説明

CD収容ジャケットの製造装置

【課題】 CD収容ジャケット内にCDを封止する作業を、手間をかけないで容易に、かつ熟練を要しないで簡単に行うことができるCD収容ジャケットの製造装置を提供する。
【解決手段】 CD収容ジャケットの製造装置10は、折曲げてCDが挟み込まれた一対の折曲用紙12、13を搬送する搬送手段20と、この搬送手段20で搬送される一対の折曲用紙12、13を上下のローラ26、27で挟み込み、四辺部14a〜14dのうちの搬送方向に平行な二辺部14a、14bのみを上下のローラ26、27で加熱圧接して二辺部14a、14bを熱融着する熱融着ローラ部25とを備えたことを特徴とする。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案はCD収容ジャケットの製造装置に係り、特に雑誌等にコンパクトディスクを添付するために用いられるCD収容ジャケットを製造する、CD収容ジャケットの製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パソコン(PC)についての使用方法や、新しい情報を提供する雑誌が多数出版されており、これらの雑誌には、PCの使用方法や、PCに関する情報等を記録したコンパクトディスク(CD)が添付されることが多くなった。
このCDを雑誌に添付する方法としては、まずCDをCD収容ジャケットに収容し、ついでこの収容ジャケットを雑誌に綴じ込むという方法が広く採用されている。
【0003】
ここで、CDをCD収容ジャケットに収容する際の、その手順について説明する。
まず、図4に示すような熱融着シート11bを積層してある矩形用紙11を準備し、ついで図3に示すように、この矩形用紙11を中央線11aから折曲げ、折曲げられた下側の折曲用紙(一方の折曲用紙)12と、上側の折曲用紙(他方の折曲用紙)13とでCD15を挟み込む。
【0004】
つぎに、図5に示すように一対の折曲用紙12、13の熱融着シート11b同士を重ね合わせ、重ね合わせられた折曲用紙12,13の四辺部14a〜14dを熱融着する。これにより、CD15はCD収容ジャケット18内に封止されることとなる。
ついで、図6に示すようにCD15を封止したCD収容ジャケット18を雑誌19に綴じ込んで、CD15は雑誌19に添付される。
【0005】
ここで、CD収容ジャケット18の中心部付近にはCD15が挟み込まれているので、重ね合わせられた折曲用紙12、13の四辺部を押圧して熱融着する際に、CD15が熱融着装置で破損されるのを防ぐために、CD15の部分に熱融着装置があたらないように注意する必要があった。
【0006】
このため、重ね合わせた折曲用紙12、13の四辺部14a〜14dを熱融着する際には、作業者は熱融着装置を操作して、まず四辺部14a〜14dのうちの一辺部14aを熱融着し、つぎにCD収容ジャケット18を90度回転させて隣の一辺部14cを熱融着し、ついでCD収容ジャケット18をさらに90度回転させて次の隣の一辺部14bを熱融着し、最後にCD収容ジャケット18をもう一度90度回転させて、さらに隣の一辺部14dを熱融着することにより、重ね合わせた折曲用紙12,13の四辺部14a〜14dを熱融着していた。
また、プレス機械を利用して、CDジャケットの四辺部14a〜14dを一括して熱融着する方法もあった。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、作業者が熱融着装置を順次操作して、重ね合わせた折曲用紙12,13の四辺部14a〜14dを一辺部づつ熱融着する方法にあっては、CD収容ジャケット18内にCD15を封止するための作業として、手間がかかり過ぎるという問題があった。
また、重ね合わせた折曲用紙12,13の四辺部14a〜14dを一辺づつ熱融着する際に、熱融着装置でCD15を押圧しないように注意する必要があったので、CD収容ジャケット18内にCDを封止する作業には熟練を要するという問題もあった。
さらにプレスによる一括熱融着方法にあっては、プレス作業中に指を落とす事故が起き易いという問題点もあった。
【0008】
