説明

高収量のアブラヤシ植物を取得する方法

【課題】パーム油の生産に関して高収量であるアブラヤシ植物を取得する方法を提供する。
【解決手段】親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルを決定するステップと、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間に差があるかを決定するステップと、差に基づいて親アブラヤシ植物の後代を選択して高収量のアブラヤシ植物を取得するステップとを含む、高収量のアブラヤシ植物を取得する方法。試験アブラヤシ植物の油収量を予測する方法及び高収量のアブラヤシ植物を取得するためのキット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は高収量の植物を取得する方法に関し、より詳細にはパーム油の生産に関して高収量であるアブラヤシ植物を取得する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アフリカのアブラヤシであるエレイス・ギニエンシス・ジャック(Elaeis guineensis Jacq.)は重要な油糧作物である。アブラヤシ植物は雌雄同株、すなわち単一の植物が雄花と雌花の両方を生じ、雄花及び雌花の花序が連続して交替で現れることを特徴とする。雄花の花序は多数の小穂で形成され、100000個をはるかに上回る花をつけることが可能である。アブラヤシは天然では昆虫及び風により異花受粉する。雌花の花序は刺のある小穂上についた数千個の花を含有する肉穂花序である。一房は500〜4000個の果実を実らせる。アブラヤシの果実は球形から卵形又は細長い形状の固着性核果であり、外果皮、パーム油を含有する中果皮及び核を取り囲む内果皮から構成される。
【0003】
アブラヤシは高収量であるため、及びその高品質の油のために重要である。収量の点では、アブラヤシは最も高収量の油糧作物で、近年の平均収量は1ヘクタール当たり1年間で3.67トンであり、最良の後代では1ヘクタール当たり1年間でおよそ10トンを生産することが知られている。アブラヤシはまた、油生産のために太陽光エネルギーを利用することで知られている最も効率的な植物でもある。品質の点では、アブラヤシは中果皮の中で生成されるパーム油及び核の中で生成されるパーム核油の両方のために栽培される。パーム油は特にバランスのとれた油で、飽和脂肪酸(≒55%、45%のパルミチン酸を包含する)及び不飽和脂肪酸(≒45%)をほぼ等しい割合で有し、βカロテンを包含する。パーム核油は中果皮油よりも飽和されている。両者の遊離脂肪酸量は少ない。現在のパーム油及びパーム核油の合計生産量は1年間でおよそ5000万トンであり、世界人口及び1人当たりの油脂消費の増加と共に、需要は将来実質的に増加することが予想される。
【0004】
アブラヤシは最も高収量の油糧作物であるが、現在のアブラヤシ作物は理論的な最大値を大きく下回った生産量である。さらに、より高収量の後代を産生する交配に用いるための見込みのある高収量ヤシを同定する従来の方法は、何年間にもわたるヤシの栽培及びそのヤシによる油生産量の測定を必要とし、時間及び労働の両方について集約的である。加えて、油生産用アブラヤシの繁殖のための従来の育種技術もまた時間及び労働集約的であるが、その理由は特に、最も生産的でそれ故に商業的に関連のあるヤシは、直接的なハイブリッド交配による繁殖を非実用的なものとするハイブリッドの表現型を呈するためである。したがって、高収量のヤシを取得して同定する改良された方法を通じたアブラヤシの収量改良への要求が存在する。
【0005】
遺伝子導入のアプローチは、植物収量増加への要求についての一般的問題に対する見込みのある解決策を提案する。例えば、他生物由来の有害生物耐性遺伝子導入による大豆及びトウモロコシなどの作物の遺伝子導入改変は、作物収量を増加させる手段として今や広く知られている。さらに、植物中で特定タンパク質の活性を増加させる又は産生することにより植物収量を増加させる方法もまた、例えばSchonら、国際公開第2010/046221号により開示されている。しかしながら、作物の遺伝子導入改変は個体及び生態系に対する意図しない有害作用についての潜在的な懸念を生じさせる。
【0006】
プロテオミクスはゲノムを補完するタンパク質の研究を包含するものであり、植物収量増加についての一般的問題に対する見込みのある解決策をまた提案する。例えば、ディファレンスゲル電気泳動(「DIGE」)解析は、Mackintoshら、3 Proteomics 2273〜88ページ(2003年)により記載されているように鋭敏な蛍光標識色素を利用する二次元ゲル電気泳動に相当するものであり、イネ及びヒマワリのタンパク質発現解析において、それぞれTeshimaら、Regulatory Toxicology&Pharmacology(印刷中の論文)及びHajduchら、6 Journal of Proteome Research 3232〜41ページ(2007年)により記載されているように、成功裏に利用されている。イネにおいては、このアプローチは1つの栽培品種を他と区別するため、またアレルゲンタンパク質の発現を比較するために用いられた。ヒマワリにおいては、種子油の特性におけるいくつかの手掛かりがさらなる調査に向けて同定されている。しかしながら、イネ、ヒマワリ及びアブラヤシの遺伝学及び代謝における多くの差、並びにタンパク質発現の高度に特異的な性質を前提とすれば、イネ及びヒマワリにおけるこれらの研究は、高収量のヤシを取得して同定する改良された方法を通じたアブラヤシの収量改良に関して有用であると予想されないであろう。
【発明の開示】
【0007】
高収量のアブラヤシ植物を取得する方法が提供される。本方法は、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルを決定するステップを含む。タンパク質は5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼ、アブシジン酸ストレス熟成タンパク質、アクチン6、アクチンE、ビオチンカルボキシラーゼ前駆体、コーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼ、カタラーゼ2、リシナス・コムニス(Ricinus communis)保存仮想的タンパク質オルソログ、フィブリリン様タンパク質、フラボドキシン様キノンレダクターゼ1、フルクトースビスホスフェートアルドラーゼ、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ、H0825G02.11オルソログ、リブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ大サブユニット、Lea1P、メチオニンシンターゼタンパク質、ミトコンドリアペルオキシレドキシン、Os02g0753300オルソログ、Os05g0482700オルソログ、Os12g0163700オルソログ、OSJNBb0085F13.17オルソログ、オストレオコッカス・ルシマリヌス(Ostreococcus lucimarinus)CCE9901予測タンパク質オルソログ、フィスコミトレラ・パテンス亜種パテンス(Physcomitrella patens subsp.patens)予測タンパク質オルソログ、ポプルス・トリコカルパ(Populus trichocarpa)予測タンパク質オルソログ、ヴィティス・ヴィニフェラ(Vitis vinifera)仮想的タンパク質アイソフォーム1オルソログ、新生ポリペプチド関連複合体α、プロリンイミノペプチダーゼ、タンパク質トランスポーター、オリザ・サティバ・ジャポニカ(Oryza sativa Japonica)群推定NBS−LRR病害抵抗性タンパク質ホモログオルソログ、Ran GTPアーゼ結合タンパク質、葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼ、V型プロトンATPアーゼ触媒サブユニットA、リボヌクレアーゼ活性制御因子A、レトロエレメントpolポリタンパク質様オルソログ、リボソームタンパク質L10、短鎖型デヒドロゲナーゼ、温度誘導性リポカリン及びピセア・シトケンシス(Picea sitchensis)未知タンパク質オルソログからなる群から選択される。本方法は、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間に差があるかを決定するステップをまた含む。本方法は、差に基づいて親アブラヤシ植物の後代を選択して高収量のアブラヤシ植物を取得するステップをまた含む。
【0008】
試験アブラヤシ植物の油収量を予測する方法もまた提供される。本方法は試験アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルを決定するステップを含む。タンパク質は5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼ、アブシジン酸ストレス熟成タンパク質、アクチン6、アクチンE、ビオチンカルボキシラーゼ前駆体、コーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼ、カタラーゼ2、リシナス・コムニス保存仮想的タンパク質オルソログ、フィブリリン様タンパク質、フラボドキシン様キノンレダクターゼ1、フルクトースビスホスフェートアルドラーゼ、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ、H0825G02.11オルソログ、リブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ大サブユニット、Lea1P、メチオニンシンターゼタンパク質、ミトコンドリアペルオキシレドキシン、Os02g0753300オルソログ、Os05g0482700オルソログ、Os12g0163700オルソログ、OSJNBb0085F13.17オルソログ、オストレオコッカス・ルシマリヌスCCE9901予測タンパク質オルソログ、フィスコミトレラ・パテンス亜種パテンス予測タンパク質オルソログ、ポプルス・トリコカルパ予測タンパク質オルソログ、ヴィティス・ヴィニフェラ仮想的タンパク質アイソフォーム1オルソログ、新生ポリペプチド関連複合体α、プロリンイミノペプチダーゼ、タンパク質トランスポーター、オリザ・サティバ・ジャポニカ群推定NBS−LRR病害抵抗性タンパク質ホモログオルソログ、Ran GTPアーゼ結合タンパク質、葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼ、V型プロトンATPアーゼ触媒サブユニットA、リボヌクレアーゼ活性制御因子A、レトロエレメントpolポリタンパク質様オルソログ、リボソームタンパク質L10、短鎖型デヒドロゲナーゼ、温度誘導性リポカリン及びピセア・シトケンシス未知タンパク質オルソログからなる群から選択される。本方法は、試験アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間に差があるかを決定するステップをまた包含する。本方法は、差に基づいて試験アブラヤシ植物の油収量を予測するステップをまた包含する。
【0009】
高収量のアブラヤシ植物を取得するためのキットもまた提供される。本キットは5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼ、アブシジン酸ストレス熟成タンパク質、アクチン6、アクチンE、ビオチンカルボキシラーゼ前駆体、コーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼ、カタラーゼ2、リシナス・コムニス保存仮想的タンパク質オルソログ、フィブリリン様タンパク質、フラボドキシン様キノンレダクターゼ1、フルクトースビスホスフェートアルドラーゼ、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ、H0825G02.11オルソログ、リブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ大サブユニット、Lea1P、メチオニンシンターゼタンパク質、ミトコンドリアペルオキシレドキシン、Os02g0753300オルソログ、Os05g0482700オルソログ、Os12g0163700オルソログ、OSJNBb0085F13.17オルソログ、オストレオコッカス・ルシマリヌスCCE9901予測タンパク質オルソログ、フィスコミトレラ・パテンス亜種パテンス予測タンパク質オルソログ、ポプルス・トリコカルパ予測タンパク質オルソログ、ヴィティス・ヴィニフェラ仮想的タンパク質アイソフォーム1オルソログ、新生ポリペプチド関連複合体α、プロリンイミノペプチダーゼ、タンパク質トランスポーター、オリザ・サティバ・ジャポニカ群推定NBS−LRR病害抵抗性タンパク質ホモログオルソログ、Ran GTPアーゼ結合タンパク質、葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼ、V型プロトンATPアーゼ触媒サブユニットA、リボヌクレアーゼ活性制御因子A、レトロエレメントpolポリタンパク質様オルソログ、リボソームタンパク質L10、短鎖型デヒドロゲナーゼ、温度誘導性リポカリン及びピセア・シトケンシス未知タンパク質オルソログからなる群から選択されるタンパク質を検出するための抗体を含む。本キットは参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織の抽出物をまた含む。
【0010】
開示される方法及びキットはプロテオミクスの有利な組み合わせに基づいていて、現行のアブラヤシ育種集団における高収量特性及び低収量特性のマーカーを同定し、それ故に高収量ヤシの同定ペース及び従来の育種技術を上昇させ、より高収量の後代を産生する。適用としては高収量の後代産生において用いるための高収量の親ヤシ植物を同定すること及び試験ヤシのパーム油収量を予測することが挙げられ、いずれの場合も何年間にもわたってヤシから油収量データを収集する必要はない。また、本方法及びキットは従来の育種技術への適用によく適しており、それ故に遺伝子導入に頼ることなく高収量ヤシの取得ペースを上昇させるための基礎を提供するものだが、本方法及びキットは組織培養又は遺伝子導入アプローチによるアブラヤシの繁殖効率の改良にもまた適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】いずれも受粉後12週に試験された高収量ヤシH2及び低収量ヤシh1の中果皮タンパク質に相当する二次元蛍光ディファレンスゲル電気泳動(「DIGE」)解析ゲルのスキャン画像を示す図である。
【図2】いずれも受粉後12週に試験された高収量ヤシH4及び低収量ヤシh6の中果皮タンパク質に相当するDIGE解析ゲルのスキャン画像を示す図である。
【図3】いずれも受粉後12週に試験された高収量ヤシH6及び低収量ヤシh9の中果皮タンパク質に相当するDIGE解析ゲルのスキャン画像を示す図である。
【図4】いずれも受粉後16週に試験された高収量ヤシH2及び低収量ヤシh1の中果皮タンパク質に相当するDIGE解析ゲルのスキャン画像を示す図である。
【図5】いずれも受粉後16週に試験された高収量ヤシH4及び低収量ヤシh6の中果皮タンパク質に相当するDIGE解析ゲルのスキャン画像を示す図である。
【図6】いずれも受粉後16週に試験された高収量ヤシH6及び低収量ヤシh9の中果皮タンパク質に相当するDIGE解析ゲルのスキャン画像を示す図である。
【図7】いずれも受粉後18週に試験された高収量ヤシH2及び低収量ヤシh1の中果皮タンパク質に相当するDIGE解析ゲルのスキャン画像を示す図である。
【図8】いずれも受粉後18週に試験された高収量ヤシH4及び低収量ヤシh6の中果皮タンパク質に相当するDIGE解析ゲルのスキャン画像を示す図である。
【図9】いずれも受粉後18週に試験された高収量ヤシH6及び低収量ヤシh9の中果皮タンパク質に相当するDIGE解析ゲルのスキャン画像を示す図である。
【図10A】本明細書で同定された45個の固有の差次的発現タンパク質の配列リストを示す図であり、1文字アミノ酸形式で略記されている。
【図10B】本明細書で同定された45個の固有の差次的発現タンパク質の配列リストを示す図であり、1文字アミノ酸形式で略記されている。
【図10C】本明細書で同定された45個の固有の差次的発現タンパク質の配列リストを示す図であり、1文字アミノ酸形式で略記されている。
【図10D】本明細書で同定された45個の固有の差次的発現タンパク質の配列リストを示す図であり、1文字アミノ酸形式で略記されている。
【図10E】本明細書で同定された45個の固有の差次的発現タンパク質の配列リストを示す図であり、1文字アミノ酸形式で略記されている。
【図10F】本明細書で同定された45個の固有の差次的発現タンパク質の配列リストを示す図であり、1文字アミノ酸形式で略記されている。
【図10G】本明細書で同定された45個の固有の差次的発現タンパク質の配列リストを示す図であり、1文字アミノ酸形式で略記されている。
【図10H】本明細書で同定された45個の固有の差次的発現タンパク質の配列リストを示す図であり、1文字アミノ酸形式で略記されている。
【図10I】本明細書で同定された45個の固有の差次的発現タンパク質の配列リストを示す図であり、1文字アミノ酸形式で略記されている。
【図10J】本明細書で同定された45個の固有の差次的発現タンパク質の配列リストを示す図であり、1文字アミノ酸形式で略記されている。
【図10K】本明細書で同定された45個の固有の差次的発現タンパク質の配列リストを示す図であり、1文字アミノ酸形式で略記されている。
【図10L】本明細書で同定された45個の固有の差次的発現タンパク質の配列リストを示す図であり、1文字アミノ酸形式で略記されている。
【図10M】本明細書で同定された45個の固有の差次的発現タンパク質の配列リストを示す図であり、1文字アミノ酸形式で略記されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本出願は高収量のアブラヤシ植物を取得する方法、試験アブラヤシ植物の油収量を予測する方法及び高収量のアブラヤシ植物を取得するためのキットに関する。本明細書で開示されるように、アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルは高収量のアブラヤシ植物取得のため及び試験アブラヤシ植物の油収量予測のために用いられ得る。この点において有用なタンパク質としては、5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼ、アブシジン酸ストレス熟成タンパク質、アクチン6、アクチンE、ビオチンカルボキシラーゼ前駆体、コーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼ、カタラーゼ2、リシナス・コムニス保存仮想的タンパク質オルソログ、フィブリリン様タンパク質、フラボドキシン様キノンレダクターゼ1、フルクトースビスホスフェートアルドラーゼ、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ、H0825G02.11オルソログ、リブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ大サブユニット、Lea1P、メチオニンシンターゼタンパク質、ミトコンドリアペルオキシレドキシン、Os02g0753300オルソログ、Os05g0482700オルソログ、Os12g0163700オルソログ、OSJNBb0085F13.17オルソログ、オストレオコッカス・ルシマリヌスCCE9901予測タンパク質オルソログ、フィスコミトレラ・パテンス亜種パテンス予測タンパク質オルソログ、ポプルス・トリコカルパ予測タンパク質オルソログ、ヴィティス・ヴィニフェラ仮想的タンパク質アイソフォーム1オルソログ、新生ポリペプチド関連複合体α、プロリンイミノペプチダーゼ、タンパク質トランスポーター、オリザ・サティバ・ジャポニカ群推定NBS−LRR病害抵抗性タンパク質ホモログオルソログ、Ran GTPアーゼ結合タンパク質、葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼ、V型プロトンATPアーゼ触媒サブユニットA、リボヌクレアーゼ活性制御因子A、レトロエレメントpolポリタンパク質様オルソログ、リボソームタンパク質L10、短鎖型デヒドロゲナーゼ、温度誘導性リポカリン及びピセア・シトケンシス未知タンパク質オルソログが挙げられる。したがって、本出願は親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の上記タンパク質のうちの1つのレベルを決定するステップと、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間に差があるかを決定するステップと、差に基づいて親アブラヤシ植物の後代を選択して高収量のアブラヤシ植物を取得するステップとを含む、高収量のアブラヤシ植物を取得する方法を提供する。さらに、本出願は試験アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の上記タンパク質のうちの1つのレベルを決定するステップと、試験アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間に差があるかを決定するステップと、差に基づいて試験アブラヤシ植物の油収量を予測するステップとを含む、試験アブラヤシ植物の油収量を予測する方法を提供する。加えて、本出願は上記タンパク質の1つを検出する抗体と参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織の抽出物とを含む、高収量のアブラヤシ植物を取得するためのキットを提供する。
【0013】
定義
本明細書で用いられる用語「親アブラヤシ植物」は、本明細書で開示される高収量のアブラヤシ植物を取得する方法を実施する過程又は本明細書で開示される高収量のアブラヤシ植物を取得するためのキットを用いる過程の中で後代が産生された、産生される又は産生されるであろうアブラヤシ植物を意味する。
