説明

3次元イラスト表示パズルゲーム装置

【課題】所謂イラスト表示パズルゲームを3次元で実施可能とし、その過程で及びその結果を3次元の立体映像で確認できるようにすること。
【解決手段】本発明は、複数のレイヤーで構成される問題に対して解答することで3次元イラストの表示を行なう3次元イラスト表示パズルゲーム装置であって、操作入力を行なうための操作入力部8と、上記複数のレイヤーの中から解答すべきレイヤーを選択するレイヤー選択機能22と、上記選択されたレイヤーに関する問題を表示する問題表示機能23と、上記問題に対して解答の入力を受け付ける解答入力機能24と、少なくとも上記解答が正しい場合に3次元のイラスト表示を行う3次元イラスト表示機能25と、を備えた制御部2と、上記問題及び3次元のイラストを少なくとも表示する表示部5と、を具備することを特徴とする3次元イラスト表示パズルゲーム装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パズルでイラストを表示していくイラスト表示パズルゲームを3次元で実施し、その過程及びその結果を3次元の立体映像で確認することができる、3次元イラスト表示パズルゲームプログラム及び3次元イラスト表示パズルゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々なパズルゲームが市場に出回っているが、最近では2次元のみならず3次元のパズルゲームもゲーム装置で実現されている。例えば特許文献1では、表示器の画面上に展開された立体ゲームフィールド内においてプレイヤが所定のアクションを起こすことでゲームが進行していくような三次元パズルゲーム装置等が開示されている。
【0003】
ところで、今日では、イラスト表示パズルゲームと称されるパズルが流行している。これは、n×n(nは自然数)のマス目でゲームフィールドが構成され、当該マス目の上と左に各列内で連続して塗りつぶすことのできるマス目の数を示し、それに従って、マス目を塗りつぶしていくと、結果としてイラスト等が浮き出るというゲームである。
【特許文献1】特許3506641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術は、筒状の立体ゲームフィールドを用いて3次元のパズルを実施可能とするものの、上記イラスト表示パズルゲームを3次元で実施するための技術については何等開示も示唆もされていない。
【0005】
本発明の目的とするところは、イラスト表示パズルゲーム(所謂イラストロジック(登録商標))を3次元で実施可能とし、その過程で及びその結果を3次元の立体映像で確認できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様では、複数のレイヤーで構成される問題に対して解答することで3次元イラストの表示を行なう3次元イラスト表示パズルゲーム装置であって、操作入力を行なうための操作入力部と、上記複数のレイヤーの中から解答すべきレイヤーを選択するレイヤー選択機能と上記選択されたレイヤーに関する問題を表示する問題表示機能と上記問題に対して解答の入力を受け付ける解答入力機能と少なくとも上記解答が正しい場合に3次元のイラスト表示を行う3次元イラスト表示機能とを備えた制御部と、上記問題及び3次元のイラストを少なくとも表示する表示部と、を具備することを特徴とする3次元イラスト表示パズルゲーム装置が提供される。
【0007】
この第1の態様において、上記制御部は、上記操作入力部の操作入力を受けて、上記3次元のイラストの表示角度を変更することを更に特徴としてもよい。このとき、上記操作入力部が原点位置復帰操作手段を含み、当該原点位置復帰操作手段が操作された場合、上記制御部が3次元のイラストの表示角度を当初の角度に復帰させるようにしてもよい。
【0008】
あるいは、この第1の態様において、上記制御部は、上記問題を作成する問題作成機能を更に備えたことを特徴としてもよい。
【0009】
一方、本発明の第2の態様では、複数のレイヤーで構成される問題に対して解答することで3次元イラストの表示を行なう3次元イラスト表示パズルゲーム装置が、上記複数のレイヤーの中から解答すべきレイヤーを選択するレイヤー選択機能と、上記選択されたレイヤーに関する問題を表示する問題表示機能と、上記問題に対して解答の入力を受け付ける解答入力機能と、少なくとも上記解答が正しい場合に3次元のイラスト表示を行う3次元イラスト表示機能と、を実行するための3次元イラスト表示パズルゲームプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、イラスト表示パズルゲーム(所謂イラストロジック(登録商標))を3次元で実施可能とし、その過程で及びその結果を3次元の立体映像で確認できるようにする、3次元イラスト表示パズルゲームプログラム及び3次元イラスト表示パズルゲーム装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の一実施の形態について説明する。
