説明

2つの部材を取り外し可能に連結させるための装置

本発明は、2つの部材、特に工作機械の2つの部材(10,12)を連結させるための装置に関わる。第1の部材(10)は、嵌合ピン(14)と、該嵌合ピン(14)をその基部(28)において画成し、半径方向へ突出しているリング状の平面(22)とを有し、第2の部材は、筒状の内面(32)を備えた受容スリーブ(16)を有している。さらに、嵌合ピン(14)を受容スリーブ(16)内へ引き込んでその際に前記平面(22)と前記端面(24)とを互いに押圧させる締め付け機構(20)が設けられている。両部材を簡単な手段で正確に心合わせするため、本発明によれば、受容スリーブは前記筒状の内面から前記端面のほうへ発散している内側円錐部分(34)を有し、嵌合ピンは嵌合ピンの基部領域に配置される弾性変形可能な心合わせリング(29)を有し、該心合わせリングは内側円錐部分(34)に対し補完的な外側円錐部分を担持している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの部材、特に工作機械の2つの部材を連結させるための装置であって、第1の部材に配置され、実質的に筒状の側面を有している嵌合ピンと、該嵌合ピンをその基部において画成し、半径方向へ突出しているリング状の平面と、第2の部材に配置され、筒状の内面を有し、リング状の端面によって画成されている受容スリーブと、嵌合ピンを受容スリーブ内へ引き込んでその際に前記平面と前記端面とを互いに押圧させる締め付け機構とを備え、受容スリーブが前記筒状の内面から前記端面のほうへ発散している内側円錐部分を有し、嵌合ピンがこれに対し補完的な外側円錐部分を担持している前記装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の連結装置は、とりわけ。機械主軸と工具とを取り外し可能に連結させ(インターフェース)、工具部材を(分割部位にて)互いに結合させるために用いられる。「工具部材」とは特にドリルバー、延長部材および短縮部材、調整ヘッド、主軸取り付けフランジ、工作機械主軸である。
【0003】
この種の公知の連結装置の場合、心合わせは受容スリーブ内での嵌合ピンのシリンダフィッティングにより行なわれ、他方回転連動は主に平面と端面との間での平面締め付けによる摩擦で行なわれる。シリンダフィッティングの場合は、基本的には、嵌合ピンと受容スリーブとの間に常にある程度の遊びが発生する。この不具合を解消するため、嵌合ピンが、その基部の領域に、筒状側面から平面のほうへ発散するように嵌合ピンに一体成形した外側円錐部分を有する構成が提案された(特許文献1)。また、この文献では、回転連動のために十分な平面締付けを保証するため、とりわけ、内側円錐部分が締め付け機構の作用で弾性的に拡開可能である構成が提案された。このためには受容スリーブの端面部分の領域に材料脆弱部が必要であるのが欠点である。
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第10233694A1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、冒頭で述べた公知の連結装置を、受容スリーブの領域に材料脆弱部を設けることなく、優れた心合わせ特性と回転連動のための十分な平面締付けとが保証されているように改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するため、請求項1と請求項26に記載した構成を提案する。本発明の有利な構成および他の構成は従属項に記載されている。
【0007】
本発明による解決手段の特徴は、まず第1に、嵌合ピンがその基部領域に弾性変形可能な心合わせリングを担持し、該心合わせリングが外側円錐部分を有していることにある。心合わせリングは嵌合ピン上に差し込まれているのが合目的である。嵌合ピン上での心合わせリングの正確な位置決めを保証するため、心合わせリングは嵌合ピンと形状拘束的におよび/または摩擦で結合されていてよい。このため、嵌合ピンは、心合わせリングを受容するために嵌合ピンを取り囲んでいる縁開口の凹部を有していてよい。心合わせリングが嵌合ピンから着脱可能であれば、この種の従来の連結システムとの互換性を形成させるために、心合わせリングを嵌合ピンから取り外すことができる。しかし、基本的には、心合わせリングを嵌合ピン上に収縮ばめしてもよい。
【0008】
本発明の有利な構成によれば、縁開口の凹部は第1の部材のリング状の平面に達している。この場合、縁開口の凹部は、心合わせリングに比べて、該心合わせリングの弾性変形を可能にするオーバーサイズを有している。心合わせリングがはね弾性材料から成り、好ましくはばね鋼から成っているのが合目的である。
【0009】
本発明の他の有利な構成によれば、心合わせリングは、嵌合ピンと形状拘束的に、摩擦でおよび/または溶着で結合されるリング状の足部分と、該足部分に軸線方向において接続し、隣接している嵌合ピンの側面から自由に突出し、外側円錐部分を担持しているリング状の弾性部分とを有している。この場合、心合わせリングはその足部分でもって嵌合ピンにロックされ、収縮ばめされ、接着され、溶接され、または蝋付けされている。弾性部分は足部分の嵌合ピン基部側に一体成形されているか、或いは、足部分の嵌合ピン基部とは逆の側に一体成形されている。これに対応して、弾性部分は、嵌合ピンの方向またはこれとは逆の方向において、嵌合ピンに固定された足部分から突出している。
【0010】
