説明

風呂蓋開閉システム

【課題】 容易に開閉しうる風呂蓋開閉システムを得る。
【解決手段】長方形浴槽4の一辺の上面に接する、一縁を固定縁とする、蝶番3でつながれた数枚の板または1枚板から成る風呂蓋1,2の、固定縁から離れた蝶番3付近、各板の縁等に設けた留め金具12に一端が連なり、他端は、バネ・ゴムヒモ等の弾性牽引体13を介して蓋自体・浴室壁の上部等に設けた留め金具11につなぐか、ロープを介して、浴室壁・浴槽外面・風呂蓋固定縁等に設けた牽引装置につなぎ、蓋の開閉を容易にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風呂蓋の開閉システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一つの浴槽上を覆う1枚板・数枚の板から成る風呂蓋、すだれ状の風呂蓋等の風呂蓋が知られているが、いずれもかぶせる際に手の力や、手数を要し、はずす際にも同様に力や手数を要する。特に、子供や病弱者には、相当に困難な操作である。
また、置き場所まで運ぶ力と手数を要し、立てかけたものが倒れかかることもよくあり、置き場所で浴室内を狭めることも多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような従来の風呂蓋の欠点を解消した、弱い力で浴槽上にかぶせたり、はずしたりでき、子供・身体障害者・高齢者等にも扱いやすく、はずした際の置き場所が浴室内をあまり狭めず、再び広がったり、倒れかかったりしにくい風呂蓋の開閉システムを得ることを主目的とする。
また、強く、軽く、断熱性にすぐれ、安価な蓋の製造法や、このシステムに用いる伸長率の大きいバネの製造法等についても記す。
【課題を解決するための手段】
【0004】
長方形浴槽の一辺の上面に接する、一縁を固定縁(回転軸)とする、蝶番・フレキシブルな合成樹脂シート・弾性鋼板等の接続装置でつながれた多数枚の複合板または1枚板から成る風呂蓋の、固定縁から離れた、蝶番付近、その他の風呂蓋板の部分に設けた、留め金具に一端が連なり、他端は、バネ・ゴムヒモ等の弾性牽引体を介して、蓋自体・浴室壁・浴槽等に設けた留め金具に連なるか、または、風呂蓋の固定縁から離れた部に設けた留め金具に一端が連なり、他端は、ロープ等の非弾性牽引体を介して、浴室壁・浴槽・風呂蓋固定縁等に設けた牽引体巻き取り装置(ウインチ)につないで成る、風呂蓋開閉システムを用いる等して解決する。
【発明の効果】
【0005】
本発明を実施すれば、弱い力で浴槽上にかぶせたり、はずしたりでき、子供・身体障害者・高齢者等にも扱いやすく、はずした際の置き場所が浴室内をあまり狭めず、再び広がったり、倒れかかったりしにくい風呂蓋の開閉システムを得ることができる。
また、強く、軽く、断熱性にすぐれた風呂蓋・浴室の扉・その他にも用いうる強く、軽量で、安価に製造しうる断熱板が得られ、本システム・その他にも用いうる伸長率の大きいバネが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、本発明を実施した浴室の平面図。
図2は、その浴槽と室壁の断面及び風呂蓋開閉システム等の正面図。
1〜2は、断熱性のよい材料から成る風呂蓋の左半部と右半部。
3は、蓋1と2の接触縁に左右の金属板がネジ止めされている、蓋1と2の下面が接触するまで折れ曲がりうる蝶番。(通常の金属製の蝶番のほか、軟質合成樹脂シートや、ごく薄いステンレス鋼板を蓋の下面に張り付けたもの等でもよい。)
4は、小型の浴槽。
5は、流し場。
6は、浴室を囲む室壁。
7は、入口の合成樹脂製扉。
8は、その中に多数存在する縦方向に長い空洞に充填された発泡樹脂製断熱材。
9は、扉の端に連なるu形の軟質合成樹脂板または肉薄硬質合成樹脂板から成るフレキシブル補充扉。
10は、蝶番。
11は、右半部の風呂蓋2の左端上面に取り付けた輪状や、フック状の留め金具(図では角形輪状のものを示している)。
12は、蓋1の左方の室壁6の上部に取り付けた同様の留め金具。
13は、両端がフックになった鋼線製コイルバネ、両端にフック付のほつれ防止金属板製留め金具をかぶせた強いゴムヒモ等の弾性牽引体。(外面を美しいウレタンゴム管や蛇腹管等で被覆してもよい。)
14は、風呂蓋2の上面に取り付けたノブ。
15は、風呂蓋1の左前隅を上方に膨らませて成る吸盤ボックス。
16は、その下にあり、蓋の重みで浴槽の左前隅上に密着しているゴム製吸盤。
17は、吸盤の上端と吸盤ボックス上面とをつないでいるゴムベルト。
18は、風呂蓋2の右前隅上面付近に取り付けた発泡樹脂板、軟質合成樹脂板等から成る風呂蓋移動ガイド。
19は、風呂蓋2の右前隅下面付近に取り付けた同様の材料から成る風呂蓋移動ガイド。
【0007】
浴室内の人は、ノブ14を手に持ち、引き上げると、牽引体による、蓋1と2の重量に近い引っ張り力が元々加わっているので、弱い人力で蝶番3の所で蓋は折れ曲がり、蓋1と2は左方へ移動しながら蝶番の部分が上昇する形で持ち上がる。
その際、吸盤16は、蓋1の左縁が移動するのを防ぎ、蓋1の左縁が固定縁となり、そこが座標系における回転軸となり、移動ガイド19は、始め、浴槽の前壁の内面に接し、蓋2が前にずれるのを防ぎ、やがて、ガイドの下端が蓋2の傾斜の増加により、浴槽の上縁より高くなり、ガイド機能を失うが、その時には、ガイド18の右端が浴槽前壁の内面に接して、蓋のずれを防ぐ。
やがて、蓋1と2の下端が数cmの距離に近ずくと、元々蓋2は1より、やや横幅を小さく造っており、蓋1は、垂直または、上端がやや左に傾いて、室壁にもたれかかり蓋2はとの間で三角形を形成して移動が止まる。
その結果、蝶番部(上端)は牽引体13で引っ張られており、蓋1の下端は吸盤16で固定されており、蓋1と2がなす三角形形成の作用で蓋1と2は、人の手が少し接触した程度では倒れることはない。
更に倒れにくくするために、替久磁石板と軟鋼板から成る吸着装置(ゴム製吸盤を用いてもよい)を、蓋1と2の下面間や、蓋1の上面と室壁との間、蓋1の左縁と浴槽上面との間等に設けてもよい。
【0008】
蓋1と2を浴槽上に展開し、浴槽を閉じるには、ノブ14を右方に引けばよい。
その際、牽引体13の張力が作用しているので、蓋2の右縁と浴槽壁上面との摩擦力は、小さく、弱い手の力で閉じることができる。
【0009】
今、蓋1の横幅が60cm、蓋1の左縁と留め金具12との距離を160cmとすれば、伸びている牽引体13の全長はピタゴラスの定理により、約171cmとなる。
蓋1が垂直に立った時の弾性牽引体の全長は1mであり、牽引体の自然長を60cmとすれば、牽引体1は、3倍近くにまで伸びなければならないことになる。
そのため、コイルバネ等は、後述の製法で造られたもの等、伸長率の大きいものを用いねばならない。
また、高温高質環境に長時間さらされるので、ゴムヒモを用いた場合には劣化しやすいが、その際には、フックをはずして新品に交換すればよい。
ゴムヒモは、平ベルト形のものを用いてもよいし、断面が丸形のものを輪状につないで用いてもよい。
留め金具12をフック状にし、コイルバネから成る牽引体13の任意の位置を引っかけ、バネの張力を調節するようにしたり、ゴムヒモ製牽引体13の端を適当な長さ折り曲げ、平行に並ぶ2本のゴムヒモを囲んで固定する蝶ネジ付V形金具を用いる等して、その張力を調節したりしてもよい。
留め金具12に定滑車を取り付け、滑車の下端に設けた留め金具に、細いワイヤーロープその他の伸びにくい牽引体の一端をつなぎ、その下方に存在する箱入りの砂袋等から成る重りを下端に取り付けた動滑車を経由し、更にロープの他端を、上方の定滑車を経由して、留め金具11に取り付け、重りを蓋1の上に置けば、蓋1〜2は浴槽を閉じ、重りを浴槽の手前に持ってくれば、蓋1〜2が引かれて、立ち丞がり、浴槽が開くようにしてもよい。(動滑車を省略してもよいが、重りの移動距離は、2倍になる。)
重りでロープを引く代わりに、手で定滑車から下垂する軟鋼塊を引き下げ、蓋1〜2が立ち上がった時、その鋼塊を蓋1その他の前縁に取り付けた替久磁石板に付着させて固定するようにしてもよい。
【0010】
なお、留め金具11〜12の位置を蓋1〜2の前縁や、前後の中間に持ってきてもよい。
吸盤ボックス15を、蓋1の左後隅にも設けたり、左縁中央に設けたりしてもよい。
細長い浅い箱の両端内面に2個の吸盤を取り付け、その箱を浴槽左壁の内面に長軸方向を水平または垂直にして付着させ、箱と、蓋1の左縁とを短い鎖等で結合してもよい。
浴槽の左壁と、その左方の壁との間に、間隙がある場合には、吸盤内像の浅い箱を浴槽の外面に取り付けたり、鎖につないだ下端は床にとどく重りをぶらさげたり、浴槽上面に接する部と、その両端から10〜20cm程度下垂し、その下端が弾力で浴相壁を挟むコの字形固定板を取り付け、その上面と蓋1の左縁とを鎖等でつないだりし、蓋1の左縁の(固定縁)を固定してもよい。
浴槽左壁の右面上縁に接し、前後端に、前後方向に伸びる力を出す板バネを取り付けた、上下幅数cm程度のアングル型等の固定板の上縁に、蓋1の左縁をつないでもよい。
浴槽左壁の上面等にフックを取り付け、蓋1の左縁中央に開けた孔を引っかけたり、両者を鎖等でつなぎ、固定してもよい。
蓋移動ガイド18と19を蓋2の右後隅にも設けてもよい。
この蓋移動ガイドとして、ガイド19の位置に、10cm角程度の合成樹脂製蝶番をフラップのように取り付け、蓋2の右端を左移動させる際、フラップの前縁が下に垂れたまま動き、蓋2が前にずれないようにしてもよい。
