説明

LED照明装置

【課題】導光部材を用いて異なる発光色のLED光を混色する構成の照明装置において、特に照射パターンエリヤを観察した場合に観られる前記パターンエリヤの縁部の色ムラを低減する
【解決手段】複数の導光部材を用いた各照射パターン毎に各光照射源であるLED配置を転遷させることにより、各照射パターンが互いに重畳しあう遠視野領域において、各照射パターンエリア縁部の光色混合不足領域の不足光色を照射パターンどうしで互に補うようにして色ムラ感を軽減した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の発光色の組み合わせにより作成されるLED照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LEDが調光及び点滅制御が容易であることを生かして、色温度が可変可能な照明装置(以下、色温度可変照明装置と略する)が上市されている。色温度可変照明装置は青色LEDと蛍光体の組み合わせによる高い色温度光源と低い色温度光源の2種類の白色光源の光を合成し、双方の混光状態を調整することで黒体軌跡に沿って変化させることができる様にしたものが一般的である。
さらに、光の三原色である赤色・緑色・青色のLEDを用いて各々の発光色を混光して白色を得る方法もある。この方式は一部に欠落するスペクトル成分(黄色)が存在することとなるが、各LEDの光量を調節することで任意の色彩が得られるため演出照明などに利用されている。
【0003】
前述の色温度可変照明装置においてはLED光源を複数使用するため光源サイズが大きくなり、そのため混光状態が不十分となりやすく、照射対象の位置や距離によっては所望の照明光色を得られない場合がある。
そこで色温度可変照明装置を構成する光学系に合わせて所望とする光源サイズを満たすために、前記の色温度あるいは光色の異なる複数のLEDチップを一つのパッケージに収めマルチパッケージとし1つの発光源としたものが色調可変光源として用いられている。
【0004】
しかるに前記マルチパッケージによる色調可変光源は混色性を高めるために、一般的にパッケージ内外に光拡散手段を設けて用いられるため、往々にして光損失が大きくなる。また、前記マルチパッケージの色調可変光源を複数個配置して色温度可変照明装置を仕立てる場合、LED素子のばらつきにより、前記マルチパッケージの色調可変光源の個々に対して個別にカラーコレクション(駆動条件を調整し、色味を統一させる)を実施せざるを得ないのが現状である。
【0005】
従って、LEDサプライヤで実施するビンニング(パッケージ固体間の色ばらつき、及びLED素子の光度ばらつきに関する選別など)を適用した色温度あるいは光色別のシングルパッケージ(一つのLEDチップのみを収めたパッケージ)のLED光源を用いて混色性が十分に確保された色温度可変照明装置が達成可能であれば、前述の光損失が軽減でき、また搭載する各色のLED光源を個々に選択し、組み合わせることができ、前述の色温度可変照明装置のカラーコレクション作業も平易なものとなる筈である。
【0006】
特許文献1では、異なる色の光を発光させるようにLED素子と蛍光体との組み合わせによる複数のLED光源を有する発光部を複雑な駆動方法を用いずに、それら複数の光源による合成光の色温度を制御可能な発光装置が開示されている。該発光装置は電気配線がパターニングされた基板上に、シングルパッケージのLEDを複数個配置させたもので、前述の如く、発光色や光度のばらつきに関してビンニングに基づく選択搭載が可能であり、駆動部の調整も平易になるものと思われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−283155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1による発光装置を照明用として使用した場合、基板上の複数のLED光源による合成光を照射する構成であるために照明用光源としての等価的な光源サイズが大きくなり、それにより照射面で色ムラが発生する場合がある。特に発光部の配光角を狭くして、スポットライト等に適用した場合、光学部材を駆使して配光を制御しても照射される範囲で色ムラ発生の抑制は非常に困難な作業となってしまう。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、異なる発光色のシングルパッケージのLED光源を複数個用いて、それらの光を混色して色調整するように構成された色温度可変照明装置において、特に照射パターンエリヤを観察した場合に観られるパターンエリヤ内の色ムラを低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の発明によれば、