この考案は、CD収容ジャケット内にCDを封止する作業を、手間をかけないで、容易かつ安全に、さらに熟練を要しないで簡単に行うことができるようにしたCD収容ジャケットの製造装置を提供して、上述の全ての問題点を解消しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の考案は、熱融着シートを積層した矩形用紙を中央線から折曲げ、折曲げた一方の折曲用紙と他方の折曲用紙とでCDを挟み込み、この一対の折曲用紙の熱融着シート同士を重ね合わせ、重ね合わせた折曲用紙の四辺部を熱融着してCDを収容するための収容ジャケットを製造する装置であって、前記折曲用紙を搬送する搬送手段と、この搬送手段で搬送される一対の折曲用紙の、搬送方向に平行な二辺部のみを熱融着することができる熱融着ローラ部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
上記した本考案に係るCD収容ジャケットの製造装置では、折曲げてCDが挟み込まれた一対の折曲用紙を搬送手段で搬送し、搬送される一対の折曲用紙を熱融着ローラ部で挟み込み、これにより四辺部のうちの搬送方向に平行な二辺部のみを加熱圧接して熱融着する。
【0011】
つぎに、二辺部を熱融着した後、CDの収容ジャケットを90度回転させ、その状態で再度搬送手段で搬送することにより、残りの二辺部を前述と同様の手順で熱融着する。
このように、CDの収容ジャケットを搬送手段に二回セットするだけで、収容ジャケットの四辺部は完全に熱融着され、その熱融着時にCDには熱融着ローラが圧着しないようになる。
【0012】
請求項2の考案は、熱融着シートを積層した矩形用紙を中央線から折曲げ、折曲げた一方の折曲用紙と他方の折曲用紙とでCDを挟み込み、この一対の折曲用紙の熱融着シート同士を重ね合わせ、重ね合わせた折曲用紙の四辺部を熱融着してCDを収容するための収容ジャケットを製造する装置であって、前記折曲用紙を搬送する第1搬送手段と、この第1搬送手段で搬送される一対の折曲用紙を一対のローラで挟み込み、前記四辺部のうちの搬送方向に平行な二辺部のみを一対のローラで加熱圧接して熱融着する第1熱融着ローラ部と、この第1熱融着ローラ部で熱融着されていない残りの二辺部が搬送方向と平行になるように搬送する第2搬送手段と、この第2搬送手段で搬送される折曲用紙を一対のローラで挟み込み、その残りの二辺部のみを一対のローラで加熱圧接して熱融着する第2加熱圧着ローラ部とを備えたことを特徴とする。
【0013】
CDを挟み込んだ一対の折曲用紙(収納ジャケット)を第1搬送手段で搬送し、搬送される一対の折曲用紙の四辺部のうちの搬送方向に平行な二辺部のみを、第1熱融着ローラ部のローラで加熱圧接して熱融着する。
【0014】
つぎに、第2搬送手段でCDの収容ジャケットを90度回転させた状態で搬送し、収容ジャケットの残りの二辺部を搬送方向平行になるように搬送し、この収容ジャケットを第2熱融着ローラ部のローラで挟み込み、搬送方向に平行な残りの二辺部のみを加熱圧接して熱融着する。
このように、CDの収容ジャケットを第1搬送手段に二回セットするだけで、収容ジャケットの四辺部を熱融着することができる。
【0015】
請求項3は、前記一対のローラの上ローラーは、一対の折曲用紙の搬送方向に平行な二辺部に相当する部位に、その二辺部を圧接することが可能な拡径部を備えたことを特徴とする。
【0016】
上ローラに拡径部を備える簡単な構成で、一対の折曲用紙(CD収納ジャケット)の搬送方向に平行な二辺部を確実に圧接できるようになるので、CD収容ジャケットの製造装置の設備費を抑えることが可能となる。
【0017】
【考案の実施の形態】
以下添付図に基づいて本考案に係るCD収容ジャケットの製造装置の一実施の形態を詳説する。
図1は本考案に係るCD収容ジャケットの製造装置の第1実施の形態を示す斜視図、図2は本考案に係るCD収容ジャケットの製造装置の第2実施の形態を示す斜視図である。
【0018】
図1に示す第1実施形態のCD収容ジャケットの製造装置10は、熱融着シートを積層した矩形用紙11を中央線11aから折曲げ、折曲げた下側の折曲用紙(一方の折曲用紙)12と上側の折曲用紙(他方の折曲用紙)13とでCD15を挟み込む。また一対の折曲用紙12、13の熱融着シート同士を内側に重ね合わせ、重ね合わせた折曲用紙12、13の四辺部14a〜14dを熱融着することで、CD15を収容するCD収容ジャケット18を製造する。
【0019】
このCD収容ジャケットの製造装置10は、一対の折曲用紙12、13を搬送する搬送手段20と、この搬送手段20で搬送される折曲用紙12、13を上下のローラ(一対のローラ)26、27で挟み込み、四辺部14a〜14dのうちの搬送方向に平行な二辺部14a、14bのみを上下のローラ26、27で加熱圧接するが、その二辺部14a、14bを熱融着する熱融着ローラ部25が備えられている。
