説明

IPボタン電話装置

【課題】基板の同一CPU上に構成されたソフトウェアの特定の部分だけを変更又はリセットして再起動することのできるIPボタン電話装置を提供する。
【解決手段】CFメモリ15に、OSと、アプリケーション1(本体ソフトウェア)と、SGCのアプリケーション2(CEUソフトウェア)とが別々に格納される。IP電話キャリア側の都合でIP外線仕様に仕様変更があった場合には、アプリケーション1の稼働を中断することなく、アプリケーション2のみが前記仕様変更に対応するアプリケーション2’に変更される。また、IP電話キャリア側の設備・機器故障が起きた場合には、メンテナンスの終了後に、アプリケーション2のみがリセットされて再起動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はIPボタン電話装置に関し、特にIPボタン電話装置のメインのCPU(以下CCUと記す)上に構成されたソフトウェアのうちの特定の部分だけを変更またはリセットして再起動することができるようにしたIPボタン電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のボタン電話装置のプログラム更新方法を開示する文献として、例えば下記の特許文献1がある。この特許文献1には、ファイル取得部が保守端末から更新ファイルを受信して保存し、装置の稼働状況を監視する稼働監視部が該装置の稼働の中断を検知した時に前記ファイル取得部が保存した更新ファイルを用いてプログラムの更新処理を実行する旨の開示がなされています。
【特許文献1】特開2005−260460号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記した従来のボタン電話装置においては、基板の同一CPU上に構成されたソフトウェアの特定の部分だけを変更又はリセットして再起動する必要があった場合、その特定の部分だけをリセットして変更又はリセットして再起動できる仕組みがなかったため、その基板の同一CPUのソフトウェア全体を変更またはリセットして再起動しなければならなかった。
【0004】
その結果、ソフトウェアを変更している間又はリセットして再起動している間は、変更されない部分で動作する機能又はリセットされない部分で動作する機能(例えば、内線通話やレガシー外線通話など)も使用することができなくなるという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、前記した従来技術の問題点を解消し、基板の同一CPU上に構成されたソフトウェアの特定の部分だけを変更又はリセットして再起動する必要があった場合に、変更されない又はリセットして再起動されない部分の機能は稼働可能とし、前記ソフトウェアの特定の部分だけを変更又はリセットして再起動することができるようにしたIPボタン電話装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するために、本発明は、SGC(SIPゲートウェイコントローラ)のソフトウェアを備えるIPボタン電話装置において、主制御ユニット又はCEUの主メモリに、該IPボタン電話装置の本体ソフトウェアと、SGCのソフトウェアとを別々に格納し、該SGCのソフトウェアのみを変更又はリセットして再起動できるようにした点に特徴がある。
【0007】
また、前記IPボタン電話装置の本体ソフトウェアは、前記SGCのソフトウェアの変更中またはリセット中も稼働を続行するようにした点に他の特徴がある。
【0008】
なお、前記SGC(SIPゲートウェイコントローラ)は、IP外線を制御するソフトウェアブロックのうちの、SIPメッセージと音声/映像パケットについて、WAN-LAN変換を行うことを意味する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、SGC以外の機能は使用可能にした状態で、SGCの機能をIP電話キャリア側のIP外線仕様に適合する機能に変更することができる。または、SGC以外の機能は使用可能にした状態で、SGCの機能をリセットして再起動することができる。このため、SGCの機能の変更中又はリセット中も、SGC以外の機能、例えば内線電話やレガシー外線通話などを使用することができ、IPボタン電話装置の利便性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、図面を参照して、本発明を詳細に説明する。図1は、本発明が適用されるIPボタン電話装置100の主要部の構成を示すブロック図であり、ここでは、本発明の説明に不要な構成は図示が省略されている。
【0011】
このIPボタン電話装置100は、外線としてアナログ回線、ナンバーディスプレイ契約回線、網番号ダイヤルイン回線、アナログ専用線、デジタル専用線およびISDN回線などのレガシー(従来型・旧型)外線(TDM外線)のみならず、VoIP回線、NGN(next generation network:次世代ネットワーク)回線(IP外線)を収容する。また、内線電話機として一般アナログ端末、デジタルボタン電話機、ISDN端末、ホテルフォンおよびFAXなどのレガシー端末(TDM内線電話機)のみならず、IP電話機などのIP端末(IP内線電話機)を収容し、各外線と各内線電話機との間の通話を制御する。
