説明

食物製品においてナトリウム含量を低減するための方法および組成物

本発明は、塩知覚を顕著に強化させ、加えられる苦味が最小限でありつつ、ナトリウム含量を低減するように食品を改質するための組成物および方法を提供する。特定の実施形態において、本発明は、3つのカリウム塩−すなわち塩化カリウム、リン酸一カリウム、およびクエン酸カリウム−のブレンドを含む塩味強化組成物を提供し、それは、塩化ナトリウムと組み合わせて使用される場合、苦い後味を全く与えることなく、または苦い後味は限られて、食物および飲料において塩知覚を顕著に強化させる。他の実施形態において、本発明は、有機酸と組み合わせた塩化カリウム、および任意にカリウムの有機酸塩を含む塩味強化ブレンドを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年2月6日に出願された米国仮特許出願第61/026,531号および2008年3月10日に出願された米国仮特許出願第61/035,286号に対する優先権および利益を主張し、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書中に援用される。
【0002】
本発明は、一般に低減ナトリウム加工食品に関する。より詳細には、特定の実施形態において、本発明は、塩味の知覚を顕著に損なうことなく、加えられる苦味を最小限にして加工食品のナトリウム含量を低減するための方法および組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
塩は、加工食物および調理食物に添加され、美味しさおよび望ましい塩味を提供する。塩化ナトリウムは、通常の食用塩の主要構成要素であり、約60%の塩素元素および約40%のナトリウム元素を含む。ナトリウムは、必須栄養素であり、人間の体の細胞外液の濃度および体積を維持するのに重要である。しかし、食事でのナトリウムの過剰摂取は、高血圧などの多くの健康問題の原因として長年疑われている。
【0004】
米国における成人の毎日の平均塩摂取量は、約4〜5g(3900〜4700mgのナトリウム)/日であり、その3分の1だけが自然食物由来であり、残りの3分の2は消費者によってまたは食品製造者によって美味しさを改善するために添加された塩由来である。ナトリウムの米国栄養所要量(RDA)は、2,400mg未満であり、それは現在の毎日の平均摂取量よりも顕著に少ない。故に、塩で味付けされた食物の味は得られるが、ナトリウム含量は低い配合物が必要とされている。
【0005】
いくつかの塩代替物−ナトリウムが少ない組成物とナトリウムを含まない組成物の両方−は、塩の知覚および塩化ナトリウムの風味を模倣しようとして添加された種々の構成要素を含有するように提案されている。これらの多くは、塩化カリウムに基づいている。しかし、塩化カリウムは、苦味、石鹸のような味、またはそうでなければ不快な味および/または後味を生じる。塩化カリウムに基づいた特定の塩代替物はまた、加水分解されたタンパク質または5’−ヌクレオチドを含有し、風味を改善している。しかし、広範囲の濃度および種々広範な食品にわたって良好に働くことが示されていて、費用効率の良い配合物はなかった。
【0006】
塩代替物は、消費者に広く受け入れられているわけではない。さらに、米国の製造者による塩代替物の使用も、ナトリウム含量が低い加工食品が必要であると長い間認識されているにも拘わらず、あまり普及していない。
【0007】
塩代替物を有効に作用させる必要性があるのは明らかであり、ナトリウム含量を低減させるだけでなく、満足のいく塩味を有し、加えられる苦い(またはそうでなければ不快な)味または後味が最小限になるように改質された加工食品が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態は、ナトリウム含量を低減させると同時に塩知覚を顕著に強化させ、加えられる苦味を最小限にするように加工食品を改質するための組成物および方法を提供する。本明細書に記載される実験では、ナトリウム含量が実質的に低減するように改質された食品において塩インパクトおよび全体的な風味知覚が驚くほど高いことが明示されている。この高い塩インパクトは、一般に、塩化カリウム系塩代替物を含有する加工食品に通常関連する不快な味という性質を伴わずに、達成される。
【0009】
塩化カリウムまたは塩化ナトリウムと塩化カリウムとの組み合わせの従来の使用とは異なり、本明細書で開示される実験ではまた、本発明の特定の実施形態に従って配合された水溶液のpHおよびコンダクタンスが、「コントロール」の塩化ナトリウム水溶液のpHおよびコンダクタンスをよく模倣していることが示される。食品が関与する実験ではさらに、塩化ナトリウムと本発明に従う特定の組成物との間に相乗効果が観測されることを示す。本発明の種々の実施形態は、塩化ナトリウム含量がより大きく知覚される塩インパクトを与えることが示される。実際、本発明の実施形態は、より多量のレベルの塩化ナトリウムに等価な塩インパクトを生じるような方法で、加工食品中のより低量の塩化ナトリウムによって付与される塩味の知覚を強化させる。
【0010】
pHおよびコンダクタンスの実験は、リン酸一カリウム(MKP)および/またはリン酸一カルシウム(MCP)を含有する組成物、または代替実施形態においては、乳酸を含有する組成物の驚くべき有効性を明示する。さらに、それらの結果は、広範囲の濃度にわたってNaCl溶液のpHおよびコンダクタンスに匹敵させる際の、(1)塩化カリウム(KCl);(2)MKP(もしくはMCP)または乳酸;および(3)クエン酸カリウムを組み合わせることの有効性を示す。
【0011】
故に、本発明は、上述の組成物を含有する食品、およびこの食品を調製するための方法を提供する。種々の実施形態において、本発明は、風味を実質的に損なうことなく、顕著に低減されたナトリウム含量を有する加工食品を改質する方法を提供する。種々広範な食品に関して、顕著に低減されたナトリウムレベルにて満足のいく味という結果が達成される。実験では、満足のいく結果が、FDAの「健康」および「低減ナトリウム」製品のラベル表示規制を満足するのに十分低いナトリウムレベルであっても得られることを示す。特定の実施形態において、食品は、スープ、飲料、ソース、ベーカリー製品または肉製品である。食品は、解離および/または非解離形態にて特定の成分を含有できる。固体の食品において、成分は、通常非解離であり、液体食品(例えばスープ)では通常解離している。
【0012】
特定の実施形態において、本発明は、3つのカリウム塩−すなわち塩化カリウム、リン酸一カリウム、およびクエン酸カリウム−のブレンドを含む塩味強化組成物を提供し、それは、塩化ナトリウムと組み合わせて使用される場合、苦い後味を全く与えることなく、または後味をわずかに与えるだけで、低減した塩化ナトリウム食物および飲料において塩知覚を顕著に強化させる。特定の実施形態において、塩味強化ブレンドは乾燥塩ブレンドである。他の実施形態において、塩味強化ブレンドは液体である。
【0013】
特定の実施形態において、塩強化剤組成物は、(i)塩化カリウム、(ii)カリウム源もしくはカルシウム源またはこれらの組み合わせから誘導される少なくとも1つのモノリン酸塩、ならびに(iii)クエン酸カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸四カリウム、乳酸カリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウム、およびギ酸カリウムの1つ以上を含む。さらなる実施形態において、塩強化剤組成物は、(i)塩化カリウム、(ii)乳酸または別の有機酸、ならびに(iii)クエン酸カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸四カリウム、乳酸カリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウム、およびギ酸カリウムの1つ以上を含む。さらに、本発明は、本明細書に詳述されるように、これらの組成物を使用する方法およびこれらを調製する方法を提供する。
【0014】
「NaCl」、すなわち塩化ナトリウムが本明細書にて記載される場合、食卓塩および/または海水塩が使用されてもよいことを理解すべきである。
【0015】
1つの態様において、本発明は、以前の食品配合物と比較して同様の塩知覚を有しつつ、ナトリウム含量が低減した加工食品を製造する方法を対象とし、この方法は:(a)改質食品中に調節した量の塩化ナトリウム(NaCl)を提供する工程であって、このNaClの調節量は、以前の食品配合物中のNaCl量よりも少ない、工程、(b)改質食品中に塩化カリウム(KCl)を提供する工程;(c)リン酸一カリウム(MKP)およびリン酸一カルシウム(MCP)から選択されるモノリン酸塩を改質食品中に提供する工程;および(d)改質食品中に、クエン酸カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸四カリウム、乳酸カリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウム、およびギ酸カリウムの1つ以上を提供する工程を含む。好ましい実施形態において、クエン酸カリウムが工程(d)で提供される。
【0016】
特定の実施形態において、NaClの調節量は、以前の配合物に使用されるNaClの量よりも少なくとも25%少ない(重量基準)。他の実施形態において、NaClの調節量は、以前の配合物に使用されるNaClの量よりも、少なくとも15%、20%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%少ない。
【0017】
特定の実施形態において、食品はまた、約0.005〜約5重量%のNaCl;約0.01〜約2重量%のNaCl、または0.1重量%〜約1重量%のNaClを含有してもよい。さらに他の実施形態において、食品は、約2重量%以下のNaCl、または約1.5重量%以下のNaCl;または約1重量%以下のNaCl、または約0.75重量%以下のNaCl;または約0.6重量%以下のNaCl、または約0.50重量%以下のNaCl、または約0.40重量%以下のNaCl;または約0.35重量%以下のNaCl、または約0.30重量%以下のNaCl;または約0.25重量%以下のNaCl、または約0.20重量%以下のNaCl;または約0.15重量%以下のNaCl、または約0.10重量%以下のNaCl;または約0.05重量%以下のNaCl、または約0.01重量%以下のNaClを含有する。
【0018】