【0020】
搬送手段20は、矩形用紙11を中央線11aから折曲げ、この折曲げられた矩形用紙11を水平状に搬送するためのもので、一例としてベルトコンベアやローラコンベアがそれに該当する。
【0021】
熱融着ローラ部25の上ローラ26は、支軸28、28を中心に矢印方向に回転可能に支持され、その両端には拡径部26a、26aが備えられ、それぞれの拡径部26a、26aに、図示しないヒータ(加熱部)を備えている。
このヒータは、拡径部26a、26aの表面を所定温度に加熱するためのものである。
【0022】
熱融着ローラ部25の下ローラ27は、上ローラ26と異なり、全体が均一径のローラに形成され、支軸29、29を中心に矢印方向に回転可能に支持され、図示しないヒータ(加熱部)が備えられている。このヒータは、下ローラ27の表面を所定温度に加熱するためのものである。
【0023】
熱融着ローラ部25の、上ローラの拡径部26aと、それに対応する下ローラ27とは、一対の折曲用紙12、13の搬送方向に平行な二辺部を圧接する。上記の構成を採用することにより、一対の折曲用紙12、13の搬送方向に平行な二辺部を圧接することができるようになる。
なお、下ローラ27は全体が均一径に形成されているので、CD収納ジャケット18を水平状態を保って移送するのに好適となる特徴がある。
【0024】
つぎに、第1実施の形態のCD収容ジャケットの製造装置10の作用について説明する。
まず熱融着シートを積層した矩形用紙11を中央線11aから折曲げ、折曲げた下側の折曲用紙12と上側の折曲用紙13とでCD15を挟み込み、一対の折曲用紙12、13の熱融着シート同士を重ね合わせる。
【0025】
折曲げてCD15を挟み込んだ一対の折曲用紙12、13を搬送手段10で搬送し、搬送中の一対の折曲用紙12、13を熱融着ローラ部25の上下のローラ26、27で挟み込む。
上のローラ26の両端に存する拡径部26aの表面と、下ローラ27の表面はヒータにより所定温度に加熱されている。
【0026】
このため、折曲げられた折曲用紙12、13の四辺部14a〜14dのうちの搬送方向に平行な二辺部14a、14bのみを上下のローラ26、27で加熱圧接できる。
折曲げられた折曲用紙12、13には、熱融着シートが積層されているので、上下ローラ26、27で加熱圧接されることにより、熱融着シート同士が熱融着され、折曲用紙12、13の二辺部14a、14bが確実に熱融着される。
【0027】
この際に、CD15は上下のローラ26、27の中央部付近を通過するので、上下のローラ26、27でCD15が圧接されることはなく、CD15が破損されたり、また熱で変形される等の悪影響を受けることもない。
【0028】
つぎに、二辺部14a、14bを熱融着した折曲用紙12、13を90度回転した状態で、再度上記工程を繰り返す。すなわち、90度回転させた折曲用紙12、13を、搬送手段10で搬送することにより、残りの二辺部14c、14dを搬送方向に平行となるように搬送する。
【0029】
この折曲用紙12、13を熱融着ローラ部25の上下のローラ26、27で挟み込み、搬送方向に平行な残りの二辺部14c、14dを加熱圧接することで、折曲用紙12、13の二辺部14c、14dは確実に接着され、CD15を収容したCD収容ジャケット18(図2に示す)の密封が完了する。
【0030】
このように、CD収容ジャケット18を搬送手段10に二回セットするだけでよいので、CD収容ジャケット18内にCD15を封止する作業を、手間をかけないで容易、かつ熟練を要しないで簡単に行うことができるようになる。
【0031】
なお、CD収容ジャケット18の下側の折曲用紙12及び上側の折曲用紙13の中央部付近は、透明部位12a、13a(図3参照)とされている。
CD15を収容する中央部付近を透明部位12a、13aとすることで、CD収容ジャケット18にCD15が収容されていることを、CD収容ジャケット18の外側から確認しやすくなり、CD収容ジャケット18にCD15を収容し忘れることを防いだり、読者の開封時の便宜を図ったりすることが可能となる。
【0032】
つぎに、第2実施の形態のCD収容ジャケットの製造装置について説明する。
なお、第2実施の形態において第1実施の形態と同一部材については同一符号を付して説明を省略する。