【0012】
まず、図1(a)には、本発明の3次元イラスト表示パズルゲーム装置の構成を示し説明する。図1(a)に示されるように、本ゲーム装置1は、全体の制御を司るCPU等からなる制御部2と、画像処理部3、音声処理部6、操作入力部8、インタフェース(I/F)部9、ROM10、RAM11がバスを介して通信自在に接続されている。画像処理部3は更に表示部5、フレームメモリ4とも接続されており、音声処理部6は音声出力部7とも接続されている。また、外部の記憶媒体12がI/F部9に接続されている。
【0013】
このような構成において、制御部2は、全体を制御しつつ3次元イラスト表示パズルゲームを実施する。ROM10には、ゲーム装置全体の動作に必要となるプログラム(オペレーティングシステム等)やその実行に必要な各種データが記憶される。RAM11には、3次元イラスト表示パズルゲームプログラムやゲームの進行に必要な各種データが記憶される。この3次元イラスト表示パズルゲームプログラムはI/F部9を介して外部の記憶媒体12より読込むようにしてもよい。画像処理部3は、制御部2の指令に従って、RAM11から画像データを読み出してフレームメモリ4上に展開して、その展開した画像を表示部5上に表示させる。音声処理部6は、制御部2の指令に従ってRAM11から音声データを読み出してD/A変換し、音声出力部7より出力させる。操作入力部8は、表示部5に表示された画像を見ながらユーザが各種の操作入力を行なうためのものである。外部の記憶媒体12としてはメモリカード等、各種のものを用いることが可能である。
【0014】
ここで、制御部2は、RAM11或いは記憶媒体12に記憶されている3次元イラスト表示パズルゲームプログラムを上記オペレーティングシステム上で実行することで、3次元イラスト表示パズルゲームを実行することになる。そして、この3次元イラスト表示パズルゲームプログラムは、図1(b)に示されるような各種の機能、即ち、問題設定機能21、レイヤー選択機能22、問題表示機能23、解答入力機能24、3次元イラスト表示機能25、問題作成機能26を少なくとも有している。
【0015】
以下、各機能について詳述する。
【0016】
問題設定機能21とは、3次元イラスト表示パズルゲームの難易度レベルや問題ジャンル等を設定するための機能である。レイヤー選択機能22とは、3次元イラスト表示パズルゲームにおいて、解答を入力するレイヤーを選択するための機能である。即ち、この3次元イラスト表示パズルゲームは、完成時に描かれる3次元イラストを複数の層、つまりレイヤーに分解して、そのレイヤーごとに出題と解答を行い、全レイヤーに正解した場合に3次元イラストが完成するというもので、このレイヤー選択機能22は、その解答を行うレイヤーを指定する機能である。問題表示機能23とは、上記問題設定機能21により設定されたレベルやジャンルに関る問題を実際に実施する機能である。解答入力機能24とは、操作入力部8を介して入力された操作入力に関るデータ(解答データ等)を受け付ける機能である。3次元イラスト表示機能25とは、上記解答入力機能24が受け付けた操作入力に関るデータを解析し、その操作入力を反映させた3次元イラスト表示を実施する機能である。そして、問題作成機能26とは、ユーザオリジナルの3次元イラスト表示パズルゲームの作成を支援する機能である。
【0017】
以下、図2のフローチャートを参照して、本発明の一実施の形態に係る3次元イラスト表示パズルゲーム装置の基本動作について詳細に説明する。尚、ここでは、図3乃至図5のフローチャート、及び図6乃至図10の画面構成図を適宜参照する。
【0018】
先ず、前提として、制御部2は、問題設定機能21に基づきゲームの難易度レベルや問題ジャンル等を設定している。また、ゲームの表示画面は、ゲーム開始時においては図6に示されるようになっている。即ち、このゲームの表示画面は、レイヤー・パレット情報表示領域100、解答入力領域101、塗色選択用カラーパレット102、出題領域103、3次元イラスト表示領域104等からなる。解答入力領域101はn×n(nは自然数)のマス目状になっており、ここに後述するように解答を入力する。
【0019】
出題領域103は、この解答入力領域101の上側と左側にある。
【0020】
この解答入力領域101の上の出題領域103において表示されている数字は、各列内(縦方向)で塗りつぶすことのできるマス目の数を示している。上の出題領域103において数字が複数(縦方向)並んでいる場合は、並んでいる順番どおり(縦方向)に、解答入力領域101にその数字の数だけ連続したマス目を塗りつぶす。
