット合部のもう一方の先端が、上記の回転制御盤の内側に形成された収容溝に着脱出来るように結合されていることが望ましい。
【0012】
上記のリール上面の結合収容部は、円周方向に沿って形成された複数個の結合溝によって構成され、弾性結合アーム上面は、回転カバーの拘束突起の回転にともなって接触し加圧するように傾斜を付けて形成され、その傾斜面が加圧された時、弾性結合アームの先端下部を下側にスライドさせ、リール部上面の結合収容部の溝と咬み合って結合するように形成されていることが望ましい。
このとき、上記の段差突起を含む弾性結合部は、上記の回転制御盤と一体成型されていることが望ましい。
【0013】
なお、回転制御盤に形成された弾性結合アームの代わりに、外側面が、回転カバーの回転時に、回転カバーの拘束突起の加圧を受けないように傾斜面に沿って勾配を付けて形成されており、内側面には、時計回りの回転時における回転カバーの拘束突起による加圧を受けて、内側に締まるように変形されて、結合収容部の代わりにリール上部に突出するように形成されたソウトゥースギアと結合するように、ソウトゥース型合部が形成された弾性ソウトゥースアームが具備されることもある。(図5参照)
【発明の効果】
【0014】
本発明による靴紐の締め装置の構造により、靴紐と一体に結合されて靴に取付けられた回転カバーを時計回り方向に回転させると、弾性結合アームの先端下部とリール上面の結合収容部が結合し、回転カバー、回転制御盤及びリールが一体となって回転し、ワイヤーを巻くことが出来る。
又、上記の回転カバーを逆方向に所定の角度だけ回転させるだけで、弾性結合アームと結合収容部の間の結合が解除され、回転制御盤とリールが独立して回転するため、ハウジングの外側に出たワイヤーの両端を引っ張るだけで、簡単にワイヤーを緩める調節ができる。
【0015】
本発明による靴紐の締め装置は、上記のように回転カバーを時計回り方向、反時計回り方向のどちらかに回転させる操作だけで、靴紐を締めたり、緩めることができるため、使用上の利便性が著しく向上する。
【0016】
又、操作の際、回転カバーの回転方向を時計回り方向、反時計回り方向のどちらかに回転させる操作だけで、別途に回転カバーを押し続ける等の上下方向の操作を行う必要がなく、誤作動や不完全操作による不便や危険性を排除することができる。
【0017】
本発明による靴紐の締め装置は、簡単な操作で、靴紐の調節ができる構造になっているが、従来の靴紐の締め装置と比べて構成が複雑になっているわけではなく、特別な部品を別途追加したり、生産工程を増やす必要もないため、製造時の生産性が著しく低下することはない。
特に、回転制御盤と段差突起が配備された弾性結合部とを一体成型することもできるため、成型面での生産性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例による靴紐の締め装置が取付けられた靴の斜視図。
【図2】本発明の実施例による靴紐の締め装置を示した分解図。
【図3a】乃至
【図3b】本発明の実施例に適用する弾性結合アームと結合収容部の相互動作を示した断面の投影図。
【図4a】乃至
【図4b】本発明の実施例による回転カバー及び回転制御盤の相互作用を示した断面図。
【図5】本発明の他の実施例による靴紐の締め装置を示した分解図。
【発明を実施する為の具体的な内容】
【0019】
添付の図面を参照して、本発明の望ましい実施例による靴紐の締め装置を以下に詳しく説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施例1による靴紐の締め装置が取付けられた靴の斜視図である。
図1で見られるように、本発明による靴紐の締め装置(100)は靴のタンの上面に取付けるが、デザイン等によっては、靴の側部に取り付ける事もできる。
ここで、上記の靴紐の締め装置(100)の回転カバーを回転させる事により、ワイヤー(w)が巻かれ、引っ張れるようになる。これを通じて、使用者の足の幅及び高さを含んだサイズに合うようにワイヤー(w)が適切に締まり、快適な歩行を実現する。
【0021】
図2は、本発明の実施例1による靴紐の締め装置を示した分解斜視図である。
図2で見られるように、本発明による靴紐の締め装置(100)は、ハウジング(40)、回転カバー(10)、リール(30)、そして回転制御盤(20)によって構成される。
【実施例1】
【0022】
上記のハウジング(40)の内周の上部にはラチェットギア(41)が具備され、ハウジングの下面は靴の外皮に固定される。又、上記ハウジング(40)は、円筒形の内面を持ち、円筒の内部空間に上記のリール(30)及び上記の回転制御盤(20)が順次、収容される。
