説明

LED点灯装置及びLED電球

【課題】点滅器が接続された場合でもトライアックをほぼ全位相角にてオン状態とすることができるLED点灯装置を低損失で小型な構成で提供する。
【解決手段】LED点灯装置において、入力電源を整流して整流脈流電圧を出力する整流回路(31)、整流回路の出力端子間に接続されて整流脈流電圧が印加され、入力電圧の位相角がゼロクロスから第1の位相角以上第2の位相角未満の範囲にあるときに出力端子間にインピーダンス素子を介して入力保持用電流が流れるように構成された第1の回路(3A)、及び整流回路の出力端子間に接続されて整流脈流電圧が印加され、入力電圧の位相角がゼロクロスから第2の位相角以上の範囲にあるときに動作し、LEDに給電するとともに入力保持用電流を遮断するように構成された第2の回路(3B)を備える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED点灯装置及びLED電球に関し、特に、電源から点滅器を介して接続される場合にも適切に動作することができるLED点灯装置及びLED電球に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、図5に示すように、周囲の照度と人が近づいたことを検出して夜間に白熱電球4を点灯させるセンサー付き点滅器2(以下、「点滅器2」という)が普及している。図6は図5の回路の動作を示す図である。図6(a)に示す電源電圧の下で、センサー23の周囲の照度が低く、かつ人が近づいたことをセンサー23が検出すると、センサー23は検知信号を出力する。図6(b)に示すように、ゲートトリガ回路22は、検知信号を受けて電源電圧のゼロクロス直後にゲートトリガ信号を発生し、トライアック21をほぼ全位相角にてオンさせる。これにより、センサー23からの検知信号がなくなるまで、又は検知信号が出力されてから所定時間が経過するまで、トライアック21の導通状態が維持され、図6(c)に示すように、電源1からの電流が白熱電球4に継続して供給され、白熱電球4の点灯状態が維持される。
【0003】
ところで、近年白熱電球の代替としてLED電球が普及し、点滅器2にLED電球が接続されて使用される場合が増えてきている。図7は、点滅器2及び一般的な点灯装置5を示すものである(特許文献1参照)。点灯装置5は、整流回路31及び電解コンデンサ42からなるコンデンサインプット型の整流平滑回路、並びにPWM制御回路32、ダイオード33、コイル34トランジスタ(スイッチング素子)36、電流検出抵抗37及びコンデンサ43からなる降圧チョッパ回路からなる。点滅器2がない場合は、整流平滑回路によって電源1の入力電圧が整流平滑された平滑電圧が降圧チョッパ回路に入力される。降圧チョッパ回路において、電流検出抵抗37によって検出されたスイッチング素子36のスイッチング電流が一定となるようにPWM制御回路32によってスイッチング素子36がPWM制御され、LED38に供給する電流が所望値に制御される。
【0004】
図8は図7の点滅器2及び点灯装置5の動作波形図である。点灯装置5はいわゆるコンデンサインプット型の回路であるため、図8(a)に示す電源電圧に対して、入力電流は、図8(c)の点線で示すように電源電圧のピーク近辺(位相角90°付近)において狭い位相角でのパルス状の波形となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−287430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、図7に示すような点灯装置5を、トライアック2を含む点滅器2を用いてオンしようとすると以下のような問題がある。
図6に示す動作と同様に、センサー23が検知信号を出力すると、図8(b)に示すように、ゲートトリガ回路22がゲートトリガ信号を電源電圧のゼロクロス直後に発生させる。ここで、トライアック21が一旦ターンオンしても、図8(c)に示すように、ゲートトリガ信号が出力されるゼロクロス付近の低位相角の期間においては、図8(c)に示すように入力電流が流れないため、トライアック21には導通維持に必要な電流が流れない。従って、トライアック21は、ゲートトリガ信号を受けてターンオンしても、コンデンサ42に充電電流が流れる高い位相角になるまでそのオン状態を保持することができずに、直ぐにオフ状態となる。従って、センサー23が検知信号を出力しても、点灯装置5は電源1の位相角のほぼ全体にわたって電源1から切り離されることになり、LED38を点灯させることができなくなってしまう。