【0021】
解答入力領域101の左の出題領域103において表示されている数字は、各列内(横方向)で塗りつぶすことのできるマス目の数を示している。左の出題領域103において数字が複数(横方向)並んでいる場合は、並んでいる順番どおり(横方向)に、解答入力領域101にその数字の数だけ連続したマス目を指示された色で塗りつぶす。塗りつぶすマス目の位置は、解答入力領域101の上の出題領域103で示される指示内容と、左の出題領域103で示される指示内容の双方を充足した場所を探し出して決定する。ここでは、図示していないが、実際には出題領域103に示される各数字は色分けがされており、その色に従った解答入力を解答入力領域101に行なうことが求められる。
【0022】
尚、従来のモノクロ(1色)タイプのイラスト表示パズルゲーム(所謂イラストロジック(登録商標))では、出題領域103に数字が複数並んでいる場合は、並んでいる順番どおりに、その数字の数だけ連続した解答入力領域101のマス目を塗りつぶすが、指示された数字に従って塗りつぶしたマス目と別の指示された数字に従って塗りつぶすマス目との間は1マス以上の空欄を設けることで、数字の間を区別している。しかし、カラー表示の場合は色を変えることで、マス目の間が区別できるため、必ずしも空欄を設ける必要はない。
【0023】
さて、本動作に入ると、操作入力部8の操作入力を受けて、制御部2はレイヤー選択機能22に基づいてレイヤーを選択する(ステップS1)。これにより、図7に示されるようにレイヤー・パレット情報表示領域100に、現在どのレイヤーを選択しているのか、レイヤー情報が表示される(図7の#1参照)。続いて、制御部2は、問題表示機能23に基づいて、上記選択されたレイヤーについての問題を表示する(ステップS2)。
【0024】
続いて、制御部2は、操作入力部8の操作入力による解答入力領域101への入力を受け付ける(ステップS3)。
【0025】
これは、3段階に分けられる。
【0026】
即ち、
(1)カーソルの移動
(2)塗色の設定
(3)マス(目)への入力
である。
【0027】
先ずカーソルの移動については、解答として入力するマスを選択し、そのマスにカーソルを移動する。図3のフローチャートに示されるように、操作入力部8の操作により方向移動キーの操作を受け付け(ステップS11)、現在カーソルが置かれているマスの右方向のマスが選択されているか否かを判断し、選択されていれば右方向のマスに移動し、移動を終了するかどうかを判断し、終了しない場合にはステップS11に戻り、上記動作を繰り返し、終了する場合には図2のステップS3にリターンする(ステップS12乃至S14)。上記ステップS12にて、右方向のマスが選択されていなければ、左方向のマスが選択されているか否かを判断し、選択されていれば左方向のマスに移動し、移動を終了するかどうかを判断し、終了しない場合にはステップS11に戻り、上記動作を繰り返し、終了する場合には図2のステップS3にリターンする(ステップS15乃至S17)。
【0028】
上記ステップS15にて、左方向のマスが選択されていなければ、上方向のマスが選択されているか否かを判断し、選択されていれば上方向のマスに移動し、移動を終了するかどうかを判断し、終了しない場合にはステップS11に戻り、上記動作を繰り返し、終了する場合には図2のステップS3にリターンする(ステップS18乃至S20)。上記ステップS18にて、上方向のマスが選択されていなければ、下方向のマスが選択されているか否かを判断し、選択されていれば下方向のマスに移動し、移動を終了するかどうかを判断し、終了しない場合にはステップS11に戻り、上記動作を繰り返し、終了する場合には図2のステップS3にリターンする(ステップS21乃至S23)。
【0029】
続いて、塗色の設定については、図4のフローチャートに示されるように、塗色選択用カラーパレット102の中から塗色を設定し(ステップS30)、それが指示色であるか否かを判定し(ステップS31)、それが指示色である場合には図2のステップS3にリターンし、一方、指示色でない場合にはパレットの色を変更し(ステップS32)、上記ステップS30に戻り、上記動作を繰り返すことになる。
【0030】