上記回転カバー(10)は、ハウジング(40)の上部をカバーするように配置され、面回転するように具備される。
【0023】
この時、上記ハウジング(40)及び上記回転カバー(10)には、リール(30)及び回転制御盤(20)を貫通して回転できるように支持する回転軸(50)が結合され、その上端は、上記の回転カバーを貫通して結合される締め付けボルト(51)により、回転できるように支持される。
【0024】
又、上記の回転カバー(10)の下面部には複数の拘束突起(11)が下向きに形成され、上記の回転カバー(10)の外周面には使用者の指等で容易く回転できるように、弾力性のある合成ゴム等の材質で、円周方向に一定の間隔でグリップ用突起(15)が具備されるのが望ましい。
【0025】
上記のリール(30)は、上記のハウジング(40)の下端から貫通した回転軸に結合され、ワイヤー(w)を巻き取るために、外周の中央部の円周方向に沿って凹溝形状の取り巻き部(35)が形成される。
【0026】
上記のワイヤー(w)は、上記のハウジング(40)の側部を貫通して外部に出て、靴を締めたり、緩めたりできるように靴紐に繋げられる。
【0027】
上記のリール(30)の上面には結合収用部(31)が形成される。この結合収用部(31)は、円周方向に沿って形成された複数の結合溝(31a)で構成されるのが望ましい。
【0028】
又、上記の回転制御盤(20)は、回転カバー(10)とリール(30)の間に配置され、反転防止アーム(21)と弾性結合アーム(25)を含んで形成される。
上記の反転防止アーム(21)は、上記のラチェットギア(41)によって一方向の回転に限定されるように、ラチェット合部(21a)の歯が、外周面側に突出して配置される。
【0029】
ここで、上記の反転防止アーム(21)は、上記の回転制御盤(20)の外周面に沿うように配置されており、その先端部分は、逆方向に折り曲げられることでバネのような弾性を有し、その外側には、ラチェット形状の段差を持つラッチェット型合部(21a)が形成されているのが望ましい。
【0030】
この折り曲げられた形状により、反転防止アーム(21)には、弾性による変形のための十分な空間が確保され、上記の回転制御盤(20)の反時計回りの回転時には、確実に拘束し、時計回りの回転時には、上記の折り曲げられた部分で柔らかく弾性変形されて、上記のラチェットギア(41)の歯の傾斜面に沿って、柔らかく回転する事ができる。(図2参照)
【0031】
これにより、上記の回転制御盤(20)は一方向(時計方向)には回転できるが、上記のハウジング(40)のラチェットギア(41)と反転防止アーム(21)のラチェット型合部(21a)の間の拘束によって、逆回転(反時計回り)には回転しない状態を保つことができる。
【0032】
上記の反転防止アーム(21)に摩耗や破損が生じた場合、回転カバー(10)が反時計方向に回転しても拘束されないことが起きる。そのため、反転防止アーム(21)は、回転制御盤(20)と一体成型にもできるが、ラチェット型合部(21)のもう一方の先端部が、回転制御盤(20)の内側に形成された収容溝(22)に着脱できるようにすることもできる。それにより、反転防止アーム(21)が破損した場合でも維持補修のできる靴紐締め装置となる。
【0033】
回転制御盤(20)下部の弾性結合アーム(25)は、時計回り回転時の拘束突起(11)のスライドによる加圧のため、下に下げられ、弾性によって変形し、リールの結合収用部(31)と密着する。
上記の弾性結合アーム(25)は、上面が回転カバー(10)の回転にともなって、拘束突起(11)と接触し、拘束突起(11)が回転することによって生じる下側への加圧により、傾斜した勾配面に沿って、弾性結合アーム(25)の先端下部が下に押し下げられ、その下部が自動的にリール(30)上面の結合溝(31)に密着する形状であることが望ましい。
【0034】
上記の回転制御盤(20)は合成樹脂等の材料で射出成型できる。その際、上記の弾性結合アーム(25)は、回転制御盤(20)と一体成型される事が望ましい。それによって、上記の弾性結合アーム(25)の先端下部が、リール(30)の結合収容部(31)の結合溝(31a)に挿入され、結合した状態では、上記の回転制御盤(20)及びリール(30)が、より密着し、一体となって回転することができる。
【0035】