【0014】
本明細書で用いられる用語「試験アブラヤシ植物」は、本明細書で開示される植物の油収量を予測する方法を実施する過程の中でその果実の中果皮組織中のタンパク質レベルを決定するステップに供された、供される又は供されるであろうアブラヤシ植物を意味する。
【0015】
本明細書で用いられる用語「参照アブラヤシ植物」は、アブラヤシの収量特性の決定における比較のための基礎として用いられるアブラヤシ植物を意味する。参照アブラヤシ植物は、特定の適用の状況に依存して、例えばパーム油産生量が高い、平均的な又は低いアブラヤシ植物であり得る。例えば、参照アブラヤシ植物は1ヘクタール当たり1年間で10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1トンのヤシを生産するアブラヤシ植物であり得る。
【0016】
本明細書で開示される方法及びキットに関して本明細書で用いられる用語「高収量の」、「低収量の」及び「油収量」は、パーム油植物の果実の中果皮組織中のパーム油の収量を言う。
【0017】
本明細書で用いられる用語「ホモログ」及び「相同の」は、高度に類似したDNA配列を持つ2以上の遺伝子又は高度に類似したアミノ酸配列を持つ2以上のタンパク質を言う。かかる遺伝子又はタンパク質は、例えば60%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又はより大きい配列同一性を共有することに基づいて相同であると考えられてもよい。用語「ホモログ」及び「相同の」は、遺伝子若しくはタンパク質が単一の種に由来し、それ故に種の構造的及び機能的に類似した遺伝子若しくはタンパク質を表すことができるものであっても、又は異なる種に由来し、それ故に共通の祖先に由来するオルソロガスな遺伝子若しくはタンパク質を表すことができるものであっても、かかる高度に類似した遺伝子又はタンパク質を包含する。
【0018】
高収量のアブラヤシ植物を取得する方法
上記のように、高収量のアブラヤシ植物を取得する方法が提供される。本方法は(i)親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルを決定するステップと、(ii)親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間に差があるかを決定するステップと、(iii)差に基づいて親アブラヤシ植物の後代を選択して高収量のアブラヤシ植物を取得するステップとを含む。
【0019】
タンパク質
本方法に従うと、タンパク質は5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼ、アブシジン酸ストレス熟成タンパク質、アクチン6、アクチンE、ビオチンカルボキシラーゼ前駆体、コーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼ、カタラーゼ2、リシナス・コムニス保存仮想的タンパク質オルソログ、フィブリリン様タンパク質、フラボドキシン様キノンレダクターゼ1、フルクトースビスホスフェートアルドラーゼ、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ、H0825G02.11オルソログ、リブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ大サブユニット、Lea1P、メチオニンシンターゼタンパク質、ミトコンドリアペルオキシレドキシン、Os02g0753300オルソログ、Os05g0482700オルソログ、Os12g0163700オルソログ、OSJNBb0085F13.17オルソログ、オストレオコッカス・ルシマリヌスCCE9901予測タンパク質オルソログ、フィスコミトレラ・パテンス亜種パテンス予測タンパク質オルソログ、ポプルス・トリコカルパ予測タンパク質オルソログ、ヴィティス・ヴィニフェラ仮想的タンパク質アイソフォーム1オルソログ、新生ポリペプチド関連複合体α、プロリンイミノペプチダーゼ、タンパク質トランスポーター、オリザ・サティバ・ジャポニカ群推定NBS−LRR病害抵抗性タンパク質ホモログオルソログ、Ran GTPアーゼ結合タンパク質、葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼ、V型プロトンATPアーゼ触媒サブユニットA、リボヌクレアーゼ活性制御因子A、レトロエレメントpolポリタンパク質様オルソログ、リボソームタンパク質L10、短鎖型デヒドロゲナーゼ、温度誘導性リポカリン及びピセア・シトケンシス未知タンパク質オルソログからなる群から選択される。
【0020】
いくつかの実施形態において、5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼは配列番号1を含み、アブシジン酸ストレス熟成タンパク質は配列番号2を含み、アクチン6は配列番号3を含み、アクチンEは配列番号4を含み、ビオチンカルボキシラーゼ前駆体は配列番号5を含み、コーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼは配列番号6を含み、カタラーゼ2は配列番号7を含み、リシナス・コムニス保存仮想的タンパク質オルソログは配列番号8を含み、フィブリリン様タンパク質は配列番号9を含み、フラボドキシン様キノンレダクターゼ1は配列番号10を含み、フルクトースビスホスフェートアルドラーゼは配列番号11を含み、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼは配列番号12を含み、H0825G02.11オルソログは配列番号13を含み、リブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ大サブユニットは配列番号14を含み、Lea1Pは配列番号15を含み、メチオニンシンターゼタンパク質は配列番号16を含み、ミトコンドリアペルオキシレドキシンは配列番号17を含み、Os02g0753300オルソログは配列番号18を含み、Os05g0482700オルソログは配列番号19を含み、Os12g0163700オルソログは配列番号20を含み、OSJNBb0085F13.17オルソログは配列番号21を含み、オストレオコッカス・ルシマリヌスCCE9901予測タンパク質オルソログは配列番号22を含み、フィスコミトレラ・パテンス亜種パテンス予測タンパク質オルソログは配列番号23を含み、ポプルス・トリコカルパ予測タンパク質オルソログは配列番号24を含み、ヴィティス・ヴィニフェラ仮想的タンパク質アイソフォーム1オルソログは配列番号25を含み、新生ポリペプチド関連複合体αは配列番号26を含み、プロリンイミノペプチダーゼは配列番号27を含み、タンパク質トランスポーターは配列番号28を含み、オリザ・サティバ・ジャポニカ群推定NBS−LRR病害抵抗性タンパク質ホモログオルソログは配列番号29を含み、Ran GTPアーゼ結合タンパク質は配列番号30を含み、葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼは配列番号31を含み、V型プロトンATPアーゼ触媒サブユニットAは配列番号32を含み、リボヌクレアーゼ活性制御因子Aは配列番号33を含み、レトロエレメントpolポリタンパク質様オルソログは配列番号34を含み、リボソームタンパク質L10は配列番号35を含み、短鎖型デヒドロゲナーゼは配列番号36を含み、温度誘導性リポカリンは配列番号37を含み、ピセア・シトケンシス未知タンパク質オルソログは配列番号38を含む。
【0021】
上記のタンパク質は、例えば脂質代謝、非脂質代謝及び代謝以外の機能など、機能に従って分類され得る。例えば、ビオチンカルボキシラーゼ前駆体及びフルクトースビスホスフェートアルドラーゼは主に脂質代謝において機能する。対照的に、5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼ、コーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼ、カタラーゼ2、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ、リブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ大サブユニット、メチオニンシンターゼタンパク質、プロリンイミノペプチダーゼ、Ran GTPアーゼ結合タンパク質、葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼ及びV型プロトンATPアーゼ触媒サブユニットAは主に非脂質代謝において機能する。また対照的に、残りのタンパク質であるアブシジン酸ストレス熟成タンパク質、アクチン6、アクチンE、リシナス・コムニス保存仮想的タンパク質オルソログ、フィブリリン様タンパク質タンパク質、フラボドキシン様キノンレダクターゼ1、H0825G02.11オルソログ、Lea1P、ミトコンドリアペルオキシレドキシン、Os02g0753300オルソログ、Os05g0482700オルソログ、Os12g0163700オルソログ、OSJNBb0085F13.17オルソログ、オストレオコッカス・ルシマリヌスCCE9901予測タンパク質オルソログ、フィスコミトレラ・パテンス亜種パテンス予測タンパク質オルソログ、ポプルス・トリコカルパ予測タンパク質オルソログ、ヴィティス・ヴィニフェラ仮想的タンパク質アイソフォーム1オルソログ、新生ポリペプチド関連複合体α、タンパク質トランスポーター、オリザ・サティバ・ジャポニカ群推定NBS−LRR病害抵抗性タンパク質ホモログオルソログ、リボヌクレアーゼ活性制御因子A、レトロエレメントpolポリタンパク質様オルソログ、リボソームタンパク質L10、短鎖型デヒドロゲナーゼ、温度誘導性リポカリン及びピセア・シトケンシス未知タンパク質オルソログは主に非代謝的能力において機能する。
【0022】
したがっていくつかの実施形態において、タンパク質はビオチンカルボキシラーゼ前駆体及びフルクトースビスホスフェートアルドラーゼからなる群から選択される、主に脂質代謝において機能するタンパク質である。さらにいくつかの実施形態において、タンパク質は5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼ、コーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼ、カタラーゼ2、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ、リブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ大サブユニット、メチオニンシンターゼタンパク質、プロリンイミノペプチダーゼ、Ran GTPアーゼ結合タンパク質、葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼ及びV型プロトンATPアーゼ触媒サブユニットAからなる群から選択される、主に非脂質代謝において機能するタンパク質である。加えていくつかの実施形態において、タンパク質はアブシジン酸ストレス熟成タンパク質、アクチン6、アクチンE、リシナス・コムニス保存仮想的タンパク質オルソログ、フィブリリン様タンパク質タンパク質、フラボドキシン様キノンレダクターゼ1、H0825G02.11オルソログ、Lea1P、ミトコンドリアペルオキシレドキシン、Os02g0753300オルソログ、Os05g0482700オルソログ、Os12g0163700オルソログ、OSJNBb0085F13.17オルソログ、オストレオコッカス・ルシマリヌスCCE9901予測タンパク質オルソログ、フィスコミトレラ・パテンス亜種パテンス予測タンパク質オルソログ、ポプルス・トリコカルパ予測タンパク質オルソログ、ヴィティス・ヴィニフェラ仮想的タンパク質アイソフォーム1オルソログ、新生ポリペプチド関連複合体α、タンパク質トランスポーター、オリザ・サティバ・ジャポニカ群推定NBS−LRR病害抵抗性タンパク質ホモログオルソログ、リボヌクレアーゼ活性制御因子A、レトロエレメントpolポリタンパク質様オルソログ、リボソームタンパク質L10、短鎖型デヒドロゲナーゼ、温度誘導性リポカリン及びピセア・シトケンシス未知タンパク質オルソログからなる群から選択される、主に非代謝的能力において機能するタンパク質である。
【0023】
タンパク質レベルの決定
親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の上記タンパク質のうちの1つのレベルは、例えば中果皮タンパク質の粗調製物、最小限に精製された調製物、又は高度に精製された調製物などの中果皮組織からのタンパク質調製物中で決定されることができる。調製物としては、総中果皮タンパク質、又は例えば可溶性タンパク質、不溶性タンパク質、pH4〜7の間に等電点を持つタンパク質若しくはより高い若しくはより低い等電点を持つタンパク質などの中果皮タンパク質のサブセットを挙げることができる。中果皮組織自体は由来する果実の特定の発達ステージにおいて、例えば受粉後11〜19週、受粉後11〜17週、受粉後15〜19週、受粉後11〜13週、受粉後15〜17週、受粉後17〜19週、受粉後12週、受粉後16週又は受粉後18週などの受粉の後(「受粉後」)の任意の時点で、取得され、試験されることができる。タンパク質のレベルは、例えば中果皮組織質量当たりのタンパク質質量のように完全に定量的に、又は例えば参照のシグナル強度に対するタンパク質のシグナル強度のように相対的に表されてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルを決定するステップは、例えばイムノブロット、ドットブロット又は酵素結合免疫吸着測定法といった抗体に基づく検出により、当該技術分野で周知の方法に従って実施される。抗体に基づく検出は、例えばタンパク質に対して作られたモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体を用いて実施されることができる。抗体は当該技術分野で周知の方法により調製されてもよく、又は商業販売業者から取得されてもよい。抗体に基づく検出は定量的に実施されてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルを決定するステップは、例えばサンプル中の総タンパク質のCyDye標識、その後の例えばDIGE分取ゲル解析などの分離及びタンパク質検出といった蛍光に基づく検出により、公知の方法に従って実施される。
【0026】
いくつかの実施形態において、レベルは2個以上の上記タンパク質について決定される。例えばいくつかの実施形態において、レベルは上記タンパク質の2〜38個の組み合わせについて決定される。また例えばいくつかの実施形態において、レベルは上記タンパク質の2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37又は38個の組み合わせについて決定される。上記タンパク質の2個の組み合わせについてのレベル決定に関する例として、いくつかの実施形態において、レベルは5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼ及び以下の1つについて決定される。アブシジン酸ストレス熟成タンパク質、アクチン6、アクチンE、ビオチンカルボキシラーゼ前駆体、コーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼ、カタラーゼ2、リシナス・コムニス保存仮想的タンパク質オルソログ、フィブリリン様タンパク質、フラボドキシン様キノンレダクターゼ1、フルクトースビスホスフェートアルドラーゼ、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ、H0825G02.11オルソログ、リブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ大サブユニット、Lea1P、メチオニンシンターゼタンパク質、ミトコンドリアペルオキシレドキシン、Os02g0753300オルソログ、Os05g0482700オルソログ、Os12g0163700オルソログ、OSJNBb0085F13.17オルソログ、オストレオコッカス・ルシマリヌスCCE9901予測タンパク質オルソログ、フィスコミトレラ・パテンス亜種パテンス予測タンパク質オルソログ、ポプルス・トリコカルパ予測タンパク質オルソログ、ヴィティス・ヴィニフェラ仮想的タンパク質アイソフォーム1オルソログ、新生ポリペプチド関連複合体α、プロリンイミノペプチダーゼ、タンパク質トランスポーター、オリザ・サティバ・ジャポニカ群推定NBS−LRR病害抵抗性タンパク質ホモログオルソログ、Ran GTPアーゼ結合タンパク質、葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼ、V型プロトンATPアーゼ触媒サブユニットA、リボヌクレアーゼ活性制御因子A、レトロエレメントpolポリタンパク質様オルソログ、リボソームタンパク質L10、短鎖型デヒドロゲナーゼ、温度誘導性リポカリン及びピセア・シトケンシス未知タンパク質オルソログ。他の実施形態において、レベルは上記タンパク質の他の可能な組み合わせ各々について決定される。
【0027】
タンパク質レベルの間の差の決定
親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の上記タンパク質のうちの1つのレベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間に差があるかを決定するステップは、例えば上記のような抗体又は蛍光に基づく検出により決定されたそれぞれのタンパク質レベルを比較してそれらの間の差について調べることにより実施されることができる。いくつかの実施形態において、かかる比較は、例えば親アブラヤシの中果皮組織中のタンパク質レベルが参照アブラヤシ植物のレベルより、例えば1.1倍、1.25倍、1.5倍、2倍、4倍又はそれ以上の倍率を超えて、例えば<0.025、<0.05又は<0.1のp値を伴って高い(或いは低い)ことに基づいて、生物学的及び/又は統計的に有意な差を明らかにするものと考えられる。当業者に明らかであるように、比較はシグナル強度を決定して比較するためのソフトウェアの使用により、例えばImage Quantソフトウェア(バージョン6.0、Amersham BioSciences)、続いてデサイダー(DeCyder)(商標)2Dソフトウェアバージョン6.5(Amersham BioSciences)を用いた生物学的変動解析の使用により、容易になることがある。
【0028】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後11〜13週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼのレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼのレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後12週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼのレベルが受粉後12週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼのレベルより高いことである。
【0029】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後11〜13週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のアブシジン酸ストレス熟成タンパク質のレベルが受粉後15〜19週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のアブシジン酸ストレス熟成タンパク質のレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後12週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のアブシジン酸ストレス熟成タンパク質のレベルが受粉後16週又は18週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のアブシジン酸ストレス熟成タンパク質のレベルより高いことである。
【0030】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のアクチン6のレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のアクチン6のレベルより低いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のアクチン6のレベルが受粉後16週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のアクチン6のレベルより低いことである。
【0031】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後15〜19週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のアクチンEのレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のアクチンEのレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週又は18週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のアクチンEのレベルが受粉後12週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のアクチンEのレベルより高いことである。