【0007】
ここで、図9に示すように点灯装置5の入力端子間に抵抗501を接続すれば、電源電圧のゼロクロス直後にトライアック21がターンオンされても、トライアック21がオン状態を保持できるような電流(図10(d))を抵抗501を介して流すことができる。この場合、例えば電源電圧をAC100Vとして、電源電圧の位相角が5°(約12Vピーク時点)の時にトライアック21の保持電流として例えば5mAを確保する必要がある場合、抵抗501の抵抗値を2.4kΩ以下とする必要がある。しかし、電源電圧の全位相角に亘って抵抗501にAC100Vの電圧が印加されると、抵抗501の消費電力は4Wを超えるものとなってしまう。これにより、抵抗501からの発熱を放熱させるための構成を追加する必要が生じ、LED電球が大型化し、照明としての効率(照度/入力電力)が低下してしまうという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は上記問題を鑑みなされたものであり、電源電圧のゼロクロス直後にトライアックをオンする点滅器が接続された場合でもトライアックをほぼ全位相角にてオン状態とすることができるLED点灯装置を、低損失で大型化しない構成で提供することを目的とする。そして、本発明は、上記のような点滅器が使用される環境下においても、白熱電球と代替可能なLED電球を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の側面は、LEDを点灯するLED点灯装置であって、入力電源を整流して整流脈流電圧を出力する整流回路(31)、整流回路の出力端子間に接続されて整流脈流電圧が印加され、入力電圧の位相角がゼロクロスから第1の位相角以上第2の位相角未満の範囲にあるときに出力端子間にインピーダンス素子を介して入力保持用電流が流れるように構成された第1の回路(3A)、及び整流回路の出力端子間に接続されて整流脈流電圧が印加され、入力電圧の位相角がゼロクロスから第2の位相角以上の範囲にあるときに動作し、LEDに給電するとともに入力保持用電流を遮断するように構成された第2の回路(3B)を備えたLED点灯装置である。
【0010】
ここで、第1の回路が第1の抵抗と第1のトランジスタの第1の直列回路及び第2の抵抗と第2のトランジスタの第2の直列回路を含み、第1の抵抗が上記インピーダンス素子であり、第1の抵抗の一端と第2の抵抗の一端がともに整流回路の一方の出力端に接続され、第1の抵抗の他端が該第1のトランジスタのコレクタ端子に接続され、第2の抵抗の他端が第2のトランジスタのコレクタ端子に接続され、第1のトランジスタのエミッタ端子と第2のトランジスタのエミッタ端子が整流回路の他方の出力端に接続され、第1のトランジスタのベース端子が第2のトランジスタのコレクタ端子に接続され、第2の回路が、チョークコイルを含む降圧チョッパ回路からなり、チョークコイルを通過する電流に応じた信号が第2のトランジスタのベース端子に入力され、チョークコイルに電流が流れると第2のトランジスタが導通状態となるとともに第1のトランジスタが非導通状態となるように構成される。
【0011】
さらに、チョークコイルが二次巻線を有し、二次巻線に発生する電圧に応じた信号が第2のトランジスタのベース端子に入力され、チョークコイルに電流が流れると第2のトランジスタが導通状態となるように構成することが好ましい。
【0012】
本発明の第2の側面は、LEDが接続された上記第1の側面のLED点灯装置、LED点灯装置を保持するハウジング、及びLED点灯装置の整流回路の入力端子に電気的に接続されるとともにハウジングに取り付けられた口金を備えたLED電球である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例によるLED点灯装置の回路図である。
