説明

顔のほか足や腕の毛を剃るための安全かみそり

【課題】 本発明は、円滑且つ安定的に足や腕の毛を剃ることができる安全かみそりを提供することを課題とする。
【解決手段】 少なくとも1つの刃で構成される切断構造を有し、該切断構造の最前の刃先縁の前方に皮膚接触部であるガード部が設けられ、前記切断構造の最後方の刃先縁の後方に皮膚接触部であるキャップ部が設けられている安全かみそりであって、前記ガード部の前方にさらに前端皮膚接触部が設けられ、前記キャップ部の後方にさらに後端皮膚接触部が設けられており、髭剃り中に皮膚が前記ガード部、キャップ部、前端皮膚接触部及び後端皮膚接触部のいずれにも接触可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔のほか足や腕の毛を剃るための安全かみそりに関する。
【背景技術】
【0002】
顔のほか足や腕の毛を剃るための安全かみそりは存在する(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−204668号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、円滑且つ安定的に足や腕の毛を剃ることができる安全かみそりを提供することを課題とする。
【0004】
主に男性が使用する通常の髭剃り用安全かみそりは、例えば3枚の刃を有する安全かみそりのカートリッジ替刃について言えば、切断構造は3枚の刃であり、その切断構造の最前の刃の前方で横方向に延びる棒状のガード部と、切断構造の最後方の刃先縁の後方で横方向に延びる平板状のキャップ部を有している。このガード部とキャップ部とが協働して切断構造全体をカバーして髭剃りの安全性及び安定性を確保している。ガード部とキャップ部はそれらの間に切断構造を介在して一定の距離を置いて離れているために、カートリッジ替刃は前後方向に一定の幅を有している。この一定の幅があるためにカートリッジ替刃の上面は一定の広さを有する。安全かみそりがこの一定の広さを有することによって、使用時にカートリッジ替刃を顔に宛てたとき、カートリッジ替刃はほぼ全面的に顔に接触し安全且つ安定的に髭剃りをすることができる。すなわち、男性が使用する通常の安全かみそりは顔を剃るのに適した構造である。
【0005】
ところで、従来の安全かみそりで顔を剃るときは安全かみそりの刃先縁が顔の方向を向くように手前に向けて、同時に手も手前に向けて剃る。この剃る作業において、手を手前に向け、安全かみそりも手前に向けて剃ることに無理な動きを伴わないから、作業に困難性はなく比較的円滑且つ安定的に剃ることができる。したがって、従来の安全かみそりで髭を剃ることに手の動作的な支障はない。
【0006】
これに対して、足や腕を剃るときは安全かみそり及びそれを持つ手を様々な方向に向けて変化させなければ剃ることができない。また、手首を大きく曲げて剃る作業も必要である。このような場合、腕を不自然に曲げたり手首を大きく曲げたりして毛を剃るので、手や腕の動きに無理が伴う場合がある。したがって、このように顔と異なる足や腕に安全かみそりを宛がって剃るときは手や腕の動きに無理が生じるために、手で安全かみそりをコントロールしにくくなり安全かみそりの安定性を得られず円滑に剃ることができない場合がある。すなわち、足や腕の毛を剃るときに、従来のカートリッジ替刃上面の広さでは安定性を得るためには不十分なのである。そこで、例えば替刃の前後方向の幅を広くすることによって安全かみそりのぐらつきなどを防止し安定的に剃ることが必要である。替刃の前後方向の幅を広くして安全かみそりを安定させるためには、従来の通常の安全かみそりのガード部とキャップ部の前後方向の幅を大きくすればよい。しかし、ガード部とキャップ部の幅を大きくすると皮膚との接触面積が増加して摩擦力が増加し円滑に剃ることができない。そこで、本発明は、主に足や腕の毛を円滑且つ安定的に剃ることができる安全かみそりを提供しようとするものである。
【0007】
