鞍乗型車両
【課題】排気通路の通気抵抗を低減しつつ、酸素センサの検出精度を向上させることができる鞍乗型車両を提供する。
【解決手段】排気通路68を備えるエンジン34と、エンジン34に取り付けられて、排ガスに含まれる酸素を検出する酸素センサ72とを備える。エンジン34は、排気通路68の内面に設けられ、排気通路68の通路断面積を拡大する凹部70と、凹部70の内面に開口する挿入孔76とを有する。酸素センサ72は、その先端が凹部70内に位置する状態で、挿入孔76に挿入される。
【解決手段】排気通路68を備えるエンジン34と、エンジン34に取り付けられて、排ガスに含まれる酸素を検出する酸素センサ72とを備える。エンジン34は、排気通路68の内面に設けられ、排気通路68の通路断面積を拡大する凹部70と、凹部70の内面に開口する挿入孔76とを有する。酸素センサ72は、その先端が凹部70内に位置する状態で、挿入孔76に挿入される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗型車両のエンジンの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
鞍乗型車両には、例えば、自動二輪車がある。近年、自動二輪車には、酸素センサが設けられている。酸素センサは、排気通路に配置される。酸素センサは、排ガスに含まれる酸素を検出する。
【0003】
例えば、特開2004−316430号公報には、酸素センサを備えた自動二輪車が開示されている。この公報において、自動二輪車は、シリンダヘッドを備える。シリンダヘッドは、排気ポートを備える。酸素センサは、排気ポートに取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−316430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
酸素センサの検出精度を向上させるためには、排ガスが酸素センサに接触し易いようにする必要がある。しかしながら、排気通路内への酸素センサの突出量を大きくすると、排気通路の通気抵抗が増大する。
【0006】
本発明の目的は、排気通路の通気抵抗を低減しつつ、酸素センサの検出精度を向上させることができる鞍乗型車両を提供することである。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0007】
本発明の鞍乗型車両は、排ガスが流れる排気通路を備えるエンジンと、エンジンに取り付けられて、排ガスに含まれる酸素を検出する酸素センサとを備え、エンジンは、排気通路の内面に設けられ、排気通路の通路断面積を拡大する凹部と、凹部の内面に開口し、酸素センサが挿入される挿入孔とを有し、挿入孔の長さ方向を第1方向とし、排気通路の長さ方向を第2方向とし、第1方向および第2方向のいずれにも直交する方向を第3方向とした場合に、排気通路は、凹部が形成された位置で、第1方向および第3方向の少なくとも一方において、前記排気通路のうち前記凹部の上流側よりも幅が広くなっており、酸素センサは、前記酸素センサの先端が前記凹部内に位置している状態で、前記挿入孔に挿入されている。
【0008】
本発明の鞍乗型車両は、排気通路の通気抵抗を低減しつつ、酸素センサの検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態による自動二輪車の全体構成を示す左側面図である。
【図2】図1に示す自動二輪車が備えるパワーユニットを示す左側面図である。
【図3】エンジンおよびエアクリーナを示す左側面図である。
【図4】エンジンおよびエアクリーナを示す右側面図である。
【図5】エンジンを示す正面図である。
【図6】エアクリーナの一部とエンジンを示す底面図である。
【図7】ヘッド本体が備えるポートの正面図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII断面図である。
【図9】図7におけるIX−IX断面図である。
【図10】酸素センサの取付位置の応用例を示すポートの正面図である。
【図11】図10におけるXI−XI断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態]
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態に係る鞍乗型車両について説明する。本実施形態では、鞍乗型車両として、スクーター型式の自動二輪車を例に説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその部材についての説明は繰り返さない。
【0011】
[全体構成]
図1は、本発明の実施の形態による自動二輪車10の左側面図である。なお、以下の説明において、前後左右とは、自動二輪車10のシート28に着座した乗員から見た前後左右を意味する。図1において、矢印Fは自動二輪車10の前方向を示し、矢印Uは自動二輪車10の上方向を示す。
【0012】
自動二輪車10は、車体フレーム12を備える。車体フレーム12の前端部には、ヘッドパイプ14が設けられている。
【0013】
ヘッドパイプ14には、ステアリングシャフト16が左右方向に回転可能に挿入されている。ステアリングシャフト16の上端には、ハンドル18が取り付けられている。ハンドル18を操作することにより、ステアリングシャフト16が回転する。
