説明

LED照明装置

【課題】複数の発光部を固定部に所望の間隔にて容易に固定する。
【解決手段】LED照明装置1では、連続する一定幅の直線状の開口214(すなわち、有底溝213の開口)が固定部21に形成され、複数の発光部3のそれぞれに設けられる突起部である雄ねじ35が開口214に螺合されることにより、複数の発光部3が開口214に沿って固定部21に取り付けられる。これにより、LED照明装置1を製造する際に、複数の発光部3を固定部21に所望のピッチにて容易に固定することができ、LED照明装置毎に複数の発光部3のピッチを自在に変更することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDチップが実装された発光部を有するLED照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LED(発光ダイオード)チップを発光源として用いるLED照明装置が実用されており、LED照明装置では、LEDチップが実装された複数の発光部が配列されることにより、広範囲の照明が可能となる。例えば、特許文献1のLED発光装置では、LEDチップが樹脂にてモールドされた複数のLED素子が、樹脂製のプリント基板に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−242711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、LED照明装置を製造する際には、通常、板状の固定部に複数の孔が形成され(必要に応じて、さらにタップ加工またはバーリング加工が行われる。)、雄ねじを発光部に形成された孔を介して固定部の孔に螺合することにより、発光部が固定部に固定される。したがって、LED照明装置毎に複数の発光部の間隔を変更する場合には、装置毎に異なるピッチにて固定部に孔を形成する必要があり、LED照明装置の製造作業が繁雑となる。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、複数の発光部を固定部に所望の間隔にて容易に固定することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、LED照明装置であって、LEDチップが実装された複数の発光部と、連続する一定幅の線状、または、断続する一定幅の線状の開口が形成され、前記複数の発光部が前記開口に沿って取り付けられた固定部とを備え、前記複数の発光部のそれぞれに設けられる突起状または雄ねじ状の突起部が前記開口に圧入または螺合されることにより、前記複数の発光部のそれぞれが前記固定部に固定される。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のLED照明装置であって、前記固定部が、前記複数の発光部から出射される光を反射する反射板を兼ねる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のLED照明装置であって、前記複数の発光部において互いに隣接する2つの発光部の各組合せが導電線を介して電気的に接続されており、前記各組合せにおける前記導電線の少なくとも一部が、前記各組合せにおける前記2つの発光部の間において前記開口に挿入される。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のLED照明装置であって、前記固定部の前記開口が直線状に連続する有底溝の開口であり、前記固定部が押し出し成形にて形成される。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のLED照明装置であって、前記固定部において、前記開口と同様の形状であり、前記開口に平行なもう1つの開口がさらに形成されており、前記複数の発光部のそれぞれに設けられるもう1つの突起部が前記もう1つの開口に圧入または螺合される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数の発光部を固定部に所望の間隔にて容易に固定することができる。
【0012】
また、請求項2の発明では、LED照明装置の構成を簡素化することができ、請求項3の発明では、2つの発光部間にて導電線が固定部から過度に浮き上がることを防止することができ、請求項4の発明では、固定部を容易に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】LED照明装置の平面図である。
【図2】LED照明装置の断面図である。
【図3】LED照明装置の断面図である。
【図4】LED照明装置の設置時の様子を示す図である。
【図5】比較例のLED照明装置の固定部を示す図である。
【図6】LED照明装置の他の例を示す平面図である。
【図7】LED照明装置の他の例を示す断面図である。
