説明

高機能飛雪防止柵

【課題】橋梁構造物の橋梁側壁の外側へ向けて飛雪した雪を、高架下用地へ的確に投雪して落下させることができる高機能飛雪防止柵を提供すること。
【解決手段】投雪ガイド板4は、橋梁側壁52の外側面から床版51の幅方向外側に間隔を隔てて設けられており、橋梁側壁52の上端部からそれの下端部にかけて橋梁側壁52の立設方向に沿って略鉛直下方に延設される縦立部4aと、その縦立部4aの下端部にて断面視略円弧状に湾曲曲折されて、床版51の幅員方向内方へ向かって下降傾斜されている傾斜部4bとを備えている。この投雪ガイド板4と橋梁側壁52との間には床版51の下方に設けられる空間へと通じる投雪用通路5が確保され、この通路5を通じて高架下用地へ投雪できるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、跨線橋、跨道橋又は高架橋などの橋梁構造物における床版の幅員方向端部に立設されて橋軸方向に連設される橋梁側壁に設置される飛雪防止柵に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、高架橋などの橋梁構造物を用いた高速道路では、冬期間の除雪作業時における高架下への飛雪を防止するために、高架橋の壁高欄に橋軸方向に沿って飛雪防止柵が連設されている。また、このような高架型の高速道路では、それと並走する一般道路への飛雪被害を防止するため、走行車線上にある雪を除雪車に装備されたプラウによって路側帯へ押し出す場合に除雪車を低速(例えば時速25km程度)で走行させている。
【特許文献1】特開2001−248116公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記した除雪車による低速走行の除雪では、高架下の一般道路への飛雪による被害を防止できるものの、除雪車の走行速度が低速である分、当然のことながら作業時間も増大してしまうという問題点がある。また、積雪量が多い場合には、路側帯に押し出される雪の堆積量も増加するため、路肩拡幅のために路側帯にある雪堤をロータリ除雪車によって切り崩して後続の運搬排雪車の荷台に積み込んで撤去する必要があり、この点でも作業が繁雑となるという問題点がある。
【0004】
また、高架型の高速道路においては、その高架下に橋脚の設置用地(以下「高架下用地」という。)が確保されており、この高架下用地に高架橋から投雪できれば、除雪作業を効率的に行うことも可能ではある。しかしながら、既存の除雪車、例えば、除雪プラウを装備した除雪トラックや、ロータリ除雪車などでは、飛雪防止柵越しに高架下へ投雪すると、投雪された雪が高架下用地へと落下されずに、高架下用地に並設される一般道路へと飛雪してしまうという問題点があった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、橋梁構造物の橋梁側壁の外側へ向けて飛雪した雪を、高架下用地へ的確に投雪して落下させることができる高機能飛雪防止柵を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために請求項1記載の高機能飛雪防止柵は、橋梁構造物における床版の幅員方向端部に立設されて橋軸方向に連設される橋梁側壁に設置されるものであり、橋梁側壁の外側面から床版幅方向外側に間隔を隔てて設けられ、橋梁側壁の上端側から下端側にかけて延設され、そこから床版の幅員方向内方へ向けて下降傾斜するように更に延設される投雪ガイド板と、その投雪ガイド板に固定され、その固定部から床版幅方向へ延設されて、橋梁側壁にも固定されるものであって、更に、橋梁側壁の橋軸方向に所定幅の間隙を隔てて設けられる2以上の支持部材と、その2以上の支持部材により支持される前記投雪ガイド板の上端部から橋梁側壁よりも上方に延設される有孔板で形成されている柵本体とを備えている。
【0007】
この請求項1記載の高機能飛雪防止柵によれば、橋梁構造物の床版幅方向端部に立設される橋梁側壁を越えた飛雪は、橋梁側壁と投雪ガイド板との間であって支持部材間にある間隙を通じて、床版の外側へ落とされて橋梁側壁の下端側まで落下すると、投雪ガイド板の下降傾斜する部分によって床版の幅員方向内方へ向けて案内され、高架下用地の内側へ向けて落下させられる。また、橋梁側壁の上端部よりも上方へ向かって飛雪する雪は、柵本体によって遮られ、投雪ガイド板と橋梁側壁との間隙へ向けて落下させられる。
