説明

LED照明装置及びそれに使用される直管型LEDランプ

【課題】製作や輸送、施工時の取扱いが容易なLED照明装置及びそれに使用される直管型LEDランプを提供する。
【解決手段】直管型LEDランプ30は、長手方向の一端にソケット部21に嵌め込まれる端子34が設けられるとともに他端には連結部35が設けられた第一直管型LEDランプ30A及び第二直管型LEDランプ30Bの連結部35同士を連結して一本にされた連結LEDランプ30であり、連結LEDランプ30を構成する第一直管型LEDランプ30Aの端子34に、ソケット部21の一方21Aから電力を供給して第一直管型LEDランプ30A側を点灯させる第一電力供給部23と、連結LEDランプ30を構成する第二直管型LEDランプ30Bの端子34に、ソケット部21の他方21Bから電力を供給して第二直管型LEDランプ30B側を点灯させる第二電力供給部24を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のLEDを発光させるLED照明装置及びそれに使用される直管型LEDランプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、蛍光灯に替わる照明器具として、複数のLEDを発光させる直管型LEDランプを使用したLED照明装置が普及しつつある。
直管型LEDランプは、蛍光灯に比べて消費電力が小さくしかも製品寿命が長いというメリットがあるので、各社が研究開発及び商品化を進めており、本出願人も直管型LEDランプについての特許出願を既に行っている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−16493号公報
【0004】
特許文献1に記載の直管型LEDランプは、複数のLEDが配列されたプリント基板と、プリント基板が取付けられた支持板、及び支持板の下面に取付けられプリント基板を覆うチューブを有する。そして、図7に示すように、直管型LEDランプ10は長手方向の両端部のそれぞれにソケット部21が設けられた灯具20に装着され、LED照明装置100として機能する。
このような直管型LEDランプ10は、従来の蛍光灯と同様に明るさによって長さや直径が規格化されており、20型,40型,110型等の規格がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、110型の直管型LEDランプ10はその長さが2367mmにもなり非常に長いので、製品の製作、施工現場までの製品の輸送、施工時の取扱いが難しいという問題があった。
【0006】
そこで、本発明の目的とするところは、製作や輸送、施工時の取扱いが容易なLED照明装置及びそれに使用される直管型LEDランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のLED照明装置(200)は、複数のLED(1)が配列されたプリント基板(31),前記プリント基板(31)が下面に取付けられた支持板(32),及び、前記支持板(32)に取付けられ前記支持板(32)及び前記プリント基板(31)を下方から覆うチューブ(33)を有する直管型LEDランプ(30)と、長手方向の両端部にそれぞれ取付けられ前記直管型LEDランプ(30)の両端を嵌め込んで支持するソケット部(21),及び、前記ソケット部(21)を介して前記直管型LEDランプ(30)に電力を供給する電力供給手段(22)を有する灯具(20)とを備えるLED照明装置(200)において、前記直管型LEDランプ(30)は、長手方向の一端に前記ソケット部(21)に嵌め込まれる端子(34)が設けられるとともに他端には連結部(35)が設けられた第一直管型LEDランプ(30A)及び第二直管型LEDランプ(30B)の前記連結部(35)同士を連結して一本にされた連結LEDランプ(30)であり、前記電力供給手段(22)は、前記連結LEDランプ(30)を構成する前記第一直管型LEDランプ(30A)の端子(34)に、前記ソケット部(21)の一方(21A)から電力を供給して前記第一直管型LEDランプ(30A)側を点灯させる第一電力供給部(23)と、前記連結LEDランプ(30)を構成する前記第二直管型LEDランプ(30B)の端子(34)に、前記ソケット部(21)の他方(21B)から電力を供給して前記第二直管型LEDランプ(30B)側を点灯させる第二電力供給部(24)を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載のLED照明装置(200)は、前記第一直管型LEDランプ(30A)及び第二直管型LEDランプ(30B)の支持板(32)の上面には、長手方向にスライド自在に延び、前記連結LEDランプ(30)の長さよりも短い補強部材(36)が案内され、前記支持板(32)の上面で、前記連結部(35)を跨いだ状態で前記支持板(32)の動きを拘束する位置に、前記補強部材(36)を固定する位置決め固定部材(37)を備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載のLED照明装置(200)は、前記連結部(