解答入力領域101への入力については、図5のフローチャートに示されるように解答入力領域101の解答入力を所望とするマスにカーソルを設定し(ステップS40)、対象位置にあるか否かを判断する(ステップS41)。ここで、対象位置にない場合にはカーソルを移動し(ステップS42)、上記ステップS40に戻る。一方、対象位置にある場合には、マスを塗るか否かを判断する(ステップS43)。ここで、マスを塗る場合には、マスの色を指示色に置き換え、3次元イラスト表示領域104にその情報を反映させ(ステップS44)、図2のステップS3にリターンする。一方、マスを塗らない場合には、マスの色を消すか否かを判断し(ステップS45)、マスの色を消す場合には、マスの色を初期設定に置き換え、3次元イラスト表示領域104にその情報を反映させ(ステップS46)、図2のステップS3にリターンする。これに対して、解答入力領域101のマスの色を消さないと判断された場合には、図2のステップS3にリターンする。
【0031】
以上の処理により、図8に示されるように、解答入力領域101のマスに解答が入力されると、制御部2は3次元イラスト表示機能25に基づいて、3次元イラスト表示領域104に3次元イラストを表示する(図8の#2参照)。この3次元イラストは後に詳述するが、操作入力部8を操作することで、自由に角度を変えて表示することが可能となっている。
【0032】
こうして、制御部2は、解答入力領域101の全てのマスに正しく解答が入力されたか否かを判断し(ステップS4)、解答が全て正しく入力されるまでステップS3の動作を繰り返し、解答が全て正しく入力されると、レイヤー完成となる(ステップS5)。レイヤーが完成となると、図9に示されるように、レイヤー・パレット情報表示領域100に変化を示して、ユーザにレイヤーが完成したことを知らせる(図9の#3参照)。より具体的には、この例では、レイヤー・パレット表示領域100の「レイヤー:01」との表示の色を変更しているが、これに限定されるものではない。
【0033】
続いて、全てのレイヤーが完成したか否かを判断し(ステップS6)、全てのレイヤーを終了していないと判断した場合には上記ステップS1に戻り、上記動作を繰り返し、全てのレイヤーを完成したと判断した場合には本動作を終了する。本動作を終了すると、図10に示されるように、制御部2は、3次元イラスト表示領域104に完成した3次元イラストを表示すると共に、レイヤー・パレット情報表示領域100の表示を変更し、全てのレイヤーが完成したことをユーザに知らせる(図10の#4、#5参照)。
【0034】
次に、図11のフローチャートを参照して、3次元イラスト表示領域104に表示した3次元のイラスト角度を変えて表示する画像処理について詳細に説明する。
【0035】
3次元イラストの表示角度を変更する場合、操作入力部8に含まれる解答操作キーとは別系統の方向移動キーを操作する(ステップS50)。操作されたのが右方向キーであるか否かを判断し(ステップS51)、右方向キーである場合には、3次元イラストが左回転して、右方向に視点をずらした見え方をするように3D図の各座標位置を計算して表示し(ステップS52)、上記ステップS50に戻り、上記動作を繰り返す。右方向キーでない場合には、操作されたのが左方向キーであるか否かを判断し(ステップS53)、左方向キーである場合には、3次元イラストが右回転して、左方向に視点をずらした見え方をするように3D図の各座標位置を計算して表示し(ステップS54)、上記ステップS50に戻り、上記動作を繰り返す。図13(a)に示されるように原点位置での表示がなされている場合、上記ステップS51,53の操作により、図13(b)に示されるように表示が切替えられる。ステップS53にて、操作されたのが左方向キーでない場合には、操作されたのが上方向キーであるか否かを判断し(ステップS55)、上方向キーである場合には、3次元イラストが手前に回転して、上方向に視点をずらした見え方をするように3D図の各座標位置を計算して表示し(ステップS56)、上記ステップS50に戻り、上記動作を繰り返す。図13(a)に示されるように原点位置での表示がなされている場合には、このステップS55の操作により、図13(c)に示されるように表示が切替えられる。上記ステップS55にて、操作されたのが上方向キーでない場合には、操作されたのが下方向キーであるか否かを判断し(ステップS57)、下方向キーである場合には、3次元イラストが奥に回転して、下方向に視点をずらした見え方をするように3D図の各座標位置を計算して表示し(ステップS58)、上記ステップS50に戻り、上記動作を繰り返す。図13(a)に示されるように原点位置での表示がなされている場合、このステップS57の操作により、図13(d)に示されるように表示が切替えられる。
【0036】
尚、3次元イラストの表示角度を当初の角度に復帰させるためには、前記方向キーを用いて戻すことも可能であるが、操作入力部の一部として原点位置復帰操作手段としての復元キーを設けて、当該復元キーを用いて当初の角度へ一度で戻すことも可能である(ステップS59,S60)。また、ここでは復元キーを用いたが、時間の経過により自動的に当初の角度に戻すようにしても良い。
