説明

高周波用アンテナ及び高周波用アンテナ装置

【課題】 磁心にヘリカル状の導体を備えた高周波用アンテナにおいて、利得の向上が可能な高周波用アンテナ及び高周波用アンテナ装置を提供する。
【解決手段】 一方向に並べられた磁性体からなる複数の磁心と、前記複数の磁心に巻かれたヘリカル状の導体を備えた高周波用アンテナであって、前記複数の磁心は各磁心の間に幅0.05mm以上の磁気的なギャップを介して並べられていることを特徴とする高周波用アンテナであり、実装基板上に、前記高周波用アンテナを搭載したことを特徴とする高周波用アンテナ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、100MHz以上の高周波で用いるヘリカルタイプの高周波用アンテナ及び高周波用アンテナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高周波用アンテナは、携帯電話等の高周波用アンテナとして用いられるものや、無線LAN用やGPS (Global Positioning System)用の高周波用アンテナ、車載用のキーレスエントリーシステム用の高周波用アンテナとして使用されている。これらの高周波用アンテナは、携帯機器や車載部品等のごく限られた小空間内に搭載される。
【0003】
高周波用アンテナを高利得化するためには実効長を1/4波長や1/2波長の長さに近づけることが好ましい。高周波用アンテナにおいて、この実効長を実現するためには、例えば磁性体や誘電体の基体に導体を巻いて波長短縮効果を持たせたヘリカルタイプの高周波用アンテナが用いられる。例えば特許文献1には、長手方向に配列された棒状の複数の磁心と、複数の磁心に巻かれたヘリカル状の導体を備えた車載用のモノポール型の高周波アンテアが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2−58404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のアンテナは車両用アンテナとして曲面に沿って取り付けが可能となる効果は記載されているものの、棒状の磁心を用いたヘリカルタイプの高周波用アンテナにおいてどのように利得を向上させるかは一切の記述が無い。
【0006】
よって本発明は、磁心にヘリカル状の導体を備えた高周波用アンテナにおいて、利得の向上が可能な高周波用アンテナ及び高周波用アンテナ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明は、一方向に並べられた磁性体からなる複数の磁心と、前記複数の磁心に巻かれたヘリカル状の導体を備えた高周波用アンテナであって、
前記複数の磁心は各磁心の間に幅0.05mm以上の磁気的なギャップを介して並べられていることを特徴とする。
一体の細長い磁心やギャップ無しで複数の磁心を並べて用いた従来のアンテナに対し、複数の磁心を磁気的なギャップを介して並べて用いることで、磁心損失が小さく利得の高いアンテナとすることができる。
本発明の高周波用アンテナは複数の磁心を並べて用いるので、一体の細長い磁心を用いる場合と比較して、個々の磁心の長さが短くなる。磁心の複素透磁率μ”は100MHz〜1GHzの範囲で高周波側にピークをもつ曲線を描くが、反磁界が大きくなると異方性磁界の大きい磁心ではこの複素透磁率μ”のピークが全体的に高周波側に移動し、複素透磁率μ”を広い周波数帯域にわたって下げることができる。図5は5mm×2mm×2mmの磁心と、10mm×2mm×2mmの磁心を用いて周波数と複素透磁率μ”の関係を解析により調べた結果である。長軸方向が5mmの長さの磁心の方が、10mmの長さの磁心に対して複素透磁率μ”が広い周波数帯域にわたって小さい。本発明では、この複素透磁率μ”が小さい磁心を、互いの磁心が磁気的に一体にならないよう離して並べる事で、磁心全体の損失係数tanδ(=μ”/μ’)が下がり、磁心損失が小さくなるのでアンテナの利得を高めることができる。
【0008】
前記複数の磁心はそれぞれボビン内部に配置され、前記ボビンと共に前記ヘリカル状の導体に巻かれていることが好ましい。