nを3以上の整数として、
n個の互いに異なる発光波長分布特性を有するLED夫々の発光部中心を正n角形の頂点に位置するように基板上に隣接配置されて1組のLED群を形成し、
前記基板上には前記編成のLED群がn組存在し、n組のLED群はLED配置中心点Sが正n角形の頂点に位置するように分散配置されており、
n個の導光部材が前記LED群夫々にLEDの照射方向前方に配設されており、前記導光部材は、1本の棒状の導光幹部と、導光幹部の一方の端部に接続する導光分岐部と、導光分岐部に接続するn本の導光枝部を備え、
n本の導光枝部は該導光幹部の中心軸に対して導光分岐部まで均等に傾斜されて、前記LED群を構成するn個のLED夫々の発光部中心に入射面の中心が一致するように対抗し、
前記導光幹部の他方の端部は光出射面として、配光制御手段の入射部に対抗するようにして構成されることで各LEDの発光色を混色して照射する方式のLED照明装置であり、
各LED群におけるn個のLEDは夫々互いの位置関係が以下の条件(a)あるいは(b)を満たすように設定されたことを特徴とするLED照明装置とすることにより上記した目的が達成される。
(a)各LED群におけるn個のLEDは夫々互いの位置関係も含めてLED群の分散中心点Pに対し[2π/n]°回転対象に配置される。
(b)各LED群におけるn個のLEDの位置関係は、条件(a)で定められた各LED群におけるn個のLEDの位置関係を保持して分散配置されたn組のLED群において、少なくとも任意の二か所以上のLED群の配置が、各々LEDの位置関係を保持したまま平行移動によって置き換えられたものに等しい。
【0011】
本発明の請求項2に記載の発明によれば、
請求項1によるLED照明装置を構成単位として複数個を千鳥格子状に光照射面が同一平面状となるように配置してなる面状照明装置において、
nを3、4および6として
該LED照明装置に分散配置されたn組のLED群のLED配置中心点Sを結ぶ正n角形と、
隣接しあう二つまたは三つのLED照明装置間を隔てて、各LED照明装置間の中央付近で接近するn組のLED群のLED配置中心点Sを結ぶ正n角形が合同の関係にあり、其れ等の正n角形が平面充填されるように各LED照明装置間の配置間隔が決定されることを特徴とした面状照明装置とすることで、前記LED照明装置を複数用いた面状照明装置を提供することができ、これにより色ムラを低減できる利点がある。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、演色性に優れ、色ムラの少ないLED照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明に係る各LED群におけるLED配置を示す図である。
【図2】図2は、本発明に係る図6の照明装置の基板上における各LED群の配置を示す図である。
【図3】図3は、図2におけるLED配置を変更した例を示す図である。
【図4】図4は、本発明による基板上におけるLED群とLED群を編成する各LED配置とスクリーンへの照射される各LEDの照射パターンの位置関係を模式的に示す図である。
【図5】図5は、本発明に係り図2と異なる条件に従って配置された基板上におけるLED群とLED群を編成する各LED配置の一例を示す図である。
【図6】図6は、本発明の照明装置の一例を示す斜視図である。
【図7】図7は、図6の照明装置の内部構成を示す模式的断面図である。
【図8】図8は、図6の照明装置の基板上におけるLED群とLED群を編成する各LED配置の一例を示す図である。
【図9】図9は、図6の照明装置の導光部材を示す斜視図である。
【図10】図10は、図9の導光部材を説明する図で、(a)が正面図、(b)が側面図である。