【図8】LED照明装置のさらに他の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の一の実施の形態に係るLED照明装置1の一部を示す平面図である。また、図2は、図1中の矢印II−IIの位置におけるLED照明装置1の断面図であり、図3は、図1中の矢印III−IIIの位置におけるLED照明装置1の断面図である。図1ないし図3では、互いに垂直なX方向、Y方向およびZ方向を矢印にて示している。
【0015】
LED照明装置1は、工場や室内等に設置されるものであり、後述するように、図2および図3中の下側((−Z)側)の部位が天井に取り付けられる。すなわち、図2および図3の上下を反転した状態で、LED照明装置1が天井に取り付けられる。
【0016】
図1に示すように、LED照明装置1の外形はY方向に長く、LED照明装置1はY方向に伸びる本体部2、および、Y方向に一定のピッチP1にて配列して本体部2に固定される複数の発光部3を備える。以下の説明では、図1ないし図3におけるY方向を「長手方向」ともいい、X方向を「幅方向」ともいう。
【0017】
図1および図2に示すように、本体部2は、発光部3が配置されるとともに長手方向に伸びる固定部21、および、凹状の固定部21の両側部から図2中の(−Z)側へと伸びる2つの本体側壁部22を備える。固定部21は、幅方向(X方向)の中央に配置されるとともにXY平面に平行な略板状の中央部211、および、中央部211の両側部(すなわち、X方向における両端部)から本体側壁部22の(+Z)側の端部近傍に向かって伸びる2つの傾斜部212を有する。Z方向において、中央部211は本体側壁部22の(+Z)側の端部よりも(−Z)側に配置されており、傾斜部212は図2のZ方向およびX方向に対して傾斜した方向に伸びる。本体側壁部22近傍における傾斜部212の側端部2121はXY平面に平行である。
【0018】
各本体側壁部22の(+Z)側の端部には、幅方向に平行かつ固定部21に向かって突出するフランジ部221が形成され、フランジ部221は、長手方向における本体部2の全長に亘って伸びる(図1参照)。図2および図3に示すように、固定部21の(+Z)側にはXY平面に平行な薄板状の拡散パネル41が設けられる。拡散パネル41の各側端部が、本体側壁部22におけるフランジ部221と、傾斜部212の側端部2121との間に挟まれることにより、拡散パネル41が本体部2にて支持される。また、図1に示すように、本体部2の長手方向の両端部には、端部カバー42が取り付けられる。なお、図1では、拡散パネル41の図示を省略している(後述の図6および図8において同様)。
【0019】
図2に示すように、(−X)側の本体側壁部22の(−Z)側の端部は、(+X)側に向かって屈曲し、その先端側の部位は、さらに(+Z)側に向かって屈曲する。これにより、(−X)側の本体側壁部22の内側((+X)側)には、本体側壁部22から連続するとともに本体側壁部22と平行な内壁部222が設けられる。一方、(+X)側の本体側壁部22の(−Z)側の端部には爪部223が形成され、爪部223は当該端部から(−X)側に向かって僅かに伸びる部位と、当該部位の(−X)側の端部にて(+Z)側に向かって僅かに伸びる部位とを有する。内壁部222と、爪部223との間には、XY平面に平行な略板状のベース部5が設けられる。
【0020】
ベース部5は、長手方向における本体部2の全長に亘って伸びており、ベース部5上には複数の発光部3に駆動用の電力を供給する電源部61(図2および図3中にて矩形にて示す。)が固定される。ベース部5の(+X)側の側端部には、(+Z)側に凸となるように折り曲げられた部位51(以下、「爪部51」という。)が形成され、爪部51と本体部2の爪部223とが引っ掛かって(係合して)、ベース部5の(+X)側の側端部と本体部2とが連結される。
【0021】
ベース部5の(−X)側の側端部には(+Z)側に向かって伸びるベース側壁部52が形成される。図3に示すように、本体部2の(−X)側の本体側壁部22には貫通孔224が長手方向における複数の位置に形成され、内壁部222およびベース側壁部52において貫通孔224に対向する位置にも貫通孔225,521が形成される。貫通孔225,521にはボルト231が螺合され、ベース部5の(−X)側の側端部と本体部2とが固定される。幅方向におけるベース部5の中央近傍には、固定部21から離れる方向に凸状となる凸状部位53が設けられる。
【0022】
図1ないし図3に示すように、中央部211には長手方向に伸びる2つの有底の溝213が幅方向に並んで形成され、2つの溝213の長手方向に垂直な断面形状は同じである。また、幅方向における各溝213の幅は長手方向における全長に亘って一定である。換言すると、固定部21には、長手方向に連続する一定幅の直線状の開口214が形成される。
【0023】
図1に示すように、各発光部3では、薄い矩形の基板31上に複数のLEDチップ(1つのLEDチップのみであってもよい。)が実装され、複数のLEDチップは樹脂にて封入(モールド)される。図1および図2では、当該樹脂に符号33を付している。また、矩形の基板31における1組の対角近傍には2つの貫通孔34がそれぞれ形成される。Z方向において2つの貫通孔34は2つの溝213の開口214と重なり、雄ねじ35が貫通孔34を介して溝213内に挿入される。図2では、二点鎖線にて雄ねじ35を図示している。
