説明

魚眼レンズユニット

【課題】少ない枚数で魚眼レンズユニットを構成することのできる技術を提供する。
【解決手段】魚眼レンズユニットは、所定の入射角における入射角の増加量に対する像高の増加量で表される変化量が等距離射影方式を採用する場合の変化量以上となる所定の射影方式を採用する。魚眼レンズユニットは、物体側に設けられた第1のレンズ群と、像側に設けられた第2のレンズ群と、第1のレンズ群と第2のレンズ群との間に設けられた絞りと、を備える。第1のレンズ群は、3枚または4枚のレンズで構成されており、第2のレンズ群は、2枚または3枚のレンズで構成されており、第2のレンズ群のうちの最も像側に設けられた最終レンズは、少なくとも一方の面に非球面形状を有する非球面レンズである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚眼レンズユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
魚眼レンズを構成する複数のレンズを含む魚眼レンズユニットは、スチルカメラや監視カメラに搭載され、広範囲な空間を撮影するために多く用いられている。
【0003】
ここで、魚眼レンズは、160度以上の画角を有するレンズであり、通常、180度以上の画角を有する。魚眼レンズは、歪曲収差を意図的に発生させている点で、広角レンズと異なる。
【0004】
魚眼レンズでは、特定の射影方式が採用されている。例えば、以下のような射影方式が良く知られている。
(1)正射影方式 …y=f・sinθ
(2)等立体角射影方式…y=2・f・sin(θ/2)
(3)等距離射影方式 …y=f・θ
(4)立体射影方式 …y=2・f・tan(θ/2)
【0005】
ここで、fは魚眼レンズの焦点距離であり,θは魚眼レンズに入射する光の入射角であり,yは像面に形成される像の高さ(像高)である。
【0006】
図1は、射影方式に応じた入射角と像高との関係を示す説明図である。横軸は、入射角θ(ラジアン)を示しており、縦軸は、像高y(mm)を示している。曲線C1〜C4は、それぞれ(1)〜(4)の射影方式を表している。ただし、図1では、便宜上、焦点距離fは、1mmに設定されている。なお、図1では、曲線CA,CZ(後述する)も描かれている。
【0007】
図示するように、入射角90度付近において、入射角θの増加量Δθに対する像高yの増加量Δyで表される変化量(Δy/Δθ)は、(1)の射影方式(曲線C1)から(4)の射影方式(曲線C4)に向かうに連れて、大きくなる。すなわち、(1)の射影方式(曲線C1)から(4)の射影方式(曲線C4)に向かうに連れて、像内における周辺部の情報量の割合が増大する。したがって、周辺部の情報量が多く必要な場合には、上記の(3)や(4)の射影方式を採用することが好ましい。
【0008】
【特許文献1】特開2005−227426号公報
【特許文献2】特開2004−102162号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の技術では、(3)や(4)の射影方式を採用する場合には、魚眼レンズユニットを構成するレンズの枚数が10枚程度必要となってしまっていた。すなわち、従来の技術では、(3)や(4)の射影方式を採用する場合に、魚眼レンズユニットを構成するレンズの枚数を比較的小さくするのは困難であった。
【0010】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、所定の入射角における入射角の増加量に対する像高の増加量で表される変化量が等距離射影方式における該変化量以上である所定の射影方式を採用する場合にも、少ない枚数で魚眼レンズユニットを構成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の装置は、所定の入射角における入射角の増加量に対する像高の増加量で表される変化量が等距離射影方式を採用する場合の前記変化量以上となる所定の射影方式を採用した魚眼レンズユニットであって、
物体側に設けられた第1のレンズ群と、
像側に設けられた第2のレンズ群と、
前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群との間に設けられた絞りと、
を備え、
前記第1のレンズ群は、
3枚または4枚のレンズで構成されており、
前記第2のレンズ群は、
2枚または3枚のレンズで構成されており、
前記第2のレンズ群のうちの最も像側に設けられた最終レンズは、少なくとも一方の面に非球面形状を有する非球面レンズであることを特徴とする。
【0012】
この装置では、上記の変化量が等距離射影方式を採用する場合の変化量以上となる所定の射影方式が採用されているが、第2のレンズ群のうちの最も像側に設けられた最終レンズとして非球面レンズが使用されているため、比較的少数のレンズで魚眼レンズユニットを構成することができる。
【0013】
上記の装置において、
前記非球面レンズは、双方の面に非球面形状を有するようにしてもよい。
【0014】
あるいは、上記の装置において、
前記非球面レンズは、一方の面のみに非球面形状を有するようにしてもよい。
【0015】
こうすれば、非球面レンズが双方の面に非球面形状を有する場合と比較して、非球面レンズを比較的容易に作製することができる。
【0016】
上記の装置において、
1.5<H1/2Y<2.5を満足することが好ましい。