時計回り方向の外力が、回転カバー(10)に加わる場合、外力の伝達経路は、回転カバー(10)、拘束突起(11)、拘束リブ(24)、回転制御盤(20)、弾性結合アーム(25)、結合収容部(31)、リール(30)の順に伝わる。
反対に、弾性結合アーム(25)が加圧状態から解放され、上記の結合溝(31a)から離脱した状態では、回転制御盤(20)及びリール(30)は、それぞれ独立して回転する。
即ち、上記の弾性結合アーム(25)の先端下部と上記の結合溝(31a)の間の結合と分離によって、回転制御盤(20)及びリール(30)が、連動して回転したり、独立して回転したりすることができる。
【0036】
弾性結合アーム(25)が、円滑に挿入され、合致するように、結合収容部の結合溝(31a)は、ラチェットギアの歯の形状のように傾斜を付けて形成されることもある。弾性結合アーム(25)と結合収用部(31)の構造に関しての詳細を下記に説明する。
【0037】
図3a及び図3bは本発明の実施例1に適応する弾性結合部(25)と結合収用部(31)の相互作用を示した断面の投影図である。
図2及び図3aを参照すると、使用者が、回転カバー(10)を時計方向に回転させた時、上記の回転カバー(10)の下面に突出した拘束突起(11)が、弾性結合アーム(25)上面の傾斜した勾配面の上昇方向に沿って、スライド接触しながら下方向に加圧する。
【0038】
この時、上記の弾性結合アーム(25)の下部は、リール(30)上部に形成された結合溝(31)に挿入、拘束されるので、上記の回転カバー(10)、回転制御盤(20)及びリール(30)は一体となって時計方向に回転し、リール(30)に具備された溝に沿ってワイヤー(w)が巻きとられる。
【0039】
又、ワイヤー(w)が靴を適当に締める位に巻かれ、使用者による外力の提供が停止された後には、上記の回転制御盤(20)は、ラチェットギア(41)と反転防止アーム(21)のラチェット型合部(21a)の逆方向回転防止機能により、回転されない状態を保つので、上記のワイヤーが締まった状態を保つ事ができる。
【0040】
上記の弾性結合アーム(25)の上面は、傾斜しているため、上記の拘束突起(11)の下面は、弾性結合アーム(25)の傾斜した勾配面に沿って上り、段差突起(25a)を過ぎて引っ掛かることで、弾性結合アーム(25)の先端下部を下側に加圧している状態を安定的に維持できる。
【0041】
図2及び図3bに於いて、ワイヤー(w)を緩める場合を説明する。使用者が外力を掛け、上記の回転カバー(10)を反時計方向に所定角度回転させると、拘束突起(11)は、段差突起(25a)を超えて、弾性結合部(25)の傾斜した勾配面を下方向にスライドして、加圧状態を解除する。
【0042】
この時、上記の弾性結合アーム(25)の具備された回転制御盤(20)は上記のラチェットギア(41)とラチェット型合部(21a)による拘束のため、それ以上、反時計方向には回転できない状態を保つ。
【0043】
このように、上記の弾性結合アーム(25)に対する加圧状態が解除されると、弾性復元力により、弾性結合アーム(25)先端下部は、結合溝(31)を抜け出るように上昇して分離するので、上記の回転制御盤(20)及びリール(30)は、独立して回転する状態になる。
この状態で、使用者が、ワイヤー(w)の両端を引っ張ると、リール(30)単体で回転し、容易くワイヤー(w)を解く事ができる。
【0044】
即ち、回転カバー(10)を弾性結合アーム(25)への加圧状態が解除するだけの所定角度だけ反時計方向に回転させた後、ハウジング(40)の外側に露出したワイヤー(w)の両端を引っ張るだけで、リール(30)が回転し、簡単に靴紐として機能するワイヤー(w)を緩く調節できるため、ワイヤー(w)の締め及び解けの過程がとても単純で、高齢者や子供でも容易くワイヤーを操作する事ができる。
【0045】
図4及び図4bは本発明の実施例1による回転カバー及び回転制御盤の相互作用を示した断面図である。
図2及び図4aで示すように、回転制御盤(20)の反時計回り方向への回転時、反転防止アーム(21)は、ハウジングのラチェットギア(41)によって、拘束されるので、回転カバー(10)に加わる外力によっても回転出来ない反面、時計回り方向への回転は可能な状態になる。
【0046】
外力により回転カバー(10)が時計方向に回ると、その下面の拘束突起(11)が時計方向に回転し、上記の回転制御盤(20)上に突出された拘束リブ(24)に接触して、回転力を伝える事で、回転制御盤(20)も同時に時計方向に回転する。
【0047】
