説明

高さ調整機能付台

【課題】等反発ばね機構を幅狭くし、載置台の後部に取付けることにより載置台の下に車椅子が十分に挿入できるようにすると共に、天板が安定されるようにする。
【解決手段】 本発明は天板2の下面後部の左右端部に位置され支柱と支柱から前方向に伸び天板の下面前方向を支持する補強部材40、41有する支持機構3と、一次ばね16、二次ばね17、天板2の下面後部中央に取付けられ上下動する上部フレーム10、上部フレームに対向して固定して設けられた下部フレーム11、主可動体、主結合部材22とから構成され、荷重による上部フレームの変位に対し、上部フレームに一定の反発力を与える等反発ばね機構4と、支持機構3の支柱を上下方向に可動可能に保持する脚機構5よりなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車椅子を使用した作業者等が作業し易いようにした高さ調整機能付台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下肢が弱い人が、楽に椅子に座るあるいは椅子から立ち上がることができるように、等反発ばねを利用した椅子について本件出願人が先に出願し、公開された特開2006−055494号公報に記載されている。
【0003】
図20及び図21は特開2006−055494号公報に記載されてもので、図20は等反発ばね機構の基本構成図である。図21は負のばね特性を採用した椅子の側面図である。等反発ばね機構を用いた椅子は上部フレーム152および下部フレーム153、一次ばね54および二次ばね155、主可動体156および補助A可動体157、主結合部材159および補助結合部材160から構成されている。椅子170に等反発ばね機構151を設置する場合は、着座162の下部の等反発ばね機構収納部161内に収納し、等反発ばね機構151の上部フレーム152の上に着座162を設置することになる。
【0004】
一次ばね154は片端が上下に可動する上部フレーム152に接続され、他方の片端が固定されている下部フレーム153に接続されている。一方、二次ばね155の片端は固定支柱158に回転できる状態で固定され、二次ばね155の他方の片端は一方向に可動する主可動体156に回転できる状態で接続されている。主結合部材159の片端は主可動体156と回転できる状態で接続され、主結合部材159の他方の片端は上部フレーム152における一次ばね154との接続点に回転できる状態で接続されている。荷重による上部フレーム152の変位に対し、上部フレームに一定の反発力を与える構成になっている。
【0005】
着座162に人が座ると上部フレーム152が下に押し下げられる。そのため、上部フレーム152と下部フレーム153の間に取付けられている一次ばね154は圧縮される。二次ばね155も負のばね特性で圧縮される。この時、一次ばね154が圧縮されるため、上部フレーム152を上向きに持ち上げる反発力が大きくなる。二次ばね155の圧縮力は、主可動体156および主結合部材59を経由して上部フレーム152を上向きに持ち上げることになり、この反発力は逆に小さくなる。
【0006】
等反発ばね機構151は、これらの反発力の和が一定になるようになっている。すなわち、この一定の反発力で上部フレーム152を押し上げ、上部フレーム152の上に設置されている着座162を一定の力で押し上げることになる。なお、上部フレーム162には、左右に動くことができる補助A可動体157が取付けられており、補助A可動体157は、回転ができる状態で補助結合部材160の片端が取付けられている。
【0007】
補助結合部材160の他の片端は、下部フレーム153に固定されている。補助結合部材160と主結合部材159は交差しており、交点はそれぞれの結合部材が回転できる状態で固定されている。そのため、上部フレーム152は水平を保ちながら、上下方向に移動させることができる。
【0008】