蓋1の左縁と蓋2の右縁とが接近した際、テコの作用で強い力が働く蝶番近傍で、誤って指を挟んでも、大きな力が指に加わらないようにするため、蝶番3の回転軸部分が、蓋1〜2の下面より1cm程度、下に存在するように蝶番3を取り付けているが、薄い蓋板が壊れてネジがはずれやすい。
それを避けるため、蝶番を形成する金属板を前方から見て、横幅数cmの水平板の右端が1cmほど下方に伸びた左半部と、左端が下方に伸びた右半部とを、下端で回転軸でつないだ蝶番を、蓋1〜2の下面にボルト・ナットで強固に取り付け、蓋1と2を閉じても2cm程度の間隙が上方(蝶番近傍)に生じるようにしてもよい。
あるいは、通常の蝶番の左半部と、右半部の上面に、それぞれ厚さ1cm程度の板を置き、蓋1〜2の下面にネジ止めしてもよい。
あるいは、左・中・右の3枚の金属板を2本の軸で連結した特殊な蝶番を用い、蓋1の下面には左の板を取り付け、右の板は蓋2の下面に取り付け、両蓋が接近しても、両蓋間に中板による、数cmの間隙が生じうるようにしてもよい。
あるいは、横幅10cmのビニールシートの左縁から4cmの範囲を接着したり、横幅4cmの金属板を下から当ててネジ止めする等して、蓋1の右縁から左方5cmの下面の範囲に固定し、シートの右縁から左方4cmの範囲を、同様に蓋2の下面の左縁から右方5cmの範囲に固定し、3枚型蝶番と同様の効果が生じるようにしてもよい。
あるいは、このビニールシートの代わりに、横幅10cm程度の薄いバネ用ステンレス鋼板を取り付けてもよい。
かつ、その鋼板を解放状態では、下向きのu形に湾曲するものにしておき、蓋1の左縁と、蓋2の右縁が接近する力を生じるようにしておいてもよい。
この場合、二つ折りの状態で、床上に置かれていて、足で踏まれると、u形湾曲部が押しつぶされるので、それを防ぐため、その内部にu形や円柱形の半硬質発泡樹脂を、片面に接着剤を付けて挟み込んでおく等してもよい。あるいは、このu形鋼板を蓋1〜2の上面に取り付けてもよい。
このu形鋼板を用いた場合、牽引体13を省略してもよい。
u形鋼板の代りに、長さ40cm程度の鋼線の中間を直径1cm程度に数回コイル状に巻き、それから伸びる10cmほどの脚部の先を、コイル軸と直角方向に2cm程度曲げて成る、閉じる力を出すバネを、蝶番3の延長軸にコイル部を通し、両端を留め金具を介して、蓋12の下面または上面に取り付けてもよい。
あるいは、蓋の下面において、閉じた蝶番3の20cm程度下の所にコイル部がきて、それより10cm程度、蝶番に近い所に、バネの端を取り付けるようにしてもよい。
牽引体13の張力で、蓋1〜2の接触部付近が少し浮き上がるのを防ぐため、蓋1の右縁と、蓋2の左縁に、耐久磁石板(片方は軟鋼板でもよい)を取り付けたり、蝶番の左右の鋼板の上端がs極とn極になるように磁化したり、ある程度以上の曲げ応力を加えれば、平坦化して簡単に曲がるが、まっすぐに伸ばせば、円筒面化して、直線化力を生じる、左右長10cm程度、前後幅数cm程度の、浅い円筒形の樋型鋼板を蓋1〜2に取り付けてもよい。
このような樋型鋼板をu形に加工し、蓋1〜2をつなぎ、手で蓋1〜2を展開すれば、光板が直線化し、折り曲げる力を加えればu形化する力を発生するようにしてもよい。(2相性の形状記憶合金を用いてもよい。)
後述の渦巻形鋼板でも同様であるが、u形になる方向の力は強いが、逆方向に伸ばす力を加えた場合には、逆方向に反り、逆方向の力はu形化力よりも弱く、蓋の自重で、平坦化する。
蓋1と2が急速に接近しすぎて指を挟む事故を防ぐため、小さなオイルシリンダー式バッファーを用いる等してもよい。
【0011】
断熱扉7内には発泡樹脂が入っており、断熱性にすぐれていて、ハニカム構造をしているので、軽い割に強固である。
また、扉7を開閉して浴室内に出入りする際、つまずく等して、手足その他をフレキシブル補充扉9と、入口の柱との間に挟んでも負傷することがない。
なお、図では、扉7を、上面から見て、横2行の発泡樹脂のつまった空洞を示すものにしているが、1、あるいは数行設けてもよい。風呂蓋1〜2には、1行のものを用いればよい。
元々、浴室の壁面等に、留め金具を取り付けるためのネジ穴等が設けられている場合は問題はないが、借家の壁面に穴を開けた場合には、転居する際、ネジをはずした穴に、壁と同色の合成樹脂製のイモネジをねじ込むとか、コーキング剤で埋める等すればよい。(予め必要なねじ穴を設けた突起等を浴室壁に設けておくことが望ましい。)
浴槽壁の上面と、その内縁または外縁を数cm下方に延長した厚さ1mm程度の合成樹脂板から成る長方形の固定板をかぶせ、その左後隅に高さ1.5m程度の支柱を立て、その上端に留め金具を取り付け、牽引体13の上端を取り付けてもよい。
この支柱が傾かないようにするため、支柱の上端と、長方形固定板の左前隅と、右後隅に至る斜めの柱を設けてもよい。(斜めの柱は、支柱の下端近くに設けてもよい。)
それらの柱を伸縮可能な、あまりかさばらない端面が楕円形等の二重管にし、適当な長さにした後、ネジで伸縮を固定するようにしてもよい。
【0012】
図3は、x形弾性牽引体を用いた風呂蓋1〜2の下面図。
20〜21は、風呂蓋1の下面の左縁に設けたリベット型の留め金具。
22〜23は、風呂蓋2の下面の右縁に設けた留め金具。
24は、留め金具20と23に掛け渡された弾性牽引体。
25は、留め金具21と22に掛け渡された弾性牽引体。
【0013】
この下面を下にして浴槽にかぶせ、左縁を固定する。浴槽を開く際は、蓋2の右縁を左によせれば、蝶番3の所で折れ曲がり、浴槽は開かれるが、その際、牽引体24と25は、それぞれ蓋2の右縁を蓋1の左縁側に引く力を出す。
【0014】
この図における留め金具20〜21及び22〜23の距離をそれぞれ60cm、20〜22及び21〜23間の距離をそれぞれ100cmとすれば、牽引体24〜25の長さは、約117cmになる。
折れ曲がって、左右の留め金具が接触した時、各牽引体の長さは、約半分の60cmになる。(留め金具からはずした自然長は、更に短い。)
逆にいえば、60cmの牽引体が、117cmに引き伸ばされていたことになる。
ここで、もし牽引体が、留め金具20〜22及び21〜23間に掛け渡されていたとすれば、折れ曲がった時、留め金具20〜22間と、21〜23間は、0cmとなるので、張力を生じないことになる。
2本の牽引体を用いているのは、1本だけでは、長期間経過すれば、ねじれの力が加わるため、蓋が変形しやすいので、両者の力を相殺するためである。
蓋や蝶番を強固にすれば、牽引体を1本にしてもよい。
蓋1〜2を上から引く牽引体13と、下面で引く牽引体24〜25その他を併用してもよい。
留め金具20〜23にフック付の定滑車をつなぎ、1本の牽引体を留め金具20→21→22→23→20の順に回して定滑車に掛け渡し、輪状につないでもよい。この場合、蓋が閉じている際、全長240cmの牽引体が、展開時には、1.5倍ほどの約354cmになる。
蓋1と2が閉じた際、留め金具20〜23が接触し、両蓋間が開すぎるのを防ぐため、それらを蓋1と2の上面側に取り付け、弾性牽引体24と25は下面側に設け、それぞれの両端に長さ数cmの輪状のひもを取り付け、蓋の左右縁を回して、上面側の留め金具に掛け渡してもよい。
5cm角ほどの金属板の一隅を挟む二辺をプレス加工で1cmほど上面側に折り返し、その対隅には牽引体をつなぐ孔を設け、かさばらない留め金具として、蓋1と2の左右の各角の下面に引っかけて用いてもよい。
【0015】
図4は、v形弾性牽引体を用いた場合の下面図。
26〜27は、風呂蓋1の左縁に設けた留め金具。
28は、蓋2の右縁中央に設けた留め金具。
29は、留め金具28を介して、留め金具26〜27に掛け渡されたv形弾性牽引体。
【0016】
この場合、留め金具26〜27間を60cm、両者を結ぶ架線と留め金具28の最短距離を100cmとすれば、留め金具26〜28間、及び27〜28間は、約104cmになる。
この場合、折れ曲がった時の牽引体の長さは全長60cmで、伸ばせば、3.5倍近くの約208cmになることになる。
【0017】
図5は、滑車を用いた場合の下面図。
30は、風呂蓋1の左縁の一隅に設けた留め金具。
31は、その他隅に設けた定滑車。
32は、留め金具30のそばに設けた定滑車。
33は、風呂蓋2の右縁に設けた留め金具。
34は、金具30→滑車31→滑車32→金具33に掛け渡された弾性牽引体。
【0018】
この図における牽引体の全長を220cmとすると。留め金具30と33が接触した時の全長は、120cmであり、それほど大きな伸長率を要しない。
【0019】
図6は、短く太い1本の弾性牽引体を用いた場合の下面図。
35は、風呂蓋1の左縁に設けた留め金具。
36は、風呂蓋2の左縁から10cm右方に設けた留め金具。
37は、留め金具35〜36に両端を取り付けた太い弾性牽引体。(前後幅が広い平ベルト形のゴムヒモや、鋼線をジグザグに成形したバネを用いてもよい。)
【0020】
図の状態で牽引体37が60cmのものが、折れ曲がれば、40cmになるとすれば、牽引体の伸長率は1.5倍でよいことになる。
【0021】
この場合、留め金具35や牽引体37が、浴槽上縁に接し、蓋1を浮き上がらせるのを防ぐため、蓋1に上向きの溝を設けてもよい。
あるいは、留め金具35を蓋1の左縁上面に設け、牽引体を蓋1の中間に設けた斜めのトンネルを通して、留め金具36につないでもよい。