合目的には、心合わせリングが、嵌合ピンの筒状部分に対し当接しているリング状の足部分と、軸線方向において該足部分から突出している、縁開口の凹部に係合している弾性部分とを有しているのがよい。これに対応して、嵌合ピンは前記平面から軸線方向に間隔を持って配置される筒状の心合わせ部分を有し、該心合わせ部分に、前記平面の方向において、好ましくは境界段部を介して、心合わせ部分よりも径が小さな縁開口の凹部が接続している。この場合、心合わせリングはその足部分でもって嵌合ピンの筒状部分上に遊びなしに差し込まれ、または収縮ばめされている。このため、心合わせリングの足部分は、嵌合ピンの心合わせ部分に対し径が適合している心合わせ穴を有し、該心合わせ穴の内径は弾性部分の領域における内径よりも小さい。弾性部分の領域における内径は、心合わせリングの延在距離にわたって可変にすることができる。有利には、穿刺部が、部材軸線方向に斜めに指向する、心合わせリングの弾性部分のための乗り上げ傾斜部を有しているのがよい。嵌合過程の際、弾性部分はこの乗り上げ傾斜部に沿って部材軸線方向に変位する。このため、心合わせリングは、弾性部分の領域に、リング状に周回するように延在し且つ材料薄肉部によって形成される撓みゾーンを有している。この点に関連して有利な構成は、嵌合ピンをはずしたときのスリーブ側の内側円錐部分の円錐角が、心合わせリング側の外側円錐部分の円錐角よりも急であることである。この場合、嵌合過程の際、受容スリーブはその内側円錐部分の端面エッジでもって、まず心合わせリングの外側円錐部に対し係止され、その結果弾性部分は乗り上げ傾斜部に沿って内側へ撓むことができ、心合わせリングの円錐角は漸次外側円錐部分の円錐角に適合する。嵌合ピンを締め付け固定させると、最終的に、受容スリーブの内側円錐部分と心合わせリングの外側円錐部分とが平面当接する。本発明による構成の特徴は、締め付け固定状態で心合わせリングが互いに間隔を持って位置する3つの個所でリング状に当接せしめられ、すなわち足部分の領域では嵌合ピンの心合わせ部分の内面に、弾性部分の領域では受容スリーブの内側円錐部分の外面に、嵌合ピン基部の領域では穿刺面の端面にリング状に当接する。
【0011】
本発明の他の有利な構成によれば、嵌合ピンと心合わせリングとの間のリング状の中間空間内に収納される、エラストマー材から成る少なくとも1つのパッキンリングが設けられている。このパッキンリングは前記中間空間内への塵埃の侵入を阻止する。なお、パッキンリングは嵌合ピンまたは心合わせリングのいずれか一方に加硫処理されている。
【0012】
心合わせリングの取り付けを容易にするため、心合わせリングは、周方向に配分して設けられる複数個の拡開スリットであって軸線方向において足部分および/または弾性部分のほうに開口している前記拡開スリットを有している。これらの拡開スリットにより、締め付け固定過程の際に、締め付けリングを介しての両部材間の当接位置において遊びのない位置決めが容易になる。
【0013】
内側円錐部分および外側円錐部分の円錐角は、自己固着が生じないような大きさに選定されている。それゆえこの円錐角は少なくとも8゜であるべきである。
【0014】
他の有利な、或いは択一的な実施態様によれば、すなわち受容スリーブおよび/または嵌合ピンが前記筒状の側面または内面から前記端面または平面のほうへ発散している円錐部分を有し、円錐部分が、受容スリーブの場合には内側円錐部分として形成され、嵌合ピンの場合には外側円錐部分として形成されている実施態様によれば、少なくとも1つの円錐部分の領域に、受容スリーブと嵌合ピンとの間に位置するように且つリング状に周回して延在するように、受容スリーブおよび/または嵌合ピンに形成されるポケットが設けられ、該ポケット内に、弾性変形可能な材料から成るケージリングが配置され、該ケージリングは、周方向に配分して設けられる支持体であって、嵌合状態において、受容スリーブおよび嵌合ピンの、ポケットの領域で互いに対向しあう境界壁で支持される前記支持体を備えている。支持体は好ましくは支持球体として形成される。この場合、ケージリングは、支持球体のための保持機能と密封機能との双方の機能を有するポリマー材から成っているのが合目的である。
【0015】
嵌合過程を容易にするため、ケージリングが両部材のうちの一方の部材と形状拘束的におよび/または摩擦で結合されているのが合目的である。このため、ケージリングは両部材のうちの一方の部材とロック、締め付け固定、またはねじ止めされていてよい。本発明の有利な構成によれば、周回するように延在しているポケットは受容スリーブに形成され、ケージリングはこのポケット内に固定されている。これにより、受容スリーブの側だけに追装備が必要であるにすぎない。
【0016】
なお、本発明による解決手段により、嵌合ピンおよび受容スリーブの長さ方向において3分割が行なわれる。嵌合ピンおよび受容スリーブの筒状部分には締め付け機構が設けられる。心合わせリングおよび受容スリーブの領域にある円錐状部分は心合わせの用を成す。締め付け機構の作用で行なわれる平面締め付けは回転連動を生じさせる。平面締め付けの際に締め付け機構によって生じる非対称性は、弾性圧縮可能な心合わせリングによって補償される。さらに、嵌合穴内での嵌合ピンの嵌め合いの程度を適宜選定すれば、締め付け過程において、穴壁と嵌合ピンとを当接させ、よって連結領域での可撓性を向上させることができる。
【0017】
