説明

高圧放電灯点灯装置及び光源装置

【課題】高ワットランプについて、フリッカ抑制のための電流波形制御を行う高圧放電灯点灯装置を提供する。
【解決手段】定格電力200〜330Wの高圧放電灯に交流電流を供給する電力供給回路、ランプ電圧を検出する検出回路、及び検出ランプ電圧に基づいて電力供給回路の出力電流波形を制御する制御部を備えた高圧放電灯点灯装置において、交流電流1ユニットが、周波数f1でmサイクル継続する電流部分I1及び周波数f2でnサイクル継続する矩形波の電流部分I2からなり、電流部分I1の半サイクルは、半サイクルの矩形波からなるベース電流部分Ib及び高周波のピーク電流部分Ipからなり、ピーク電流部分は直前のベース電流部分と同極性側の半サイクルの電流ピーク値がベース電流部分よりも高く、制御部が、検出ランプ電圧の上昇に対して電流部分I2の継続時間n/f2の比率を高くするように電力供給回路を制御する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高圧放電灯点灯装置及び光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、高圧放電灯におけるフリッカを抑制するために特殊な波形のランプ電流を高圧放電灯に投入する高圧放電灯点灯装置が知られている。例えば、特許文献1は、半サイクルの矩形波からなるベース電流部分とベース電流部分よりも高い周波数の1サイクルのピーク電流部分からなる交流ランプ電流波形によって、定格ランプ電力が120Wの高圧放電灯を点灯する高圧放電灯点灯装置を開示している。このような電流波形によると、ランプ点灯中に放電アークの起点が移動して発生するフリッカが防止される。
【0003】
ここでいうフリッカとは、高圧放電灯の点灯中に放電アークの起点が電極上を転々と移動してしまい、それにより光出力がちらついてしまう現象をいう。電極が突起状に成長する現象は必ずしも明確ではないが下記のように推測される。加熱させたタングステンが蒸発したことによって発光管内に存在するハロゲン等と結合し、タングステン化合物を形成する。このタングステン化合物は対流などによって管璧付近から電極先端付近へ拡散し、高温部でタングステン原子に分解される。そしてタングステン原子はアーク中で電離することで陽イオンとなる。交流点灯している両電極が陽極と陰極を点灯周波数ごとに繰り返すが、この陰極動作をしている時にアーク中の陽イオンは、電界によって陰極側に引き寄せられることで両電極先端に析出され、それが突起を形成するものと考えられている。
【0004】
また、特許文献2でも、半サイクルの矩形波からなるベース電流部分とベース電流部分よりも高い周波数の1サイクルのピーク電流部分からなる交流ランプ電流波形によって高圧放電灯を点灯する高圧放電灯点灯装置が開示され、同文献では、点灯開始後の立ち上がり制御から定電力制御への移行時前後でピーク電流部分の電流値又は時間幅を調整する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−244088号公報
【特許文献2】特開2008−159470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
確かに特許文献1又は2のようなランプ電流波形においてベース電流部分に対するピーク電流部分の波形比(ピーク値及び幅)を適正なものとすれば、効果的にフリッカの問題が解消されることが期待できる。しかし、ピーク電流部分の波形に起因するフリッカ抑制の効果は、ピーク電流部分のピーク値及び時間幅、それらのベース電流部分に対する比率、その時のランプ電圧、ランプの特性、ランプ電極の構造等、多数の要因に依存して異なるため、実際の検証は難しい。従って、多種のランプに同文献の技術を適用すると、各ランプ及びその寿命の程度に対してどのようなピーク電流波形が効果的なのかを特定するために多数のデータを取得する必要があり、開発効率が悪いという問題があった。
【0007】
特に、定格電力が200W付近を境として低ワットランプと高ワットランプとでは、それらの電極温度の差に起因して、ランプ電流に対する電極先端の突起の形成態様が異なる。そのため、特許文献1で開示されるような定格電力120W程度の低ワットランプに適する電流波形制御が必ずしも高ワットランプに適していない場合があるということも分かってきた。
【0008】