【0032】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後15〜19週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のビオチンカルボキシラーゼ前駆体のレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のビオチンカルボキシラーゼ前駆体のレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週又は18週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のビオチンカルボキシラーゼ前駆体のレベルが受粉後12週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のビオチンカルボキシラーゼ前駆体のレベルより高いことである。
【0033】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後11〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のコーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼのレベルが受粉後11〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のコーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼのレベルより低いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後12週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のコーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼのレベルが受粉後12週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のコーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼのレベルより低いことである。また例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のコーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼのレベルが受粉後16週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のコーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼのレベルより低いことである。
【0034】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後11〜19週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のカタラーゼ2のレベルが受粉後11〜19週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のカタラーゼ2のレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後12週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のカタラーゼ2のレベルが受粉後12週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のカタラーゼ2のレベルより高いことである。また例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後18週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のカタラーゼ2のレベルが受粉後18週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のカタラーゼ2のレベルより高いことである。
【0035】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のリシナス・コムニス保存仮想的タンパク質オルソログのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のリシナス・コムニス保存仮想的タンパク質オルソログのレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のリシナス・コムニス保存仮想的タンパク質オルソログのレベルが受粉後16週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のリシナス・コムニス保存仮想的タンパク質オルソログのレベルより高いことである。
【0036】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後11〜13週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフィブリリン様タンパク質のレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフィブリリン様タンパク質のレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後12週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフィブリリン様タンパク質のレベルが受粉後12週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフィブリリン様タンパク質のレベルより高いことである。
【0037】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後11〜19週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフラボドキシン様キノンレダクターゼ1のレベルが受粉後11〜19週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフラボドキシン様キノンレダクターゼ1のレベルより低いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後12週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフラボドキシン様キノンレダクターゼ1のレベルが受粉後12週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフラボドキシン様キノンレダクターゼ1のレベルより低いことである。また例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後18週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフラボドキシン様キノンレダクターゼ1のレベルが受粉後18週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフラボドキシン様キノンレダクターゼ1のレベルより低いことである。
【0038】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフルクトースビスホスフェートアルドラーゼのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフルクトースビスホスフェートアルドラーゼのレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフルクトースビスホスフェートアルドラーゼのレベルが受粉後16週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフルクトースビスホスフェートアルドラーゼのレベルより高いことである。
【0039】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のグリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のグリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼのレベルより低いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のグリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼのレベルが受粉後16週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のグリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼのレベルより低いことである。
【0040】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のH0825G02.11オルソログのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のH0825G02.11オルソログのレベルより低いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のH0825G02.11オルソログのレベルが受粉後16週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のH0825G02.11オルソログのレベルより低いことである。
【0041】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後17〜19週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のリブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ大サブユニットのレベルが受粉後17〜19週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のリブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ大サブユニットのレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後18週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のリブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ大サブユニットのレベルが受粉後18週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のリブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ大サブユニットのレベルより高いことである。
【0042】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のLea1Pのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のLea1Pのレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のLea1Pのレベルが受粉後16週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のLea1Pのレベルより高いことである。
【0043】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のメチオニンシンターゼタンパク質のレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のメチオニンシンターゼタンパク質のレベルより低いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のメチオニンシンターゼタンパク質のレベルが受粉後16週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のメチオニンシンターゼタンパク質のレベルより低いことである。
【0044】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後11〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のミトコンドリアペルオキシレドキシンのレベルが受粉後11〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のミトコンドリアペルオキシレドキシンのレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後12週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のミトコンドリアペルオキシレドキシンのレベルが受粉後12週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のミトコンドリアペルオキシレドキシンのレベルより高いことである。また例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のミトコンドリアペルオキシレドキシンのレベルが受粉後16週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のミトコンドリアペルオキシレドキシンのレベルより高いことである。
【0045】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のOs02g0753300オルソログのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のOs02g0753300オルソログのレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のOs02g0753300オルソログのレベルが受粉後16週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のOs02g0753300オルソログのレベルより高いことである。
【0046】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のOs05g0482700オルソログのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のOs05g0482700オルソログのレベルより低いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のOs05g0482700オルソログのレベルが受粉後16週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のOs05g0482700オルソログのレベルより低いことである。
【0047】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後15〜19週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のOs12g0163700オルソログのレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のOs12g0163700オルソログのレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週又は18週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のOs12g0163700オルソログのレベルが受粉後12週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のOs12g0163700オルソログのレベルより高いことである。
【0048】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のOSJNBb0085F13.17オルソログのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のOSJNBb0085F13.17オルソログのレベルより低いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のOSJNBb0085F13.17オルソログのレベルが受粉後16週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のOSJNBb0085F13.17オルソログのレベルより低いことである。
【0049】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のオストレオコッカス・ルシマリヌスCCE9901予測タンパク質オルソログのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のオストレオコッカス・ルシマリヌスCCE9901予測タンパク質オルソログのレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のオストレオコッカス・ルシマリヌスCCE9901予測タンパク質オルソログのレベルが受粉後16週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のオストレオコッカス・ルシマリヌスCCE9901予測タンパク質オルソログのレベルより高いことである。
【0050】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後11〜13週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフィスコミトレラ・パテンス亜種パテンス予測タンパク質オルソログのレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフィスコミトレラ・パテンス亜種パテンス予測タンパク質オルソログのレベルより低いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後12週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフィスコミトレラ・パテンス亜種パテンス予測タンパク質オルソログのレベルが受粉後12週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフィスコミトレラ・パテンス亜種パテンス予測タンパク質オルソログのレベルより低いことである。
【0051】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後11〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のポプルス・トリコカルパ予測タンパク質オルソログのレベルが受粉後11〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のポプルス・トリコカルパ予測タンパク質オルソログのレベルより低いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後12週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のポプルス・トリコカルパ予測タンパク質オルソログのレベルが受粉後12週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のポプルス・トリコカルパ予測タンパク質オルソログのレベルより低いことである。また例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のポプルス・トリコカルパ予測タンパク質オルソログのレベルが受粉後16週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のポプルス・トリコカルパ予測タンパク質オルソログのレベルより低いことである。
【0052】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後11〜13週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のヴィティス・ヴィニフェラ仮想的タンパク質アイソフォーム1オルソログのレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のヴィティス・ヴィニフェラ仮想的タンパク質アイソフォーム1オルソログのレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後12週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のヴィティス・ヴィニフェラ仮想的タンパク質アイソフォーム1オルソログのレベルが受粉後12週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のヴィティス・ヴィニフェラ仮想的タンパク質アイソフォーム1オルソログのレベルより高いことである。