【0012】
IPボタン電話装置100において、主制御ユニット(CCU:Central Control Unit)1は、1枚の基板に搭載され、主制御ソフトウェアに従ってIPボタン電話装置全体の基本動作の制御(主制御)を行う。また、CCU1は、IP外線、IP内線、TDM外線およびTDM内線とそれらの間(IP内線同士,TDM内線同士を含む。)の呼処理制御を行い、多様な通話を可能とする。主制御ソフトウェアは、IP外線のプロトコルであるSIPを解釈することができ、これによって、IP外線を収容してIP外線の発着信ができるようになっている。
【0013】
TDM主制御ユニット(TCCU:Tdm Central Control Unit)2も、1枚の基板に搭載され、CCU1と制御情報を送受信し、TDM系主制御を行う。この制御は、例えば、TDM外線およびTDM内線の各種専用インターフェース(TDM制御ユニット)の制御を含む。
【0014】
カスタマエッジユニット(CEU:Customer Edge Unit)3は、音声情報と制御情報が多重化されたIP通信を行う高速ブロードバンドルータとしての機能を備える。音声変換ユニット(VCU:Voice Conversion Unit)4は、音声についてのメディア能力が異なる内線電話機に転送されるなどした場合に、通話に選択されたメディア能力および内線電話機のメディア能力に合わせて音声パケットを高音質から標準音質に、あるいはその逆に変換する。また、高音質と標準音質の保留音を保持して保留時に保留音を持たない内線電話機に通話時のメディア能力に合わせて高音質または標準音質の音声パケットを送出する。
【0015】
TCCU2には、ファックス端末81、ホテルフォン端末82、デジタルボタン電話機83、単体電話機84などのレガシー端末(TDM内線電話機)、および一般外線、ISDNネット回線、アナログ専用線、デジタル専用線などのレガシー外線(TDM外線)が、各種専用インターフェース(TDM制御ユニット)およびTDM通信用のTDMバス5を介して接続可能である。TDMバス5は、制御情報を送受信するDチャネルおよび音声情報を送受信するBチャネルを備える。
【0016】
CCU1とTCCU2とは音声情報伝送用LANケーブル8および制御情報伝送用LANケーブル9の2本のLANケーブルで接続される。CCU1とCEU3およびVCU4もLANケーブルで接続される。CCU1にはさらに、LANケーブル10を介して保守用コンピュータ95が接続されると共に、LANケーブル6を介してスイッチングハブ(HUB)7が接続される。HUB7には、専用インターフェースを介してIPボタン電話機91や音声会議装置92が接続され、無線アクセスポイント(AP)にはIPコードレスフォン93が収容され、さらにソフトフォンのアプリケーションが実装されたコンピュータ94が接続される。
【0017】
CCU1は、CPU11、DDRメモリ(RAM)12、フラッシュメモリ13、パケット転送の制御に特化した専用チップ14、挿抜自在のコンパクトフラッシュ(登録商標)(CF)メモリ15およびレイヤー2(L2)スイッチ16を主な構成要素としている。専用チップ14は、パケット転送回路として機能するカスタムLSIである。
【0018】
CCU1がパワーオンあるいはリセット(POWERON/RESET)されると、まず、フラッシュメモリ13にあるブートローダ(ソフトウエア)が動作し、CFメモリ15のファイルシステムに格納されているOSをDDRメモリ12にロードし起動する。次にOSがCFメモリ15のアプリケーション(主制御ソフトウエア)をDDRメモリ12にロードし起動する。これにより主制御ソフトウエアが動作するようになる。
【0019】
また、CFメモリ15には、IPボタン電話装置のシステムデータ(設定データ)のデータベース(DB)があり、これは必要に応じて取り出され、DDRメモリ12上の変数に設定される。これにより、IPボタン電話装置は、システムデータに従って動作する。なお、システムデータは、保守用コンピュータ95によりCFメモリ15に設定できる。
【0020】
TCCU2は、CPU21、DDRメモリ22、フラッシュメモリ23、ファイ(PHY)24、TDMバス5のBチャネルを制御するハイウエイスイッチ25、Dチャネルを制御するDch制御信号通信チップ26およびDSP(Digital Signal Processor)27を主な構成要素としている。前記PHY24は、Ethernet(登録商標)(図示せず)の物理層を制御するLSIである。
【0021】
CEU3は、CPU31、DDRメモリ32、フラッシュメモリ33、パケット転送の制御に特化した専用チップ34およびL2SW35を主な構成要素としている。専用チップ34は、専用チップ14と同様のものである。VCU4は、CPU41、DDRメモリ42、フラッシュメモリ43、L2SW44およびDSP45を主な構成要素としている。DSP45は、音声パケットを高音質から標準音質に変換する。その逆の変換も行う。