そこで、本発明は、定格電力が200W以上の高ワットランプについて、フリッカ抑制のための最適な電流波形制御を行う高圧放電灯点灯装置を提供することを課題とする。また、多種の仕様のランプについても効率よく設計可能な高圧放電灯点灯装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の側面は、定格ランプ電力が200W以上330W以下の高圧放電灯を点灯するための高圧放電灯点灯装置であって、高圧放電灯に交流電流を供給する電力供給回路、高圧放電灯のランプ電圧を検出する検出回路、及び検出回路による検出ランプ電圧に基づいて電力供給回路の出力電流波形を制御する制御部を備えた高圧放電灯点灯装置であって、交流電流の1ユニットが、第1の周波数f1でmサイクル継続する第1の電流部分I1及び第2の周波数f2でnサイクル継続する第2の電流部分I2からなり、第1の電流部分の半サイクルは、半サイクルの矩形波からなるベース電流部分Ibとベース電流部分に続くピーク電流部分Ipからなり、ピーク電流部分は、ベース電流部分よりも高い周波数の少なくとも1サイクルの高周波電流からなり、少なくとも、直前のベース電流部分と同極性側の半サイクルの電流ピーク値がベース電流部分の電流ピーク値よりも高く、第2の電流部分は矩形波電流からなり、制御部が、検出ランプ電圧の上昇に対して、第1の電流部分の継続時間m/f1と第2の電流部分の継続時間n/f2の合計に対する第2の電流部分の継続時間n/f2の比率αを高くするように電力供給回路を制御する高圧放電灯点灯装置である。
【0010】
ここで、ピーク電流部分が1サイクルの高周波電流からなり、ピーク電流部分の後半の半サイクルの電流ピーク値が、ベース電流部分の電流ピーク値及びピーク電流部分の前半の半サイクルの電流ピーク値よりも高くなるようにしてもよい。
【0011】
ここで、制御部が、検出ランプ電圧の上昇に対して、(1)第1の電流部分のサイクル数mを減少させ、(2)第2の電流部分のサイクル数nを増加させ、又は(3)第1の電流部分のサイクル数mを減少させかつ第2の電流部分のサイクル数nを増加させることによって比率αを高くするように電力供給回路を制御するようにしてもよい。
【0012】
また、制御部が、検出ランプ電圧の上昇に対して、(1)第1の周波数f1を上昇させ、(2)第2の周波数f2を低下させ、又は(3)第1の周波数f1を上昇させかつ第2の周波数f2を低下させることによって比率αを高くするように電力供給回路を制御するようにしてもよい。
【0013】
また、第1の周波数f1を40Hz以上60Hz以下とし、第2の周波数f2を40Hz以上60Hz以下とすることが好ましい。
【0014】
本発明の第2の側面は、上記第1の側面の高圧放電灯点灯装置、高圧放電灯点灯装置に接続される高圧放電灯、高圧放電灯が取り付けられるリフレクタ、並びに高圧放電灯点灯装置、高圧放電灯及びリフレクタを収容する筐体を備えた光源装置である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例による高圧放電灯点灯装置の回路構成図である。
【図2】本発明の実施例によるランプ電流波形の図である。
【図3A】本発明の変形例によるランプ電流波形の図である。
【図3B】本発明の他の変形例によるランプ電流波形の図である。
【図4】本発明の光源装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施例.
図1に本発明の実施例による高圧放電灯点灯装置(以下、「点灯装置」という)の回路構成を示す。点灯装置は、交流入力を直流化する整流平滑回路10、整流平滑回路10の出力電圧を降下して高圧放電灯(以下、「ランプ」という)60への電流を制限する降圧チョッパ回路20、降圧チョッパ回路20の出力を交流電流に変換してランプ60に投入するフルブリッジ回路40、降圧チョッパ回路20及びフルブリッジ回路40を制御する制御回路30、並びにイグナイタ50からなる。なお、本明細書では、整流平滑回路10、降圧チョッパ回路20及びフルブリッジ回路40を含んだ部分を電流供給回路というものとする。但し、点灯装置外部から直流電圧が供給される場合には整流平滑回路10は不要であるので、この場合は、回路20及びフルブリッジ回路40を含んだ部分を電流供給回路というものとする。
【0017】
本実施例では、ランプ60について、定格電力が200W〜330Wのもの、より具体的には、定格電力が220W(アーク長約0.7mm)、330W(アーク長約1.1mm)のランプ等を想定している。なお、本明細書において、「定格ランプ電力」と「定格電力」は同義である。
【0018】