【0053】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後11〜19週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の新生ポリペプチド関連複合体αのレベルが受粉後11〜19週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の新生ポリペプチド関連複合体αのレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後12週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の新生ポリペプチド関連複合体αのレベルが受粉後12週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の新生ポリペプチド関連複合体αのレベルより高いことである。また例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後18週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の新生ポリペプチド関連複合体αのレベルが受粉後18週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の新生ポリペプチド関連複合体αのレベルより高いことである。
【0054】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後15〜19週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のプロリンイミノペプチダーゼのレベルが受粉後15〜19週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のプロリンイミノペプチダーゼのレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のプロリンイミノペプチダーゼのレベルが受粉後16週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のプロリンイミノペプチダーゼのレベルより高いことである。また例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後18週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のプロリンイミノペプチダーゼのレベルが受粉後18週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のプロリンイミノペプチダーゼのレベルより高いことである。
【0055】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後11〜13週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質トランスポーターのレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質トランスポーターのレベルより低いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後12週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質トランスポーターのレベルが受粉後12週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質トランスポーターのレベルより低いことである。
【0056】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のオリザ・サティバ・ジャポニカ群推定NBS−LRR病害抵抗性タンパク質ホモログオルソログのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のオリザ・サティバ・ジャポニカ群推定NBS−LRR病害抵抗性タンパク質ホモログオルソログのレベルより低いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のオリザ・サティバ・ジャポニカ群推定NBS−LRR病害抵抗性タンパク質ホモログオルソログのレベルが受粉後16週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のオリザ・サティバ・ジャポニカ群推定NBS−LRR病害抵抗性タンパク質ホモログオルソログのレベルより低いことである。
【0057】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後11〜13週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のRan GTPアーゼ結合タンパク質のレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のRan GTPアーゼ結合タンパク質のレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後12週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のRan GTPアーゼ結合タンパク質のレベルが受粉後12週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のRan GTPアーゼ結合タンパク質のレベルより高いことである。
【0058】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼのレベルより低いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼのレベルが受粉後16週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼのレベルより低いことである。
【0059】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のV型プロトンATPアーゼ触媒サブユニットAのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のV型プロトンATPアーゼ触媒サブユニットAのレベルより低いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のV型プロトンATPアーゼ触媒サブユニットAのレベルが受粉後16週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のV型プロトンATPアーゼ触媒サブユニットAのレベルより低いことである。
【0060】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後15〜19週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のリボヌクレアーゼ活性制御因子Aのレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のリボヌクレアーゼ活性制御因子Aのレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週又は18週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のリボヌクレアーゼ活性制御因子Aのレベルが受粉後12週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のリボヌクレアーゼ活性制御因子Aのレベルより高いことである。
【0061】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後11〜13週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のレトロエレメントpolポリタンパク質様オルソログのレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のレトロエレメントpolポリタンパク質様オルソログのレベルより低いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後12週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のレトロエレメントpolポリタンパク質様オルソログのレベルが受粉後12週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のレトロエレメントpolポリタンパク質様オルソログのレベルより低いことである。
【0062】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後11〜13週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のリボソームタンパク質L10のレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のリボソームタンパク質L10のレベルより低いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後12週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のリボソームタンパク質L10のレベルが受粉後12週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のリボソームタンパク質L10のレベルより低いことである。
【0063】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後15〜19週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の短鎖型デヒドロゲナーゼのレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の短鎖型デヒドロゲナーゼのレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週又は18週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の短鎖型デヒドロゲナーゼのレベルが受粉後12週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の短鎖型デヒドロゲナーゼのレベルより高いことである。
【0064】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の温度誘導性リポカリンのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の温度誘導性リポカリンのレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の温度誘導性リポカリンのレベルが受粉後16週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の温度誘導性リポカリンのレベルより高いことである。
【0065】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のピセア・シトケンシス未知タンパク質オルソログのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のピセア・シトケンシス未知タンパク質オルソログのレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のピセア・シトケンシス未知タンパク質オルソログのレベルが受粉後16週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のピセア・シトケンシス未知タンパク質オルソログのレベルより高いことである。
【0066】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、2個以上の上記タンパク質について決定される。例えばいくつかの実施形態において、差は、上記タンパク質の2〜38個の組み合わせについて決定される。また例えばいくつかの実施形態において、差は、上記タンパク質の2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37又は38個の組み合わせで、例えば可能な組み合わせ各々について決定される。
【0067】
後代の選択
親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差に基づいて親アブラヤシ植物の後代を選択して高収量のアブラヤシ植物を取得するステップは、例えば、繁殖のための親アブラヤシ植物を差に基づいて選択し、その植物と、例えば上記タンパク質のうちの1つに関して同一又は類似した差をまた呈するなどの別のアブラヤシ植物とを従来の育種技術により交配して、高収量のアブラヤシ植物に相当する後代を取得することにより実施されることができる。
【0068】
当該技術分野で周知であるように、果実型は育種及び商業的なパーム油生産に関して重要な、アブラヤシにおける一遺伝子性の特性である。具体的には、商業的な油生産用ヤシ(「商業的植栽材料」又は「農業生産植物」とも呼ばれる)を産生するため、2つの別個の果実型のいずれかを有するアブラヤシが交配を通じた育種及び種の生産において一般的に用いられる。第一の果実型はdura(遺伝子型:sh+ sh+)で、果実重量の28〜35%に相当する厚い殻を特徴とし、果実核の周囲に黒色の繊維輪がない。dura果実については、果実に対する中果皮の比率は50〜60%まで変動し、房重量に比例する抽出可能な油含量は18〜24%である。第二の果実型はpisifera(遺伝子型:sh− sh−)で、殻がないことを特徴とし、殻の痕跡は小さい核の周囲にある繊維輪により表される。したがってpisifera果実については、果実に対する中果皮の比率は90〜100%である。房に対する中果皮油の比率はduraに匹敵して16〜28%である。Pisiferaはしかしながら、房の大部分が発達の初期ステージで発育が止まるために通常は雌性不稔である。
【0069】
duraとpisiferaとの交配は、第三の果実型tenera(遺伝子型:sh+ sh−)を有するヤシを生じさせる。Tenera果実は果実重量の8〜10%の薄い殻を持ち、この殻は0.5〜4mmの厚さに相当し、殻の周囲には特徴的な黒色の繊維輪がある。tenera果実については、果実に対する中果皮の比率は比較的高く、60〜80%の範囲内である。商業的なteneraヤシは一般にduraよりも多くの果実房を生じるが、平均の房重量は低い。房に対する抽出可能な油の比率は20〜30%の範囲内で、3つの果実型の中で最も高く、それ故にteneraは商業的植栽材料として典型的に用いられる。
【0070】
東南アジアにおいて用いられるDuraヤシの育種集団としてはSerdang Avenue、Ulu Remis(いくつかのSerdang Avenue マテリアルを組み入れたものである)、Johor Labis及びDeli Dumpyを包含するElmina estateが挙げられるが、これら全てはDeli duraに由来するものである。種生産のために用いられるPisiferaの育種集団は一般にYangambi、AVROS、Binga及びURTとしてグループ分けされる。他のdura集団及びpisifera集団はアフリカ及び南アメリカにおいて用いられる。
【0071】
したがっていくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物はDeli dura、Serdang Avenue dura、Ulu Remis dura、Johor Labis dura、Elmina estate dura及びDeli Dumpy duraからなる群から選択されるduraヤシである。或いはいくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物はYangambi pisifera、AVROS pisifera、Binga pisifera及びURT pisiferaからなる群から選択されるpisiferaヤシである。
【0072】
アブラヤシの育種は第一に、優れたtenera商業的植栽材料生産のための改良された親のdura育種系統ヤシ及びpisifera育種系統ヤシを選択することを目的とする。かかる材料は、クローン繁殖のための組織培養の使用が開発され続けているものの、大部分は種の形態である。一般に、親dura育種集団は選択されたduraヤシ間の交配により産生される。果実型の一遺伝子性遺伝に基づいて、結果として生じるヤシの100%がduraである。数年間の収量記録並びに房特性及び果実特性の確認の後、duraは表現型に基づいて育種のために選択される。対照的に、pisiferaヤシは普通は雌性不稔であり、それ故にその育種集団は選択されたtenera間の交配により、又は選択されたteneraと選択されたpisferaとの交配により産生される必要がある。tenera×teneraの交配は25%のdura、50%のtenera及び25%のpisiferaを産生する。tenera×pisiferaの交配は50%のtenera及び50%のpisiferaを産生する。pisiferaの収量についての潜在能力は次いで精鋭のduraとの後代試験により、すなわちduraとpisiferaとを交配してteneraを産生し、次いでtenera果実の収量表現型を経時的に決定することにより、間接的に決定される。この後代試験により、良好な一般的組み合わせ能力を有するpisiferaがそのtenera後代の性能に基づいて選択される。選択された親の間での異系交配もまた、後代が次の育種サイクルに進められるのに伴って実施される。この異系交配は新しい遺伝子を育種プログラム中に導入して遺伝的ばらつきを増加させることを可能にする。この一般的な方式を用いる場合、優先選択目標としては、高い生果実房収量及び房に対する油の高比率(薄い殻、厚い中果皮)の点からの単位面積当たりの高い油収量、高い早期収量(早熟)並びに良好な油品質が他の特性の中から挙げられる。
【0073】
したがっていくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物はdura育種用親株であり、後代はdura育種用親株及びtenera農業生産植物からなる群から選択されるアブラヤシ植物を含み、高収量のアブラヤシ植物はdura育種用親株及びtenera農業生産植物からなる群から選択される。例えばいくつかの実施形態において、本方法は改良されたdura育種系統を産生する目的で実施されるが、この場合は親のdura育種用親株が別のdura育種用親株と交配され、高収量のアブラヤシ植物がdura育種用親株でもある後代の中から直接的に取得される。また例えばいくつかの実施形態において、本方法は改良されたtenera農業生産植物を産生する目的で実施されるが、この場合は親のdura育種用親株がpisifera育種用親株と交配され、高収量のアブラヤシ植物がtenera農業生産植物である後代の中から直接的に取得される。
【0074】
或いはいくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物はtenera育種用親株であり、後代はtenera育種用親株、pisifera育種用親株及びtenera農業生産植物からなる群から選択されるアブラヤシ植物を含み、高収量のアブラヤシ植物はtenera育種用親株及びtenera農業生産植物からなる群から選択される。例えばいくつかの実施形態において、本方法は改良されたtenera育種系統を産生する目的で実施されることができるが、この場合は親のtenera育種用親株が別のtenera育種用親株と交配され、tenera高収量ヤシ植物が、25%がdura、50%がtenera、そして25%がpisiferaである後代の中から直接的に取得される。また例えばいくつかの実施形態において、本方法は改良されたtenera農業生産植物を産生する目的で実施されるが、この場合は親のtenera育種用親株がpisifera育種用親株と交配され、50%がteneraで50%がpisiferaに相当する後代が産み出される。この交配の結果として生じるpisiferaが同様にtenera農業生産植物産生のためのpisifera育種系統として用いられ得る。
【0075】
後代植物は従来のアプローチにより栽培されることができ、例えば苗はポリエチレンバッグ内で前育苗及び育苗設定で栽培され、およそ12ヶ月間育てられ、次いで苗として植えられてもよく、さらなる栽培のために高収量を呈することが知られる又は予測される後代が選ばれることを伴う。
【0076】
以上から明らかであるように、親アブラヤシ植物の後代を選択するステップはまた、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の2個以上のタンパク質のレベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差に基づいて、高収量のアブラヤシ植物が取得されてもよい。例えばいくつかの実施形態において、選択するステップは上記タンパク質の2〜38個の組み合わせに関する差に基づく。また例えばいくつかの実施形態において、選択するステップは上記タンパク質の2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37又は38個の組み合わせ、例えば可能な組み合わせ各々に関する差に基づく。
【0077】
追加タンパク質
いくつかの実施形態において、1個又は2個以上の上記タンパク質に関する差を決定することに加えて、17.6kDaクラスI小熱ショックタンパク質、ABC1ファミリータンパク質、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、グルタチオン−S−トランスフェラーゼθ、ホスホリパーゼD及びVIER F−ボックスタンパク質2からなる群から選択される1個又は複数の追加タンパク質に関する差もまた決定される。いくつかの実施形態において、17.6kDaクラスI小熱ショックタンパク質は配列番号39を含み、ABC1ファミリータンパク質は配列番号40を含み、グルタチオンペルオキシダーゼは配列番号41を含み、グルタチオンS−トランスフェラーゼは配列番号42を含み、グルタチオン−S−トランスフェラーゼθは配列番号43を含み、ホスホリパーゼDは配列番号44を含み、VIER F−ボックスタンパク質2は配列番号45を含む。