ここで、H1は、前記第1のレンズ群のうちの最も物体側に設けられた第1レンズの物体側の面の有効半径であり、2Yは、前記魚眼レンズユニットによって像面上に形成されるイメージサークルの直径である。
【0017】
こうすれば、第1レンズを小径化することができる。また、軸外収差の少ない高性能なレンズユニットを得ることができる。
【0018】
上記の装置において、
0.25<H1/R1<0.5を満足することが好ましい。
ここで、H1は、前記第1のレンズ群のうちの最も物体側に設けられた第1レンズの物体側の面の有効半径であり、R1は、前記第1レンズの物体側の面の曲率半径である。
【0019】
こうすれば、第1レンズを比較的容易に作製することができると共に比較的容易に取り扱うことができる。また、軸外収差の少ない高性能なレンズユニットを得ることができる。
【0020】
上記の装置において、
6.0<ΣD/2Y<8.0を満足することが好ましい。
ここで、ΣDは、前記第1のレンズ群のうちの最も物体側に設けられた第1レンズの物体側の面と、像面と、の間の光軸上の距離であり、2Yは、前記魚眼レンズユニットによって像面上に形成されるイメージサークルの直径である。
【0021】
こうすれば、レンズユニットを小型化することができる。また、球面収差、コマ収差、非点収差、倍率色収差などの少ない高性能なレンズユニットを得ることができる。
【0022】
この発明は、種々の形態で実現することが可能であり、魚眼レンズユニットや、該魚眼レンズユニットを備える撮像装置、該魚眼レンズユニットを備える投影装置等の形態で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
A−1.魚眼レンズユニットの構成:
A−2.魚眼レンズユニットの特性:
B.第2実施例:
B−1.魚眼レンズユニットの構成:
B−2.魚眼レンズユニットの特性:
C.第3実施例:
C−1.魚眼レンズユニットの構成:
C−2.魚眼レンズユニットの特性:
D.第4実施例:
D−1.魚眼レンズユニットの構成:
D−2.魚眼レンズユニットの特性:
E.魚眼レンズユニットの評価値:
【0024】
A.第1実施例:
A−1.魚眼レンズユニットの構成:
図2は、第1実施例における撮像装置50の要部を示す説明図である。図示するように、撮像装置50は、魚眼レンズユニット100と、CCD(電荷結合素子)などの固体撮像素子200と、魚眼レンズユニット100と固体撮像素子200との間に設けられた光学要素150と、を備えている。光学要素150は、例えば、光学フィルタや固体撮像素子のカバーガラスなどを含んでいる。固体撮像素子200は、像面(撮像面)ISを有している。
【0025】
魚眼レンズユニット(以下、単に「レンズユニット」とも呼ぶ)100は、魚眼レンズを構成する複数のレンズを含んでいる。本実施例のレンズユニット100では、y=f・θ(図1の曲線C3参照)で表される等距離射影方式が採用されている。
【0026】
レンズユニット100は、物体側に配置された第1のレンズ群110と、像側に配置された第2のレンズ群120と、第1のレンズ群110と第2のレンズ群120との間に配置された絞り130と、を備えている。また、レンズユニット100は、第1のレンズ群110と第2のレンズ群120と絞り130とを保持するための図示しないレンズホルダを備えている。
【0027】
第1のレンズ群110は、入射した光線束を段階的に光軸に平行な方向へ曲げて、該光線束を第2のレンズ群120に導く機能を有している。
【0028】
本実施例では、第1のレンズ群110は、3枚のレンズで構成されている。最も物体側に配置された第1レンズL1は、物体側に凸面を有し、像側に凹面を有する凹メニスカスレンズである。第2レンズL2は、物体側に平面を有し、像側に凹面を有する平凹レンズである。最も物体側に配置された第3レンズL3は、物体側に凹面を有し、像側に凸面を有する凸メニスカスレンズである。
【0029】
第2のレンズ群120は、第1のレンズ群110を通過した光線束を、その主光線が光軸に対して極力平行になり、かつ、その主光線が入射角に応じた所定の像高位置に入射するように、像面IS上に結像させる機能を有する。
【0030】
本実施例では、第2のレンズ群120は、3枚のレンズで構成されている。最も物体側に配置された第4レンズL4は、物体側および像側に凸面を有する両凸レンズである。第5レンズL5は、物体側および像側に凹面を有する両凹レンズである。第6レンズL6は、物体側および像側に非球面形状の凸面を有する非球面レンズである。
【0031】
なお、第4レンズL4と第5レンズL5とは、接合されている。具体的には、第4レンズL4の像側の面の曲率半径は、第5レンズL5の物体側の面の曲率半径と一致している。ただし、2つのレンズL4,L5の屈折率は互いに異なっている。
【0032】
図3は、魚眼レンズユニット100のレンズデータを示す説明図である。図3(A)は、魚眼レンズユニット100を構成する各レンズの面データを示している。
【0033】
面番号iは、レンズユニット100を構成する各レンズの面の番号を示している。ただし、面番号7,13に示すように、絞り130や光学要素150にも面番号が付与されている。なお、図2では、面番号iの面が符号Siで示されている。
【0034】
曲率半径Riは、面Siの曲率半径(mm)を示している。物体側に凸の面の曲率半径は正の値で表されており、物体側に凹の面の曲率半径は負の値で表されている。
【0035】
