説明

風力発電装置の騒音低減方法、及び騒音低減型風力発電装置

【課題】発電効率に影響を与えることなく風力発電装置から外部へと生じる騒音を低減するとともに、既存の風力発電装置にも適用可能な騒音の低減方法を提供する。
【解決手段】中空円筒状のタワー2と、タワー2内に騒音を発生させる騒音発生源とを備えた風力発電装置1の騒音低減方法であって、タワー2内に、騒音検出マイク12と消音用制御音を発するスピーカ11とを備える能動型消音ユニットを配置しておき、能動型消音ユニットを用いて、騒音発生源が発生させる騒音のうち、タワー2の高さ方向に生じる定在波の周波数成分を低減する騒音低減ステップ、からなる風力発電装置1の騒音低減方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空円筒状のタワーと、当該タワー内に騒音を発生させる騒音発生源とを備えた風力発電装置の騒音低減方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境の保全やエネルギーセキュリティの確保が可能なエネルギー源として、風力エネルギーが注目されており、風力エネルギーを用いた発電設備として大型風車(風力発電装置)の建設が各地で進められている。一方で、大型風車から発生する低周波音や20Hz以下の超低周波音が近隣住民の健康に及ぼす影響が懸念されており、大型風車から発生する騒音の低減は課題の1つとなっている。
【0003】
このような課題への取り組みとして、例えば、特許文献1には、風の力を受けて回転するブレードの騒音を測定し、測定された騒音の値によりブレードのピッチ角を制御する風力発電装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−32986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の技術では翼を傾けるために発電効率が低下するおそれがある。また、特許文献1のように風力発電装置自体に改良を加える方法は、既存の風力発電装置に対しては適用できないという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、発電効率に影響を与えることなく風力発電装置から外部へと生じる騒音を低減するとともに、既存の風力発電装置にも適用可能な騒音の低減方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る風力発電装置の騒音低減方法の特徴構成は、中空円筒状のタワーと、当該タワー内に騒音を発生させる騒音発生源とを備えた風力発電装置の騒音低減方法であって、前記タワー内に、騒音検出マイクと消音用制御音を発するスピーカとを備える能動型消音ユニットを配置する配置ステップと、前記能動型消音ユニットを用いて、前記騒音発生源が発生させる騒音のうち、前記タワーの高さ方向に生じる定在波の周波数成分を低減する騒音低減ステップと、からなることにある。
【0008】
ここで、発明者らの鋭意研究の結果、風力発電装置のタワー内の空間では、風力発電装置内に存在する騒音源(例えば、発電機や増速機などの稼動部)から発生する騒音が共鳴を起こし、ときとして非常に大きな音となる、という知見を得た。より詳しくは、騒音源から発生した騒音の特定周波数成分が、略閉空間であるタワー内において定在波を生じていることが分かった。本発明は、このタワー内における定在波を弱めることで、風力発電装置から外部へと生じる騒音を低減することが可能であるとの着眼に基づきなされたものである。
【0009】
上記特徴構成によれば、騒音検出用マイクによって、タワー内の騒音を検出する。そして、検出した騒音をもとに作成した消音用制御音を、同じくタワー内でスピーカから発生させる。よって、タワー内で生じる定在波を効果的に打ち消すことができる。このため、発電効率に影響を与えることなく風力発電装置から外部へと生じる騒音を低減できる。また、本願発明においては、既存の風力発電装置に対して新たにタワー内に能動型消音ユニットを配置するだけで済むため、既存の風力発電装置にも適用可能である。
【0010】
ここで、あらかじめ、前記タワーの高さ方向での定在波の基本周波数を求め、当該基本周波数の定在波が生じる場合の腹の位置を求めるステップを実行し、前記配置ステップにおいて、前記スピーカ及び前記騒音検出マイクを、前記腹の位置に配置すると好適である。
【0011】