本発明の有利な構成によれば、締め付け機構は、嵌合ピンの横穴内に変位可能に配置され、その端部に内側円錐部分または外側円錐部分を有している締め付けボルトと、受容スリーブの筒状の内面に関し互いに直径方向に対向し、締め付け過程において前記平面および前記端面の領域で心合わせリングを撓めさせ且つ両部材を互いに押圧させて締め付けボルトにより楔状に固定可能な、好ましくは保持ねじとして形成される2つの締め付け手段とを有している。これにより締め付けボルトと締め付け手段とによる平面締め付けが発生し、他方連結部の心合わせと補強とは円錐部分を介して心合わせリングと受容スリーブにおいて行なわれる。種々の実験を行なったところ、嵌合過程の際の反復精度は、心合わせリングを介して円錐状の遊びのない設定が行なわれるため、嵌合ピンに外側円錐部分を一体成形した構成に比べて著しく改善されることが明らかになった。さらに、本発明による解決手段により、第1の部材と第2の部材との回転対称な連結面を、それぞれ工作機械の1回の締め付け固定で正確に同心に密接して回転させることができ、場合によっては研削することができる。したがって高度な心合わせ精度が保証される。
【0018】
上記の利点は、嵌合ピンの端面側端部から軸線方向に突出している引張りボルトと、工作機械側に配置され、受容スリーブに設けた貫通穴を貫通して引張りボルトに軸線方向において係合する引き込み装置とを有している締め付け機構を使用しても得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態を添付の図面を用いて詳細に説明する。
図面に図示した連結装置は、部材10,12を取り外し可能に連結させるために用いる。以下では、「部材」とは嵌合ピン14または受容スリーブ16のいずれか一方を含んでいる工具部材の意味で使用する。図1に図示した実施形態の場合、嵌合ピン14を備えた部材10は測定マンドレルであり、受容スリーブ16を備えている部材12は、機械主軸に接続させるためのショートテーパシャンク18を備えたアダプタ部材である。
【0020】
連結装置は、実質的に、第1の部材10から軸線方向へ突出している嵌合ピン14と、第2の部材に配置されている受容スリーブ16と、嵌合ピン14を受容スリーブ16内へ引き込んで、嵌合ピン14を画成している第1の部材10のリング状の平面22と受容スリーブ16を画成している第2の部材12の端面24との間に平面締付けを生じさせるための締め付け機構20とから構成されている。嵌合ピン14は実質的に筒状の側面26を有している。側面26上には、その基部28の領域に、平面22の方向へ発散している外側円錐部分30を備えた心合わせリング29が嵌合している。他方、第2の部材12の受容スリーブは、嵌合穴として形成された、実質的に筒状の内面32を有している。内面32は端面24のほうへ発散している内側円錐部分24へ移行している。
【0021】
本発明の特徴は、嵌合ピン14の基部領域に配置されている心合わせリング29が弾性変形可能であり、すなわち弾性的に撓み可能な材料から成っており、好ましくはばね鋼から成っていることにある。心合わせリング29は嵌合ピン上に嵌合されており、嵌合ピンと形状拘束的におよび/または摩擦で結合されている。このため、嵌合ピン14は、周回するように延在して縁が開口している、心合わせリング29を受容するための凹部36を有している。凹部36は第1の部材10のリング状の平面22に設けた軸線方向の穿刺部37まで達している。縁開口の凹部36は、心合わせリング29に比べて、該心合わせリング29の弾性変形を可能にするようなオーバーサイズを有している。
【0022】
図2bに示したように、嵌合ピンを取り外した場合のスリーブ側の内側円錐部分34の円錐角は、心合わせリング側の外側円錐部分30の円錐角よりも急傾斜になっている。それ故、嵌合過程においては、受容スリーブ16はその内側円錐部分34の端面でもってまず心合わせリング29の外側円錐部分30に対し係止され、その結果締め付け過程において心合わせリングはその端面付近において内側へ撓むことができ、心合わせリング29の円錐角は外側円錐部分の円錐角に整合する。嵌合ピン14を締め付け固定すると、最終的に受容スリーブ16の内側円錐部分34と心合わせリング29の外側円錐部分30との間で平面当接が得られる。
【0023】
図2、図3、図4に図示した個々の実施形態は、実質的に、心合わせリング29の内側輪郭の点、および、嵌合ピンに設けた付属の縁開口の凹部36および穿刺部37の外側輪郭の点で異なっている。これら3つの実施形態においては、すべて、心合わせリング29と隣接している嵌合ピン14の面との間に、弾性材料から成るパッキンリング38が設けられている。図2aおよび図2bに図示した実施形態の場合には、Oリングとして形成されたパッキンリング38が設けられており、このパッキンリング38は心合わせリング29と嵌合ピンとの間の自由中間空間を半径方向において橋絡し、そこである種の傾動軸を形成している。嵌合過程の際、心合わせピン29はパッキンリング38により形成される傾動軸を介して変形する。心合わせリング29の、穿刺部37に係合している弾性部分60は、嵌合過程の際に半径方向内側へ移動し、その結果両円錐角度の同化が行なわれる。
【0024】
図3aおよび図3bの実施形態では、心合わせリング29は、筒状の心合わせ部分62に対し当接しているリング状の足部分64と、軸線方向において足部分64から突出して縁開口の凹部36と穿刺部37とに係合している弾性部分60とを有している。心合わせリングはその足部分64でもって嵌合ピン14の心合わせ部分62上へ遊びなしに嵌合され、或いは収縮ばめされている。心合わせリングは、弾性部分60の領域に、リング状に集会するように延在し、材料薄肉化によって形成されている撓みゾーン66を有している。撓みゾーン66は、嵌合過程の際に弾性部分60が穿刺部37に締め付け固定された受容スリーブ16の作用で半径方向内側へ撓むようにするためのものである。パッキンリング38は弾性部分60の端面に配置され、他の側で穿刺部37の底部に対し当接している。さらに穿刺部37は乗り上げ傾斜部68を有しており、嵌合過程の際に弾性部分60が補完的な傾斜面70でもってこの乗り上げ傾斜部68の上に乗り上げることができる。