【0008】
請求項2記載の高機能飛雪防止柵は、請求項1記載の高機能飛雪防止柵において、前記投雪ガイド板は、橋梁側壁の上端部から下端部に沿って略鉛直方向に延設され、その延設方向下端部にて断面視略円弧状に湾曲曲折されて、床版の幅員方向内方へ下降傾斜されるものである。
【0009】
この請求項2記載の高機能飛雪防止柵によれば、請求項1記載の高機能飛雪防止柵と同様な作用及び効果を奏する上、投雪ガイド板の曲折部分を断面視略円弧状に湾曲曲折させることで、かかる曲折部分を断面視略く字形に曲折させる場合に比べて、高架下用地に投雪され堆積した雪が床版の幅方向において拡散する範囲(雪の拡散幅)を小さくできる。
【0010】
請求項3記載の高機能飛雪防止柵は、請求項1又は2に記載の高機能飛雪防止柵において、前記投雪ガイド板の下端部には発熱体が配設されている。
【0011】
この請求項3記載の高機能飛雪防止柵によれば、請求項1又は2に記載の高機能飛雪防止柵と同様な作用及び効果を奏する上、発熱体の発熱によって投雪ガイド板の下端部に氷柱ができるのを防止できる。
【0012】
請求項4記載の高機能飛雪防止柵は、請求項1から3のいずれかに記載の高機能飛雪防止柵において、前記柵本体は、前記投雪ガイド板又は支持部材に対して傾倒可能に連結されており、その傾倒によって、前記投雪ガイド板の上方へ向かって延設されている姿勢から、床版の幅方向へ向かう姿勢又は投雪ガイド板に沿って下方へ向かう姿勢に変更されるものである。
【0013】
この請求項4記載の高機能飛雪防止柵によれば、請求項1から3のいずれかに記載の高機能飛雪防止柵と同様な作用及び効果を奏する上、冬期間を除く期間には、柵本体が床版幅方向へ向かう姿勢(横臥姿勢)又は投雪ガイド板に沿って下方へ向かう姿勢(垂下姿勢)とされることで、橋梁構造物の橋梁側壁越しの眺望が柵本体で遮られてしまうことを防止できる。
【0014】
請求項5記載の高機能飛雪防止柵は、請求項1から4のいずれかに記載の高機能飛雪防止柵において、前記柵本体は、前記投雪ガイド板又は支持部材に対して上下移動可能に連結されており、その移動によって、橋梁側壁の上端部より上方に突出される位置から、橋梁側壁の上端部より下方に沈降される位置に変更されるものである。
【0015】
この請求項5記載の高機能飛雪防止柵によれば、請求項1から4のいずれかに記載の高機能飛雪防止柵と同様な作用及び効果を奏する上、冬期間を除く期間には、柵本体が橋梁側壁の上端部より下方に沈降されることで、橋梁構造物の橋梁側壁越しの眺望を柵本体で遮ってしまうことを防止できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の高機能飛雪防止柵によれば、橋梁構造物の橋梁側壁を越えた飛雪が、投雪ガイド板によって高架下用地へ案内されて投雪されるので、橋梁構造物に隣接する施設への飛雪被害を防止しつつ、橋梁構造物の床版上で除雪車を従来より高速で走行させながら除雪作業を行うことができ、その結果、作業時間及び作業コストを削減することができるという効果がある。しかも、除雪作業によって橋梁側壁脇に堆積した雪堤を、橋梁構造物からその下方にある高架下用地へ投雪して減量できるので、橋梁側壁脇から雪を運搬排雪車に積み込んで撤去する手間を軽減できるという効果がある。
【0017】
具体的には、橋梁構造物が高架型の高速道路である場合、従来よりも高速(例えば、時速35km〜40km程度)で除雪トラックを走行させながら除雪作業をしても、高架下の一般道路への飛雪被害を防止できるという効果がある。この結果、路肩の拡幅作業のためにロータリ除雪車を出動させる回数を低減することができるという効果もある。しかも、積雪量が多い場合でも路肩に堆積する雪を運搬排雪車の荷台に積み込んで撤去する必要がなく、この点でも作業が軽減されるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例である飛雪防止柵1の裏面図であって、図2の矢印A方向からの矢視図でもある。図1に示した飛雪防止柵1は、跨線橋、跨道橋又は高架橋などの橋梁構造物50の橋梁側壁52に固定設置されて使用されるものである。なお、図1では、有孔柵板3の透孔3dの一部のみを図示しているが、かかる透孔3dは有孔柵板3の全面に穿設されている。