35)は、前記第一直管型LEDランプ(30A)及び第二直管型LEDランプ(30B)を突き合わせたときに両者間に左右より中央が絞られた断面略鼓形の溝部(38)を形成する保持部(39)と、前記溝部(38)の形状に対応した断面略鼓形で前記溝部(38)に圧入される楔部(41)を備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載のLED照明装置(200)は、前記灯具(20)は、前記第一直管型LEDランプ(30A)及び第二直管型LEDランプ(30B)の連結部(35)分を支持するフック状のホルダー(25)を備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載のLED照明装置(200)は、前記第一直管型LEDランプ(30A)の長さは、前記第二直管型LEDランプ(30B)の長さとは異なることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に記載の直管型LEDランプ(30)は、複数のLED(1)が配列されたプリント基板(31),前記プリント基板(31)が下面に取付けられた支持板(32),及び、前記支持板(32)に取付けられ前記支持板(32)及び前記プリント基板(31)を下方から覆うチューブ(33)を有し、しかも、長手方向の両端部にそれぞれ取付けられるソケット部(21),前記ソケット部(21)の一方(21A)を介して電力を供給する第一電力供給部(23),及び、前記ソケット部(21)の他方(21B)を介して電力を供給する第二電力供給部(24)を有する灯具(20)を備えるLED照明装置(200)の前記ソケット部(21)に嵌め込んで使用される直管型LEDランプ(30)において、長手方向の一端に前記ソケット部(21)に嵌め込まれる端子(34)が設けられるとともに他端には連結部(35)が設けられた第一直管型LEDランプ(30A)及び第二直管型LEDランプ(30B)の前記連結部(35)同士を連結して一本にされることを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に記載の直管型LEDランプ(30)は、前記第一直管型LEDランプ(30A)及び第二直管型LEDランプ(30B)の支持板(32)の上面には、長手方向にスライド自在に延び、前記連結LEDランプ(30)の長さよりも短い補強部材(36)が案内され、前記支持板(32)の上面で、前記連結部(35)を跨いだ状態で前記支持板(32)の動きを拘束する位置に、前記補強部材(36)を固定する位置決め固定部材(37)を備えることを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に記載の直管型LEDランプ(30)は、前記連結部(35)は、前記第一直管型LEDランプ(30A)及び第二直管型LEDランプ(30B)を突き合わせたときに両者間に左右より中央が絞られた断面略鼓形の溝部(38)を形成する保持部(39)と、前記溝部(38)の形状に対応した断面略鼓形で前記溝部(38)に圧入される楔部(41)を備えることを特徴とする。
【0015】
ここで、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1に記載のLED照明装置によれば、直管型LEDランプは、長手方向の一端にソケット部に嵌め込まれる端子が設けられるとともに他端には連結部が設けられた第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプの連結部同士を連結して一本にされた連結LEDランプであるので、製品の製作、施工現場までの輸送、及び施工時の取扱いについては、連結前の状態となる第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプ毎に行うことができる。
そして、施工現場において第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプを連結して、長さの長い直管型LEDランプとして使用できるので、最初から長さの長い一本物の直管型LEDランプに比べて、製造、輸送、及び施工時の取扱いが容易である。
また、灯具の電力供給手段は、連結LEDランプを構成する第一直管型LEDランプの端子に、ソケット部の一方から電力を供給して第一直管型LEDランプ側を点灯させる第一電力供給部と、連結LEDランプを構成する第二直管型LEDランプの端子に、ソケット部の他方から電力を供給して第二直管型LEDランプ側を点灯させる第二電力供給部を備えるので、従来の一本物として構成された直管型LEDランプを第一直管型LEDランプと第二直管型LEDランプとの二本に分割した構造であっても、第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプのそれぞれを点灯させることができ、従来の一本物の直管型LEDランプと同等の明るさを確保できる。
【0017】