特定の実施形態において、改質された食品は(または濃縮形態である場合、ラベル表示された指示により希釈された食品は)、食品の参照量あたり480mg以下のナトリウムを含有する。1つの実施形態において、食品は、スープであり、対応する参照量は245gである。他の実施形態において、改質された食品は(または濃縮形態である場合、ラベル表示された指示により希釈された食品は)、食品の参照量あたり、900mg、890mg、850mg、800mg、750mg、700mg、650mg、600mg、550mg、500mg、450mg、400mg、350mg、300mg、250mg、200mg、150mg、140mg、120mg、100mg、80mg、75mg、50mg、40mg、35mg、30mg、25mg、20mg、10mg、または5mg以下のナトリウムを含有する。参照量は、FDA規制ならびに21CFR101.12(b)および101.9(b)に従って指定される。次に例示する食品リストに関して、代表的な参照量を括弧内に与える:(1)ベーカリー製品、例えばクッキー(参照量30g)またはケーキ(参照量125g);(2)乳製品、例えばパルメザンチーズ(参照量5g)またはカッテージチーズ(125g);(3)スープ(参照量245g);(4)ソース、グレイビー、ディップおよびサルサ、例えばマスタード(5ml)またはスパゲッティソース(参照量125g);(5)肉および肉製品、例えば乾燥ジャーキー(参照量30g)またはランチョンミート(参照量55g)、(6)サラダ(参照量100g)、(7)混合食、例えばアントレ(参照量140g)またはピザ(参照量140g)、(8)シリアル製品、例えば朝食シリアル(参照量15g)またはパスタ(参照量140g);(9)野菜、例えばピクルス(30g)または冷凍野菜(85g);(10)豆類、例えば乾燥豆(参照量35g)または豆腐(85g);(11)スナック、例えばクラッカー(参照量30g)またはポップコーン(参照量30g);および(12)飲料製品(240ml)。
【0019】
特定の実施形態において、工程(c)は、工程(b)において与えられるKCl 1.0部あたり約0.003〜約1部のモノリン酸塩を提供する工程を含む。他の実施形態において、KCl 1.0部あたり約0.015〜約0.33部のモノリン酸塩を提供する。さらに他の実施形態において、KCl 1.0部あたり約0.01〜約0.25部のモノリン酸塩を提供する。
【0020】
特定の実施形態において、工程(d)は、工程(b)において与えられるKCl 1.0部あたり約0.01〜約1部のクエン酸カリウムを提供する工程を含む。他の実施形態において、KCl 1.0部あたり約0.05〜約0.75部のクエン酸カリウムを提供する。さらに他の実施形態において、KCl 1.0部あたり約0.05〜約0.5部のクエン酸カリウムを提供する。
【0021】
別の態様において、本発明は、食品を調製する方法を提供する。この方法は、約0.2〜約1.5重量%の塩化カリウム、約0.002〜約0.4重量%のリン酸一カルシウムまたはリン酸一カリウムまたはその両方、および約0.01〜約0.6重量%のクエン酸カリウムを提供する工程を含む。
【0022】
別の態様において、本発明は、強化した塩知覚を有し、ナトリウム含量を低減するように配合した加工食品を対象とし、この食品は:約0.2〜約1.5重量%の量のKCl;約0.002〜約0.4重量%の量のモノリン酸塩(MKPおよび/またはMCP);約0.01〜約0.6重量%の量のカリウム剤であって、このカリウム剤は、クエン酸カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸四カリウム、乳酸カリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウム、およびギ酸カリウムの1つ以上を含むカリウム剤;ならびに任意にNaClを含む。好ましい実施形態において、カリウム剤は、クエン酸カリウムである。好ましい実施形態において、食品は、約0.25〜約1.2重量%の量のKCl;約0.0075〜約0.05重量%の量のモノリン酸塩(MKPおよび/またはMCP);約0.025〜約0.4重量%の量のカリウム剤であって、このカリウム剤は、クエン酸カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸四カリウム、乳酸カリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウム、およびギ酸カリウムの1つ以上を含むカリウム剤;および任意にNaClを含有していてもよい。好ましい実施形態において、カリウム剤は、クエン酸カリウムである。特定の実施形態において、食品は、約0.005〜約5重量%NaCl;または約0.01〜約2重量%NaCl;または約0.1〜約1重量%NaClを含有する。
【0023】
さらに別の態様において、本発明は、塩味強化ブレンドを対象とし、そのブレンドは、約33〜約98重量%の量のKCl;約1〜約33重量%の量のモノリン酸塩(MKPおよび/またはMCP);および約4〜約33重量%の量のカリウム剤(クエン酸カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸四カリウム、乳酸カリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウム、および/またはギ酸カリウム)を含む。好ましい実施形態において、カリウム剤は、クエン酸カリウムである。特定の実施形態において、ブレンドは、約60〜約97重量%のKCl、約1.5〜約20重量%のモノリン酸塩、約4〜約20重量%のカリウム剤を含有する。特定の実施形態において、ブレンドは、約90〜約95重量%のKCl、約1〜約2.5重量%のモノリン酸塩、および約4〜約7.5重量%のカリウム剤を含有する。一部の実施形態において、ブレンドはさらにNaClを含有する。
【0024】
特定の実施形態において、ブレンドは、約80重量%以下のNaCl、約75重量%以下のNaCl、約70重量%以下のNaCl、約65重量%以下のNaCl、約60重量%以下のNaCl、約55重量%以下のNaCl、約50重量%以下のNaCl、約45重量%以下のNaCl、約40重量%以下のNaCl、約35重量%以下のNaCl、約30重量%以下のNaCl、約25重量%以下のNaCl、約20重量%以下のNaCl、約15重量%以下のNaCl、約10重量%以下のNaCl、または約5重量%以下のNaClを含有する。
【0025】
さらに別の態様において、本発明は、以前の食品配合物と比較して同様の塩知覚を有すると共に、ナトリウム含量が低減した加工食品を製造する方法を対象とし、この方法は:(a)改質食品中に調節した量の塩化ナトリウム(NaCl)を提供する工程であって、このNaClの調節量は、以前の食品配合物中のNaCl量よりも少ない、工程、(b)改質食品中に塩化カリウム(KCl)を提供する工程;(c)改質食品中に有機酸を提供する工程であって、この有機酸が、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、ギ酸、フマル酸、アジピン酸、グルコン酸、および/またはピルビン酸を含む、工程;ならびに(d)任意に、改質食品中に、クエン酸カリウム、乳酸カリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウム、および/またはギ酸カリウムを提供する工程を含む。好ましい有機酸は乳酸であり、好ましいカリウム剤は、クエン酸カリウムである。特定の実施形態において、NaClの調節量は、以前の配合物に使用されるNaCl量よりも少なくとも25%少ない(重量基準)。
【0026】
特定の実施形態において、工程(c)は、工程(b)にて与えられるKCl 1.0部あたり約0.001〜約0.5部の有機酸(例えば乳酸)を提供することを含む。特定の実施形態において、工程(c)は、工程(b)にて与えられるKCl 1.0部あたり約0.001〜約0.05部の有機酸(例えば乳酸)を提供することを含む。
【0027】
特定の実施形態において、工程(d)は、工程(b)にて与えられるKCl 1.0部あたり約0.01〜約1.0部のクエン酸カリウムを提供することを含む。特定の実施形態において、工程(d)は、工程(b)にて与えられるKCl 1.0部あたり約0.05〜約0.75部のクエン酸カリウムを提供することを含む。特定の実施形態において、工程(d)は、工程(b)にて与えられるKCl 1.0部あたり約0.05〜約0.5部のクエン酸カリウムを提供することを含む。
【0028】
別の態様において、本発明は、食品を調製する方法を提供する。この方法は、約0.2重量%〜約1.5重量%の塩化カリウム、約0.002〜約0.4重量%の有機酸、および約0.01重量%〜約0.6重量%のクエン酸カリウムを提供する工程を含む。有機酸として、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、ギ酸、フマル酸、アジピン酸、グルコン酸、およびピルビン酸の1つ以上を使用してもよい。
【0029】
さらに別の態様において、本発明は、塩知覚が強化し、ナトリウム含量が低減するように配合された加工食品を対象とし、この食品は:約0.2〜約1.5重量%の量のKCl;約0.001〜約0.2重量%の量の有機酸(乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、ギ酸、フマル酸、アジピン酸、グルコン酸、および/またはピルビン酸);任意に約0.01〜約0.6重量%の量のカリウム剤であって、このカリウム剤は:クエン酸カリウム、乳酸カリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウム、および/またはギ酸カリウムの1つ以上を含むカリウム剤;ならびに任意にNaClを含む。特定の実施形態において、KClの量は、約0.25〜約1.2重量%であり、有機酸の量は約0.002〜約0.1重量%であり、カリウム剤の量は約0.03〜約0.4重量%である。特定の実施形態において、食品は、約0.005〜約5重量%のNaCl;または約0.01〜約2重量%のNaCl;または約0.1〜約1重量%のNaClを含有する。
【0030】
さらに別の態様において、本発明は:(a)約95.2〜約99.9重量%[重量基準は(a)および(b)の成分の合計]の量のKCl;ならびに(b)約0.1〜約4.8重量%[重量基準は(a)および(b)の成分の合計]の量の有機酸(乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、ギ酸、フマル酸、アジピン酸、グルコン酸、および/またはピルビン酸)を含む塩味強化ブレンドを対象とする。
【0031】