椅子170から立ち上がる時には、等反発ばね機構151は座る時の逆の動きをすることになり、この時も、上部フレーム152に取付けられた着座162が、一定の力で人の臀部を押し上げることになる。すなわち、足の弱い人が椅子170を利用する場合に、足を曲げて座る直前、あるいは立つ直前に最も力を必要とするが、この時、着座62が臀部を押し上げ、座るあるいは立つ動作を助けてくれることになる。
【0009】
上述した等反発ばね機構をパーソナルコンピュータあるいはハンダ付け等をする載置台に用いることにより、載置台が常に一定の力で支えられた状態で移動できるので、パーソナルコンピュータを載置することにより重くなった載置台を小さい力で上下動できる。
【特許文献1】特開2006−055494号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
パーソナルコンピュータが載置される載置台に等反発ばね機構を用いることにより、載置台を小さい力で上下動できる。しかし上述した高さ調整機能付台を車椅子に載った作業者が使用するとき、等反発ばね機構は天板の下方中央部にまで位置するので車椅子が載置台の下に入らず、作業者はパーソナルコンピュータに近づけず、作業性が悪くなる。
【0011】
そこで載置台の下面後部に等反発ばね機構を取付ける必要があるが、従来の等反発ばね機構は横幅があり、載置台の下面後部に取付けても車椅子が十分に載置台の下に入れられず且つ後部に片寄って等反発ばねを取付けると載置台が不安定となった。
【0012】
本発明はそこで等反発ばね機構を幅狭くし、載置台の後部に取付けることにより載置台の下に車椅子が十分に挿入できるようにすると共に、支持機構を設けることにより載置台が安定されるようにした高さ調整機能付台を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は車椅子の一部が下に入り込めるようにし使用に便利にするもので、
物品を載置する天板と、前記天板の下面後部の左右端部に位置される支柱と、該支柱から前方向に伸び前記天板の下面前方向を支持する補強桟とよりなる支持機構と、一次ばね、二次ばね、前記天板の下面後部中央に取付けられ上下動する上部フレーム、該上部フレームに対向して固定して設けられた下部フレーム、主可動体、主結合部材とから構成され、前記一次ばねの端部は夫々前記上部フレームと下部フレームとに取付けられ、前記二次ばねの一端は下部フレームに回転できる状態で固定され、他端は下部フレームに水平方向に滑動する主可動体に回転できる状態で接続され、主結合部材の一端は前記一次ばねと共に上部フレームに回転できる状態で接続され、他端は前記二次ばねの他端と共に前記主可動体に回転できる状態で接続されており、荷重による上部フレームの変位に対し、上部フレームに一定の反発力を与える等反発ばね機構と、前記支持機構の支柱が上下方向に可動可能に保持される脚体と、前記等反発ばね機構の下部フレームが固定される保持枠とよりなる脚機構とを備えた高さ調整機能付台を提供する。
【0014】
本発明は前記等反発ばね機構が前記天板の下面後部中央に取付けた上部フレームと、脚機構の保持枠に取付けられた下部フレームと、前記上部フレームと下部フレーム間に取付けられたコイル状の一次ばねと、前記下部フレームに設けた固定部材から直立する取付片に一端が回転自在に取付けられ他端が下部フレームに水平方向に可動自在にされた主可動体に回転自在に取付けられたコイル状の二次ばねと、一端が前記主可動体に回転自在に設けられ他端が1次ばねと共に上部フレームに回転自在に取付けられた主結合部材と、一端が上部フレームの一次ばねが設けられたと反対の他端に水平方向に可動自在にされた補助可動体に回転自在に取付けられ他端が一次ばねと共に下部フレームに回転自在に取付られた補助結合部材とよりなる高さ調整機能付台を提供する。
【0015】
本発明は前記等反発ばね機構の前記下部フレームに対して直立する取付片は上端を屈折させ水平方向に伸びる取付部を形成し、前記二次ばねの一端を取付部に取付け、二次ばねが収縮されたときに、前記二次ばねが前記取付部の下の窪みに収納される高さ調整機能付台を提供する。
【0016】