また、請求項2に記載のLED照明装置によれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加え、第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプの支持板の上面には、補強部材が案内され、支持板の上面で連結部を跨いだ状態で支持板の動きを拘束する位置に、補強部材を固定する位置決め固定部材を備えるので、第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプの連結部同士を連結して一本にされた連結LEDランプでも、その連結部分の強度を保つことができる。よって、連結LEDランプをソケット部に嵌め込んだ後に長期間経過しても、重力の影響等で連結LEDランプの連結部分が外れてしまうことがないので、第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプが落下せず安全である。
さらに、補強部材は長手方向にスライド自在に延びるように両ランプの支持板の上面に案内されているので、例えば第一直管型LEDランプと第二直管型LEDランプが同一の長さの場合、補強部材の長手方向略中央部が第一直管型LEDランプと第二直管型LEDランプとの境界に位置するように補強部材をスライド調整させることにより確実に連結部分を補強することができ、一本の連結されたLEDランプを安定して供給することができる。特に、請求項5に記載のLED照明装置のように、第一直管型LEDランプの長さが第二直管型LEDランプの長さとは異なっていても、補強部材を連結部分までスライドさせその連結部分から第一直管型LEDランプ側に侵入する長さと第二直管型LEDランプ側に侵入する長さのバランスを調整した位置に固定することで確実に連結部分を補強して一本の連結されたLEDランプを安定して供給することができる。例えば第一直管型LEDランプと第二直管型LEDランプの長さの比が1対2の場合、補強部材を長手方向略中央部を中心に第一直管型LEDランプと第二直管型LEDランプとに侵入する長さの比を1対2、あるいは1対2となる付近に位置するように補強部材をスライド調整すれば確実に連結部分を補強することができ、一本の連結されたLEDランプを安定して供給することができる。
しかも、補強部材は連結LEDランプの長さよりも短いので、連結部分を補強しつつ補強部材の重量を抑えることができ、連結LEDランプが落下する危険性をさらに低減可能である。
【0018】
また、請求項3に記載のLED照明装置によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用効果に加え、連結部は、第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプを突き合わせたときに両者間に左右より中央が絞られた断面略鼓形の溝部を形成する保持部と、溝部の形状に対応した断面略鼓形で溝部に圧入される楔部を備えるので、第一直管型LEDランプと第二直管型LEDランプとの連結を行う際には楔部を溝部に圧入するだけで容易に連結でき、しかも断面略鼓形の溝部よりも断面積の大きい楔部を圧入しているので確実かつ強固に連結される。
【0019】
また、請求項4に記載のLED照明装置によれば、請求項1乃至3に記載の発明の作用効果に加え、灯具は、第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプの連結部分を支持するフック状のホルダーを備えるので、連結部分に掛かる荷重を軽減することができ、第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプの落下の危険性をさらに低減できる。
しかも、ホルダーで支持する箇所は発光しない連結部分なので、支持するときに光量が低減して暗くなってしまうこともない。
さらに、例えば請求項3に記載の発明においては、溝部に圧入されている楔部をホルダーが覆うことになるので、溝部から楔部が抜けてしまうことを防止することができる。
【0020】
また、請求項6に記載の直管型LEDランプによれば、長手方向の一端に前記ソケット部に嵌め込まれる端子が設けられるとともに他端には連結部が設けられた第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプの連結部同士を連結して一本にされるので、製品の製作、施工現場までの輸送、及び施工時の取扱いを第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプ毎に行うことができる。
すなわち、第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプを施工現場で連結して、長さの長い直管型LEDランプとして使用できるので、長さの長い一本物の直管型LEDランプに比べて、製造、輸送、及び施工時の取扱いが容易である。
【0021】