さらに別の態様において、本発明は、(a)約55.8〜約96.6重量%[重量基準は(a)、(b)および(c)の成分の合計]の量のKCl;(b)約0.1〜約4.8重量%[重量基準は(a)、(b)および(c)の成分の合計]の量の有機酸(乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、ギ酸、フマル酸、アジピン酸、グルコン酸、および/またはピルビン酸);(c)約3.3〜約39.4重量%[重量基準は(a)、(b)および(c)の成分の合計]の量のカリウム剤(クエン酸カリウム、乳酸カリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウム、および/またはギ酸カリウム)を含む塩味強化ブレンドを対象とする。特定の実施形態において、ブレンドは、約90.0〜約95重量%の量の塩化カリウム、約0.1〜約2.5重量%の量の有機酸、および約4.9〜約7.5重量%の量のカリウム剤を含有する。特定の好ましい実施形態において、カリウム剤はクエン酸カリウムである。
【0032】
さらに別の態様において、本発明は、強化した塩知覚を有し、ナトリウム含量が低減するように配合された加工食品を対象とし、この食品は:約0.8〜約1000mmol/lの濃度のナトリウムイオン;約20〜約340mmol/lの濃度のカリウムイオン;約20〜約1150mmol/lの濃度の塩化物イオン;約0.1〜約40mmol/lの濃度のリン酸イオン;および約0.1〜約40mmol/lの濃度のクエン酸イオンを含む。特定の実施形態において、食品は、約1.5〜約800mmol/lの濃度のナトリウムイオン;約30〜約270mmol/lの濃度のカリウムイオン;約30〜約1000mmol/lの濃度の塩化物イオン;約0.3〜約10mmol/lの濃度のリン酸イオン;および約1〜約25mmol/lのクエン酸イオンを含有する。特定の実施形態において、食品は、約20〜約410mmol/lの濃度のナトリウムイオン;約30〜約270mmol/lの濃度のカリウムイオン;約40〜約600mmol/lの濃度の塩化物イオン;約0.3〜約10mmol/lの濃度のリン酸イオン;および約1〜約25mmol/lの濃度のクエン酸イオンを含有する。特定の実施形態において、食品は、約130〜約200mmol/lの濃度のナトリウムイオン;約80〜約170mmol/lの濃度のカリウムイオン;約200〜約300mmol/lの濃度の塩化物イオン;約1.0〜約3.0mmol/lの濃度のリン酸イオン;および約3〜約20mmol/lの濃度のクエン酸イオンを含有する。
【0033】
別の態様において、本発明は、ナトリウムイオンとカリウムイオンとの比が約0.07:1〜約14:1であり;ナトリウムイオンと塩化物イオンとの比が約0.03:1〜約10:1であり;ナトリウムイオンとリン酸イオンとの比が約2:1〜約1365:1であり;そしてナトリウムイオンとクエン酸イオンとの比が約0.8:1〜約410:1であることを特徴とする食品を対象とする。特定の実施形態において、食品は、ナトリウムイオンとカリウムイオンとの比が約0.65:1〜約2.5:1であり;ナトリウムイオンと塩化物イオンとの比が約0.3:1〜約1:1であり;ナトリウムイオンとリン酸イオンとの比が約43.1:1〜約200:1であり;ナトリウムイオンとクエン酸イオンとの比が約6.5:1〜約67:1であることを特徴とする。
【0034】
さらに別の態様において、本発明は、強化した塩知覚を有し、ナトリウム含量が低減するように配合された加工食品を対象とし、この食品は:約0.8〜約1000mmol/lの濃度のナトリウムイオン;約20〜約340mmol/lの濃度のカリウムイオン;約20〜約1150mmol/lの濃度の塩化物イオン;約0.1〜約30mmol/lの濃度の乳酸イオン;および約0.1〜約40mmol/lの濃度のクエン酸イオンを含む。特定の実施形態において、食品は、約1.5〜約800mmol/lの濃度のナトリウムイオン;約30〜約270mmol/lの濃度のカリウムイオン;約30〜約1000mmol/lの濃度の塩化物イオン;約0.1〜約15mmol/lの乳酸イオン;および約1〜約25mmol/lの濃度のクエン酸イオンを含有する。特定の実施形態において、食品は、約20〜約410mmol/lの濃度のナトリウムイオン;約30〜約270mmol/lの濃度のカリウムイオン;約40〜約600mmol/lの濃度の塩化物イオン;約0.1〜約15mmol/lの乳酸イオン;および約1〜約25mmol/lの濃度のクエン酸イオンを含有する。特定実施形態において、食品は、約130〜約200mmol/lの濃度のナトリウムイオン;約80〜約200mmol/lの濃度のカリウムイオンを含有し;塩化物イオンが約200〜約400mmol/lの濃度であり;乳酸イオンが約1.0〜約2mmol/lの濃度であり;およびクエン酸イオンが約5〜約10mmol/lの濃度である。
【0035】
別の態様において、本発明は、ナトリウムイオンとカリウムイオンとの比が約0.07:1〜約14:1であり;ナトリウムイオンと塩化物イオンとの比が約0.03:1〜約10:1であり;ナトリウムイオンと乳酸イオンとの比が約1.3:1〜約4100:1であり;そしてナトリウムイオンとクエン酸イオンとの比が約0.8:1〜約410:1であることを特徴とする食品を対象とする。特定の実施形態において、食品は、ナトリウムイオンとカリウムイオンとの比が約0.65:1〜約2.5:1であり;ナトリウムイオンと塩化物イオンとの比が約0.3:1〜約1:1であり;ナトリウムイオンと乳酸イオンとの比が約65:1〜約200:1であり;そしてナトリウムイオンとクエン酸イオンとの比が約6.5:1〜約67:1であることを特徴とする。
【0036】
本発明の1つの特定の態様における実施形態の要素の説明は、同様に本発明の他の態様に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、塩化ナトリウム溶液と比較して、モノリン酸塩を含有する本発明の特定の実施形態におけるpH測定を示すグラフである。
【図2】図2は、塩化ナトリウム溶液と比較して、乳酸を有する本発明の特定の実施形態におけるpH測定を示すグラフである。
【図3】図3は、塩化ナトリウム溶液と比較して、モノリン酸塩を有する本発明の特定の実施形態におけるコンダクタンス測定を示すグラフである。
【図4】図4は、塩化ナトリウム溶液と比較して、乳酸を有する本発明の特定の実施形態におけるコンダクタンス測定を示すグラフである。
【図5】図5は、本発明の特定の実施形態に従う低減ナトリウム配合物の塩インパクトを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の組成物、混合物、システム、方法、およびプロセスは、本明細書に記載される実施形態からの情報を用いて顕在化される変形および改造を包含することを企図される。本明細書に記載される組成物、混合物、システム、方法、およびプロセスの改造および/または修正は、関連分野の当業者によって行われ得る。
【0039】
明細書全体を通して、システムが、特定の成分を有する、包含する、または含むように記載される場合、またはプロセスおよび方法が、特定の工程を有する、包含する、または含むように記載される場合、付加的に、記載される構成要素から本質的になるか、またはそれら成分からなる本発明のシステムが存在し、記載される処理工程から本質的になる、またはそれらの工程からなる本発明に従うプロセスおよび方法が存在すると理解される。
【0040】
同様に、混合物および組成物が、特定の化合物および/または物質を有する、包含する、または含むように記載される場合、付加的に、記載される化合物および/または物質から本質的になるか、またはそれらからなる本発明の混合物および組成物が存在すると理解される。
【0041】
工程順序または特定の動作を行うための順序は、本発明が実行可能である限り重要ではないことを理解すべきである。さらに、2つ以上の工程または動作が、同時に行われてもよい。
【0042】
例えば背景の項目におけるいずれかの刊行物について本明細書で記載することは、本明細書に示される特許請求の範囲のいずれかに関して、その刊行物が先行技術として作用することを容認するものではない。背景の項目は、明確さのために示されるものであり、いずれかの請求項に関して、先行技術の記載として意味するものではない。
【0043】
以下の見出しは、読み易くするために与えられ、本発明の要素の説明を制限しようとするものではない。
【0044】
先に開示したように、本発明の特定の実施形態は、(i)塩化カリウム、ならびに(ii)リン酸一カリウム(MKP)および/またはリン酸一カルシウム(MCP)、あるいは別の実施形態においては乳酸を有する塩味強化ブレンドを対象とする。特定の実施形態は、さらにNaClを含有してもよい。
【0045】
実験は、上述の塩強化剤ブレンドの水溶液におけるpHおよびコンダクタンス挙動を、広範囲の濃度にわたって、NaCl水溶液のpHおよびコンダクタンス挙動と比較するために行った。
【0046】
図1〜4に示されるように、従来の塩化カリウム溶液は、塩化ナトリウム溶液よりも、特に濃度が上昇するにつれてpHが高くなり、コンダクタンスが低くなる。理論に束縛されないが、この観測は、少なくとも部分的に、特により高濃度において、塩化カリウムに基づく従来の塩代替物が石鹸のようなまたは苦い後味を有する傾向にあることを説明できる。さらに、図1〜4に示されるように、塩化カリウムの機械的な使用では、単独で、あるいは単に塩化ナトリウムまたはクエン酸カリウムと組み合わせても、塩化ナトリウムと同等のpHまたはコンダクタンス挙動は得られない。しかし、本明細書に開示される塩強化剤ブレンドは、塩化ナトリウム水溶液のpHおよびコンダクタンスを厳密に模倣する。pHおよびコンダクタンス実験はまた、広範囲の濃度にわたって、NaCl溶液のpHおよびコンダクタンスに匹敵するように、本発明の種々の実施形態に従って塩化カリウム(KCl)、モノリン酸塩または乳酸、およびクエン酸カリウムの組み合わせの驚くべき有効性を明示する。
【0047】
本明細書に開示される実験は、塩化ナトリウムと本発明の実施形態との驚くべき相乗効果を示す。この相乗効果は、水溶液の広範囲に及ぶ濃度全体にわたって証明されており、本発明の組成物が種々広範な食物分類に有用であることを示唆している。種々の実施形態において、本発明の混合物は、加工食品中の低量のナトリウム含量によって付与される、知覚される塩味インパクトを強化させる。実際、および図5に示されるように、ナトリウムが低減した水溶液は、より多量の塩化ナトリウムを有するように知覚される。
【0048】
次に、専門の味覚鑑定人および一般試験人の両方によって行われた食味検査実験について記載する。その評価は、驚くべきことに、本発明の方法に従ってナトリウム含量を実質的に低減するように改質された食品の高い塩インパクトおよび全体的な風味知覚を明示する。高い塩インパクトは、塩化カリウム系の塩代替物を含有する加工食品に通常関連する一般に不快な味の性質を有さずに、達成される。特に指示がなければ、本明細書に記載される加工食品は、Campbell Soup Company(Camden,New Jersey)によって製造され、試験された。またさらに、実験食品サンプルは、一般に10〜15人のグループによってブラインド検査によって食味試験され、評価された。