面間隔Diは、面Siと面Si+1との間の光軸上の距離(mm)を示している。すなわち、面番号iがレンズの物体側の面を示す場合には、面間隔Diは、該レンズの光軸上の厚みを表しており、面番号iがレンズの像側の面を示す場合には、面間隔Diは、該レンズの像側の面と後段の光学素子(例えばレンズ)の物体側の面との間の光軸上の距離を表している。
【0036】
屈折率Ndiは、面Siを有するレンズのd線(波長587.6nm)に対する屈折率を示している。
【0037】
アッベ数νdiは、面Siを有するレンズのアッベ数を示している。なお、アッベ数νdiは、レンズなどの光の分散に関する性質を表す値であり、d線,C線(波長656.3nm),F線(波長486.1nm)に対する屈折率をnd,nC,nFとすると、(nd−1)/(nF−nC)で表される。
【0038】
図3(A)において、面番号iに「*」が付された面は、非球面形状を有する。前述したように、本実施例では、第6レンズL6の物体側の面S11および像側の面S12が非球面形状を有している。非球面形状は、次式によって表される。
【0039】
【数1】

【0040】
ここで、Hは、非球面と光軸との交点を原点とすると、原点からの光軸と垂直な方向への距離(光軸からの高さ)を表す。Xは、該原点からの光軸上の距離を表す。Rは、曲率半径を表し、Kは円錐係数を表し、A4,A6,A8は、高次非球面係数を表す。なお、曲率半径Rとしては、図3(A)に示す値が利用される。
【0041】
図3(B)は、面S11の非球面係数を示している。図3(B)では、面S11の円錐係数Kの値および高次非球面係数A4,A6,A8の値が示されている。同様に、図3(C)は、面S12の非球面係数を示している。
【0042】
本実施例のレンズユニット100では、焦点距離fは1.15mmであり、Fナンバは2.8であり、画角2ωは180度である。
【0043】
また、本実施例のレンズユニット100では、第1の評価値H1/2Yは1.76であり、第2の評価値H1/R1は0.43であり、第3の評価値ΣD/2Yは7.51である。
【0044】
ここで、H1は、第1のレンズ群110のうちの最も物体側に設けられた第1レンズL1の物体側の面の有効半径である(図2参照)。なお、有効半径は、レンズホルダの存在に起因してレンズとして使用できない部分の寸法を考慮して決定される。2Yは、レンズユニット100によって像面ISに形成されるイメージサークルの直径2Yである(図2参照)。R1は、第1レンズL1の物体側の面S1の曲率半径である(図3(A)参照)。ΣDは、第1のレンズ群110のうちの最も物体側に設けられた第1レンズL1の物体側の面S1と、像面ISと、の間の光軸上の距離である(図2参照)。
【0045】
なお、上記の3つの評価値については後述する。
【0046】
A−2.魚眼レンズユニットの特性:
図4は、魚眼レンズユニット100の縦収差を示す説明図である。なお、図4(A),(B)は、シミュレーション結果である。
【0047】
図4(A)は、球面収差を示す。周知のように、球面収差は、光軸上で光線が一点に集まらない現象である。図中、横軸は、光軸上における像面ISからの距離(mm)を示しており、原点は像面ISの中心点O(図2参照)を示している。縦軸は、入射高さを示している。例えば、入射高さ「0.0」(原点)は、光線束の中心である主光線を示しており、入射高さ「1.00」は、光線束の最も外側の光線を示している。
【0048】
実線のグラフは、波長546.07nmの光を用いたときの球面収差を示している。破線のグラフは、波長460.00nmの光を用いたときの球面収差を示している。一点鎖線のグラフは、波長656.27nmの光を用いたときの球面収差を示している。
【0049】
本実施例では、波長546.07nmを基準としてレンズユニット100が設計されている。このため、図4(A)に示す実線のグラフでは、入射高さ「0.0」の光線は、像面ISの中心点Oで光軸と交わっている。図示するように、各波長の光を用いたときの中心点Oからのズレ量は、約0.03mm以下となっている。
【0050】
図4(B)は、非点収差を示す。周知のように、非点収差は、サジタル像点とタンゼンシャル(メリジオナル)像点とが一致しない現象である。ここで、タンゼンシャル像点は、主光線と光軸とを含むタンゼンシャル平面内での光線束の結像位置を意味する。また、サジタル像点は、主光線を含み、タンゼンシャル平面に垂直なサジタル平面内での光線束の結像位置を意味する。図中、横軸は、光軸と平行な方向に沿った距離(mm)を示しており、原点は像面IS上の点を示している。なお、サジタル像点とタンゼンシャル像点との位置は、レンズユニット100に入射する光の入射角に依存する。縦軸は、レンズユニット100に入射する光の入射角を示している。符号Sが付された破線のグラフは、サジタル像点を示し、符号Tが付された二点鎖線のグラフは、タンゼンシャル像点を示す。
【0051】
2つのグラフS,Tは、共に、波長546.07nmの光を用いたときに得られる。例えば、入射角が0度のときには、サジタル像点とタンゼンシャル像点とは、一致しており、該2つの像点は、像面ISの中心点Oに形成される。入射角が90度のときには、サジタル像点とタンゼンシャル像点とは、像面ISから離れた位置に形成され、タンゼンシャル像点は、サジタル像点よりも像面ISから離れた位置に形成される。なお、非点収差は、タンゼンシャル像点とサジタル像点との間のズレ量で評価される。図示するように、波長546.07nmの光を用いたときのズレ量は、約0.02mm以下となっている。
【0052】
図5は、魚眼レンズユニット100の歪曲収差を示す説明図である。なお、図5(A),(B)は、シミュレーション結果である。
【0053】
