LED照明装置用リフレクタ及びLED照明装置

【課題】LEDからの直接光の光量を減少させる遮光部材を設けることにより、高輝度のLEDを光源とする照明装置による照度ムラの発生を防止する。
【解決手段】光源モジュール50を構成するリフレクタ20の本体1内に形成された凹部21内において、LED40の下方に遮光体2を配置した。遮光体2は、円錐形状を呈し、支持体3によって保持される。LED40から照射された光のうち直接的に開口部102から外部に向かう光の少なくとも一部は遮光体2の反射面201で内側面104に向かって反射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発光ダイオード(LED)を光源とする照明装置に用いられるLED照明装置用リフレクタ、及びこのリフレクタを適用したLED照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDを光源とする照明装置として、光反射性を有する熱可塑性樹脂シートを表面から裏面に向かって熱成形によって膨出させた凹部を複数個、縦横に連続的に形成したリフレクタを備えたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
各凹部は、内底面がLEDを配設するための光源配設部にされており、内周面がLEDから照射された光を反射する反射面にされている。各凹部内でLEDから照射された光は、反射面で反射されて開口した上面から外部に配光される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−103916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、近年のLEDは、高輝度化が著しい。このため、例えば天井に設置される照明装置の光源としてLEDを使用した場合、リフレクタの下方を拡散板等で覆ったとしても、LEDの直下の部分はLEDから照射された光が直接配光され、眩しく感じられる場合がある。一方、拡散板等の拡散率を大きくすると照明装置から配光される光の光量が全体的に低下し、照明装置として十分な照度を得ることができなくなる。
【0006】
この発明の目的は、LEDからの直接光の光量を減少させて間接光とする遮光部材を設けることにより、高輝度のLEDを光源とする照明装置の全体の照度を低下させることなく照度ムラの発生を防止できるLED照明装置用リフレクタ、及びこのリフレクタを備えたLED照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るLED照明装置用リフレクタは、本体、遮光体、支持体を備えている。本体は、対向面、内側面、孔部を有する。対向面は、LED基板のLED実装面に対向する。内側面は、LEDを収納する凹状を呈している。孔部は、LEDが対向面から内側面内に貫通する。遮光体は、対向面の法線方向における一端が尖端であるテーパ面で構成された反射面を有する回転対称体である。支持体は、尖端がLEDに離間して対向する位置にある遮光体と内側面とを接続するように少なくとも1つが配置され、対向面に平行な面内における幅を遮光体より細くされている。
【0008】
この構成によれば、リフレクタの凹状の内側面内で、テーパ面で構成された反射面を有する回転対称体である遮光体が、LEDの前面に位置する。LEDから照射された光のうちでLEDから直接的にリフレクタの外部に向かう光の一部は、遮光体の反射面で反射されてリフレクタの内側面に向かい、リフレクタの外部に直接配光されることがなく、間接的に配光される。
【0009】
この構成において、遮光体は、一例として円錐形状とすることができ、遮光体及び支持体は、本体に一体的に成形することができる。
【0010】
遮光体の最大径は、対向面の法線方向における遮光体の最大径部分の位置での内側面の内径より小さくすることが好ましい。LEDから照射された光を遮光体と内側面との間からリフレクタの外部に確実に配光することができる。
【0011】
本体における少なくとも内側面を白色樹脂材料で形成し、支持体を透明樹脂材料で形成することが好ましい。LEDから照射された光を内側面で反射させてリフレクタの外部に配光することができるとともに、リフレクタの外部に向かう光が支持体によって遮られることを防止できる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、LEDからの直接光の光量を減少させて間接光とすることにより、高輝度のLEDを光源とする照明装置の全体の照度を低下させることなく照度ムラの発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施形態に係るLED照明装置の外観図である。
【図2】同LED照明装置の光源部の組立図である。