あるいは、留め金具35を、蓋1の左縁より10cm程度、左方の下面に設けてもよい。
弾性牽引体37として、長さ100cm、直径数mm程度のステンレス鋼線(ピアノ線)を直径30cm程度の輪状に成形した輪状バネを留め金具35と36に取り付ける等してもよい。
このバネを、長さ130cm程度の鋼線の中間を直径10cm程度の輪状に1.5回程度巻いたものにし、両端を金具35と36に取り付けてもよい。
この蓋2の上面に、左縁から蓋1の上面上にかぶさって、10cm程度左方に伸びる強固な帯状金属棒を取り付け(蝶番の金属板の一部を左方に延長してもよい)、その左端に設けた留め金具と、蓋1の左縁上に設けた留め金具との間に、広がる力を持ったu形鋼線から成るバネを取り付け、牽引体37と同様の効果を得てもよい。
蓋1と2をつなぐ蝶番の軸を蓋の前方に10cm程度突出させ、前端にリベット状の頭を付け、その後方に長さ30cm程度のピアノ線の中間を2〜3回巻き付け、その両端を90度後方に折り曲げ、蓋1〜2の前縁に差し込んで固定し、蓋1〜2を折り曲げる力を発生させてもよい。
留め金具35を浴槽左壁の上面や、浴槽の左側面等に取り付け、弾性牽引体37の左端は、風呂蓋1の左縁から5cm程度右に開けた孔を通し、蓋1の上面を経て、留め金具35に取り付け、蓋1の左縁を固定してもよい。
【0022】
図7は、4枚の部分風呂蓋から成る場合の平面図。
38〜41は、左方から右方に並ぶ部分風呂蓋。
42〜44は、各部分間をつなぐ蝶番。
45〜48は、蓋38、39、39、41の前縁に突出したリベット型の留め金具。
49は、金具45〜46をつなぐ弾性牽引体。
50は、金具37〜38をつなぐ弾性牽引体。
【0023】
蓋41の上面のノブ14を持ち、蓋41の左方を持ち上げる力を加え、かつ、左方に動かすと、牽引体50は、蓋39〜41を引きよせ、牽引体49は、蓋38と39を引きよせ、蝶番42と44の下面が閉じ、43の上面が閉じ、4枚の部分風呂蓋は、浴槽の上縁で波形になり、ついには、一面に折りたたまれる。
【0024】
各部分風呂蓋の左縁から数cm右の前縁に、合計4本の留め金具を取り付け、それらを3本または一つながりの牽引体でつないでもよい。
蓋38〜39の下面、蓋39〜40の上面、蓋40〜41の下面間を合計3本の牽引体で引っ張るようにしてもよい。
蓋38の左前隅下面と、蓋41の左後隅下面に設けた留め金具間に弾性牽引体を掛け渡し、蓋38の左後隅下面と、蓋41の右前隅下面に設けた留め金具間に弾性牽引体を掛け渡してもよい。
蓋38の左前隅下面と、39の右後隅下面を牽引体でつなぎ、40の左後隅下面と、41の右前隅下面とを牽引体でつないだり、更にその対角線の牽引体を設けたり、更に加えて、蓋39と40の 上面側に、両者を接近させる力を出す牽引体を設けてもよい。
浴室の左壁上方の留め金具に2本の牽引体の一端をつなぎ、1本の他端は、蓋39の左後隅に設けた留め金具につなぎ、他の牽引体の他端は、蓋41の左後隅に設けた留め金具につないでもよい。
蓋41を左上方に引く牽引体と、蓋39と40を接近させる力を出す牽引体とを併用してもよい。
段落0010等に記した、隣接する蓋板同しを接近させる力を持つu形に曲げた弾性鋼板その他を蓋38と39の接続部、蓋39と40の接続部、蓋40と41の接続部の上面または下面に取り付けてもよい。
蓋38〜41全体の下面に及ぶ、逆W形の板バネを張り付けてもよい。(ねじ止めしてもよい。)
逆W形バネを、蓋38の下面→39の上面→40の下面→41の上面に張り付けてもよい。
このW形バネの各屈曲部から5cm程度離れた部分の前縁に、各部分風路蓋の前縁をはめ込みうる溝状板バネを取り付け、W形バネを蓋に着脱可能にしてもよい。
【0025】
3枚の部分風呂蓋を用いる場合には、図7における蓋38と牽引体49を省略した形、あるいは、蓋41を省略し、牽引体50がついた金具46を、蓋40の右端前縁に取り付けた形にする等すればよい。
蓋40の左縁の前端数cmの部分から、左下方へ数cm伸びる合成樹脂製突起を設ける等すれば、この実施例における、風呂蓋全体の前ずれが防がれる。
浴槽の上方において、浴室壁に手すりを取り付けている場合に対応するため、部分風呂蓋を6枚以上にしてもよい。
その際も、上記の種々の実施例に記したように、それぞれの蝶番部を閉じる力を生じるバネや牽引体を用いればよい。
殊に、一組のx形牽引体を全体の左右縁の下面に設けた留め金具に掛け渡すか、左端の部分風呂蓋の右前上隅と右後上隅、及び右端の部分風呂蓋の左前上隅と左後上隅に設けた留め金具に掛け渡せば、比較的簡易に多数枚の蓋の閉鎖が可能になる。(上下面に牽引体を取り付けてもよい。その際、逆方向に傾斜した各1本の牽引体を上面と下面に分けて設けてもよい。)
これらの場合、多数の部分風呂蓋を接続するため、それらの上下面に軟質ビニールシートを重ね、左から奇数位の蓋板の左縁は、上から下に向く加熱板を押し当て、上下のビニールシートを融着し、偶数位の右縁では、上向きの加熱板を押し当て、融着すれば、奇数位の部分では、隣接部に下面が接するように閉じ、偶数位では、その逆に折れ曲がりやすくなり、スムーズに全体が折りたたまれるものが、安価に生産できる。
【0026】
図8は、大きな1枚の風呂蓋を用いた電動式風呂蓋開閉システムの正面図。
51は、浴室左壁の床上1m程度の高さに取り付けた赤外線や超音波の信号を発生するリモコンスイッチ。
52は、その上方に取り付けた電動式ウインチ。
53は、それに取り付けた受光素子(あるいは超音波素子)。
54は、大きな1枚の風呂蓋。
55は、その右縁上縁に設けた留め金具。
56は、ウインチと留め金具をつなぐ合成繊維製ロープ。
電池内蔵のリモコンスイッチ51のボタンを押すと、それから赤外線等の信号が発射され、受光素子53等に入力され、家庭用交流電源で作動する電動式ウインチ52が働き、ロープ56を巻き取り、ウインチ内のロープ56の張力センサーや、傾斜センサー等から成る、風呂蓋傾斜測定センサーの作用により、蓋54が、浴槽4の左縁上に、垂直に立ち上がった時点を検出し、ウインチは止まる。
もう一度リモコンスイッチ51のボタンを押すと、電動式ウインチ52は逆転し、蓋54が水平位になった時点で、ウインチは停止する。
【0027】
リモコンスイッチ51には、100ボルトの電圧が加わることがないので、感電事故の発生が防がれるが、充分絶縁をよくした電源回路を用いたり、浴室外の低電圧電源から電力を供給したり、ウインチ内に入れた二次電池を用いたりするようにすれば、スイッチ51と電動ウインチを電線でつないでもよい。
その場合には、電動ウインチを、低い位置に設けてもよい。
浴槽の左壁と室壁との間に間隙がある場合には、浴槽左壁の左面、上面、右面にまたがるコノ字形固定板を浴槽左壁上にかぶせ、その上面に蝶番を介して、蓋54の左縁を取り付けてもよい。
この場合、電動ウインチで蓋を開閉してもよいが、蓋の右端に設けたノブを用いて手動で動かしたり、蓋左縁を10cm程度、左上方に伸ばしたテコの左端から、ロープを下垂させ、その下端に鐙や、縦×横が30×10cm程度の踏み板の後端をつなぎ、足で踏んでロープを引き下げ、蓋の右端を90度以上持ち上げるようにしてもよい。
この風呂蓋の右前隅から前方に数cm突出し、下へ曲がった小突起を設け、ロープの一端を蓋の右前隅につなぎ、蓋の左前隅の上方1.5mあたりの浴室壁面に設けた定滑車を介して、ロープの他端を下垂させ、その端に砂袋等の重りを取り付け、重りを弱い力で引き下げれば蓋が開き、立ち上がった蓋の上端にきている突起の右側にロープを引っかけ、蓋が倒れるのを防ぐようにしてもよい。
この蓋が立ち上がった際、入浴者に見せるための、蓋の下面に、防水袋に入れた絵画や書物をはめ込むためのコの字形フレームを取り付けてもよい。
【0028】
図9は、巻き取り式浮遊シート型フレキシブル風呂蓋開閉システムの平面図。
57は、浴槽の左壁上に吸盤等で固定されるウインチの上壁と右壁が開いた巻き込みボックス。
58は、その前縁に取り付けたモーター。
59は、モーターの延長軸に巻き付けられている、前後幅は、浴槽内面の前後幅に等い、厚さ数mmの柔軟な、水面上に浮かびうる、発泡樹脂製のシート状風呂蓋。
60〜61は、その前後縁の上面に張り付けられた厚さ0.1mm程度で、伸びれば、その前後軸における縦断面が、浅いアーチ形になる、部分円筒形のバネ用ステンレス鋼板ベルト(樋型鋼板)や、形状記憶合金、その他から成る、外力からの解放状態では、直線化する金属ベルト。
【0029】
図示しないスイッチボタンを押すと、モーター58が回り、ボックス57内の鋼板ベルト付シート状風呂蓋59の右縁が右進し、浴槽中の水面に落ち、水面上の右辺にいたって停止する。
もう一度スイッチを押せば、モーターは逆転し、ボックス内にシート状風呂蓋は巻き込まれる。
巻き取りの際、鋼板ベルト60〜61は、平坦化して渦巻き形になり、ボックス内に巻き込まれるが、巻きもどしの際には、円筒面化し、水面上に直線化して浮かぶことになり、シート状風呂蓋が折れ曲がったりすることを防ぐ。
ただし、誤って、子供等がシート上に飛び込むと、火傷を起こすことがあるので、一般家庭用としては用いにくい。
【0030】
このような解放時には、円筒面化するバネ用鋼板ベルト(硬質合成樹脂ベルト、その他でもよい)を取り付けた水より比重が小さい発泡性または非発泡性樹脂シートを大きな温水プール等の保温に用いてもよい。