【0024】
本実施の形態では、雄ねじ35はメートルねじ等であり、固定部21の溝213の幅は雄ねじ35の軸径(直径)におよそ等しく、溝213の内部の2つの側面には雄ねじ35のねじ山に対応する形状の微小溝が形成される。そして、雄ねじ35が溝213に螺合されることにより、各発光部3が固定部21に固定される。もちろん、タップタイト(登録商標)ねじやタッピンねじである雄ねじが用いられることにより、溝213の内部の側面に微小溝を予め形成することなく、雄ねじが溝213にねじ込まれて発光部3が固定部21に固定されてもよい。なお、これらのねじの溝213内へのねじ込みは螺合の一態様である。
【0025】
図1に示すように、発光部3の基板31上には複数のLEDチップに電気的に接続される2つの端子36が形成される。2つの端子36は、長手方向において複数のLEDチップ(すなわち、樹脂33内のLEDチップ)を挟むように配置される。複数の発光部3において互いに隣接する2つの発光部3では、互いに隣接する2つの端子36に導電線39の両端がそれぞれ半田付けされる。すなわち、複数の発光部3において互いに隣接する2つの発光部3の各組合せが導電線39を介して電気的に接続される。導電線39の直径は開口214の幅とおよそ等しく、または、開口214の幅よりも僅かに小さく、図1および図3に示すように、各導電線39のおよそ全体が、2つの発光部3の間において溝213の内部に挿入されて、導電線39が隠される。
【0026】
複数の発光部3のうち長手方向の端の各発光部3(図1では、最も(+Y)側の発光部3)では、端部カバー42に近接する端子36にも導電線(図1中にて符号39aを付す導電線であり、以下、「終端導電線39a」という。)の一端が接続される。終端導電線39aの他端は固定部21に形成された貫通孔215を介して固定部21とベース部5との間の空間へと導かれ(図2参照)、ベース部5上の電源部61に接続される。このように、複数の発光部3は電源部61に対して直列に接続される。
【0027】
長手方向に垂直な本体部2の断面形状は、貫通孔215,224,225(図1および図3参照)が形成された部位を除き、長手方向における全長に亘って同一であり、本体部2の全体(すなわち、固定部21および2つの本体側壁部22)は、例えばアルミニウムやアルミニウム合金の押し出し成形にて一体的にて形成される。貫通孔215,224,225は、押し出し成形後のプレス加工等により形成される。
【0028】
また、図2に示す本体部2の表面は、いわゆる、高反射塗装が施されることにより白色に塗装され、発光部3から出射される光(例えば、白色光)のうち拡散パネル41にて拡散または反射されて固定部21へと入射する光は高い反射率にて反射される。このように、本体部2における固定部21は、複数の発光部3から出射される光を反射する反射板を兼ねており、これにより、LED照明装置1から出射される光の強度が増大される。また、発光部3の基板31の裏面(すなわち、固定部21と対向する主面)には放熱グリースが塗布されており、発光部3にて生じる熱は効率よく固定部21へと導かれ、本体部2の全体にて放熱される。なお、ベース部5は鋼板の板金加工等により形成される。
【0029】
LED照明装置1を工場や室内等に設置する際には、図2および図3のベース部5の上下を反転した状態にて、ベース部5の固定部21とは反対側の面(正確には、凸状部位53)が、ねじ等により天井に固定される。そして、発光部3の終端導電線39a(図1参照)をベース部5上の電源部61に接続した後に本体部2がベース部5に取り付けられ、ボルト231(図3参照)を貫通孔225,521に螺合することにより、本体部2がベース部5に固定される。このとき、図4に示すように、本体部2の爪部223をベース部5の爪部51に引っ掛けることにより、終端導電線39a(図1参照)と電源部61との接続作業等を行う際に、作業者が本体部2を支持する必要がなくなり、LED照明装置1の設置作業を効率よく行うことができる。
【0030】
図5は、比較例のLED照明装置の固定部を示す図である。図5に示すように比較例の固定部91では、発光部の固定用の孔911が配列形成され(必要に応じて、さらにバーリング加工が行われる。)、雄ねじを発光部に形成された孔を介して固定部91の孔911に螺合することにより、発光部が固定部91に固定される。比較例の固定部91にて、LED照明装置毎に複数の発光部の間隔を変更する場合には、装置毎に異なるピッチにて固定用の孔911を形成する必要があり、LED照明装置の製造作業が繁雑となる。また、比較例の固定部91では、2つの隣接する発光部間における導電線が固定部91の主面上に位置するため、導電線の長さによっては、導電線が主面から浮き上がって、拡散パネル上に影が映る場合がある。
【0031】