【0049】
1.リン酸一カリウムまたはリン酸一カルシウムを含有する組成物
特定の実施形態において、本発明は、3つのカリウム塩−すなわち塩化カリウム、リン酸一カリウム、およびクエン酸カリウム−のブレンドを含む塩味強化組成物に関し、それは、塩化ナトリウムと組み合わせて使用される場合、後味を全く与えることなく、また後味をわずかに与えるだけで、食物および飲料において塩知覚を(少なくとも2倍)強化させる。特定の実施形態において、塩味強化ブレンドは、約20〜約98重量%(好ましくは60〜97重量%)の塩化カリウム(KCl)、約1〜約40重量%(好ましくは1.5〜20重量%)のモノリン酸塩、約4〜約40重量%(好ましくは4〜20重量%)のクエン酸カリウム、および任意に塩化ナトリウム(NaCl)を含有する。
【0050】
本発明の実施形態は本発明の範囲から逸脱することなく、いくつかの方法で変更できる。一部の実施形態において、リン酸一カリウムは、リン酸一カルシウムと部分的または全体的に置換できる。クエン酸カリウムは、種々の実施形態において、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸四カリウム、乳酸カリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウム、またはギ酸カリウムと置換できる。さらに、風味剤、充填剤、および改質剤、例えばこれらに限定されないが高フルクトースのコーンシロップ、スターチ、ガム、および/またはカプサイシンは、本発明の特定の好ましい実施形態と共に使用できる。
【実施例】
【0051】
(実験例1)
この実施例において、塩強化剤ブレンドは、表1に列挙される配合1〜5に従って調製した:
【0052】
【表1】

塩強化剤ブレンドは、0.5重量%の塩化ナトリウム(480mgのナトリウム)を含有する水溶液において、示される使用割合で評価された。塩知覚を、塩強化剤を加えていないコントロールの480mgナトリウム溶液に対して比較した。各配合の塩知覚は、コントロールよりも塩味が弱いか、コントロールに等しい塩味か、またはコントロールよりも塩味が強いかのいずれかで格付けした。各配合の後味は、クリーン、金属味、または苦いのいずれかとして格付けした。強化剤ブレンドを有する塩溶液を、コントロールと比較して、より高い塩知覚(例えばより塩味が強い味)を有し、後味がほとんどないまたは全くない(クリーン)と格付けした。また、これは、すべての塩溶液が同じナトリウム量を有していたので、特に驚くべきことである。
【0053】
(実験例2)
この実施例において、本発明のいくつかの実施形態(表2を参照のこと)をチキンブロス(Chiken broth)にて評価した。強化剤ブレンドを添加していない480mgのナトリウムを有するチキンブロスをコントロールとして使用した。表2の配合1〜10に記載されるように塩強化剤ブレンドを含有する、10個のチキンブロス試験サンプルを調製した。11人の訓練を受けた知覚審査員が、特性の中でも、全体的な風味、甘味、塩強度、および全体的な不快について、15点のスコアで評価した。これらの専門の味覚鑑定人は、480mg、650mg、および890mgのナトリウムを含有する参照ブロス(コントロールでも実験でもない)を用いてそれぞれの味覚を較正した。このようにして、数値スコアを塩知覚の程度に割り当てることができた。パネリストは、480mgのナトリウム参照ブロスを塩強度スコア3.5を有する、650mgのナトリウム参照ブロスを塩強度スコア7.5を有する、890mgのナトリウム参照ブロスを塩強度スコア13.5を有すると格付けした。本発明の実施形態に従って調製したブレンドを含有する試験サンプルは、ブラインドで食味検査され、パネリストによって3回ランダムに評価された。サンプルを、初期の全体的な風味、初期の甘味、初期の塩味、および初期の全体的に不快な味を含む初期の味について格付けした。同じ性質を、後味、後味の全体的な風味、後味の甘味、後味の塩味、および後味の全体的に不快な味にて格付けした。結果を表3に要約する。1つの列の同じ文字をもつ値は、互いに顕著な差はなかった。
【0054】
種々の塩強化剤ブレンド組成物を含有するすべての試験サンプルは、塩強化剤ブレンドが全く添加されていないコントロールと比較して、初期塩知覚が顕著に高く(高い塩インパクト(impact))、全体的な風味知覚が高い(高い風味インパクト)と格付けされた。初期または後味評価のいずれにおいても、甘味強度に関してありとあらゆるサンプルで顕著な差はなかった。故に、本発明の種々の実施形態に従って調製された試験サンプルは、チキンブロスの甘味特性に影響を与えることなく、高い塩インパクトを与えることを見出した。すべての試験サンプルは、コントロールサンプルと比較して、初期および後味両方の全体的に不快な知覚が高いと格付けされた。
【0055】
表3にてコントロールと比較した場合、塩化カリウムを単独でチキンブロスに添加すると、塩知覚(4.24から7.69)および全体的な風味インパクト(5.59から8.51)が増大したが、チキンブロスの全体的に不快な味特性もほぼ二倍になった(3.89〜6.25)。なおさらに、以下に注記されるように、本発明の実施形態としての試験サンプル1〜9はすべて、塩化カリウムを単に添加したものおよびコントロールサンプルの両方よりも高い塩インパクトを有すると格付けされた。驚くべきことに、試験サンプル1〜9はまた、より高い全体的な風味を示した。
【0056】
【表2】

【0057】
【表3】

(実験例3)
本発明の種々の実施形態はまた、海塩を含む様々な種類の塩における塩知覚を改善することが示された。この実験において、塩強化剤ブレンドの種々の海塩サンプルにおける塩強化効果を示す。3つの異なる海塩サンプル(ピクロメライト、カーナライトおよびカイナイト)における0.5重量%濃度での水溶液500gを3組調製した(合計9溶液)。溶液の1つの組に、実験1の配合1の塩強化剤ブレンドを0.6重量%で添加した。溶液の第2の組に、0.1重量%のリン酸一カリウム+0.1重量%のクエン酸カリウムを添加した(KClなし)。最後に、海塩単独を含有する溶液の第3の組(添加なし)をコントロールとして使用した。溶液のコントロールの組に対する塩知覚についてサンプルを評価した。強化剤ブレンド(配合1)を有する海塩溶液は、コントロールに比べて、さらにリン酸一カリウムおよびクエン酸カリウムを添加しただけの海塩溶液に比べて、高い塩インパクトを有していることがわかった。
【0058】
(実験例4)
この実施例において、低量またはナトリウムが低減した塩乾燥ブレンドを表4に列挙される配合1〜4に従って調製した:
【0059】
【表4】

成分を共に乾燥混合した。示される使用割合(g)にてそれぞれ8オンスの塩溶液を調製し、NaClからの140mg、280mg、480mg、および720mgのナトリウムを含有する参照サンプル(本発明の実施形態の使用なし)と比較して塩知覚について試験した。それぞれのナトリウムレベルを、塩の低減の「直線状の」基準と本発明の実施形態を用いた類似の塩低減との間で評価した。例えば、140mgのナトリウムが低減したものは、本発明の実施形態に従う組成物を含有する140mgのナトリウムが低減したものと比較した。本発明の実施形態に従う組成物を含むすべての試験溶液は、そのそれぞれの基準サンプルに比べて高い塩知覚を有してることがわかった。なおさらに、2400mg(ティースプーン約1/2)でのこれらの塩強化剤ブレンドは、低減していないコントロールの塩インパクトと非常に近い塩インパクトを送達した。すなわち、70%低減したが、本発明の実施形態に従って組成物を含有するサンプルは、コントロール(すなわち100%塩)と同等の塩インパクトを送達した。
【0060】
(実験例5)
本発明の種々の実施形態はまた、乾燥ブレンドに容易に加工されることを示した。この実施例において、50%の低減したナトリウム塩ブレンドを、実施例4の配合3に従って調製し、次のように加工した。配合3の30%濃度溶液を、ボトル入りの水中に溶解させることによって調製した。均一に溶解した溶液を、浅いトレイに注ぎ、湿分がすべて蒸発するまで350〜400°Fのオーブンにて約45〜60分間乾燥し、均一な乾燥塩ブレンドを得た。乾燥した塩ブレンドを、次いで均一な粒径に粉砕し、さらなる使用のために包装した。
【0061】
(実験例6)
この実施例において、塩化カリウム、リン酸一カルシウムまたはリン酸一カリウムおよびクエン酸カリウムまたはリン酸二カリウムを有する本発明の実施形態を、表5に列挙される組成物に従って調製した。配合2および3の塩知覚を配合1と比較した。
【0062】
【表5】

塩強化剤ブレンドを、0.5重量%の塩化ナトリウム(480mgナトリウム)を含有する水溶液中で、それらの示される使用割合で評価した。塩知覚は、強化剤を添加していないコントロールの480mgナトリウム溶液と比較した。すべての塩強化剤ブレンドはコントロールよりも高い塩インパクトを有することがわかった、すなわち各ブレンドは、コントロールよりも強い塩味として評価された。なおさらに、KCl+MCP+クエン酸KまたはKCl+MKP+DKPを有する塩強化剤ブレンドは、(KCl+MKP+クエン酸K)の場合と同等の塩インパクトを有することがわかった。
【0063】
(実験例7)
この実施例において、野菜ジュース中の塩強化剤ブレンドの応用を示す。塩強化剤ブレンド(実施例1の配合2)を有する野菜ジュースの試験サンプルおよびコントロールサンプルを調製し、評価した。両方の製品とも140mgのナトリウムを含有していた。製品を食味検査し、10〜15人からなるグループのブラインド検査によって評価した。強化剤ブレンドを有する野菜ジュースは、コントロールに比べて高い塩インパクトおよびより清浄な味を有していることがわかった。なおさらに、強化剤ブレンドおよび非常に少量のナトリウム含量を有する野菜ジュースは、全体的な味が良好であることがわかり、現在のコントロールよりも好ましかった。
【0064】
(実験例8)