図2に示す第2実施形態のCD収容ジャケットの製造装置30は、熱融着シートを積層した矩形用紙11を中央線11aから折曲げ、折曲げた下側の折曲用紙(一方の折曲用紙)12と上側の折曲用紙(他方の折曲用紙)13とでCD15を挟み込み、この一対の折曲用紙12、13の熱融着シート同士を重ね合わせ、重ね合わせた折曲用紙12、13の四辺部14a〜14dを熱融着することで、CD15を収容するCD収容ジャケット18を製造する装置である。
【0033】
このCD収容ジャケットの製造装置30は、CD15が挟み込まれた一対の折曲用紙12,13を搬送する第1搬送手段31と、この第1搬送手段31で搬送される一対の折曲用紙12,13を上下のローラ(一対のローラ)36、37で挟み込み、四辺部14a〜14dのうちの搬送方向に平行な二辺部14a、14bのみを、上下のローラ36、37で加熱圧接する。その二辺部14a、14bを熱融着する第1熱融着ローラ部35が備えられている。
第1熱融着ローラ部35と、この第1熱融着ローラ部35で対向する二辺部14a、14bを熱融着した後、折曲用紙12、13の搬送方向を90度変更する変換部41と、この変換部41で搬送方向を変換した後、折曲用紙12、13のうちの残りの二辺部14c、14dが搬送方向と平行になるように搬送する第2搬送手段42と、この第2搬送手段42で搬送中の折曲用紙12、13を上下のローラ(一対のローラ)46、47で挟み込み、残りの二辺部14c、14dのみを上下のローラ46、47で加熱圧接して熱融着する第2熱融着ローラ部45とが備えられている。
【0034】
第1搬送手段31は、矩形用紙11を中央線11aから折曲げ、この折曲げた矩形用紙11を水平状に保持して搬送するためのもので、一例としてベルトコンベアやローラコンベアがそれに該当する。
【0035】
第1熱融着ローラ部35の上ローラ36は、支軸38、38を中心に矢印方向に回転可能に支持され、その両端には拡径部36a、36aが備えられ、それぞれの拡径部36a、36aに、図示しないヒータ(加熱部)を備えている。
このヒータは、拡径部36a、36aの表面を所定温度に加熱するためのものである。
【0036】
第1熱融着ローラ部35の下ローラ37は、上ローラ36と異なり、全体が均一径のローラに形成され、支軸39、39を中心に矢印方向に回転可能に支持され、図示しないヒータ(加熱部)が備えられている。このヒータは、下ローラ37の表面を所定温度に加熱するためのものである。
【0037】
第1熱融着ローラ部35の、上ローラの拡径部36aと、それに対応する下ローラ37とは、一対の折曲用紙12、13の搬送方向に平行な二辺部14a、14bを圧接する。上記の構成を採用することにより、一対の折曲用紙12、13の搬送方向に平行な二辺部14a、14bを圧接することができるようになる。
なお、下ローラ37は全体が均一径に形成されているので、CD収納ジャケット18を水平状態を保って移送するのに好適となる特徴がある。
【0038】
また変換部41は、第1搬送手段31の搬出側に備えられるとともに、第2搬送手段42の搬入側に備えられ、第1搬送手段31から搬出された折曲用紙12、13の搬送方向を90度変換して第2搬送手段42に搬出するものである。
【0039】
この第2搬送手段42は、矩形用紙11を中央線11aから折曲げ、この折曲げた矩形用紙11を水平状態を保って搬送するためのもので、一例としてベルトコンベアやローラコンベアがこれに該当する。
【0040】
第2熱融着ローラ部45の上ローラ46は、支軸48、48を中心に矢印方向に回転可能に支持され、その両端には拡径部46a、46aが備えられ、それぞれの拡径部46a、46aに、図示しないヒータ(加熱部)が備えている。
このヒータは、拡径部46a、46aの表面を所定温度に加熱するためのものである。
【0041】
第2熱融着ローラ部45の下ローラ47は、上ローラ46と異なり、全体が均一径のローラに形成され、支軸49、49を中心に矢印方向に回転可能に支持され、図示しないヒータ(加熱部)が備えられている。このヒータは、下ローラ47の表面を所定温度に加熱するためのものである。
【0042】
第2熱融着ローラ部45の、上ローラ46の拡径部46aと、それに対応する下ローラ47とは、一対の折曲用紙12、13の搬送方向に平行な二辺部14c、14dを圧接する。上記の構成を採用することにより、一対の折曲用紙12、13の搬送方向に平行な二辺部14c、14dを圧接することができるようになる。
なお、下ローラ47は全体が均一径に形成されているので、CD収納ジャケット18を水平状態を保って移送するのに好適となる特徴がある。
【0043】