本発明は前記等反発ばね機構の前記主結合部材及び補助結合部材は板状とし、中央部を回転自在に結合すると共に、前記主結合部材及び補助結合部材に設けた主可動体及び補助可動体をローラ状となし、夫々上部フレーム及び下部フレームに設けた取付片の滑動部に滑動自在に設けた高さ調整機能付台を提供する。
【0017】
本発明は前記一次ばねが反発力を調整できるようにした高さ調整機能付台を提供する。
【0018】
本発明は前記補強部材が支持機構の支柱から前方向に伸びる補強桟と該補強桟を支持する三角形状の補強材となる高さ調整機能付台を提供する。
【0019】
本発明は前記天板と支持機構とを脚機構を折畳みできるようにした高さ調整機能付台を提供する。
【0020】
本発明は天板が流し台又は洗面台であって、前記流し台又は洗面台に排水管を設け、該排水管に流し台又は洗面台の高さに応じて伸縮する流水機構を設けた高さ調整機能付台を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の高さ調整機能付台は等反発ばね機構を一次ばね、二次ばね、天板の下面後部中央に取付けられ上下動する上部フレーム、該上部フレームに対向して固定して設けられた下部フレーム、主可動体、主結合部材とから構成したので薄型化でき、天板の下面後方に取付けることにより車椅子の前方が入り込めるようにできるので、車椅子の作業者は天板に近づくことができ作業効率が上がる。
【0022】
本発明の高さ調整機能付台は車椅子の一部が下に入り込めるように、等反発ばねの上部フレームを天板の後部中央にだけに設けても、天板の下面後部の左右端部に位置される支持機構の支柱から前方向に伸び天板の下面前方向を支持する補強部材を設けたので、天板に物品を載せたり、作業者が肘をつく等して加重が加わっても、天板の前部が傾いたり撓むことがない。
【0023】
本発明の高さ調整機能付台は等反発ばね機構の下部フレームに対して直立する取付片の上端を屈折させ水平方向に伸びる取付部を形成し、二次ばねの一端を取付部に取付け、二次ばねが収縮されたときに、二次ばねが前記取付部の下の窪みに収納されるようにした。従って二次ばねの反発力を一次ばねの反発力と均衡を持たせるために径が大きいコイル状のばねを用いても、取付片を構成する鉄板の間に二次ばねを収納する必要がないので取付片を薄くでき、薄型化した等反発ばね機構が得られる。
【0024】
本発明の高さ調整機能付台は等反発ばね機構の結合部材及び補助結合部材は板状とし中央部を回転自在に結合したので左右にぶれず、主結合部材及び補助結合部材に設けたローラ状の主可動部材及び補助可動部材が滑動部から外れることがない。
【0025】
本発明の高さ調整機能付台は一次ばねが反発力を調整できるようにしたので、天板に載置する物品の重量が変わっても、常に一次ばねと二次ばねの反発力の和が一定になるようにしたため、小さい力で天板を上下動できる。
【0026】
本発明の高さ調整機能付台は記天板と支持機構とを脚機構を折畳みできるようにすることにより、等反発ばね機構が天板の後部に取付られているので、折畳むことができ運搬時
等に便利である。
【0027】
本発明の高さ調整機能付台は天板を流し台又は洗面台とし、流し台又は洗面台に設けた排水管に伸縮する流水機構を設けたので、流し台又は洗面台としても使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の高さ調整機能付台を図1〜図19を参照しつつ説明する。
【0029】
図1は本発明の高さ調整機能付台の斜面図、図2は本発明の高さ調整機能付台の側面図、図3は本発明の高さ調整機能付台の正面拡大図、図4は本発明の高さ調整機能付台の等反発ばね機構部分の拡大正面図、図5は図4の拡大図、図6は本発明の高さ調整機能付台の取付片部分の拡大側面図、図7は本発明の高さ調整機能付台に用いた等反発ばね機構の作動状態を示す正面図、図8は本発明の高さ調整機能付台の使用状態での等反発ばね機構部分の拡大正面図、図9は本発明の高さ調整機能付台の使用状態を側面図、図10は本発明の高さ調整機能付台にストッパー機構を設けた側面図、図11は本発明の高さ調整機能付台に用いた等反発ばね機構の他の実施例を示す正面図、図12は図11の等反発ばね機構の一部を示す正面図、図13は図11の等反発ばね機構の一部を示す正面図、図14は図11の等反発ばね機構の一部を示す正面図、図15は図11の等反発ばね機構の一部を示す正面図、図16は図11の等反発ばね機構の一部を示す正面図、図17は本発明の高さ調整機能付台の他の実施例を示す側面図、図18は図17の一部を示す側面図、図19は