周知のように、歪曲収差は、物体と像とが相似形にならない現象である。図5(A),(B)の横軸は、像高の歪み(%)を示している。像高の歪みは、実際の像高をy,理想の像高をy0とすると、(y−y0)/y0×100で表される。ただし、図5(A)では、理想像高y0の値として、通常の値、すなわち、歪曲収差を許容しないy=f・tanθ(図1の曲線CZ参照)で表される射影方式に従った値が利用されている。一方、図5(B)では、理想像高y0の値として、歪曲収差を許容するy=f・θ(図1の曲線C3参照)で表される等距離射影方式に従った値が利用されている。縦軸は、レンズユニット100に入射する光の入射角を示している。図5(A),(B)のグラフは、波長546.07nmの光を用いたときの歪曲収差を示している。
【0054】
前述したように、魚眼レンズでは、歪曲収差を意図的に発生させている。このため、図5(A)では、入射角が大きくなる程、歪曲収差が大きくなっている。本実施例のレンズユニット100では、等距離射影方式が採用されている。このため、図5(B)では、等距離射影方式に従った理想像高を基準とする像高の歪みが示されている。図5(B)から分かるように、像高の歪みは、約1.5%以内となっている。
【0055】
図6は、魚眼レンズユニット100の横収差を示す説明図である。なお、図6は、シミュレーション結果である。
【0056】
周知のように、横収差は、像面上の収差であり、コマ収差、倍率色収差などを含む。コマ収差は、光軸外において点像が尾を引く現象であり、倍率色収差は、光の波長に応じて倍率が異なる現象である。
【0057】
図6(A)〜(D)は、それぞれ、レンズユニット100に入射する光の入射角が90度,60度,30度,0度のときの横収差を示す。
【0058】
図6(A)〜(D)の左側の図は、タンゼンシャル平面における横収差を示しており、右側の図は、サジタル平面における横収差を示している。なお、サジタル平面における横収差は縦軸に対して対称であるため、図示が簡略化されている。
【0059】
横軸は、光線束を構成する各光線の入射瞳面上における位置を示している。例えば、原点は、主光線を示しており、原点から最も離れた点は、入射瞳面上における光線束の最も外側の光線を示している。縦軸は、像面IS上の基準点と、光線束を構成する各光線と像面ISとが交わる交点と、の間の距離(mm)を示している。ここで、基準点は、波長546.07nmの主光線が像面ISと交わる点である。なお、図6(A)〜(D)では、波長546.07nmの主光線の入射角が互いに異なるため、像面IS上の基準点は互いに異なる位置である。
【0060】
実線のグラフは、波長546.07nmの光を用いたときの横収差を示している。破線のグラフは、波長460.00nmの光を用いたときの横収差を示している。一点鎖線のグラフは、波長656.27nmの光を用いたときの横収差を示している。
【0061】
上記のように、波長546.07nmの主光線が像面ISと交わる点が基準点に設定されているため、図6(A)〜(D)のそれぞれにおいて、実線のグラフは、原点を通っている。図示するように、各波長の光を用いたときの基準点からのズレ量は、約0.0125mm以下となっている。
【0062】
以上説明したように、本実施例のレンズユニット100では、第2のレンズ群120の最も像側に配置された第6レンズL6の双方の面S11,S12が非球面形状を有している。このため、比較的少数のレンズ(具体的には6枚のレンズ)を用いて、等距離射影方式(y=f・θ)を採用したレンズユニット100を構成することができる。また、収差が小さく、かつ、採用された射影方式に従った理想像高を基準とする像高の歪みが小さいレンズユニット100を得ることができる。
【0063】
B.第2実施例:
B−1.魚眼レンズユニットの構成:
図7は、第2実施例における撮像装置50Bの要部を示す説明図である。図7は、図2とほぼ同じであるが、レンズユニット100Bが変更されている。本実施例のレンズユニット100Bでは、第1実施例と同様に、y=f・θ(図1の曲線C3参照)で表される等距離射影方式が採用されている。
【0064】
レンズユニット100Bは、第1実施例と同様に、物体側に配置された第1のレンズ群110Bと、像側に配置された第2のレンズ群120Bと、第1のレンズ群110Bと第2のレンズ群120Bとの間に配置された絞り130Bと、を備えている。
【0065】
第1のレンズ群110Bは、3枚のレンズで構成されている。第1レンズL1は、物体側に凸面を有し、像側に凹面を有する凹メニスカスレンズである。第2レンズL2は、物体側および像側に凹面を有する両凹レンズである。第3レンズL3は、物体側に凹面を有し、像側に凸面を有する凸メニスカスレンズである。
【0066】
第2のレンズ群120Bは、2枚のレンズで構成されている。第4レンズL4は、物体側に凸面を有し、像側に凹面を有する凸メニスカスレンズである。第5レンズL5は、物体側に非球面形状の凹面を有し、像側に球面形状の凸面を有する非球面レンズである。
【0067】
図8は、魚眼レンズユニット100Bのレンズデータを示す説明図である。図8(A)は、図3(A)に対応する。本実施例では、第5レンズL5の物体側の面S10が非球面形状を有している。図8(B)は、図3(B),(C)と同様に、面S10の非球面係数を示している。
【0068】
本実施例のレンズユニット100Bでは、焦点距離fは1.15mmであり、Fナンバは2.8であり、画角2ωは180度である。
【0069】