これに対し、図1のLED照明装置1では、連続する一定幅の直線状の開口214(すなわち、有底溝213の開口)が固定部21に形成され、複数の発光部3のそれぞれに設けられる突起部である雄ねじ35が開口214に螺合されることにより、複数の発光部3が開口214に沿って固定部21に取り付けられる。これにより、LED照明装置1を製造する際に、複数の発光部3を固定部21に所望のピッチにて容易に固定することができ、LED照明装置毎に複数の発光部3のピッチを自在に変更することができる。なお、本実施の形態におけるLED照明装置1では、複数の発光部3を固定部21に固定した後に、導電線39が発光部3の端子36に接続される。
【0032】
また、固定部21が、複数の発光部3から出射される光を反射する反射板を兼ねることにより、反射板を個別の部材として設ける場合に比べて、LED照明装置1の構成を簡素化することができる。
【0033】
さらに、複数の発光部3において互いに隣接する2つの発光部3の各組合せが導電線39を介して電気的に接続され、当該各組合せにおける導電線39が、当該各組合せにおける2つの発光部3の間において開口214に挿入される。これにより、2つの発光部3間の導電線39を保持することができ、導電線39が固定部21から過度に浮き上がり、影となることを防止することができる。
【0034】
LED照明装置1では、本体部2の溝213が他の部位(貫通孔215,224,225を除く。)と共に押し出し成形にて同時に形成されるため、開口214を有する固定部21を容易に作製することが可能である。また、比較例のように発光部の固定用の孔を2次加工にて別途形成する必要がないため、LED照明装置の製造コストを削減することができる。さらに、押し出し成形にて作製された部材を所望の長さにて切断することにより、棒状の蛍光灯を用いる照明装置とは異なり、外形が所望の長さのLED照明装置を容易に製造することができる。
【0035】
図6および図7は、LED照明装置の他の例を示す図であり、図6および図7はそれぞれ図1および図2に対応する図である。図6および図7に示すLED照明装置1aでは、図1および図2のLED照明装置1と比較して、固定部21aの中央部211aの形状、および、発光部3aを固定する突起部の形状が相違する。他の構成は、図1および図2のLED照明装置1と同様であり、同符号を付す。
【0036】
図6および図7のLED照明装置1aでは、固定部21aの中央部211aがXY平面に平行な板状であり、図1のLED照明装置1と同様に、本体部2aはアルミニウムの押し出し成形にて形成される。中央部211aには、押し出し成形後のプレス加工等により一定幅の複数の開口要素2141が形成される。詳細には、図6に示すように、長手方向(Y方向)に沿って小さいギャップ(非開口部)を設けつつ一列に配列される複数の開口要素2141の集合を開口214aとして、固定部21aには、同様の形状である2つの開口214aが幅方向(X方向)に並んで形成される。このように、各開口214aは断続する一定幅の直線状である。なお、ギャップが小さい場合には、開口214aは実質的に連続する一定幅の直線状と捉えることもできる。
【0037】
各発光部3aにおいて基板31に形成される2つの貫通孔34は2つの開口214aとそれぞれ重なる。また、直径が開口要素2141のX方向の幅よりも僅かに大きい突起状のピン35aが、貫通孔34を介して開口214aに圧入される。これにより、発光部3aが固定部21aに固定される。
【0038】
このように、図6のLED照明装置1aでは、断続する一定幅の直線状の開口214aが固定部21aに形成され、各発光部3aに設けられる突起部であるピン35aが開口214aに圧入されることにより、複数の発光部3aが開口214aに沿って固定部21aに取り付けられる。これにより、LED照明装置1aを製造する際に、複数の発光部3aを固定部21aに(ほぼ任意の)所望の間隔にて容易に固定することができる。
【0039】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0040】
図1のLED照明装置1では、発光部3が着脱自在に固定部21に固定されるため、導電線39,39aを比較的長くすることにより、工場や室内等へのLED照明装置の設置後において、複数の発光部3の間隔が、可能な範囲で任意に変更されてもよい。この場合に、図8に示すように、長手方向の一部の範囲において発光部3を密に配列することにより、当該範囲近傍における光の強度を増大することができる。このようなLED照明装置1では、展示物の照明等を行う際に、展示物の配置に合わせて光の強度分布をある程度任意に変更することが可能である。なお、図8のLED照明装置1では、密に隣接する2つの発光部3間における導電線39がY方向に束ねられて、溝213内に挿入される。
【0041】
図1および図6のLED照明装置1,1aでは、雄ねじ35またはピン35aを基板31に形成された貫通孔34を介して開口214,214aに挿入することにより、発光部3,3aが固定部21,21aに固定されるが、雄ねじ状に形成された突起部、または、突起状の突起部が発光部に固定され、または、発光部と一体的に形成され、当該突起部を開口214,214aに挿入することにより、発光部が固定部21,21aに固定されてもよい。すなわち、LED照明装置では、複数の発光部のそれぞれに設けられる突起状または雄ねじ状の突起部(雄ねじ35、および、ピン35aを含む。)が開口に圧入または螺合されることにより、複数の発光部のそれぞれが固定部に固定される。
