説明

順番待ち呼び出し装置

【課題】 順番待ちシステムとページングシステムとを統合するためにPBXを使用する。
【解決手段】 PBX1はボタン電話機2を収容する。PBX1は順番待ち登録機3から入力された順番待ちを待ち行列として登録する手段を含む。ボタン電話機2から特番を押して呼び出し操作を行うと、待ち行列の先頭の待ちを呼び出し中である表示がボタン電話機2の表示部に表示される。これとともに、PBX1はページングスピーカ5をボタン電話機2に接続してページングできるようにする。順番待ち確認機4を設け、この確認機4の操作に応答して待ち行列の状況を検索し、順番待ち確認機4の表示部に検索された状況を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、順番待ち呼び出し装置に関し、特に、ボタン電話と構内電話交換装置とを利用した順番待ち呼び出し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
役所、銀行、および病院などの公的施設や商業施設でサービスを提供したり商品を売買したりする場合、来庁、来店、来院してきた人(以下、「利用者」という)に対して受付窓口等で順番待ちカードを発行することが多く行われている。例えば、特開平8−263556号公報には、銀行や病院の待合室で順番待ちカードとしての整理券を発行する整理券発行機が開示されている。また、特開2003−331039号公報には、銀行、病院等の待合室において受付番号を記載した受付票を発行するだけではなく、その受付番号をIDとして、順番待ちの時間に商品の宣伝、販売等のサービスを行う携帯端末システムが開示されている。この従来装置やシステムは、利用者の待ち時間の低減を図ったり、待ち時間を有効に利用したサービスの提供を行ったりすることができるが、利用者は自分の順番がくるまで受け付けられたサービス等の進行を監視もしくは注目していなければならない。
【0003】
そこで、利用者がサービス等を受けられる順番が回ってきたときに、サービス提供者が当該利用者を呼び出すシステムが考えられる。
【特許文献1】特開平8−263556号公報
【特許文献2】特開2003−331039号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の診療科や診療室を有する病院などの施設では、各診療科や各診察室毎に呼び出しシステムを設けなければならない。つまり、順番待ちシステムとは別に呼び出しシステムを備えなければならないので、設備が大がかりで複雑なものになるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑み、順番待ちシステムと呼び出しシステムとに必要とされる設備を統合した順番待ち呼び出し装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決し、目的を達成するための本発明は、表示器が設けられたボタン電話機が接続された構内電話交換装置と、順番待ちの登録操作を受け付ける順番待ち入力機と、ページングスピーカとを備え、前記構内電話交換装置が、前記登録操作に応答して待ち行列に順番待ちを登録する待ち登録手段と、前記ボタン電話機のボタン操作によって入力される呼び出し操作に応答して該ボタン電話機と前記ページングスピーカとを接続する接続手段と、前記呼び出し操作に応答して前記待ち記憶手段に登録された順番待ちのうち前記呼び出し操作で指定された順番待ちに対する呼び出し中情報を前記ボタン電話機の表示器に表示させる表示制御手段とからなり、前記呼び出し操作で指定された順番待ちは、前記呼び出し操作に応答して行われる前記接続動作および前記表示動作の終了後に削除されるように構成された点に第1の特徴がある。
【0007】
また、本発明は、表示器が設けられたボタン電話機が接続された構内電話交換装置と、順番待ちの登録操作を受け付ける順番待ち入力機と、ページングスピーカとを備え、前記構内電話交換装置が、前記登録操作に応答して待ち行列に順番待ちを登録するための待ち登録手段と、予定の音声メッセージを記憶する手段と、前記順番待ち毎の受付番号を表す電子音を作成する手段と、前記音声メッセージと前記電子音とに基づいて呼び出しメッセージを合成する手段と、前記ボタン電話機のボタン操作によって入力される呼び出し操作に応答して前記合成された呼び出しメッセージを前記ページングスピーカに送出する手段と、前記呼び出し操作に応答して前記待ち記憶手段に登録された順番待ちのうち該呼び出し操作で指定された順番待ちに対する呼び出し中情報を前記ボタン電話機の表示器に表示させる表示制御手段とからなり、前記最先に登録された順番待ちは、前記呼び出し操作に応答して行われる前記メッセージの送出動作および前記表示動作の終了後に削除されるように構成された点に第2の特徴がある。