また、本実施例のレンズユニット100Bでは、第1の評価値H1/2Yは1.73であり、第2の評価値H1/R1は0.36であり、第3の評価値ΣD/2Yは6.35である。なお、3つの評価値については後述する。
【0070】
B−2.魚眼レンズユニットの特性:
図9は、魚眼レンズユニット100Bの縦収差を示す説明図である。図9(A),(B)は、それぞれ図4(A),(B)に対応する。図9(A)に示すように、各波長の光を用いたときの中心点Oからのズレ量は、約0.03mm以下となっている。また、図9(B)に示すように、波長546.07nmの光を用いたときのズレ量は、約0.05mm以下となっている。
【0071】
図10は、魚眼レンズユニット100Bの歪曲収差を示す説明図である。図10(A),(B)は、ぞれぞれ図5(A),(B)に対応する。図10(B)から分かるように、等距離射影方式(y=f・θ)に従った理想像高を基準とする像高の歪みは、約1.5%以内となっている。
【0072】
図11は、魚眼レンズユニット100Bの横収差を示す説明図である。図11(A)〜(D)は、それぞれ図6(A)〜(D)に対応する。図示するように、各波長の光を用いたときの基準点からのズレ量は、約0.03mm以下となっている。
【0073】
以上説明したように、本実施例のレンズユニット100Bでは、第2のレンズ群120Bの最も像側に配置された第5レンズL5の物体側の面S10が非球面形状を有している。このため、比較的少数のレンズ(具体的には5枚のレンズ)を用いて、等距離射影方式(y=f・θ)を採用したレンズユニット100Bを構成することができる。また、収差が小さく、かつ、採用された射影方式に従った理想像高を基準とする像高の歪みが小さいレンズユニット100Bを得ることができる。
【0074】
C.第3実施例:
C−1.魚眼レンズユニットの構成:
図12は、第3実施例における撮像装置50Cの要部を示す説明図である。図12は、図2とほぼ同じであるが、レンズユニット100Cが変更されている。本実施例のレンズユニット100Cでは、第1および第2実施例と異なり、y=3・f・tan(θ/3)(図1の曲線CA参照)で表される射影方式が採用されている。
【0075】
レンズユニット100Cは、第1実施例と同様に、物体側に配置された第1のレンズ群110Cと、像側に配置された第2のレンズ群120Cと、第1のレンズ群110Cと第2のレンズ群120Cとの間に配置された絞り130Cと、を備えている。
【0076】
第1のレンズ群110Cは、4枚のレンズで構成されている。第1レンズL1は、物体側に凸面を有し、像側に凹面を有する凹メニスカスレンズである。第2レンズL2は、物体側に平面を有し、像側に凹面を有する平凹レンズである。第3レンズL3は、物体側に凹面を有し、像側に凸面を有する凹メニスカスレンズである。第4レンズL4は、物体側に凹面を有し、像側に凸面を有する凸メニスカスレンズである。
【0077】
第2のレンズ群120Cは、3枚のレンズで構成されている。第5レンズL5は、物体側および像側に凸面を有する両凸レンズである。第6レンズL6は、物体側および像側に凹面を有する両凹レンズである。第7レンズL7は、物体側および像側に非球面形状の凸面を有する非球面レンズである。なお、第5レンズL5と第6レンズL6とは、接合されている。
【0078】
図13は、魚眼レンズユニット100Cのレンズデータを示す説明図である。図13(A)は、図3(A)に対応する。本実施例では、第7レンズL7の物体側の面S13および像側の面S14が非球面形状を有している。図13(B),(C)は、図3(B),(C)と同様に、それぞれ、面S13および面S14の非球面係数を示している。
【0079】
本実施例のレンズユニット100Cでは、焦点距離fは1.04mmであり、Fナンバは2.8であり、画角2ωは180度である。
【0080】
また、本実施例のレンズユニット100Cでは、第1の評価値H1/2Yは1.75であり、第2の評価値H1/R1は0.46であり、第3の評価値ΣD/2Yは7.57である。なお、3つの評価値については後述する。
【0081】
C−2.魚眼レンズユニットの特性:
図14は、魚眼レンズユニット100Cの縦収差を示す説明図である。図14(A),(B)は、それぞれ図4(A),(B)に対応する。図14(A)に示すように、各波長の光を用いたときの中心点Oからのズレ量は、約0.01mm以下となっている。また、図14(B)に示すように、波長546.07nmの光を用いたときのズレ量は、約0.09mm以下となっている。
【0082】
図15は、魚眼レンズユニット100Cの歪曲収差を示す説明図である。図15(A)は、図5(A)に対応する。図15(B)は、y=3・f・tan(θ/3)で表される射影方式に従った理想像高を基準とする像高の歪みを示している。図15(B)から分かるように、像高の歪みは、約0.3%以内となっている。
【0083】
図16は、魚眼レンズユニット100Cの横収差を示す説明図である。図16(A)〜(D)は、それぞれ図6(A)〜(D)に対応する。図示するように、各波長の光を用いたときの基準点からのズレ量は、約0.02mm以下となっている。
【0084】
以上説明したように、本実施例のレンズユニット100Cは、第2のレンズ群120Cの最も像側に配置された第7レンズL7の双方の面S13,S14が非球面形状を有している。このため、比較的少数のレンズ(具体的には7枚のレンズ)を用いて、y=3・f・tan(θ/3)で表される射影方式を採用したレンズユニット100Cを構成することができる。また、収差が小さく、かつ、採用された射影方式に従った理想像高を基準とする像高の歪みが小さいレンズユニット100Cを得ることができる。