【0078】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の追加タンパク質のレベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の追加タンパク質のレベルとの間の差は、受粉後15〜19週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の17.6kDaクラスI小熱ショックタンパク質のレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の17.6kDaクラスI小熱ショックタンパク質のレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週又は18週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の17.6kDaクラスI小熱ショックタンパク質のレベルが受粉後12週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の17.6kDaクラスI小熱ショックタンパク質のレベルより高いことである。
【0079】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の追加タンパク質のレベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の追加タンパク質のレベルとの間の差は、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のABC1ファミリータンパク質のレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のABC1ファミリータンパク質のレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のABC1ファミリータンパク質のレベルが受粉後16週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のABC1ファミリータンパク質のレベルより高いことである。
【0080】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の追加タンパク質のレベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の追加タンパク質のレベルとの間の差は、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のグルタチオンペルオキシダーゼのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のグルタチオンペルオキシダーゼのレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のグルタチオンペルオキシダーゼのレベルが受粉後16週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のグルタチオンペルオキシダーゼのレベルより高いことである。
【0081】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の追加タンパク質のレベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の追加タンパク質のレベルとの間の差は、受粉後11〜19週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のグルタチオンS−トランスフェラーゼのレベルが受粉後11〜19週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のグルタチオンS−トランスフェラーゼのレベルより低いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後12週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のグルタチオンS−トランスフェラーゼのレベルが受粉後12週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のグルタチオンS−トランスフェラーゼのレベルより低いことである。また例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のグルタチオンS−トランスフェラーゼのレベルが受粉後16週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のグルタチオンS−トランスフェラーゼのレベルより低いことである。さらなる例として、いくつかの実施形態において、差は、受粉後18週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のグルタチオンS−トランスフェラーゼのレベルが受粉後18週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のグルタチオンS−トランスフェラーゼのレベルより低いことである。
【0082】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の追加タンパク質のレベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の追加タンパク質のレベルとの間の差は、受粉後17〜19週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のグルタチオン−S−トランスフェラーゼθのレベルが受粉後17〜19週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のグルタチオン−S−トランスフェラーゼθのレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後18週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のグルタチオン−S−トランスフェラーゼθのレベルが受粉後18週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のグルタチオン−S−トランスフェラーゼθのレベルより高いことである。
【0083】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の追加タンパク質のレベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の追加タンパク質のレベルとの間の差は、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のホスホリパーゼDのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のホスホリパーゼDのレベルより低いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後16週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のホスホリパーゼDのレベルが受粉後16週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のホスホリパーゼDのレベルより低いことである。
【0084】
いくつかの実施形態において、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の追加タンパク質のレベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の追加タンパク質のレベルとの間の差は、受粉後17〜19週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のVIER F−ボックスタンパク質2のレベルが受粉後17〜19週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のVIER F−ボックスタンパク質2のレベルより高いことである。例えばいくつかの実施形態において、差は、受粉後18週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のVIER F−ボックスタンパク質2のレベルが受粉後18週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のVIER F−ボックスタンパク質2のレベルより高いことである。
【0085】
パーム油を取得する方法
高収量のアブラヤシ植物からパーム油を取得する方法もまた開示される。本方法は上で説明された高収量のアブラヤシ植物を取得するステップと、高収量のアブラヤシ植物の果実からパーム油を分離するステップとを包含する。パーム油を分離するステップは、例えば果実房を収穫した後、24時間以内に新鮮で傷んでいない果実から油を抽出するなどの従来のアプローチにより実施されることができる。
【0086】
試験アブラヤシ植物の油収量を予測する方法
上記のように、試験アブラヤシ植物の油収量を予測する方法もまた提供される。本方法は(i)試験アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルを決定するステップと、(ii)試験アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間に差があるかを決定するステップと、(iii)差に基づいて試験アブラヤシ植物の油収量を予測するステップとを含む。
【0087】
高収量のアブラヤシ植物を取得する方法において有用であるとして上で記載されたタンパク質は、試験アブラヤシ植物の油収量を予測する方法においてもまた有用である。
【0088】
試験アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルを決定するステップは、親アブラヤシ植物ではなく試験アブラヤシ植物の果実に関して決定される点を除いて、例えば二次元蛍光ディファレンスゲル電気泳動、抗体に基づく検出、イムノブロット検出若しくはドットブロット検出に基づいて、及び/又は2個以上のタンパク質に関してといったように上記と同様に実施されることができる。
【0089】
試験アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間に差があるかを決定するステップは上記のように、例えば、試験アブラヤシ植物の中果皮組織のタンパク質レベルが参照アブラヤシ植物のレベルより、例えば1.1倍、1.25倍、1.5倍、2倍、4倍又はそれ以上の倍率を超えて、例えば<0.025、<0.05又は<0.1のp値を伴って高い(或いは低い)ことに基づいて、また実施されることができる。さらに、差は特異的なタンパク質各々に関する上記の特異的な差のいずれかに基づいてもよく、例えばいくつかの実施形態において、試験アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差は、受粉後11〜13週である試験アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼのレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼのレベルより高いことである。加えて、差は2個以上のタンパク質のレベルに関して決定されてもよい。
【0090】
予測ステップは、例えば試験アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルとの間の差の量に基づいて、及び/又はタンパク質発現レベルと収量との間の相関に基づいて実施されてもよい。予測ステップはまた、例えば2個以上のタンパク質レベルに関する差に基づいて実施されてもよい。
【0091】
高収量のアブラヤシ植物を取得するためのキット
上記のように、高収量のアブラヤシ植物を取得するためのキットもまた提供される。本キットは(i)タンパク質を検出するための抗体と、(ii)参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織の抽出物とを含む。高収量のアブラヤシ植物を取得する方法において有用であるとして上で記載されたタンパク質は、高収量のアブラヤシ植物を取得するためのキットにおいてもまた有用である。また上記のように、上記タンパク質に対する抗体は当該技術分野で周知の方法により調製されてもよく、又は商業販売業者から取得されてもよい。
【0092】
いくつかの実施形態において、本キットは、親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織の抽出物におけるタンパク質レベルとの間に差があるかを決定するための抗体の使用を指示する説明書をさらに含む。かかる差があるかを決定するステップもまた上記のように実施されることができる。いくつかの実施形態において、本キットは、親アブラヤシ植物の後代を差に基づいて選択して高収量のアブラヤシ植物を取得することを指示する説明書をもまたさらに含む。親アブラヤシ植物の後代を選択するステップもまた上記のように実施されることができる。加えていくつかの実施形態において、本キットは、少なくとももう1つ他のタンパク質を検出する少なくとももう1つ他の抗体をさらに含む。
【実施例】
【0093】
以下の実施例は例証の目的のためのもので、特許請求の範囲を限定することが意図されるものではない。
【0094】
実施例1
タンパク質の二次元ディファレンスゲル電気泳動及び同定
目的
目的は、アブラヤシの中果皮組織中で差次的に発現しているタンパク質を高収量特性及び低収量特性をまたいで、並びに果実の発達時間をまたいで同定することを包含した。
【0095】
方法
スクリーニング集団:
アブラヤシ植物の2つのスクリーニング集団として、各々3個体のヤシ植物からなる高収量のスクリーニング集団及び低収量のスクリーニング集団が用いられた。スクリーニング集団はSerdang Avenue dura(少なくとも75%はSerdang Avenue duraである)とAVROS pisifera(少なくとも75%はAVROS pisiferaである)との交配に由来したものであり、tenera後代が産み出された。より具体的には、高収量スクリーニング集団は比較的多量、具体的には1ヘクタール当たり1年間で10トンを超える量のパーム油を産み出すことが予め決定されていたアブラヤシ植物集団に由来して、それ故にH表現型とも呼ばれる高収量の表現型を持つものであった。低収量スクリーニング集団は比較的少量、具体的には1ヘクタール当たり1年間で6トンを下回る量のパーム油を産み出すことが予め決定されていたアブラヤシ植物集団に由来したものであり、それ故にh表現型とも呼ばれる低収量の表現型を持っていた。高収量集団及び低収量集団の収量決定は信頼できるアブラヤシ生産者により収集された4年間の統計データにより定義された。高収量スクリーニング集団について、高収量ヤシ3つがH2、H4及びH6と命名された。低収量スクリーニング集団について、低収量ヤシ3つがh1、h6及びh9と命名された。
【0096】
比較:
スクリーニング集団の3つの高収量ヤシ及び3つの低収量ヤシは各々、受粉後12週(時間「a」)、受粉後16週(時間「b」)及び受粉後18週(時間「c」)の3時点にまたがってサンプリングされ、以下の比較に提供された。
1.高収量(12週)対低収量(12週)(「Ha対ha」とも呼ばれる)
2.高収量(16週)対低収量(16週)(「Hb対hb」とも呼ばれる)
3.高収量(18週)対低収量(18週)(「Hc対hc」とも呼ばれる)
4.高収量(12週)対高収量(16週)(「Ha対Hb」とも呼ばれる)
5.高収量(12週)対高収量(18週)(「Ha対Hc」とも呼ばれる)
6.低収量(12週)対低収量(16週)(「ha対hb」とも呼ばれる)
7.低収量(12週)対低収量(18週)(「ha対hc」とも呼ばれる)
【0097】
具体的には、中果皮組織は各々のヤシの小果実から各時点において取得された。参考までに、胚乳における油の貯蔵は受粉後およそ12週で開始して受粉後16週までにほぼ完了し、一方、中果皮における油の貯蔵は受粉後およそ15週で開始して受粉後およそ20週である果実の成熟まで続く。受粉後12週、16週及び18週の時点は、受粉後12週は胚乳での油貯蔵の開始が示されるが中果皮での油貯蔵の開始には先行しており、受粉後16週は受粉後の油生合成の始動に続いて中果皮における転写物の発現レベルが最も高い時点であることが示され、受粉後18週は果実が成熟するにつれて転写物の発現が減少すると予想されるであろう時を示すという理由で選ばれた。
【0098】
タンパク質サンプルの調製:
総中果皮タンパク質のサンプルは、受粉後12週、16週及び18週である3つの高収量ヤシ植物各々及び3つの低収量ヤシ植物各々からのアブラヤシ小果実から、Heら、7 Forestry Studies in China 20、20〜23ページ(2005年)のタンパク質抽出の改変された方法に基づいて抽出された。タンパク質サンプルは2−D細胞溶解バッファー(7M尿素、2Mチオ尿素及び4%CHAPSを含有する30mM Tris−HCl、pH8.8)中に再懸濁された。混合液は4℃で超音波処理され、続いて室温で30分間振とうされた。サンプルは14000rpmで30分間遠心分離され、上清が収集された。上清画分のタンパク質濃度はBio−Radタンパク質アッセイ方法(Bradford、1976年)を用いて測定された。
【0099】
内部標準:
内部標準は、各サンプルからのタンパク質、すなわち3つの高収量ヤシ及び3つの低収量ヤシ各々からの受粉後12週、16週及び18週の3つの時点各々での総中果皮タンパク質を等量混合することにより作られた。内部標準は異なるゲルをまたがったタンパク質パターンの照合及び正規化に用いられ、それによってゲル間変動の問題を打ち消した。このアプローチはサンプル間の差について、関連する統計的有意差を伴う正確な定量化を可能とした。サンプル間のタンパク質の定量的な比較は、各タンパク質スポットの同じゲル内の内部標準に対する相対的変化に基づいてなされた。
【0100】
CyDye標識:
各サンプルについて、30μgのタンパク質が1.0μlの希釈されたCyDyeと共に混合され、暗所において氷上に30分間維持された。対比較からの各サンプルはそれぞれCy3及びCy5で標識された。内部標準はCy2で標識された。標識反応は1.0μlの10mMリジンを各サンプルに添加し、暗所において氷上でさらに15分間インキュベートすることにより停止された。3つの標識サンプルは次いで互いに混合された。2×2−Dサンプルバッファー(8M尿素、4%CHAPS、20mg/ml DTT、2%pharmalyte及び微量のブロモフェノールブルー)、100μlのde−streak溶液及び再水和バッファー(7M尿素、2Mチオ尿素、4%CHAPS、20mg/ml DTT、1%pharmalyte及び微量のブロモフェノールブルー)が総体積が250μlになるように標識混合液に添加された。サンプルはよく混合されてスピンダウンされた。次いでサンプルはストリップホルダー内に収容された固定化pH勾配ゲル(「IPG」)ストリップ上にロードされた。
【0101】
ディファレンスゲル電気泳動のゲル:
ディファレンスゲル電気泳動(「DIGE」)の解析ゲルは実験の後半部分でのゲル解析を促進するため、適切なサンプル対を含有するように設計された。以下のようなサンプル対を有する合計9個のDIGEゲルが生成された。
ゲル1:H2a、h1a及び内部標準
ゲル2:H4a、h6a及び内部標準
ゲル3:H6a、h9a及び内部標準
ゲル4:H2b、h1b及び内部標準
ゲル5:H4b、h6b及び内部標準
ゲル6:H6b、h9b及び内部標準
ゲル7:H2c、h1c及び内部標準
ゲル8:H4c、h6c及び内部標準
ゲル9:H6c、h9c及び内部標準
したがって、ゲル1〜3、4〜6及び7〜9はそれぞれ受粉後12週、16週及び18週の高収量ヤシ対低収量ヤシの比較に相当する。
【0102】
等電点電気泳動及びSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動:
標識サンプルをpH4〜7のIPGストリップ上にロードした後、等電点電気泳動(「IEF」)はAmersham BioSciencesの公知のプロトコールである2−D Electrophoresis:Principles and Methods、43〜72ページ(2004年)に従って行われた。IEFが終了した後、IPGストリップは調製したての平衡バッファー1(6M尿素、30%グリセロール、2%SDS、微量のブロモフェノールブルー及び10mg/ml DTTを含有する50mM Tris−HCl、pH8.8)中で15分間、穏やかに振とうしながらインキュベートされた。次いでIPGストリップは調製したての平衡バッファー2(6M尿素、30%グリセロール、2%SDS、微量のブロモフェノールブルー及び45mg/ml DTTを含有する50mM Tris−HCl、pH8.8)中で10分間、穏やかに振とうしながらすすがれた。IPGストリップはSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(「SDS−PAGE」)ゲル泳動バッファー中ですすがれ、次いで12%SDS−PAGEゲルへと移された。SDS−PAGEゲルは15℃で、色素の先端がゲルから流出するまで泳動された。
【0103】
画像のスキャン及びデータ解析:
ゲル画像はSDS−PAGE後、Typhoon TRIO(Amersham BioSciences)をその公知の使用方法に従って用いることにより、直ちにスキャンされた。スキャンされた画像は次いでImage Quantソフトウェア(バージョン6.0、Amersham BioSciences)、続いてデサイダー(商標)2Dソフトウェアバージョン6.5(Amersham BioSciences)を用いた生物学的変動解析(「BVA」)により解析された。