【0014】
ステアリングシャフト16の下端には、ブラケット20が取り付けられている。ブラケット20には、一対のフロントフォーク22,22の上端部が取り付けられている。一対のフロントフォーク22,22は、前輪24を回転可能に支持する。
【0015】
車体フレーム12は、車体カバー26によって覆われている。車体カバー26は、例えば、合成樹脂製である。
【0016】
車体フレーム12の後側の上方には、シート28が配置されている。シート28の下方には、収納スペースが形成されている。収納スペースには、例えば、ヘルメット等が収納される。
【0017】
車体フレーム12の後側の下方には、パワーユニット30が配置されている。車体フレーム12は、パワーユニット30を上下方向に揺動可能に支持する。
【0018】
パワーユニット30の後端には、後輪32が回転可能に取り付けられている。パワーユニット30の動力が後輪32に伝達されることにより、後輪32が回転する。
【0019】
[パワーユニット]
図2を参照しながら、パワーユニット30について説明する。図2は、パワーユニット30の左側面図である。図2において、矢印Fは自動二輪車10の前方向を示し、矢印Uは自動二輪車10の上方向を示す。パワーユニット30は、エンジン34と、変速機36とを備える。
【0020】
エンジン34は、例えば、4ストロークの単気筒エンジンである。エンジン34は、自動二輪車10の動力を発生させる。エンジン34は、空冷であってもよいし、水冷であってもよい。
【0021】
変速機36は、無段変速機である。変速機36は、エンジン34が発生させた動力を、後輪32(図1参照)に伝達する。
【0022】
[エンジン]
図3〜6を参照しながら、エンジン34について説明する。図3は、エンジン34およびエアクリーナ50を示す左側面図である。図4は、エンジン34およびエアクリーナ50を示す右側面図である。図5は、エンジン34の正面図である。図6は、エアクリーナ50の一部とエンジン34を示す底面図である。図3,4では、エアクリーナ50がエンジン34の前方に位置している。図6では、エンジン34の前方に位置するエアクリーナ50の一部が図示されている。図5では、エアクリーナ50の図示は省略している。図3,4において、矢印Fは自動二輪車10の前方向を示し、矢印Uは自動二輪車10の上方向を示す。図5において、矢印Lは自動二輪車10の左方向を示し、矢印Uは自動二輪車10の上方向を示す。図6において、矢印Fは自動二輪車10の前方向を示し、矢印Lは自動二輪車10の左方向を示す。
【0023】
エンジン34は、シリンダ38を有する。シリンダ38は、ピストンの直線往復運動をガイドする。図2,3に示すように、シリンダ38の軸線(シリンダ軸線L)は、車両の前後方向に対して、僅かに傾斜している。シリンダ軸線Lは、前方斜め上に向かって延びている。シリンダ38の前端は、シリンダ38の後端よりも上方に位置する。
【0024】
シリンダ38は、シリンダボディ40及びシリンダヘッド42を有する。
【0025】
シリンダボディ40は、変速機36を収容するミッションケース37の前端に取り付けられる。シリンダボディ40内に、ピストンが配置されている。
【0026】
シリンダヘッド42は、ヘッド本体44及びヘッドカバー46を有する。
【0027】
ヘッド本体44は、シリンダボディ40の前部に取り付けられる。ヘッド本体44は、ピストンとともに燃焼室を形成する。ヘッド本体44には、カムシャフトが配置されている。カムシャフトは、バルブを駆動する。バルブは、燃焼室の吸排気を行う。
【0028】
ヘッドカバー46は、ヘッド本体44の前部に取り付けられる。ヘッドカバー46は、カムシャフトを覆う。
【0029】
シリンダヘッド42の近くには、吸気システム47が配置されている。吸気システム47は、混合気を生成して燃焼室に供給する。図3〜6に示す例では、吸気システム47は、シリンダヘッド42の前方から上方に亘って配置されている。
【0030】
図3及び図4に示すように、吸気システム47は、エアクリーナ48、吸気パイプ49、スロットルボディ50、マニホールド51、インジェクタ52及びセンサ53を含む。
【0031】
エアクリーナ48は、エアクリーナエレメントを収容する。エアクリーナ48は、シリンダヘッド42の前方に配置されている。
【0032】
吸気パイプ49は、エアクリーナ48の上方に位置する。吸気パイプ49の一端は、エアクリーナ48に接続されている。吸気パイプ49の他端は、スロットルボディ50に接続されている。吸気パイプ49は、エアクリーナエレメントを通過した空気をスロットルボディ50へ誘導する。
【0033】
スロットルボディ50は、吸気パイプ49の後方に位置する。スロットルボディ50の一端は、吸気パイプ49に接続されている。スロットルボディ50の他端は、マニホールド51に接続されている。スロットルボディ50は、スロットルバルブを収容する。スロットルバルブは、空気の流量を調整する。
【0034】
マニホールド51は、スロットルボディ50の後方に位置する。マニホールド51の一端は、スロットルボディ50に接続されている。マニホールド51の他端は、ヘッド本体44に接続されている。マニホールド51は、スロットルバルブによって流量が調整された空気をヘッド本体44へ誘導する。