【0008】
また、本発明は、前記待ち行列の確認操作を受け付ける順番待ち確認機と、順番待ち状況表示手段とをさらに備え、前記構内電話交換装置が、前記確認操作に応答して前記待ち行列から順番待ち状況を検索し、この順番待ち状況を前記順番待ち状況表示手段に送出する手段を含んでいる点に第3の特徴がある。
【0009】
また、本発明は、前記順番待ち状況表示手段が、前記ボタン電話機に設けられている点に第4の特徴がある。
【0010】
また、本発明は、前記順番待ち入力機が、受付番号を付した受付票を発行する印刷機能を有し、前記登録手段が、前記受付番号とともに順番待ちを登録するように構成された点に第5の特徴がある。
【0011】
また、本発明は、前記呼び出し操作では、待ち行列の先頭の順番待ちを呼び出し対象に指定するように予め設定されている点に第6の特徴がある。
【0012】
さらに、本発明は、前記呼び出し対象となった順番待ちが、呼び出し失敗時には、待ち行列の予定位置に戻って再登録される点に第7の特徴がある。
【発明の効果】
【0013】
上記特徴を有する本発明によれば、構内電話交換装置内に順番待ちを登録する手段を備え、該順番待ちに対応する呼び出しをボタン電話機を通じて行うことができる。すなわち、順番待ちシステムと呼び出しシステムとを、共通の構内電話交換機を介して統合することができる。また、呼び出し中は、ボタン電話機に呼び出し中表示がなされるので、呼び出し者は呼び出し状況を認識することができる。
【0014】
特に、第2の特徴によれば、呼び出しは、人による直接のかけ声によらず、電子音と音声メッセージとの合成音によって行われる。
【0015】
第3および第4の特徴によれば、順番待ち確認機によって待ち行列の状況、例えば、現在の待ち数を確認することができる。特に第4の特徴によれば、ボタン電話機から待ち行列の状況を確認することができる。
【0016】
第5の特徴によれば、受付番号が待ちに登録されるので、この受付番号を呼び出しに使用することができる。
【0017】
第6の特徴によれば、最先に受け付けられた順番待ちから順に呼び出しの対象となる。
【0018】
第7の特徴によれば、呼び出し失敗に終わった順番待ちを、容易に再呼び出しすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る順番待ち呼び出し機能を有する病院の構内電話交換システムのブロック図である。図1において、構内電話交換装置(以下、「PBX」という)1は、内線電話機としての複数のボタン電話機2を収容していて、これらボタン電話機2同士の通話を制御する。さらに、PBX1には、順番待ち登録機(順番待ち入力機)3、順番待ち確認機4、ページングスピーカ5が接続される。順番待ち登録3機と順番待ち確認機4はいずれも制御部およびPBX1との通信を行う通信インタフェース(いずれも図示せず)を備えている。ボタン電話機2には、表示器(後述)が付属されている。順番待ち確認機4は必須ではなく、必要に応じて設けることができる。
【0020】
上記システムにおいて、順番待ち登録機3を使って順番待ちの登録操作が行われると、PBX1は「待ち行列」に順番待ち登録を行う。そして、その登録された「待ち」に対応する利用者を呼び出す際にボタン電話機2が使用される。ボタン電話機2を使って呼び出し操作および呼び出し動作(人が実際に呼びかける動作)が行われると、ページングスピーカ5を介して利用者つまり患者が呼び出される。
【0021】
図2は、順番待ち登録および呼び出しのためのPBX1の要部機能を示すブロック図である。待ち行列6は記憶装置(例えばRAM)に設定され、入力順に「待ち」が登録される。順番待ち登録判別部50は、順番待ち登録機3から入力される登録操作に応答して待ち行列6の最後尾に「待ち」を登録する。「待ち」は、受付番号のみを登録するものであってもよいし、患者の識別番号であるカルテ番号や患者名、並びに受診科等の情報が入力された場合はこれらの情報を併せて登録する処理をも含むことができる。
【0022】
呼び出し判別部51は、ボタン電話機2からの呼び出し操作に応答して、待ち行列6の先頭の「待ち」をバッファ8に転送する。表示部52はバッファ8に転送された「待ち」を呼び出し中であることをボタン電話機2の表示手段(後述)を通じて行うための指示をボタン電話機2に送出する。さらに、呼び出し判別部51は、接続部53を制御してボタン電話機2をページングスピーカ5に接続する。