つぎに、第2実施の形態のCD収容ジャケットの製造装置30の作用について説明する。
まず熱融着シートを積層した矩形用紙11を中央線11aから折曲げ、折曲げた下側の折曲用紙12と上側の折曲用紙13とでCD15を挟み込み、一対の折曲用紙12、13の熱融着シート同士を重ね合わせる。
【0044】
折曲げてCD15を挟み込んだ一対の折曲用紙12、13を第1搬送手段31で搬送し、搬送中の一対の折曲用紙12、13を熱融着ローラ部35の上下のローラ36、37で挟み込む。
上下のローラ36の両端に存する拡径部36aの表面と、下ローラ37の表面はヒータにより所定温度に加熱されている。
【0045】
このため、折曲げられた折曲用紙12、13の四辺部14a〜14dのうちの搬送方向に平行な二辺部14a、14bのみを上下のローラ36、37で加熱圧接できる。
折曲げられた折曲用紙12、13には、熱融着シートが積層されているので、上下ローラ36、37で加熱圧接されることにより、熱融着シート同士が熱融着され、折曲用紙12、13の二辺部14a、14bが確実に接着される。
【0046】
この際に、CD15は上下のローラ36、37の中央部付近を通過するので、上下のローラ36、37でCD15が圧接されることはなく、CD15が破損されたり、また熱で変形される等の悪影響を受けることもない。
【0047】
ついで折曲用紙12、13の二辺部14a、14bを熱融着した後、この折曲用紙12、13の搬送方向を変換部41で90度変換して第2搬送手段42に搬出する。これにより、折曲用紙12、13の残りの二辺部14c、14dを第2搬送手段42で搬送方向と平行となるように搬送できる。
【0048】
そして、搬送中の折曲用紙12、13を第2熱融着ローラ部45の上下のローラ46、47で挟み込み、上下のローラ46、47の表面はヒータで所定温度に加熱されている。
【0049】
このため、折曲げられた折曲用紙12、13の残りの二辺部14c、14dのみを上下のローラ46、47で加熱圧接できる。
折曲げられた折曲用紙12、13には、熱融着シートが積層されているので、上下ローラ46、47で加熱圧接されることにより、熱融着シート同士が熱融着され、折曲用紙12、13の二辺部14c、14dが確実に熱融着される。
【0050】
この際に、CD15は上下のローラ46、47の中央部付近を通過するので、上下のローラ46、47でCD15が圧接されることはなく、CD15が破損されたり、また熱で変形される等の悪影響を受けることもない。
【0051】
このように、CDの収容ジャケット18を第1搬送手段31に一回セットするだけで、収容ジャケット18の四辺部14a〜14dを連続して熱融着することができる。したがって、CD収容ジャケット18内にCD15を封止する作業が一層容易となる。
【0052】
なお、前記実施の形態では、CD収容ジャケットを熱融着シート11bを積層した矩形用紙11で形成した例について説明したが、これに限らないで、熱融着シート11bのみでCD収容ジャケットを形成することも可能である。
また、CD収容ジャケットの中央部に透明部位を備えた例について説明したが、これに限らないで、CD収容ジャケットの中央に透明部位を備えな意向性とすることも可能である。
【0053】
【考案の効果】
以上述べたように、請求項1によるCD収容ジャケットの製造装置によれば、CDを挟み込んだ折曲用紙を搬送手段で搬送し、搬送される折曲用紙を熱融着ローラ部のローラで挟み込み、四辺部のうちの搬送方向に平行な二辺部のみを加熱圧接して熱融着する。
【0054】
つぎに、二辺部を熱融着した後、CDの収容ジャケットを90度回転した状態で、再度搬送手段で搬送することにより、残りの二辺部を搬送方向と平行となるように搬送する。この収容ジャケットを熱融着ローラ部のローラで挟み込み、搬送方向に平行な残りの二辺部のみを加熱圧接して熱融着する。
【0055】
このように、CDの収容ジャケットを搬送手段に二回セットするだけで、収容ジャケットの四辺部を確実に熱融着することができる。したがって、CD収容ジャケット内にCDを封止する作業を、手間をかけないで容易に、かつ熟練を要しないで簡単に行うことができる効果がある。
【0056】
請求項2は、CDを挟み込んだ折曲用紙を第1搬送手段で搬送し、搬送される折曲用紙を第1熱融着ローラ部のローラで挟み込み、四辺部のうちの搬送方向に平行な二辺部のみを加熱圧接して熱融着する。
【0057】