【図2】図1のLED点灯装置における動作波形図である。
【図3】本発明のLED電球の概略図である。
【図4】本発明の変形例を説明する図である。
【図5】従来の白熱球を負荷とした点滅器の回路図である。
【図6】図5の点滅器における動作波形図である。
【図7】従来のLED点灯装置の回路図である。
【図8】図7の回路における動作波形図である。
【図9】図7のLED電球に抵抗を加えた回路図である。
【図10】図9の回路における動作波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は本発明によるLED点灯装置3(以下、「点灯装置3」という)の回路構成図である。点滅器2の構成は図5、7及び9に示したものと同様であり、検知対象物を検知したときに検知信号を発生するセンサー23、検知信号を受けてゲートトリガ信号を生成するゲートトリガ回路22、及びゲートトリガ信号を受けて導通するトライアック21からなる。点灯装置3は整流回路(ダイオードブリッジ)31、第1の回路3A、第2の回路3B及びLED38からなる。
【0015】
第1の回路3Aは、整流回路31の出力端子間に接続され、整流回路31によって電源電圧が全波整流された脈流電圧が印加される。第1の回路3Aは、抵抗301とトランジスタ302の直列回路及び抵抗303とトランジスタ304の直列回路を有する。抵抗301の一端と抵抗303の一端が整流回路31の高電位側で接続され、第1の回路3Aでは、抵抗301の他端がトランジスタ302のコレクタ端子に接続され、抵抗303の他端がトランジスタ304のコレクタ端子に接続され、トランジスタ302のエミッタ端子とトランジスタ304のエミッタ端子が整流回路31の低電位側(グランド側)で接続され、トランジスタ302のベース端子がトランジスタ304のコレクタ端子に接続される。
【0016】
第2の回路3Bは、整流回路31の出力端子間に接続され、整流回路31によって電源電圧が全波整流された脈流電圧が印加される。第2の回路3Bは、PWM制御回路32、ダイオード33、チョークコイル34A、平滑コンデンサ35、トランジスタ(スイッチング素子)36、及び電流検出抵抗37からなる降圧チョッパ回路を備える。降圧チョッパ回路に印加される脈流電圧(即ち、整流回路31の出力電圧)がLED38の順方向電圧を超えると、PWM制御回路32は電流検出抵抗37に流れる電流が設定値に一致するようにスイッチング素子36をPWM制御し、LED38に流れる電流が略一定に制御される。
【0017】
第2の回路3Bはさらに、チョークコイル34Aの二次巻線に接続されたダイオード305、コンデンサ306及び抵抗307からなる検出回路を備える。チョークコイル34Aに電流が流れると、検出回路は、チョークコイル34Aの二次巻線に発生する出力を、ダイオード305とコンデンサ306で整流平滑して抵抗307を介して第1の回路3Aのトランジスタ304のベースに入力する。
【0018】
平滑コンデンサ35はLED38に流れる電流のリップルを平滑化し、降圧チョッパ回路の停止時においても短い時間であればLED38のオン状態を維持させることができる。なお、LED38に流れる電流において、電源1の周波数の2倍の周波数のリップル又は消灯期間を許容できる場合には、平滑コンデンサ35は図示するような電解コンデンサではなくフィルムコンデンサ等の比較的容量の小さいコンデンサであってもよい。
【0019】
図2を参照して点滅器2及び点灯装置3の動作を説明する。
図2(a)は電源1の電源電圧を示す。この電源電圧の下で、図6、8及び10と同様に、センサー23の周囲の照度が低く、かつ人が近づいたことをセンサー23が検出すると、センサー23は検知信号を出力する。
図2(b)はゲートトリガ回路22のゲートトリガ信号を示す。センサー23からの検知信号を受けて、ゲートトリガ回路22が電源電圧のゼロクロス直後に(位相角5°で)ゲートトリガ信号を発生する。
【0020】