図17の一部を示す他の実施例の側面図である。
【0030】
図1〜図3の載置台1は例えば車椅子を使用している者がパソーナルコンピュータを載置し、操作するのに使うものであるが、洗面台あるいは流し台にも適用できる。
【0031】
載置台1はパーソナルコンピュータを載置する天板2と、天板2を支持する支持機構3と、天板2に取付られた等反発ばね機構4と、支持機構3及び等反発ばね機構4とを上下可動自在に保持する脚機構5よりなる。
【0032】
図4は薄型化出来るようにした等反発ばね機構4の拡大正面図である。等反発ばね機構4は天板2の後部下面中央に取付けられる上部フレーム10と、上部フレーム10に対向して設けられ脚機構5に固定された下部フレーム11、一端が上部フレーム10の一端に軸14に取付けられ、他端が軸15で下部フレーム11に取付けられた一次ばね16と、一端が下部フレーム11に設けられた固定部材18に回転自在に取付けられ、他端が主可動体20に回転可能に取付けられた二次ばね17と、主結合部材22と補助結合部材23とよりなる。
【0033】
図5に示すように、固定部材18は間隔をおいて配置された二枚の鉄板25、25よりなり、一端を直立方向に屈曲し取付片26を形成し、他端部を凹ませて滑動部27を形成している。取付片26の先端はさらに水平方向に屈折し水平方向に伸びる取付部26Aを形成している。
【0034】
図6に示すように、取付部26Aには二次ばね17の一端に設けた円盤状の取付部材28に有する扁平リング29を挟み込み軸30でもって回転可能に設けている。また滑動部27にはローラ状の主可動体20を滑動自在に設け、その主可動体20に二次ばね17の他端に設けた円盤状の取付部材31に有する扁平リング32を取付け、二次ばね17の他端を水平方向及び回転方向に可動可能にしている。
【0035】
二次ばね17の端部に扁平リング29、32を設け、扁平リング29、32を取付片26及び主可動体20に夫々取付けるようにした。しかも取付片26の先端を水平方向に曲折し取付部26Aを形成したので、図7の実線で示すように二次ばね16が収縮したとき、二次ばね16は取付部26Aの下の窪みに入る。従って二次ばね16の反発力を一次ばね16の反発力と均衡を持たせるために径が大きいコイル状のばねを用いても、取付片26を構成する鉄板25、25の間隔を大きくする必要がないため、取付片26を薄くでき、薄型化した等反発ばね機構4が得られる。
【0036】
主結合部材22と補助結合部材23は板状をなし、中央部が軸33で結合されている。主結合部材22の一端は上部フレーム10の一次ばね16の一端が取付けられた軸14に回転自在に取付けられ、他端は二次ばね17と共に主可動体20に回転自在に設けている。補助結合部材23の一端は下部フレーム11の一次ばね16の一端が取付けられた軸15に回転可能に取付けられている。上部フレーム10に設けた固定部材35の滑動部36にローラ状の補助可動体21が滑動自在にされ設けられており、その補助可動体21の補助結合部材23の他端が回転可能に取り付けられている。
【0037】
主結合部材22と補助結合部材23は板状をなし、中央部が軸33で結合されているので、左右にぶれず薄型にしてもローラ状の主可動体20及び補助可動体21が滑動部27、36から外れることがない。
【0038】
図3に示すように、支持機構3は天板2の後部下面の両端部に位置するように取付けた支柱39、39と支柱39、39から天板2の前方向に伸びる補強桟40、40、補強桟40、40を補強する三角形状の補強材41、41と左右方向に伸びる三角形状の補強材42、42とよりなる。