【0025】
図4aおよび図4bに図示した実施形態では、図3aおよび図3bの実施形態に比べると、嵌合ピン14の心合わせ部分62上に正確に当接する足部分64は短くなっている。この実施形態では、パッキンリング38は足部分64のすぐ横にあり、その1つの縁でもって凹部36の境界段部72に対し係止される。パッキンリング38をこのように配置することの利点は、弾性部分60と穿刺部37の底部との間に、嵌合過程の際に弾性部分6がその傾斜面70でもって乗り上げ傾斜部68の上に自由に乗り上げることができるようにするための小さな自由空間74が残ることにある。この実施形態でも、嵌合過程の際に有効な、材料薄肉部66によって形成される撓みゾーン66が設けられている。
【0026】
心合わせリング29の可撓性を改善するため、周方向に配分して設けられる、軸線方向において足部分エッジおよび/または弾性部分エッジに対し開口している拡開スリットまたは撓みスリット76,78を設けてよい(図5aないし図5cを参照)。
【0027】
図6aおよび図6bと、図7aおよび図7bに図示した、2つの部材10と12との間の連結部位に関する2つの実施形態が、上述の実施形態と異なっているのは、心合わせリング29がその足部分64と弾性部分60の双方でもって隣接の前記部材に密に当接し、その結果この領域に付加的なパッキンリングが必要ないことである。心合わせリング29は、この領域に、嵌合ピンと形状拘束的に、摩擦で、および/または溶着により結合されるリング状の足部分64と、軸線方向において足部分に接続し、嵌合ピンから自由に突出し、外側円錐部分30を担持しているリング状の弾性部分60とを有している。弾性部分60は、嵌合過程において、受容スリーブ16の内側円錐部分34に対し密に当接する。これら両実施形態では、心合わせリング29はその足部分64が嵌合ピン上にロック、収縮ばめ、接着、溶接、または蝋付けされている。図6aおよび図6bの実施形態の場合には、弾性部分60は足部分64の嵌合ピン基部28側に一体成形されており、他方図7aおよび図7bの実施形態の場合は、弾性部分60は足部分64の嵌合ピン基部28とは逆の側に一体成形されている。両実施形態とも、嵌合ピンはその基部領域において筒状またはやや段付き筒状に形成されていてもよく、その結果心合わせピン29を省略しても、筒状の嵌合ピンを有している従来のこの種の工具連結連結機構との互換性がある。
【0028】
図8a,8bから図15a,15bまでに図示した実施形態では、心合わせリング29は、変形可能な材料、好ましくはエラストマー材から成っているケージリング110を有している。ケージリング110は周方向に配分して設けられる支持球体112を備えている。支持球体112は、部材10,12の嵌合状態では、互いに向き合っている境界壁30’,34’に当接する。図8a,8bから図12a,12bまでに図示した実施形態では、境界壁30’,34’はそれぞれ該当する部材10,12の外側円錐部分および内側円錐部分として円錐状に形成されている。図13a,13bから図15a,15bまでに図示した実施形態では、両境界壁のうち一方の境界壁のみがこの意味で円錐状に形成されており、他方他の境界壁は、心合わせ機能を失うことなく筒状に延びている。嵌合過程で支持球体112は、心合わせリングが境界壁にて転動運動を実施できるようにする。転動運動はこの領域で固着が生じないようにする。図16では、部材12の受容スリーブ16を概略的に図示したうえで、支持球体112を備えたケージリング110の配置構成が図示されている。
【0029】
図8aおよび図8bには、ケージリング110の固定に関し一方の部材を優先するか他方の部材を優先するかに関係なく、支持球体112を備えた心合わせリング29の原理が図示されている。特に図8bからわかるように、エラストマーのケージリングは、その締め付け固定領域に、ケージリングを締め付け固定するために嵌合過程に引き続いて必要な変形を行なうための十分な空気室を有している。図8aから図15bまでのすべての実施形態において、ケージリング110を受容するための穿刺部37は受容スリーブ16の側にある。
【0030】
心合わせリング29と部材との間での一義的な関連付けを維持するため、図9aおよび図9bの実施形態、図10aおよび図10bの実施形態では、ケージリング110はそれぞれロッククリップ116’,116”でもって受容スリーブ16の環状溝118’,118”にロックされている。図11aおよび図11bの実施形態では、ケージリング110にロックリップ116”’が配置され、ロックリップ116”’は組み立て状態で嵌合ピン14の補完的な環状溝120にロックされる。
【0031】
図12aおよび図12bの実施形態では、ケージリング110に、周方向に配分して配置されるロックピン122が設けられている。これらのロックピン122は受容スリーブ16の補完的な凹部124にロックされている。
【0032】
図13aおよび図13bの実施形態では、ケージリング110は、半径方向外側へ指向し、本実施形態では円錐状の凹部126を備えている。これらの凹部126には、外側から、受容スリーブ16の壁を貫通する保持ねじ128がその円錐先端部でもって係合する。
【0033】
図14a,14bおよび図15a,15bの実施形態では、嵌合ピンと受容スリーブの境界壁30’,34’のうち一方のみを円錐状に形成すればよい。他方の境界壁は筒状に形成されていてよい。図14a,14bの実施形態では、従来の嵌合ピンを備えた部材10を使用することができる。