【0104】
結果
2D−DIGE解析ゲルからの結果:
2D−DIGE解析ゲルからの結果は図1〜9に示され、それぞれ(1)H2a対h1a、(2)H4a対h6a、(3)H6a対h9a、(4)H2b対h1b、(5)H4b対h6b、(6)H6b対h9b、(7)H2c対h1c、(8)H4c対h6c、及び(9)H6c対h9cの比較に相当している。
【0105】
DIGE解析ゲルはゲル交差BVA解析に下のように用いられた。
i)Hb対hb、(H2b、H4b、H6b)対(h1b、h6b、h9b)に相当
ii)Ha対ha、(H2a、H4a、H6a)対(h1a、h6a、h9a)に相当
iii)Hc対hc、(H2c、H4c、H6c)対(h1c、h6c、h9c)に相当
iv)Ha対Hb対Hc、(H2a、H4a、H6a)対(H2b、H4b、H6b)対(H2c、H4c、H6c)に相当
v)ha対hb対hc、(h1a、h6a、h9a)対(h1b、h6b、h9b)対(h1c、h6c、h9c)に相当
【0106】
比較のため複数ゲルを照合してタンパク質存在量変化の統計解析を行うことに基づいて、BVA解析はタンパク質スポットの差次的な発現を正確に指し示すことを実現する。このBVA解析において統計的有意差を決定する目的で、サンプルサイズが小さい(n=3)ことからp値<0.1が各ゲル−ゲル間比較について適用された。このBVA解析で見出された差次的に発現したタンパク質の数は発現比が>1.5倍に変化したものに絞られた。相当するゲル中のタンパク質スポットは、人工的な条斑のない良好な品質/解像度を持つスポットであることを確認するため、目視でクロスチェックされた。選別されたスポットは続いて質量分析(「MS」)を通じた同定のために採取された。
【0107】
これらの方法に従って、図1〜9に丸印で囲まれ計数されているタンパク質スポットとして示されるように、84個のタンパク質スポットが差次的に発現したものとして、上記2D−DIGE解析の1つ以上における2D−DIGE BVA解析から検出された。
【0108】
84個のスポットはMALDI−ToF/ToFを通じた質量分析同定のためにさらに61個のスポットに絞られた。この絞り込みで実行された選択判断基準はi)DIGEゲル上でのスポットの可視性、ii)1.5倍を超えるタンパク質発現の差、及びiii)タンパク質アイソフォームの出現に基づくものであった。DIGEゲル上で明瞭に見えなかった、1.5倍を下回る発現変化であった、又は既に同定されているアイソフォームに基づく重複があった候補スポットは、さらなる解析のために選択されなかった。
【0109】
2D−DIGE分取ゲル:
3つの分取ゲルが3つのCyDye標識を用いて泳動された。個々のヤシからの総タンパク質サンプルは同定の目的のために混合されたが、その理由は個々のサンプルが十分なタンパク質を包含しなかったためである。分取ゲル用に選ばれたサンプルは下のものである。
ゲル1:H4a、h6a、他のHa/haの混合物
ゲル2:H4b、h6b、他のHb/hbの混合物
ゲル3:H2c、h1c、他のHc/hcの混合物
【0110】
分取ゲルは61個の対象タンパク質スポット全てをスポット採取するために用いられた。採取された各スポットについて、相当するタンパク質の同一性がMSにより決定された。具体的には、各タンパク質はMALDI−ToF/ToFに供され、そのペプチド断片のアミノ酸配列が決定され、配列は最も近いホモログ同定のためにNCBI非重複データベースと比較され、最も近いホモログの同一性に基づいて同一性がタンパク質に割り当てられた。
【0111】
この同一性解析は、表1に示されるようにアブラヤシ又は他の生物において以前に同定されたタンパク質と相同であり、かつ表2に示されるように高収量ヤシ若しくは低収量ヤシに関して及び/又は受粉後12週、16週若しくは18週の時点をまたがって差次的に発現していて、それ故にアブラヤシにおいて高収量特性/低収量特性に関連している、アブラヤシタンパク質に相当する45個の固有のタンパク質を同定する結果となった。具体的には、61個のタンパク質スポットのうち、8個が信頼性のない照合をもたらした、すなわち8個のタンパク質スポット各々とNCBI非重複データベースにおける最も近い相同タンパク質との間の照合用信頼性指数スコアは80%未満であった。これら8個のタンパク質スポットはそれ以上考慮されなかった。さらに8個のタンパク質スポットが繰り返しの同定をもたらした、すなわち他のタンパク質スポットに関して同定が重複した。これら8個のタンパク質スポットもまたそれ以上考慮されなかった。残りの45個の固有のタンパク質同定は以下のアブラヤシタンパク質に相当する。配列番号1を含む5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼ、配列番号2を含むアブシジン酸ストレス熟成タンパク質、配列番号3を含むアクチン6、配列番号4を含むアクチンE、配列番号5を含むビオチンカルボキシラーゼ前駆体、配列番号6を含むコーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼ、配列番号7を含むカタラーゼ2、配列番号8を含むリシナス・コムニス保存仮想的タンパク質オルソログ、配列番号9を含むフィブリリン様タンパク質、配列番号10を含むフラボドキシン様キノンレダクターゼ1、配列番号11を含むフルクトースビスホスフェートアルドラーゼ、配列番号12を含むグリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ、配列番号13を含むH0825G02.11オルソログ、配列番号14を含むリブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ大サブユニット、配列番号15を含むLea1P、配列番号16を含むメチオニンシンターゼタンパク質、配列番号17を含むミトコンドリアペルオキシレドキシン、配列番号18を含むOs02g0753300オルソログ、配列番号19を含むOs05g0482700オルソログ、配列番号20を含むOs12g0163700オルソログ、配列番号21を含むOSJNBb0085F13.17オルソログ、配列番号22を含むオストレオコッカス・ルシマリヌスCCE9901予測タンパク質オルソログ、配列番号23を含むフィスコミトレラ・パテンス亜種パテンス予測タンパク質オルソログ、配列番号24を含むポプルス・トリコカルパ予測タンパク質オルソログ、配列番号25を含むヴィティス・ヴィニフェラ仮想的タンパク質アイソフォーム1オルソログ、配列番号26を含む新生ポリペプチド関連複合体α、配列番号27を含むプロリンイミノペプチダーゼ、配列番号28を含むタンパク質トランスポーター、配列番号29を含むオリザ・サティバ・ジャポニカ群推定NBS−LRR病害抵抗性タンパク質ホモログオルソログ、配列番号30を含むRan GTPアーゼ結合タンパク質、配列番号31を含む葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼ、配列番号32を含むV型プロトンATPアーゼ触媒サブユニットA、配列番号33を含むリボヌクレアーゼ活性制御因子A、配列番号34を含むレトロエレメントpolポリタンパク質様オルソログ、配列番号35を含むリボソームタンパク質L10、配列番号36を含む短鎖型デヒドロゲナーゼ、配列番号37を含む温度誘導性リポカリン、配列番号38を含むピセア・シトケンシス未知タンパク質オルソログ、配列番号39を含む17.6kDaクラスI小熱ショックタンパク質、配列番号40を含むABC1ファミリータンパク質、配列番号41を含むグルタチオンペルオキシダーゼ、配列番号42を含むグルタチオンS−トランスフェラーゼ、配列番号43を含むグルタチオン−S−トランスフェラーゼθ、配列番号44を含むホスホリパーゼD、及び配列番号45を含むVIER F−ボックスタンパク質2。45個のタンパク質の配列は図10A〜Mに提供される。注目すべきことに、配列番号1、3〜6、8〜12、17〜21、24〜28、31〜33、35〜41、43及び44は、相当するmRNA転写物のヌクレオチド配列を決定することにより推定される完全長タンパク質のアミノ酸配列に相当し、これらタンパク質自体はMSにより決定されるタンパク質の様々な非連続ペプチド断片のアミノ酸配列に基づいて同定された。対照的に、配列番号2、7、13〜16、22、23、29、30、34、42及び45は、非完全長の、すなわち相当する完全長タンパク質のN末端若しくはC末端の配列が決定されていないタンパク質配列、又はMSにより決定されるタンパク質の様々な非連続ペプチド断片のアミノ酸配列に相当する。
【0112】
実施例2
45個の固有の差次的発現タンパク質の機能
実施例1で同定された45個の固有の差次的発現タンパク質は、表1に示されるように、予測される分子機能、経路関係及び酵素分類に基づいて注釈を付けられた。驚くべきことに、45個のタンパク質のうち、3個のみが機能的に脂質代謝に関連している。3個のタンパク質はホスホリパーゼD、ビオチンカルボキシラーゼ前駆体及びフルクトースビスホスフェートアルドラーゼである。さらに17個のみがいわゆるKEGG経路、すなわち炭水化物、アミノ酸、脂質、ヌクレオチド、エネルギー又は二次代謝物の代謝においてそこに属するタンパク質が役割を果たす経路へのマッピングに成功したが、このマッピングはhttp://www.genome.jp/keg/pathway,htmlにて利用可能である(最終アクセスは2010年11月)、KEGG(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes)経路データベースに従ったものである。17個のタンパク質としては、上記3個の脂質代謝タンパク質と、5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼ、コーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼ、カタラーゼ2、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ、リブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ大サブユニット、メチオニンシンターゼタンパク質、プロリンイミノペプチダーゼ、Ran GTPアーゼ結合タンパク質、葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼ、V型プロトンATPアーゼ触媒サブユニットA、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、グルタチオン−S−トランスフェラーゼθ及びVIER F−ボックスタンパク質2が挙げられる。残りの28個の差次的発現タンパク質は油の生合成に関与することは知られていなかった。残りのタンパク質としては、アブシジン酸ストレス熟成タンパク質、アクチン6、アクチンE、リシナス・コムニス保存仮想的タンパク質オルソログ、フィブリリン様タンパク質、フラボドキシン様キノンレダクターゼ1、H0825G02.11オルソログ、Lea1P、ミトコンドリアペルオキシレドキシン、Os02g0753300オルソログ、Os05g0482700オルソログ、Os12g0163700オルソログ、OSJNBb0085F13.17オルソログ、オストレオコッカス・ルシマリヌスCCE9901予測タンパク質オルソログ、フィスコミトレラ・パテンス亜種パテンス予測タンパク質オルソログ、ポプルス・トリコカルパ予測タンパク質オルソログ、ヴィティス・ヴィニフェラ仮想的タンパク質アイソフォーム1オルソログ、新生ポリペプチド関連複合体α、タンパク質トランスポーター、オリザ・サティバ・ジャポニカ群推定NBS−LRR病害抵抗性タンパク質ホモログオルソログ、リボヌクレアーゼ活性制御因子A、レトロエレメントpolポリタンパク質様オルソログ、リボソームタンパク質L10、短鎖型デヒドロゲナーゼ、温度誘導性リポカリン、ピセア・シトケンシス未知タンパク質オルソログ、17.6kDaクラスI小熱ショックタンパク質及びABC1ファミリータンパク質が挙げられる。
【0113】
実施例3
様々な45個の固有の差次的発現タンパク質のドットブロットに基づく検出
目的
目的は、実施例1のDIGE実験から取得されたタンパク質の導出を高収量アブラヤシ及び低収量アブラヤシのより大きな集団において検証することを包含した。
【0114】
方法
サンプル:6つの時点、すなわち受粉後12週、14週、16週、18週、20週及び22週にまたがって取得された、8個の高収量ヤシ及び8個の低収量ヤシの中果皮組織が用いられた。
【0115】
抗体:45個の固有の差次的発現タンパク質のうち27個に対する抗体が表3に指し示すように様々な供給者から取得された。
【0116】
タンパク質の抽出(TCA抽出):−20℃で予め冷却されたTCA抽出バッファー(10%TCA(10g)、0.007%DTT(70mg)及びアセトン(最終容量100mlになるように)を含有し、−20℃で保存された)(0.2g+0.5ml)は微細な粉末形態の中果皮サンプルに添加された。サンプルは小型のプラスチックの粉砕機を用いてさらに粉砕された。サンプルは混合され、よくすりつぶされた。次いで新たに1mlのバッファーが添加されて、サンプルは−20℃で1時間インキュベートされた。サンプルは次いで最大速度(13.2g)で4℃において15分間遠心分離に供された。チューブは氷上に静置され、上清がピペットを用いて除去された。1.8ml量の洗浄バッファー(0.007%DTT(70mg)及びアセトン(最終容量100mlになるように)を含有し、−20℃で保存された)が添加され、ペレットは再懸濁されてピペットチップを用いて押しつぶされた。サンプルは次いで−20℃で1時間インキュベートされた。サンプルは最大速度で4℃において15分間、再び遠心分離に供された。上清が除去され、洗浄ステップは合計3回繰り返された。サンプル粉末は氷上で30分間風乾された。乾燥粉末は次いで500μlの溶解/USBバッファー(9M尿素(5.4g)、4%CHAPS(0.4g)、1%DTT(0.1g)、1%両性電解質pH3〜10(250μl)、35mM Tris Base(0.0424g)、滅菌MilliQ水(最終容量10mlになるように)を含有し、全て0.2μm孔径の膜を通じて濾過されて−20℃で保存された)に再懸濁された。サンプルは37℃で1時間、連続振とうしながらインキュベートされた。サンプルは最大速度で室温において15分間遠心分離に供された。上清はきれいなチューブに移されて−80℃で保存された。ペレットはさらなる使用のためのバックアップとして−80℃で保存された。タンパク質をペレットからさらに溶出するため、追加で500μlの溶解/USBバッファーを添加し、その後にペレットを室温で1時間振とうしながらインキュベートし、バックアップの上清をきれいなマイクロ遠心チューブに移し、最後に−80℃で保存することが可能である。
【0117】
タンパク質の定量(Bradfordアッセイ):タンパク質ストックの5倍希釈に相当するサンプルが定量化のために調製された。BSAストック濃度は1.4μg/μlであった。2倍段階希釈で6点が標準曲線を作成するのに用いられた。サンプルについて取得された濃度は0.244μg/μl(最低)〜2.934μg/μl(最高)の範囲であった。タンパク質ストックの濃度を決定することで、終濃度0.2μg/μlの作業ストック(330μl)が膜上へのドットブロットのためにPBSバッファー(+10%グリセロール)を用いて調製された。
【0118】
ドットブロットスクリーニング:
386ピンのレプリケーターを用いたドットブロットアレイ:各ブロットについて、ニトロセルロース膜が2.95×4.6インチに切断され、シングルウェルプレート上に貼られた。プレートは別の空プレートの上部で膜が積み重ねられ、次いでスタンプガイドが両プレートにわたって積み重ねられた。タンパク質サンプルは2つの濃度、0.20μg/μl及び0.02μg/μl(10×希釈)に調製された。レプリケーターは386ウェルプレート内に浸され、旋回された。レプリケーターは持ち上げられて、ガイドピンはスタンプガイド上のガイドスロットに入れられた。ブロットは次いでスタンプされ、扇風乾燥された。膜が完全に乾燥したら、スタンプ手順は合計5回繰り返された(レプリケーターのピンは0.2μlのサンプルを運搬するため、0.20μg又は0.02μgのタンパク質をそれぞれのスポット上にスタンプすることに等しい)、膜は各処置の後に扇風乾燥された。膜は次いで一晩風乾された。膜はプレートから除去され、サイズを切り下げられた。膜は元の保護紙の間に挟まれた状態で維持され、気密容器中で乾燥環境下で使用まで保存された。
【0119】
スクリーニングのための調製:個々の膜はガラススライド上に、スライド毎に2個ずつ、背面が内向きに面するように切り抜かれた。切り抜かれた膜は冷0.1%PBS−T(pH7.4)で満たされた容器内に浸され、速度およそ7でマグネチックスターラー上で40分間撹拌された。0.1%PBS−Tは冷0.05%PBS−Tで置換され、洗浄が15分間続けられた。0.05%PBS−Tは新しい冷0.05%PBS−Tで置換され、撹拌が7分間続けられた後、置換ステップ及び撹拌ステップが繰り返された。
【0120】
抗体のインキュベーション:膜は清浄で適切なサイズのインキュベーション容器内に敷かれ、膜の下に閉じ込められた泡は全て除去された。1ml量のPBS−T 0.05%が何もない膜上にピペットで移され、1mlの抗体が相当する膜上でPBS−T 0.05%中で希釈された。膜は振とうされ、膜表面全体が覆われたことが確実にされた。容器は湿った状態を維持するため、ラップフィルムで包む前に湿ったc折タオルで覆われた。膜は次いで、個々の抗体に最適な条件に応じて、Belly Dancer実験室用振とう機上で4℃で一晩又は室温で2〜3時間インキュベートされた。用いられた血清はさらなる実験のために保持されるか、又はオートクレーブされるためにボトル内に廃棄された。膜はガラススライド上に切り抜かれた。膜は冷0.05%PBS−T中で15分間洗浄され、次いで新しい0.05%PBS−T中で2回、各々の回で7分間洗浄された。膜は清潔なインキュベーション容器内に再び敷かれ、膜の下に泡が閉じ込められていないことが確実にされた。0.05%PBS−T中で希釈された1ml量の二次抗体が各々の膜に添加された。バックグラウンドのシグナルを伴う二次抗体について、1%BSAを用いて室温で40分間振とうしながら前吸着が行われた。容器は上と同様のパターンで覆われ、Belly Dancer実験室用振とう機上で室温において2.5時間インキュベートされた。二次抗体は廃棄され、次いで上述の洗浄ステップが15分間、7分間及び7分間、各々の回で新しい冷0.05%PBS−Tを用いて繰り返された。
【0121】
顕色及び記録:膜はインキュベーション容器内に再び敷かれ、膜の下に泡が閉じ込められていないことが確実にされ、残存0.05%PBS−Tは全て膜からはじいて飛ばされた。新しいNBT/BCIPは製造業者のガイドラインに従ってアルカリホスファターゼ(AP)バッファー(100mM Tris[pH9.0]、150mM NaCl、1mM MgCl)を用いて調製された。1.5ml量のNBT/BCIP溶液が各々の膜に添加され、その後Belly Dancer実験室用振とう機上で陽性対照の紫色が良好に顕色されるまで(およそ30〜45分)インキュベートされた。反応は次いで膜を水中ですすいで浸すことにより停止された。顕色された膜はHP紙スキャナーをHP Directorソフトウェアと共に(膜が湿っているうちに)用いることによりスキャンされ、結果の画像はTIFF形式で保存された。設定は(a)ハイライト:255、(b)シャドー:50、(c)中間色:2.00、(d)シャープ化:中、(e)解像度:150、及び(f)ホワイトレベル:240であった。スキャンされた画像はAdobe Photoshop C84 Extended&Olympus Microソフトウェアを用いることによりさらに加工され、スポット濃度が自動的に取り込まれてMicrosoft Excelスプレッドシートへと変換された。ドットブロットイムノアッセイから生じたデータはMann Whitney統計検定を用いて解析された。
【0122】
結果
ドットブロットイムノアッセイの結果は、表4に示されるように、アッセイに供された27個のタンパク質のうち11個について発現の有意な差を指し示した。具体的には、受粉後12週に試験された中果皮において、コーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼ、葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼ、ABC1ファミリータンパク質、新生ポリペプチド関連複合体α、グルタチオンペルオキシダーゼ及びフルクトースビスホスフェートアルドラーゼのタンパク質が差次的に発現していることが見出された。受粉後14週に試験された中果皮において、新生ポリペプチド関連複合体α及びリボソームタンパク質L10が高収量ヤシと低収量ヤシとの間で差次的に発現していることが見出された。受粉後16週に試験された中果皮において、葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼが差次的に発現していた。受粉後20週に試験された中果皮において、グルタチオン−S−トランスフェラーゼθ及びフィスコミトレラ・パテンス亜種パテンス予測タンパク質オルソログが高収量及び低収量の中果皮において差次的に発現していた。そして受粉後22週に試験された中果皮において、リブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼタンパク質大サブユニット及び17.6kDaクラスI小熱ショックタンパク質が高収量ヤシと低収量ヤシとの間で差次的に発現していた。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本明細書に開示される方法及びキットは高収量のアブラヤシの取得及び試験アブラヤシ植物の油収量の予測に有用であり、それ故に商業的なパーム油生産の改良に有用である。
【0124】
【表1−1】