その際、長軸方向の鋼板ベルトを1m間隔等で、多数設けたり、その直向方にも、一定間隔で樋型鋼板ベルトを取り付けてもよい。
【0031】
従来のスダレ状風呂蓋の下面または上面に、蓋の各部の示す自重より、やや弱い持ち上げ力を出す、渦巻き形の鋼板ベルトを引き伸ばした状態で取り付ける。
ベルトの両端を蓋の両端にネジ止めしたり、その間の数箇所もネジ止めする等する。
厚さ1mm以下の鋼板ベルトを小半径の渦巻き形に成形したものを用いれば、それほどかさばらないが、蓋の上面・下面・その中間等に設けた溝や、トンネル中に収めてもよい。
このベルトは、蓋の前のみ、前後縁、両者の中間等、任意の位置に、任意の数、任意の前後幅のものを設ければよい。
浴槽上に展開しているものの右端を少し持ち上げ、左方に送れば、鋼板ベルトの力が手の力に加わり、らくにスダレ状風呂蓋が渦巻き形に巻かれる。
この場合、スダレ状風呂蓋の左端から右方30cm程度の所と、右端から左方30cm程度の所は、解放状態では、渦巻き化し、その間は直線化する金属ベルトを用いてもよい。
そうすれば、全体が、自重で直線化している時、右端を少しの力で直径10cm程度の円筒形にすることができ、その後は、容易に転がすことができ、最後には、また円筒化力が金属ベルトから生じ、渦巻き状態を保持させることになる。
この渦巻形鋼板ベルトに1cm程度のピッチで多数の小孔を開け、2本の端を重ねてネジで両者を固定し、長さを任意に調節しうるようにしてもよい。
端にボルト・ナットが付いたV形止め鋼板間に、2本の渦巻形鋼板ベルトの重なった端を挟み、長さ調節をしてもよい。
【0032】
伸縮率が充分に大きい、後述のリール巻き込み型牽引体の一端をスダレ状風呂蓋の左縁の上面につなぎ、他端を上面を通り、右縁を経て、蓋の下面を通り、左縁の下面につないでもよい。
表面が滑らかな弾性牽引体の一端をスダレ状風呂蓋の左縁の前上隅につなぎ、他端を、蓋の右縁を経て、左縁の下前隅につないでもよい。
後述の図13〜14に記す巻軸82に鋼板ベルトをコイル状に巻き付けて右巻きコイルバネと、左巻きコイルバネを造り、スダレ状風呂蓋の上面または下面に両バネが、蓋の左前隅と左後隅と、右縁の前後の中央にいたるv形になるように取り付けてもよい。(そのうちの1本のみを前後の中央に取り付けてもよい。)
【0033】
直線化専用金属ベルトを取り付けたスダレ状風呂蓋の左縁に、牽引用ロープの一端を固定し、そのロープを蓋の下面を通し、蓋の右縁を回って、左上方に向かわせ、蓋の左縁の上面またはその上方の浴室壁面に固定した、前実施例と同様の、リモコンスイッチ付の電動ウインチにつなぎ、ロープの他端を巻き取るようにしてもよい。
ロープがウインチに巻き取られると、スダレ状蓋は右端から渦巻き形に巻かれる。
ウインチを逆転し、ロープをゆるめると、金属ベルトの直線化力により、スダレ状風呂蓋は伸ばされる。
なお、金属ベルトの各位置における力を適正かするため、金属ベルトの前後幅を所により変えたり、場所により、平行に金属ベルトを複数取り付けたり、蓋の右縁から15cm程度の範囲には、金属ベルトを設けないようにしてもよい。
【0034】
蓋の右端が自然に持ち上がるのを防ぐため、右縁上に重りを兼ねた前後に長い金属や合成樹脂のフラットバーの前端と後端を数cm、上方に階段状に持ち上げて成るノブを取り付ける等してもよい。(前方からでも、後方からでもノブを持ち上げることができる。)
このようなスダレ状風呂蓋全体の左右縁上に取り付けるための二つのノブを設け、蓋の下を通って両端が折り返され、両ノブの前後の中間部に連なる、1〜2本の渦巻形鋼板ベルトを設けてもよい。(既成のスダレ状風呂蓋に着脱することができる。左方のものは、蓋の左縁から10cm程度右に設け、それより右方の渦巻状に巻かれたスダレ状風呂蓋の部分が、左のノブより左方に生じるくぼみ中に収まるようにしてもよい。あるいは、ノブの位置は、左縁にしておき、ノブから、または鋼板の端から、10cmほど右上方へ伸びる湾曲延長部を設けてもよい。
鋼板ベルトの左右端10cm程度を直線化するか、除去し、蓋の左右端が持ち丞がるのを防いだ場合には、重りを省略してもよい。)
蓋の上面には、まっすぐ伸びる力を出す樋型鋼板を取り付け、下面には、渦巻き形鋼板を取り付けてもよい。両者共に、同一面に取り付けてもよい。
厚さ数cm、直径10cm以下の水平な金属円盤形金型の円周面を、上下縁に近ずくほど直径が少し小くなるようアーチ形に削り、その金型の周囲を囲む3個ほどの溝付きローラーとの間に、幅が数cm程度の赤熱したバネ用鋼板ベルトを挟んで円盤形金型に巻き付け、樋形鋼板が渦巻形に成型された鋼板ベルトを造り、これらに用いてもよい。(溝付ローラー側に赤熱した鋼板を巻き付けてもよい。)
これらの ローラーで成形された湾曲赤熱鋼板ベルトに水をかけて急冷し、渦巻形になる鋼板ベルトを連続的に生産してもよい。(各ローラー軸を水平に保持し、下方を水槽につけてもよい。)
v形の凸金型と凹金型との間に、鋼板ベルトを挟み込み、回転ローラー間に鋼板を通して、両金型間を強制的に通過させ(しごいて)、鋼板ベルトを連続的に渦巻形に成型してもよい。
【0035】
スダレ状風呂蓋の上面に、左右長が蓋の全長に一致するか、やや短い、平坦なゴムヒモや、ジグザグ形バネ等を、弱い力で縮む応力を出す状態で、5〜10cm程度のピッチでネジ等を用いて取り付け、自然には、渦巻き形に巻かれるようにしておき、展開すれば、自重で平坦化するようにしてもよい。
1本のゴムヒモを左端から、上面を10cm右方へ進み、貫通孔を通って下面を3cm右方へ進み、上面に出て、10cm右方へ進むことを反復して、右端に達するようにつないでもよい。
スダレ状風呂蓋の上面の波形面に、それと同じ波形に成型した鋼板ベルトを、更に直径10cm程度の渦巻形にもなるよう成型したものを取り付けてもよい。
浴槽の上面全体を覆いうる渦巻き形に巻く力を生じる波形の2枚の鋼板、合成樹脂板、繊維強化合成樹脂板等の間に、断熱性発泡樹脂シートを挿入接着してもよい。
1枚の硬質板を振幅及び波長が数cmの矩形波板状に成型し、更にそれを渦巻形に成型し、その上面と下面に生じる角柱状のくぼみ中に、それぞれ発泡樹脂等の角柱を接着剤を付けてはめ込んだり、薄い合成樹脂板等でつながった発泡樹脂角柱を上下面に張り付けてもよい。
1枚の連続合成樹脂板の上面に、横幅と深さが数cmの長放形の溝が連続して生じるように波形に成型し、更に渦巻状になるよう成形し、各溝中に発泡樹脂角柱をはめ込んでもよい。(厚さ数cmの発泡樹脂ベルトの下面に、硬質波形板の接着剤を付けた上面に適合するように切り込みを入れてはめ込んでもよい。)
前後幅が風呂蓋と同じ2枚(3枚以上でもよい)の鋼板や合成樹脂板の間に、接着剤層、または加熱で溶融硬化する薄板を挟み、丸棒の周囲に巻き付け、加熱してそれらの板を張り合わせ、渦巻板を得てもよい。(重なった2枚の板の全長が異なるため、渦巻形が保存される。)
上面は波形をし、下面は平坦化した発泡樹脂板の上面に、波形で、渦巻き形に巻く力を出しうる硬質板を張り付け、下面には、硬質平板、または平板を全体として、上向き、または下向きの浅い球形凹面にした、弱い力で平坦化する傾向のある硬質薄板を張り付けるか、硬質平板の張り付けを省略してもよい。
渦巻き形の大きな鋼板の下面に、内部に発泡樹脂をつめた多数の合成樹脂角柱や、渦巻き形の発泡樹脂シートを張り付けたり、ネジやリベットデ止めつけたりしてもよい。
この鋼板ベルトに多数の小孔を開けるか、前後幅数cmの渦巻形鋼板ベルトを1cm程度の間隔をおいて、多数並べ、その上に合成樹脂板を重ね、小孔・小間隙を介して、上の合成樹脂板と下方の合成樹脂角柱とを接着したり、融着したりしてもよい。
【0036】
スダレ状風呂蓋の両縁の下面に耐久磁石を取り付け、対応する浴槽上面にもそれに吸着する軟鋼塊を取り付け、蓋には渦巻き形弾性金属ベルトを取り付け、蓋を展開した際、両端の磁石が浴槽上に固定され、左端または右端を持ち上げれば、右端または左端に巻き取られてゆくようにしてもよい。
この場合、まっすぐ伸びるバネを蓋に取り付けておき、右端を少し持ち上げれば、磁石の近の浴槽右縁上に設けたリミットスイッチが働いて、蓋の左縁に一端が固定され、蓋の下、蓋の右縁、蓋の上を経て、蓋の左縁上にいたるロープが、そこにある電動ウインチに巻き取られ、スダレ状風呂蓋が左方に巻かれてゆき、スイッチをもう一度手で押せば、ロープがゆるみ、バネの力で蓋が伸び、蓋が展開されるようにしてもよい。
ウインチにハンドルを取り付け、手動で巻き取るようにしてもよい。
ウインチは、左右に設け、浴槽を開く時には左、閉じる時には右のものを用いるようにしてもよい。
浴槽の後壁上に、合成樹脂製アングルや、前壁上縁にかぶせた溝形等から成る固定棒を置き、その右端上に設けたウインチに巻き込まれた金属薄板製牽引体の左端を、スダレ状風呂蓋の展開された右端につなぎ、固定棒の左端上に設けたウインチから伸びる金属ベルト製等の牽引体の右端を、該風呂蓋の上を通し、右端で下へ回し、蓋の下面を通し、固定棒の左端につないでもよい。
この左のウインチで、その牽引体を巻き取れば、スダレ状風呂蓋は左方に巻かれ、右のウインチで、その伸びた牽引体を巻き取れば、該風呂蓋は、展開される。
【0037】
図10は、風呂蓋1〜2や、扉7等に用いる強固な軽量断熱板の製造装置の平面図。
図11は、その一部の拡大縦断正面図。
62は、溶融合成樹脂注入用ノズル。
63は、それに連なる広い共通空洞を有する前後幅が数10cmの平板状金型。