【0023】
順番待ち確認判別部54は、順番待ち確認機4から入力される確認操作に応答して待ち行列6を検索し、先頭の「待ち」として登録されている受付番号を取り出す。待ち情報表示部55はこの受付番号を順番待ち確認機4に送信して、表示させる。順番待ち確認判別部54は、先頭の「待ち」として登録されている受付番号を取り出すだけでなく、設定によって、順番待ち人数や推定待ち時間を決定するための情報を演算する機能を有する。そして、確認表示部55は、設定によって、順番待ち人数や推定待ち時間を順番待ち確認機4に表示させるように構成される。
【0024】
図3は、順番待ち登録機3の一例を示す図である。同図において、パネル面31には、受診科を示す複数の押しボタン32と現在の待ち人数を示す表示部33と、受付票発行機34とが設けられる。受付票発行機34は、紙片つまり受付票Pをその先頭部が取り出し口35から外部に突き出ている状態で保持することができる周知のプリンタ装置を使用できる。この受付票発行機34では、受付票Pを引き抜く動作によって所定長さの紙送りが行われるとともに、受付番号としての順番待ち番号が印刷される。使用される印刷方法は、感熱プリントやドットプリント等周知の方法でよい。
【0025】
複数の診療科を有する病院のような施設では、受診科を入力する押しボタン32が設けられ、診療科の数に応じた複数の待ち行列が設定されるが、単一の窓口しかない施設や複数の窓口で受け付けても同一のサービスを提供する施設では、窓口を指定する押しボタン32のような入力手段は不要であるし、待ち行列も単一であってよい。また、診療科毎に順番待ち登録機3を準備しておく場合は、押しボタン32のような入力手段は設けなくてもよい。
【0026】
順番待ち登録機3は、この例に限らず、単に登録用のボタン操作を行うだけで順番待ち登録と受付票の発行を行うものであってもよいし、登録操作を音声案内や文字案内する機能を設けてもよい。
【0027】
また、情報記録媒体としての機能を有する診察券等のカード(磁気カードやICカード等)をスキャンする操作によって順番待ち登録操作を行うことができる。紙片を引き抜く操作による場合は、必要に応じて受診科等の入力操作を行うように押しボタン32のような入力手段を設けるが、情報記録媒体としての診察券を使う場合にはこのような入力手段は不要である。診察券のスキャン操作によって受診科やカルテ番号等を順番と共に待ち行列に登録することができる。
【0028】
順番待ち登録のためのPBX1の処理を説明する。図4のフローチャートにおいて、ステップS1では、順番待ち登録機3に対するアクセスがあったか、つまり所定の順番待ち登録操作がなされたか否かが判断される。順番待ち登録操作の有無は順番待ち登録機3の種類によって異なる。例えば、図3の順番待ち登録機では、押しボタン32が押され、受付票Pが引き抜かれる動作が行われたかどうかによって順番待ち登録操作がなされたどうかが判断される。順番待ち登録操作があったと判断されたならば、ステップS2に進んで「待ち行列」に順番待ちを登録し、ステップS3で受付票を発行する。受付票には受付順に受付番号が記される。待ち行列を登録する記憶装置はPBX1におくことができる。
【0029】
次に、患者の呼び出しについて説明する。図5はボタン電話機2の一例を示す斜視図である。ボタン電話機2は、ハンドセット21と、目視で確認しやすい大型LCDからなるLCD部22と、ダイヤルキー,局線キーおよびファンクションキー(機能ボタン)などから構成されるキー入力部23と、局線キーに併設され局線捕捉状況を表示するためのLED部24と、ハンズフリー通話を行うためのマイクロホン25およびスピーカ26などを備える。
【0030】
図6は、待ち行列および呼び出し中バッファの模式図である。待ち行列6および呼び出し中バッファ8はいずれもPBX1内の記憶装置に設定することができる。待ち行列6には、登録された「待ち」7が登録順に格納される。呼び出し動作があると、待ち行列6内の「待ち」7のうち先頭のものは呼び出し中バッファ8に移される。通常呼び出しでは、この呼び出し中バッファ8内の「待ち」はボタン電話機2のオンフックで消去される。再呼び出しでは、呼び出し中バッファ8内に保存されている「待ち」に基づく呼び出しを行った後、オンフックされても呼び出し中バッファ8内の「待ち」は消去しない。この「待ち」は次回の呼び出し操作があって新たな「待ち」によって上書きされて消去される。したがって、その「待ち」が、呼び出し中バッファ8内に保存されている間は、オフフックすることによって繰り返し呼び出しが行われ、LCD部22で呼び出し中表示が行われる。
