説明

2位チオエテニル系カルバペネム誘導体

【課題】種々の耐性菌を含め、グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対し、幅広くかつ強力な抗菌活性を示しす新規化合物の提供。
【解決手段】次式(I)


[式中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、RおよびRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、置換されたアミノ基、低級アルキル基、置換された低級アルキル基、カルバモイル基、置換されたアミノカルボニル基、低級アルコキシカルボニル基、置換された低級アルコキシカルボニル基、複素環カルボニル基、または置換された複素環カルボニル基を表し、Rは、水素原子、または生体内で加水分解されうる基を表す]で示される化合物。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)の化合物、またはその薬学上許容されうる塩:
【化1】

[式中、
は、水素原子またはメチル基を表し、
およびRは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、
水素原子、
ハロゲン原子、
アミノ基、
置換されたアミノ基、
低級アルキル基、
置換された低級アルキル基、
カルバモイル基、
置換されたアミノカルボニル基、
低級アルコキシカルボニル基、
置換された低級アルコキシカルボニル基、
複素環カルボニル基、または、
置換された複素環カルボニル基
を表し、
は、水素原子、または生体内で加水分解されうる基
を表す]。
【請求項2】
式中、RおよびRが、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、
水素原子、
ハロゲン原子、
アミノ基、
置換されたアミノ基、
低級アルキル基、
ヒドロキシ低級アルキル基、
シアノ低級アルキル基、
低級アルコキシ低級アルキル基、
置換された低級アルコキシ低級アルキル基、
低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル基、
置換された低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル基、
アシルオキシ低級アルキル基、
置換されたアシルオキシ低級アルキル基、
カルバモイル基、
モノ低級アルキルカルバモイル基、
置換されたモノ低級アルキルカルバモイル基、
ジ低級アルキルカルバモイル基、
置換されたジ低級アルキルカルバモイル基、
低級アルコキシカルボニル基、
アゼチジニルカルボニル基、または、
置換されたアゼチジニルカルボニル基
を表す、請求項1に記載の化合物、またはその薬学上許容されうる塩。
【請求項3】
式中、RおよびRが、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、
水素原子、
ハロゲン原子、
アミノ基、
メチル基、
シアノメチル基、
ヒドロキシメチル基、
アセトキシメチル基、
(2−ヒドロキシエトキシ)メチル基、
(3−ヒドロキシプロピルオキシ)メチル基、
(2−メトキシエトキシ)メチル基、
(2−アセトキシエトキシ)メチル基、
L−バリルオキシメチル基、
カルバモイル基、
N−メチルカルバモイル基、
N−シアノメチルカルバモイル基、
N−(2−シアノエチル)カルバモイル基、
N−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル基、
N−(3−ヒドロキシプロピル)カルバモイル基、
N,N−ジメチルカルバモイル基、
N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルカルバモイル基、
N−シアノメチル−N−メチルカルバモイル基、
メトキシカルボニル基、
エトキシカルボニル基、
(アゼチジン−1−イル)カルボニル基、
(3−シアノアゼチジン−1−イル)カルボニル基、または、
(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)カルボニル基
を表す、請求項1に記載の化合物、またはその薬学上許容されうる塩。
【請求項4】
下記式(II)の化合物、またはその薬学上許容されうる塩:
【化2】