【0037】
次に、制御部2の問題作成機能26について詳述する。
【0038】
この実施の形態に係る3次元イラスト表示パズルゲームプログラム及び3次元イラスト表示パズルゲーム装置では、作成者が自身で選択したマスに情報を入力していくことで問題を作成することができるようになっている。より具体的には図12に示されるレイヤーとカラーパレットの設定領域106のコマンドを選択して、各種設定を行なうことで好みの問題を作成することができる。以下、詳述する。
【0039】
より具体的には、このレイヤーとカラーパレットの設定領域106は、Layer UPコマンド106a、Layer Downコマンド106b、Layer Copyコマンド106c、Colorコマンド106d、Pallete UPコマンド106e、Pallete Downコマンド106f、Layer Clearコマンド106gからなる。Layer UPコマンド106a、Layer Downコマンド106bは3次元イラスト表示パズルゲームの問題を作成するために表示されるレイヤーを変更するための操作を行なうコマンドである。表示されているレイヤーの積層方向に1段上のレイヤーを表示する場合にはLayer UPコマンド106a、1段下のレイヤーを表示する場合にはLayer Downコマンド106bを選択すればよい。
【0040】
Pallete UPコマンド106e、Pallete Downコマンド106fは、解答入力領域101のマスに入力する色をパレットから選ぶための操作を行なうコマンドである。具体的には、問題作成時にあるマスに色づけする場合、そのマスにカーソルを置き、このPallet Upコマンド106e、Pallet Downコマンド106fを適宜選択すれば、パレットに登録された色を変更し、指定したい色を選択することができる。
【0041】
Layer Copyコマンド106cは、1つのレイヤーで設定した情報を他のレイヤーにコピーするための操作を行なうコマンドである。詳細には、図14に示されるような画面が表示され、コピー元レイヤーとコピー先レイヤーの設定、コピーパレットの設定等ができるようになっている。この様な立体表示パズルの問題を作成する場合、その各レイヤーにおいて、その近隣のレイヤーと入力情報に然程相違がない場合が多い。その場合、各レイヤーをそのまま他のレイヤーへコピーすることで、入力作業が大幅に簡素化することができる。このLayer Copyコマンド106cは、問題作成を簡素化するために、各レイヤーへの入力情報を他のレイヤーへコピーすることにより既に入力した情報をそのまま他のレイヤーに利用できる機能を実行するコマンドである。尚、コピー先にもコピー元と同色を用いられることが多いことから、パレットの設定情報に関してもコピー先へ写すことが望まれるため、COPYパレット機能を持たせ、その色に関するパレット設定情報全てをコピーする場合はSELECT ALLを選択し、必要な色に関するパレット設定情報のみコピーする場合は、「指定のパネルがある部分のみをコピーする」を選択することで、個別に色の選択も可能である。
【0042】
Layer Clearコマンド106gは、1つのレイヤーで設定した情報をクリアするための操作を行なうためのコマンドである。より詳細には、図15に示されるような画面が表示され、クリアパレットの設定ができるようになっている。具体的には、各レイヤーのマスへ入力された情報を一括で消去可能である。一方、そのレイヤーに記憶されている色に関するパレットの設定情報もSELECT ALLを選択することで一括消去可能である。また、消去したい色のパレットのみ選択し消去することも可能である。逆に、レイヤーへの入力情報のみを消去し、色のパレット設定情報は残しておくことも可能である。
【0043】
Colorコマンド106dは、3次元イラスト表示パズルゲームで使用するカラーパレットを設定するための操作を行なうコマンドである。より詳細には、図16に示されるような画面が表示され、各パレットに問題作成者の指定したい色を設定できるようになっている。また、背景が透けて見えるように設定(透過)することもできる。これにより、人体模型や車などのエンジン構造などの内部構造を表示できる趣に富んだパズル問題の作成が可能になる。
【0044】
以上は一例であり、これらに限定されないことは勿論である。
【0045】
このほか、図12に示されるように、ゲーム画面中には、メニュー105として、ファイル、CONTROL等が用意されている。これらのうち、「ファイル」を選択すると、「読み込み」、「上書き」、「保存」、「別名保存」、「新規作成」など、パズル作成のためのファイル操作が可能となっている。さらに、「CONTROL」を選択すると、作成したパズルが論理的に破綻していないかをチェックすることなどが可能となっている。この解答チェックは、各レイヤーごとに実施され、複数解答が存在する可能性がある箇所を指摘したレポートをファイルに書き出すようにしている。例えば、