【0039】
脚機構5は支柱39、39が上下自在に挿入されたコの字状の脚体43、43、脚体43、43間に橋渡しされ等反発ばね機構4の下部フレーム11が固定される枠体44と、脚体43、43の下端から前方に伸びる固定脚45、45と固定脚45、45を補強する三角形状の補強材47、47と脚体43、43の下端間に橋渡しされた枠体44の左右方向に伸びる三角形状の補強材48、48とよりなる。
【0040】
支持機構3の支柱39、39及び補強部材41、42等は螺子止めし折畳みできるようにしている。
【0041】
同様に脚機構5の補強桟47、47も螺子止めし、必要がないときには折畳めるようにしている。なお、支持機構3及び脚機構5は螺子で折畳めるようにしたが、蝶番を用いて折畳みにしても良い。
【0042】
次に本発明の等反発ばね機構4を用いた載置台の使用方法を説明する。
【0043】
図1に示すように、本発明の載置台1は等反発ばね機構4を薄型化し天板2の下面後部に付けたため、天板2の下面前方に邪魔するものがない。従って車椅子を脚機構4の固定脚45間の奥まで入れられるので、車椅子に乗った操作者は天板1に近づくことができ、パーソナルコンピュータの操作がし易くなる。
【0044】
この状態では等反発ばね機構4は上部フレーム10が天板2の後部中央を支持しているだけなので、等反発ばね機構4だけで天板2を支持したのでは不安定になる。しかし本発明では天板2の後部両端部は脚機構5に上下可動自在にされた支持機構3の支柱39、39で支持され、その支柱39、39は前方向に伸びる補強桟40、40及び補強材41、41で支持されているので、天板2の前方も保持されており、肘を付く等して力が加わっても天板2が傾いたりしない。
【0045】
図1〜図3に示す状態は等反発ばね機構4の一次ばね16及び二次ばね17が共に伸長され、パーソナルコンピュータPが載置された天板2が最も高い位置にされて状態である。天板2の中央から前方には何もないので、車椅子は固定脚45、45間に一部が入り込むことができ、車椅子に載った作業者はパーソナルコンピュータPに近づくことができる。天板2は車椅子が邪魔にならないように、等反発ばね機構4の上部フレーム10で後部の中央部が支えられているだけであるが、パーソナルコンピュータPの重量あるいは作業者が肘を付く等して天板2の前方に力が加わっても、脚機構5の補強材41、41で支えられているので、天板2が傾くことがない。
【0046】
この状態では図4に示すように、主可動体20は取付片26の滑動部27の一番右側に位置し、補助可動体21は取付片31の滑動部36の一番右側に位置する。
【0047】
天板2の高さが高すぎ作業するに不適当なときは天板2を上から力を加えると、支持機構3の支柱39、39が脚機構4の脚体43を下方に滑動し天板2を下げる。
【0048】
このとき等反発ばね機構4は天板2に下方方向の力が加わると、上部フレーム10が下に押し下げられる。そのため、上部フレーム10と下部フレーム11の間に取付けられている一次ばね16は圧縮される。
【0049】
図8及び図9に示すように、下部フレーム11には、滑動部27を左右に動くことができるローラ状の主可動体20が取付けられており、主可動体20に回転ができる状態で主結合部材22の一端が取付けられている。
【0050】
同様に上部フレーム10には、滑動部36を左右に動くことができるローラ状の補助可動体21が取付けられており、補助可動体21は、回転ができる状態で補助結合部材23一端が取付けられている。従って一次ばね16が圧縮されると、主可動体20及び補助可動体21は押され、主可動体20を左方向に滑動させるので、二次ばね17も圧縮される。一次ばね16が圧縮されると、上部フレーム10を上向きに持上げる反発力が大きくなる。二次ばね17の圧縮力は、主可動体20および主結合部材22を経由して上部フレーム10を上向きに持上げることになり、この反発力は逆に小さくなる。
【0051】