また、請求項7に記載の直管型LEDランプによれば、請求項6に記載の発明の作用効果に加え、第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプの支持板の上面には、補強部材が案内され、支持板の上面で連結部を跨いだ状態で支持板の動きを拘束する位置に、補強部材を固定する位置決め固定部材を備えるので、第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプの連結部同士を連結して一本にされた連結LEDランプでも、その連結部分の強度を保つことができる。よって、連結LEDランプをソケット部に嵌め込んだ後に長期間経過しても、重力の影響等で連結LEDランプの連結部分が外れてしまうことがないので、第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプが落下せず安全である。
さらに、補強部材は長手方向にスライド自在に延びるので、補強部材の長手方向略中央部が第一直管型LEDランプと第二直管型LEDランプとの境界に位置するように補強部材を配置させることができ、確実に連結部分を補強することができる。
しかも、補強部材は連結LEDランプの長さよりも短いので、連結部分を補強しつつ補強部材の重量を抑えることができ、連結LEDランプが落下する危険性をさらに低減可能である。
【0022】
また、請求項8に記載の直管型LEDランプによれば、連結部は、第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプを突き合わせたときに両者間に左右より中央が絞られた断面略鼓形の溝部を形成する保持部と、溝部の形状に対応した断面略鼓形で溝部に圧入される楔部を備えるので、第一直管型LEDランプと第二直管型LEDランプとの連結を行う際には楔部を溝部に圧入するだけでよいので連結が容易であり、しかも楔部を圧入しているので確実に連結される。
【0023】
なお、本発明のLED照明装置及びそれに使用される直管型LEDランプのように、第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプの前記連結部同士を連結して一本にする点は、上述した特許文献1には全く記載されていない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係るLED照明装置を示す分解斜視図であり、円内は第一直管型LEDランプと第二直管型LEDランプとの連結部分の拡大斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るLED照明装置を示す側面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るLED照明装置を示す、図2のA−A線拡大断面図である。
【図4】図1に示す直管型LEDランプの回路構成図である。
【図5】本発明の実施形態に係るLED照明装置の施工方法を示す配線図であって、(a)は配線変更前である従来の蛍光灯を使用した照明装置を、(b)は配線変更後である図2のLED照明装置を示す。
【図6】本発明の他の実施形態に係るLED照明装置を示す側面図である。
【図7】従来例に係るLED照明装置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1乃至図5を参照して、本発明の実施形態に係るLED照明装置200を説明する。
このLED照明装置200は、直管型LEDランプ30と、灯具20と、を備えるものであり、従来例で示したものと同一部分には同一符号を付した。
【0026】
直管型LEDランプ30は、第一直管型LEDランプ30A及び第二直管型LEDランプ30Bからなり、両者30A,30Bは同一の構成であり長さも同一である。よって、ここでは第一直管型LEDランプ30Aについてのみ詳細に説明する。
第一直管型LEDランプ30Aは、図3に示したように、複数のLED1が下向きに配列されたプリント基板31,プリント基板31がその下面に取付けられた支持板32,及び、支持板32に取付けられ支持板32及びプリント基板31を下方から覆うチューブ33を有する。また、各ランプ30A,30Bの長手方向の一端にはソケット部21に嵌め込まれる端子34が設けられるとともに他端には連結部35が設けられている。
【0027】
プリント基板31は、図3及び図4に示すように、その表面で複数のLED1同士が直列に接続され、これらのLED1には複数のゼナーダイオード2がそのアノード側をLED1のカソード側に並列して(いわゆる、逆並列で)接続される。LED1とゼナーダイオード2との一セットは、一列でプリント基板31の長手方向に並ぶ。LED1の個数は、直管型LEDランプの全長等によって変わり、また、例えば二列で配列してもよく、特に配列方法は限定されるものではない。
そして、LED1及びゼナーダイオード2に電源から電力が供給される。
なお、プリント基板31自体に印加される電圧は交流電圧であるが、図4に示すように、ダイオードスタック3によって直流に変換され、その電流は定電流ダイオード4によって電圧に関係なく一定に制御される。
【0028】
支持板32は、アルミ製のレールで構成されており、プリント基板31が下面に直接取付けられており、LED1が下方に露出している。