ここで、タワー内で発生する定在波は、その周波数によらず、基本周波数の定在波の腹の位置において、腹が形成される。上記特徴構成によれば、基本周波数の定在波の腹の位置で、タワー内の騒音を検出する。そして、検出した騒音をもとに作成した消音用制御音を、同じく腹の位置でスピーカから発生させる。よって、タワー内で発生するあらゆる定在波を効果的に打ち消すことができ、風力発電装置から外部へと生じる騒音を低減できる。
【0012】
また、前記騒音低減ステップにおいて、前記騒音検出マイクで検出された騒音のうち、前記定在波の周波数成分のみを取り出すフィルタリングステップと、前記フィルタリングステップで取り出した周波数成分から前記消音用制御音を生成する消音用制御音生成ステップと、を実行すると好適である。
【0013】
上記特徴構成によれば、能動型消音ユニットによって効果的に打ち消すことができる周波数成分のみを、能動型消音ユニットによる消音対象とすることができる。よって、能動型ユニットを用いることで逆に増幅されてしまうおそれのある周波数成分に対して、能動型ユニットの使用による悪影響を与えずに済む。すなわち、タワー内で発生する定在波のみを効果的に打ち消すとともに、定在波以外の周波数成分の騒音の増幅を抑えることができる。これにより、風力発電装置から外部へと生じる騒音を効果的に低減できる。
【0014】
本発明に係る騒音低減型風力発電装置の特徴構成は、中空円筒状のタワーと、当該タワー内に騒音を発生させる騒音発生源とを備えた風力発電装置であって、前記タワー内に、騒音検出マイクと消音用制御音を発するスピーカとを備える能動型消音ユニットが配置され、前記能動型消音ユニットを用いて、前記騒音発生源が発生させる騒音のうち、前記タワーの高さ方向に生じる定在波の周波数成分を低減する騒音低減手段と、からなることにある。
【0015】
上記特徴構成によれば、騒音検出用マイクによって、タワー内の騒音を検出する。そして、検出した騒音をもとに作成した消音用制御音を、同じくタワー内でスピーカから発生させる。よって、タワー内で生じる定在波を効果的に打ち消すことができる。このため、発電効率に影響を与えることなく風力発電装置から外部へと生じる騒音を低減できる。
【0016】
ここで、前記スピーカ及び前記騒音検出マイクが、前記タワーの高さ方向での基本周波数の定在波が生じる場合の腹の位置に配置された構成とすると好適である。
【0017】
上記特徴構成によれば、基本周波数の定在波の腹の位置で、タワー内の騒音を検出する。そして、検出した騒音をもとに作成した消音用制御音を、同じく腹の位置でスピーカから発生させる。よって、タワー内で発生するあらゆる定在波を効果的に打ち消すことができ、風力発電装置から外部へと生じる騒音を低減できる。
【0018】
また、前記騒音低減手段が、前記騒音検出マイクで検出された騒音のうち、前記定在波の周波数成分のみを取り出すフィルタリング手段と、前記フィルタリング手段で取り出した周波数成分から前記消音用制御音を生成する消音用制御音生成手段と、を備えると好適である。
【0019】
上記特徴構成によれば、能動型消音ユニットによって効果的に打ち消すことができる周波数成分のみを、能動型消音ユニットによる消音対象とすることができる。よって、能動型ユニットを用いることで逆に増幅されてしまうおそれのある周波数成分に対して、能動型ユニットの使用による悪影響を与えずに済む。すなわち、タワー内で発生する定在波のみを効果的に打ち消すとともに、定在波以外の周波数成分の騒音の増幅を抑えることができる。これにより、風力発電装置から外部へと生じる騒音を効果的に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る風力発電装置の外形図である。
【図2】本発明の実施形態に係るナセル内部の概略図である。
【図3】本発明の実施形態に係るタワー内における騒音のスペクトログラムである。
【図4】本発明の実施形態に係る風力発電装置の概略図である。
【図5】本発明の実施形態に係る制御部内のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
1.風力発電装置の概要
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に、本発明に係る風力発電装置1の外形を示す。風力発電装置1は、鉛直方向に設置された中空円筒状のタワー2を備えている。図2に示すように、タワー2は、内部に昇降はしご等が存在するものの、大きな中空円柱である。また、タワー2内部は、上端と下端が閉じられた閉空間となっている。本実施形態においては、タワー2の高さは、約70mである。また、タワー2上端には、ブレード5及びブレード5の回転を伝達するハブ4を支持するナセル3が取り付けられている。