【0022】
上記実施形態のIPボタン電話装置100では、CCU1、TCCU2、CEU3およびVCU4のそれぞれにCPU11,21,31,41を分散配置し、それらのCPUを連動させて全体の制御を行うマルチCPUシステムとして構成しているので、負荷分散を実現できる。なお、各種専用インターフェース(TDM制御ユニット)もCPUを含んでいる。また、CCU1およびCEU3に搭載された専用チップ14,34のハードウエアによりパケット転送を制御するので、CPUの処理負荷が軽減される。
【0023】
IPボタン電話装置100において、例えば、単体電話機84がTDM外線経由で発着信した場合、TCCU2は、CCU1とLANケーブル9を介して制御情報を送受信してTDM系主制御を行い、TDM内線とTDM外線間で音声情報の送受信を可能にする。単体電話機84とTCCU2は、PCM変換された音声情報をTDMバス5を介して時分割多重化通信により送受信する。
【0024】
また、例えば、単体電話機84がIP外線経由で発着信した場合、単体電話機84とTCCU2との間ではPCM変換された音声信号がTDMバス5上で時分割多重化通信により送受信される。TCCU2とCCU1との間ではLANケーブル8を介して音声パケットが交換される。音声情報のTDMとパケットの相互互換にはTCCU2のDSP27が使用される。CCU1とTCCU2間の制御情報はLANケーブル9を介して送受信される。CEU3ではL2SW35経由でIP外線に接続されており、CCU1およびCEU3は、それぞれの専用チップ14,34を利用して音声パケットを交換する。
【0025】
また、例えば、IPボタン電話機91がTDM外線経由で発着信した場合は、TDMバス5,TCCU2,CCU1およびHUB7の経路が確立される。さらに、IPボタン電話機91がIP外線経由で発着信した場合は、CEU3,CCU1およびHUB7の経路が確立される。
【0026】
IPボタン電話装置100に収容されるIP内線電話機には、標準音声だけのメディア能力の内線電話機の他、標準音質と高音質の2つの音声メディア能力の内線電話機、標準音質だけの音声と映像のメディア能力の内線電話機、標準音質と高音質の2つの音声と映像のメディア能力の内線電話機があり、さらには、自身を含む3者での会議通話機能を持つ内線電話機(IP-KT:Internet Protocol Key Telephone)、映像の入力(CCD)/出力(LCD)機能とブラウザ機能を持つ内線電話機(A-KT:Advanced Key Telephone)、カメラとマイクとスピーカを接続したPCにアプリケーションとしてボタン電話機能を搭載した内線電話機(ソフトフォン:Software Key Telephone)など、多種多様の内線電話機がある。
【0027】
IP-KTは、標準音質および高音質の音声のメディア能力を持つが、映像のメディア能力はない。A-KTは、標準音質および高音質の音声のメディア能力を持ち、さらに、MPEG4 Encoder/Decoder(Simple Profile Level 0〜3)、QVGA(320x240),QCIF(176x144)の映像サイズ、最大15fpsのフレームレートの映像のメディア能力を持つ。ソフトフォンは、標準音質および高音質の音声のメディア能力を持ち、さらに、MPEG4 Encoder/Decoder(Simple Profile Level 0〜3)、VGA(640x480),QVGA(320x240),CIF(352x288),QCIF(176x144)の映像サイズ、最大30fpsのフレームレートの映像のメディア能力を持つ。
【0028】
図1のIPボタン電話装置100はCEU3を外付けした態様のものであるが、CEU3を外付けせずにその機能をCCU1に持たせた態様のものもある。以下に説明する第1実施形態(図2)は後者の態様のIPボタン電話装置を対象としており、第2実施形態(図3)は前者のIPボタン電話装置を対象としている。
【0029】
以下に、本発明の実施形態であるIPボタン電話装置のソフトウェアの部分更新および部分リセット方式について説明する。図2は本発明の第1実施形態の要部を示す機能ブロック図である。
【0030】
前記IPボタン電話装置では、CCU1がパワーオンまたはリセットされると、まずフラッシュメモリ13中にあるブートローダ(ソフトウェア)が動作し、CFメモリ15のファイルシステムに格納されているOSがDDRメモリ12にロードされ起動される。次に、このOSがCFメモリ15中のアプリケーション(本体ソフトウェア)をDDRメモリ12にロードし起動する。これにより、本体ソフトウェアが動作する。前記CFメモリ15のファイルシステムには、IPボタン電話装置の設定データ(システムデータ)のデータベースがあり、該設定データが必要に応じて取り出され、DDRメモリ12上の変数に設定されて、IPボタン電話装置がこの設定に従って動作する。システムデータを設定するには、LAN10に接続された保守用コンピュータ95から、コマンドとパラメータを入力してCCU1に設定することができる。