【0085】
D.第4実施例:
D−1.魚眼レンズユニットの構成:
図17は、第4実施例における撮像装置50Dの要部を示す説明図である。図17は、図2とほぼ同じであるが、レンズユニット100Dが変更されている。本実施例のレンズユニット100Dでは、第3実施例と同様に、y=3・f・tan(θ/3)(図1の曲線CA参照)で表される射影方式が採用されている。
【0086】
レンズユニット100Dは、第1実施例と同様に、物体側に配置された第1のレンズ群110Dと、像側に配置された第2のレンズ群120Dと、第1のレンズ群110Dと第2のレンズ群120Dとの間に配置された絞り130Dと、を備えている。
【0087】
第1のレンズ群110Dは、3枚のレンズで構成されている。第1レンズL1は、物体側に凸面を有し、像側に凹面を有する凹メニスカスレンズである。第2レンズL2は、物体側に凸面を有し、像側に凹面を有する凹メニスカスレンズである。第3レンズL3は、物体側に球面形状の凹面を有し、像側に非球面形状の凸面を有する非球面レンズである。
【0088】
第2のレンズ群120Dは、3枚のレンズで構成されている。第4レンズL4は、物体側および像側に凸面を有する両凸レンズである。第5レンズL5は、物体側および像側に凹面を有する両凹レンズである。第6レンズL6は、物体側および像側に非球面形状の凸面を有する非球面レンズである。なお、第4レンズL4と第5レンズL5とは、接合されている。
【0089】
図18は、魚眼レンズユニット100Dのレンズデータを示す説明図である。図18(A)は、図3(A)に対応する。本実施例では、第3レンズL3の像側の面S6が非球面形状を有している。また、第6レンズL6の物体側の面S11および像側の面S12が非球面形状を有している。図3(B),(C)と同様に、図18(B)は、第3レンズL3の面S6の非球面係数を示しており、図18(C),(D)は、それぞれ第6レンズL6の面S11および面S12の非球面係数を示している。
【0090】
本実施例のレンズユニット100Dでは、焦点距離fは1.05mmであり、Fナンバは2.8であり、画角2ωは180度である。
【0091】
また、本実施例のレンズユニット100Cでは、第1の評価値H1/2Yは2.13であり、第2の評価値H1/R1は0.45であり、第3の評価値ΣD/2Yは7.89である。なお、3つの評価値については後述する。
【0092】
D−2.魚眼レンズユニットの特性:
図19は、魚眼レンズユニット100Dの縦収差を示す説明図である。図19(A),(B)は、それぞれ図4(A),(B)に対応する。図19(A)に示すように、各波長の光を用いたときの中心点Oからのズレ量は、約0.015mm以下となっている。また、図19(B)に示すように、波長546.07nmの光を用いたときのズレ量は、約0.04mm以下となっている。
【0093】
図20は、魚眼レンズユニット100Dの歪曲収差を示す説明図である。図20(A)は、図5(A)に対応する。図20(B)は、図15(B)と同様に、y=3・f・tan(θ/3)で表される射影方式に従った理想像高を基準とする像高の歪みを示している。図20(B)から分かるように、像高の歪みは、約0.1%以内となっている。
【0094】
図21は、魚眼レンズユニット100Dの横収差を示す説明図である。図21(A)〜(D)は、それぞれ図6(A)〜(D)に対応する。図示するように、各波長の光を用いたときの基準点からのズレ量は、約0.01mm以下となっている。
【0095】
以上説明したように、本実施例のレンズユニット100Dは、第2のレンズ群120Dの最も像側に配置された第6レンズL6の双方の面S11,S12が非球面形状を有している。さらに、本実施例では、第1のレンズ群110Dの最も像側に配置された第3レンズL6の像側の面S6も非球面形状を有している。このため、比較的少数のレンズ(具体的には6枚のレンズ)を用いて、y=3・f・tan(θ/3)で表される射影方式を採用したレンズユニット100Dを構成することができる。また、収差が小さく、かつ、採用された射影方式に従った理想像高を基準とする像高の歪みが小さいレンズユニット100Dを得ることができる。
【0096】
E.魚眼レンズユニットの評価値:
第1ないし第4実施例で説明したように、各レンズユニット100,100B,100C,100Dでは、第1の評価値H1/2Yは、それぞれ、1.76,1.73,1.75,2.13であり、以下の条件(a)を満足している。
【0097】
条件(a):1.5<H1/2Y<2.5
【0098】
第1の評価値H1/2Yが上限値(2.5)以上である場合には、第1レンズL1が大口径となってしまう。また、第1の評価値H1/2Yが下限値(1.5)以下である場合には、非点収差やコマ収差などの軸外収差の補正が困難である。
【0099】
しかしながら、各レンズユニット100,100B,100C,100Dでは、条件(a)が満足されているため、第1レンズL1を小径化することができる。また、軸外収差を比較的容易に補正することができ、この結果、軸外収差の少ない高性能なレンズユニットを得ることができる。
【0100】
また、各レンズユニット100,100B,100C,100Dでは、第2の評価値H1/R1は、それぞれ、0.43,0.36,0.46,0.45であり、以下の条件(b)を満足している。
【0101】
条件(b):0.25<H1/R1<0.5
【0102】