【0019】
ここで、橋梁構造物50は、跨線橋、跨道橋又は高架橋などに代表される構造物であって、例えば、鉄筋コンクリート製の高架型の自動車道路としても利用されている。この橋梁構造物50は、図2に示すように、その床版51の幅員方向(図2左右方向)の端部(図2左側)に地覆52a及び壁高欄52bを有する橋梁側壁52が立設されており、この橋梁側壁52は橋梁構造物50の橋軸方向(図1の左右方向、又は、図2紙面に対する垂直方向)に連設されている。
【0020】
図1に示すように、飛雪防止柵1は、橋梁構造物50の橋軸方向(図1左右方向)に所定間隔で配設される支柱2,2,…を備えており、この支柱2,2間には、飛雪防止柵1の本体部となる有孔柵板3と、投雪シュートとして機能する投雪ガイド板4が上下して横架されている。ここで、有孔柵板3は、支柱2間の上側ほぼ半分に横架されており、投雪ガイド板4は、支柱2間の下側ほぼ半分に横架されている。これらの有孔柵板3及び投雪ガイド板4は、それらの横架方向両端部が各支柱2の両側から突設される取付プレート2a,2a,…にボルト及びナットにより締着されることで、各支柱2,2に固定されている。
【0021】
図2は、図1のII−II線における縦断面図であり、図3は、図2を部分的に拡大視した拡大縦断面図である。図2に示すように、有孔柵板3は、投雪ガイド板4の上端部から橋梁側壁52の上端面より高く鉛直上方に延設されている。この有孔柵板3は、その上下方向へ垂直面である谷面3aと山面3bとの連継面を傾斜面3cに形成して折曲し、各面3a〜3cに透孔3d(図1参照)を穿設した波板状の有孔板で形成されている。
【0022】
ここで、図1に示されている有孔柵板3における透孔3dの形状は、適宜、任意の形状とすることもできるが、飛雪防止柵1の設置状態における上下方向に縦長となる楕円孔であれば、有孔柵板3越しの透視性を確保でき、且つ、飛雪に対する遮蔽性をも確保することができる。なお、本実施例の有孔柵板3に用いる有孔板としてはパンチングメタルが適するが、その他にもエキスパンドメタルなどを用いても良い。
【0023】
図2に戻って説明する。投雪ガイド板4は、橋梁側壁52の外側面から床版51の幅方向外側(図2左側)に間隔を隔てて設けられており、橋梁側壁52の上端部からそれの下端部にかけて橋梁側壁52の立設方向に沿って略鉛直下方に延設される縦立部4aと、その縦立部4aの下端部にて断面視略円弧状に湾曲曲折されて、床版51の幅員方向内方(図2右側)へ向かって下降傾斜されている傾斜部4bとを備えている。
【0024】
ここで、投雪ガイド板4の傾斜部4bの傾斜角度αは、例えば、鉛直方向と略30°の角度とされており、投雪ガイド板4の傾斜部4bと橋梁側壁52及び床版51との間には、縦立部4aの場合と同様に、一定幅の間隔が確保されている。このため、投雪ガイド板4と橋梁側壁52との間には床版51の下方にある空間へと通じる空間である投雪用通路5が確保され、この通路5を通じて高架下用地55へ投雪できるように構成されている。
【0025】
投雪ガイド板4は、その表面(飛雪防止柵1の設置状態において橋梁側壁52外側面と対向する面)側が無孔状の平板6で形成されており、この平板6の裏面に断面視山形状の無孔折板7が上下方向に間隔を開けてボルト及びナットにより締着されることで補強されている。このように投雪ガイド板4の表面側が平板6で形成されることで、この投雪ガイド板4の表面に付着した雪を縦立部4aから傾斜部4bへと滑り落とし易くできる。
【0026】
また、投雪ガイド板4の平板6表面には、縦立部4aの上端から傾斜部4bの下端にかけて連続する帯板8がボルト及びナットにより締着されている。この帯板8は、投雪ガイド板4の横架方向(橋軸方向に一致する方向)に所定間隔を隔てて複数締着されている(図1中の破線参照)。更に、投雪ガイド板4の傾斜部4bの下端部には氷柱の発生を防止するための発熱ヒータ9が投雪ガイド板4の横架方向に沿って配設されている(図1参照)。また、図3に示すように、発熱ヒータ9は、外周が樹脂で被覆されたライン状のヒータ線であり、投雪ガイド板4の横架方向に沿って全体的かつ連続的に配設されている。
【0027】