【図3】(A)〜(D)は、この発明の第1の実施形態に係るLED照明装置用リフレクタの平面図、X1−X1部断面図、X2−X2部断面図、Y−Y部断面である。
【図4】(A)〜(C)は、同LED照明装置用リフレクタの遮光体の変形例を示す図である。
【図5】(A)〜(C)は、同LED照明装置用リフレクタの支持体の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、この発明の実施形態に係るLED照明装置用リフレクタ及びLED照明装置について、天井用照明装置を例にあげて、図面を参照しつつ説明する。
【0015】
図1に示すように、LED照明装置10は、装置本体11、サイドカバー12、電源カバー13、取付金具14、表面カバー15を備えている。
【0016】
装置本体11は、一例として下方に開口を有するアルミニウム合金の押出材を所定の長さに切断したものであり、内部に光源部30を収納する。サイドカバー12は、一例としてアルミニウム合金の成形品であり、装置本体11の両端部を被覆する。電源カバー13は、装置本体11の上部に装着され、内部に図示しない電源を収納する。取付金具14は、一例としてステンレスの板材からなり、板金加工によって略コの字状に成形されており、下端部が電源カバー13の上面に固定され、上面が天井面に固定される。表面カバー15は、一例として透明の板材であり、装置本体11の開口に装着される。
【0017】
図2に示すように、光源部30は、ヒートシンク31、放熱シート32、LED基板33、リフレクタ20を備えている。
【0018】
ヒートシンク31は、一例として下方に開口を有するアルミニウム合金の押出材を所定の長さに切断したものであり、内部に放熱シート32、LED基板33、リフレクタ20を収納する。放熱シート32は、一例としてシリコンゴムの板状体である。LED基板33は、一例として4個のLED40を実装している。リフレクタ20は、一例として白色樹脂の成形品であり、一例として4個の凹部21が格子状に形成されている。
【0019】
リフレクタ20は、LED基板33におけるLEDの実装面331に間隙を設けて装着される。放熱シート32は、LED基板33における実装面331の反対側の面に貼付される。リフレクタ20、放熱シート32及びLED基板33は、光源モジュール50を構成している。複数の光源モジュール50が、ヒートシンク31の内部に、その長手方向に沿って収納される。各光源モジュール50は、LED基板33を貫通するネジ332を介してヒートシンク31に固定される。
【0020】
図3(A)〜(D)に示すように、リフレクタ20は、互いに平行な略正方形の対向面101及び開口面102を有する略直方体形状の本体1に、開口面102側に開放した4箇所の凹部21を格子状に形成し、凹部21内に遮光体2及び2本の支持体3を配置して構成されている。一例として、遮光体2及び支持体3は、本体1に一体的に成形されている。
【0021】
各凹部21は、仕切部103で仕切られて部分球面の凹状を呈する内側面104が形成されており、対向面101側の中央部に孔部105が形成されている。リフレクタ20をLED基板33に装着した際に、LED基板33に実装されたLED40が孔部105を貫通して内側面104内に露出する。
【0022】
遮光体2は、一例として円錐形状を呈している。遮光体2のテーパ面は、内側面104と同じ白色樹脂で構成されており、反射面201にされている。支持体3は、それぞれ内側面104の一部から延出し、遮光体2が尖端を対向面101側にして内側面104の高さ方向の中間部でかつ対向面101に平行な面内の中央部に位置するように、遮光体2を支持する。単一、又は3本以上の支持体3によって遮光体2を支持することもできる。遮光体2の最大径は、対向面101の法線方向における遮光体2の最大径部分の位置で対向面101に平行な面内の内側面104の内径より小さくされており、遮光体2と内側面104との間には空間が形成される。
【0023】
光源モジュール50を構成する際に、リフレクタ20をLED基板33に装着すると、リフレクタ20の内側面内で孔部105を貫通したLED40の下方に遮光体2が位置する。LED40から照射された光のうちで直接に開口面102の外部に向かう光の一部は、遮光体2によって遮られる。
【0024】
遮光体2によって遮られた光は、遮光体2の反射面201で内側面104に向けて反射される。内側面104は、反射面201で反射された光をLED40から内側面104に向かう光とともに、遮光体2との間を経由してLED照明装置10の外部に配光する。
【0025】
したがって、LED40から直接的に外部に向かう光の一部は遮光体2によって遮られるので、LED40の輝度が高い場合でも、LED40の直下の部分が眩しく感じられることがなく、LED照明装置10の下方を十分に高い均一な照度で照らすことができる。また、遮光体2によって遮られた光は間接光として外部に配光されるので、LED照明装置10の全体の照度が低下することもない。