ボビンの内部に配置することで、外力により各磁心の位置ずれを防止しやすく、上記磁気的なギャップのずれを防止できるので、高周波用アンテナの特性のばらつきを抑えることができる。
また、ボビンの内部に磁心を配置してボビンの周囲から磁心の周囲に導体を巻きつけてヘリカル状の導体を形成しているので、磁心に直接導体を巻く必要が無くなり、磁心や導体の破損を考慮せずにヘリカル状の導体を形成することが可能である。
【0009】
これらの高周波用アンテナを用いて高周波用アンテナ装置とすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ヘリカル状の導体と磁心を用いた高周波用アンテナにおいて、利得を向上可能な高周波用アンテナを提供できる。また、その高周波用アンテナを用いた高周波用アンテナ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態の高周波用アンテナの一例の斜視図である。
【図2】図1の高周波用アンテナの六面図である。
【図3】本実施形態の高周波用アンテナ装置の一例の斜視図である。
【図4】磁心間のギャップ幅と高周波用アンテナの放射効率の関係を示すグラフである。
【図5】磁心の長さによる周波数と複素透磁率μ”との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、これら実施例により本発明が限定されるものではない。
【0013】
図1は、本発明の実施形態の高周波用アンテナの一例の斜視図である。この実施形態の高周波用アンテナは、一方向に並べられた磁性体からなる複数の磁心と、この複数の磁心に巻かれた連続するヘリカル状の導体を備える。
複数の磁心の周囲にヘリカル状の導体を設けることで、実効長が磁性体の波長短縮効果により実質的に長くなり、これによりアンテナの実効長が波長の長さに実質的に近づく事で高周波用アンテナの利得を向上させることができる。
また、この高周波用アンテナにおいて、複数の磁心は各磁心の間に幅0.05mm以上の磁気的なギャップを介して並べられる。この磁気的なギャップは空隙でも良いし、非磁性の材質を磁心間に配置したものでも良い。
磁気的なギャップの幅(以後、ギャップ幅)は、磁心同士の最も近接した位置での幅を指すものとする。
【0014】
図4は図1に記載の高周波用アンテナの形態で、ギャップ幅を0mm〜2mmの範囲で変えた時のアンテナの放射効率を解析により求めた結果である。なお、図4は横軸が対数表示であるため、ギャップ幅0mmの解析結果は横軸0.001mmの位置にプロットした。磁心は5mm×2mm×2mmの直方体状とし、この磁心を長さ5mmの長軸方向にギャップ幅を介して二個並べる形状で解析を行なった。ヘリカル状の導体はボビンの周囲に幅12mmの範囲で巻き数が17ターンとした。図1の高周波用アンテナの詳細は後述する。
解析はギャップ幅を0mm,0.05mm,0.08mm,0.1mm,0.4mm,1.0mm,2.0mmとして行なった。磁心同士が接触するようなギャップ幅が狭い状態では十分な放射効率が得られず、ギャップ幅を0.05mm以上にすることで放射効率を改善することができる。さらに好ましいギャップ幅の範囲は0.08mm以上である。また、ギャップ幅が大きすぎると、複数の磁心がヘリカル状の導体における軸方向の幅に収まらなくなる。磁心がヘリカル状の導体からはみ出すとアンテナの波長短縮効果が十分に得られない。そのため、ギャップ幅は、複数の磁心がヘリカル状の導体における軸方向の幅に収まるように所定の幅以下に設定することが好ましい。
【0015】
磁心材質として複素透磁率μ”が小さい磁心を用いてコアロスを低減させることでアンテナの利得を向上できる。
磁心の数は特に限定されないが、磁心の個数が多いと製造工程が複雑になるため、アンテナの利得の向上効果と、製造コストとの兼ね合いから三個以下、さらには二個以下とすることが好ましい。
【0016】
磁心の上記一方向に垂直な面での面積を大きくすることで高周波用アンテナの利得を高めることができる。この面積はアンテナの配置スペースの大きさに応じて適宜設定される。
【0017】
磁心は四角柱や円柱などの柱状とすることが好ましい。隣接する磁心同士の対向面を平行にでき、ギャップ幅を一定にしやすいので利得の調整がしやすい。磁心は、全てが同じ形状や寸法でなくてもよく、例えば一つの磁心と他の磁心の上記一方向の長さが異なっていても良いし、上記一方向に垂直な面での面積が異なっていても良い。