64は、その左壁の外面から少し左方に突出し、内面から右方に1m以上伸び、相互に1mmの間隙を置き、前後に多数並び、各短軸方向断面の前後×上下は、9×8mmの四角形をなす、角柱状の多数の金属製中子。
65は、金型63の右方に連なり、左右長が2m以上もあり、中子群との上下面や、前後面との間に、1mmの間隙がある空洞を有する平板状の金型。
66は、その周囲を囲む冷却水槽。
67は、金型65の右端に接するカッター。
68〜69は、その右方にあり、上下に並ぶゴムで被覆されたローラー。
70は、両ローラーを左壁に取り付けた冷却水槽。
71は、中子内に設けた発泡樹脂原料送り込み用貫通孔。
72は、その下の冷却水流入孔。
73は、その右端に連なる冷却水環流孔。
【0038】
ノズル62から硬質合成樹脂溶融液を金型63内に連続的に圧入すると、溶融液は中子群64間や、その周囲の空洞を経て、水槽66に入れた水で冷却されている金型65の内部や、流入孔72と環流孔73を流れる水で冷却されている中子の周囲及び中子相互間を右方に流れ、金型63の右端を出るころには、ほぼ固化した8mm角の多数の角柱状空洞の上及び前後に、1mm厚の硬質合成樹脂壁が存在するハニカム構造体となっている。
同時に、貫通孔71から、発泡樹脂原料液が各中子の右方の硬質合成樹脂で囲まれた角柱状空洞内に入り、そこで発泡用ガスが膨張し、原料液は発泡樹脂の固体となり、空洞内を埋める。
この一体化物は、ローラー68〜69間に挟まれ、金型65内の右進速度に同期して右方に送られ、水槽70内で、更に冷却される。
70cmとか、180cmとかの一定の長さ右進するごとに、カッター67が急速に下降し、製品を切断し、急速に上昇する。(水中で切断してもよい。)
水槽内から取り出された製品は、板面の周囲に縁取り用合成樹脂枠を取り付けたり、切り口と同じ面積の合成樹脂板の表面に、各空洞に1cm程度入り込む膨らみを持つ合成樹脂板に接着剤を付けて押し込む等して切断面を塞ぎ、風呂蓋や扉用板となる。
このように、連続的に急速に、強固なハニカム構造の断熱板が、自動的に得られるので、その製品は、安価である。
【0039】
金型63の内空の前後長・上下長、中子64のサイズ等は任意に選択しうる。
金型63と65内に、中子群を上下方向に2段以上設けてもよい。
中子を六角柱状や、三角柱状にしてもよい。
中子を1本だけ用い、1本の管空内に発泡樹脂が充填されたものを得てもよい。それは、スダレ状風呂蓋の部品としても用いうる。
金型65の上下面に横長の上下に向いた、多数の平板形フィンを取り付けたり、金型の下面に格子を当てる等して、金型の下方への撓みを防いだ上、金型65の左右長を10m以上にしてもよい。
充分固化した状態で金型65から製品が出てくる場合には、水槽70を省略してもよい。
水槽70中にも、金型を入れ、製品の変形を防いでもよい。
その金型に、多数の小孔を開け、製品と金型の摩擦抵抗を水の潤滑作用で減小させてもよい。
中子等の右端が下に向くよう、装置全体を上下方向に向けてもよい。
貫通孔71からの発泡樹脂原料液の注入を止め、硬質合成樹脂のみから成る構造体を得てもよい。
中子群74の前方と後方に、直径5mm程度の円柱形中子を設け、その周囲の金型73と75との間に、円筒形の空隙を設け、製品の前後縁に円筒管状の張り出し部が付いたものを造り、横幅5cm程度の刃の両端から前または後に数cm伸びる刃が付いたコの字形カッターで、断続的に張り出し部を切り落とし、蝶番部品付部分風呂蓋を得てもよい。(張り出し部には、金属製や合成樹脂製の軸を通す。)
【0040】
図12は、図10〜11の装置で得られるのとほぼ同様の製品を得る別の製造装置の平面図。
74は、図10〜12の装置で造られた発泡樹脂を含まない、各空洞の内面に液状接着剤を塗ったハニカム構造体。
75は、その右端にかぶせた管状の金属カバー。
76は、その右端に固着した上下に長い、多数の刃物。
77〜78は、その右方の上下に並ぶローラー。
79は、上下幅が8mmの発泡樹脂板。
【0041】
図示しないモーターで、ローラー77〜78が回転し、発泡樹脂板79を挟んで左方に送る。
発泡樹脂板は、刃物76で多数の角柱に切り裂かれながら、ハニカム構造体74中に圧入される。その際、ローラーより左方で、発泡樹脂板の上下面に、潤滑剤の作用も果たす接着剤が塗布される。
また、図示しない真空ポンプにより、ハニカム構造体の左端から内部の空気が吸引され、発泡樹脂角柱の左進を助ける。
角柱の左端がハニカム構造体の左端に達することが、図示しないセンサーで検出されると、ローラーは抵止し、カバー75がハニカム構造体からはずされ、ハニカム構造体の右端から、はみ出している発泡樹脂角柱の右端を切断し、完成品を得る。
【0042】
上記のように製造された合成樹脂ハニカム構造体は、風呂蓋や浴室の扉に用いるほか、通常の建造物における蝶番につながった開閉式扉や、中心軸の周囲に数枚の扉を取り付けて用いる周知の回転扉に用いる等してもよい。
その際、図10〜11に示す金型63と65内に、中子群54の前方に、図1の硬質基本扉7に連なる補充扉9を形成させるためのu形の中子を設け、その中には通常、発泡樹脂は注入せず、肉薄の硬質合成樹脂製のフレキシブルu形補充扉を形成させればよい。
補充扉を部厚い軟質合成樹脂で造り、硬質部の端に接着してもよい。
全体を透明にしたい場合には、発泡樹脂の注入を省略すればよい。
建物の閉鎖時には、別の硬質扉を閉じるか、硬質基本扉に重ねて設けられる硬質補充扉を、基本扉の上下縁の内方に設けた案内溝等の中を移動させて動かし、フレキシブル補充扉の内面に重ね、ロック機構により固定すればよい。(硬質基本扉は、通常のガラス扉、その他にしてもよい。)
もし、この回転扉を人が通過する際、挟まれても、フレキシブル補充扉は、容易に変形し、人の命が失われることはない。
【0043】
図13は、風呂蓋1〜2等を牽引する牽引体に用いる伸長率が大きいコイルバネの製造装置の正面図。
図14は、その左側面図。
80は、上部の固定板。
81は、その上に取り付けた回転モーター。
82は、固定板を貫いて下方に伸びた、モーター軸に連なる巻軸。
83は、モーター81の左方の固定板上に取り付けた油圧シリンダー・リニアモーター・その他から成る上下方向駆動装置。
84は、固定板を貫いて下方に突出したその駆動棒。
85は、その下端に付き、右面は巻軸の円周面に接している駆動板。
86は、下部の固定板。
87は、その下面に取り付けた回転モーター。
88は、上端が巻軸82の下端の高さまで、下部固定板上に突出しているモーター87の回転軸である管軸。
89は、その管軸の外面に、固定板上の高さで取り付けた回転円盤。
90は、その上面右方に取り付けた半径方向駆動装置。
91は、その湾曲した駆動棒。
92は、90と対称の位置にある駆動装置。
93は、その駆動棒。
94は、駆動装置92の上に取り付けた駆動装置。
95は、右端が巻軸82に密着しうる円筒面をなす、巻軸82より、やや細い、巻軸の半径方向に可動な円柱形駆動棒。(この先端の前・上・後面の巻軸との接触部をやや細くし、後述の鋼線が、巻き付く時、巻軸面から離れにくくなるようにしてもよい。)
96は、巻軸82の後方において、上部固定板の下面に取り付けた左右方向駆動装置。
97は、その下に突出している図には現れない駆動棒に取り付けられている、前後方向駆動装置。
98は、その右面の駆動棒に下端が取り付けられている上下方向駆動装置。
99は、その駆動棒の下端に取り付けられている複数のモーターを内蔵した回転制御ボックス。
100〜101は、ボックス内のモーターで駆動する溝付ローラー。
102は、駆動装置99に取り付けた鋼線供給ボックス。
103は、それから伸び、ローラー100と101に挟まれている鋼線。
【0044】
この装置は、図示しないコンピューター等の制御を受け、次のように動作する。
内蔵の高周波電流発生機等で、焼鈍温度に赤熱された直径数mmのバネ用鋼線(ピアノ線)が鋼線供給ボックス102からくりだされ、ローラー100〜101間に挟まれ、駆動装置96〜99により、位置や方向を任意に制御され、鋼線の先端は、巻軸82の右側で、駆動棒91の左端の高さに持ってこられる。
ついで、駆動装置90が働き、駆動棒91が鋼線の先端を巻軸82の右面に強く押し当てる。
この時、駆動装置92も働き、駆動棒93が巻軸82を右方へ押すので、巻軸の撓みが防がれる。
ついで、モーター81と87が同角速度で右回転し、巻軸82、管軸88、円盤89と、その上に取り付けられた諸装置も連動し、ボックス99とローラー100〜101は、しだいに上昇し、鋼線は巻軸の周囲に右巻き密着コイルとなって巻き付けられてゆく。
【0045】
20巻ほど巻軸82に鋼線が巻き付けられ(密着巻き)、かつ、回転円盤89上の諸装置の左右が、図の状態から入れ代わった状態で、モーター81と87は止まり、駆動棒91と93は、巻軸82から離れ、駆動装置83が働き、駆動棒84、駆動板85が急速に管軸88の上端との間に、鋼線の途中を挟み込むまで下降し、巻軸に巻き付けられている鋼線コイルを管軸88の間空中に押し下げ、ただちに、駆動板85は急速に上昇する。
【0046】
ついで、右方にきている駆動棒93が左進して巻軸82との間に、鋼線の途中を挟み込む。
同時に、駆動棒91が右進し、鋼線の存在しない巻軸82の左面に押し当てられ、巻軸82の撓みを防ぐ。