【0035】
インジェクタ52は、ヘッド本体44に取り付けられている。インジェクタ52は、例えば、ヘッド本体44が備える吸気ポートに取り付けられる。吸気ポートには、マニホールド51の他端が接続される。インジェクタ52は、エアクリーナエレメントを通過した空気であって、且つ、スロットルバルブによって流量が調整された空気に燃料を噴射する。これにより、混合気が生成される。スロットルバルブの開閉量に応じて、燃焼室に供給される混合気の量が変化する。
【0036】
センサ53(図3参照)は、スロットルボディ50に取り付けられている。センサ53は、エンジン34の状態を検出する。センサ53は、例えば、エンジン34の出力を制御するための信号を出力する。センサ53は、例えば、吸気管圧力センサ、吸気温度センサ、スロットルポジションセンサである。吸気管圧力センサは、吸気圧を検出する。吸気温度センサは、吸気温を検出する。スロットルポジションセンサは、スロットルバルブの開度を検出する。本実施形態では、センサ53は、吸気管圧力センサ、吸気温度センサ及びスロットルポジションセンサのそれぞれが有する機能を備えた統合センサである。センサ53が検出する吸気圧に基づいて、インジェクタ52による燃料の噴射量が決定される。
【0037】
図4に示すように、ヘッド本体44の右側面には、点火プラグ58が取り付けられている。点火プラグ58は、燃焼室内で圧縮された混合気に点火する。これにより、混合気が爆発・燃焼する。
【0038】
図3に示すように、ヘッドカバー46の左側面には、点火コイル60が配置されている。点火コイル60は、点火プラグ58が混合気に点火する際に必要な電圧を生成する。
【0039】
図5,6に示すように、点火プラグ58と点火コイル60とが、プラグコード62によって接続されている。プラグコード62は、点火コイル60が生成した高電圧の電流を点火プラグ58へ流す。
【0040】
図3〜6に示すように、ヘッド本体44の下面には、排気ポート64が設けられている。排気ポート64には、排気管66が接続されている。
【0041】
[排気通路]
図7〜9に示すように、ヘッド本体44には、排気通路68が設けられている。図7は、ヘッド本体44が備える排気ポート64の正面図である。図8は、図7におけるVIII−VIII断面図である。図9は、図7におけるIX−IX断面図である。
【0042】
排気通路68は、燃焼室に接続されている。排気通路68は、燃焼室で生成された排ガスを排気管66へ流す。つまり、排気通路68の少なくとも一部は、排気ポート64に形成されている。
【0043】
ここで、図7の上下方向(シリンダ38の軸線方向)を第1方向とし、排気通路68の通路方向を第2方向とし、図7の左右方向(車両の左右方向)を第3方向とする。排気通路68は、第3方向に湾曲している。具体的には、図9に示すように、車両の左側に湾曲している。
【0044】
[凹部]
排気ポート64は、凹部70を有する。凹部70は、排気通路68の内周面に設けられている。排気通路68は、凹部70が形成された位置で、通路断面積が拡大している。
【0045】
凹部70は、排気通路68の中心Cよりも車両の右側に位置する。ここで、排気通路68の中心Cは、排気通路68の第1方向の中心であって、且つ、排気通路68の第3方向の中心をいう。つまり、凹部70は、排気通路68の内周側に位置する。排気通路68は、凹部70が形成された位置で、第3方向の幅寸法が大きくなっている。
【0046】
[酸素センサ]
排気ポート64には、酸素センサ72が設けられている。酸素センサ72は、検出部74を有する。検出部74は、酸素センサ72の軸方向一端に位置する。検出部74は、排ガスに含まれる酸素を検出する。酸素センサ72は、ヒータレスの酸素センサである。
【0047】
酸素センサ72は、排気通路68の中心Cよりもヘッドカバー46側において排気ポート64に取り付けられている。
【0048】
具体的には、排気ポート64は、挿入孔76を有する。挿入孔76は、排気通路68の中心Cよりもヘッドカバー46側であって且つ車両右側に位置する。挿入孔76は、第1方向に延びている。挿入孔76の内周面には、ねじ溝が形成されている。
【0049】
酸素センサ72は、取付部78を有する。取付部78は、酸素センサ72の軸線方向に延びている。取付部78の外周面には、ねじ山が形成されている。
【0050】
酸素センサ72は、挿入孔76に挿入される。このとき、取付部78のねじ山が、挿入孔76のねじ溝に噛み合う。その結果、酸素センサ72が、排気ポート64に取り付けられる。この状態で、酸素センサ72の軸線は、シリンダ38の軸線(シリンダ軸線L:図2,3参照)が延びる方向(第1方向)に延びている。
【0051】
挿入孔76は、凹部70の内面に開口する。取付部78が挿入孔76に取り付けられた状態で、酸素センサ72の先端(検出部74)は、凹部70内に位置する。つまり、検出部74は、凹部70内の空間に露出されている。
【0052】
図9に示すように、凹部70において酸素センサ72の先端よりも排気通路68の上流側では、排気通路68の上流側から下流側に向かって凹部70の第3方向の幅寸法が徐々に大きくなっている。換言すれば、凹部70における酸素センサ72よりも排気通路68の上流側には、第1方向および第3方向の少なくとも一方について排気通路68の上流側よりも下流側で幅の広い空間が形成されている。