また、前記従来の通常の安全かみそりに対して、足や腕の毛を円滑に剃ることを目的とした安全かみそりが特許文献1で提案されている。特許文献1の安全かみそりは3枚の刃から成る切断構造を有しているが、通常の安全かみそりが有している切断構造全体をカバーするガード部とキャップ部を有していない。特許文献1の切断構造全体をカバーするものは先導接触部材と後続接触部材である。そして、先導接触部材は回転可能なローラーで構成し、後続接触部材はその表面に複数の円盤状ローラーを回転可能に取り付けてある。このローラー及び円盤状ローラーによって足や腕の毛を円滑に剃ろうとするものであるが、従来のような切断構造全体をカバーするガード部とキャップ部を有していないために安定性にやや欠ける。本発明は、円滑性と安定性を兼ね備えた安全かみそりを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1は、少なくとも1つの刃で構成される切断構造を有し、該切断構造の最前の刃先縁の前方に皮膚接触部であるガード部が設けられ、前記切断構造の最後方の刃先縁の後方に皮膚接触部であるキャップ部が設けられている安全かみそりであって、前記ガード部の前方にさらに前端皮膚接触部が設けられ、前記キャップ部の後方にさらに後端皮膚接触部が設けられており、髭剃り中に皮膚が前記ガード部、キャップ部、前端皮膚接触部及び後端皮膚接触部のいずれにも接触可能に構成されている。
【0009】
請求項2は、前端皮膚接触部と後端皮膚接触部の共通接線である第一接線上又はそれよりも下方に少なくとも1つの刃先縁を有する要素が請求項1に付加された構成である。
【0010】
請求項3は、ガード部とキャップ部の共通接線である第二接線が前記第一接線と同じ高さ又はそれよりも下方に存在する要素が請求項1又は請求項2のいずれか一項に付加された構成である。
【0011】
請求項4は、前端皮膚接触部と後端皮膚接触部の共通接線の両接点のスパンが、ガード部とキャップ部の共通接線の両接点のスパンの2倍以上4倍以下である要素が請求項1乃至請求項3のいずれか一項に付加された構成である。
【0012】
請求項5は、前端皮膚接触部又は後端皮膚接触部の少なくとも一方が回転可能な回転部材で構成されている要素が請求項1乃至請求項4のいずれか一項に付加された構成である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1は、少なくとも1つの刃で構成される切断構造を有し、該切断構造の最前の刃先縁の前方に皮膚接触部であるガード部が設けられ、前記切断構造の最後方の刃先縁の後方に皮膚接触部であるキャップ部が設けられている安全かみそりであって、前記ガード部の前方にさらに前端皮膚接触部が設けられ、前記キャップ部の後方にさらに後端皮膚接触部が設けられており、髭剃り中に皮膚が前記ガード部、キャップ部、前端皮膚接触部及び後端皮膚接触部のいずれにも接触可能に構成されている。したがって、従来の安全かみそりと同様にガード部とキャップ部とが協働して切断構造全体をカバーして髭剃りの安全性を確保している。さらに、ガード部の前方に前端皮膚接触部が設けられ、キャップ部の後方に後端皮膚接触部が設けられ、髭剃り中に皮膚が前記ガード部、キャップ部、前端皮膚接触部及び後端皮膚接触部のいずれにも接触可能である。したがって、前端皮膚接触部及び後端皮膚接触部がガード部及びキャップ部と協働して実質的に安全かみそりのヘッドである刃装置の上面を実質的に広くしている。これにより、腕を不自然に曲げたり手首を大きく曲げたりして毛を剃る場合に、手や腕の動きに無理が伴うときがあっても、刃装置の広い上面が刃装置を安定した状態で支持し安全かみそりのぐらつきなどを防止するので、足や腕の毛を剃るときも安定的に作業をすることができる。また、前端皮膚接触部及び後端皮膚接触部がガード部及びキャップ部と協働して安全かみそりのヘッドである刃装置の上面を実質的に広くしているが、その実質的に広くしている部分は、切断構造の前方にあってはガード部と前端皮膚接触部であって、皮膚は切断構造の前方部分の全面に亘って接触しないから摩擦力は大きく増加することはない。さらに、切断構造の後方にあっては刃装置の上面を実質的に広くしている部分がキャップ部と後端皮膚接触部であって、皮膚は切断構造の後方部分の全面に亘って接触しないから摩擦力は大きく増加することはない。したがって、刃装置の上面が実質的に広くなり安定性が増すが摩擦力は大きく増加することがなく円滑に剃ることができる。
【0014】
請求項2は、前端皮膚接触部と後端皮膚接触部の共通接線である第一接線上又はそれよりも下方に少なくとも1つの刃先縁を有する。少なくとも1つの刃先縁が第一接線よりも突出していないので、使用時における皮膚の負担を軽くすることができ、結果的に円滑に剃ることができる。
【0015】
請求項3は、ガード部とキャップ部の共通接線である第二接線が前記第一接線と同じ高さ又はそれよりも下方に存在する。使用時に、第二接線が第一接線を越えて皮膚に接することがないので、前端皮膚接触部と後端皮膚接触部が確実に皮膚に接触する。
【0016】
請求項4は、前端皮膚接触部と後端皮膚接触部の共通接線の両接点のスパンが、ガード部とキャップ部の共通接線の両接点のスパンの2倍以上4倍以下である。したがって、刃装置の上面を十分に広くすることができて足や腕を剃るときに安定性を得ることができる。