ついで、駆動装置94が働き、駆動棒95が左進し、巻軸82に接する。(この時、駆動棒91は、それと同じ逆向きの力を増加させる。なお、駆動棒95と対称の位置に、同様の円柱形駆動棒を設け、巻軸を左右から挟むようにしてもよい。)
ついで、巻軸82と管軸88が左回転を始める。
最初の左半回転で、ローラー100〜101の位置も調節され、鋼線は、ねじれたり、曲がったりして、巻軸82の周囲に接しつつ、円柱形駆動棒95の端の下から、前を通り、上に至り、円柱形駆動棒と、巻軸82に半巻きされたu形になる。(この時の鋼線に加わるねじれを最小にするため、鋼線供給ボックス102自体または内蔵の鋼線供給リールを必要な方向に半回転させてもよい。)
その後20回ほどの巻軸82と、管軸88の左回転と、ローラー100〜101の高さ調節で、鋼線は、下端にu形連結部がつながった、20巻きの左巻き密着巻きコイルとして、巻軸82に巻き付けられる。
【0047】
ついで、巻軸82と管軸88が抵止し、駆動棒91、92、95は、図示の位置関係に復帰停止する。
駆動板85が急速に下降し、かつ、上昇し、鋼線のu形部とコイルは管軸88の内部に押し込まれる。
ついで、駆動棒93が右進し、鋼線の途中を巻軸82の左面との間に挟み、駆動棒91の左端が巻軸82に密接し、駆動棒95の右端が巻軸82の左面に密接する。
ついで、ローラー100〜101の高さ調節も行なわれつつ、巻軸82と管軸88が右半回転し、鋼線は駆動棒95の下、前、上を通って、駆動棒95に半巻きされる。
ついで、巻軸82と管軸88が右に20回転する。
【0048】
ついで、駆動板85が急速に下降し、ただちに急速に上昇し、下端のu形部と、その上のコイルとが管軸88の内部に押し込まれる。
以下、同様の動作が反復され、
20巻きほどの左巻きコイル→u形連結部→20巻ほどの左巻きコイル→u形連結部
が連続した鋼線コイルバネが得られ、適当な長さに切断されて使用される。
【0049】
このように、左巻きコイルと、同巻き数の右巻きコイルとが反復連続したコイルバネの両端を引っ張ると、左巻きコイルの伸長に伴い、その鋼線はねじれを生じるが、隣接する右巻き部の伸長に伴う逆のねじれを生じ、両ねじれは相殺され、コイルバネ全体としては、通常の一方向に巻いたのみのコイルバネより、大きな伸長率で引き伸ばすことができ、前述の風呂蓋の弾性牽引体として用いるのに適している。
【0050】
このようなコイルバネにおいて、u形連結部が生じるが、その部をコイルの内部に押し込めてしまうことができれば、一定の長さ中に、更に多数の巻数が収められることになる。
そのため、管軸82の下端のu形形成部の直径を細くし、u形部を、その細い部の周囲に形成させた後、ローラー100〜101を管軸88の上端の高さに下げ、まず鋼線をu形部の上に数巻き、コイル状に巻き付け、更にその上方に20巻きほど巻けばよい。
この際の各駆動棒の動作は、前記の場合とほぼ同様である。(次段落参照)
【0051】
図15は、巻軸82の一変形の拡大正面図。
821は、細くした巻軸82の下端の周囲に設けた、鋼線の直径と同程度の深さに彫り込んだu形の溝。
まず、巻軸82を90度左回転させ、u形溝を右方に持ってゆき、管軸88を180度回転させ、下方に多数回巻いたコイルが連なる、鋼線の途中をu形溝の下部にはめ込み、駆動棒93で巻軸に押し付け、その上の巻軸面に駆動棒95を押し当て、ローラー100〜101の位置を調節しながら、巻軸82と管軸88を270度左回転させ、鋼線を曲げて溝の上部にはめ込み、駆動棒93を離し、ローラー100〜101を再び下降させ、溝の下部にはめ込まれた鋼線の周囲に鋼線を重ね巻きし、ついで、駆動棒95を離し、u形鋼線の上部の周囲に、鋼線コイルを重ね巻きし、更にその上方にまで巻き付けてゆく。
コイルの上端が駆動板85の高さに達した段階で、巻軸82と管軸88の回転を止めると、鋼線に残存するある程度の弾性により、巻軸82の下端から、コイルの巻きもどしが生じ、コイル径が大きくなり、溝821にはまり込んでいたu形部分も溝から離れる。
ついで、駆動板95が下降し、かつ上昇し、鋼線コイルを管軸88内に押し下げる。
ついで、巻軸下端の溝821の背面に設けている図示しない左右が逆転したu形溝の下部に、鋼線の途中をはめ込み、駆動棒93で固定し、駆動棒95をその上に押し当て、巻軸82と管軸88を右回転させ、鋼線を溝の上部にはめ込む。
以下上記とほぼ同様の動作を行なわせ、前の左巻きコイルの上端に下端が接する、右巻きコイルを形成させる。
【0052】
上記の装置で、鋼線の代わりに、熱可塑性合成樹脂線や、熱可塑性合成樹脂で被覆した電線等を用い、右巻きコイルと左巻きコイルがu形連結部でつながった反復連続体を造ってもよい。
巻軸の太さに対して、駆動棒93、95等が、巻軸を押す力が弱い場合には、巻軸の撓み防止用の逆方向の力を発生させる装置を設けなくてもよい。
駆動板85の下降により、管軸88中に入った時、管内に下方から押し上げられた水に接触し、冷却されるようにしてもよい。
軟鋼線を用い、管軸内で800〜900度に加熱し、水に接触させて焼き入れするようにしてもよい。
【0053】
上記のような鋼線コイルの製造に類似したものとしては、本件出願人による、平成7年特許願第026282号「対称巻コイル状弾性コード」があり、それには、巻軸中に収めた引っかけ用突起を必要に応じて軸の周面に突出させたり、引っこめたりする場合、元々引っかけ用突起を突出させておく場合等が記されているが、巻軸の直径が数mm以下の細い場合や、太い鋼線を巻き付ける場合等、機構上製作しにくかったり、巻軸が湾曲したりする問題がある。しかし本発明のようにすれば、それらの問題が解決される。
【0054】
図16は、弾性牽引体13等に用いる巻き込みリールを用いた渦巻き形バネの製造装置の平面図。図17は、その正面図。
104は、金属薄板の加圧成形等で造られた巻き込み用リールの下半部。
105は、その上面中心の後半部に浮き出たコンマ形隆起(引っかけ用突起。)
106は、その上面に設けた円柱形のくぼみ。
107は、その対称位置に設けた上面の前方が下がる方向に傾斜している円柱形突起。
108は、巻き込み用リールの上半部。(図では下面を示している。)
109は、その面に設けたコンマ形隆起。
110は、その面に設けた円柱形のくぼみ。
111は、その対称位置に設けた円柱形突起。
112は、巻き込み用リールの上半部108の上面に適合する下面を有する、巻軸82の横断面と見なしうる上部回転軸。
113は、巻き込み用リールの下半部104の下面に適合する上面を有する、巻軸82の横断面以下の部分と見なしうる、下部回転軸。
114は、その周囲にはめ込んだ管状回転軸。
115は、その上端に取り付けた回転円盤。
116は、その下面に取り付けた金属鋏駆動装置。
117〜118は、その内部に存在する水平軸と、その右端が上に伸びた部分とより成る金属鋏。
119は、鋼板ベルト供給ボックス。
120は、それから突出した赤熱されたバネ用ステンレス鋼等から成る鋼板ベルト。
【0055】
図示しない種々の運搬装置等により、下半部104を下部回転軸113の上にかぶせ、該下部回転軸を上昇させ、90度ほど右回転させた上部回転軸112の下面にコンマ形隆起105の中央部上面に接触させ、該隆起を固定する。
管状回転軸114、回転円盤115、駆動装置116等を図示しないモーターでほぼ一回、右回転させ、金属鋏117〜118で鋼板ベルト120の先端を挟み、該鋼板ベルトの先端を下半部の1m程度左方に持ってきて、更に、鋼板ベルトをコンマ状隆起105の周囲にu形に巻き付ける。(円柱突起107上端は傾斜しているので、鋼板ベルトは、その上を滑ってコンマ状隆起の前縁に達する。)
ついで、下部回転軸113を引き下げ、リールの上半部108を横軸の周囲に180度回転させ、上下を逆転させ、下半部104の上にかぶせ、円柱突起111をくぼみ106に、突起107をくぼみ110に一致させる等して上・下半部をはめ合わせ、上部回転軸の下面も、上半部の上面にはめ合わせる。(この時、コンマ形隆起105と109の間に、鋼板ベルトが、存在することになる。)
ついで、上下の回転軸112と113を左方に多数回回転させ、2枚重ねの鋼板ベルトを両コンマ状隆起の周囲に巻き付け、金属鋏107〜108が円盤115の縁に接すれば、鋏で鋼板ベルトを強く挟んで切断し、回転軸112と113の回転を止め、製品を得る。
【0056】
この鋼板ベルトは、リール中に収まっているので、保管中や、持ち運び時等に、崩れて元の整った渦巻き状態にもどらなくなる恐れが少ない。また、比較的容易に自動生産しうる利点もある。
この鋼板ベルトの一端を図1〜2における留め金具11につなぎ、他端を留め金具12につなぎ、両金具を引きよせる張力を得る等として用いる。
両鋼板端を遠ざければ、リールを回転させながら、鋼板ベルトを引き出すことができ、両端を近ずければ、スムーズにリール中に巻きもどされて収まる。
二つの鋼板の引き出し口を設けた円盤形の容器にこれらを収めて用いるようにしてもよい。
非加熱の鋼板ベルト120をコンマ形隆起105と109に多数回巻き付けた後、リールの周囲に円筒金属管をはめて鋼板ベルトがほどけるのを防ぎ、400〜500度に長時間加熱し、鋼板を渦巻形に成型し、合成樹脂製のリールにはめ込んで用いるようにしてもよい。
【0057】
図18は、やや異なる形のリールを用いた場合のリール部品の平面図。図19は、その正面図。
121は、リールの下半部の輪状盤。