等反発ばね機構4は、これらの反発力の和が一定になるようになっており、小さい力で天板2を上下動できる。すなわち、この一定の反発力で上部フレーム10を押し上げ、上部フレーム10の上に設置されている天板2を一定の力で押し上げることになる。
【0052】
補助結合部材23の他の片端は、下部フレーム11に固定されている。補助結合部材23と主結合部材22は交差しており、交点は主結合部材22及び補助結合部材23が回転できる状態で固定されている。
【0053】
そのため、図9に示すように、上部フレーム10は水平を保ちながら、下方向に移動させることができ、天板2は押し下げられる。天板2が作業し易い位置に押し下げられる。
【0054】
図7に示すように、天板2が押し下げられた状態では主可動体20は取付片26の滑動部27の一番左側に位置し、補助可動体21は取付片31の滑動部36の一番左側に位置する。この状態で収縮した二次ばね17は取付部26Aの下の窪みに収納される。
【0055】
天板2を持上げる時には、等反発ばね機構4は天板2を下げる時の逆の動きをすることになる。
【0056】
天板2を上に持上げると、等反発ばね機構4の上部フレーム10が上に持上げられる。そのため、上部フレーム10と下部フレーム11の間に取付けられている一次ばね16は伸長される。二次ばね17も伸長されるため、上部フレーム10を押し下げる力に対する反発力が大きくなる。二次ばね17の伸長力は、主可動体20および主結合部材22を経由して上部フレーム10を押し下げる力になり、この反発力は逆に小さくなる。等反発ばね機構4は、これらの反発力の和が一定になるようになっており、小さい力で天板2を上下動できる。
【0057】
図10は本発明の高さ調整機能付台にストッパー52を設けた側面図である。天板2は調整された位置で等反発ばね機構4によりその位置に保持されるが、肘を付く等して過大な重力が掛かると下がる恐れがある。そこでストッパー52が設けられている。ストッパー52は巻尺と同じ構造をなしており、巻尺部53に帯状のストッパー片54が巻かれており、ストッパー片54は天板2の下面縁に設けられた筒状の支持体55、55中を貫通し、先端部は支柱39に固定され先端のストッパー部56は脚体43の上端に接触されている。従って天板2の位置により巻尺部53に巻かれているストッパー片54が解かれて伸び支持体55、55中を滑動するので、伸びた状態でストッパー片54は保持されストッパー部56が脚体43に当たっているので、天板2に加重が掛かっても保持される。天板2を上にあげるときには巻尺部53のロックを解除すれば、スプリング(図示せず)の力でストッパー片54は巻尺部53に巻かれ縮まる。
【0058】
図11は等反発ばね機構4の他の実施例で、一次ばね16の反発力を天板2に載置する物品によって変えられるようにし、常に一次ばね16と二次ばね17の反発力の和が一定になるようにし、小さい力で天板2を上下動できるようにしたものである。
【0059】
図12に示すように、固定部材35に取付けられた高さ調整体57の下部に軸58にて略楕円形のカム59を取付ける。カム59は常に固定部材18の取付片26に当たるようにしている。
【0060】
図13に示すように、カム59の軸58から短い部分が支柱26に当たるときが、上部フレーム10と下部フレーム11の間隔が一番狭く、図14に示すように、カム59の軸59から長い部分が支柱26に当たるときが、上部フレーム10と下部フレーム11の間隔が一番広くなる。このようにして上部フレーム10と下部フレーム11の間隔が変えられるようにしている。前述した上部フレーム10と下部フレーム11の間隔に応じて一次ばね16も反発力が変わるようにしている。
【0061】
図11に示すように、一次ばね16の上端はばね取付体60に取付けられ、一次ばね16の下端はばね取付体61に取付けられた調整機構63に取付けられている。調整機構63は固定ねじ64とカップ上の可変ねじ65とよりなり、一次ねじ16の下端は可変ねじ65のカップの中に収められている。従って可変ねじ65をまわすことにより、取付体60と61との間隔が変わり、一次ばね16の反発力が変わり、天板2に載置する物品の重量が変わっても一次ばね16と二次ばね17の反発力の和が一定にされ、小さい力で天板2の上下動ができる。