【0053】
[本実施形態の効果]
本実施形態では、酸素センサ72の先端が、凹部70内に位置する。排気通路68の通気抵抗が抑えられる。酸素センサ72の先端(検出部74)に排ガスが接触し易い。検出部74を活性化させ易い。酸素センサ72の検出精度が向上する。
【0054】
本実施形態では、凹部70において酸素センサ72の先端よりも排気通路68の上流には、排気通路68の上流から下流に向かって第3方向に徐々に幅が広がる空間が形成されている。凹部70内に乱流が発生し難くなる。酸素センサ72の先端に排ガスが供給され易い。
【0055】
本実施形態では、酸素センサ72が、排気通路68の中心Cに対して、第3方向にオフセットしている。酸素センサ72のヘッドカバー46側への突出量が抑えられる。
【0056】
本実施形態では、排気通路68が第3方向に湾曲している。酸素センサ72が排気通路68の内周側に配置されている。酸素センサ72を燃焼室に近づけることができる。
【0057】
本実施形態では、酸素センサ72がヒータレスの酸素センサである。酸素センサ72のサイズが小さくなる。
【0058】
本実施形態では、酸素センサ72が排気ポート64に取り付けられている。酸素センサ72の取り付けが容易になる。
【0059】
[酸素センサの取付位置の応用例]
酸素センサ72は、必ずしも排気通路68の中心Cに対して第3方向にオフセットしていなくてもよい。例えば、図10,11に示すように、排気通路68の中心Cの真上に酸素センサ72が位置してもよい。図10は、酸素センサの取付位置の応用例を示すポートの正面図である。図11は、図10におけるXI−XI断面図である。この場合、凹部70は、図10に示すように、排気通路68の中心Cの真上に位置する。
【0060】
上記の実施形態では、酸素センサ72が、排気通路68の中心Cに対して、内周側にオフセットしていたが、外周側にオフセットしていてもよい。つまり、酸素センサ72は、排気通路68の中心Cに対して、車両の左側にオフセットしていてもよい。この場合、凹部70は、排気通路68の中心Cよりも、車両の左側に位置する。この場合、排気ポート64のヘッド本体44からの突出量(排気ポート64の全長)が抑えられる。ヘッド本体44の小型化及び軽量化を図ることができる。
【0061】
上記の実施形態では、自動二輪車について説明したが、本発明はこれに限らず、3又は4輪のリーニング車両等であっても適用できる。
【0062】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0063】
10 自動二輪車
34 エンジン
42 シリンダヘッド
64 排気ポート
68 排気通路
70 凹部
72 酸素センサ
76 挿入孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗型車両のエンジンの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
鞍乗型車両には、例えば、自動二輪車がある。近年、自動二輪車には、酸素センサが設けられている。酸素センサは、排気通路に配置される。酸素センサは、排ガスに含まれる酸素を検出する。
【0003】
例えば、特開2004−316430号公報には、酸素センサを備えた自動二輪車が開示されている。この公報において、自動二輪車は、シリンダヘッドを備える。シリンダヘッドは、排気ポートを備える。酸素センサは、排気ポートに取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−316430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
酸素センサの検出精度を向上させるためには、排ガスが酸素センサに接触し易いようにする必要がある。しかしながら、排気通路内への酸素センサの突出量を大きくすると、排気通路の通気抵抗が増大する。
【0006】
本発明の目的は、排気通路の通気抵抗を低減しつつ、酸素センサの検出精度を向上させることができる鞍乗型車両を提供することである。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0007】
本発明の鞍乗型車両は、排ガスが流れる排気通路を備えるエンジンと、エンジンに取り付けられて、排ガスに含まれる酸素を検出する酸素センサとを備え、エンジンは、排気通路の内面に設けられ、排気通路の通路断面積を拡大する凹部と、凹部の内面に開口し、酸素センサが挿入される挿入孔とを有し、挿入孔の長さ方向を第1方向とし、排気通路の長さ方向を第2方向とし、第1方向および第2方向のいずれにも直交する方向を第3方向とした場合に、排気通路は、凹部が形成された位置で、第1方向および第3方向の少なくとも一方において、前記排気通路のうち前記凹部の上流側よりも幅が広くなっており、酸素センサは、前記酸素センサの先端が前記凹部内に位置している状態で、前記挿入孔に挿入されている。
【0008】
本発明の鞍乗型車両は、排気通路の通気抵抗を低減しつつ、酸素センサの検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態による自動二輪車の全体構成を示す左側面図である。