【0034】
図1ないし図16に記載の締め付け機構20は、嵌合ピン14の横穴44内に変位可能に配置される締め付けボルトまたは振動ボルト46と、第2の部材12の雌ねじ48,50にねじ込まれ、互いに直径方向に対向している2つの保持ねじ52,54とを含んでいる。保持ねじ52はその頭部56でもって第2の部材12に固定される止めねじとして形成され、保持ねじ54は運動ねじを形成している。締め付けボルト46はその外側円錐部分78でもって、隣接している止めねじ52の内側円錐部分に係合し、且つ外側円錐部分78とは逆の側の端部に、運動ねじ54に一体に形成された外側円錐部分84を受容するための内側円錐部分82を有している。
【0035】
両部材10,12を互いに連結させるため、まず、運動ねじ54を回して嵌合ピン14を第2の部材12の受容スリーブ16内へゆるく挿入する。次に運動ねじ54を雌ねじ50のなかへねじ込んで、さしあたり、運動ねじ54と締め付けボルト46とを互いに向き合っている円錐面82,84の領域において互いに係止させる。さらに締め付け過程を行ない、締め付けボルト46をその外側円錐部分78でもって止めねじ52で係止されるまで内側円錐部分80のなかへ押し込む。この状態で本来の締め付け過程を行なう。本来の締め付け過程では、保持ねじ52,54によって導入される締め付け力が、締め付け機構20の円錐状の当接面78,80,82,84を介して、嵌合ピン14を受容スリーブ16に引き込むスラスト力に変換される。このスラスト力は、さしあたり、受容スリーブ16の内側円錐部分34によって心合わせリング29の弾性部分60を撓めさせて、受容スリーブ16の端面24を嵌合ピン14の平面22に対し当接させる。運動ねじ54をさらに締めると、最終的に端面24と平面22との間に平面締め付けが得られる。心合わせリング29と受容スリーブ16の互いに当接しあっている外側円錐部分30と内側円錐部分34とは、部材10,12を心合わせするとともに、筒状嵌合部の領域にある遊びと、締め付け機構20の非対称性とを減少させる。
【0036】
図示した個々の実施形態では、嵌合ピン14の端面と受容スリーブ16の底部との間には、軸線方向の破断部96を備えたパッキンリング98が設けられている。パッキンリング98は、連結装置を貫通している冷媒管路100を外部に対し密封させる。第2の部材から来ている冷媒管100は、このパッキンリング98を通って、締め付け機構20を無段階に貫通するように差し込まれている冷媒管102に開口している。
【0037】
本発明においては、締め付け機構20は従属的な役割しか果たしていない。したがって、図17に示したように、嵌合ピン14の端面側から軸線方向に突出する引張りボルト136を部材10に設けたような締め付け機構を設けてもよい。引張りボルト136は、嵌合過程において、受容スリーブ16に設けた底部穴を貫通し、図示していない工作機械側の引き込み機構によって把持される。この場合、両部材10,12の心合わせは、図17に図示した実施形態の場合には支持球体112を備えたケージリング110として形成されている心合わせリング29を用いて行なう。
【0038】
以上を総括すると以下のようになる。本発明は、2つの部材、特に工作機械の2つの部材10,12を連結させるための装置に関わる。第1の部材10は、筒状の嵌合ピン14と、該嵌合ピンをその基部28において画成し、半径方向へ突出しているリング状の平面22とを有し、第2の部材12は、筒状の内面32を備えた受容スリーブ16を有している。さらに、嵌合ピン14を受容スリーブ16内へ引き込んでその際に前記平面22と前記端面24とを互いに押圧させる締め付け機構20が設けられている。両部材を簡単な手段で正確に心合わせするため、本発明によれば、受容スリーブは前記筒状の内面から前記端面のほうへ発散している内側円錐部分34を有し、嵌合ピンは嵌合ピンの基部領域に配置される弾性変形可能な心合わせリング29を有し、該心合わせリングは内側円錐部分34に対し補完的な外側円錐部分を担持している。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】互いに連結された2つの工具部材(アダプタ部材を備えた測定マンドレル)の側面図である。
【図2a】図1の両工具部材の間の連結部位の第1実施形態の一部分の拡大断面図である。
【図2b】図2aの拡大部分図である。
【図3a】図1の両工具部材の間の連結部位の第2実施形態の一部分の拡大断面図である。
【図3b】図3aの拡大部分図である。
【図4a】図1の両工具部材の間の連結部位の第3実施形態の一部分の拡大断面図である。
【図4b】図4aの拡大部分図である。
【図5a】嵌合ピンと心合わせリングとを備えた工具部材の実施形態の斜視図である。
【図5b】嵌合ピンと心合わせリングとを備えた工具部材の他の実施形態の斜視図である。
【図5c】嵌合ピンと心合わせリングとを備えた工具部材の他の実施形態の斜視図である。
【図6a】両工具部材間の連結部位の他の実施形態を、図2aに対応させて図示した断面図である。
【図6b】両工具部材間の連結部位の他の実施形態を、図2bに対応させて図示した断面図である。
【図7a】両工具部材間の連結部位の他の実施形態を、図2aに対応させて図示した断面図である。
【図7b】両工具部材間の連結部位の他の実施形態を、図2bに対応させて図示した断面図である。
【図8a】両工具部材間の連結部位の他の実施形態を、図2aに対応させて図示した断面図である。