【0031】
指定呼び出しでは、待ち行列6内の先頭の「待ち」に限らず待ち行列6の途中から任意の「待ち」に対する呼び出しを行うことができる。指定呼び出しを選択して、さらにボタン電話機2のボタン操作により「待ち」を選択する。選択された「待ち」は、呼び出し中バッファ8に移される。
【0032】
再登録では、「待ち」を呼び出し中バッファ8内に保存した後、予め設定した待ち行列の位置にこの「待ち」を戻すことができる。例えば、ボタン電話機2の予定のボタン操作によりこの戻し動作を行うようにしてもよいし、呼び出し中バッファ8内にある「待ち」が予め設定した保存時間を超えて保存されていた場合に、この「待ち」を待ち行列6に戻すようにしてもよい。
【0033】
なお、図6は模式図であり、本発明の順番待ち登録のための記憶手段の構成はこれに限らず、要は、順番待ち登録機3からの登録操作に応じた待ちの順番が認識でき、その待ちの内容が取り出し可能になっていればよい。
【0034】
呼び出し動作に関するPBX1の処理を説明する。図7のフローチャートにおいて、ステップS10では、ボタン電話機2のオフフックの有無を判断する。オフフックが検出されたならば、ステップS11に進んで、ボタン電話機2に設けられている機能ボタンの操作を判別する。機能ボタンが押し下げられたことが検出されたならば、ステップS12に進んで、順番待ち登録されている患者の呼び出しのために予定されている機能ボタンの押し下げか否かが判断される。呼び出しのための機能ボタンの押し下げが検出された場合は、ステップS13に進んでページングスピーカ5に、オフフックされているボタン電話機2を接続して発音可能にする。これにより、このボタン電話機2を使って入力された音声がページングスピーカ5を通じて出力される。ページングスピーカ5とボタン電話機2との接続の後、ステップS14では、待ち行列の先頭から「待ち」を取り出し、この「待ち」を呼び出し中バッファ8に格納する。ステップS15では、ボタン電話機2のLCD部22を使って呼び出し中表示を行う。この呼び出し中表示は後述の呼び出しモードに応じて保持または消去される。
【0035】
なお、患者の氏名やカルテ号等の情報を記録したカードを使って順番待ち登録を行った場合は、前記呼び出し中表示にこのカルテ番号や氏名等を一緒に表示することができる。すなわち、ステップS14で待ち行列の先頭から取り出し、ステップS15で、呼び出し中バッファ8に格納した「待ち」に対応する情報に従ってカルテ番号および氏名等を表示する。
【0036】
ステップS11やステップS12が否定の場合は、それぞれ操作されたボタンに予め設定されている機能に従って周知のボタン電話機と同様の処理が行われる。
【0037】
呼び出しモードとしては、通常呼び出し、再呼び出し、指定呼び出し、および再登録処理が設定される。これらのモードはボタン電話機2のキー入力部23のいずれかのボタンにそれぞれ割り当てられ、そのボタンの押し下げによってモードが選択される。
【0038】
次に、順番待ち確認機4について説明する。図8は順番待ち確認機4のハード構成を示すブロック図である。順番待ち確認機4は、入力装置41と表示装置42と制御部43と通信インタフェース44とからなる。通信インタフェース44はPBX1との通信用である。入力装置41は押しボタンやカードリーダである。押しボタンはタッチパネル式であってもよい。表示装置42はCRT表示器、LED表示器や、あるいはLCD等を使用できる。入力装置41が押しボタンやタッチパネルである場合は、これらを操作することによって順番待ち確認指示が受け付けられ、例えば、現在の待ち行列の先頭の番号を表示装置42に表示する。また、入力装置41がカードリーダである場合、診察券や順番待ち登録機3で発行された受付票などの情報を読み取り、現在の待ち行列の先頭の番号を表示装置42に表示する。
【0039】
順番待ちの表示は待ち行列の先頭の「待ち」に対応する番号表示によって行うのに限らず、推定待ち時間や待ち人数の表示で行うものや、番号表示とこれらの組み合わせで行うものであってもよい。例えば、当該患者までの待ち人数とそれの日の一つの「待ち」あたりの処理時間の平均とによって待ち時間を計算できる。
【0040】