【0017】
請求項5は、前端皮膚接触部又は後端皮膚接触部の少なくとも一方が回転可能な回転部材で構成されている。回転可能な回転部材で構成することにより、回転部材が皮膚と接触して回転することにより両者の間の摩擦力は著しく減少するのでさらに円滑に剃ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の安全かみそりの刃装置である替刃1であって、この替刃1を柄に着脱自在に取り付けて使用する。本発明は、このような替刃式に限定されるものではなく、柄に刃装置を固定的に設けてもよい。
【0019】
替刃1は、図2に示すカートリッジ2と図3に示す枠部材3とから成る。カートリッジ2は従来の男性用安全かみそりの替刃とほぼ同じ構造であり、前方にガード部4が設けられ、後方にキャップ部5が設けられており、ガード部4とキャップ部5の間に切断構造である刃の刃先縁6が存在する。切断構造の刃先縁6は3つ存在するがそれ以外の数でもよい。好ましくは2〜8の数がよい。ガード部4の表面にシェービングエイド7が横方向に延びるように設けられ、キャップ部5の表面に細長いシェービングエイド8が横方向に延びるように設けられている。また、シェービングエイド8はキャップ部5の表面に縦方向に延びるように形成された7つの溝9の中央を横切るように延びている。溝9の数は7に限定されるものでないが3〜15程度が好ましい。溝9を形成することによりその中に溶けたシェービングエイドが溜まってさらに円滑に剃ることができる。ただし、溝9は存在しなくてもよい。
【0020】
前述したように、カートリッジ2は従来の男性用安全かみそりの替刃とほぼ同じ構造であり、首振り式安全かみそりの構造を有している。したがって、この替刃1を安全かみそりの柄の上端に取り付けたときに替刃1は柄に対して揺動可能である。髭剃り中に顔の凹凸に対応して替刃1は揺動する。図4及び図5に示す符号17は安全かみそりの柄に替刃1を取り付けるための取付構造である。取付構造17はその外側に外板部18を有し、内側に内板部19を有する。外板部18と内板部19の間に凹所20が形成されている。また、内板部19にはジャーナル軸孔(図示せず。)が刃先縁6方向に設けられている。
【0021】
図示しないが、安全かみそりの柄の頂部には一対のアームが設けられ、それぞれのアームの先端に内向きのジャーナル軸が取り付けられている。このアームは操作ボタンなどで通常の位置から外側に揺動させることができる。柄に替刃1を取り付けるときは、まず操作ボタンなどを操作して両アームを外側に揺動させ両ジャーナル軸の距離を広げる。次いでその状態のままアームの先端を取付構造17の凹所20に挿し込む。そして、操作ボタンを解除するとアームは元の位置に復帰し広げられていた両ジャーナル軸の距離が元の位置に狭まり、そのジャーナル軸は取付構造20のジャーナル軸孔に挿入される。この操作によって替刃1は柄に揺動可能に取り付けられる。また、符号27はカートリッジ2の底面に設けられた弧状突部である。この弧状突部27の表面が、揺動した替刃1を元の位置に復帰させるためのカム面である。すなわち、弧状突部27のカム面が安全カミソリの柄の上端のプッシャーから弾性的な圧力を受けることによりカム運動して、揺動した替刃1を元の位置に復帰させる。これらの構造は安全かみそりについて公知である。
【0022】
図3に示すように、枠部材3は、その前部に前端皮膚接触部であるローラー10を有し、後部に後端皮膚接触部であるローラー11を有する。ローラー10,11は刃先縁6と平行でありいずれの方向にも回転可能である。このように2つの皮膚接触部をいずれもローラーで形成してもよく、一方のみをローラーとしてもよく、両皮膚接触部ともローラーで形成しなくてもよい。また、ローラー10,11の表面にはシェービングエイドが設けられているが、一方のローラーのみにシェービングエイドを設けてもよく両ローラー10,11共にシェービングエイドを設けなくてもよい。両ローラー10,11の表面にはそれぞれ長手方向に延びる複数の溝12,13が設けられている。使用時にローラー10,11の回転を促すためである。枠部材13のローラー10,11以外の部分は合成樹脂で一体に形成されている。
【0023】
図4に示すように、カートリッジ2は両ローラー10,11の間に位置するように枠部材3に取り付けられる。図3に示すように、枠部材3の底面部14の中央に開口15が設けられている。この開口15は剃られた毛を排出するために設けられている。底面部14の両側にコ字形の切欠部16,16が設けられている。この切欠部16,16に、カートリッジ2の底面に設けられた結合構造17,17が入り込む。このように、カートリッジ2の結合構造17,17が切欠部16,16に入り込むことにより替刃1は組み立てられ、溶着によりカートリッジ2と枠部材3とを確実に結合する。溶着に代えて接着でもよく凹凸による係止でもよい。