【図11】図11は、図9の導光部材における導光枝部入射面の形状の一例を説明する図である。
【図12】図12は、図6の照明装置の配光制御用レンズアレイの斜視図をである。
【図13】図13は、図12と反対の面側の配光制御用レンズの斜視図である。
【図14】図14は、本照明装置における駆動部の例を示す図である。
【図15】図15は、一組のLED群からの照射パターンを模式的に示した図である。
【図16】図16は、本発明による照明装置を複数個用いて面状照明装置を構築した例で、照射方向からみたLED配置のみを明示した図である。
【図17】図17は、本発明に基づき、図16の例に用いた照明装置を基板に搭載されたLED群の組数とLEDの個数を変更したものとして面状照明装置を構築した例で、照射方向からみたLED配置のみを明示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る照明装置の基本的な構成は、複数の異なる発光色のLED光源(以下、LEDと表記する)からの光の混色性を高めるための、複数の導光枝部をもつ棒状の導光部材を用い、各導光枝部と各LEDを個々に結合させて混色された光を出射させるものである。以下、図を参照しながら本照明装置の基本的な機構および機能および本発明に係る特徴を詳細に説明することとする。
【0015】
図6は本発明に係る照明装置の一例を示す斜視図、図7は図6の照明装置1の内部構成を示す模式的断面図である。照明装置1は、複数の異なる発光色のLEDを調色可能な照明装置であり、本例では外部から電源及びLED駆動制御信号の供給を受けて発色の調整がされる様になっている。
【0016】
照明装置1は、照射方向の内径を大きくした略円筒状の筐体40と筐体40の前面に設けた前面カバーを兼ねた配光制御レンズアレイ60と筐体40の後面の放熱器を兼ねた蓋部50と備え、放熱器50からは外部電源及び駆動信号の供給元に接続するためのケーブル70を備えている。筐体内部には、光源20と、光源20を搭載した基板11と、光源の照射方向前方に設けた導光部材30と、プリズム部63が組み込まれた配光制御用レンズアレイ60および導光部材30を支えるための保持部材12が収納されている。光源20は、基板11上に搭載した複数のシングルパッケージLEDである。基板11上には、電磁妨害波の発生を抑制するためにも、好ましくは各LEDを駆動ためのLEDドライバおよびDC/DCコンバータなどによる駆動部を搭載するのが望ましい(図示せず)。基板11の背面に設けた蓋部を兼ねた放熱器50により、各LEDで生じた熱は基板11を通して放熱器50へ伝熱され、気中へと熱放散される。
【0017】
図8は、光源20を搭載した基板11を照明装置の照射方向、すなわち、図7の紙面左手側からみた基板正面図である。基板11は筐体40内の取付位置の内部断面形状と略一致する形状とした金属ベース基盤で、アルミニウムあるいは銅をベース金属とし、部品搭載面には絶縁層および所定パターンの導体配線層を積層した所謂金属ベース回路基板である。本例おいては、円形状としている。基盤11の光照射方向側となる部品搭載面側には、複数のシングルパッケージLED21,22,23を搭載され、導体配線層に電気的に接続されている。
【0018】
LEDは、第1のLED21,第2のLED22および第3のLED23の3個で一つのLED群25を形成し、基板11上に3組のLED群25を搭載している。したがって、LEDは合計9個が搭載されている。尚、使用するシングルパッケージLEDは面実装タイプのLEDとして、導光部材30との結合効率を稼ぐためにはPLCCパッケージ品のように搭載面に対し上方に光放射の開口をもつものが好ましい。
【0019】
なお、図8において基板11の部品搭載面側には暗色系のレジストもしくはシルク印刷が施されている。これにより導体配線層および絶縁層を覆うことで、基板11表面に届く迷光、すなわち導光部材30表面や導光部材と各LEDの結合部から漏れた混光が不十分な光が、全面カバー43の方向に向けて反射され、配光制御用レンズ60を通して照明光に入り交り、それにより照明品質の悪化を防いでいる。
【0020】
図8におけるLED21,22,23夫々の発光色は様々の組み合わせが可能である。