【0022】
図2に、ナセル3内部の構造を示す。ナセル3内部には、ハブ4に連結された主軸6の回転数を増加させるための増速機7及び、増速機7から伝達された回転により発電する発電機8が設けられている。増速機7には、例えば、複数のギアを有する遊星歯車機構が用いられる。本実施形態においては、増速機7は、タワー2の高さ方向における定在波の基本周波数の整数倍に相当する周波数成分をもつ騒音を発生させるように構成されている。本願発明者らによる確認によれば、具体的には、増速機7は、稼動状態の変化に伴い、主に40Hz〜160Hzにかけて音圧のピークが連続的に変化する騒音を発生させる。
【0023】
また、図示は省略するが、タワー2内には、油圧ポンプや、各種機器の冷却用ファンなどが設けられている。上述の増速機7、発電機8、及びこれらの機器は、風力発電装置1の頂部もしくは底部に設けられており、本発明における「タワー2内に騒音を発生させる騒音発生源」に相当する。
【0024】
2.タワー内に発生する騒音
図3に、風力発電装置1のブレード5が回転しているある時点(風力発電装置1の起動時)において、上記騒音発生源によりタワー2内に発生する騒音のスペクトログラムを示す。縦軸は騒音の周波数を、横軸は時間を表している。図中の各点での色の濃淡は、各時点・各周波数での音圧(相対値)を表している。なお、騒音の計測は、タワー2の下部に設けられた出入り口にて行っている。同図において淡色側(白色側)が音圧の大きい側を、濃色側(黒色側)が音圧の小さい側に対応している。
【0025】
ここで、40Hz〜100Hzの周波数帯域に注目すると、時間の経過とともに音圧のピークが徐々に高周波数側にシフトする様子が複数箇所(図中、右斜め上方向に伸びている箇所)に存在する。これらの時系列変化は、発電状態に合わせて、風力発電装置1内部の機器の運転状態が変化することにより引き起こされていると考えられる。このような風力発電装置1内部の機器としては、例えば、増速機7や発電機8などが相当すると考えられる。
【0026】
上記音圧の時系列変化をより詳しく見ると、特定の周波数領域においては、時系列で見てその前後に比べ、急激に音圧が上昇している。具体的には、図中、点線で示すように、60〜80Hzの間において5Hzおきに音圧が上昇する箇所が存在している。以下では、この点について考察する。
【0027】
本実施形態においては、タワー2の高さが70m、図3のスペクトログラム計測時の気温が35℃(音速が350m/s)であるため、閉空間であるタワー2の高さ方向に存在し得る定在波の基本周波数は2.5Hzと求まる。閉空間においては、基本周波数の整数倍の音波は定在波を生じるので、60〜80Hzの間において5Hzおきに音圧が上昇しているのは、各周波数のときにタワー2内で定在波を生じている(タワー2内で共鳴が起きている)ためと考えられる。本発明は、これらの定在波を能動型消音ユニット(Active Noise Canceller; ANC)により打ち消し、風力発電装置1から外部へと生じる騒音を低減することを目的としている。
【0028】
3.騒音低減型風力発電装置の構成
図4に、本発明に係る風力発電装置1の概略図を示す。タワー2内には、スピーカ11及び騒音検出マイク12を備えた能動型消音ユニット10が配置されている。本実施形態においては、スピーカ11及び騒音検出マイク12は、タワー2の高さ方向での基本周波数の定在波が生じる場合の腹の位置(タワー2の上端及び下端)にそれぞれ配置されている。
【0029】
また、風力発電装置1内には、能動型消音ユニットを用いて、上記騒音発生源が発生させる騒音のうち、タワー2の高さ方向に生じる定在波の周波数成分を低減する制御部20が設けられている(図4上では、作図の都合上、制御部20を風力発電装置1外に記載している)。制御部20は、マイクロプロセッサ及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータを主要な機器として構築される。
【0030】
ここで、制御部20は本発明における「騒音低減手段」に相当する。
【0031】
制御部20は、騒音検出マイク12で検出された信号に基づく騒音の波形から、当該騒音の波形とは逆位相の波形を算出し、スピーカ11に出力する。スピーカ11から出力された音波が、騒音発生源から発生した騒音と干渉することで、当該騒音を低減することができる。
【0032】