支持板32の上面の左右方向(支持板32の短手方向となる図3における左右方向)中央には、上側に断面略T字状に突出する突出部32aが支持板32の長手方向に延びるように形成されている。また、突出部32aの左右先端には下向きの係止片32bが形成されている。
また、突出部32aの左右方向外側には左右方向外向きの係止片32dが上端に形成された断面略L字状の突出片32cが形成されている。
さらに、支持板32の下面の左右両端部に、側壁32eが長手方向に延びるように形成されている。この側壁32e間にプリント基板31が配置される。支持板32に対するプリント基板31の固定はネジ止めによるものであるが、接着剤等による固定であってもよい。
【0029】
チューブ33は、断面略半円形状で透明(半透明であってもよい)であり、支持板32の上面を露出させた状態でプリント基板31及び支持板32の下面を覆い、左右方向内側に折り返されて爪形状になっているチューブ33の左右両側端部33aが、支持板32に形成された突出片32cの係止片32dと支持板32の上面側の左右両側壁部との間に形成された断面略L字形の溝に嵌め込まれることによって、支持板32に取付けられている。
また、チューブ33の内側には、LED1の光を拡散するフィルム(図示しない)が貼着されている。
そして、支持板32にチューブ33が取付けられた状態で、図1に示すように、それらの一端に断面略D字状の口金42が被せられるように取付けられる。その口金42の端面には端子34が設けられている。
また、支持板32とチューブ33の他端には、断面略D字状の絶縁カバー43が被せられるように取付けられ、絶縁カバー43の外側(左右に延びる第一直管型LEDランプ30Aの右側、すなわち第二直管型LEDランプ30B側)端部には、第一直管型LEDランプ30Aの延びる左右方向に直交して略水平に延びる溝部43aが形成されている。溝部43aは、開口部側よりも奥行き側が長い断面略台形状をしている。
【0030】
連結部35は、図1に示すように、第一直管型LEDランプ30A及び第二直管型LEDランプ30Bを突き合わせたときに両者間に左右より中央が絞られた断面略鼓形の溝部38を形成する保持部39と、溝部38の形状に対応した断面略鼓形で溝部38に圧入される楔部41を備える。断面略鼓形の溝部38は、第一直管型LEDランプ30A側の絶縁カバー43に形成された断面略台形状の溝部43aと、第二直管型LEDランプ30B側の絶縁カバー43に形成された断面略台形状の溝部43aが合わせられることによって形成される。また、楔部41の断面形状も略鼓形であるがその断面積は溝部38よりも若干大きく圧入されるようにしている。
そして、断面略鼓形の溝部38に楔部41を圧入して、第一直管型LEDランプ30A及び第二直管型LEDランプ30Bを一直線状に連結して一本にされたものが連結LEDランプ30である。なお、第一直管型LEDランプ30A内の回路と第二直管型LEDランプ30B内の回路は絶縁されている。
この連結LEDランプ30は110型であって、その全長は2367mmである。
【0031】
補強部材36は、図3に示すように、断面略H字状であって下端が左右方向内側に突出する係止片36aとなっており、補強部材36の長さは連結LEDランプ30の長さよりも短い。
また、補強部材36は、第一直管型LEDランプ30A及び第二直管型LEDランプ30B(連結LEDランプ30)の支持板32の上面に、長手方向にスライド自在に案内されるように支持板32の上面にはめ込まれている。詳しくは、図3に示すように、支持板32の上面の突出部32aと突出片32cとの間の二箇所に形成される溝部に、補強部材36の下部がそれぞれ嵌め込まれ、上下方向に重力等で支持板32に力が加わったときには突出部32aの係止片32bと補強部材36の係止片36aとが上下方向について当接する。そして、補強部材36の長さは第一直管型LEDランプ30Aの長さと略等しい。
この補強部材36は、その長手方向略中央部が第一直管型LEDランプ30Aと第二直管型LEDランプ30Bとの境界に位置するように連結部35を跨いだ状態で、支持板32の動きを拘束する位置に、位置決め固定部材37(ここではネジ)によって灯具20の本体部26に対して固定される。ここでは第一直管型LEDランプ30Aの支持板32と補強部材36を一つの位置決め固定部材37で固定して、かつ第二直管型LEDランプ30Bの支持板32と補強部材36を他の位置決め固定部材37で固定する。
なお、この位置決め固定部材37でプリント基板31、支持板32、及び補強部材36をまとめて灯具20の本体部26に固定してもよい。また、位置決め固定部材37はネジに限定されるものではなく支持板2側あるいは補強部材36側に設けられ所定位置で両者を固定するストッパー機能を有するものであってもよい。
【0032】
灯具20は、部屋の天井に取付けられ連結LEDランプ30を支持するものであって、外観は従来の蛍光灯用の灯具20と同様である。そして、本体部26と、ソケット部21と、ソケット部21を介して第一直管型LEDランプ30Aに電力を供給する第一電力供給部23、第二直管型LEDランプ30Bに電力を供給する第二電力供給部24、及びホルダー25を有する。
この灯具20は、一本の連結LEDランプ30が取付けられるタイプであるが、連結LEDランプ30の取付け可能本数はこれに限られるものではない。