【表1−2】


【表1−3】


【表1−4】


【表1−5】


【表1−6】

【0125】
【表2−1】


【表2−2】


【表2−3】


【表2−4】


【表2−5】


【表2−6】

【0126】
【表3】

【0127】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルを決定するステップであって、前記タンパク質が、5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼ、アブシジン酸ストレス熟成タンパク質、アクチン6、アクチンE、ビオチンカルボキシラーゼ前駆体、コーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼ、カタラーゼ2、リシナス・コムニス保存仮想的タンパク質オルソログ、フィブリリン様タンパク質、フラボドキシン様キノンレダクターゼ1、フルクトースビスホスフェートアルドラーゼ、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ、H0825G02.11オルソログ、リブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ大サブユニット、Lea1P、メチオニンシンターゼタンパク質、ミトコンドリアペルオキシレドキシン、Os02g0753300オルソログ、Os05g0482700オルソログ、Os12g0163700オルソログ、OSJNBb0085F13.17オルソログ、オストレオコッカス・ルシマリヌスCCE9901予測タンパク質オルソログ、フィスコミトレラ・パテンス亜種パテンス予測タンパク質オルソログ、ポプルス・トリコカルパ予測タンパク質オルソログ、ヴィティス・ヴィニフェラ仮想的タンパク質アイソフォーム1オルソログ、新生ポリペプチド関連複合体α、プロリンイミノペプチダーゼ、タンパク質トランスポーター、オリザ・サティバ・ジャポニカ群推定NBS−LRR病害抵抗性タンパク質ホモログオルソログ、Ran GTPアーゼ結合タンパク質、葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼ、V型プロトンATPアーゼ触媒サブユニットA、リボヌクレアーゼ活性制御因子A、レトロエレメントpolポリタンパク質様オルソログ、リボソームタンパク質L10、短鎖型デヒドロゲナーゼ、温度誘導性リポカリン及びピセア・シトケンシス未知タンパク質オルソログからなる群から選択されるステップと、
(ii)親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の前記タンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の前記タンパク質レベルとの間に差があるかを決定するステップと、
(iii)前記差に基づいて親アブラヤシ植物の後代を選択して高収量のアブラヤシ植物を取得するステップと
を含む、高収量のアブラヤシ植物を取得する方法。
【請求項2】
5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼが配列番号1を含み、アブシジン酸ストレス熟成タンパク質が配列番号2を含み、アクチン6が配列番号3を含み、アクチンEが配列番号4を含み、ビオチンカルボキシラーゼ前駆体が配列番号5を含み、コーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼが配列番号6を含み、カタラーゼ2が配列番号7を含み、リシナス・コムニス保存仮想的タンパク質オルソログが配列番号8を含み、フィブリリン様タンパク質が配列番号9を含み、フラボドキシン様キノンレダクターゼ1が配列番号10を含み、フルクトースビスホスフェートアルドラーゼが配列番号11を含み、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼが配列番号12を含み、H0825G02.11オルソログが配列番号13を含み、リブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ大サブユニットが配列番号14を含み、Lea1Pが配列番号15を含み、メチオニンシンターゼタンパク質が配列番号16を含み、ミトコンドリアペルオキシレドキシンが配列番号17を含み、Os02g0753300オルソログが配列番号18を含み、Os05g0482700オルソログが配列番号19を含み、Os12g0163700オルソログが配列番号20を含み、OSJNBb0085F13.17オルソログが配列番号21を含み、オストレオコッカス・ルシマリヌスCCE9901予測タンパク質オルソログが配列番号22を含み、フィスコミトレラ・パテンス亜種パテンス予測タンパク質オルソログが配列番号23を含み、ポプルス・トリコカルパ予測タンパク質オルソログが配列番号24を含み、ヴィティス・ヴィニフェラ仮想的タンパク質アイソフォーム1オルソログが配列番号25を含み、新生ポリペプチド関連複合体αが配列番号26を含み、プロリンイミノペプチダーゼが配列番号27を含み、タンパク質トランスポーターが配列番号28を含み、オリザ・サティバ・ジャポニカ群推定NBS−LRR病害抵抗性タンパク質ホモログオルソログが配列番号29を含み、Ran GTPアーゼ結合タンパク質が配列番号30を含み、葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼが配列番号31を含み、V型プロトンATPアーゼ触媒サブユニットAが配列番号32を含み、リボヌクレアーゼ活性制御因子Aが配列番号33を含み、レトロエレメントpolポリタンパク質様オルソログが配列番号34を含み、リボソームタンパク質L10が配列番号35を含み、短鎖型デヒドロゲナーゼが配列番号36を含み、温度誘導性リポカリンが配列番号37を含み、ピセア・シトケンシス未知タンパク質オルソログが配列番号38を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記差が、受粉後11〜13週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼのレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼのレベルより高いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記差が、受粉後11〜13週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のアブシジン酸ストレス熟成タンパク質のレベルが受粉後15〜19週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のアブシジン酸ストレス熟成タンパク質のレベルより高いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記差が、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のアクチン6のレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のアクチン6のレベルより低いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記差が、受粉後15〜19週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のアクチンEのレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のアクチンEのレベルより高いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記差が、受粉後15〜19週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のビオチンカルボキシラーゼ前駆体のレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のビオチンカルボキシラーゼ前駆体のレベルより高いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
前記差が、受粉後11〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のコーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼのレベルが受粉後11〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のコーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼのレベルより低いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
前記差が、受粉後11〜19週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のカタラーゼ2のレベルが受粉後11〜19週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のカタラーゼ2のレベルより高いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
前記差が、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のリシナス・コムニス保存仮想的タンパク質オルソログのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のリシナス・コムニス保存仮想的タンパク質オルソログのレベルより高いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項11】
前記差が、受粉後11〜13週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフィブリリン様タンパク質のレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフィブリリン様タンパク質のレベルより高いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項12】
前記差が、受粉後11〜19週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフラボドキシン様キノンレダクターゼ1のレベルが受粉後11〜19週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフラボドキシン様キノンレダクターゼ1のレベルより低いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項13】
前記差が、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフルクトースビスホスフェートアルドラーゼのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフルクトースビスホスフェートアルドラーゼのレベルより高いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項14】
前記差が、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のグリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のグリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼのレベルより低いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項15】
前記差が、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のH0825G02.11オルソログのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のH0825G02.11オルソログのレベルより低いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項16】
前記差が、受粉後17〜19週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のリブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ大サブユニットのレベルが受粉後17〜19週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のリブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ大サブユニットのレベルより高いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項17】
前記差が、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のLea1Pのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のLea1Pのレベルより高いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項18】
前記差が、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のメチオニンシンターゼタンパク質のレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のメチオニンシンターゼタンパク質のレベルより低いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項19】
前記差が、受粉後11〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のミトコンドリアペルオキシレドキシンのレベルが受粉後11〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のミトコンドリアペルオキシレドキシンのレベルより高いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項20】
前記差が、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のOs02g0753300オルソログのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のOs02g0753300オルソログのレベルより高いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項21】
前記差が、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のOs05g0482700オルソログのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のOs05g0482700オルソログのレベルより低いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項22】
前記差が、受粉後15〜19週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のOs12g0163700オルソログのレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のOs12g0163700オルソログのレベルより高いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項23】
前記差が、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のOSJNBb0085F13.17オルソログのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のOSJNBb0085F13.17オルソログのレベルより低いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項24】
前記差が、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のオストレオコッカス・ルシマリヌスCCE9901予測タンパク質オルソログのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のオストレオコッカス・ルシマリヌスCCE9901予測タンパク質オルソログのレベルより高いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項25】
前記差が、受粉後11〜13週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフィスコミトレラ・パテンス亜種パテンス予測タンパク質オルソログのレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のフィスコミトレラ・パテンス亜種パテンス予測タンパク質オルソログのレベルより低いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項26】
前記差が、受粉後11〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のポプルス・トリコカルパ予測タンパク質オルソログのレベルが受粉後11〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のポプルス・トリコカルパ予測タンパク質オルソログのレベルより低いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項27】
前記差が、受粉後11〜13週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のヴィティス・ヴィニフェラ仮想的タンパク質アイソフォーム1オルソログのレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のヴィティス・ヴィニフェラ仮想的タンパク質アイソフォーム1オルソログのレベルより高いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項28】
前記差が、受粉後11〜19週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の新生ポリペプチド関連複合体αのレベルが受粉後11〜19週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の新生ポリペプチド関連複合体αのレベルより高いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項29】
前記差が、受粉後15〜19週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のプロリンイミノペプチダーゼのレベルが受粉後15〜19週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のプロリンイミノペプチダーゼのレベルより高いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項30】
前記差が、受粉後11〜13週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質トランスポーターのレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質トランスポーターのレベルより低いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項31】
前記差が、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のオリザ・サティバ・ジャポニカ群推定NBS−LRR病害抵抗性タンパク質ホモログオルソログのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のオリザ・サティバ・ジャポニカ群推定NBS−LRR病害抵抗性タンパク質ホモログオルソログのレベルより低いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項32】