図9は順番待ち表示装置42の表示例を示す図、図10は順番待ち確認機4に関するPBX1による処理のフローチャートである。図9において、順番待ち登録時に診察券からの読み取った情報と待ち行列の状況に基づいて認識される待ち人数、待ち番号、患者名、およびカルテ番号(患者名の直ぐ左の番号)が待ち状況として表示されている。これらの情報は順番待ち登録時に各待ちに対応づけられてPBX1に記憶され、「待ち」の消去と共に、対応するこれらの情報は消去される。
【0041】
図10において、ステップS20では、順番待ち確認指示の有無を判断する。順番待ち確認指示があったならば、ステップS21では、「待ち」の番号に従って登録されている患者の情報を記憶装置から読み出し、前記表示装置42に表示する。一画面で全ての情報を表示してもよいが、表示装置42の画面の大きさにより、全てを表示できないときは、順番待ち表示装置4にスクロールキーを設けて画面のスクロールを行えるようにするとよい。例えば、図10のように、ステップS22で予定の表示時間が経過したか否かを判別する。予定の表示時間が経過していなければ、ステップS23に進んでスクロールキーの押し下げの有無を判断する。スクロールキーが押し下げられていれば、ステップS24で画面スクロールのため表示情報を更新する。スクロールの量は予め設定しておくことができ、1頁であってもよいし、1行であってもよい。ステップS22で予定時間が経過したと判断されれば、ステップS25で表示装置42の表示を終える。
【0042】
上記順番待ち確認機4とは別に、または順番待ち確認機4とともに、待ち人数だけを表示する大型の表示装置を設けてもよい。待ち行列を一つだけ設定してある場合は現在の待ち人数を一つだけ表示すればよいし、複数の窓口毎の待ち行列を設定した場合は、現在の各窓口毎の待ち人数を表示する。図11は、複数の窓口毎の待ち行列を設定した場合の順番待ち人数の表示例である。
【0043】
順番待ち確認機4は、単独で設けてあってもよいし、順番待ち登録機3と一体に設けてあってもよい。例えば、図2に示した順番待ち登録機3おいて、さらに順番待ち確認指示のための入力ボタンを設けるか、カードリーダを設けることによって入力装置41の機能を持たせことができる。また、表示部33に表示装置42を兼ね備えるようにする。
【0044】
また、順番待ち確認機4としての機能をボタン電話機2にもたせてもよい。すなわち、ボタン電話機2のキー入力部23の一つのボタンに順番待ち確認指示の入力装置41としての機能を持たせる。このボタンを押すと、その情報がPBX1内の順番待ち確認機能で認識されて図10のフローチャートの処理がスタートする。この場合、表示装置42の機能はLCD部22で果たすことができる。
【0045】
なお、呼び出しは実際に人の呼び掛けによって行うのでもよいし、ボタン電話機2のキー入力部23の一つのボタンに呼び出し機能を持たせて、予めPBX1内に登録した呼び出しメッセージをページングスピーカ5を通じて発音させるよにしてもよい。例えば、キー入力部23の特定ボタンが押されると、待ち行列の先頭の「待ち」番号に従って順番待ち番号を検索し、所定の登録メッセージと順番待ち番号の電子音との合成音を発音させる。
【0046】
さらに、呼び出しはページングスピーカ5を通じて行うのに限らない。例えば、患者が自分の連絡先情報を順番待ち登録時に入力できる手段を設けることによって、自動的にその連絡先に呼び出しメッセージを発信することができる。例えば、診察券に患者の連絡先情報(携帯電話の番号等)を記録してあればその情報を順番待ち登録機3で読み取って「待ち」に対応して登録しておくことができる。
【0047】
携帯電話機への連絡は音声情報であってもよいし、文字情報つまり電子メール情報であってもよい。PBX1に電子メール機能を持たせておき、この電子メール機能が、ボタン電話機2のキー入力部23の特定のボタン操作に応答して、所定のメール文を患者のメールアドレスに送信するように構成する。
【0048】
上述の実施形態は、病院の診療受付のための順番待ち呼び出し装置であるが、本発明は、この実施形態に限定されず、受付を介して各種物品や役務を提供する施設の順番待ち場面において広く使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態に係る順番待ち呼び出し装置の要部ブロック図である。
【図2】図1に含まれるPBXの要部機能を示すブロック図である。
【図3】順番待ち登録機の外観正面図である。
【図4】順番待ち登録のためのPBXの処理を示すフローチャートである。
【図5】ボタン電話機の一例を示す外観斜視図である。
【図6】順番待ち登録のための記憶装置の模式図である。
【図7】ボタン電話機の呼び出し処理に係るフローチャートである。