【図2】図1に示す自動二輪車が備えるパワーユニットを示す左側面図である。
【図3】エンジンおよびエアクリーナを示す左側面図である。
【図4】エンジンおよびエアクリーナを示す右側面図である。
【図5】エンジンを示す正面図である。
【図6】エアクリーナの一部とエンジンを示す底面図である。
【図7】ヘッド本体が備えるポートの正面図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII断面図である。
【図9】図7におけるIX−IX断面図である。
【図10】酸素センサの取付位置の応用例を示すポートの正面図である。
【図11】図10におけるXI−XI断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態]
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態に係る鞍乗型車両について説明する。本実施形態では、鞍乗型車両として、スクーター型式の自動二輪車を例に説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその部材についての説明は繰り返さない。
【0011】
[全体構成]
図1は、本発明の実施の形態による自動二輪車10の左側面図である。なお、以下の説明において、前後左右とは、自動二輪車10のシート28に着座した乗員から見た前後左右を意味する。図1において、矢印Fは自動二輪車10の前方向を示し、矢印Uは自動二輪車10の上方向を示す。
【0012】
自動二輪車10は、車体フレーム12を備える。車体フレーム12の前端部には、ヘッドパイプ14が設けられている。
【0013】
ヘッドパイプ14には、ステアリングシャフト16が左右方向に回転可能に挿入されている。ステアリングシャフト16の上端には、ハンドル18が取り付けられている。ハンドル18を操作することにより、ステアリングシャフト16が回転する。
【0014】
ステアリングシャフト16の下端には、ブラケット20が取り付けられている。ブラケット20には、一対のフロントフォーク22,22の上端部が取り付けられている。一対のフロントフォーク22,22は、前輪24を回転可能に支持する。
【0015】
車体フレーム12は、車体カバー26によって覆われている。車体カバー26は、例えば、合成樹脂製である。
【0016】
車体フレーム12の後側の上方には、シート28が配置されている。シート28の下方には、収納スペースが形成されている。収納スペースには、例えば、ヘルメット等が収納される。
【0017】
車体フレーム12の後側の下方には、パワーユニット30が配置されている。車体フレーム12は、パワーユニット30を上下方向に揺動可能に支持する。
【0018】
パワーユニット30の後端には、後輪32が回転可能に取り付けられている。パワーユニット30の動力が後輪32に伝達されることにより、後輪32が回転する。
【0019】
[パワーユニット]
図2を参照しながら、パワーユニット30について説明する。図2は、パワーユニット30の左側面図である。図2において、矢印Fは自動二輪車10の前方向を示し、矢印Uは自動二輪車10の上方向を示す。パワーユニット30は、エンジン34と、変速機36とを備える。
【0020】
エンジン34は、例えば、4ストロークの単気筒エンジンである。エンジン34は、自動二輪車10の動力を発生させる。エンジン34は、空冷であってもよいし、水冷であってもよい。
【0021】
変速機36は、無段変速機である。変速機36は、エンジン34が発生させた動力を、後輪32(図1参照)に伝達する。
【0022】
[エンジン]
図3〜6を参照しながら、エンジン34について説明する。図3は、エンジン34およびエアクリーナ50を示す左側面図である。図4は、エンジン34およびエアクリーナ50を示す右側面図である。図5は、エンジン34の正面図である。図6は、エアクリーナ50の一部とエンジン34を示す底面図である。図3,4では、エアクリーナ50がエンジン34の前方に位置している。図6では、エンジン34の前方に位置するエアクリーナ50の一部が図示されている。図5では、エアクリーナ50の図示は省略している。図3,4において、矢印Fは自動二輪車10の前方向を示し、矢印Uは自動二輪車10の上方向を示す。図5において、矢印Lは自動二輪車10の左方向を示し、矢印Uは自動二輪車10の上方向を示す。図6において、矢印Fは自動二輪車10の前方向を示し、矢印Lは自動二輪車10の左方向を示す。
【0023】
エンジン34は、シリンダ38を有する。シリンダ38は、ピストンの直線往復運動をガイドする。図2,3に示すように、シリンダ38の軸線(シリンダ軸線L)は、車両の前後方向に対して、僅かに傾斜している。シリンダ軸線Lは、前方斜め上に向かって延びている。シリンダ38の前端は、シリンダ38の後端よりも上方に位置する。
【0024】
シリンダ38は、シリンダボディ40及びシリンダヘッド42を有する。
【0025】
シリンダボディ40は、変速機36を収容するミッションケース37の前端に取り付けられる。シリンダボディ40内に、ピストンが配置されている。
【0026】
シリンダヘッド42は、ヘッド本体44及びヘッドカバー46を有する。