この制御部20は、簡単には、フィードフォワード制御によって制御波形をスピーカから出力するように構成することができるが、本実施形態では、より精度の高い消音効果を得るために、フィードバック制御を採用している。従って、エラーマイクとして機能する誤差検出マイク13が用意されるとともに、制御部20には誤差検出マイク13からの評価用騒音信号に基づいて騒音制御フィルタ部22のフィルタ係数を調整する逆フィルタ演算部25が含まれている。
【0033】
ここで本実施形態における制御部20の構成を図5に示す。制御部20は、プリアンプやA/D変換器を含む前処理部21、騒音制御フィルタ部22、バンドパスフィルタ23、D/A変換器やアンプなどを含む駆動部24を有する。前処理部21は、騒音検出マイク12及び誤差検出マイク13の検出信号を後段の処理に適した形態に処理して出力する。
【0034】
騒音検出マイク12は、騒音発生源から発生する騒音を拾うためのいわゆるリファレンスマイクとして利用される。騒音制御フィルタ部22は、騒音検出マイク12で検出された騒音の音量が小さくなるように、騒音検出マイク12からの検出信号に基づく騒音波形(定在波波形)とは逆位相の制御波形を示す制御信号を生成する。駆動部24は騒音制御フィルタ部22からの制御信号に基づいてスピーカ11を駆動し、スピーカ11から騒音波形と打ち消しあう制御波形を出力させる。
【0035】
さらに、制御部20は、騒音検出マイク12で検出された騒音のうち、定在波の周波数成分のみを取り出すフィルタリング処理を行うバンドパスフィルタ23を騒音制御フィルタ部22と駆動部24との間に備えている。より詳しくは、バンドパスフィルタ23は、タワー2の高さ方向での基本周波数の倍数となる周波数のみを通し、それ以外の周波数成分を取り除くように構成されている。本実施形態においては、基本周波数が2.5Hzであるため、2.5Hzの倍数にあたる周波数のみを通すように構成されている。そして、バンドパスフィルタ23でのフィルタリング処理により取り出した周波数成分の波形から、スピーカ11に出力する消音用制御音を生成するように構成されている。このような構成とすることで、能動型消音ユニットが作用する周波数のみを効果的に打ち消すことができる。
【0036】
ここで、バンドパスフィルタ23は本発明における「フィルタリング手段」に相当する。
【0037】
バンドパスフィルタ23が通す周波数は、あらかじめ設定しておく他に、騒音検出マイク12で検出した騒音信号の時系列変化に基づいて動的に設定しても構わない。すなわち、時系列で見て音圧のピーク値が大きくなっている周波数を、ピーク値が大きい順に複数個選択するように構成されていても構わない。例えば、本実施形態の場合、図3に白色破線で示すように、5Hz刻みで60〜80Hzの周波数において大きなピーク値を示しているため、バンドパスフィルタ23が通す周波数を、60、65、70、75、80Hzに設定すると良い。
【0038】
制御部20の適応制御で用いられる音響モデルは、騒音検出マイク(リファレンスマイク)2から誤差検出マイク(エラーマイク)4までの1次経路とスピーカ11から誤差検出マイク(エラーマイク)4までの2次経路、スピーカ11から騒音検出マイク(リファレンスマイク)2までのフィードバック経路を、伝達関数でモデル化したものである。このような消音適応制御の詳しい説明は、本願と同じ出願人による特開2011−107673号を参照することができる。
【0039】
なお、本実施形態で用いている能動型消音ユニット10は、騒音検出マイク(リファレンスマイク)12の位置、スピーカ(消音音源)11の位置、誤差検出マイク(エラーマイク)13の位置に定在波の節がきている場合、誤差信号を十分に検出できずに十分な消音ができないことが実験的に確かめられている。このため、騒音検出マイク12、スピーカ11、誤差検出マイク13を定在波の節を避けて配置することが重要である。
【0040】
〔その他の実施形態〕
(1)上記実施形態においては、能動型消音ユニット10がフィードバック制御を用いて消音用制御音を生成する場合の例を説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、能動型消音ユニット10が、誤差検出マイク13を備えず、公知のフィードフォワード制御によって消音用制御音をスピーカから出力するように構成しても構わない。
【0041】