レイヤー00:始点(01,01) 範囲02×02
の如くである。つまり、複数解答が存在する可能性のあるレイヤー番号と、その箇所の始点となるマスの位置の座標、その箇所の範囲がレポートされる。
【0046】
以上詳述したように、本発明の一実施の形態によれば、画面上にn×n(nは自然数)のマス目からなる解答入力領域101と、その上部及び左部に設けられた出題領域103と3次元イラスト表示領域104を表示し、出題領域103に表示された条件に基づいて複数あるレイヤーの各レイヤー毎に解答入力領域101に解答を入力し、その過程で3次元イラストの表示を3次元イラスト表示領域104に行なう3次元イラスト表示パズルゲーム装置であって、操作入力を行なうための操作入力部8と、上記複数のレイヤーの中から解答すべきレイヤーを選択するレイヤー選択機能22と、上記選択されたレイヤーに関する問題を上記出題領域103に表示する問題表示機能23と、上記問題に対して上記解答入力領域101への解答の入力を受け付ける解答入力機能24と、少なくとも上記解答が正しい場合に上記3次元イラスト表示領域104に3次元のイラスト表示を行う3次元イラスト表示機能25と、を備えた制御部2と、上記問題及び3次元のイラストを少なくとも表示する表示部5と、を具備することを特徴とする3次元イラスト表示パズルゲーム装置が提供される。この解答入力では、一例では、前述したように、カーソルの移動、塗色の設定、マスへの入力がなされることになる。
【0047】
最後に、再び図9を参照して、3次元イラスト表示パズルゲーム装置により実現されるゲームの実施の手順の一例を説明する。
【0048】
前述したとおり、出題領域103の1マスの中に表示されている数字は、解答入力領域101において連続して塗りつぶされるマスの数(2なら2マス)を表わし、その数字が上の出題領域103に表示されている場合は縦方向に、左の出題領域に表示されている場合は、横方向に連続することを意味している。一方、「1,1」のように複数のマスに数字が並んで表示されている場合は、塗りつぶされているマスは連続する必要が無いことを表わす。但し、上の出題領域103では、縦方向の並び、左の出題領域103では横方向の並びのみがこの意味を有する。塗りつぶす方向は、上の出題領域103にある数字の並びでは縦方向で、左の出題領域103にある数字の並びでは横方向となる。
【0049】
以下、問題を解く手順の一例を説明する。
【0050】
出題領域103において、数字が記載されている列のうち一番左側で数字「1」が記されている縦方向の列(ここではA列とする)と、その記載された数字の色(ここではX色とする)に着目する。左の出題領域103でX色を有する数字を確認する。この左の出題領域103において、数字「4」のみが同色で記されている。この数字「4」は、左の出題領域103において、数字が記載されている列のうち上から2段目の横方向の列(ここではb列とする)に記載されており、このb列とA列が交わる解答入力領域101のマスにカーソルを置き、パレットよりX色を選択し、そこを当該X色で塗りつぶす。
【0051】
続いて、左の出題領域103のb列の数字「4」に着目する。これはX色のマスが横方向に4マス続くことを意味し、上記Xで塗りつぶされたマスを含め横方向に4マス連続してX色を塗り込むことになる。ここで、上の出題領域103を見ると、A列より左側には数字が記載されていないため、上記でX色を塗り込んだマスより右方向にのみ色が塗られることが理解される。そこで、X色で塗りつぶされたマスの隣から右横方向3マスそれぞれカーソルを移動し同色で塗りつぶしていくことになる。
【0052】
次に上の出題領域103において、数字が記載されている列のうち左から2列目の縦方向の列(ここではB列とする)を確認すると、「1,1,1」と縦方向に数字が並んでおり、真中の「1」がX色で記され、これより一つ上の「1」は、他色(ここではY色とする)で記され、一つ下の「1」は更に別の色(ここではZ色とする)で記されている。これは、上記の通り、既にX色で塗りつぶしたB列内のマスの上の1つのマスがY色に、下の1つのマスがZ色にそれぞれ塗りつぶされることを意味する。尚、塗りつぶされるマスは連続している必要は無い。
【0053】
ここで、縦方向に上下の位置関係にあることが理解される。
【0054】