【0024】
図6は本発明の刃を4枚とした場合の各部材の位置的関係を示す簡略図である。なお、本発明がこれらの位置的関係に限定されないことは勿論である。前端皮膚接触部であるローラー10及び後端皮膚接触部であるローラー11の外周はそれらの表面に設けられた溝12,13を除いた部分の外周を表示している。符号21は前端皮膚接触部であるローラー10と後端皮膚接触部であるローラー11の共通接線である第一接線である。符号22はガード部4とキャップ部5の共通接線である第二接線である。第一接線21は第二接線22よりも上方に位置している。ガード部4に最も近い第一の刃23の第一接線21及び第二接線22に対する露出量Aはマイナスである。その後ろの第二の刃24の第一接線21及び第二接線22に対する露出量Bは同じくマイナスである。その後ろの第三の刃25の第二接線22に対する露出量Cはプラスであり且つ第一接線21に対する露出量はマイナスである。その後ろの第四の刃26の第一接線21及び第二接線22に対する露出量Dはマイナスである。第一接線21は第二接線22よりも上方に間隔をあけて位置しているが、その間隔がゼロであってもよい。好ましい間隔はゼロ以上で3mm以下である。
【0025】
第一接線21の接点間の距離Eは6〜40mmであることが好ましく、第二接線22の接点間の距離Fの2倍以上で10倍以下が好ましい。第二接線22の接点間の距離Fは3〜15mmであることが好ましい。第二接線22とガード部4との接点から第一の刃23の刃先縁までの第二接線上での距離をHとし、第二接線22とガード部4の接点から第一接線21とローラー10の接点までの第一接線上での距離をGとして、H<Gであり、好ましくはH<G<5Hである。距離Gは0.5〜15mmであることが好ましく、距離Hは0.3〜3mmであることが好ましい。第四の刃26の刃先縁から第二接線22とキャップ部5の接点までの第二接線上での距離をJとし、第二接線22とキャップ部5の接点から第一接線21とローラー11の接点までの第二接線上での距離をKとすると、J<Kであり、好ましくはJ<K<10Jである。距離Jは0.5〜5mmであることが好ましく、距離Kは0.5〜20mmであることが好ましい。なお、ガード部4の表面は平面部を有して前後の角(かど)がアールに形成されている。したがって、第二接線22のガード部4における接点は、距離Gの基点がその一つの接点であり、そのほかに距離Hの基点がもう一つの接点であって2つ存在する。ガード部4の表面を例えば弧状に形成したときはそれら2つの基点は一致するから接点は1つとなる。キャップ部5の接点についても同様である。
【0026】
前述したように、本発明はこのような位置関係に限定されるものではない。例えば、刃を2枚として、第一接線21と第二接線22の高さを同じとし、2枚の刃のそれぞれの露出量を共にゼロとしてもよい。また、刃を3枚として、それらの刃を前記第一の刃23と第二の刃24及び第三の刃25と同じ位置関係にしてもよい。その場合、第四の刃26が存在しないからキャップ部5はやや前方に移動することが好ましい。
【0027】
次に、本発明の刃の露出量について説明する。安全かみそりが複数の刃を有するときは2種類の露出量の測り方が存在する。第一の測り方は、ガード部4とキャップ部5の共通接線である第二接線を基準として、各刃先縁から第二接線に垂直に下ろした直線の長さを露出量とする測り方である。第二の測り方は、測ろうとする刃の直前及び直後の皮膚係合部材の共通接線を基準とする測り方である。ここで、皮膚係合部材はガード部4とキャップ部5のほか、各刃が含まれる。したがって、第一の刃23の露出量は、ガード部4と第二の刃24の刃先縁との共通接線を基準として決定する。第二の刃24の露出量は、第一の刃23の刃先縁と第三の刃25の刃先縁との共通接線を基準として決定する。これに基づいて、本発明の露出量は例えば以下の数値が用いられるが、これに限定されないことは勿論である。
1.前記第一の測り方
第一の刃とは最もガード部4に近い刃であり、後続の刃が順次続く。
a.安全かみそりが3枚の刃を有する場合
露出量は第一の刃から順次、ゼロ、+0.025、ゼロmmとする。
b.安全かみそりが4枚の刃を有する場合
露出量は第一の刃から順次、−0.1、ゼロ、+0.025、ゼロmmとする。
c.安全かみそりが5枚の刃を有する場合
露出量は第一の刃から順次、−0.1、ゼロ、+0.025、ゼロ、−0.025mmとする。
2.前記第二の測り方
a.安全かみそりが3枚の刃を有する場合