第2の評価値H1/R1が上限値(0.5)以上である場合には、第1レンズL1の物体側の面S1が物体側に大きく突出するため、第1レンズL1の作製が非常に困難となってしまうと共に、第1レンズL1の取り扱いも不便となる。さらに、第1レンズL1の物体側の面S1が物体側に大きく突出していると、迷光に起因するゴーストやフレアが発生し易くなる。また、第2の評価値H1/R1が下限値(0.25)以下である場合には、入射角90度近傍の光線束は、非常に急峻な角度で第1レンズL1の物体側の面S1に入射し、大きく屈折する。このため、この屈折に起因して発生する非点収差や倍率色収差などの軸外収差を補正することが困難となってしまうと共に、充分な周辺光量を確保することが困難となってしまう。
【0103】
しかしながら、各レンズユニット100,100B,100C,100Dでは、条件(b)が満足されているため、第1レンズL1を比較的容易に作製することができると共に比較的容易に取り扱うことができる。また、ゴーストやフレアの発生を低減することができる。さらに、入射角90度近傍の光線束は、比較的緩やかな角度で第1レンズL1の物体側の面S1に入射する。このため、軸外収差を比較的容易に低減することができ、この結果、軸外収差の少ない高性能なレンズユニットを得ることができる。また、充分な周辺光量を確保することができる。
【0104】
さらに、各レンズユニット100,100B,100C,100Dでは、第3の評価値ΣD/2Yは、それぞれ、7.51,6.35,7.57,7.89であり、以下の条件(c)を満足している。
【0105】
条件(c):6.0<ΣD/2Y<8.0
【0106】
第3の評価値ΣD/2Yが上限値(8.0)以上である場合には、レンズユニットが大型化してしまう。また、第3の評価値ΣD/2Yが下限値(6.0)以下である場合には、個々のレンズのパワーが大きくなって、球面収差、コマ収差、非点収差、倍率色収差などの補正が困難となる。また、y=f・θやy=3・f・tan(θ/3)などで表される射影方式を採用しつつ、充分な画角(例えば180度)を得ることも困難となる。
【0107】
しかしながら、各レンズユニット100,100B,100C,100Dでは、条件(c)が満足されているため、レンズユニットを小型化することができる。また、球面収差、コマ収差、非点収差、倍率色収差などを比較的容易に補正することができ、この結果、各収差の少ない高性能なレンズユニットを得ることができる。さらに、y=f・θやy=3・f・tan(θ/3)などで表される射影方式を採用しつつ、容易に充分な画角を得ることができる。
【0108】
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0109】
(1)第1および第2実施例の魚眼レンズユニットでは、y=f・θで表される等距離射影方式が採用されており、第3および第4実施例の魚眼レンズユニットでは、y=3・f・tan(θ/3)で表される射影方式が採用されているが、他の射影方式も採用可能である。例えば、立体射影方式(y=2・f・tan(θ/2))などのy=α・f・tan(θ/β)で表される射影方式を採用可能である。なお、βの値としては、1より大きな任意の正の値(例えば、2以上の正の値)を採用可能である。ただし、βの値としては、通常、1.5より大きな任意の正の値が採用される。また、αの値としては、例えば、0.9β≦α≦1.1βを満足する値を採用可能である。
【0110】
すなわち、本発明における魚眼レンズユニットは、上記のy=f・θまたはy=α・f・tan(θ/β)で表される所定の射影方式を採用していればよい。換言すれば、本発明における魚眼レンズユニットは、所定の入射角(例えば80度)における入射角の増加量に対する像高の増加量で表される変化量(Δy/Δθ)が等距離射影方式を採用する場合の変化量以上となる所定の射影方式を採用していればよい。
【0111】
(2)第1,第2,第4実施例では、物体側に設けられた第1のレンズ群は、3枚のレンズで構成されており、第3実施例では、第1のレンズ群は、4枚のレンズで構成されている。
【0112】
また、第1,第3,第4実施例では、像側に設けられた第2のレンズ群は、3枚のレンズで構成されており、第2実施例では、第2のレンズ群は、2枚のレンズで構成されている。
【0113】
一般には、物体側に設けられた第1のレンズ群は、3枚または4枚のレンズで構成されていればよい。また、像側に設けられた第2のレンズ群は、2枚または3枚のレンズで構成されていればよい。
【0114】
(3)第1,第3,第4実施例では、第2のレンズ群のうちの最も像側に設けられた非球面レンズは、双方の面に非球面形状を有している。また、第2実施例では、非球面レンズは、物体側の面のみに非球面形状を有している。これに代えて、非球面レンズは、像側の面のみに非球面形状を有していてもよい。なお、非球面レンズが一方の面のみに非球面形状を有する場合には、双方の面に非球面形状を有する場合と比較して、非球面レンズを比較的容易に作製することができるという利点がある。
【0115】
一般には、第2のレンズ群のうちの最も像側に設けられた最終レンズは、少なくとも一方の面に非球面形状を有する非球面レンズであればよい。
【0116】
(4)上記実施例では、魚眼レンズユニットを備える撮像装置について説明した。撮像装置は、例えば、スチルカメラや監視カメラに適用可能である。
【0117】