【0018】
本発明の高周波用アンテナは、例えばダイボール型やモノポール型の高周波用アンテナとして使用できる。
【0019】
ヘリカル状の導体の一方の端部は給電部に接続される。他方の端部は開放端となるか、開放端を備えた放射導体に接続される構造とすることができる。ヘリカル状の導体の一方の端部と給電部の間に放射導体などの別のアンテナを配置してもよい。アンテナの実効長を長くすることができる。また装荷素子を配置して他の回路素子との整合を取っても良い。
【0020】
複数の磁心はヘリカル状の導体の内部において、給電部が接続される側に寄せて配置することが好ましい。電流分布の大きい給電部側に磁心を配置することで波長短縮効果を高めることができる。なお、波長短縮効果を得るためにヘリカル状の導体の軸方向ではみ出さないように複数の磁心を配置することが好ましい。
【0021】
磁心は磁性体を用いる。他の回路との整合を取るためにアンテナ単体のインピーダンスを50Ωとすることを前提とすると、誘電体をコアとする場合と比較してヘリカル状の導体の巻き数を極力減らすことができるので、100MHz〜10GHzの周波数帯域の信号を送受信する際にヘリカル状の導体の線間容量が増大することを抑制でき、伝送ロスや銅損を低減できる。
【0022】
磁心は例えばフェライト焼結体を用いることができる。フェライト焼結体は、例えばMn系、Ni系、Li系フェライトなどの既知の磁性体セラミック材料を用いることができる。また、Ba、CoおよびFeを主成分とするY型またはZ型の六方晶フェライトを主体とするフェライト焼結体を用いる事もできる。
100MHz以上の高周波数帯域において、広い周波数帯域で複素透磁率μ”が小さい材料が好ましい。
【0023】
本発明の高周波用アンテナは、複数の磁心がそれぞれボビン内部に配置され、前記ボビンと共に前記ヘリカル状の導体に巻かれていることが好ましい。
磁心がボビンの内部に配置することで各磁心の位置ずれを防止しやすく、ギャップ幅のずれを防止できるので、高周波用アンテナの特性のばらつきを抑えることができる。また、ボビンの内部に磁心を配置してボビンの周囲から磁心の周囲に導体を巻きつけているので、磁心に直接巻線を巻く必要が無くなり、磁心の破損を考慮せずに導体をヘリカル状に巻くことが可能である。
ボビンは非導電材料の液晶ポリマーなどで主に形成することができる。部分的に導電性の端子を形成することができる。
ボビンは内部に磁心を配置するための空間部を備える。空間部はボビンの表面に形成した溝の内部とすることもできるし、磁心を挿入可能な孔形状とする事もできる。中空の環状部材でもよい。この空間部は磁心を固定するために磁心の形状にあわせた内壁形状とすることが好ましい。この空間部に配置された磁心は、ボビンと磁心を嵌め合わせて固定しても良いし、接着剤で固定しても良い。
【0024】
ヘリカル状の導体はボビンに巻きつけられる。ヘリカル状の導体を巻きつけるボビンの部分を胴部と称する。この胴部にはヘリカル状の導体の巻きつける位置を特定するための溝を形成することもできる。導体同士の線間容量を一定にできるので、製品ごとの特性バラツキを低減できる。
ヘリカル状の導体の巻き幅は、波長短縮効果を得るために複数の磁心を並べた幅よりも幅広になるように形成することが好ましいので、上記胴部も同様に磁心よりも幅広になるように形成することが好ましい。
【0025】
ヘリカル状の導体の構成材料としては、銅、銀、金、アルミニウム、ニッケル及びその合金などの導電材料からなる導線が挙げられる。この銅、銀、金、アルミニウム、ニッケル等の材料には、耐候性等を向上させるために所定の元素を添加してもよい。また、導電材料と非金属材料等の合金を用いてもよい。構成材料としてコスト面や耐食性の面及び作り易さの面から銅及びその合金がよく用いられる。導電ペーストなども利用できる。
【0026】
本実施形態の高周波用アンテナおよび高周波用アンテナ装置を、図番を用いてさらに詳細に説明する。図2は図1の高周波用アンテナの6面図である。同じ部位には同じ番号を付けている。
【0027】