ソケット部21(21A,21B)は、本体部26の長手方向の両端部の下方に、それぞれ向かい合うように取付けられ、ソケット部21間に連結LEDランプ30の両端(端子34)を嵌め込んで、ソケット部21に内蔵されたバネの弾性力により連結LEDランプ30を支持する。
【0033】
第一電力供給部23は、図4に示すように、連結LEDランプ30を構成する第一直管型LEDランプ30Aの端子34に、ソケット部21の一方21Aから電力を供給して第一直管型LEDランプ30A側を点灯させる。
また、第二電力供給部24は、連結LEDランプ30を構成する第二直管型LEDランプ30Bの端子34に、ソケット部21の他方21Bから電力を供給して第二直管型LEDランプ30B側を点灯させる。
つまり、連結LEDランプ30を構成する第一直管型LEDランプ30Aには、第二直管型LEDランプ30Bとは独立して電力が供給される。
このように第一電力供給部23及び第二電力供給部24は、それぞれ第一直管型LEDランプ30Aや第二直管型LEDランプ30Bに電力が供給できればよく、第一電力供給部23及び第二電力供給部24には抵抗その他の電子部品が適宜組み込まれる。
【0034】
ホルダー25は、フック状であって灯具20の本体部26中央に取付けられており、第一直管型LEDランプ30A及び第二直管型LEDランプ30Bの連結部分を支持する。ホルダー25の幅(灯具20における長手方向の長さ)は絶縁カバー43の長手方向の長さと略等しく、フック部分の曲率は絶縁カバー43の曲率と略一致する。
このように連結LEDランプ30は両端がソケット部21によって、また中央がホルダー25によって支持されている。
【0035】
次に、図5を参照して、スタータ式の蛍光灯301を用いた従来の照明装置300(既設のもの)を、以上のように構成されるLED照明装置200に置換する施工方法について説明する。
まず、従来の照明装置300は、図5(a)に示すように、蛍光灯301の左右端部にそれぞれ二本ずつ端子302a,302b,302c,302dを備えており左右の端子302a,302cの一本ずつがグローランプ303に接続され、残りの二本の端子302b,302dに安定器304を介して交流電圧が印加されている。
【0036】
ここで、図5(b)に示すように、グローランプ303と安定器304を取り外し、一方のソケット部21Aから交流電圧を印加し、かつ他方のソケット部21Bからも交流電圧を印加できるように、灯具20内を配線し直す。
そして、第一直管型LEDランプ30Aと第二直管型LEDランプ30Bとを連結してなる一本の連結LEDランプ30を灯具20のソケット部21間に装着する。
【0037】
以上のように構成及び施工されるLED照明装置200によれば、直管型LEDランプ30は、長手方向の一端にソケット部21に嵌め込まれる端子34が設けられるとともに他端には連結部35が設けられた第一直管型LEDランプ30A及び第二直管型LEDランプ30Bの連結部35同士を連結して一本にされた連結LEDランプ30であるので、製品の製作、施工現場までの輸送、及び施工時の取扱いについては、連結前の状態となる第一直管型LEDランプ30A及び第二直管型LEDランプ30B毎に行うことができる。
そして、施工現場において第一直管型LEDランプ30A及び第二直管型LEDランプ30Bを施工現場で連結して、長さの長い直管型LEDランプ30として使用できるので、最初から長さの長い一本物の直管型LED10ランプに比べて、製造、輸送、及び施工時の取扱いが容易である。
【0038】
また、連結LEDランプ30を構成する第一直管型LEDランプ30Aの端子34に、ソケット部21の一方21Aから電力を供給して第一直管型LEDランプ30A側を点灯させる第一電力供給部23と、連結LEDランプ30を構成する第二直管型LEDランプ30Bの端子34に、ソケット部21の他方21Bから電力を供給して第二直管型LEDランプ30B側を点灯させる第二電力供給部24を備えるので、従来の一本物として構成された直管型LEDランプ10を第一直管型LEDランプ30Aと第二直管型LEDランプ30Bとの二本に分割した構造であっても、第一直管型LEDランプ30A及び第二直管型LEDランプ30Bのそれぞれを点灯させることができ、従来の一本物の直管型LEDランプ10と同等の明るさを確保できる。
【0039】
また、第一直管型LEDランプ30A及び第二直管型LEDランプ30Bの支持板32の上面には、補強部材36が案内され、支持板32の上面で連結部35を跨いだ状態で支持板32の動きを拘束する位置に、補強部材36を固定する位置決め固定部材37を備えるので、第一直管型LEDランプ30A及び第二直管型LEDランプ30Bの連結部35同士を連結して一本にされた連結LEDランプ30でも、その連結部分の強度を保つことができる。よって、連結LEDランプ30をソケット部21に嵌め込んだ後に長期間経過しても、重力の影響等で連結LEDランプ30の連結部分が外れてしまうことがないので、第一直管型LEDランプ30A及び第二直管型LEDランプ30Bが落下せず安全である。