そこで、左の出題領域103を見ると、b列に記載された数字「4」より上には数字「1」のみが記載されている。そこで、この数字「1」が記載された横方向の列(ここではa列という)とB列が交差する解答入力領域101のマスに解答が入力されるものと推定される。ここで、両数字の色を確認し、同じY色であればそのマスにカーソルを移動し、そこにY色を塗り込む。再び左の出題領域103を見ると、b列に示された数字「4」の下には数字「2」のみが記載されている。そこで、この数字「2」が記載された横方向の列(ここではc列という)とB列が交差する解答入力領域101のマスに解答が入力されるものと推定される。ここで、両数字の色を確認し、同じZ色であればそのマスにカーソルを移動し、そこにZ色で塗りつぶす。尚、左の出題領域103のc列の「2」は、上記でB列と交差するマスにZ色を塗り込んだマスを起点に、(横方向の)左右どちらかに2マス連続してZ色で塗りつぶすことを意味する。
【0055】
ここで、上の出題領域103を確認すると、数字が示されている縦方向の列の左から3番目の列(ここではC列とする)には縦方向に「1,1」と並んでおり、縦方向に1番下の「1」の数字が、左の出題領域103のc列の「2」と示された数字の色と一致していることが確認できる。そこで、C列とc列の交差する解答入力領域101のマスにカーソルを移動し、Z色で塗りつぶす。この時点で、解答入力領域101にはすべての解答が正しく入力されたことになり、レイヤー・パレット表示領域100において、このレイヤーが完成したことをユーザに知らせることとしている。
【0056】
尚、上記は問答を解くための一例であり、その問題を解くための手順はこれに限定されないことは勿論である。また、図9は例示であるため、比較的難易度の低いものを選択したので、前記の如く容易に解答を導いたが、図7のように出題領域の数字を多くしたり細かくしたりすることで、解答の難易度が上げられることは勿論である。
【0057】
以上、本発明の一実施の形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能である。
【0058】
例えば、上記仕様はカラー表示としているが、モノクロ(1色表示)とすることが可能であることは勿論である。また、解答入力領域101のマスへの入力により、3次元イラスト表示領域104に画像が表示される使用であるが、マスへの入力が正しい場合にのみ3次元イラスト表示領域104に画像が表示される仕様としても良い。
【0059】
更に、上記実施の形態では、ゲーム装置としての構成を例示したが、インターネット等で接続されたサーバにユーザ端末でアクセスしてゲームプログラムをASP的に実行するサービスや、携帯電話機等での実施可能である。
【0060】
即ち、サーバを用いることで、ネット会員などに、レイヤーを配信し、それへの解答をサーバへ返信させる。このようにして、グループ全員で、一つの3次元イラストに係る作品を完成させるようにすることが可能である。会員等はサーバへアクセスすることで、その作品の完成状態を随時確認することができる。なおここではレイヤーを配信するとしたが、大きな3次元イラストに係る作品をキューブ状に分割して、各個人に配信し、それを完成し返信させることで、一つの作品を完成させるようにしても良い。
【0061】
また、出題作成機能を有したツールを会員などに配信することで、各個人がオンライン上で独自の3次元イラスト表示パズルを作成することもできる。各個人が作成した3次元イラスト表示パズルをオンライン上で発表することにより、他の会員はより多数のバリエーションに富んだ3次元イラスト表示パズルに取り組むことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】(a)は本発明の一実施の形態に係る3次元イラスト表示パズルゲーム装置の構成を示す図であり、(b)は制御部2の詳細な構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る3次元イラスト表示パズルゲーム装置による基本動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】図2のステップS3で実行されるカーソル移動に関る動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】図2のステップS3で実行される塗色の設定に関る動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】図2のステップS3で実行されるマスへの入力に関る動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の一実施の形態に係る3次元イラスト表示パズルゲーム装置の画面の一例(開始時)を示す図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