ナトリウムレベルが710から480mgに低減した(33%の低減)野菜ジュース中の塩強化剤ブレンドの応用をこの実施例にて示す。5000gバッチの野菜ジュースサンプル4つを調製した。バッチ1は最大ナトリウム量の(710mg)を含有していたが、バッチ2は直線的な低減として480mgまで低減した(33%低減)野菜ジュースを含有していた。バッチ3は、塩化カリウム−マグネシウム塩ブレンドを用いて480mgまで低減した野菜ジュースを含有しており、バッチ4は、本発明の実施形態に従う塩強化剤ブレンド(実験1の配合1を有する塩強化剤ブレンド)を用いて480mgナトリウムまで低減した野菜ジュースを含有していた。サンプルを、10〜15人のグループによるブラインド検査により食味検査して、評価した。本発明の実施形態に従うブレンドを用いた野菜ジュースは、ナトリウムが33%少ないにも拘わらず、最大ナトリウム量の製品に比べて同等の塩インパクトを有することがわかった。なおさらに、強化剤ブレンドを有する野菜ジュースは、バッチ2およびバッチ3のナトリウムが低減した製品に比べて高い塩インパクトを有していることがわかった。さらに塩味を食味検査すると同時に、バッチ4のサンプルはまた、良好な全体的味を有していることがわかり、他のナトリウムが低減したバッチよりも好ましかった。
【0065】
(実験例9)
本発明の種々の実施形態は、種々の食物製品に有用であることがわかり、全体的な味を顕著に損なうことなく、ナトリウム低減食品配合物を容易にした。この実験において、白食パン中のナトリウム含量を低減するための塩強化剤ブレンドの使用を示す。ブレッドは、100gの小麦粉基準で小麦、水、イースト、無脂肪乾燥乳、ショートニング、ビタミンC、および食卓塩からなる。コントロールサンプルは、最大ナトリウム量(2250mgのNaCl)を有するように提供された。ナトリウムが低減したサンプルは、920mgのNaCl(60%低減)および本発明の実施形態(実験1の配合2を有する塩強化剤ブレンド)を有するように提供される。ナトリウムが低減したサンプルは、コントロールサンプルによって提供される200mgのナトリウムに対して、1切れの給仕あたりほんの70〜80mgのナトリウムを提供する。ブレッドは、標準の焼手順に従って焼かれた。製品を、10〜15人からなるグループのブラインド検査によって食味検査され、評価された。強化剤ブレンドを有するパンサンプルは、驚くべきことに、塩が60%少ないにも拘わらず、最大ナトリウム量のサンプルと同等の塩インパクトを有することがわかった。ナトリウムが低減したサンプルはまた、不快な後味を示すことなく、最大ナトリウム量のサンプルと同等の全体的な味を有することがわかった。
【0066】
(実験例10)
この実施例では、トマト系のパスタソースにおける塩強化剤ブレンドの応用を示す。トマト系パスタソース5000gのバッチ3つを調製した。最大ナトリウム量(580mgのナトリウム)であるバッチ1をコントロールとして使用した。バッチ2は、240mgのナトリウムが低減した配合物(直線的な低減)であったが、バッチ3は、本発明の実施形態に従うブレンド(実験1の配合1を有する塩強化剤ブレンド)を含有する240mgのナトリウムが低減した配合物であった。240mgのナトリウムレベルは、10%RDI(推奨される毎日の摂取量)およびコントロールのナトリウム含量の60%低減に対応する。サンプルを、10〜15人のグループのブラインド検査によって食味検査して評価した。塩強化剤ブレンドを有するナトリウムが低減したのパスタソースは、直線的な低減に比べてより大きな塩インパクトおよび改善された味を有することがわかった。なおさらに、塩強化剤ブレンドを有するナトリウムが低減したのパスタソースは、驚くべきことに、最大ナトリウム量のコントロールと同様の塩インパクトを有することがわかり、コントロールと同等に受け入れられることがわかった。故に、本発明の一部の実施形態は、同等の味を有し、加えられる苦味がほとんどまたは全くなく、最大ナトリウム量のコントロールと同等の塩知覚を有しつつ、ナトリウムの60%低減を容易にする。
【0067】
(実験例11)
本発明の一部の実施形態は、種々のスープ製品に有用であることがわかり、全体の味を顕著に損なうことなくナトリウム低減配合物を容易にした。この実験において、1給仕あたり890mgのナトリウムを有するチキンブロス系スープ(グループ1)、1給仕あたり870mgのナトリウムを有するクリーム系スープ(グループ2)、および1給仕あたり710mgのナトリウムを有するトマト系スープ(グループ3)における塩強化剤ブレンドの応用を明示した。1グループあたり3つのサンプルを調製した;各グループは、最大ナトリウム量のサンプルおよび480mgのナトリウム(少なくとも約33%の低減)を有するストレートな低減のナトリウム低減サンプル、および本発明の実施形態に従うブレンド(実験1の配合1を有する塩強化剤)を含有する480mgのナトリウム低減サンプルを有していた。強化剤ブレンドを含まない480mgのナトリウムでのスープはすべて、顕著に低い塩インパクトを有し、さらに、最大ナトリウム量のサンプルに比べて許容できない味を有することがわかった。塩強化剤ブレンドを有するスープは、最大ナトリウム量のサンプルに等価な塩インパクトを有することがわかり、ストレートな低減のナトリウム低減サンプルよりも顕著に好ましかった。なおさらに、本発明の実施形態に従う組成物を含有するスープは、不快な後味を示す証拠がなく、最大ナトリウム量の製品と比べて許容できる味を有することがわかった。
【0068】
(実験例12)
この実験において、塩化カリウム、リン酸一カリウム、およびクエン酸カリウムを含有する塩強化ブレンドの応用をさらに、トマト系スープにて評価した。710mgのナトリウム(最大ナトリウム量)を有するコントロールサンプルおよび480mgのナトリウム(約33%低減)を有するナトリウム低減サンプルを調製した。ナトリウム低減サンプルは、0.6重量%の塩化カリウム、0.02重量%のリン酸一カリウム、および0.1重量%のクエン酸カリウムを有する塩強化剤ブレンドを含有した。製品は、消費者の家庭での使用試験にて一般人によってブラインドで食味検査され、評価された。製品は、他の特性の中でも、全体的な外観および味について、約600人の一般消費者により1〜5のスコアで採点した。なおさらに、塩味(すなわち、塩インパクト)を、十分な塩味なし、から非常に強すぎる塩味、まで定性的に判断した。消費者によって使用される場合、すべてのスープは、一般に1:1の比に対応するラベル指示による水での希釈により食用に調製された。調製時、ナトリウム低減スープは、約0.3重量%の塩化カリウム、0.01重量%のリン酸一カリウム、および0.05重量%のクエン酸カリウムを示す。ナトリウム低減(480mg)および最大ナトリウム量の(710mg)スープサンプルは、等価な全体的好みスコア(5.0に比べて4.9)、味スコア(4.1に比べて4.0)を有することがわかった。故に、ここで示されるように、本発明の実施形態に従うブレンドを含有するナトリウム低減スープ製品は、ブラインド消費者試験において最大ナトリウム量の製品と等価であることが示された。81%のブラインド消費者が、最大ナトリウム量のスープを、適切および期待通りの量の塩味を有すると判断した。興味深いことに、そして驚くべきことに、78%のブラインド消費者の試験ベースも、ナトリウムが低減したスープを適切および期待通りの量の塩味を有すると判断した。故に、これらの一般消費者は、約33%のナトリウムが低減されているにも拘わらず、最大ナトリウム量のスープ製品とそのナトリウムを低減した類似品との塩味が等価であることを見出した。
【0069】
(2.有機酸を含有する組成物)
特定の実施形態において、本発明は、塩化カリウムおよび有機酸のブレンドを含む塩味強化組成物に関し、それは塩化ナトリウムと組み合わせて使用される場合に、水溶液中ならびに食物および飲料中の塩知覚を、後味を全く付与せず、または限られた後味だけを付与して強化させる(例えば少なくとも2倍)。好ましい実施形態において、有機酸は、乳酸である。特定の実施形態において、塩味強化ブレンドは、約95.2〜約99.9重量%の塩化カリウム(KCl)、および約0.1〜約4.8重量%の乳酸を含有する。特定の実施形態において、組成物は、好ましくは、クエン酸カリウムをさらに含有する。本発明の特定の実施形態は、約55.8〜約96.6重量%の塩化カリウム、約0.1〜約4.8重量%の乳酸、および約3.3〜約39.4重量%のクエン酸カリウムをから構成される。なおさらなる実施形態は、約90〜約95重量%の塩化カリウム、約0.1〜約2.5重量%の乳酸、および約4.9〜約7.5重量%のクエン酸カリウムを含有する。さらに、風味剤、充填剤、および改質剤、例えばこれらに限定されないが高フルクトースのコーンシロップ、デンプン、ガム、および/またはカプサイシンを、本発明の特定の好ましい実施形態にて任意に使用してもよい。
【0070】
クエン酸カリウムの代替として、次の成分の1つ以上を使用してもよい:リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸四カリウム、乳酸カリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウム、およびギ酸カリウム。
【0071】
次の実施例は、特定の食物製品におけるこれらの組成物の使用および効果を示す。
【0072】
(実験例13)
この実験において、塩化カリウムおよび乳酸を含有する塩強化組成物の応用を、チキンブロス系付け合せスープにて評価した。スープC1、C2、およびC3は、それぞれ580、620、および640mgの最大ナトリウム量を含有した。580mgのナトリウム(最大ナトリウム量)を有するC1コントロールサンプル、および480mgのナトリウム(約18%低減)を有するC1ナトリウム低減サンプルを調製した。C1ナトリウム低減サンプルは、約0.72重量%の塩化カリウムおよび0.004重量%の乳酸を含有した。食用に調製時(すなわち、ラベル指示により1:1に希釈)、C1ナトリウム低減スープは、約0.36重量%の塩化カリウム、および0.002重量%の乳酸を示す。
【0073】
620mgのナトリウム(最大ナトリウム量)を有するC2コントロールサンプルおよび480mgのナトリウム(約23%低減)を有するC2ナトリウム低減サンプルを調製した。C2ナトリウム低減サンプルは、約0.8重量%の塩化カリウム、および0.004重量%の乳酸を含有していた。食用に調製時、C1ナトリウム低減スープは、約0.4重量%の塩化カリウムおよび0.002重量%の乳酸を示す。
【0074】
640mgのナトリウム(最大ナトリウム量)を有するC3コントロールサンプルおよび480mgのナトリウム(約25%低減)を有するC3ナトリウム低減サンプルを調製した。C3ナトリウム低減サンプルは、約0.72重量%の塩化カリウムおよび0.004重量%の乳酸を含有していた。食用に調製時、C1ナトリウムが低減したスープは、約0.36重量%の塩化カリウムおよび0.002重量%の乳酸を示す。
【0075】
ナトリウムが低減した(480mg)スープはすべて、約60人の一般人のグループによって最大ナトリウム量の(580〜640mg)類似品に対して評価された。製品は、全体的な好み、外観、風味について9点の嗜好スコアに基づいて採点したが、1は極めて好ましくない、9は極めて好ましい。すべてのナトリウムが低減した変形物は、全体的な好み、外観、および全体的な風味についての嗜好格付けにおいて、最大ナトリウム量の変形物と等しく採点され、許容可能であった。