さらに、補強部材36は長手方向にスライド自在に延びるように両ランプ30A,30Bの支持板32の上面に案内されているので、両ランプ30A,30Bの長さが同一である本実施形態においては、補強部材36の長手方向略中央部が第一直管型LEDランプ30Aと第二直管型LEDランプ30Bとの境界に位置するように補強部材36をスライド調整させることにより確実に連結部分を補強することができ、一本の連結されたLEDランプ30を安定して供給することができる。
しかも、補強部材36は連結LEDランプ30の長さよりも短いので、連結部分を補強しつつ補強部材36の重量を抑えることができ、連結LEDランプ30が落下する危険性をさらに低減可能である。
【0040】
また、連結部35は、第一直管型LEDランプ30A及び第二直管型LEDランプ30Bを突き合わせたときに両者間に左右より中央が絞られた断面略鼓形の溝部38を形成する保持部39と、溝部38の形状に対応した断面略鼓形で溝部38に圧入される楔部41を備えるので、第一直管型LEDランプ30Aと第二直管型LEDランプ30Bとの連結を行う際には楔部41を溝部38に圧入するだけで容易に連結でき、しかも断面略鼓形の溝部38よりも断面積の大きい楔部41を圧入しているので確実かつ強固に連結される。
【0041】
また、灯具20は、第一直管型LEDランプ30A及び第二直管型LEDランプ30Bの連結部分を支持するフック状のホルダー25を備えるので、連結部分に掛かる荷重を軽減することができ、第一直管型LEDランプ30A及び第二直管型LEDランプ30Bの落下の危険性をさらに低減できる。
しかも、ホルダー25で支持する箇所は発光しない連結部分なので、支持するときに光量が低減して暗くなってしまうこともない。
さらに、溝部38に圧入されている楔部41をホルダー25が覆うことになるので、溝部38から楔部41が抜けてしまうことを防止することができる。
【0042】
なお、本実施形態において、第一直管型LEDランプ30Aは第二直管型LEDランプ30Bと同一の構成としたが、これに限られるものではなく、図6に示すように、第一直管型LEDランプ30Aの長さは、第二直管型LEDランプ30Bの長さより短くてもよい。これとは逆に、第一直管型LEDランプ30Aの長さが第二直管型LEDランプ30Bの長さより長くてもよい。
このように第一直管型LEDランプ30Aの長さが第二直管型LEDランプ30Bの長さとは異なっていても、補強部材36を連結部分から第一直管型LEDランプ30A側に侵入する長さと第二直管型LEDランプ30B側に侵入する長さのバランスを調整した位置に固定することで確実に連結部分を補強して一本の連結されたLEDランプ30を安定して供給することができる。例えば第一直管型LEDランプ30Aと第二直管型LEDランプ30Bの長さの比が1対2の場合、補強部材36を長手方向略中央部を中心に第一直管型LEDランプ30Aと第二直管型LEDランプ30Bとに侵入する長さの比を1対2、あるいは1対2となる付近に位置するように補強部材36をスライド調整すれば確実に連結部分を補強することができ、一本の連結されたLEDランプ30を安定して供給することができる。また、第一直管型LEDランプ30Aと第二直管型LEDランプ30Bの長さの比が1対2の場合に限らず、第一直管型LEDランプ30Aと第二直管型LEDランプ30Bの長さの比がX対Yのとき、補強部材36を長手方向略中央部を中心に第一直管型LEDランプ30Aと第二直管型LEDランプ30Bとに侵入する長さの比をX対Yにすることが望ましい。
【0043】
また、補強部材36と位置決め固定部材37を備えるとしたが、これに限られるものではなく、第一直管型LEDランプ30Aと第二直管型LEDランプ30Bとの連結が強固に行われていれば、必ずしも必要ではない。
また、連結部35は保持部39と楔部41を備え、それによって第一直管型LEDランプ30Aと第二直管型LEDランプ30Bとを連結したが、これに限られるものではなく、両者30A,30Bの連結方法は他の周知技術によるものでもよい。
【0044】
また、灯具20はホルダー25を備えるとしたが、これに限られるものではない。
さらに、既設の従来の照明装置300から本実施形態に係るLED照明装置200に置換したが、例えば新築の住宅にLED照明装置200を新設してもよい。
【0045】
また、補強部材36の長さは第一直管型LEDランプ30A及び第二直管型LEDランプ30Bの長さと略等しいとしたが、第一直管型LEDランプ30A,第二直管型LEDランプ30Bのうち長さが短い方よりも長さが短いことが好ましい。
【符号の説明】
【0046】
1 LED
2 ゼナーダイオード
3 ダイオードスタック
4 定電流ダイオード
10 直管型LEDランプ
20 灯具
21 ソケット部
22 電力供給手段
23 第一電力供給部
24 第二電力供給部
25 ホルダー
26 本体部
30 直管型LEDランプ(連結LEDランプ)
30A 第一直管型LEDランプ
30B 第二直管型LEDランプ
31 プリント基板
32 支持板
32a 突出部
32b 係止片
32c 突出片
32d 係止片
32e 側壁
33 チューブ
33a 側端部
34 端子
35 連結部
36 補強部材