【図8b】両工具部材間の連結部位の他の実施形態を、図2bに対応させて図示した断面図である。
【図9a】両工具部材間の連結部位の他の実施形態を、図2aに対応させて図示した断面図である。
【図9b】両工具部材間の連結部位の他の実施形態を、図2bに対応させて図示した断面図である。
【図10a】両工具部材間の連結部位の他の実施形態を、図2aに対応させて図示した断面図である。
【図10b】両工具部材間の連結部位の他の実施形態を、図2bに対応させて図示した断面図である。
【図11a】両工具部材間の連結部位の他の実施形態を、図2aに対応させて図示した断面図である。
【図11b】両工具部材間の連結部位の他の実施形態を、図2bに対応させて図示した断面図である。
【図12a】両工具部材間の連結部位の他の実施形態を、図2aに対応させて図示した断面図である。
【図12b】両工具部材間の連結部位の他の実施形態を、図2bに対応させて図示した断面図である。
【図13a】両工具部材間の連結部位の他の実施形態を、図2aに対応させて図示した断面図である。
【図13b】両工具部材間の連結部位の他の実施形態を、図2bに対応させて図示した断面図である。
【図14a】両工具部材間の連結部位の他の実施形態を、図2aに対応させて図示した断面図である。
【図14b】両工具部材間の連結部位の他の実施形態を、図2bに対応させて図示した断面図である。
【図15a】両工具部材間の連結部位の他の実施形態を、図2aに対応させて図示した断面図である。
【図15b】両工具部材間の連結部位の他の実施形態を、図2bに対応させて図示した断面図である。
【図16】図8a,8bないし図15a,15bの実施形態の1つに対応する受容スリーブを備えたアダプタ部材の斜視図である。
【図17】図8aないし図15bの実施形態に従って嵌合ピンおよび引張りボルトとケージリングとを備えた1つの工具部材の側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの部材、特に工作機械の2つの部材(10,12)を連結させるための装置であって、第1の部材(10)に配置され、実質的に筒状の側面(26)を有している嵌合ピン(14)と、該嵌合ピン(14)をその基部(28)において画成し、半径方向へ突出しているリング状の平面(22)と、第2の部材(12)に配置され、筒状の内面(32)を有し、リング状の端面(24)によって画成されている受容スリーブ(16)と、嵌合ピン(14)を受容スリーブ(16)内へ引き込んでその際に前記平面(22)と前記端面(24)とを互いに押圧させる締め付け機構(20)とを備え、受容スリーブ(16)が前記筒状の内面(32)から前記端面のほうへ発散している内側円錐部分(34)を有し、嵌合ピンがこれに対し補完的な外側円錐部分(30)を担持している前記装置において、
外側円錐部分(30)を有し、嵌合ピンの基部領域に配置される、弾性変形可能な心合わせリング(29)が設けられていることを特徴とする装置。
【請求項2】
心合わせリング(29)が嵌合ピン(14)上に差し込まれていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
心合わせリング(29)が嵌合ピン(14)と形状拘束的におよび/または摩擦で結合されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
心合わせリング(29)を受容するため、嵌合ピン(14)を取り囲んでいる縁開口の凹部(36)が設けられていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項5】
縁開口の凹部(36)が第1の部材(10)のリング状の平面(22)に達していることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
縁開口の凹部(36)が、心合わせリング(29)に比べて、該心合わせリング(29)の弾性変形を可能にするオーバーサイズを有していることを特徴とする、請求項4または5に記載の装置。
【請求項7】
心合わせリング(29)がばね弾性材料から成り、好ましくはばね鋼から成っていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項8】
心合わせリング(29)が、嵌合ピン(14)と形状拘束的に、摩擦でおよび/または溶着で結合されるリング状の足部分(64)と、該足部分に軸線方向において接続し、隣接している嵌合ピン(14)の側面から自由に突出し、外側円錐部分(30)を担持しているリング状の弾性部分(60)とを有していることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項9】
心合わせリング(29)がその足部分(64)でもって嵌合ピン(14)にロックされ、収縮ばめされ、接着され、溶接され、または蝋付けされていることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
弾性部分(60)が足部分(64)の嵌合ピン基部(28)側に一体成形されていることを特徴とする、請求項8または9に記載の装置。
【請求項11】
弾性部分(60)が足部分(64)の嵌合ピン基部(28)とは逆の側に一体成形されていることを特徴とする、請求項8または9に記載の装置。
【請求項12】
嵌合ピン(14)が前記平面(22)から軸線方向に間隔を持って配置される筒状の心合わせ部分(62)を有し、該心合わせ部分(62)に、前記平面(22)の方向において、好ましくは境界段部(72)を介して、心合わせ部分(62)よりも径が小さな縁開口の凹部(36)が接続していることを特徴とする、請求項4から11までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項13】