図1、図2の高周波用アンテナは車載用のアンテナの一実施形態であり、100MHz〜1GHzの周波数帯域で用いられる。この高周波用アンテナは、例えば導電性のグランド部などを備えた回路基板を実装基板としてその基板上に搭載される。
本実施形態の高周波用アンテナは、ボビン10と、ボビン10の内部に一方向に並べられた複数の磁性体181,182と、前記ボビン10の周囲に巻かれたヘリカル状の導体16を備える。なお、図中の磁心181,182はボビン内部に配置されて本来は外観では見えない部分も説明のため破線で示している。
本実施形態の磁心181,182はいずれも5mm×2mm×2mmの直方体形状であり、各磁心の間にはギャップ幅0.1mmの磁気ギャップ19が形成される。
磁心の材質として本実施形態では、BaOは17〜23mol%、CoOは17〜23mol%、Feは55〜65mol、SiO換算で0.1〜0.6重量部のSi、LiCO換算で0.1〜0.8重量部のLiからなるY型の六方晶フェライトを用いている。
【0028】
ボビンは長手方向の長さが42mm、高さが9.7mm、幅が4mmのブリッジ状であり、中央に形成された梁状の胴部とその両端側に存在する部位からなるブリッジ部17を備え、このブリッジ部17は実装基板上に搭載させるための脚部11,12を備える。脚部11,12の上記一方向における幅は9mmである。脚部11、12には金属板を折り曲げた金属端子13,14を備え、この金属端子13,14と共に液晶ポリマーでインジェクション成形することで一体のボビン10とすることができる。高周波用アンテナを実装基板に搭載する場合に脚部のみで接触するようにできるため、ボビン又は実装基板にゆがみや実装ずれが生じていてもアンテナの実装性が良好である。また、ヘリカル状の導体を実装基板から離れた位置で巻くことが可能になり、アンテナの実装時に導体の位置ずれの発生を防ぎやすいので、使用帯域での利得のバラツキを抑えることができる。
この実施形態では、ボビン長手方向の側面から突出する給電端子21、仮端子22を備える。給電端子21は金属端子13の金属板の一部で形成されている。これらの端子は厚さ0.3mmの導電材(りん青銅C5191、SUS304材、黄銅など)を打ち抜いたものが使用され、かつ、両金属端子は同じ形状に形成される。
磁心181、182はボビン10の上面側に形成された溝25の内部に配置される。
【0029】
ヘリカル状の導体16はボビンの胴部に巻かれる。つまり磁心181,182はボビン10と共にヘリカル状の導体16に巻かれる。ヘリカル状の導体16は、巻き数が17ターンで巻き幅は12mmである。
ヘリカル状の導体16は、上記一方向に直交する方向に見て、胴部の給電端子21側の端を巻き始めとしている。磁心181の端部はこのヘリカル状の導体16の巻き始めの位置に配置され、磁心181はヘリカル状の導体16の巻き幅内において給電端子側に寄った位置に配置される。また、ヘリカル状の導体16の一方の端部は給電端子21に接続される。
【0030】
本実施形態においては、ボビン10には、第2のアンテナ部となる線状の放射導体24が設けられている。アンテナの実効長を長くさせるために、また、コイル内部の磁束の流れを阻害させないために、この放射導体は前記一方向とほぼ平行に形成することが好ましい。モノポール型のアンテナとして実効長を長くすることが可能であり、アンテナの利得を向上することができる。
ヘリカル状の導体16の他方の端部は放射導体24に接続される。放射導体24がボビンに形成されているので、放射導体24は実装基板のゆがみの影響を受けにくいので高周波用アンテナの特性バラツキを極力抑えることができる。
【0031】
ヘリカル状の導体16は線径が50μm以上の銅線が用いられる。線径(断面形状が円形でない場合は同じ断面積の円形としたときの直径)が太い方が高周波用アンテナとしての利得が高くなるため、好ましくは線径は100μ以上、さらには150μm以上とすることが好ましい。但し線径が太すぎるとボビンの胴部に導体を巻きつける作業が困難になるだけでなく、ヘリカル状の導体の各線の間隔が狭くなるので線間容量が増大し、電力ロスが大きくなってしまう。導体の線形は好ましくは1mm以下、さらに好ましくは500μm以下とする。
【0032】