ゲートトリガ信号によってトライアック21がターンオンされると、電源1から整流回路31及び抵抗303を介してトランジスタ302にベース電流が供給され、トランジスタ302が導通状態となる。これにより、抵抗301が整流回路31の出力端子間に接続され、抵抗301によって電流値が決まる入力保持用電流がトライアック21に流れる。抵抗301の抵抗値は、位相角5°においてトライアック21が導通保持電流を確保できるように設定される。例えば、AC100V入力の場合に、位相角5°(即ち、電源電圧12V)で入力電流が5mA以上となるように、抵抗301には2.4kΩ以下の抵抗値が選定される。電源の位相角が増加するのにつれてトライアック21の電流は図2(d)のように電源電圧の瞬時値に比例して大きくなり、トライアック21のオン状態が保持される。なお、作図の関係上、図2(d)ではゼロクロスにおいて入力保持電流が連続しているように記載されているが、採用されるトライアックの特性によってゼロクロス付近の保持電流はわずかに途切れる場合もある。
【0021】
負荷であるLED38の順方向電圧が、例えば40Vである場合、電源電圧の位相角が24°以上となり、脈流電圧の瞬時値が40Vとなると、第2の回路の降圧チョッパ回路が動作を開始する。そして、電源電圧の位相角が24°以上の範囲で降圧チョッパ回路が動作状態となり、第2の回路3Bへの入力電流は図2(c)に示すものとなる。
【0022】
図2(e)に本実施例の点灯装置3への入力電流を示す。図2(e)は図2(c)及び(d)の電流を合成したものである。
【0023】
ここで、降圧チョッパ回路のチョークコイル34Aにも位相角24°以降はスイッチング電流が流れることにより、その二次巻線にも電圧が発生する。二次巻線の電圧がダイオード305とコンデンサ306で整流平滑され、抵抗307を介してトランジスタ304のベースに電流が供給される。即ち、ゼロクロスからの位相角が24°以上となると、トランジスタ304が導通状態となる。すると、トランジスタ302のベース電流がなくなり、トランジスタ302は非導通状態となり、抵抗301の接続は開放される。即ち、位相角24°となった以降は、抵抗301での消費電力がなくなる。そして、トライアック21には点灯装置3(即ち、第2の回路3B)への入力電流が流れ続けているため、ターンオフすることはなく、点灯装置3は動作を維持することができる。
【0024】
次に電源の位相角が90°を超え、点灯装置3(特に、第2の回路3B)に印加される脈流電圧が低下し始め、電源電圧の瞬時値が40Vを下回る66°になると(即ち、次のゼロクロスまで24°未満となると)降圧チョッパ回路が停止し、第2の回路3Bには電流が流れなくなる。従って、チョークコイル34Aの二次巻線の電圧もなくなり、トランジスタ304は非導通状態、トランジスタ302は導通状態となり、再度抵抗301が整流回路31の出力端子間に接続され、抵抗301を経由する電流がトライアック21に流れてそのオン状態が保持される。電源電圧がゼロクロスを過ぎると、上記と同様の動作が繰り返される。
【0025】
ここで、降圧チョッパ回路に電流が流れない期間、即ち、電源電圧の位相角がゼロクロスから24°未満の範囲で電源電圧の瞬時値が40V以下の期間においても、平滑コンデンサ35の容量が適切に設定されていれば、LED38に流れる電流の休止期間を発生させることなく、安定した点灯を維持することができる。
【0026】
上記の動作をまとめると、第1の回路は、電源1からの入力電圧の位相角がゼロクロスから第1の位相角(本例では5°)以上第2の位相角(本例では24°)未満の範囲にあるときに整流回路31の出力端子間にインピーダンス素子(本例では抵抗301)を介して入力保持用電流を流す。そして、第2の回路は、電源1からの入力電圧の位相角がゼロクロスから第2の位相角(本例では24°)以上の範囲にあるときに動作し、LED38に給電するとともに上記入力保持用電流を遮断する。なお、電源電圧の位相角がゼロクロスから0°以上24°未満の範囲にあるときは、電解コンデンサ35からの放電電流によりLED38の点灯が維持され得る。
【0027】
上記動作を繰り返すことにより、例えば電源電圧がAC100VでLED電圧が40Vの条件では、トライアック21のオン状態を保持する際に抵抗301に印加される電圧の実効値は12Vに抑えられる。これにより、従来例と同様に5mAのトライアック導通保持電流を確保しようとした場合でも、2.4kΩの抵抗301における入力保持用電流による消費電力は0.1Wに抑えられる。これは、図9に示す点灯装置5の抵抗501での消費電力(4W超)に比べて格段に小さい。