36a 係止片
37 位置決め固定部材
38 溝部
39 保持部
41 楔部
42 口金
43 絶縁カバー
100 LED照明装置
200 LED照明装置
300 照明装置
301 蛍光灯
302a 端子
302b 端子
302c 端子
302d 端子
303 グローランプ
304 安定器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のLEDが配列されたプリント基板,前記プリント基板が下面に取付けられた支持板,及び、前記支持板に取付けられ前記支持板及び前記プリント基板を下方から覆うチューブを有する直管型LEDランプと、
長手方向の両端部にそれぞれ取付けられ前記直管型LEDランプの両端を嵌め込んで支持するソケット部,及び、前記ソケット部を介して前記直管型LEDランプに電力を供給する電力供給手段を有する灯具とを備えるLED照明装置において、
前記直管型LEDランプは、長手方向の一端に前記ソケット部に嵌め込まれる端子が設けられるとともに他端には連結部が設けられた第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプの前記連結部同士を連結して一本にされた連結LEDランプであり、
前記電力供給手段は、前記連結LEDランプを構成する前記第一直管型LEDランプの端子に、前記ソケット部の一方から電力を供給して前記第一直管型LEDランプ側を点灯させる第一電力供給部と、前記連結LEDランプを構成する前記第二直管型LEDランプの端子に、前記ソケット部の他方から電力を供給して前記第二直管型LEDランプ側を点灯させる第二電力供給部を備えることを特徴とするLED照明装置。
【請求項2】
前記第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプの支持板の上面には、長手方向にスライド自在に延び、前記連結LEDランプの長さよりも短い補強部材が案内され、
前記支持板の上面で、前記連結部を跨いだ状態で前記支持板の動きを拘束する位置に、前記補強部材を固定する位置決め固定部材を備えることを特徴とする請求項1に記載のLED照明装置。
【請求項3】
前記連結部は、前記第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプを突き合わせたときに両者間に左右より中央が絞られた断面略鼓形の溝部を形成する保持部と、前記溝部の形状に対応した断面略鼓形で前記溝部に圧入される楔部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のLED照明装置。
【請求項4】
前記灯具は、前記第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプの連結部分を支持するフック状のホルダーを備えることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載のLED照明装置。
【請求項5】
前記第一直管型LEDランプの長さは、前記第二直管型LEDランプの長さとは異なることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載のLED照明装置。
【請求項6】
複数のLEDが配列されたプリント基板,前記プリント基板が下面に取付けられた支持板,及び、前記支持板に取付けられ前記支持板及び前記プリント基板を下方から覆うチューブを有し、
しかも、長手方向の両端部にそれぞれ取付けられるソケット部,前記ソケット部の一方を介して電力を供給する第一電力供給部,及び、前記ソケット部の他方を介して電力を供給する第二電力供給部を有する灯具を備えるLED照明装置の前記ソケット部に嵌め込んで使用される直管型LEDランプにおいて、
長手方向の一端に前記ソケット部に嵌め込まれる端子が設けられるとともに他端には連結部が設けられた第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプの前記連結部同士を連結して一本にされることを特徴とする直管型LEDランプ。
【請求項7】
前記第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプの支持板の上面には、長手方向にスライド自在に延び、前記連結LEDランプの長さよりも短い補強部材が案内され、
前記支持板の上面で、前記連結部を跨いだ状態で前記支持板の動きを拘束する位置に、前記補強部材を固定する位置決め固定部材を備えることを特徴とする請求項6に記載の直管型LEDランプ。
【請求項8】
前記連結部は、前記第一直管型LEDランプ及び第二直管型LEDランプを突き合わせたときに両者間に左右より中央が絞られた断面略鼓形の溝部を形成する保持部と、前記溝部の形状に対応した断面略鼓形で前記溝部に圧入される楔部を備えることを特徴とする請求項7又は8に記載の直管型LEDランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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