【0031】
さて、本実施形態では、図2に示すように、CFメモリ15に、OS と、アプリケーション1(本体ソフトウェア)と、SGCのアプリケーション2(CEUソフトウェア)とを格納する。すなわち、アプリケーション1と2とを、分割して格納する。このSGCのアプリケーション2は、前記保守用コンピュータ95からFTP(ファイル転送プロトコル)でCFメモリ15に書き込むことができる。IPボタン電話装置は、このアプリケーション2の稼働により、音声データと制御データとを多重化して外線のIP網を介してIP通信を行うことができる。
【0032】
いま、前記IP網に接続されているIP電話キャリア側の都合でIP外線仕様に仕様変更があったとすると、前記アプリケーション2を該仕様変更に対応するアプリケーションに変更することが必要になる。そこで、本実施形態では、該仕様変更に対応した新しいアプリケーション2’を別途設置されたソフトウエア開発ツールで作成し、前記CFメモリ15のファイルシステムから古いアプリケーション2を削除して、前記新しいアプリケーション2’を該ファイルシステムにコピーする。
【0033】
次に、前記古いアプリケーション2で活性しているSGCを閉塞させるため、前記保守用コンピュータ95から古いアプリケーション2を削除して、新しいアプリケーション2’を設定するためのコマンドを打ち込む。コマンドが打ち込まれると、該コマンドを受けたCCU1中のIP外線マネージャ17がDDRメモリ12にロードされているSGCのアプリケーション2を閉塞させる。ここに、閉塞とは、動作中のIP外線はその動作を継続させ、この動作が終了した時点で該IP外線を非活性にすることを意味する。閉塞後、前記古いアプリケーション2はDDRメモリ12からアンロードされ、前記新しいアプリケーション2’がCFメモリ15のファイルシステムからDDRメモリ12にロードされる。このロード後、前記新しいアプリケーション2’を活性化すると、該アプリケーション2’は動作可能になり、動的なアプリケーションの変更が完了する。
【0034】
以上のように、本実施形態によれば、SGC以外の機能(アプリケーション)は使用可能にした状態で、SGCの機能をIP電話キャリア側のIP外線仕様に適合する機能に変更することができる。したがって、SGCの機能の変更中も、例えば内線電話やレガシー外線通話などを使用することができる。
【0035】
次に、落雷などでIP電話キャリア側の設備・機器故障が起きた場合には、IP電話キャリア側でメンテナンスがなされることが予想される。この場合の対処について説明する。IP電話キャリアのメンテナンスが終了した後、前記保守用コンピュータ95からSGCのアプリケーション2をリセットするためのコマンドを打ち込む。コマンドが打ち込まれると、該コマンドを受けたCCU1中のIP外線マネージャ17がDDRメモリ12にロードされているSGCのアプリケーション2を閉塞させる。そして、閉塞後にSGCのアプリケーション2を活性化すると、該アプリケーション2は動作可能になる。
【0036】
このように、本実施形態によれば、前記アプリケーション2のみをリセットし、再起動させることができるようになる。つまり、SGC以外の機能は使用可能にした状態で、SGCのみをリセットし、再起動させることができるようになる。
【0037】
次に、外付けのCEU3が図1に示されているように存在する場合の本発明の第2実施形態を、図3を参照して説明する。図3において、図2と同一の符号は同一または同等物を示す。
【0038】
この実施形態では、CEU3がパワーオンまたはリセットされると、まずフラッシュメモリ33中にあるブートローダ(ソフトウエア)が動作し、フラッシュメモリ33に格納されているOSがDDRメモリ32にロードされ起動される。次に、このOSがフラッシュメモリ33中のアプリケーション1(CEU本体ソフトウエア)をDDRメモリ32にロードし起動する。これにより、CEU本体ソフトウエアが動作する。CEUのSGCのアプリケーション2は、CEU3のフラッシュメモリ33からDDRメモリ32にロードされる。そこで、前記したように、前記IP網に接続されているIP電話キャリア側の都合でIP外線仕様に仕様変更があったとすると、前記保守用コンピュータ95は前記CFメモリ15のファイルシステムから古いCEU用アプリケーション2を削除して、新しいCEU用アプリケーション2’を該ファイルシステムにコピーする。
【0039】
次に、前記古いCEU用アプリケーション2で活性しているSGCを閉塞させるため、前記保守用コンピュータ95から古いCEU用アプリケーション2を削除して、新しいCEU用アプリケーション2’を設定するためのコマンドを打ち込む。コマンドが打ち込まれると、該コマンドを受けたCEU3中のIP外線マネージャ36がDDRメモリ32にロードされているSGCのCEU用アプリケーション2を閉塞させ、閉塞後、前記古いCEU用アプリケーション2はDDRメモリ32からアンロードされ、前記新しいCEU用アプリケーション2’がCFメモリ15のファイルシステムからフラッシュメモリ33にコピーされて、フラッシュメモリ33からDDRメモリ32にロードされる。このロード後、前記新しいCEU用アプリケーション2’を活性化すると、該CEU用アプリケーション2’は動作可能になり、動的なアプリケーションの変更が完了する。