【0027】
ヘッド本体44は、シリンダボディ40の前部に取り付けられる。ヘッド本体44は、ピストンとともに燃焼室を形成する。ヘッド本体44には、カムシャフトが配置されている。カムシャフトは、バルブを駆動する。バルブは、燃焼室の吸排気を行う。
【0028】
ヘッドカバー46は、ヘッド本体44の前部に取り付けられる。ヘッドカバー46は、カムシャフトを覆う。
【0029】
シリンダヘッド42の近くには、吸気システム47が配置されている。吸気システム47は、混合気を生成して燃焼室に供給する。図3〜6に示す例では、吸気システム47は、シリンダヘッド42の前方から上方に亘って配置されている。
【0030】
図3及び図4に示すように、吸気システム47は、エアクリーナ48、吸気パイプ49、スロットルボディ50、マニホールド51、インジェクタ52及びセンサ53を含む。
【0031】
エアクリーナ48は、エアクリーナエレメントを収容する。エアクリーナ48は、シリンダヘッド42の前方に配置されている。
【0032】
吸気パイプ49は、エアクリーナ48の上方に位置する。吸気パイプ49の一端は、エアクリーナ48に接続されている。吸気パイプ49の他端は、スロットルボディ50に接続されている。吸気パイプ49は、エアクリーナエレメントを通過した空気をスロットルボディ50へ誘導する。
【0033】
スロットルボディ50は、吸気パイプ49の後方に位置する。スロットルボディ50の一端は、吸気パイプ49に接続されている。スロットルボディ50の他端は、マニホールド51に接続されている。スロットルボディ50は、スロットルバルブを収容する。スロットルバルブは、空気の流量を調整する。
【0034】
マニホールド51は、スロットルボディ50の後方に位置する。マニホールド51の一端は、スロットルボディ50に接続されている。マニホールド51の他端は、ヘッド本体44に接続されている。マニホールド51は、スロットルバルブによって流量が調整された空気をヘッド本体44へ誘導する。
【0035】
インジェクタ52は、ヘッド本体44に取り付けられている。インジェクタ52は、例えば、ヘッド本体44が備える吸気ポートに取り付けられる。吸気ポートには、マニホールド51の他端が接続される。インジェクタ52は、エアクリーナエレメントを通過した空気であって、且つ、スロットルバルブによって流量が調整された空気に燃料を噴射する。これにより、混合気が生成される。スロットルバルブの開閉量に応じて、燃焼室に供給される混合気の量が変化する。
【0036】
センサ53(図3参照)は、スロットルボディ50に取り付けられている。センサ53は、エンジン34の状態を検出する。センサ53は、例えば、エンジン34の出力を制御するための信号を出力する。センサ53は、例えば、吸気管圧力センサ、吸気温度センサ、スロットルポジションセンサである。吸気管圧力センサは、吸気圧を検出する。吸気温度センサは、吸気温を検出する。スロットルポジションセンサは、スロットルバルブの開度を検出する。本実施形態では、センサ53は、吸気管圧力センサ、吸気温度センサ及びスロットルポジションセンサのそれぞれが有する機能を備えた統合センサである。センサ53が検出する吸気圧に基づいて、インジェクタ52による燃料の噴射量が決定される。
【0037】
図4に示すように、ヘッド本体44の右側面には、点火プラグ58が取り付けられている。点火プラグ58は、燃焼室内で圧縮された混合気に点火する。これにより、混合気が爆発・燃焼する。
【0038】
図3に示すように、ヘッドカバー46の左側面には、点火コイル60が配置されている。点火コイル60は、点火プラグ58が混合気に点火する際に必要な電圧を生成する。
【0039】
図5,6に示すように、点火プラグ58と点火コイル60とが、プラグコード62によって接続されている。プラグコード62は、点火コイル60が生成した高電圧の電流を点火プラグ58へ流す。
【0040】
図3〜6に示すように、ヘッド本体44の下面には、排気ポート64が設けられている。排気ポート64には、排気管66が接続されている。
【0041】
[排気通路]
図7〜9に示すように、ヘッド本体44には、排気通路68が設けられている。図7は、ヘッド本体44が備える排気ポート64の正面図である。図8は、図7におけるVIII−VIII断面図である。図9は、図7におけるIX−IX断面図である。
【0042】
排気通路68は、燃焼室に接続されている。排気通路68は、燃焼室で生成された排ガスを排気管66へ流す。つまり、排気通路68の少なくとも一部は、排気ポート64に形成されている。
【0043】
ここで、図7の上下方向(シリンダ38の軸線方向)を第1方向とし、排気通路68の通路方向を第2方向とし、図7の左右方向(車両の左右方向)を第3方向とする。排気通路68は、第3方向に湾曲している。具体的には、図9に示すように、車両の左側に湾曲している。
【0044】
[凹部]
排気ポート64は、凹部70を有する。凹部70は、排気通路68の内周面に設けられている。排気通路68は、凹部70が形成された位置で、通路断面積が拡大している。
【0045】
凹部70は、排気通路68の中心Cよりも車両の右側に位置する。ここで、排気通路68の中心Cは、排気通路68の第1方向の中心であって、且つ、排気通路68の第3方向の中心をいう。つまり、凹部70は、排気通路68の内周側に位置する。排気通路68は、凹部70が形成された位置で、第3方向の幅寸法が大きくなっている。