【0026】
図4(A)〜(C)に示すように、遮光体2は、対向面101側の一端を尖端としたテーパ状の反射面を有する回転対称体であることを条件に、LED照明装置10が所望の配光状態となるように、種々の形状とすることができる。
【0027】
例えば、図4(A)及び(B)に示す遮光体210及び220は、遮光量を減らすように、周面の一部にスリット211及び221を形成したものである。遮光体210は、尖端212を有するテーパ状の反射面213を備えている。遮光体220は、尖端222を有するテーパ状の反射面223を備えている。
【0028】
図4(C)に示す遮光体230は、透明の円柱体の内部に円錐状の凹部231を形成し、尖端232を有するテーパ状の反射面233を全反射面としたものである。
【0029】
なお、LED40から照射された光の反射率を考慮すれば、内側面104及び反射面201は白色面又は鏡面とすべきである。また、支持体3は、遮光量をできるだけ小さくするためには、透明体とすべきである。
【0030】
そこで、遮光体2及び支持体3を、白色樹脂を素材とする本体1とは別体で透明樹脂を素材として成形した後、遮光体2の表面を塗装又は金属蒸着等によって白色等にし、支持体3を内側面104に接着又は嵌着させるようにしてもよい。
【0031】
また、樹脂成形を、支持体3の部分を透明樹脂で成形した後、本体1及び遮光体2を白色樹脂で成形する2重成形、又は全体を透明樹脂で成形した後、内側面104及び反射面201を白色樹脂で成形する2重成形とすることもできる。
【0032】
さらに、全体を透明樹脂で成形した後、内側面104及び反射面201を白色塗装又は金属蒸着することもできる。
【0033】
図5(A)に示すように、複数の光源モジュール50を一列に配置する場合には、各凹部21内で支持体3の長手方向が光源モジュール50の配列に平行となるように支持体3を配置することができる。
【0034】
また、図5(B)及び(C)に示すように、複数の光源モジュール50を行方向及び列方向に同数ずつ配置する場合には、各凹部21内で支持体3の長手方向が放射状となるように支持体3を配置することができる。
【0035】
なお、光源モジュールにおける凹部の数は、4に限るものではなく、任意の個数の凹部を形成することができる。
【0036】
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0037】
1−本体
2−遮光体
3−支持体
10−LED照明装置
20−リフレクタ
21−凹部
33−LED基板
40−LED
101−対向面
102−開口面
104−内側面
105−孔部
201−反射面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED基板のLED実装面に対向する対向面と、前記LEDを収納する凹状の内側面と、前記LEDが前記対向面から前記内側面内に貫通する孔部と、を有する本体と、
前記対向面の法線方向における一端が尖端であるテーパ面で構成された反射面を有する回転対称体である遮光体と、
前記尖端が前記LEDに離間して対向する位置にある前記遮光体と前記内側面とを接続する少なくとも1つの支持体であって、前記対向面に平行な面内における幅が前記遮光体より細い支持体と、
を備えたLED照明装置用リフレクタ。
【請求項2】
前記遮光体は、円錐形状を呈する請求項1に記載のLED照明装置用リフレクタ。
【請求項3】
前記本体、前記遮光体及び前記支持体を一体的に成形した請求項1又は2に記載のLED照明装置用リフレクタ。
【請求項4】
前記遮光体の最大径は、前記対向面の法線方向における前記遮光体の最大径部分の位置での前記内側面の内径より小さい請求項1乃至3の何れかに記載のLED照明装置用リフレクタ。
【請求項5】
前記本体は、白色樹脂材料を素材とし、
前記支持体は、透明樹脂材料を素材とする請求項1乃至4の何れかに記載のLED照明装置用リフレクタ。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載のLED照明装置用リフレクタを備えたLED照明装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−105604(P2013−105604A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248067(P2011−248067)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000000309)IDEC株式会社 (188)
【Fターム(参考)】