(2)上記実施形態においては、スピーカ11及び騒音検出マイク12が、タワー2の高さ方向の基本周波数の定在波の腹の位置に配置されている場合の例を説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、スピーカ11及び騒音検出マイク12が任意の場所に配置されていても構わない。
【0042】
(3)上記実施形態においては、制御部20がバンドパスフィルタ23を備える場合の例を説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、制御部20がバンドパスフィルタ23を備えず、騒音検出マイク12で検出した信号に基き、全周波数帯域に渡って騒音の波形とは逆位相の波形を生成するように構成されていても構わない。
【0043】
(4)上記実施形態においては、制御部20においてバンドパスフィルタ23を騒音制御フィルタ部22の前段に備える場合の例を説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、スピーカ11に出力される制御波形の周波数成分が、タワー2内に高さ方向で発生する定在波の周波数成分のみとなるようにバンドパスフィルタ23が備えられていれば良い。例えば、バンドパスフィルタ23が騒音制御フィルタ部22の後段に備えられていても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、中空円筒状のタワーと、当該タワー内に騒音を発生させる騒音発生源とを備えた風力発電装置に適応可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 :風力発電装置
2 :タワー
7 :増速機(騒音発生源)
8 :発電機(騒音発生源)
10 :能動型消音ユニット
11 :スピーカ
12 :騒音検出マイク
21 :制御部(騒音低減手段)
23 :バンドパスフィルタ(フィルタリング手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空円筒状のタワーと、当該タワー内に騒音を発生させる騒音発生源とを備えた風力発電装置の騒音低減方法であって、
前記タワー内に、騒音検出マイクと消音用制御音を発するスピーカとを備える能動型消音ユニットを配置しておき、
前記能動型消音ユニットを用いて、前記騒音発生源が発生させる騒音のうち、前記タワーの高さ方向に生じる定在波の周波数成分を低減する騒音低減ステップ、からなる風力発電装置の騒音低減方法。
【請求項2】
あらかじめ、前記タワーの高さ方向での定在波の基本周波数を求め、当該基本周波数の定在波が生じる場合の腹の位置を求めるステップを実行し、
前記能動型消音ユニットを配置する場合に、前記スピーカ及び前記騒音検出マイクを、前記腹の位置に配置する請求項1に記載の風力発電装置の騒音低減方法。
【請求項3】
前記騒音低減ステップにおいて、
前記騒音検出マイクで検出された騒音のうち、前記定在波の周波数成分のみを取り出すフィルタリングステップと、
前記フィルタリングステップで取り出した周波数成分から前記消音用制御音を生成する消音用制御音生成ステップと、を実行する請求項1又は2に記載の風力発電装置の騒音低減方法。
【請求項4】
中空円筒状のタワーと、当該タワー内に騒音を発生させる騒音発生源とを備えた風力発電装置であって、
前記タワー内に、騒音検出マイクと消音用制御音を発するスピーカとを備える能動型消音ユニットが配置され、
前記能動型消音ユニットを用いて、前記騒音発生源が発生させる騒音のうち、前記タワーの高さ方向に生じる定在波の周波数成分を低減する騒音低減手段と、からなる騒音低減型風力発電装置。
【請求項5】
前記スピーカ及び前記騒音検出マイクが、前記タワーの高さ方向での基本周波数の定在波が生じる場合の腹の位置に配置された請求項4に記載の騒音低減型風力発電装置。
【請求項6】
前記騒音低減手段が、
前記騒音検出マイクで検出された騒音のうち、前記定在波の周波数成分のみを取り出すフィルタリング手段と、
前記フィルタリング手段で取り出した周波数成分から前記消音用制御音を生成する消音用制御音生成手段と、を備える請求項4又は5に記載の騒音低減型風力発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−87633(P2013−87633A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226098(P2011−226098)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】