【図8】順番待ち確認機のハード構成の一例を示すブロック図である。
【図9】順番待ち表示装置の表示の一例を示す図である。
【図10】順番待ち確認のためのPBXの処理を示すフローチャートである。
【図11】順番待ち人数の表示例を示す表示装置の正面図である。
【符号の説明】
【0050】
1…PBX、 2…ボタン電話機、 3…順番待ち登録機(入力機)、 4…順番待ち確認機、 5…ページングスピーカ、 6…待ち行列、 7…待ち、 8…呼び出し中バッファ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示器が設けられたボタン電話機と、
前記ボタン電話機が接続された構内電話交換装置と、
順番待ちの登録操作を受け付ける順番待ち入力機と、
ページングスピーカとを備え、
前記構内電話交換装置が、
前記登録操作に応答して待ち行列に順番待ちを登録する待ち登録手段と、
前記ボタン電話機のボタン操作によって入力される呼び出し操作に応答して該ボタン電話機と前記ページングスピーカとを接続する接続手段と、
前記呼び出し操作に応答して前記待ち記憶手段に登録された順番待ちのうち前記呼び出し操作で指定された順番待ちに対する呼び出し中情報を前記ボタン電話機の表示器に表示させる表示制御手段とからなり、
前記呼び出し操作で指定された順番待ちは、前記呼び出し操作に応答して行われる前記接続動作および前記表示動作の終了後に削除されるように構成されたことを特徴とする順番待ち呼び出し装置。
【請求項2】
表示器が設けられたボタン電話機と、
前記ボタン電話機が接続された構内電話交換装置と、
順番待ちの登録操作を受け付ける順番待ち入力機と、
ページングスピーカとを備え、
前記構内電話交換装置が、
前記登録操作に応答して待ち行列に順番待ちを登録するための待ち登録手段と、
予定の音声メッセージを記憶する手段と、
前記順番待ち毎の受付番号を表す電子音を作成する手段と、
前記音声メッセージと前記電子音とに基づいて呼び出しメッセージを合成する手段と、
前記ボタン電話機のボタン操作によって入力される呼び出し操作に応答して前記合成された呼び出しメッセージを前記ページングスピーカに送出する手段と、
前記呼び出し操作に応答して前記待ち記憶手段に登録された順番待ちのうち該呼び出し操作で指定された順番待ちに対する呼び出し中情報を前記ボタン電話機の表示器に表示させる表示制御手段とからなり、
前記最先に登録された順番待ちは、前記呼び出し操作に応答して行われる前記メッセージの送出動作および前記表示動作の終了後に削除されるように構成されたことを特徴とする順番待ち呼び出し装置。
【請求項3】
前記待ち行列の確認操作を受け付ける順番待ち確認機と、
順番待ち状況表示手段とをさらに備え、
前記構内電話交換装置が、
前記確認操作に応答して前記待ち行列から順番待ち状況を検索し、この順番待ち状況を前記順番待ち状況表示手段に送出する手段を含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の順番呼び出し装置。
【請求項4】
前記順番待ち状況表示手段が、前記ボタン電話機に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の順番待ち呼び出し装置。
【請求項5】
前記順番待ち入力機が、受付番号を付した受付票を発行する印刷機能を有し、
前記登録手段が、前記受付番号とともに順番待ちを登録するように構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の順番待ち呼び出し装置。
【請求項6】
前記呼び出し操作では、待ち行列の先頭の順番待ちを呼び出し対象に指定するように予め設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の順番待ち呼び出し装置。
【請求項7】
前記呼び出し対象となった順番待ちが、呼び出し失敗時には、待ち行列の予定位置に戻って再登録されることを特徴とする請求項1または2に記載の順番待ち呼び出し装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−121491(P2006−121491A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−308115(P2004−308115)
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【出願人】(000000181)岩崎通信機株式会社 (133)
【Fターム(参考)】