図3を参照して説明したように、拘束突起(11)により加圧された弾性結合アーム(25)が結合溝(31)に結合されると、リール(30)は、回転制御盤(20)と一緒に時計方向に回転しながら、ワイヤー(w)を巻き取る。
この時、巻かれたワイヤー(w)は解ける方向(反時計回り方向)には回転できないので、ワイヤー(w)が巻かれた状態を保つ事ができる。
【0048】
反面、図2及び図4bに示したように、拘束突起(11)は回転制御盤(20)上に突出された各拘束リブ(24)の間の空間では反時計回り方向に回ることもできる。
上記の回転カバー(10)を所定角度、反時計回り方向に回すと、上記の拘束突起(11)が弾性結合アーム(25)の加圧状態を解除する方向に移動する。
したがって、図3bで見られるように、弾性結合アーム(25)が結合溝(31)から離脱し、回転制御盤(20)とリール(30)は、それぞれ独立して回転する状態になる。
この時、ハウジング(40)の外側に露出されたワイヤー(w)の両端を引っ張るだけで、簡単に靴紐として機能するワイヤー(w)を解いたり、緩く調節することができる。
【実施例2】
【0049】
図5は本発明の他の実施例による靴紐の締め装置の分解斜視図である。
【0050】
本実施例による靴紐の締め装置(101)では、回転制御盤に具備される弾性結合アーム(25)とリールに具備される結合収用部の構造を除いた基本的な構成や構造は、前述の実施例1と同じであるので、同部分以外に関する説明は省略する。
【0051】
図5に於いて、回転制御盤(120)の反転防止アーム(121)は、ハウジング(140)のラチェットギア(141)と連動して、反時計回り方向への回転を防止し、回転制御盤(120)は、時計回り方向にのみ回転できる。
【0052】
回転カバー(110)の下面に突出された拘束突起(111)は、回転制御盤(120)に形成された案内溝(123)に挿入される。この時、案内溝(123)の内側の枠に、内周面にリール(130)上面に突出させたソウトゥースギア(131)と結合するソウトゥース型合部(124)が形成され弾性的に内側に、締まったり、広がる構造の弾性ソウトゥースアーム(125)を形成する。
【0053】
即ち、実施例1で示したワイヤー(w)を巻き取るリール部(30)に具備される結合収用部(31)は上記のリール(130)の上部に突出するように具備されるソウトゥースギア(131)に代用することができる。
又、上記の回転制御盤(120)に具備される弾性結合アームを弾性ソウトゥースアーム(125)に代用することもできる。
【0054】
上記の弾性ソウトゥースアーム(125)は、その外側面が回転カバー(110)の拘束突起(111)の回転によって加圧される勾配面に形成され、その勾配面への拘束突起(111)による加圧の時、必然的に内側に締まるように弾性変形され、その内周には、上記のソウトゥースギア(131)と結合するようにソウトゥース型合部(126)が形成されるのが望ましい。
【0055】
又、上記ソウトゥースアーム(125)の勾配面には、ソウトゥースアーム(125)に加圧した状態を保つように上記の回転された拘束突起(111)と接触し、拘束する段差突起(125a)が、形成されるのが望ましい。
【0056】
この時、上記のソウトゥースアーム(125)の外側面に形成された勾配面は、拘束突起(111)の時計回り回転の時には加圧され、逆方向の回転の時は、加圧状態が解除するように傾斜面が形成される。
【0057】
使用者が、回転カバー(110)に外力を掛ける事により、拘束突起(111)が、時計回り方向に回転されると、拘束突起(111)の内側面にソウトゥースアーム(125)の勾配面に沿って、接触し、移動しながら、内側に加圧する。
【0058】
この時、ソウトゥースアーム(125)の内周に形成されたソウトゥース型合部が、リール上部のソウトゥースギア(131)に結合し、回転制御盤(120)及びリール(130)は、一体となって回転される構造になっている。従って、リール(130)が時計回り方向に回転しながら、ワイヤーを巻き取ることができる。
【0059】
逆に、上記の拘束突起(111)が反時計回り方向に回ると、拘束突起(111)が、ソウトゥースアーム(125)の勾配面に沿ってスライド接触し、移動しながら加圧状態を解除する。この時、上記のソウトゥース型合部(126)とソウトゥースギア(131)の結合状態は解除され、回転制御盤(120)及びリール(130)は、独立して回転する状態になる。
【0060】
即ち、回転カバー(110)を上記のソウトゥースアーム(125)の加圧状態が解除されるだけの所定角度の反時計回り方向に回転させた後、ハウジング(140)の外側に露出されたワイヤー(w)の両端を引っ張ると、リール(130)が回転し、簡便に靴紐として機能する上記のワイヤー(w)を緩く調節する事ができる。