122は、中央に四角形孔を有し、上下端は細くなった円筒形の巻心。
123は、その上下の中間の周囲に固着した輪状の引っかけ用突起。
124は、それに設けた切欠。
125は、リールの上半部の輪状番。
【0058】
前実施例のように、上面の形が巻心122の下面に一致する上面形状をなす下部回転軸上に、巻心122を乗せ、その上端を上部回転軸の下端で押さえ、金属鋏で挟んだ縦方向の長さ2mほどの赤熱鋼線の中間を、鋼線の上下端の位置を制御して、切欠124にはめ込み、上下の回転軸を右方向に半回転させた後、鋼線の上下端を左方で接近させ、回転軸を数回程度右回転させ、鋼線の折れ曲がり部より上部を引っかけ用突起の上部の巻心に巻き付け、下部を下方の巻心に巻き付け、上下の輪状盤125と123を巻心122の上下端にはめ込み、両者をかしめたり、融着したりして1体化し、更に10数回回転させて完成品を得る。
輪状板121と125を巻心122に予め取り付けておき、鋼線の中間部を切欠124にはめ込み、巻心等を一方向に回転させてもよい。
【0059】
鋼線の両端をリールから引き出して留め金具11と12につなぐ等して用いると、前実施例のように、巻きもどし時にスムーズにリール内に渦巻き形に巻きもどされる。また、比較的容易に自動生産しうる。
【0060】
図20は、ジグザグバネの製造装置の正面図。
126は、赤熱した鋼線。
127〜128は、u形の歯と谷を有する回転軸付き歯車。
129は、平板形空洞を有する圧縮管。
130は、周囲に多数の円柱突起が出た回転軸付き円盤から成る歯車。
131は、その後方にあり、突起にかみ合う多数のくぼみを有する回転軸付きの円盤形歯車。
【0061】
鋼線126を回転している歯車127と128の間に入れ、下方に送ると、鋼線は左の半円形部→直線部→右の半円形部→直線部→左の半円形部‥‥‥と続くジグザグ形になり、圧縮管内に入る。
ついで、歯車130の各突起が半円形部の内面に入り込む状態でジグザグ鋼線は下降するが、歯車130と131の円周速度は、歯車127と128の円周速度の2分の1以下であるため、歯車127と128の間を通った直後の素ジグザグ鋼線は、上下の各半円形部間が、かなり広がったものになっているが、圧縮管内を通過する間に、しだいに押し縮められ、上下の半円形部が接触するほどに、ピッチが縮小して、歯車130と131の間を通る。
その際、圧縮管129は、ジグザグ鋼線が、前後に湾曲することも防いでいる。
【0062】
このようにして得られたジグザグバネは、伸長率が大きく、弾性牽引体37として用いる等する。
【0063】
圧縮管129の下端の査縁と右縁、または前縁と後縁から、それぞれ 中央に突出した硬い板バネを設け、素ジグザグバネの下降に抵抗を加える力を発生させ、歯車130〜131を省略してもよい。
減速用の歯車130〜131を、半円形の谷を有する平歯車形にし、前後に直径の大きい円盤を取り付けたプーリー型にし、左右に離して並べ、その回転軸を前後方向に向け、圧縮管から出てきた素ジグザグバネの左右の半円部間に、それぞれの歯先が浅くはまり込み、減速作用を現すようにしてもよい。
圧縮管の内空の前後幅を3倍程度に広げ、歯車130〜131の回転速度を更に落とし、歯車127〜128と、圧縮管との間に、各ジグザグ鋼線の左右の半円形部の下方を前に、上部を後に動かすように、それらの間に存在する直線部をやや変形させる、前後に並ぶ成形用の歯車セットを設け、圧縮管内で、各半円形部の上部の前に、そのすぐ上の半円形部の下部が重なるようにし、伸長率を更に増加させてもよい。
【0064】
図21は、逆巻コイル結合型コイルバネの正面図。
132〜133は、左巻コイルバネ。
134〜135は、両バネの巻数の合計が前者の巻数の合計に等しい右巻のコイルバネ。
136は、ばね132の下端と、134の下端をそれぞれ林状に湾曲させて絡ませた連結部。(図では、一巻きして絡ませているが、実際には、上下に強い引っ張り力が加わると離脱することがあるので、二巻き以上して絡ませる。)
137は、バネ134の下端と、133の上端を折り曲げて絡ませた上、強い引張力が加わっても、はずれないようにするため、その周囲にu形鋼板をかぶせ、かしめたり、スポット溶接する等して成る連結部。
138は、バネ133の下端と135の上端を重ねてスポット溶接して成る連結部。
【0065】
バネ132の上端と、バネ135の下端を留め金具につなぎ、引き伸ばせば、バネ132〜133に生じるねじれと、134〜135に生じるねじれとは、互いに逆であり、相殺されることになり、大きな伸長率が得られる。
【0066】
図22は、ねじれキャンセラー付コイルバネの一部縦断正面図。
139は、一方向に巻かれたコイルバネ。
140は、その下端の直線部に沿わせて溶接したねじれキャンセラーの回転軸。
141は、その下端に連なる円柱形の膨大部。
142は、その軸と膨大部を囲む空洞を有する金属容器。
143は、その下端に連なるフック。
144は、膨大部の上面と、容器内面との間に入っている多数の小鋼球。
【0067】
バネ139の上端と、フック143を留め金具につないで引き伸ばすと、ばね139は、ねじれるが、それに伴って、回転軸140と、膨大部141が回転し、そのねじれの大部分が消失する。その際、鋼球144は、両者の摩擦を減小させる。
【0068】
なお、膨大部141の上面と容器142との間に、輪状のオイルレスメタルを挟んでもよい。
回転軸140の下端を逆7字形に曲げ、膨大部141の中心孔を通っった軸の湾曲部の端が、膨大部の下面に設けた小孔に入り込むようにしてもよい。
回転軸140の上端にフックを設け、バネ139の下端に設けたフックを引っかけるようにしてもよい。
バネ139の下端の鋼線を、膨大部の中心に開けた孔に通し、通電し、両者を溶接してもよい。
膨大部は、球形その他の形にしてもよい。
1枚の金属板を加工して、回転軸140と膨大部141を囲む円筒形の金属容器142にし、その上端に設けた二つの同じ高さの貫通孔に鋼線製リングを通して、フック143に代えてもよい。
【0069】
以上の図13〜20等に記す装置や製法で、伸長率の大きい合成樹脂製のバネや、バネ状ビニール被覆電線を製造することもできる。
また、それらや、金属製の伸長率の大きいバネも、種々の用途に用いうる。
【0070】
上記の各実施例で示したサイズ・左右の位置関係等を、任意に変更することができる。
本発明は、その他、種々の設計偏更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明を実施した浴室の平面図。
【図2】その浴槽と室壁の断面及び風呂蓋開閉システム等の正面図。
【図3】x形弾性牽引体を用いた風呂蓋1〜2の下面図。
【図4】v形弾性牽引体を用いた場合の下面図。
【図5】滑車を用いた場合の下面図。
【図6】短く太い1本の弾性牽引体を用いた場合の下面図。
【図7】4枚の部分風呂蓋から成る場合の正面図。
【図8】大きな1枚の風呂蓋を用いた電動式風呂蓋開閉システムの正面図。
【図9】巻き取り式浮遊シート型フレキシブル風呂蓋開閉システムの平面図。
【図10】風呂蓋1〜2や、扉7等に用いる強固な軽量断熱板の製造装置の平面図。
【図11】その一部の拡大縦断正面図。
【図12】図10〜11の装置で得られるのとほぼ同様の製品を得る別の製造装置の平面図。
【図13】風呂蓋1〜2等を牽引する牽引体に用いる伸長率が大きいコイルバネの製造装置の正面図。
【図14】その左側面図。
【図15】巻軸82の一変形の拡大正面図。
【図16】弾性牽引体13等に用いる巻き込みリールを用いた渦巻き形バネの製造装置の平面図。
【図17】その正面図。
【図18】やや異なる形のリールを用いた場合のリール部品の平面図。
【図19】その正面図。
【図20】ジグザグバネの製造装置の正面図。
【図21】逆巻コイル結合型コイルバネの正面図。
【図22】ねじれキャンセラー付コイルバネの一部縦断正面図。
【符号の説明】
【0072】
1〜2 風呂蓋の左半部と右半部。
3 、蝶番。
4 浴槽。
5 流し場。
6 浴室を囲む室壁。
7 扉。
8 発泡樹脂製断熱材。
9 フレキシブル補充扉。
10 蝶番。
11〜12 留め金具。
13 弾性牽引体。
14 ノブ。
15 吸盤ボックス。
16 ゴム製吸盤。
17 ゴムベルト。
18〜19 風呂蓋移動ガイド。
20〜23 留め金具。
24〜25 牽引体。
26〜28 留め金具。
29 v形弾性牽引体。
30 留め金具。
31〜32 定滑車。
33 留め金具。
34 弾性牽引体。
35〜36 留め金具。
37 弾性牽引体。
38〜41 4枚の部分風呂蓋。
42〜44 蝶番。
45〜48 留め金具。
49〜50 弾性牽引体。
51 リモコンスイッチ。
52 電動式ウインチ。
53 受光素子
54 風呂蓋。
55 留め金具。
56 合成繊維製ロープ。
57 巻き込みボックス。
58 モーター。
59 シート状風呂蓋。
60〜61 金属ベルト。
62 溶融合成樹脂注入用ノズル。
63 金型。
64 多数の柱状の金属製中子。
65 金型。
66 冷却水槽。
67 カッター。
68〜69 ローラー。
70 冷却水槽。
71 発泡樹脂原料送り込み用貫通孔。
72 冷却水流入孔。
73 冷却水環流孔。
74 発泡樹脂を含まない、各空洞の内面に液状接着剤を塗ったハニカム構造体。
75 その右端にかぶせた管状の金属カバー。
76 多数の刃物。
77〜78 ローラー。
79 発泡樹脂板。