[式中、
は、水素原子またはメチル基を表し、
A環は、
4−ヒドロキシメチルチアゾール、
5−ヒドロキシメチルチアゾール、
4−(2−ヒドロキシエトキシ)メチルチアゾール、
4−N,N−ジメチルカルバモイルチアゾール、
2−N,N−ジメチルカルバモイルチアゾール、
4−メチルチアゾール、
4−カルバモイルチアゾール、
2−カルバモイルチアゾール、
4−N−メチルカルバモイルチアゾール、
4−N−シアノメチル−N−メチルカルバモイルチアゾール、
4−N−シアノメチルカルバモイルチアゾール、
4−N−(2−シアノエチル)カルバモイルチアゾール、
4−シアノメチルチアゾール、
4−(2−メトキシエトキシ)メチルチアゾール、
4−(3−シアノアゼチジン−1−イル)カルボニルチアゾール、
4−N−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイルチアゾール、
4−N−(3−ヒドロキシプロパン−1−イル)カルバモイルチアゾール、
4−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルカルバモイルチアゾール、
4−(アゼチジン−1−イル)カルボニルチアゾール、
4−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)カルボニルチアゾール、
4−(3−ヒドロキシプロパン−1−イルオキシ)メチルチアゾール、
2−アミノ−4−カルバモイルチアゾール、
2−アミノチアゾール、
4,5−ジカルバモイルチアゾール、
4−アセトキシメチルチアゾール、
4−(2−アセトキシエトキシ)メチルチアゾール、
4−(L−バリルオキシメチル)チアゾール、
4−メトキシカルボニルチアゾール、
4−エトキシカルボニルチアゾール、
2−アミノ−4−メトキシカルボニルチアゾール、または、
2−アミノ−4−エトキシカルボニルチアゾール、
を表し、
は、水素原子、または生体内で加水分解されうる基を表す]。
【請求項5】
式中、Rが、メチル基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容されうる塩。
【請求項6】
式中、Rが、
水素原子、
低級アルキル基、
低級アルケニル基、
低級アルキルカルボニルオキシ低級アルキル基、
低級シクロアルキルカルボニルオキシ低級アルキル基、
低級シクロアルキルメチルカルボニルオキシ低級アルキル基、
低級アルケニルカルボニルオキシ低級アルキル基、
アリールカルボニルオキシ低級アルキル基、
テトラヒドロフラニルカルボニルオキシメチル基、
低級アルコキシ低級アルキル基、
低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル基、
アリールメチルオキシ低級アルキル基、
アリールメチルオキシ低級アルコキシ低級アルキル基、
低級アルコキシカルボニルオキシ低級アルキル基、
低級アルコキシカルボニルオキシ低級アルコキシ基、
低級シクロアルコキシカルボニルオキシ低級アルキル基、
低級シクロアルキルメトキシカルボニルオキシ低級アルキル基、
アリールオキシカルボニルオキシ低級アルキル基、
芳香環上に置換基を有してもよい3−フタリジル基、
芳香環上に置換基を有してもよい2−(3−フタリジリデン)エチル基、
2−オキソテトラヒドロフラン−5−イル基、
4−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルオキシ低級アルキル基、
モノ低級アルキルアミノカルボニルオキシ低級アルキル基、
ジ低級アルキルアミノカルボニルオキシ低級アルキル基、
2−オキソ−5−低級アルキル−1,3−ジオキソレン−4−イルメチル基、
置換基を有してもよいピペリジニルカルボニルオキシ低級アルキル基、または、
低級アルキル低級シクロアルキルアミノカルボニルオキシ低級アルキル基、
を表す、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容されうる塩。
【請求項7】
式中、Rが、エチル基、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル基、アセトキシメチル基、1−(イソプロピルオキシカルボニルオキシ)エチル基、1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル基、ピバロイルオキシメチル基、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル基、1−(イソブチルオキシカルボニルオキシ)エチル基、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)−2−メチルプロパン−1−イル基、イソブチルオキシカルボニルオキシメチル基、イソプロピルオキシカルボニルオキシメチル基、イソブチリルオキシメチル基、(ペンタン−1−イル)オキシカルボニルオキシメチル基、(ブタン−1−イル)オキシカルボニルオキシメチル基、(1−エチルプロパン−1−イル)オキシカルボニルオキシメチル基、イソペンチルオキシカルボニルオキシメチル基、(プロパン−1−イル)オキシメチル基、エトキシカルボニルオキシメチル基、ネオペンチルオキシカルボニルオキシメチル基、メトキシカルボニルオキシメチル基、シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチル基、t−ブトキシカルボニルオキシメチル基、フタリジル基、1−(メトキシカルボニルオキシ)エチル基、1−(シクロペンチルオキシカルボニルオキシ)エチル基、(テトラヒドロピラン−4−イル)オキシカルボニルオキシメチル基、1−(ネオペンチルオキシカルボニルオキシ)エチル基、(ピペリジン−1−イル)カルボニルオキシメチル基、アリル基、1−(t−ブトキシカルボニルオキシ)エチル基、N,N−ジ(プロパン−1−イル)アミノカルボニルオキシメチル基、フェニルオキシカルボニルオキシメチル基、(5−メチル−2−オキソ−1,3ジオキソレン−4−イル)メチル基、(cis−2,6−ジメチルピペリジン−1−イル)カルボニルオキシメチル基、N,N−ジ−(ブタン−1−イル)アミノカルボニルオキシメチル基、ヘキサン−1−イル基、N−(ヘキサン−1−イル)−N−メチルアミノカルボニルオキシメチル基、N,N−ジイソブチルアミノカルボニルオキシメチル基、N,N−ジイソプロピルアミノカルボニルオキシメチル基、N−シクロヘキシル−N−メチルアミノカルボニルオキシメチル基、N−ペンタン−1−イルアミノカルボニルオキシメチル基、N−シクロヘキシル−N−エチルアミノカルボニルオキシメチル基、N−イソブチル−N−イソプロピルアミノカルボニルオキシメチル基、N−t−ブチル−N−エチルアミノカルボニルオキシメチル基、1−[(cis−2,6−ジメチルピペリジン−1−イル)カルボニルオキシ]エチル基、1−(N,N−ジイソプロピルアミノカルボニルオキシ)エチル基、または、N−エチル−N−イソアミルアミノカルボニルオキシメチル基を表す、請求項6に記載の化合物、またはその薬学上許容されうる塩。
【請求項8】
下記式(III)の化合物、またはその薬学上許容されうる塩:
【化3】