降圧チョッパ回路20は、ランプ電力又はランプ電流が所定値となるように制御回路30によってPWM制御される。ランプ電力が所定値で一定となるように定電力制御を行う場合には、ランプ電圧検出抵抗31及び32によって検出されるランプ電圧とランプ電流検出抵抗33によって検出されるランプ電流の積(即ち、ランプ電力)がプロセッサ(マイクロコンピュータ)35に記憶された電力設定値と一致するようにPWM制御回路34によってトランジスタ21がPWM制御される。また、ランプ電流が所定値で一定となるように定電流制御を行う場合には、ランプ電流検出抵抗33によって検出されるランプ電流がプロセッサ35に記憶された電流設定値と一致するようにPWM制御回路34によってトランジスタ21がPWM制御される。
【0019】
フルブリッジ回路40では、ブリッジ制御回路45が、プロセッサ35において設定された反転タイミングでトランジスタ41及び44とトランジスタ42及び43とが交互にオン・オフ駆動する。これにより、所望の反転タイミングで極性が切り替わるランプ電流波形を形成できる。
【0020】
なお、イグナイタ回路50はランプ始動時に動作し、ランプ点灯開始後は非動作状態となる。本発明はランプ点灯開始後の動作に関するものであるため、その説明を省略する。
【0021】
上記より、電流供給回路は、プロセッサ35、PWM制御回路34及びブリッジ制御回路45(以下、これらの3構成要素をまとめて「制御部」という)によって、降圧チョッパ回路20の出力電流値を制御するとともにフルブリッジ回路40の極性反転タイミングを制御することにより、所望の波形の出力電流をランプ60に投入することができる。
【0022】
図2に、実施例におけるランプ電流波形を示す。図示するように、ランプ電流波形は、その1ユニットが周波数f1でmサイクルの第1の電流部分I1及び周波数f2でnサイクルの第2の電流部分I2からなる。なお、後述するように、m=0又はn=0の場合があってもよいが、好ましくは、m>0、n>0で、m及びnは0.5の倍数である。
【0023】
第1の電流部分I1の半サイクルは、半サイクルの矩形波からなるベース電流部分Ibとそれに続くピーク電流部分Ipからなる。ピーク電流部分Ipは、ベース電流部分Ibよりも高い周波数の少なくとも1サイクルの高周波電流からなり、直前のベース電流部分Ibと同極性側の半サイクルの電流ピーク値がベース電流部分Ibの電流ピーク値よりも高い。図2においては、ピーク電流部分Ipは1サイクルの高周波電流からなり、ピーク電流部分Ipの後半の半サイクルの電流ピーク値が、ベース電流部分Ibの電流ピーク値及びピーク電流部分Ipの前半の半サイクルの電流ピーク値よりも高い。第1の電流部分I1の周波数は40〜200Hzであり、好ましくは40〜60Hzである。なお、ピーク電流部分Ipの電流ピーク値はベース電流部分Ibの電流ピーク値の1.1〜2.0倍程度であればよく、ピーク電流部分Ipの周波数は500Hz〜10kHz程度であればよい。
第2の電流部分I2は矩形波電流からなり、その周波数は40Hz〜200Hz、好ましくは40Hz〜60Hzである。
【0024】
プロセッサ35は、電圧検出回路(抵抗31及び32)によって検出されたランプ電圧に応じて、第1の電流I1の継続時間T1と第2の電流I2の継続時間T2の合計に対する第2の電流I2の継続時間T2の比率α、即ち、T2/(T1+T2)を制御する。なお、T1=m/f1、T2=n/f2であり、α=(n/f2)/(m/f1+n/f2)となる。
【0025】
定格電力200W以上の高ワットランプにおいて、第1の電流部分I1では、特にピーク電流部分Ipの高い電流値の影響(これに加えて高い周波数の影響)により、電極先端が加熱又は消耗され、電極先端の突起は長さ方向ではなく径方向に成長する(即ち、突起は短く太くなる)。一方、第2の電流部分I2では、電極先端の突起は長さ方向に成長する(即ち、突起は細く長くなる)。
【0026】
従って、本発明では、プロセッサ35は、ランプ電圧が低い(電極間距離が短い)場合は、電極先端の突起が伸びずに太くなるように第1の電流部分I1の比率を多くし、ランプ電圧が高い(電極間距離が長い)場合は、第2の電流部分I2の比率を多くするよう制御を行う。なお、ランプをどのような電流波形で点灯しても、寿命とともに電極先端が消耗していき、電極間距離が長くなることによってランプ電圧は高くなる。従って、ランプ電圧が高くなるのに従って、電極を消耗させる傾向を持つ第1の電流部分I1の時間比率(1−α)を減少させることは、ランプの長寿命化の観点からも好ましい。
【0027】
<設計例>