【0028】
従って、トライアックを用いた点滅器に対応したLED点灯装置を、損失増加による大型化や効率低下を伴うことなく実現することができる。なお、抵抗301での消費電力が上記のように非常に小さいことから、抵抗301の抵抗値をさらに低くして上記動作をより確実に行うこともできる。
【0029】
図3に、上記点灯装置を搭載したLED電球を示す。本発明のLED電球は、LED38が接続された点灯装置3、点灯装置3を保持するハウジング50、ハウジング50に取り付けられたカバー55、及び点灯装置3に電気的に接続されるとともにハウジング50に取り付けられた口金60を備える。口金60には、整流回路31の入力端子が配線61及び62を介して電気的に接続される。なお、LED電球の仕様に応じてカバー55はあってもなくてもよい。なお、図面(特に、ハウジング50の内部に配置される点灯装置3、配線61及び62並びにLED素子38)は模式的に示したものであり、配置、形状及び大きさは図示したものに限定されない。
【0030】
上記構成により、点滅器2に対応可能であり、かつ低損失で小型なLED電球を実現できる。従って、従来からある点滅器2が使用される環境において、白熱電球と代替可能なLED電球を提供することができる。
【0031】
なお、上記に本発明の最も好適な例を示したが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、例えば以下のように変形可能である。
図1の実施例では、第2の回路として非絶縁型の降圧チョッパ回路(第2の回路3B)を用いたが、例えば、図4に示すように絶縁型のチョッパ回路(第2の回路3B´)とすることもできる。この場合も、トランス39に三次巻線を設け、三次巻線に図1と同様の検出回路(ダイオード305、コンデンサ306及び抵抗307)を接続して、第1の回路3Aのトランジスタ304を制御するようにすればよい。また、トランス39の二次巻線にカレントトランスを直列接続してカレントトランスの二次巻線に上記検出回路を接続してもよい。
【0032】
図1の実施例では、検出回路の入力部をチョークコイル34Aの二次巻線としたが、点a→b→c→dの経路中のいずれかの箇所、又はスイッチング素子36に直列にカレントトランスの一次巻線を挿入し、カレントトランスの二次巻線に図1と同様の検出回路を接続してもよい。即ち、検出回路は、スイッチング素子36がOFFの期間にチョークコイル34Aに流れる電流(ダイオード33に流れる電流)を検出するようにしてもよいし、スイッチング素子36がONの期間にチョークコイル34Aに流れる電流(スイッチング素子36に流れる電流)を検出するようにしてもよいし、スイッチング素子36のON−OFF全期間にわたってチョークコイル34Aに流れる電流を検出するようにしてもよく、これらは全て「チョークコイルを通過する電流」といえる。スイッチング素子36のON−OFF全期間にわたってチョークコイル34Aに流れる電流を検出する場合、コンデンサ306の容量を他の場合に比べて小さくできる。
【0033】
図1の実施例では、入力保持用電流を流すためのインピーダンス素子として抵抗301を接続したが、他のインピーダンス素子を用いることもできる。例えば、抵抗301の代わりにコンデンサを接続し、入力保持用電流の継続が必要な短期間だけ、整流回路31の出力端子間に当該コンデンサの充電電流が流れるようにしてもよい。但し、インピーダンス素子をコンデンサとする場合は、第2の回路が動作するときにコンデンサの電荷を放電するための放電回路(例えば、コンデンサに並列接続された抵抗)を設ける必要がある。
【0034】
図1の実施例では、第1の回路としてnpnトランジスタ302及び304を用いて構成したが、pnpトランジスタを用いて構成することもできる。その場合も、抵抗301の一端と抵抗303の一端をグランド側に接続し、抵抗301の他端をトランジスタ302のコレクタ端子に接続し、抵抗303の他端をトランジスタ304のコレクタ端子に接続し、トランジスタ302のエミッタ端子とトランジスタ304のエミッタ端子を整流回路31の高電位側に接続して、トランジスタ302のベース端子をトランジスタ304のコレクタ端子に接続すればよい。また、この場合、検出回路をグランド側でなく高電位側に接続する必要がある。