[式中、
’およびR3’の一方は、
ヒドロキシ低級アルキル基、
水酸基の保護基で保護されたヒドロキシ低級アルキル基、
低級アルコキシ低級アルキル基、または、
低級アルコキシカルボニル基
を表し、かつ、もう一方は水素原子であり、
は、水素原子、またはアルキニル基の保護基を表す]。
【請求項9】
式(III)において、R2’、およびR3’の一方が、
ヒドロキシメチル基、
アセトキシメチル基、
メトキシカルボニル基、
エトキシカルボニル基、
を表し、かつ、もう一方が水素原子である、請求項8に記載の化合物、またはその薬学上許容されうる塩。
【請求項10】
下記式(IV)の化合物、またはその薬学上許容されうる塩:
【化4】

[式中、
2’およびR3’は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、
水素原子、
ハロゲン原子、
アミノ基、
置換されたアミノ基、
ヒドロキシ低級アルキル基、
シアノ低級アルキル基、
低級アルコキシ低級アルキル基、
置換された低級アルコキシ低級アルキル基、
低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル基、
置換された低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル基、
アシルオキシ低級アルキル基、
置換されたアシルオキシ低級アルキル基、
カルバモイル基、
モノ低級アルキルカルバモイル基、
置換されたモノ低級アルキルカルバモイル基、
ジ低級アルキルカルバモイル基、
置換されたジ低級アルキルカルバモイル基、
低級アルコキシカルボニル基、
アゼチジニルカルボニル基、または、
置換されたアゼチジニルカルボニル基
を表し、
は、
−S−C=C―
を表し、ここでRは、水素原子、金属イオン、またはチオールの保護基を表す]。
【請求項11】
式(IV)において、R2’および3’の一方が、
ヒドロキシ低級アルキル基、
水酸基の保護基で保護されたヒドロキシ低級アルキル基、
低級アルコキシ低級アルキル基、または、
低級アルコキシカルボニル基
を表し、かつ、もう一方が水素原子を表す、請求項10記載の化合物、またはその薬学上許容されうる塩。
【請求項12】
式(IV)において、R2’およびR3’の一方が、
ヒドロキシメチル基、
アセトキシメチル基、
メトキシカルボニル基、または、
エトキシカルボニル基、
を表し、かつ、もう一方が水素原子を表す、請求項11記載の化合物、またはその薬学上許容されうる塩。
【請求項13】
式(IV)のチアゾール環上5位にRを有する、請求項10〜12のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容されうる塩。
【請求項14】
請求項1に記載の式(I)の化合物の製造方法であって、
下記式(V)の化合物と、下記式(IVc)の化合物とを反応させることを特徴とする、方法:
【化5】