本実施例の一設計例として、定格ランプ電力330W(アーク長1.1mm)を用いる。f1を60Hz、f2を50Hzとし、検出ランプ電圧が高くなると、プロセッサ35が第1の電流部分I1のサイクル数mを減少させて時間比率αを上昇させる。ランプ電圧の範囲に対する時間比率αの一例を表1に示す。
【0028】
【表1】

【0029】
なお、上記実施例では、ランプ電圧の上昇に対して第1の電流部分I1のサイクル数mを減少させることにより時間比率αを増加させているが、第2の電流部分I2のサイクル数nを増加させることによって時間比率αを増加させるようにしてもよい。また、ランプ電圧の上昇に対してサイクル数mを減少させ、かつサイクル数nを増加させるようにしてもよい。
【0030】
また、上述のように各電流部分のサイクル数m又はnを変化させることによって時間比率αを変化させるだけでなく、各周波数f1又はf2を変化させることによって時間比率αを変化させるようにしてもよい。即ち、ランプ電圧の上昇に対して周波数f1を上昇させるようにしてもよいし、周波数f2を低下させるようにしてもよいし、その双方を行ってもよい。
【0031】
上記実施例により、高ワットランプにおいても電極先端の突起の形状を適切に維持してフリッカを抑制することができるとともに、ランプの寿命を確保することもできる。また、多種の仕様のランプについても、ランプごとに実験データを取得して最適な点灯波形を決定することなく、本発明の制御を適用することができる。従って、種々の高ワットランプに対して点灯装置を効率的に開発することが可能となる。
【0032】
なお、時間比率αは、0≦α≦100の範囲で変化させることができれば本発明の効果を得られる(即ち、ランプ電圧が低い場合にα=0、ランプ電圧が高い場合にα=100としてもよい)。但し、第1の電流部分I1及び第2の電流部分I2双方の効果を確保するために、5≦α≦95とすることが好ましい。
【0033】
変形例.
図3A及び3Bに本発明の変形例を示す。
図2の実施例では、ピーク電流部分Ipの後半の半サイクルのみのピーク値をベース電流部分Ibのピーク値よりも高くする電流波形を示したが、図3Aに示すように、ピーク電流部分Ip全体のピーク値をベース電流部分Ibのピーク値よりも高くするようにしてもよい。図3Aに示す変形例の作用効果は図2に示す実施例の作用効果と実質的に同じである。但し、点灯装置で発生する騒音を低くするためには、図2に示す実施例のように電流値が高い期間は短い方が好ましい。
【0034】
また、図2の実施例では、ピーク電流部分Ipに1サイクルの高周波電流が含まれる電流波形を示したが、図3Bに示すように、ピーク電流部分Ipに複数サイクルの高周波電流が含まれるようにしてもよい。図3Bに示す変形例の作用効果も図2に示す実施例の作用効果と実質的に同じである。但し、スイッチングノイズ低減のためには、図2に示す実施例のように高周波電流サイクルは少ない方が好ましい。
【0035】
なお、上記実施例及び変形例では、一群の反復波形の第1の電流部分I1と一群の反復波形の第2の電流部分I2によってランプ電流の1ユニットが構成される例を示したが、ランプ電流波形の1ユニットにおいて、所望の時間比率αが得られる限り、第1の電流部分の各サイクルと第2の電流部分の各サイクルの順序又は配列は任意である。例えば、数サイクルの第1の電流部分と数サイクルの第2の電流部分が交互に反復されるようにしてもよいし、m=nの場合には1サイクルの第1の電流部分と1サイクルの第2の電流部分が交互に反復されるようにしてもよい。
【0036】
図4に上記点灯装置を利用した光源装置を示す。光源装置は、上記点灯装置である点灯装置70、点灯装置70に接続されるランプ60、ランプ60が取り付けられるリフレクタ71、並びに点灯装置70、ランプ60及びリフレクタ71を収容する筐体72備える。そして、不図示の映像系の構成部材が筐体72内部に装備されてプロジェクタを構成することができる。なお、図4は本発明の光源装置を模擬的に図示したものであり、寸法、配置などは図面通りではない。このように、本発明の点灯装置を用いることにより、高ワット出力のプロジェクタにおいてもフリッカを効果的に防止することができる。
【0037】
上記に本発明の最も好適な実施例を示したが、本発明は発明の趣旨を逸脱することなく以下のように変形可能である。
上記実施例において、整流平滑回路10、降圧チョッパ回路20、制御回路30、フルブリッジ回路40、及びイグナイタ回路50の具体例を示したが、これらは上述した機能を達成できるものであれば当業者に周知の他の回路構成であってもよい。例えば、図1では、整流平滑回路10としていわゆるコンデンサインプット型の回路を示しているが、昇圧チョッパ回路(力率改善回路)を用いてもよい。