【0040】
また、落雷などでIP電話キャリア側の設備・機器故障が起きた場合には、IP電話キャリア側でのメンテナンス終了後に、前記保守用コンピュータ95からDDRメモリ32中のSGCのCEU用アプリケーション2をリセットするためのコマンドを打ち込む。コマンドが打ち込まれると、該コマンドを受けたCEU3中のIP外線マネージャ36がDDRメモリ32にロードされているSGCのCEU用アプリケーション2を閉塞させる。そして、閉塞後にCEU用アプリケーション2’を活性化すると、該CEU用アプリケーション2’は動作可能になる。
【0041】
以上、本発明を好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を超えない範囲で任意に変更できることは、当業者には明らかである。例えば、CFメモリ15に格納されるアプリケーションは、アプリケーション1(本体ソフトウェア)およびSGCのCEU用アプリケーション2(CEUソフトウェア)だけでなく他のアプリケーションも格納されることは当然であり、前記DDRメモリ12,32にも前記アプリケーション2またはCEU用アプリケーション2(CEUソフトウェア)以外のアプリケーションが格納されうることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明が適用されるIPボタン電話装置の概略のブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態の要部の機能ブロック図である。
【図3】本発明の他の実施形態の要部の機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0043】
1・・・主制御ユニットCCU、2・・・TDM制御ユニットTCCU、3・・・カスタマエッジユニットCEU、4・・・音声変換ユニットVCU、11・・・CPU、12・・・DDR メモリ(RAM)、13・・・フラッシュメモリ、14・・・専用チップ、15・・・コンパクトフラッシュ(登録商標)(CF)メモリ、16・・・L2SW、17・・・IP外線マネージャ、31・・・CPU、32・・・DDR メモリ(RAM)、33・・・フラッシュメモリ、34・・・専用チップ、35・・・L2SW、36・・・IP外線マネージャ、95・・・保守用コンピュータ、100・・・IPボタン電話装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SGC(SIPゲートウェイコントローラ)のソフトウェアを備えるIPボタン電話装置において、
主制御ユニット又はCEUの主メモリに、該IPボタン電話装置の本体ソフトウェアと、SGCのソフトウェアとを別々に格納し、該SGCのソフトウェアのみを変更又はリセットして再起動できるようにしたIPボタン電話装置。
【請求項2】
請求項1に記載のIPボタン電話装置において、
前記IPボタン電話装置の本体ソフトウェアは、前記SGCのソフトウェアの変更中またはリセット中も稼働を続行することを特徴とするIPボタン電話装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のIPボタン電話装置において、
前記SGCのソフトウェアのみの変更は、前記IPボタン電話装置とIP網を介して通信するIP電話キャリア側の都合でIP外線仕様に仕様変更があった場合になされることを特徴とするIPボタン電話装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載のIPボタン電話装置において、
前記SGCのソフトウェアのみをリセットして再起動することは、前記IPボタン電話装置とIP網を介して通信するIP電話キャリア側の設備・機器に故障が起きた場合のメンテナンスの終了後に行われることを特徴とするIPボタン電話装置。
【請求項5】
請求項1または3に記載のIPボタン電話装置において、
前記変更される新たなSGCのソフトウェアは、別途設置されたソフトウェア開発ツールで生成され、該開発ツールから前記主制御ユニットに接続された設定ツールに持ち込まれて、該設定ツールから該主制御ユニットのメモリに送られることを特徴とするIPボタン電話装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−109732(P2010−109732A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280122(P2008−280122)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000000181)岩崎通信機株式会社 (133)
【出願人】(399040405)東日本電信電話株式会社 (286)
【出願人】(399041158)西日本電信電話株式会社 (215)
【Fターム(参考)】