心合わせリング(29)が、心合わせ部分(62)に対し当接しているリング状の足部分(64)と、軸線方向において該足部分から突出している、少なくとも部分的に縁開口の凹部内へ撓み可能な弾性部分(60)とを有していることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
心合わせリング(29)の足部分(64)が、嵌合ピン(14)の心合わせ部分(62)に対し径が適合している心合わせ穴を有し、該心合わせ穴の内径が弾性部分の内径よりも小さいことを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
心合わせリング(29)が、弾性部分(60)の領域に、該心合わせリングの延在距離にわたって可変な内径を有していることを特徴とする、請求項12から14までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項16】
心合わせリング(29)はその足部分(64)でもって嵌合ピン上に遊びなしに差し込まれ、または収縮ばめされていることを特徴とする、請求項8から15までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項17】
嵌合ピン(14)が、穿刺部(37)の領域に、部材軸線方向に斜めに指向する、心合わせリング(29)の弾性部分(60)のための乗り上げ傾斜部(68)を有していることを特徴とする、請求項8から16までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項18】
心合わせリング(29)が、弾性部分(60)の領域に、リング状に周回するように延在し且つ材料薄肉部によって形成される撓みゾーン(66)を有していることを特徴とする、請求項8から17までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項19】
嵌合ピン(14)と心合わせリング(29)との間のリング状の中間空間内に収納される、エラストマー材から成る少なくとも1つのパッキンリング(38)が設けられていることを特徴とする、請求項1から18までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項20】
パッキンリング(38)が嵌合ピン(14)および/または心合わせリング(29)に加硫処理されていることを特徴とする、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
心合わせリング(29)が、周方向に配分して設けられる拡開スリットまたは撓みスリット(76,78)であって軸線方向において足部分および/または弾性部分のほうに開口している前記拡開スリットまたは撓みスリット(76,78)を有していることを特徴とする、請求項8から20までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項22】
嵌合ピン(14)をはずしたときのスリーブ側の内側円錐部分(34)の円錐角が、心合わせリング側の外側円錐部分(30)の円錐角よりも急であることを特徴とする、請求項1から21までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項23】
嵌合ピンを介して心合わせリング(29)を締め付け固定したときの外側円錐部分(30)と内側円錐部分(34)の円錐角が互いに同じであることを特徴とする、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
締め付け固定状態での心合わせリング(29)が、足部分(64)の領域では嵌合ピン(14)の心合わせ部分(62)の内面に、弾性部分(60)の領域では受容スリーブ(16)の内側円錐部分(34)の外面に、嵌合ピン基部の領域では穿刺面の端面にリング状に当接していることを特徴とする、請求項8から23までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項25】
心合わせリング(29)が、弾性変形可能な材料から成るケージリング(110)を有し、該ケージリング(110)内に、周方向に配分して設けられ、嵌合ピン(14)と受容スリーブとで支持される支持体(112)が埋設されていることを特徴とする、請求項1から24までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項26】
2つの部材、特に工作機械の2つの部材(10,12)を連結させるための装置であって、第1の部材(10)に配置され、実質的に筒状の側面(26)を有している嵌合ピン(14)と、該嵌合ピン(14)をその基部(28)において画成し、半径方向へ突出しているリング状の平面(22)と、第2の部材(12)に配置され、筒状の内面(32)を有し、リング状の端面(24)によって画成されている受容スリーブ(16)と、嵌合ピン(14)を受容スリーブ(16)内へ引き込んでその際に前記平面(22)と前記端面(24)とを互いに押圧させる締め付け機構(20)とを備え、受容スリーブ(16)および/または嵌合ピン(14)が前記筒状の側面または内面(26,32)から前記端面または平面(24,22)のほうへ発散している円錐部分(34,30)を有し、円錐部分(34,30)が、受容スリーブ(16)の場合には内側円錐部分(34)として形成され、嵌合ピン(14)の場合には外側円錐部分(30)として形成されている前記装置において、