【0062】
図16に示すように調整機構63に固定ねじ64と可変ねじ65を用いる代りに、円盤66、67を用いてもよい。円盤66、67の数により取付体60と61との間隔が変わり、一次ばね16の反発力を変えることが出来る。
【0063】
前述において調整機構63を調整し、取付体60と61との間隔を1cm短くすれば約10Kgの荷重を増加できる。従って天板2に載せる物品に重たいときには取付体60と61との間隔を狭くし、一次ばね16の反発力を大きくする。このとき取付体60と61との間隔も狭くされている。このように天板2に載置される物品により一次ばね16の反発力を変えることにより天板2に載置する物品の重量が変わっても一次ばね16と二次ばね17の反発力の和が一定にされ、小さい力で天板2の上下動ができる。
【0064】
図17は本発明の高さ調整機能付台を洗面台に応用した側面図である。洗面台70の下から排水管71が出され、排水管71は他の排水管72を介して下水に接続されるが、排水管71と排水管72との間をジャバラ73で接続して洗面台70の高さが変わっても、排水管71が影響のないように流水機構を設けている。
【0065】
図18は流水機構としてジャバラ73の代りにゴム管74を用いたので、その他は図17と同一である。
【0066】
図19は流水機構として排水管71を蛇行し、排水管71より径が大きい排水管75を用いたものである。排水管71を長くし排水管75の中に洗面台70が上下動しても、排水管71が排水管75から抜けないようにしている。
【0067】
本発明の高さ調整機能付台は上述において洗面台について説明したが、流し台としても同様に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の高さ調整機能付台の斜面図である。
【図2】本発明の高さ調整機能付台の側面図である。
【図3】本発明の高さ調整機能付台の正面拡大図である。
【図4】本発明の高さ調整機能付台の等反発ばね機構部分の拡大正面図である。
【図5】図4の拡大図である。
【図6】本発明の高さ調整機能付台の取付片部分の拡大側面図である。
【図7】本発明の高さ調整機能付台に用いた等反発ばね機構の作動状態を示す正面図である。
【図8】本発明の高さ調整機能付台の使用状態での等反発ばね機構部分の拡大正面図である。
【図9】本発明の高さ調整機能付台の使用状態を側面図である。
【図10】本発明の高さ調整機能付台にストッパー機構を設けた側面図である。
【図11】本発明の高さ調整機能付台に用いた等反発ばね機構の他の実施例を示す正面図である。
【図12】図11の等反発ばね機構の一部を示す正面図である。
【図13】図11の等反発ばね機構の一部を示す正面図である。
【図14】図11の等反発ばね機構の一部を示す正面図である。
【図15】図11の等反発ばね機構の一部を示す正面図である。
【図16】図11の等反発ばね機構の一部を示す正面図である。
【図17】本発明の高さ調整機能付台の他の実施例を示す側面図である。
【図18】図17の一部を示す側面図である。
【図19】図17の一部を示す他の実施例の側面図である。
【図20】従来の等反発ばね機構の正面図である。
【図21】従来の等反発ばね機構を用いた椅子の側面図である。
【符号の説明】
【0069】
1 載置台
2 天板
3 支持機構
4 等反発ばね機構
5 脚機構
10 上部フレーム
11 下部フレーム
16 一次ばね
17 二次ばね
18 固定部材
20 主可動部材
21 補助可動部材
22 主結合部材
23 補助結合部材
26 取付片
26A 取付部
27 滑動部
29 扁平リング
32 扁平リング
39 支柱
41 補強部材
70 流し台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を載置し又は作業するための天板と、