80 上部固定板。
81 モーター。
82 巻軸。
83 上下方向駆動装置。
84 その駆動棒。
85 駆動板。
86 下部固定板。
87 モーター。
88 管軸。
89 回転円盤。
90 駆動装置。
91 駆動棒。
92 駆動装置。
93 駆動棒。
94 駆動装置。
95 円柱形駆動棒。
96〜8 駆動装置。
99 回転制御ボックス。
100〜101 ローラー。
102 鋼線供給ボックス。
103 鋼線。
821 細くした巻軸82の下端の周囲に設けたu形の溝。
104 巻き込み用リールの下半部。
105 コンマ形隆起。
106 くぼみ。
107 上面の前方が下がる方向に傾斜している小円柱形突起。
108 巻き込み用リールの上半部。
109 コンマ形隆起。
110 円柱形のくぼみ。
111 円柱形突起。
112 上部回転軸。
113 下部回転軸。
114 管状回転軸。
115 回転円盤。
116 金属鋏駆動装置。
117〜118 金属鋏。
119 鋼板ベルト供給ボックス。
120 鋼板ベルト。
121 リールの下半部の輪状盤。
122 巻心。
123 輪状の引っかけ用突起。
124 それに設けた切欠。
125 リールの上半部の輪状番。
126 鋼線。
127〜128 u形の歯と谷を有する回転軸付き歯車。
129 圧縮管。
130〜131 歯車。
132〜133 左巻きのコイルバネ。
134〜135 右巻のコイルバネ。
136 ばね132の下端と、134の下端を折り曲げて絡ませた連結部。
137 鋼板をかぶせ、かしめたり、スポット溶接する等して成る連結部。
138 スポット溶接して成る連結部。
139 一方向に巻かれたコイルバネ。
140 ねじれキャンセラーの回転軸。
141 円柱形の膨大部。
142 その軸と膨大部を囲む空洞を有する金属容器。
143 フック。
144 多数の小鋼球。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形浴槽の一辺の上面に接する、一縁を固定縁(回転軸)とする、蝶番・フレキシブルな合成樹脂シート・弾性鋼板等の接続装置でつながれた多数枚の複合板または1枚板から成る風呂蓋の、固定縁から離れた蝶番付近、その他の風呂蓋板の部分に設けた、留め金具に一端が連なり、他端は、バネ・ゴムヒモ等の弾性牽引体を介して、蓋自体・浴室壁・浴槽等に設けた留め金具に連なるか、または、風呂蓋の固定縁から離れた部に設けた留め金具に一端が連なり、他端は、ロープ等の非弾性牽引体を介して、浴室壁・浴槽・風呂蓋固定縁等に設けた牽引体巻き取り装置(ウインチ)につないで成る、風呂蓋開閉システム。
【請求項2】
接続板でつながった2枚以上の風呂蓋部分の下面・側面・側縁・上面等に留め金具を複数取り付け、該留め金具間に、接続板が折れ曲がり、該複数の風呂蓋部分が閉じる方向の力を生じるように、コイルバネ・ジグザグバネ・ゴムヒモ・輪状鋼線製バネ・u形鋼線製バネ等の弾性力発生体を、風呂蓋縁に対して斜め方向、または平行な方向の引っ張り、あるいは、押しの力を生じるように掛け渡すか、鋼板製接続板自体を湾曲させておいて、隣接する部分風呂蓋が閉じる力を生じるようにして成る、請求項1に記載の風呂蓋開閉システム。
【請求項3】
浴槽等の水面上を覆いうる水より比重の小さい発泡樹脂等から成る被覆カバーに、該カバーの全長にわたる長さを持つが、短径は小さい、外力から解放された状態では、短径断面がアーチ形をなす硬質弾性ベルト等の直線化する硬質材料製ベルトを取り付け、該ベルトと被覆カバーの一体化物の一端を電動、または手動の巻き取り軸に取り付けて成る、風呂蓋の開閉システム。
【請求項4】
長径は浴槽の一辺にほぼ同長で、それに直交する短径はごく短い硬質棒を、多数平行に並べ、フレキシブルシートで張り合わせて成るスダレ状風呂蓋において、該硬質棒と直交する渦巻状または直線状の板バネを取り付けるか、該スダレ状風呂蓋の一縁に固定され、その下面と上面を一回りし、ウインチに連なる牽引体を設けて成る、風呂蓋の開閉システム。
【請求項5】
硬質溶融合成樹脂が送り込まれる押し出し成型用の平板状金型空洞中に、多数の角柱状金属棒から成る中子を狭い相互間隙を隔てて保持し、平板状金型の外面を冷却するほか、中子の外端に出入口が存在する各中子内に冷却液を循環させる流路を通じて中子を冷却しつつ、各中子を長軸方向に貫通する発泡樹脂原料注入孔を経て、ある程度冷却硬化した合成樹脂ハニカム構造体中の、各空洞内に、発泡樹脂原料を注入する連続的製法により得られる、請求項1の風呂蓋等に用いる、合成樹脂成型品。
【請求項6】
硬質溶融合成樹脂が送り込まれる押し出し成型用の平板状金型空洞中に、多数の角柱状金属棒から成る中子を狭い相互間隙を隔てて保持し、平板状金型の外面を冷却する装置を設けるほか、中子の外端に出入口が存在する各中子内に冷却液を循環させる流路を設け、各中子を長軸方向に貫通する発泡樹脂原料注入孔を設けて成る、請求項1の風呂蓋等に用いる、合成樹脂成型品の製造装置。
【請求項7】
多数の平行な角柱状空洞を有する硬質合成樹脂製ハニカム構造体の一断端に、その隔壁と同形のハニカム状の刃物を取り付け、ハニカム構造体の外形とほぼ同形の発泡樹脂塊を刃物に押し付け、各柱体内に押し込む、請求項1に記載の風呂蓋等に用いる断熱板の製法。
【請求項8】
請求項5及び7に記載の製法により得られたハニカム構造の硬質合成樹脂板の一縁を蝶番や回転軸に取り付け、建造物の入口の固定壁から人間の体が通過しうる数10cm離れた間隙を生じうる他縁に、上から見た形がu形をなす弾性変形しうる厚さ1mm程度の1枚ものの合成樹脂板、その中に水平方向の空気入りチューブを複数入れたもの、発飽樹脂板、等から成るフレキシブル補充扉をつぎたし、硬質扉部分と建造物入口の壁との間に生じる間隙を補充し、硬質部分の面に重ねて、硬質部分の上下端に設けたガイド溝中に収まり、スライドして、フレキシブル補充閉部分面にも移動しうる、硬質補充閉を設けて成る、人間が挟まれても負傷することのない、出入口用の開閉扉や回転扉。
【請求項9】
回転を任意に制御しうるモーターで駆動されるコイルバネ形成用巻軸の周囲をそれに同期して回転しうる円盤を設け、該円盤上に巻軸との間に原料鋼線を挟み込むための駆動棒を持つ鋼線固定装置を設け、該鋼線固定装置のそばに、巻軸周面に直角に接しうる端部を有する鋼線の半巻き付け用円柱形金属棒を巻軸に押し当てる装置を設け、これらの装置と巻軸を隔てた対称の位置に、これらの力と同じ力を発生させる巻軸の撓み防止装置を設け、鋼線供給装置から出た鋼線を挟み、巻軸付近の任意の意置に鋼線を位置させうる鋼線位置制御装置を設けて成る、請求項1の風呂蓋開閉システムに用いうる、複数回の右巻き部と、同数回の左巻き部とが、交互に存在する連続コイルバネの製造装置。
【請求項10】
左巻きコイル部と、右巻きコイル部との密接した中間部の内方に、u形連結部を形成させて成る、巻き軸の端に細径部を設けた、請求項9に記載の装置により製造される、硬質鋼線の数10巻きの右巻コイルと、同数巻きの左巻きコイルとが、u形の連結部を介して、反復連続した、伸長率の大きいコイルバネ。
【請求項11】
周囲に引っかけ用突起を設けた巻心を有する巻き込み用リールの、該引っかけ用突起に、長い鋼線(または鋼板ベルト)の中間を折り曲げて引っかけ、リールを一方向に回転させ、二重の鋼線を巻心に巻き付けて成る、請求項1の風呂蓋開閉システムに用いる弾性牽引体。
【請求項12】
原料鋼線を挟み、相互にかみ合い、一定の円周速度で回転する、素ジグザグ鋼線形成用歯車対を設け、該歯車対間を通過した素ジグザグ鋼線を挟んみ、素ジグザグ鋼線形成用歯車対より小さい円周速度で回転し、ジグザグ鋼線のピッチを縮小させるための、減速歯車対、または減速用抵抗力を生じる板バネ群を設けて成る、請求項1の風呂蓋開閉システムに用いるジグザグバネの製造装置。
【請求項13】
原料鋼線を、一定の円周速度で回転する素ジグザグ鋼線形成用歯車対間を通過した、素ジグザグ鋼線を、素ジグザグ鋼線形成用歯車対より小さい円周速度で回転する、素ジグザグ鋼線のピッチを縮小させるための、歯車対間を通過させるか、または、減速用板バネ群間を通過させる、請求項12の装置により製造される左右の隣接半円形部が密接するか、重なった、請求項1の風呂蓋開閉システムに用いる伸長率の大きいジグザグバネ。
【請求項14】
同巻き数の左巻きと右巻きのコイルバネを、交互に偶数個直列に並べ、隣接する各バネの断端同士を隣状に二巻き以上して相互に絡めるか、折り曲げて絡ませた上、その周囲に離脱防止用の金属板をかぶせるか、断端同しを溶接により連結して成る、請求項1に記載の風呂蓋開閉システムに用いる伸長率の大きい鋼線製コイルバネ。
【請求項15】
一方向に巻いたコイルバネの端に、先端が膨大化した回転軸につなぎ、該回転軸と膨大部の周囲を囲む、留め金具付金属容器を設けて成る、請求項1の風呂蓋開閉システムに用いる伸長率の大きい、ねじれキャンセラー付コイルバネ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−255269(P2006−255269A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−79255(P2005−79255)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(000224204)
【Fターム(参考)】