露出量は第一の刃から順次、−0.01、+0.025、−0.015mmとする。
b.安全かみそりが4枚の刃を有する場合
露出量は第一の刃から順次、−0.1、+0.034、+0.025、−0.015mmとする。
c.安全かみそりが5枚の刃を有する場合
露出量は第一の刃から順次、−0.1、+0.034、+0.025、ゼロ、−0.025mmとする。
【0028】
なお、本発明は前述した構成に基づいて種々の態様をとることが可能である。例えば、カートリッジ2を枠部材3に対して着脱自在に設けて交換可能としたり、カートリッジ2のみを安全かみそりの柄に取り付け枠部材なしで使用できるようにしてもよい。例えば、枠部材なしのときは顔剃りに使用し、枠部材を装着したときは手や足を剃るのに用いる。また、実施形態ではカートリッジ2を柄に結合する構造であり、枠部材3は柄に結合されていないが、枠部材3を柄に結合する構造であってもよい。前端皮膚接触部又は後端皮膚接触部の双方又は一方を上下動可能に設けてもよい。手動で上下させたり、弾性部材を用いて皮膚からの圧力でそれぞれの皮膚接触部が独自に動いてもよく、両皮膚接触部が互いに関係を付けて動くようにしてもよい。また、カートリッジ2内で刃が上下方向あるいは前後方向に移動可能としてもよい。その際、各刃が独立して移動してもよいし、複数又は全部の刃が一体的に移動してもよい。また、前端皮膚接触部又は後端皮膚接触部をそれぞれ複数設けてもよい。皮膚接触部のシェービングエイドを交換可能に設けてもよい。シェービングエイドに代えて、前端皮膚接触部にひげ軟化剤や皮膚引っ張り部やひげ加湿部あるいはひげ加温部を設けたり、後端皮膚接触部に保湿剤や止血剤や芳香油塗布部を設けたりしてもよい。また、前端皮膚接触部又は後端皮膚接触部を摩擦係数の小さい材料で形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の替刃の斜視図
【図2】カートリッジの斜視図
【図3】枠部材の斜視図
【図4】替刃の側面図
【図5】替刃の底面図
【図6】替刃の各部材の位置関係を示す簡略図
【符号の説明】
【0030】
1 替刃
2 カートリッジ
3 枠部材
4 ガード部
5 キャップ部
6 刃先縁
7 シェービングエイド
8 シェービングエイド
9 溝
10 ローラー
11 ローラー
12 溝
13 溝
14 枠部材の底面部
15 開口
16 切欠部
17 取付構造
18 外板部
19 内板部
20 凹所
21 第一接線
22 第二接線
23 第一の刃
24 第二の刃
25 第三の刃
26 第四の刃
27 弧状突部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの刃で構成される切断構造を有し、該切断構造の最前の刃先縁の前方に皮膚接触部であるガード部が設けられ、前記切断構造の最後方の刃先縁の後方に皮膚接触部であるキャップ部が設けられている安全かみそりであって、前記ガード部の前方にさらに前端皮膚接触部が設けられ、前記キャップ部の後方にさらに後端皮膚接触部が設けられており、髭剃り中に皮膚が前記ガード部、キャップ部、前端皮膚接触部及び後端皮膚接触部のいずれにも接触可能に構成されていることを特徴とする安全かみそり。
【請求項2】
前端皮膚接触部と後端皮膚接触部の共通接線である第一接線上又はそれよりも下方に少なくとも1つの刃先縁を有する請求項1記載の安全かみそり。
【請求項3】
ガード部とキャップ部の共通接線である第二接線は前記第一接線と同じ高さ又はそれよりも下方に存在する請求項1又は請求項2のいずれか一項記載の安全かみそり。
【請求項4】
前端皮膚接触部と後端皮膚接触部の共通接線の両接点のスパンは、ガード部とキャップ部の共通接線の両接点のスパンの2倍以上4倍以下である請求項1乃至請求項3のいずれか一項記載の安全かみそり。
【請求項5】
前端皮膚接触部又は後端皮膚接触部の少なくとも一方が回転可能な回転部材で構成されている請求項1乃至請求項4のいずれか一項記載の安全かみそり。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−189589(P2009−189589A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−33774(P2008−33774)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 発行者名 貝印カミソリ株式会社 刊行物名 「What’s PINK」と題されたパンフレット 発行年月日 平成19年12月13日
【出願人】(000001454)株式会社貝印刃物開発センター (123)