【0046】
[酸素センサ]
排気ポート64には、酸素センサ72が設けられている。酸素センサ72は、検出部74を有する。検出部74は、酸素センサ72の軸方向一端に位置する。検出部74は、排ガスに含まれる酸素を検出する。酸素センサ72は、ヒータレスの酸素センサである。
【0047】
酸素センサ72は、排気通路68の中心Cよりもヘッドカバー46側において排気ポート64に取り付けられている。
【0048】
具体的には、排気ポート64は、挿入孔76を有する。挿入孔76は、排気通路68の中心Cよりもヘッドカバー46側であって且つ車両右側に位置する。挿入孔76は、第1方向に延びている。挿入孔76の内周面には、ねじ溝が形成されている。
【0049】
酸素センサ72は、取付部78を有する。取付部78は、酸素センサ72の軸線方向に延びている。取付部78の外周面には、ねじ山が形成されている。
【0050】
酸素センサ72は、挿入孔76に挿入される。このとき、取付部78のねじ山が、挿入孔76のねじ溝に噛み合う。その結果、酸素センサ72が、排気ポート64に取り付けられる。この状態で、酸素センサ72の軸線は、シリンダ38の軸線(シリンダ軸線L:図2,3参照)が延びる方向(第1方向)に延びている。
【0051】
挿入孔76は、凹部70の内面に開口する。取付部78が挿入孔76に取り付けられた状態で、酸素センサ72の先端(検出部74)は、凹部70内に位置する。つまり、検出部74は、凹部70内の空間に露出されている。
【0052】
図9に示すように、凹部70において酸素センサ72の先端よりも排気通路68の上流側では、排気通路68の上流側から下流側に向かって凹部70の第3方向の幅寸法が徐々に大きくなっている。換言すれば、凹部70における酸素センサ72よりも排気通路68の上流側には、第1方向および第3方向の少なくとも一方について排気通路68の上流側よりも下流側で幅の広い空間が形成されている。
【0053】
[本実施形態の効果]
本実施形態では、酸素センサ72の先端が、凹部70内に位置する。排気通路68の通気抵抗が抑えられる。酸素センサ72の先端(検出部74)に排ガスが接触し易い。検出部74を活性化させ易い。酸素センサ72の検出精度が向上する。
【0054】
本実施形態では、凹部70において酸素センサ72の先端よりも排気通路68の上流には、排気通路68の上流から下流に向かって第3方向に徐々に幅が広がる空間が形成されている。凹部70内に乱流が発生し難くなる。酸素センサ72の先端に排ガスが供給され易い。
【0055】
本実施形態では、酸素センサ72が、排気通路68の中心Cに対して、第3方向にオフセットしている。酸素センサ72のヘッドカバー46側への突出量が抑えられる。
【0056】
本実施形態では、排気通路68が第3方向に湾曲している。酸素センサ72が排気通路68の内周側に配置されている。酸素センサ72を燃焼室に近づけることができる。
【0057】
本実施形態では、酸素センサ72がヒータレスの酸素センサである。酸素センサ72のサイズが小さくなる。
【0058】
本実施形態では、酸素センサ72が排気ポート64に取り付けられている。酸素センサ72の取り付けが容易になる。
【0059】
[酸素センサの取付位置の応用例]
酸素センサ72は、必ずしも排気通路68の中心Cに対して第3方向にオフセットしていなくてもよい。例えば、図10,11に示すように、排気通路68の中心Cの真上に酸素センサ72が位置してもよい。図10は、酸素センサの取付位置の応用例を示すポートの正面図である。図11は、図10におけるXI−XI断面図である。この場合、凹部70は、図10に示すように、排気通路68の中心Cの真上に位置する。
【0060】
上記の実施形態では、酸素センサ72が、排気通路68の中心Cに対して、内周側にオフセットしていたが、外周側にオフセットしていてもよい。つまり、酸素センサ72は、排気通路68の中心Cに対して、車両の左側にオフセットしていてもよい。この場合、凹部70は、排気通路68の中心Cよりも、車両の左側に位置する。この場合、排気ポート64のヘッド本体44からの突出量(排気ポート64の全長)が抑えられる。ヘッド本体44の小型化及び軽量化を図ることができる。
【0061】
上記の実施形態では、自動二輪車について説明したが、本発明はこれに限らず、3又は4輪のリーニング車両等であっても適用できる。
【0062】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0063】
10 自動二輪車
34 エンジン
42 シリンダヘッド
64 排気ポート
68 排気通路
70 凹部
72 酸素センサ
76 挿入孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排ガスが流れる排気通路を備えるエンジンと、
前記エンジンに取り付けられて、排ガスに含まれる酸素を検出する酸素センサとを備え、
前記エンジンは、
前記排気通路の内面に設けられ、前記排気通路の通路断面積を拡大する凹部と、
前記凹部の内面に開口し、前記酸素センサが挿入される挿入孔とを有し、
前記酸素センサは、前記酸素センサの先端が前記凹部内に位置している状態で、前記挿入孔に挿入されている、鞍乗型車両。