【0035】
図1の実施例では、抵抗301、トランジスタ302、抵抗303及びトランジスタ304が第1の回路3Aに含まれ、ダイオード305、コンデンサ306及び抵抗307が第2の回路3Bに含まれる構成を示したが、この区分けは便宜的なものであり、第1の回路3Aが抵抗301、トランジスタ302及び抵抗30を含みさえすれば、トランジスタ304、ダイオード305、コンデンサ306及び抵抗307は第1の回路3Aに含まれても第2の回路3Bに含まれてもよい。
【符号の説明】
【0036】
3:LED点灯装置(点灯装置)
3A:第1の回路
3B、3B´:第2の回路
31:整流回路
32:PWM制御回路
33、40:ダイオード
34A:チョークコイル
35、41:コンデンサ
36:スイッチング素子
37:電流検出抵抗
38:LED
39:トランス
50:ハウジング
55:カバー
60:口金
61、62:配線
301、303、307:抵抗
302、304:トランジスタ
305:ダイオード
306:コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDを点灯するLED点灯装置であって、
入力電源を整流して整流脈流電圧を出力する整流回路、
前記整流回路の出力端子間に接続されて前記整流脈流電圧が印加され、前記入力電圧の位相角がゼロクロスから第1の位相角以上第2の位相角未満の範囲にあるときに、該出力端子間にインピーダンス素子を介して入力保持用電流が流れるように構成された第1の回路、及び
前記整流回路の出力端子間に接続されて前記整流脈流電圧が印加され、前記入力電圧の位相角がゼロクロスから前記第2の位相角以上の範囲にあるときに動作して、前記LEDに給電するとともに前記入力保持用電流を遮断するように構成された第2の回路
を備えたLED点灯装置。
【請求項2】
請求項1に記載のLED点灯装置において、
前記第1の回路が第1の抵抗と第1のトランジスタの第1の直列回路及び第2の抵抗と第2のトランジスタの第2の直列回路を含み、該第1の抵抗が前記インピーダンス素子であり、該第1の抵抗の一端と該第2の抵抗の一端が前記整流回路の一方の出力端に接続され、該第1の抵抗の他端が該第1のトランジスタのコレクタ端子に接続され、該第2の抵抗の他端が該第2のトランジスタのコレクタ端子に接続され、該第1のトランジスタのエミッタ端子と該第2のトランジスタのエミッタ端子が該整流回路の他方の出力端に接続され、該第1のトランジスタのベース端子が該第2のトランジスタのコレクタ端子に接続され、
前記第2の回路が、チョークコイルを含む降圧チョッパ回路からなり、該チョークコイルを通過する電流に応じた信号が前記第2のトランジスタのベース端子に入力され、該チョークコイルに電流が流れると前記第2のトランジスタが導通状態となるとともに前記第1のトランジスタが非導通状態となるように構成されたLED点灯装置。
【請求項3】
請求項2に記載のLED点灯装置において、前記チョークコイルが二次巻線を有し、該二次巻線に発生する電圧に応じた信号が前記第2のトランジスタのベース端子に入力され、該チョークコイルに電流が流れると前記第2のトランジスタが導通状態となるように構成されたLED点灯装置。
【請求項4】
前記LEDが接続された、請求項1から3のいずれか一項に記載のLED点灯装置、該LED点灯装置を保持するハウジング、及び該LED点灯装置の前記整流回路の入力端子に電気的に接続されるとともに該ハウジングに取り付けられた口金を備えたLED電球。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−37971(P2013−37971A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174578(P2011−174578)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000000192)岩崎電気株式会社 (533)
【Fターム(参考)】