前記差が、受粉後11〜13週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のRan GTPアーゼ結合タンパク質のレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のRan GTPアーゼ結合タンパク質のレベルより高いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項33】
前記差が、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼのレベルより低いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項34】
前記差が、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のV型プロトンATPアーゼ触媒サブユニットAのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のV型プロトンATPアーゼ触媒サブユニットAのレベルより低いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項35】
前記差が、受粉後15〜19週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のリボヌクレアーゼ活性制御因子Aのレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のリボヌクレアーゼ活性制御因子Aのレベルより高いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項36】
前記差が、受粉後11〜13週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のレトロエレメントpolポリタンパク質様オルソログのレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のレトロエレメントpolポリタンパク質様オルソログのレベルより低いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項37】
前記差が、受粉後11〜13週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のリボソームタンパク質L10のレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のリボソームタンパク質L10のレベルより低いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項38】
前記差が、受粉後15〜19週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の短鎖型デヒドロゲナーゼのレベルが受粉後11〜13週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の短鎖型デヒドロゲナーゼのレベルより高いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項39】
前記差が、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の温度誘導性リポカリンのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の温度誘導性リポカリンのレベルより高いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項40】
前記差が、受粉後15〜17週である親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のピセア・シトケンシス未知タンパク質オルソログのレベルが受粉後15〜17週である参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のピセア・シトケンシス未知タンパク質オルソログのレベルより高いことである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項41】
(i)親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の少なくとももう1つ他のタンパク質のレベルを決定するステップと、
(ii)親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の前記他のタンパク質のレベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の前記他のタンパク質のレベルとの間に差があるかを決定するステップと、
(iii)前記他のタンパク質のレベルに関する差にも基づいて親アブラヤシ植物の後代を選択して高収量のアブラヤシ植物を取得するステップと
をさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項42】
前記差が二次元蛍光ディファレンスゲル電気泳動、抗体に基づく検出、イムノブロット検出及びドットブロット検出からなる群から選択される技術により決定される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項43】
親アブラヤシ植物がdura育種用親株であり、
後代がdura育種用親株及びtenera農業生産植物からなる群から選択されるアブラヤシ植物を含み、
高収量のアブラヤシ植物がdura育種用親株及びtenera農業生産植物からなる群から選択される、
請求項1〜42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
親アブラヤシ植物がtenera育種用親株であり、
後代がtenera育種用親株、pisifera育種用親株及びtenera農業生産植物からなる群から選択されるアブラヤシ植物を含み、
高収量のアブラヤシ植物がtenera育種用親株及びtenera農業生産植物からなる群から選択される、
請求項1〜42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
(i)請求項1〜44のいずれか一項に記載の方法により高収量のアブラヤシ植物を取得するステップと、
(ii)高収量のアブラヤシ植物の果実からパーム油を分離するステップと
を含む、高収量のアブラヤシ植物からパーム油を取得する方法。
【請求項46】
(i)試験アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルを決定するステップであって、前記タンパク質が、5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼ、アブシジン酸ストレス熟成タンパク質、アクチン6、アクチンE、ビオチンカルボキシラーゼ前駆体、コーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼ、カタラーゼ2、リシナス・コムニス保存仮想的タンパク質オルソログ、フィブリリン様タンパク質、フラボドキシン様キノンレダクターゼ1、フルクトースビスホスフェートアルドラーゼ、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ、H0825G02.11オルソログ、リブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ大サブユニット、Lea1P、メチオニンシンターゼタンパク質、ミトコンドリアペルオキシレドキシン、Os02g0753300オルソログ、Os05g0482700オルソログ、Os12g0163700オルソログ、OSJNBb0085F13.17オルソログ、オストレオコッカス・ルシマリヌスCCE9901予測タンパク質オルソログ、フィスコミトレラ・パテンス亜種パテンス予測タンパク質オルソログ、ポプルス・トリコカルパ予測タンパク質オルソログ、ヴィティス・ヴィニフェラ仮想的タンパク質アイソフォーム1オルソログ、新生ポリペプチド関連複合体α、プロリンイミノペプチダーゼ、タンパク質トランスポーター、オリザ・サティバ・ジャポニカ群推定NBS−LRR病害抵抗性タンパク質ホモログオルソログ、Ran GTPアーゼ結合タンパク質、葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼ、V型プロトンATPアーゼ触媒サブユニットA、リボヌクレアーゼ活性制御因子A、レトロエレメントpolポリタンパク質様オルソログ、リボソームタンパク質L10、短鎖型デヒドロゲナーゼ、温度誘導性リポカリン及びピセア・シトケンシス未知タンパク質オルソログからなる群から選択されるステップと、
(ii)試験アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の前記タンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の前記タンパク質レベルとの間に差があるかを決定するステップと、
(iii)前記差に基づいて試験アブラヤシ植物の油収量を予測するステップと
を含む、試験アブラヤシ植物の油収量を予測する方法。
【請求項47】
5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼが配列番号1を含み、アブシジン酸ストレス熟成タンパク質が配列番号2を含み、アクチン6が配列番号3を含み、アクチンEが配列番号4を含み、ビオチンカルボキシラーゼ前駆体が配列番号5を含み、コーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼが配列番号6を含み、カタラーゼ2が配列番号7を含み、リシナス・コムニス保存仮想的タンパク質オルソログが配列番号8を含み、フィブリリン様タンパク質が配列番号9を含み、フラボドキシン様キノンレダクターゼ1が配列番号10を含み、フルクトースビスホスフェートアルドラーゼが配列番号11を含み、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼが配列番号12を含み、H0825G02.11オルソログが配列番号13を含み、リブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ大サブユニットが配列番号14を含み、Lea1Pが配列番号15を含み、メチオニンシンターゼタンパク質が配列番号16を含み、ミトコンドリアペルオキシレドキシンが配列番号17を含み、Os02g0753300オルソログが配列番号18を含み、Os05g0482700オルソログが配列番号19を含み、Os12g0163700オルソログが配列番号20を含み、OSJNBb0085F13.17オルソログが配列番号21を含み、オストレオコッカス・ルシマリヌスCCE9901予測タンパク質オルソログが配列番号22を含み、フィスコミトレラ・パテンス亜種パテンス予測タンパク質オルソログが配列番号23を含み、ポプルス・トリコカルパ予測タンパク質オルソログが配列番号24を含み、ヴィティス・ヴィニフェラ仮想的タンパク質アイソフォーム1オルソログが配列番号25を含み、新生ポリペプチド関連複合体αが配列番号26を含み、プロリンイミノペプチダーゼが配列番号27を含み、タンパク質トランスポーターが配列番号28を含み、オリザ・サティバ・ジャポニカ群推定NBS−LRR病害抵抗性タンパク質ホモログオルソログが配列番号29を含み、Ran GTPアーゼ結合タンパク質が配列番号30を含み、葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼが配列番号31を含み、V型プロトンATPアーゼ触媒サブユニットAが配列番号32を含み、リボヌクレアーゼ活性制御因子Aが配列番号33を含み、レトロエレメントpolポリタンパク質様オルソログが配列番号34を含み、リボソームタンパク質L10が配列番号35を含み、短鎖型デヒドロゲナーゼが配列番号36を含み、温度誘導性リポカリンが配列番号37を含み、ピセア・シトケンシス未知タンパク質オルソログが配列番号38を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
(i)試験アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の少なくとももう1つ他のタンパク質のレベルを決定するステップと、
(ii)試験アブラヤシ植物の中果皮組織中の前記他のタンパク質のレベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中の前記他のタンパク質のレベルとの間に差があるかを決定するステップと、
(iii)前記他のタンパク質のレベルに関する差にも基づいて試験アブラヤシ植物の油収量を予測するステップと
をさらに含む、請求項46又は47に記載の方法。
【請求項49】
5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼ、アブシジン酸ストレス熟成タンパク質、アクチン6、アクチンE、ビオチンカルボキシラーゼ前駆体、コーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼ、カタラーゼ2、リシナス・コムニス保存仮想的タンパク質オルソログ、フィブリリン様タンパク質、フラボドキシン様キノンレダクターゼ1、フルクトースビスホスフェートアルドラーゼ、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ、H0825G02.11オルソログ、リブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ大サブユニット、Lea1P、メチオニンシンターゼタンパク質、ミトコンドリアペルオキシレドキシン、Os02g0753300オルソログ、Os05g0482700オルソログ、Os12g0163700オルソログ、OSJNBb0085F13.17オルソログ、オストレオコッカス・ルシマリヌスCCE9901予測タンパク質オルソログ、フィスコミトレラ・パテンス亜種パテンス予測タンパク質オルソログ、ポプルス・トリコカルパ予測タンパク質オルソログ、ヴィティス・ヴィニフェラ仮想的タンパク質アイソフォーム1オルソログ、新生ポリペプチド関連複合体α、プロリンイミノペプチダーゼ、タンパク質トランスポーター、オリザ・サティバ・ジャポニカ群推定NBS−LRR病害抵抗性タンパク質ホモログオルソログ、Ran GTPアーゼ結合タンパク質、葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼ、V型プロトンATPアーゼ触媒サブユニットA、リボヌクレアーゼ活性制御因子A、レトロエレメントpolポリタンパク質様オルソログ、リボソームタンパク質L10、短鎖型デヒドロゲナーゼ、温度誘導性リポカリン及びピセア・シトケンシス未知タンパク質オルソログからなる群から選択されるタンパク質を検出するための抗体と、
参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織の抽出物と
を含む、高収量のアブラヤシ植物を取得するためのキット。
【請求項50】
5−メチルテトラヒドロプテロイルトリグルタミン酸ホモシステインメチルトランスフェラーゼが配列番号1を含み、アブシジン酸ストレス熟成タンパク質が配列番号2を含み、アクチン6が配列番号3を含み、アクチンEが配列番号4を含み、ビオチンカルボキシラーゼ前駆体が配列番号5を含み、コーヒー酸O−メチルトランスフェラーゼが配列番号6を含み、カタラーゼ2が配列番号7を含み、リシナス・コムニス保存仮想的タンパク質オルソログが配列番号8を含み、フィブリリン様タンパク質が配列番号9を含み、フラボドキシン様キノンレダクターゼ1が配列番号10を含み、フルクトースビスホスフェートアルドラーゼが配列番号11を含み、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼが配列番号12を含み、H0825G02.11オルソログが配列番号13を含み、リブロース−1,5−ビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ大サブユニットが配列番号14を含み、Lea1Pが配列番号15を含み、メチオニンシンターゼタンパク質が配列番号16を含み、ミトコンドリアペルオキシレドキシンが配列番号17を含み、Os02g0753300オルソログが配列番号18を含み、Os05g0482700オルソログが配列番号19を含み、Os12g0163700オルソログが配列番号20を含み、OSJNBb0085F13.17オルソログが配列番号21を含み、オストレオコッカス・ルシマリヌスCCE9901予測タンパク質オルソログが配列番号22を含み、フィスコミトレラ・パテンス亜種パテンス予測タンパク質オルソログが配列番号23を含み、ポプルス・トリコカルパ予測タンパク質オルソログが配列番号24を含み、ヴィティス・ヴィニフェラ仮想的タンパク質アイソフォーム1オルソログが配列番号25を含み、新生ポリペプチド関連複合体αが配列番号26を含み、プロリンイミノペプチダーゼが配列番号27を含み、タンパク質トランスポーターが配列番号28を含み、オリザ・サティバ・ジャポニカ群推定NBS−LRR病害抵抗性タンパク質ホモログオルソログが配列番号29を含み、Ran GTPアーゼ結合タンパク質が配列番号30を含み、葉緑体トリオースリン酸イソメラーゼが配列番号31を含み、V型プロトンATPアーゼ触媒サブユニットAが配列番号32を含み、リボヌクレアーゼ活性制御因子Aが配列番号33を含み、レトロエレメントpolポリタンパク質様オルソログが配列番号34を含み、リボソームタンパク質L10が配列番号35を含み、短鎖型デヒドロゲナーゼが配列番号36を含み、温度誘導性リポカリンが配列番号37を含み、ピセア・シトケンシス未知タンパク質オルソログが配列番号38を含む、請求項49に記載のキット。
【請求項51】
親アブラヤシ植物の果実の中果皮組織中のタンパク質レベルと参照アブラヤシ植物の果実の中果皮組織の抽出物におけるタンパク質レベルとの間に差があるかを決定するための抗体の使用を指示する説明書をさらに含む、請求項49又は50に記載のキット。
【請求項52】
親アブラヤシ植物の後代を差に基づいて選択して高収量のアブラヤシ植物を取得することを指示する説明書をさらに含む、請求項51に記載のキット。
【請求項53】
少なくとももう1つ他のタンパク質を検出する少なくとももう1つ他の抗体をさらに含む、請求項49又は50に記載のキット。

【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図10G】
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【図10H】
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【図10I】
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【図10J】
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【図10K】
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【図10L】
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【図10M】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−99311(P2013−99311A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−12334(P2012−12334)
【出願日】平成24年1月24日(2012.1.24)
【出願人】(509095097)
【氏名又は名称原語表記】Sime Darby Malaysia Berhad
【住所又は居所原語表記】19th Floor, Wisma Sime Darby, Jalan Raja Laut, 50350 Kuala Lumpur, Malaysia
【Fターム(参考)】