【請求項2】
請求項1に記載の鞍乗型車両であって、
前記挿入孔の長さ方向を第1方向とし、
前記排気通路の長さ方向を第2方向とし、
前記第1方向および前記第2方向のいずれにも直交する方向を第3方向とした場合に、
前記排気通路は、前記凹部が形成された位置において、前記第1方向と前記第3方向の少なくとも一方における幅寸法が、前記凹部が形成されていない位置における当該方向の幅寸法よりも大きくなっている、鞍乗型車両。
【請求項3】
請求項2に記載の鞍乗型車両であって、
前記凹部における前記酸素センサよりも前記排気通路の上流側には、前記第1方向および前記第3方向の少なくとも一方について前記排気通路の上流側よりも下流側で幅の広い空間が形成されている、鞍乗型車両。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の鞍乗型車両であって、
前記酸素センサは、前記排気通路の中心に対して、前記第3方向にオフセットされた位置に配置されている、鞍乗型車両。
【請求項5】
請求項4に記載の鞍乗型車両であって、
前記排気通路が前記第3方向に湾曲しており、
前記酸素センサが前記第3方向で前記排気通路の中心よりも内周側に配置されている、鞍乗型車両。
【請求項6】
請求項4に記載の鞍乗型車両であって、
前記排気通路が前記第3方向に湾曲しており、
前記酸素センサが前記第3方向で前記排気通路の中心よりも外周側に配置されている、鞍乗型車両。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載の鞍乗型車両であって、
前記酸素センサが、ヒータレスの酸素センサである、鞍乗型車両。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項に記載の鞍乗型車両であって、
前記エンジンは、排気管が接続されるポートを有するシリンダヘッドを備え、
前記酸素センサは、前記ポートに取り付けられる、鞍乗型車両。
【請求項9】
請求項8に記載の鞍乗型車両であって、
前記凹部の少なくとも一部が前記ポートに形成されている、鞍乗型車両。
【請求項1】
排ガスが流れる排気通路を備えるエンジンと、
前記エンジンに取り付けられて、排ガスに含まれる酸素を検出する酸素センサとを備え、
前記エンジンは、
前記排気通路の内面に設けられ、前記排気通路の通路断面積を拡大する凹部と、
前記凹部の内面に開口し、前記酸素センサが挿入される挿入孔とを有し、
前記酸素センサは、前記酸素センサの先端が前記凹部内に位置している状態で、前記挿入孔に挿入されている、鞍乗型車両。
【請求項2】
請求項1に記載の鞍乗型車両であって、
前記挿入孔の長さ方向を第1方向とし、
前記排気通路の長さ方向を第2方向とし、
前記第1方向および前記第2方向のいずれにも直交する方向を第3方向とした場合に、
前記排気通路は、前記凹部が形成された位置において、前記第1方向と前記第3方向の少なくとも一方における幅寸法が、前記凹部が形成されていない位置における当該方向の幅寸法よりも大きくなっている、鞍乗型車両。
【請求項3】
請求項2に記載の鞍乗型車両であって、
前記凹部における前記酸素センサよりも前記排気通路の上流側には、前記第1方向および前記第3方向の少なくとも一方について前記排気通路の上流側よりも下流側で幅の広い空間が形成されている、鞍乗型車両。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の鞍乗型車両であって、
前記酸素センサは、前記排気通路の中心に対して、前記第3方向にオフセットされた位置に配置されている、鞍乗型車両。
【請求項5】
請求項4に記載の鞍乗型車両であって、
前記排気通路が前記第3方向に湾曲しており、
前記酸素センサが前記第3方向で前記排気通路の中心よりも内周側に配置されている、鞍乗型車両。
【請求項6】
請求項4に記載の鞍乗型車両であって、
前記排気通路が前記第3方向に湾曲しており、
前記酸素センサが前記第3方向で前記排気通路の中心よりも外周側に配置されている、鞍乗型車両。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載の鞍乗型車両であって、
前記酸素センサが、ヒータレスの酸素センサである、鞍乗型車両。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項に記載の鞍乗型車両であって、
前記エンジンは、排気管が接続されるポートを有するシリンダヘッドを備え、
前記酸素センサは、前記ポートに取り付けられる、鞍乗型車両。
【請求項9】
請求項8に記載の鞍乗型車両であって、
前記凹部の少なくとも一部が前記ポートに形成されている、鞍乗型車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−113279(P2013−113279A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262753(P2011−262753)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】
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