【0042】
上記LED照明装置1,1aでは、同様の形状である2つの開口が固定部に互いに平行に形成され、当該2つの開口にそれぞれ螺合または圧入される2つの突起部が各発光部に設けられることにより、発光部が固定部に強固に固定されるが、連続する一定幅の直線状、または、断続する一定幅の直線状の1つの開口のみが固定部に形成され、各発光部に設けられる1以上の突起部が当該開口に螺合または圧入されることにより、発光部が固定部に固定されてもよい。また、3以上の開口が幅方向に並んで形成され、各発光部が突起部により任意の開口に締結されることにより、複数の発光部の位置がX方向に相違してもよい。
【0043】
連続または断続する一定幅の開口は、曲線状(例えば、1/4円弧状)に形成されてもよい。すなわち、固定部における開口は、連続する一定幅の線状、または、断続する一定幅の線状に形成されていればよい。
【0044】
上記実施の形態では、発光部の固定部、拡散パネルの保持部、反射板、および、筐体としての役割を果たす本体部2,2aが、押し出し成形により一体的に、すなわち、連続する1つの部材として形成されるが、LED照明装置の設計によっては、本体部は押し出し成形以外の他の手法(例えば、板金加工や溶接)にて作製されてもよく、また、固定部、反射板、筐体等が個別の部材として形成されてもよい。
【0045】
隣接する2つの発光部間の導電線39は、必ずしもおよそ全体が開口214,214a内に配置される必要ななく、導電線39の少なくとも一部が、当該2つの発光部の間において開口214,214aに挿入されることにより、2つの発光部間にて導電線39の大部分が過度に浮き上がって(設置した状態では垂れ下がって)大きな影となることを防止することができる。
【0046】
LED照明装置の設置場所は工場や室内の天井に限定されず、例えば、LED照明装置が壁面に設置されてもよい。また、LED照明装置は、大型の各種装置内の照明等に用いられてもよい。
【0047】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせられてよい。
【符号の説明】
【0048】
1,1a LED照明装置
3,3a 発光部
21,21a 固定部
35 雄ねじ
35a ピン
39 導電線
213 溝
214,214a 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED照明装置であって、
LEDチップが実装された複数の発光部と、
連続する一定幅の線状、または、断続する一定幅の線状の開口が形成され、前記複数の発光部が前記開口に沿って取り付けられた固定部と、
を備え、
前記複数の発光部のそれぞれに設けられる突起状または雄ねじ状の突起部が前記開口に圧入または螺合されることにより、前記複数の発光部のそれぞれが前記固定部に固定されることを特徴とするLED照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載のLED照明装置であって、
前記固定部が、前記複数の発光部から出射される光を反射する反射板を兼ねることを特徴とするLED照明装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のLED照明装置であって、
前記複数の発光部において互いに隣接する2つの発光部の各組合せが導電線を介して電気的に接続されており、
前記各組合せにおける前記導電線の少なくとも一部が、前記各組合せにおける前記2つの発光部の間において前記開口に挿入されることを特徴とするLED照明装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のLED照明装置であって、
前記固定部の前記開口が直線状に連続する有底溝の開口であり、
前記固定部が押し出し成形にて形成されることを特徴とするLED照明装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載のLED照明装置であって、
前記固定部において、前記開口と同様の形状であり、前記開口に平行なもう1つの開口がさらに形成されており、
前記複数の発光部のそれぞれに設けられるもう1つの突起部が前記もう1つの開口に圧入または螺合されることを特徴とするLED照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−134034(P2012−134034A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−285778(P2010−285778)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000000309)IDEC株式会社 (188)
【Fターム(参考)】