る3次元イラスト表示パズルゲーム装置の画面の一例(レイヤーの選択時)を示す図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る3次元イラスト表示パズルゲーム装置の画面の一例(解答マスへの入力時)を示す図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る3次元イラスト表示パズルゲーム装置の画面の一例(レイヤーの完成時)を示す図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る3次元イラスト表示パズルゲーム装置の画面の一例(完了時)を示す図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係る3次元イラスト表示パズルゲーム装置による3Dイラスト表示の変更に係る動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の一実施の形態に係る3次元イラスト表示パズルゲーム装置の画面の一例(問題作成時)を示す図である。
【図13】(a)乃至(d)は、本発明の一実施の形態に係る3次元イラスト表示パズルゲーム装置による3Dイラスト表示の変更に係る表示の更新例を示す図である。
【図14】問題作成時にLayer Copyコマンド106cが選択された時に表示される画面の一例を示す図である。
【図15】問題作成時にLayer Clearコマンド106gが選択された時に表示される画面の一例を示す図である。
【図16】問題作成時にColorコマンド106dが選択された時に表示される画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
1…3次元イラスト表示パズルゲーム装置、2…制御部、3…画像処理部、4…フレームメモリ、5…表示部、6…音声処理部、7…音声出力部、8…操作入力部、9…インタフェース部、10…ROM、11…RAM、12…記憶媒体、21…問題設定機能、22…レイヤー選択機能、23…問題表示機能、24…解答入力機能、25…3次元イラスト表示機能、26…問題作成機能。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレイヤーで構成される問題に対して解答することで3次元イラストの表示を行なう3次元イラスト表示パズルゲーム装置であって、
操作入力を行なうための操作入力部と、
上記複数のレイヤーの中から解答すべきレイヤーを選択するレイヤー選択機能と、上記選択されたレイヤーに関する問題を表示する問題表示機能と、上記問題に対して解答の入力を受け付ける解答入力機能と、少なくとも上記解答が正しい場合に3次元のイラスト表示を行う3次元イラスト表示機能と、を備えた制御部と、
上記問題及び3次元のイラストを少なくとも表示する表示部と、
を具備することを特徴とする3次元イラスト表示パズルゲーム装置。
【請求項2】
上記制御部は、上記操作入力部の操作入力を受けて、上記3次元のイラストの表示角度を変更することを更に特徴とする請求項1に記載の3次元イラスト表示パズルゲーム装置。
【請求項3】
上記操作入力部は、原点位置復帰操作手段を含み、当該原点位置復帰操作手段が操作された場合には、上記制御部は、3次元のイラストの表示角度を当初の角度に復帰させることを更に特徴とする請求項2に記載の3次元イラスト表示パズルゲーム装置。
【請求項4】
上記制御部は、上記問題を作成する問題作成機能を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の3次元イラスト表示パズルゲーム装置。
【請求項5】
複数のレイヤーで構成される問題に対して解答することで3次元イラストの表示を行なう3次元イラスト表示パズルゲーム装置が、
上記複数のレイヤーの中から解答すべきレイヤーを選択するレイヤー選択機能と、
上記選択されたレイヤーに関する問題を表示する問題表示機能と、
上記問題に対して解答の入力を受け付ける解答入力機能と、
少なくとも上記解答が正しい場合に3次元のイラスト表示を行う3次元イラスト表示機能と、を実行するための3次元イラスト表示パズルゲームプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−61372(P2007−61372A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−251560(P2005−251560)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(000000930)株式会社学習研究社 (8)
【Fターム(参考)】