上記のように構成された有孔柵板3及び投雪ガイド板4は、支持ユニット10を介して橋梁側壁52に固定支持されている。この支持ユニット10は、主として、上記した有孔柵板3及び投雪ガイド板4に固定される支柱2に加えて、上腕材11、下腕材12、上取付板13、下取付板14、及び、斜め腕材15、並びに、アンカーボルト16,16,…を備えている。
【0028】
この支持ユニット10は、支柱2における橋梁側壁52との対向面に上腕材11及び下腕材12が上下して固着されている。上腕材11は、支柱2から橋梁側壁52の外側面へ下降傾斜するように延設されており、下腕材12は、支柱2から橋梁側壁52の外側面へ略水平に延設されている。
【0029】
また、上腕材11及び下腕材12のそれぞれの先端には、橋梁側壁52の外側面に当接される上取付板13及び下取付板14が固着されており、この各取付板13,14がアンカーボルト16,16,…によって橋梁側壁52に固定されている。更に、上腕材11及び上取付板13の固着部と下腕材12及び支柱2の固着部とにはそれぞれリブ17,17が併せて固着されており、この各リブ17,17には補強用の斜め腕材15の両端部がそれぞれ固着されている。そして、上記のように構成された支持ユニット10は、橋梁側壁52の橋軸方向に所定幅の間隙を隔てて繰り返し設けられている。
【0030】
図4は、飛雪防止柵1を用いて投雪される状況の一例を示した図である。図4に示すように、飛雪防止柵1によれば、橋梁構造物50の床版51上にある雪Sは、投雪用通路5(橋梁側壁52と投雪ガイド板4との間であって支持ユニット10間にある間隙)へ投雪される。このとき、雪Sを投雪ガイド板4に衝突させるように投雪すれば、その投雪された雪Sが投雪ガイド板4の縦立部4a及び傾斜部4bの表面にある平板6に沿って円滑に滑り落とされる。
【0031】
そして、投雪された雪Sが橋梁側壁52の下端側まで達すると、その雪Sは投雪ガイド板4の傾斜部4bによって床版51の幅員方向内方(図4右側)へ向けて案内され、高架下用地55へ向けて落下させられる。しかも、このとき、高架下用地55に投雪されて堆積される雪Sは、床版51の幅方向端面より内側の位置に堆積される。一方、橋梁側壁52の上端部よりも上方へ向かって飛雪する雪Sは、有孔柵板3によって遮られ、投雪ガイド板4と橋梁側壁52との間隙へ向けて落下させられる。
【0032】
次に、図5及び図6を参照して、上記実施例の変形例について説明する。以下、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0033】
図5は、第2実施例の飛雪防止柵20の概略的な縦断面図である。図5に示すように、第2実施例における飛雪防止柵20の有孔柵板3は、支持ユニット10の支柱2に対してヒンジ状の連結部21を介して傾倒可能に連結されている。このため、有孔柵板3は、橋梁側壁52よりも高く延設されている縦立姿勢(図中実線)から、床版51の幅方向へ向かう横臥姿勢(図中1点鎖線)か、或いは、投雪ガイド板4に沿って下方へ向かう垂下姿勢(図中2点鎖線)か、に変更できるものである。よって、冬期間を除く期間は、橋梁側壁52よりも高く上方へ延びる有孔柵板3を傾倒させて、橋梁側壁52越しの眺望を改善することができる。
【0034】
図6は、第3実施例の飛雪防止柵30の概略的な縦断面図である。第3実施例における飛雪防止柵30の有孔柵板3は、支持ユニット10の支柱2に併設されているガイドレール31を介して、支持ユニット10に対して上下移動可能に連結されている。このため、有孔柵板3は、橋梁側壁52よりも高く延設されている突出位置(図6(a)参照)と、橋梁側壁52の上端部より下方に沈降される沈降位置(図6(b)参照)との間で出没可能とされている。よって、冬期間を除く期間は、橋梁側壁52よりも高く上方へ延びる有孔柵板3を下方に沈降させることができ、その結果、橋梁側壁52越しの眺望が改善されるのである。
【0035】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0036】
例えば、第1実施例では、投雪ガイド板4の縦立部4aと傾斜部4bとの連設部分を断面視略円弧状に湾曲曲折させたが、かかる部位の形態は必ずしもこれに限定されるものではなく、断面視略く字形状に屈曲曲折させて床版の幅員方向内方へ下降傾斜されるものであっても良い。もっとも、縦立部4aと傾斜部4bとの連設部分を断面視略を角状に曲折させる場合には、高架下用地に投雪され堆積した雪が床版の幅方向において拡散する範囲(拡散幅)Wが、上記第1実施例の場合に比べて大きくなることがあるので、その点に留意する必要がある。