また、降圧チョッパ回路20をフォワード型等の他の構成のDC/DCコンバータとしてもよく、それはDC出力電流の制御ができればよい。また、フルブリッジ回路40をプッシュプル型等の他の構成のDC/ACコンバータとしてもよく、出力電流の極性反転制御ができるものであればよい。
【符号の説明】
【0038】
10.整流平滑回路
20.降圧チョッパ回路
30.制御回路
31、32.ランプ電圧検出抵抗
33.ランプ電流検出抵抗
34.PWM制御回路
35.プロセッサ
40.フルブリッジ回路
45.ブリッジ制御回路
60.高圧放電灯(ランプ)
70.高圧放電灯点灯装置(点灯装置)
71.リフレクタ
72.筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定格ランプ電力が200W以上330W以下の高圧放電灯を点灯するための高圧放電灯点灯装置であって、
前記高圧放電灯に交流電流を供給する電力供給回路、
前記高圧放電灯のランプ電圧を検出する検出回路、及び
前記検出回路による検出ランプ電圧に基づいて前記電力供給回路の出力電流波形を制御する制御部
を備え、
前記交流電流の1ユニットが、第1の周波数f1でmサイクル継続する第1の電流部分I1及び第2の周波数f2でnサイクル継続する第2の電流部分I2からなり、
前記第1の電流部分の半サイクルは、半サイクルの矩形波からなるベース電流部分Ib及び該ベース電流部分に続くピーク電流部分Ipからなり、該ピーク電流部分は、該ベース電流部分よりも高い周波数の少なくとも1サイクルの高周波電流からなり、少なくとも、直前のベース電流部分と同極性側の半サイクルの電流ピーク値が該ベース電流部分の電流ピーク値よりも高く、
前記第2の電流部分が矩形波電流からなり、
前記制御部が、前記検出ランプ電圧の上昇に対して、前記第1の電流部分の継続時間m/f1と前記第2の電流部分の継続時間n/f2の合計に対する該第2の電流部分の継続時間n/f2の比率αを高くするように前記電力供給回路を制御する高圧放電灯点灯装置。
【請求項2】
請求項1に記載の高圧放電灯点灯装置において、前記ピーク電流部分が1サイクルの前記高周波電流からなり、該ピーク電流部分の後半の半サイクルの電流ピーク値が、前記ベース電流部分の電流ピーク値及び該ピーク電流部分の前半の半サイクルの電流ピーク値よりも高いことを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
【請求項3】
請求項1に記載の高圧放電灯点灯装置において、前記制御部が、前記検出ランプ電圧の上昇に対して、(1)前記第1の電流部分のサイクル数mを減少させ、(2)前記第2の電流部分のサイクル数nを増加させ、又は(3)前記第1の電流部分のサイクル数mを減少させかつ前記第2の電流部分のサイクル数nを増加させることによって前記比率αを高くするように前記電力供給回路を制御する高圧放電灯点灯装置。
【請求項4】
請求項1に記載の高圧放電灯点灯装置において、前記制御部が、前記検出ランプ電圧上昇に対して、(1)前記第1の周波数f1を上昇させ、(2)前記第2の周波数f2を低下させ、又は(3)前記第1の周波数f1を上昇させかつ前記第2の周波数f2を低下させることによって前記比率αを高くするように前記電力供給回路を制御する高圧放電灯点灯装置。
【請求項5】
請求項1に記載の高圧放電灯点灯装置において、前記第1の周波数f1が40Hz以上60Hz以下であり、前記第2の周波数f2が40Hz以上60Hz以下である、高圧放電灯点灯装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の高圧放電灯点灯装置、該高圧放電灯点灯装置に接続される前記高圧放電灯、該高圧放電灯が取り付けられるリフレクタ、並びに該高圧放電灯点灯装置、該高圧放電灯及び該リフレクタを収容する筐体を備えた光源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−80607(P2013−80607A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219734(P2011−219734)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000000192)岩崎電気株式会社 (533)
【Fターム(参考)】