また、上記実施例では、撮像装置の固体撮像素子200の像面ISには、歪曲収差を有する略円形の画像が形成されるが、撮像装置は、さらに、固体撮像素子200によって得られた略円形の画像を処理するための処理回路を備えていてもよい。処理回路は、例えば、略円形の画像を、魚眼レンズユニットの射影方式に基づいて補正するようにしてもよい。こうすれば、歪みのない画像を得ることができる。
【0118】
(5)上記実施例では、魚眼レンズユニットは、撮像装置に適用されているが、これに代えて、プロジェクタなどの投影装置に適用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】射影方式に応じた入射角と像高との関係を示す説明図である。
【図2】第1実施例における撮像装置50の要部を示す説明図である。
【図3】魚眼レンズユニット100のレンズデータを示す説明図である。
【図4】魚眼レンズユニット100の縦収差を示す説明図である。
【図5】魚眼レンズユニット100の歪曲収差を示す説明図である。
【図6】魚眼レンズユニット100の横収差を示す説明図である。
【図7】第2実施例における撮像装置50Bの要部を示す説明図である。
【図8】魚眼レンズユニット100Bのレンズデータを示す説明図である。
【図9】魚眼レンズユニット100Bの縦収差を示す説明図である。
【図10】魚眼レンズユニット100Bの歪曲収差を示す説明図である。
【図11】魚眼レンズユニット100Bの横収差を示す説明図である。
【図12】第3実施例における撮像装置50Cの要部を示す説明図である。
【図13】魚眼レンズユニット100Cのレンズデータを示す説明図である。
【図14】魚眼レンズユニット100Cの縦収差を示す説明図である。
【図15】魚眼レンズユニット100Cの歪曲収差を示す説明図である。
【図16】魚眼レンズユニット100Cの横収差を示す説明図である。
【図17】第4実施例における撮像装置50Dの要部を示す説明図である。
【図18】魚眼レンズユニット100Dのレンズデータを示す説明図である。
【図19】魚眼レンズユニット100Dの縦収差を示す説明図である。
【図20】魚眼レンズユニット100Dの歪曲収差を示す説明図である。
【図21】魚眼レンズユニット100Dの横収差を示す説明図である。
【符号の説明】
【0120】
50,B〜D…撮像装置
100,B〜D…魚眼レンズユニット
110,B〜D…第1のレンズ群
120,B〜D…第2のレンズ群
130,B〜D…絞り
150…光学要素
200…固体撮像素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の入射角における入射角の増加量に対する像高の増加量で表される変化量が等距離射影方式を採用する場合の前記変化量以上となる所定の射影方式を採用した魚眼レンズユニットであって、
物体側に設けられた第1のレンズ群と、
像側に設けられた第2のレンズ群と、
前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群との間に設けられた絞りと、
を備え、
前記第1のレンズ群は、
3枚または4枚のレンズで構成されており、
前記第2のレンズ群は、
2枚または3枚のレンズで構成されており、
前記第2のレンズ群のうちの最も像側に設けられた最終レンズは、少なくとも一方の面に非球面形状を有する非球面レンズであることを特徴とする魚眼レンズユニット。
【請求項2】
請求項1記載の魚眼レンズユニットであって、
前記非球面レンズは、双方の面に非球面形状を有する、魚眼レンズユニット。
【請求項3】
請求項1記載の魚眼レンズユニットであって、
前記非球面レンズは、一方の面のみに非球面形状を有する、魚眼レンズユニット。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の魚眼レンズユニットであって、
1.5<H1/2Y<2.5を満足する、魚眼レンズユニット。
ここで、H1は、前記第1のレンズ群のうちの最も物体側に設けられた第1レンズの物体側の面の有効半径であり、2Yは、前記魚眼レンズユニットによって像面上に形成されるイメージサークルの直径である。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の魚眼レンズユニットであって、
0.25<H1/R1<0.5を満足する、魚眼レンズユニット。
ここで、H1は、前記第1のレンズ群のうちの最も物体側に設けられた第1レンズの物体側の面の有効半径であり、R1は、前記第1レンズの物体側の面の曲率半径である。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の魚眼レンズユニットであって、
6.0<ΣD/2Y<8.0を満足する、魚眼レンズユニット。
ここで、ΣDは、前記第1のレンズ群のうちの最も物体側に設けられた第1レンズの物体側の面と、像面と、の間の光軸上の距離であり、2Yは、前記魚眼レンズユニットによって像面上に形成されるイメージサークルの直径である。
【請求項7】
撮像装置であって、
請求項1ないし6のいずれかに記載の前記魚眼レンズユニットと、
撮像素子と、
を備えることを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−164079(P2007−164079A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−363503(P2005−363503)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【出願人】(000000424)株式会社エルモ社 (104)
【Fターム(参考)】