少なくとも1つの円錐部分(34,30)の領域に、受容スリーブ(16)と嵌合ピン(14)との間に位置するように且つリング状に周回して延在するように、受容スリーブおよび/または嵌合ピンに形成されるポケット(穿刺部37)が設けられ、該ポケット(穿刺部37)内に、弾性変形可能な材料から成るケージリング(110)が配置され、該ケージリング(110)が、周方向に配分して設けられる支持体(112)であって、嵌合状態において、受容スリーブ(16)および嵌合ピン(14)の、ポケット(114)の領域で互いに対向しあう境界壁(30’,34’)で支持される前記支持体(112)を備えていることを特徴とする装置。
【請求項27】
ケージリング(110)がエラストマー材から成り、他方ケージリング内に配置される、好ましくは支持球体(112)として形成される支持体が、金属、好ましくは鋼から成っていることを特徴とする、請求項25または26に記載の装置。
【請求項28】
ケージリング(110)が両部材(10,12)のうちの一方の部材と形状拘束的におよび/または摩擦で結合されていることを特徴とする、請求項25から27までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項29】
ケージリング(110)が両部材(10,12)のうちの一方の部材とロック、締め付け固定、またはねじ止めされていることを特徴とする、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
支持体(112)が少なくとも1つの円錐部分(30’,34’)で支持されていることを特徴とする、請求項25から29までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項31】
周回するように延在しているポケット(穿刺部37)が受容スリーブ(16)に形成され、ケージリング(110)がこのポケット内に固定されていることを特徴とする、請求項25から30までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項32】
締め付け機構(20)が、嵌合ピン(14)の横穴(44)内に変位可能に配置され、その端部に内側円錐部分または外側円錐部分(82,84)を有している締め付けボルト(46)と、受容スリーブ(16)の筒状の内面(32)に関し互いに直径方向に対向し、締め付け過程において前記平面(22)および前記端面(24)の領域で心合わせリング(29)を撓めさせ且つ両部材(10,12)を互いに押圧させて締め付けボルト(46)により楔状に固定可能な、好ましくは保持ねじ(52,54)として形成される2つの締め付け手段とを有していることを特徴とする、請求項1から31までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項33】
締め付け機構(20)が、嵌合ピン(14)の端面側端部から軸線方向に突出している引張りボルト(136)と、工作機械側に配置され、受容スリーブ(16)に設けた貫通穴を貫通して引張りボルト(136)に軸線方向において係合する引き込み装置とを有していることを特徴とする、請求項1から31までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項34】
嵌合ピン(14)の端面と受容スリーブ(16)の底部との間に、破断部(96)を備えた軸線方向のパッキンリング(98)が配置されていることを特徴とする、請求項1から33までのいずれか一つに記載の装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11a】
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【図11b】
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【図12a】
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【図12b】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14a】
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【図14b】
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【図15a】
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【図15b】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2009−507666(P2009−507666A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−530407(P2008−530407)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【国際出願番号】PCT/EP2006/008893
【国際公開番号】WO2007/031285
【国際公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(504453074)コメート グループ ホールディング ゲーエムベーハー (22)
【Fターム(参考)】