つぎに、第2搬送手段でCDの収容ジャケットを90度回転した状態で搬送する。これにより、収容ジャケットの残りの二辺部を搬送方向と平行状態で搬送し、この収容ジャケットを第2熱融着ローラ部のローラで挟み込み、搬送方向に平行な残りの二辺部のみを加熱圧接して熱融着する。
【0058】
このように、CDの収容ジャケットを第1搬送手段に二回セットするだけで、収容ジャケットの四辺部を熱融着することができる。したがって、CD収容ジャケット内にCDを封止する作業を、さらに手間をかけないで容易に、かつ熟練を要しないで簡単に行うことができる効果がある。
【0059】
請求項3は、一対のローラの一方に拡径部を備える簡単な構成で、折曲用紙の搬送方向に平行な二辺部を圧接することができ、CD収容ジャケットの製造装置の設備費を抑えることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るCD収容ジャケットの製造装置の第1実施の形態を示す斜視図である。
【図2】本考案に係るCD収容ジャケットの製造装置の第2実施の形態を示す斜視図である。
【図3】従来のCD収容ジャケットの製造方法を説明する斜視図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】従来のCD収容ジャケットの製造方法を説明する斜視図である。
【図6】従来のCD収容ジャケットを雑誌に綴じた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10、30…CD収容ジャケットの製造装置
11…矩形用紙
11a…矩形用紙の中央
11b…熱融着シート
12a、13a…CD収容ジャケットの透明部位
14a〜14d…折曲用紙の四辺部
15…CD
18…CD収容ジャケット
20…搬送手段
25…熱融着ローラ部
26、27、36、37、46、47…上下のローラ(一対のローラ)
31…第1搬送手段
35…第1熱融着ローラ部
42…第2搬送手段
45…第2熱融着ローラ部

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 熱融着シートを積層した矩形用紙を中央線から折曲げ、折曲げた一方の折曲用紙と他方の折曲用紙とでCDを挟み込み、この一対の折曲用紙の熱融着シート同士を重ね合わせ、重ね合わせた折曲用紙の四辺部を熱融着してCDを収容するための収容ジャケットを製造する装置であって、前記折曲用紙を搬送する搬送手段と、この搬送手段で搬送される一対の折曲用紙の、搬送方向に平行な二辺部のみを熱融着することができる熱融着ローラ部とを備えたことを特徴とするCD収容ジャケットの製造装置。
【請求項2】 熱融着シートを積層した矩形用紙を中央線から折曲げ、折曲げた一方の折曲用紙と他方の折曲用紙とでCDを挟み込み、この一対の折曲用紙の熱融着シート同士を重ね合わせ、重ね合わせた折曲用紙の四辺部を熱融着してCDを収容するための収容ジャケットを製造する装置であって、前記折曲用紙を搬送する第1搬送手段と、この第1搬送手段で搬送される一対の折曲用紙を一対のローラで挟み込み、前記四辺部のうちの搬送方向に平行な二辺部のみを一対のローラで加熱圧接して熱融着する第1熱融着ローラ部と、この第1熱融着ローラ部で熱融着されていない残りの二辺部が搬送方向と平行になるように搬送する第2搬送手段と、この第2搬送手段で搬送される折曲用紙を一対のローラで挟み込み、その残りの二辺部のみを一対のローラで加熱圧接して熱融着する第2加熱圧着ローラ部とを備えたことを特徴とするCD収容ジャケットの製造装置。
【請求項3】 前記一対のローラの上ローラーは、一対の折曲用紙の搬送方向に平行な二辺部に相当する部位に、その二辺部を圧接することが可能な拡径部を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のCD収容ジャケットの製造装置。

【図1】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図6】
image rotate


【登録番号】実用新案登録第3083333号(U3083333)
【登録日】平成13年10月31日(2001.10.31)
【発行日】平成14年1月25日(2002.1.25)
【考案の名称】CD収容ジャケットの製造装置
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2001−4558(U2001−4558)
【出願日】平成13年7月11日(2001.7.11)
【出願人】(301044842)有限会社岩花製本 (1)