【0037】
また、第2実施例では、有孔柵板3を支持ユニット10の支柱2に対して連結部21を介して傾倒可能に連結したが、この有孔柵板の連結相手は必ずしも支持ユニットに限定されるものではなく、例えば、有孔柵板をヒンジ状の連結部を介して投雪ガイド板の上部に傾倒可能に連結するようにしても良い。
【0038】
また、第3実施例では、支持ユニット2の支柱2に併設されるガイドレール31を介して、有孔柵板3を支持ユニット2に上下動可能に連結したが、この有孔柵板3の連結相手は必ずしも支持ユニットに限定されるものではなく、例えば、投雪ガイド板にガイドレールを併設して、そのガイドレールを介して有孔柵板を投雪ガイド板に対して上下動可能に連結させても良い。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施例である飛雪防止柵の裏面図である。
【図2】図1のII−II線における縦断面図である。
【図3】図2を部分的に拡大視した拡大縦断面図である。
【図4】飛雪防止柵を用いて投雪される状況の一例を示した図である。
【図5】第2実施例の飛雪防止柵の概略的な縦断面図である。
【図6】第3実施例の飛雪防止柵の概略的な縦断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1,20,30 飛雪防止柵(高機能飛雪防止柵)
3 有孔柵板(柵本体)
4 投雪ガイド板
4a 縦立部
4b 傾斜部(投雪ガイド板の下降傾斜する部分)
9 発熱ヒータ(発熱体)
10 支持ユニット(支持部材)
50 橋梁構造物
51 床版
52 橋梁側壁
55 高架下用地
W 拡散幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
橋梁構造物における床版の幅員方向端部に立設されて橋軸方向に連設される橋梁側壁に設置される飛雪防止柵において、
橋梁側壁の外側面から床版幅方向外側に間隔を隔てて設けられ、橋梁側壁の上端側から下端側にかけて延設され、そこから床版の幅員方向内方へ向けて下降傾斜するように更に延設される投雪ガイド板と、
その投雪ガイド板に固定され、その固定部から床版幅方向へ延設されて、橋梁側壁にも固定されるものであって、更に、橋梁側壁の橋軸方向に所定幅の間隙を隔てて設けられる2以上の支持部材と、
その2以上の支持部材により支持される前記投雪ガイド板の上端部から橋梁側壁よりも上方に延設される有孔板で形成されている柵本体とを備えていることを特徴とする高機能飛雪防止柵。
【請求項2】
前記投雪ガイド板は、橋梁側壁の上端部から下端部に沿って略鉛直方向に延設され、その延設方向下端部にて断面視略円弧状に湾曲曲折されて、床版の幅員方向内方へ下降傾斜されるものであることを特徴とする請求項1記載の高機能飛雪防止柵。
【請求項3】
前記投雪ガイド板の下端部には発熱体が配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の高機能飛雪防止柵。
【請求項4】
前記柵本体は、前記投雪ガイド板又は支持部材に対して傾倒可能に連結されており、その傾倒によって、前記投雪ガイド板の上方へ向かって延設されている姿勢から、床版の幅方向へ向かう姿勢又は投雪ガイド板に沿って下方へ向かう姿勢に変更されるものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の高機能飛雪防止柵。
【請求項5】
前記柵本体は、前記投雪ガイド板又は支持部材に対して上下移動可能に連結されており、その移動によって、橋梁側壁の上端部より上方に突出される位置から、橋梁側壁の上端部より下方に沈降される位置に変更されるものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の高機能飛雪防止柵。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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