【0076】
【表6】

(実験14)
この実験において、塩化カリウム、乳酸およびクエン酸カリウムの組み合わせを含有する塩強化組成物の応用をチキンブロス系付け合せスープにて明示した。1給仕あたり480mgのナトリウムを送達する3つのサンプルは、塩化カリウム/乳酸/クエン酸カリウム塩強化組成物を用いて調製した:それぞれ890mgのナトリウム(最大ナトリウム量)を有するコントロールサンプルS1、S2、およびS3を調製した。なおさらに、480mgのナトリウム(約46%低減)を有するナトリウムが低減した類似品S1r、S2r、およびS3rも調製した。ナトリウムが低減したサンプルS1rは、約0.8重量%の塩化カリウム、約0.012重量%の乳酸、および約0.1重量%のクエン酸カリウムを含有した。調製時、S1rは、約0.4重量%の塩化カリウム、約0.006重量%の乳酸、および約0.05重量%のクエン酸カリウムを示す。
【0077】
ナトリウムが低減したサンプルS2rは、約0.9重量%の塩化カリウム、約0.012重量%の乳酸、および約0.1重量%のクエン酸カリウムを含有した。調製時、S1rは、約0.45重量%の塩化カリウム、約0.006重量%の乳酸、および約0.05重量%のクエン酸カリウムを示す。
【0078】
ナトリウムが低減したサンプルS3rは、約1.0重量%の塩化カリウム、約0.012重量%の乳酸、および約0.2重量%のクエン酸カリウムを含有した。調製時、S1rは、約0.5重量%の塩化カリウム、約0.006重量%の乳酸、および約0.1重量%のクエン酸カリウムを示す。
【0079】
製品を、約15人のグループによってブラインド検査により食味検査し、評価した。本発明の種々の実施形態に従って塩強化剤組成物を含有するナトリウムが低減した(480mg)サンプルは、ナトリウムが46%低減しているにも拘わらず、最大ナトリウム量の製品と同様の塩インパクトを有することがわかった。
【0080】
(3.食物製品における塩味強化カリウム塩組成物の使用)
本発明の塩味強化組成物は、実質的に風味を損なうことなく、それらのナトリウムレベルを低減するために加工食品を配合する際に使用できる。種々の実施形態において、食品を改質するための方法は、快い塩風味を維持するために、先行する項目にて記載されるように、食品における塩化ナトリウムの量を所望の低下レベルに調節すること、および本発明の実施形態に従う少なくとも1つの組成物を添加することを含む。ナトリウム含量は、特定の量、例えば25%(「ナトリウム低減」というラベルを貼付するためのFDA最小値)に低減してもよい。あるいは、改質された食品中のナトリウムレベルは、特定の最大量に設定されてもよい。これらの最大量は、FDA製品ラベル表示規制にて特定される食品の参照量あたりの量(mg単位で測定される)に対応するように選択されてもよい。このようにして、給仕サイズあたりの最大ナトリウム量が確立されてもよい。例えば、米国食品規制により、給仕あたり最大600mgのナトリウムが、肉系製品については「健康」というラベルを許可され、非肉系食品については480mgのナトリウムが「健康」というラベルを許可され、140mgのナトリウムでは「低ナトリウム」というラベル、35mgナトリウムでは「非常に低いナトリウム」というラベル、5mgでは「ナトリウムフリー」というラベルが許可される。応用可能な参照量(すなわち、給仕サイズ)は、食物製品の種類に依存する。多種の消費者食物製品についての参照量は、FDA食品ラベル表示規制および21CFR101.12(b)および101.9(b)に従う。
【0081】
限定ではないが、例として、本発明の実施形態が有利に使用され得る食物製品の分類およびそれらの参照量(括弧内)は;(1)ベーカリー製品(参照量30〜125g)、例えば焼き立てパンおよびロールパン、冷凍パンまたはパン生地、冷蔵パン生地またはビスケット生地、冷凍ピザ、冷蔵ピザまたはその他のピザ製品、缶入りパン、(2)乳製品(参照量5〜110g)、例えばナチュラルチーズ、プロセスチーズ、(3)スープ(245g)、(4)ソース、グレービー、ディップおよびサルサ(参照量5〜125g)、例えばスパゲッティまたはイタリアンソース、メキシカンソース、メキシカンフーズ、例えばサルサ、グレービーまたはソースミックス、冷蔵サラダドレッシング、(5)肉および肉製品(参照量15〜140g)、ランチョンミート、缶入り肉、(6)サラダ(参照量100〜140g)、例えば冷蔵サラダまたはコールスロー、(7)混合食(参照量1カップまたは140〜190g)、例えばポットパイ、冷蔵アントレ、ドライ包装ディナー、保存可能なディナー、冷蔵ランチ、冷凍サイドディッシュ、冷蔵サイドディッシュ、ライス、(8)シリアル製品(参照量15〜140g)、例えば詰め物ミックス、冷蔵パスタ、冷凍パスタ、(9)野菜(30〜240g)、例えばトマト製品、(10)豆類(参照量35〜130g)、例えばベークドビーンズ、(11)スナック(参照量30g)、例えばチップス、プレッツェル、ポップコーン、押出スナック、および(12)飲料製品(240ml)を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以前の食品配合物と比較して同様の塩知覚を有し、ナトリウム含量が低減した加工食品を製造するための方法であって、該方法が:
(a)改質食品に塩化ナトリウムの調節量を提供する工程であって、該塩化ナトリウムの調節量が、以前の食品配合物に使用される塩化ナトリウムの量より少ない工程;
(b)塩化カリウムを該改質食品に提供する工程;
(c)モノリン酸塩を該改質食品に提供する工程であって、該モノリン酸塩が、リン酸一カリウムおよびリン酸一カルシウムからなる群から選択される物質を含む工程;および
(d)該改質加工食品に、クエン酸カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸四カリウム、乳酸カリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウムおよびギ酸カリウムからなる群から選択される1つ以上の物質を提供する工程
を含む、方法。
【請求項2】
工程(d)がクエン酸カリウムを提供する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記塩化ナトリウムの調節量が、以前の配合物に使用される塩化ナトリウムの量より、重量基準で少なくとも25%少ない、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記改質食品が、またはラベル表示された指示が希釈を必要とする場合にはラベル表示された指示による希釈後の前記食品が、該食品の参照量あたり900mg以下のナトリウムを含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記改質食品が、またはラベル表示された指示が希釈を必要とする場合にはラベル表示された指示による希釈後の前記食品が、該食品の参照量あたり600mg以下のナトリウムを含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記改質食品が、またはラベル表示された指示が希釈を必要とする場合にはラベル表示された指示による希釈後の前記食品が、該食品の参照量あたり480mg以下のナトリウムを含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記食品がスープであり、該食品の参照量が245gである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記改質食品が、またはラベル表示された指示が希釈を必要とする場合にはラベル表示された指示による希釈後の前記食品が、該食品の参照量あたり140mg以下のナトリウムを含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記改質食品が、またはラベル表示された指示が希釈を必要とする場合にはラベル表示された指示による希釈後の前記食品が、該食品の参照量あたり35mg以下のナトリウムを含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記改質食品が、またはラベル表示された指示が希釈を必要とする場合にはラベル表示された指示による希釈後の前記食品が、該食品の参照量あたり5mg以下のナトリウムを含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
工程(c)が、工程(b)にて提供される塩化カリウム1.0部あたり、約0.003〜約1部のモノリン酸塩を提供する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
工程(c)が、工程(b)にて提供される塩化カリウム1.0部あたり、約0.015〜約0.33部のモノリン酸塩を提供する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
工程(c)が、工程(b)にて提供される塩化カリウム1.0部あたり約0.01〜約0.25部のモノリン酸塩を提供する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
工程(d)が、工程(b)にて提供される塩化カリウム1.0部あたり約0.01〜約1.0部のクエン酸カリウムを提供する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
工程(d)が、工程(b)にて提供される塩化カリウム1.0部あたり約0.05〜約0.75部のクエン酸カリウムを提供する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
工程(d)が、工程(b)にて提供される塩化カリウム1.0部あたり約0.05〜約0.5部のクエン酸カリウムを提供する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記改質食品が、スープ、飲料、ソース、ベーカリー製品、乳製品、または肉製品である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記食品がスープである、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
食品を調製する方法であって、該方法が:
約0.2〜約1.5重量%(該食品の総重量あたり)の塩化カリウム、約0.002〜約0.4重量%の少なくとも1つのリン酸一カルシウムおよびリン酸一カリウム、ならびに約0.01〜約0.6重量%のクエン酸カリウムを提供する工程