[式中、
は、水素原子、またはメチル基を表し、
は、水素原子、または水酸基の保護基を表し、
は、カルボキシル基の保護基を表し、および、
Lは、脱離基を表す];
【化6】

[式中、
7cは、金属イオンを表し、
2’およびR3’は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、
水素原子、
ハロゲン原子、
アミノ基、
置換されたアミノ基、
ヒドロキシ低級アルキル基、
シアノ低級アルキル基、
低級アルコキシ低級アルキル基、
置換された低級アルコキシ低級アルキル基、
低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル基、
置換された低級アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル基、
アシルオキシ低級アルキル基、
置換されたアシルオキシ低級アルキル基、
カルバモイル基、
モノ低級アルキルカルバモイル基、
置換されたモノ低級アルキルカルバモイル基、
ジ低級アルキルカルバモイル基、
置換されたジ低級アルキルカルバモイル基、
低級アルコキシカルボニル基、
アゼチジニルカルボニル基、または、
置換されたアゼチジニルカルボニル基
を表す]。
【請求項15】
式(IVc)の化合物を、下記式(III)の化合物と、式R7bSHで表される対応するチオールとを反応させることにより得ることをさらに含んでなる、請求項14に記載の方法:
【化7】

[式中、
’およびR3’の一方は、
ヒドロキシ低級アルキル基、
水酸基の保護基で保護されたヒドロキシ低級アルキル基、
低級アルコキシ低級アルキル基、または、
低級アルコキシカルボニル基
を表し、かつ、もう一方は水素原子であり、
は、水素原子、またはアルキニル基の保護基を表す]、および
ここで、前記対応するチオール中のR7bは、トリフェニルメチル基、ジフェニルメチル基、アシル系の保護基、置換されても良いベンジル基、および、シリル系の保護基からなる群より選択される基である。
【請求項16】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容されうる塩を含んでなる、医薬組成物。
【請求項17】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容されうる塩と、薬学上許容されうる担体とを含んでなる、医薬組成物。
【請求項18】
抗菌剤として用いられる、請求項16または17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容されうる塩の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含んでなる、細菌感染症またはそれに関連する症状を治療または予防する方法。
【請求項20】
細菌が、肺炎球菌、インフルエンザ菌、カタル球菌、およびβ−ラクタマーゼ産生菌からなる群より選択されるものである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
細菌感染症またはそれに関連する症状を治療または予防用医薬の製造のための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容されうる塩の使用。
【請求項22】
細菌が、肺炎球菌、インフルエンザ菌、カタル球菌、およびβ−ラクタマーゼ産生菌からなる群より選択されるものである、請求項21に記載の使用。

【公開番号】特開2012−149079(P2012−149079A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−64434(P2012−64434)
【出願日】平成24年3月21日(2012.3.21)
【分割の表示】特願2007−513022(P2007−513022)の分割
【原出願日】平成18年4月12日(2006.4.12)
【出願人】(000006091)Meiji Seikaファルマ株式会社 (180)
【Fターム(参考)】