前記天板の下面後部の左右端部に位置される支柱と、該支柱から前方向に伸び前記天板の下面前方向を支持する補強部材とよりなる支持機構と、
一次ばね、二次ばね、前記天板の下面後部に取付けられ上下動する上部フレーム、該上部フレームに対向し固定して設けられた下部フレーム、主可動体、主結合部材とから構成され、前記一次ばねの端部は夫々前記上部フレームと下部フレームとに取付けられ、前記二次ばねの一端は下部フレームに回転できる状態で固定され、他端は下部フレームに水平方向に滑動する主可動体に回転できる状態で接続され、主結合部材の一端は前記一次ばねと共に上部フレームに回転できる状態で接続され、他端は前記二次ばねの他端と共に前記主可動体に回転できる状態で接続されており、荷重による上部フレームの変位に対し、上部フレームに一定の反発力を与える等反発ばね機構と、
前記支持機構の支柱が上下方向に可動可能に保持される脚体と、前記等反発ばね機構の下部フレームが固定される保持枠とよりなる脚機構とを備えたことを特徴とする高さ調整機能付台。
【請求項2】
前記等反発ばね機構は前記天板の下面後部に取付けた上部フレームと、脚機構の保持枠に取付けられた下部フレームと、前記上部フレームと下部フレーム間に取付けられたコイル状の一次ばねと、前記下部フレームに設けた固定部材から直立する取付片に一端が回転自在に取付けられ他端が下部フレームに水平方向に可動自在にされた主可動体に回転自在に取付けられたコイル状の二次ばねと、一端が前記主可動体に回転自在に設けられ他端が一次ばねと共に上部フレームに回転自在に取付けられた主結合部材と、一端が上部フレームの一次ばねが設けられたと反対の他端に水平方向に可動自在にされた補助可動体に回転自在に取付けられ他端が一次ばねと共に下部フレームに回転自在に取付られた補助結合部材とよりなることを特徴とする請求項1に記載の高さ調整機能付台。
【請求項3】
前記等反発ばね機構の前記下部フレームに対して直立する取付片は上端を屈折させ水平方向に伸びる取付部を形成し、前記二次ばねの一端を前記取付部に取付け、二次ばねが収縮されたときに、前記二次ばねが前記取付部の下の窪みに収納されることを特徴とする請求項2に記載の高さ調整機能付台。
【請求項4】
前記等反発ばね機構の前記主結合部材及び補助結合部材は板状とし、中央部を回転自在に結合すると共に、前記主結合部材及び補助結合部材に設けた主可動体及び補助可動体をローラ状となし、夫々上部フレーム及び下部フレームに設けた取付片の滑動部に滑動自在に設けたことを特徴とする請求項2に記載の高さ調整機能付台。
【請求項5】
前記一次ばねは反発力を調整できるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の高さ調整機能付台。
【請求項6】
前記補強部材は支持機構の前記支柱から前方向に伸びる補強桟と、該補強桟を支持する三角形状の補強材となることを特徴とする請求項1に記載の高さ調整機能付台。
【請求項7】
前記天板と前記支持機構及び脚機構を折畳みできるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の高さ調整機能付台。
【請求項8】
前記天板は流し台又は洗面台であって、流し台又は洗面台に排水管を設け、該配水管に前流し台又は洗面台の高さに応じて伸縮する流水機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載の高さ調整機能付台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2008−259751(P2008−259751A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−106204(P2007−106204)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【出願人】(504136568)国立大学法人広島大学 (924)
【出願人】(504321326)有限会社クレセント (6)
【Fターム(参考)】