を含む、方法。
【請求項20】
強化した塩知覚を有し、ナトリウム含量を低減するように配合された加工食品であって、該食品が:
(a)約0.2〜約1.5重量%の量の塩化カリウム;
(b)約0.002〜約0.4重量%の量のモノリン酸塩であって、該モノリン酸塩が、リン酸一カリウムおよびリン酸一カルシウムからなる群から選択される物質を含むモノリン酸塩;
(c)約0.01〜約0.6重量%の量のカリウム剤であって、該カリウム剤が、クエン酸カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸四カリウム、乳酸カリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウム、およびギ酸カリウムからなる群から選択される1つ以上の物質を含む、カリウム剤;ならびに任意に
(d)塩化ナトリウム
を含む、加工食品。
【請求項21】
(a)約0.25〜約1.2重量%の量の塩化カリウム;
(b)約0.0075〜約0.05重量%の量のモノリン酸塩であって、該モノリン酸塩が、リン酸一カリウムおよびリン酸一カルシウムからなる群から選択される物質を含む、モノリン酸塩;
(c)約0.025〜約0.4重量%の量のカリウム剤であって、該カリウム剤が、クエン酸カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸四カリウム、乳酸カリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウム、およびギ酸カリウムからなる群から選択される物質を含むカリウム剤;
ならびに任意に
(d)塩化ナトリウム
を含む、請求項20に記載の加工食品。
【請求項22】
前記カリウム剤がクエン酸カリウムを含む、請求項21に記載の加工食品。
【請求項23】
前記食品が、またはラベル表示された指示が希釈を必要とする場合にはラベル表示された指示による希釈後の前記食品が、該食品の参照量あたり900mg以下のナトリウムを含有する、請求項20に記載の加工食品。
【請求項24】
前記食品が、またはラベル表示された指示が希釈を必要とする場合にはラベル表示された指示による希釈後の前記食品が、該食品の参照量あたり600mg以下のナトリウムを含有する、請求項20に記載の加工食品。
【請求項25】
前記食品が、またはラベル表示された指示が希釈を必要とする場合にはラベル表示された指示による希釈後の前記食品が、該食品の参照量あたり480mg以下のナトリウムを含有する、請求項20に記載の加工食品。
【請求項26】
前記食品が、またはラベル表示された指示が希釈を必要とする場合にはラベル表示された指示による希釈後の前記食品が、該食品の参照量あたり140mg以下のナトリウムを含有する、請求項20に記載の加工食品。
【請求項27】
前記食品が、またはラベル表示された指示が希釈を必要とする場合にはラベル表示された指示による希釈後の前記食品が、該食品の参照量あたり35mg以下のナトリウムを含有する、請求項20に記載の加工食品。
【請求項28】
前記食品が、またはラベル表示された指示が希釈を必要とする場合にはラベル表示された指示による希釈後の前記食品が、該食品の参照量あたり5mg以下のナトリウムを含有する、請求項20に記載の加工食品。
【請求項29】
前記食品がさらに、約0.005〜約5重量%の塩化ナトリウムを含む、請求項20に記載の加工食品。
【請求項30】
前記食品がさらに、約0.1〜約1重量%の塩化ナトリウムを含む、請求項20に記載の加工食品。
【請求項31】
前記食品が、スープ、飲料、ソース、ベーカリー製品、乳製品、または肉製品である、請求項20に記載の加工食品。
【請求項32】
前記食品が、245gの質量を有するスープである、請求項20に記載の加工食品。
【請求項33】
(a)成分(a)、(b)および(c)の総重量に対して約33〜約98重量%の量の塩化カリウム;
(b)成分(a)、(b)および(c)の総重量に対して約1〜約33重量%の量のモノリン酸塩であって、該モノリン酸塩が、リン酸一カリウムおよびリン酸一カルシウムからなる群から選択される物質を含む、モノリン酸塩;
(c)成分(a)、(b)および(c)の総重量に対して約4〜約33重量%の量のカリウム剤であって、該カリウム塩が、クエン酸カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸四カリウム、乳酸カリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウム、およびギ酸カリウムからなる群から選択される物質を含む、カリウム剤
を含む、塩味強化ブレンド。
【請求項34】
前記カリウム剤がクエン酸カリウムを含む、請求項33に記載の塩味強化ブレンド。
【請求項35】
(a)約60〜約97重量%の量の前記塩化カリウム;
(b)約1.5〜約20重量%の量の前記モノリン酸塩;および
(c)約4〜約20重量%の量の前記カリウム剤
を含む、請求項33に記載の塩味強化ブレンド。
【請求項36】
(a)約90〜約95重量%の量の前記塩化カリウム;
(b)約1〜約2.5重量%の量の前記モノリン酸塩;および
(c)約4〜約7.5重量%の量の前記カリウム剤
を含む、請求項33に記載の塩味強化ブレンド。
【請求項37】
(d)塩化ナトリウム
をさらに含む、請求項33に記載の塩味強化ブレンド。
【請求項38】
成分(a)、(b)、(c)および(d)の総重量に対して約80重量%までの量で塩化ナトリウムを含む、請求項33に記載の塩味強化ブレンド。
【請求項39】
以前の食品配合物と比べて同様の塩知覚を有し、ナトリウム含量が低減された加工食品を製造するための方法であって、該方法が:
(a)改質食品中に調節量の塩化ナトリウムを提供する工程であって、該塩化ナトリウムの調節量が、以前の食品配合物に使用される塩化ナトリウムの量より少ない工程;
(b)改質食品に塩化カリウムを提供する工程;
(c)乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、ギ酸、フマル酸、アジピン酸、グルコン酸、およびピルビン酸の少なくとも1つを含む有機酸を提供する工程;および
(d)任意に、改質食品にカリウム剤を提供する工程であって、該カリウム塩が、クエン酸カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸四カリウム、乳酸カリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウム、およびギ酸カリウムの少なくとも1つを含む工程
を含む、方法。
【請求項40】
前記カリウム剤がクエン酸カリウムを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記有機酸が乳酸を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記調節量の塩化ナトリウムが、以前の配合物に使用される塩化ナトリウムの量より、重量基準で、少なくとも25%少ない、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記改質食品が、またはラベル表示された指示が希釈を必要とする場合にはラベル表示された指示による希釈後の前記食品が、該食品の参照量あたり900mg以下のナトリウムを含有する、請求項39に記載の方法。
【請求項44】
前記改質食品が、またはラベル表示された指示が希釈を必要とする場合にはラベル表示された指示による希釈後の前記食品が、該食品の参照量あたり600mg以下のナトリウムを含有する、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
前記改質食品が、またはラベル表示された指示が希釈を必要とする場合にはラベル表示された指示による希釈後の前記食品が、該食品の参照量あたり480mg以下のナトリウムを含有する、請求項39に記載の方法。
【請求項46】
前記食品がスープであり、該食品の参照量が245gである、請求項39に記載の方法。
【請求項47】
前記改質食品が、またはラベル表示された指示が希釈を必要とする場合にはラベル表示された指示による希釈後の前記食品が、該食品の参照量あたり140mg以下のナトリウムを含有する、請求項39に記載の方法。
【請求項48】
前記改質食品が、またはラベル表示された指示が希釈を必要とする場合にはラベル表示された指示による希釈後の前記食品が、該食品の参照量あたり35mg以下のナトリウムを含有する、請求項39に記載の方法。
【請求項49】
前記改質食品が、またはラベル表示された指示が希釈を必要とする場合にはラベル表示された指示による希釈後の前記食品が、該食品の参照量あたり5mg以下のナトリウムを含有する、請求項39に記載の方法。
【請求項50】
工程(c)が、工程(b)にて提供される塩化カリウム1.0部あたり約0.001〜約0.5部の前記有機酸を提供する工程を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項51】
工程(c)が、工程(b)にて提供される塩化カリウム1.0部あたり約0.001〜約0.05部の有機酸を提供する工程を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項52】
工程(d)が、工程(b)にて提供される塩化カリウム1.0部あたり約0.01〜約1.0部のクエン酸カリウムを提供する工程を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項53】
工程(d)が、工程(b)にて提供される塩化カリウム1.0部あたり約0.05〜約0.75部のクエン酸カリウムを提供する工程を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項54】
工程(d)が、工程(b)にて提供される塩化カリウム1.0部あたり約0.05〜約0.5部のクエン酸カリウムを提供する工程を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項55】
前記改質食品が、スープ、飲料、ソース、ベーカリー製品、乳製品、または肉製品である、請求項39に記載の方法。
【請求項56】
前記食品がスープである、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
食品を調製する方法であって、この方法が:
約0.2〜約1.5重量%(食品の総重量に基づいて)の塩化カリウム、約0.002〜約0.4重量%の乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、ギ酸、フマル酸、アジピン酸、グルコン酸、およびピルビン酸の少なくとも1つ、および約0.01〜約0.6重量%のクエン酸カリウムを提供する工程を含む、方法。