よって、ワイヤー(w)の締め及び解けの操作が単純で、高齢者及び子供にも容易くワイヤーを調節することができる。
【0061】
以上の説明の通り、本発明は、前述した各実施例に限った事ではなく、本発明の請求項で請求した範囲を外れることなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を持った者により変形実施されることは可能であり、このような変形実施は、本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0062】
W:ワイヤー
100:靴紐の締付け装置
10:回転カバー
11:拘束突起
20:回転制御盤
21:反転防止アーム
21a:ラチェット型合部
22:収容溝
24:拘束リブ
25:弾性結合アーム
25a:段差突起
30:リール
31:結合収容部
31a:結合溝
35:巻き取り部
40:ハウジング
41:ラチェットギア
50:回転軸
51:締め付けボルト
101:靴紐の締付け装置
110:回転カバー
111:拘束突起
120:回転制御盤
121:反転防止アーム
123:案内溝
124:ソウトゥース型合部
125:ソウトゥースアーム
125a:段差突起
130:リール
131:ソウトゥースギア
140:ハウジング
141:ラチェットギア
150:回転軸
151:締め付けボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周にラチェットギアが具備され、円筒型の内面を持つハウジングとその上部を覆うように回転可能で、下面部に拘束突起が形成された回転カバー。
上記ハウジング内側の下部に回転軸で結合され、回転出来るように配置され、上部に結合収容部を持つワイヤー巻き取りリール。
上記の回転カバーとリールの間に、上記ハウジングのラチェットギアと咬み合い、一定方向に限定された回転動作を行うように、ラチェット合部が外周面側に突出するよう具備された反転防止アーム。
回転カバーを逆方向に回転させた時、回転カバー下面の拘束突起による加圧で下方向にスライドし、上記のリール上部の結合収容部と結合することによって逆回転を可能にする弾性結合アームが下面に形成された回転制御盤。
これらの部品によって簡単な構造で操作時の利便性に優れた靴紐の締め装置。
【請求項2】
第1項において、反転防止アームのラチェット合部のもう一方の先端が、上記の回転制御盤の内側に形成された収容溝に着脱出来るように結合していることを特徴とする靴紐の締め装置。
【請求項3】
第1項において、上記のリール上面の結合収容部が、円周方向に沿って形成された複数の結合溝によって構成され、上面に段差突起が具備された弾性結合アーム上面は、回転カバーの拘束突起が回転にともなって接触し加圧するよう傾斜を付けて形成され、その傾斜面が加圧された時、弾性結合アームの先端下部が下方向に降りて、リール部上面の結合収容部の結合溝と咬み合って結合するように形成されていることを特徴とする靴紐の締め装置。
【請求項4】
第3項において、上記の弾性結合アームは、上記の回転制御盤と一体に形成されることを特徴とする靴紐の締め装置。
【請求項5】
第1項の回転制御盤の内面に弾性ソウトゥースアームを形成し、その外側面は、回転カバーを回転させた時、回転カバーに具備された拘束突起の加圧を受けないように傾斜を付けて形成されており、内側面には、時計回りの回転時における回転カバーの拘束突起による加圧を受け、内側に締まるように変形されて、結合収容部の代わりにリール上部に突出するように形成されたソウトゥースギアと結合するように、ソウトゥース型合部が形成されていることを特徴とする靴紐の締め装置。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−22467(P2013−22467A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−170424(P2012−170424)
【出願日】平成24年7月13日(2012.7.13)
【出願人】(504396173)
【氏名又は名称原語表記】SHIN KYUNG CHEMICAL CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】1048−8,Obang−Dong,Kimhae−Shi,Kyungnam,Korea
【Fターム(参考)】