本実施形態において、ヘリカル状の導体16と線状の放射導体24とは連続する一本の導体により形成される。以下、導体の形態について述べる。
導体の一方の端部は、金属端子13に接続された給電端子21へはんだにより結線される。導体はボビンに形成された突起状の第1の係止部26に括られ、その後、ボビンに一定の間隔で巻かれ、ヘリカル状の導体となる。このターン数は、整合回路無しでアンテナ単体で交流抵抗50Ωにできるだけ近くなるように適宜調整することができるが、最終的にはチップLCで調整することもできる。導体はそのまま連続した状態で突起状の第2の係止部27に括られ、さらにその先が突起状の第3の係止部28で固定される。第1〜第3の係止部26〜28はボビンと一体の液晶ポリマーで形成される。第2の係止部27と第3の係止部28の間の導体は、第2のアンテナ部の放射導体24として機能し、磁心の長手方向と平行な方向に向けて直線的に形成される。第3の係止部28は半田ごてにより溶融され、放射導体24の他方の端部を固定する。放射導体24の長さは10.8mmである。
【0033】
ボビンには放射導体24の両側で形成される壁状のガイド30が形成され、アンテナが何らかの部材と近接した際に放射導体24に接触することを防ぎ、放射導体の断線や放射導体が両端の係止部から外れることを防止できる。
【0034】
図3は実装基板に図1、図2の高周波用アンテナ1を設置した高周波用アンテナ装置の斜視図である。実装基板40はグランド電極が形成されたグランド部41と、グランド電極が形成されていない非グランド部42が形成され、高周波用アンテナ1は非グランド部42の上に実装基板40の1辺に沿って配置される。
実装基板40は、高周波用アンテナの導体を励起するための給電手段44に接続された給電ライン43を備える。本発明において給電手段とは、ヘリカル状の導体や放射導体を励起するための給電手段そのものを指す事もあれば、実装基板とは別の位置に給電手段が配置される場合にはその給電手段に接続される給電ラインを指す事もある。給電ライン43の先端に高周波用アンテナ1の金属端子が固定される。給電手段44からの電力によりモノポール型の高周波用アンテナとして動作する。
図1の高周波用アンテナでは、放射導体が実装基板の搭載面から離れた位置でボビンに固定されているので、実装基板上に配置した場合にグランド電極などとの幾何学的平均距離が大きくなるので、イメージ電流がアンテナを流れる電流と異なるベクトル、例えば逆方向に流れてしまう場合でも電流を打ち消してしまう問題を防げるため、利得を向上できる。
【符号の説明】
【0035】
1:アンテナ
10:固定部材
11、12:脚部
13、14:金属端子
16:ヘリカル状の導体
17:ブリッジ部
18:磁心
19:磁気ギャップ
21:給電端子
22:仮端子
24:放射導体
25:溝
26:第1の係止部
27:第2の係止部
28:第3の係止部
30:壁
40:実装基板
41:グランド部
42:非グランド部
43:給電ライン
44:給電手段
100:アンテナ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に並べられた磁性体からなる複数の磁心と、前記複数の磁心に巻かれたヘリカル状の導体を備えた高周波用アンテナであって、
前記複数の磁心は各磁心の間に幅0.05mm以上の磁気的なギャップを介して並べられていることを特徴とする高周波用アンテナ。
【請求項2】
請求項1に記載のアンテナであって、
前記複数の磁心はそれぞれボビン内部に配置され、前記ボビンと共に前記ヘリカル状の導体に巻かれていることを特徴とする高周波用アンテナ。
【請求項3】
実装基板上に、請求項1又は請求項2のアンテナを搭載したことを特徴とする高周波用アンテナ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−98688(P2013−98688A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238482(P2011−238482)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005083)日立金属株式会社 (2,051)
【Fターム(参考)】