【請求項58】
強化した塩知覚を有し、ナトリウム含量が低減するように配合した加工食品であって:
(a)約0.2〜約1.5重量%の量の塩化カリウム;
(b)約0.001〜約0.2重量%の量の有機酸であって、該有機酸が、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、ギ酸、フマル酸、アジピン酸、グルコン酸、およびピルビン酸からなる群から選択される物質を含む有機酸;
(c)任意に、約0.01〜約0.6重量%の量のカリウム剤であって、該カリウム剤が、クエン酸カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸四カリウム、乳酸カリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウム、およびギ酸カリウムからなる群から選択される1つ以上の物質を含むカリウム剤;
および任意に
(d)塩化ナトリウム
を含む加工食品。
【請求項59】
(a)約0.25〜約1.2重量%の量の塩化カリウム;
(b)約0.002〜約0.1重量%の量の有機酸;
(c)約0.03〜約0.4重量%の量のカリウム剤であって、該カリウム剤がクエン酸カリウムを含む、請求項58に記載の加工食品。
【請求項60】
前記食品がさらに、約0.005〜約5重量%の塩化ナトリウムを含む、請求項58に記載の食品。
【請求項61】
前記食品がさらに、約0.1〜約1重量%の塩化ナトリウムを含む、請求項58に記載の食品。
【請求項62】
前記食品が、またはラベル表示された指示が希釈を必要とする場合にはラベル表示された指示による希釈後の前記食品が、該食品の参照量あたり900mg以下のナトリウムを含有する、請求項58に記載の加工食品。
【請求項63】
前記食品が、またはラベル表示された指示が希釈を必要とする場合にはラベル表示された指示による希釈後の前記食品が、該食品の参照量あたり600mg以下のナトリウムを含有する、請求項58に記載の加工食品。
【請求項64】
前記食品が、またはラベル表示された指示が希釈を必要とする場合にはラベル表示された指示による希釈後の前記食品が、該食品の参照量あたり480mg以下のナトリウムを含有する、請求項58に記載の加工食品。
【請求項65】
前記食品が、またはラベル表示された指示が希釈を必要とする場合にはラベル表示された指示による希釈後の前記食品が、該食品の参照量あたり140mg以下のナトリウムを含有する、請求項58に記載の加工食品。
【請求項66】
前記食品が、またはラベル表示された指示が希釈を必要とする場合にはラベル表示された指示による希釈後の前記食品が、該食品の参照量あたり35mg以下のナトリウムを含有する、請求項58に記載の加工食品。
【請求項67】
前記食品が、またはラベル表示された指示が希釈を必要とする場合にはラベル表示された指示による希釈後の前記食品が、該食品の参照量あたり5mg以下のナトリウムを含有する、請求項58に記載の加工食品。
【請求項68】
前記食品が、スープ、飲料、ソース、ベーカリー製品、乳製品、または肉製品である、請求項58に記載の加工食品。
【請求項69】
前記食品が245gの質量を有するスープである、請求項58に記載の加工食品。
【請求項70】
(a)成分(a)および(b)の総重量に対して約95.2〜約99.9重量%の量の塩化カリウム;および
(b)成分(a)および(b)の総重量に対して約0.1〜約4.8重量%の量の有機酸であって、該有機酸が、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、ギ酸、フマル酸、アジピン酸、グルコン酸、およびピルビン酸からなる群から選択される1つ以上の物質を含む有機酸
を含む、塩味強化ブレンド。
【請求項71】
(a)成分(a)、(b)および(c)の総重量に対して約55.8〜約96.6重量%の量の塩化カリウム;
(b)成分(a)、(b)および(c)の総重量に対して約0.1〜約4.8重量%の量の有機酸;および
(c)成分(a)、(b)および(c)の総重量に対して約3.3〜約39.4重量%の量のカリウム剤であって、該カリウム剤が、クエン酸カリウム、乳酸カリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウム、および/またはギ酸カリウムの少なくとも1つを含むカリウム剤
を含む、塩味強化ブレンド。
【請求項72】
(a)成分(a)、(b)および(c)の総重量に対して約90.0〜約95重量%の量の前記塩化カリウム;
(b)成分(a)、(b)および(c)の総重量に対して約0.1〜約2.5重量%の量の前記有機酸;および
(c)成分(a)、(b)および(c)の総重量に対して約4.9〜約7.5重量%の量の前記カリウム剤
を含む、請求項71に記載の塩ブレンド。
【請求項73】
前記カリウム剤がクエン酸カリウムを含む、請求項72に記載の塩味強化ブレンド。
【請求項74】
強化した塩知覚を有し、ナトリウム含量を低減するように配合された加工食品であって、該食品が:
(a)約0.8〜約1000mmol/lの濃度でのナトリウムイオン;
(b)約20〜約340mmol/lの濃度でのカリウムイオン;
(c)約20〜約1150mmol/lの濃度での塩化物イオン;
(d)約0.1〜約40mmol/lの濃度でのリン酸イオン;および
(e)約0.1〜約40mmol/lの濃度でのクエン酸イオン
を含む、食品。
【請求項75】
前記ナトリウムイオンが約1.5〜約800mmol/lの濃度であり;前記カリウムイオンが約30〜約270mmol/lの濃度であり;前記塩化物イオンが約30〜約1000mmol/lの濃度であり;前記リン酸イオンが約0.3〜約10mmol/lの濃度であり;前記クエン酸イオンが約1〜約25mmol/lの濃度である、請求項74に記載の食品。
【請求項76】
前記ナトリウムイオンが約20〜約410mmol/lの濃度であり;前記カリウムイオンが約30〜約270mmol/lの濃度であり;前記塩化物イオンが約40〜約600mmol/lの濃度であり;前記リン酸イオンが約0.3〜約10mmol/lの濃度であり;前記クエン酸イオンが約1〜約25mmol/lの濃度である、請求項74に記載の食品。
【請求項77】
前記ナトリウムイオンが約130〜約200mmol/lの濃度であり;前記カリウムイオンが約80〜約170mmol/lの濃度であり;前記塩化物イオンが約200〜約300mmol/lの濃度であり;前記リン酸イオンが約1.0〜約3.0mmol/lの濃度であり;前記クエン酸イオンが約3〜約20mmol/lの濃度である、請求項74に記載の食品。
【請求項78】
約0.07:1〜約14:1のナトリウムイオンとカリウムイオンとの比;約0.03:1〜約10:1のナトリウムイオンと塩化物イオンとの比;約2:1〜約1365:1のナトリウムイオンとリン酸イオンとの比;および約0.8:1〜約410:1のナトリウムイオンとクエン酸イオンとの比を含む、食品。
【請求項79】
前記ナトリウムイオンとカリウムイオンとの比が約0.65:1〜約2.5:1であり;前記ナトリウムイオンと塩化物イオンとの比が約0.3:1〜約1:1であり;前記ナトリウムイオンとリン酸イオンとの比が約43.1:1〜約200:1であり;そして、前記ナトリウムイオンとクエン酸イオンとの比が約6.5:1〜約67:1である、請求項78に記載の食品。
【請求項80】
強化した塩知覚を有し、ナトリウム含量を低減するように配合された加工食品であって、この食品が:
(a)約0.8〜約1000mmol/lの濃度でのナトリウムイオン;
約20〜約340mmol/lの濃度でのカリウムイオン;
(b)約20〜約1150mmol/lの濃度での塩化物イオン;
(c)約0.1〜約30mmol/lの濃度での乳酸イオン;および
(d)約0.1〜約40mmol/lの濃度でのクエン酸イオン
を含む、食品。
【請求項81】
前記ナトリウムイオンが約1.5〜約800mmol/lの濃度であり;前記カリウムイオンが約30〜約270mmol/lの濃度であり;前記塩化物イオンが約30〜約1000mmol/lの濃度であり;前記乳酸イオンが約0.1〜約15mmol/lの濃度であり;そして、前記クエン酸イオンが約1〜約25mmol/lの濃度である、請求項80に記載の食品。
【請求項82】
前記ナトリウムイオンが約20〜約410mmol/lの濃度であり;前記カリウムイオンが約30〜約270mmol/lの濃度であり;前記塩化物イオンが約40〜約600mmol/lの濃度であり;前記乳酸イオンが約0.1〜約15mmol/lの濃度であり;そして、前記クエン酸イオンが約1〜約25mmol/lの濃度である、請求項80に記載の食品。
【請求項83】
前記ナトリウムイオンが約130〜約200mmol/lの濃度であり;前記カリウムイオンが約80〜約200mmol/lの濃度であり;前記塩化物イオンが約200〜約400mmol/lの濃度であり;前記乳酸イオンが約1.0〜約2mmol/lの濃度であり;そして、前記クエン酸イオンが約5〜約10mmol/lの濃度である、請求項80に記載の食品。
【請求項84】
約0.07:1〜約14:1のナトリウムイオンとカリウムイオンとの比;約0.03:1〜約10:1のナトリウムイオンと塩化物イオンとの比;約1.3:1〜約4100:1のナトリウムイオンと乳酸イオンとの比;および約0.8:1〜約410:1のナトリウムイオンとクエン酸イオンとの比を含む、食品。
【請求項85】
前記ナトリウムイオンとカリウムイオンとの比が約0.65:1〜約2.5:1であり;前記ナトリウムイオンと塩化物イオンとの比が約0.3:1〜約1:1の範囲であり;前記ナトリウムイオンと乳酸イオンとの比が約65:1〜約200:1であり;そして、前記ナトリウムイオンとクエン酸イオンとの比が約6.5:1〜約67:1である、請求項84に記載の食品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−510679(P2011−510679A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545854(P2010−545854)
【出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【国際出願番号】PCT/US2008/075711
【国際公開番号】WO2009/099466
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(591011786)キャンベル・スープ・カンパニー (2)
【氏名又は名称原語表記】CAMPBELL SOUP COMPANY
【Fターム(参考)】