例えば、LED21,22,23を各々光の三原色である赤色・緑色・青色の発光色を発するものとする。赤色・緑色・青色はAlGaInP系の赤色発光、InGaN系の緑色および青色の組み合わせのように各LEDは各々に用いられる基板材料のバンドギャップ固有の波長で発光するものでもよいが、InGaN系の紫色(または近紫外線)の放射光を使って各々赤色、緑色、青色という3種類の蛍光体を励起するものとすれば、LED21,22,23の電気特性は概ね揃えることが可能となり、LED駆動の観点では優位である。
【0021】
別の例としては、第1のLED21は、例えば色温度3000Kの疑似白色発光のLED、また第2のLED22は、例えば色温度6500Kの疑似白色発光のLEDを用いる。LED21およびLED22ともにInGaN系の半導体発光層による青色発光のLEDチップを搭載し、黄色蛍光体を混ぜたモールド樹脂にて青色発光LEDチップを覆うことで半導体発光層からの青色光と蛍光体からの黄色光の合成にて疑似白色光を照射するものである。色温度の違いはInGaN系青色発光素子の発光波長分布、蛍光体の混和率、および、蛍光体の分光特性等に差異を持たせること作成される。第3のLED23は、例えば赤色発光のLEDを用いる。これはLED21およびLED22において擬似白色で不足しがちな赤色領域のスペクトラムを補償するためである。赤発光のLED23としてAlGaInP系の半導体発光層による赤色発光のLEDチップを搭載し、モールド樹脂にて赤色発光LEDチップを覆った赤色光を照射するものである。
【0022】
図9および図10は、光源20の照射方向前方に配設した導光部材30で基板固定部(フランジ部)を省略して示したものである。導光部材30は、円柱形状の導光幹部35と、導光分岐部34と、3つの導光枝部31,32,33を有し、アクリル樹脂等の透明樹脂により一体に成形されている。導光枝部31,32,33の端部が前記したLED21,22,23に対向する導光枝部入射面36,36,36となり、導光幹部35の端部が導光幹部出射面37となり導光部材30に入射したLED21,22,23の出射光を照射する。図10(a)の示すように導光枝部31,32,33は前述のLED21,22,23の発光中心の配置に合わせて三つの入射面36の中心が対抗するように配置されている。
【0023】
各導光枝部入射面36はLED21,22,23との結合効率との向上を図り、中央を凸形状として屈折方向を調整し、周囲に反射プリズム部を形成することで、中央凸部の傾斜面のままでは反射光成分が多くなり内部取り込みが少なくなる問題を解消するなどの工夫がなされている。
具体的には図11に示す様に、第1のLED21の中心から素子外周までに対応する第1の入射面36aと、第1の入射面36aより外周側の反射プリズム部からなる。第1の入射面36aは、LED21の中心、すなわち光軸側がLED21に近い距離とされ、LED21の外周側に向かうにしたがってLED21から離れた距離とする傾斜面である。この傾斜角度を適宜調整することで第1の入射面36aから入射する光の進行方向を調整する。この例では導光枝部31の中心軸とほぼ平行に進む屈折角となるように傾斜角度が設定されている。反射プリズム部は第2の入射面36bと傾斜反射面36cからなる。第2の入射面36bはLED素子21の光軸とほぼ平行とされ、LED素子21からの直射光の一部および第1の入射面36aによる反射光の一部が入射する。傾斜反射面36cは、第1の入射面36aと同様な傾き方向とした傾斜面とされている。第2の入射面36bに入射した光は、傾斜反射面36cに向かって進行し、傾斜反射面36cにて、導光枝部31の中心軸と平行な方向に向かって反射する反射面となる角度とする。傾斜反射面36cはスネルの法則に基づく内面反射を利用する反射面とするのが好適であるが、表面に反射膜を設けてもよい。すなわち、導光枝部31,32,33においては、できるだけ夫々の中心軸と平行に直進させることで内面反射が少なくなるようにしている。
【0024】
導光枝部入射面36から入射したLEDからの光は、夫々の導光枝部31,32,33の内部を進んで導光分岐部34に進み、各LEDの発光色が混色される。導光幹部35の中心軸と、3個の導光枝部31,32,33の夫々の中心軸は、平行ではなく所定の傾き角をもって一体化されているので、導光幹部35内においては、導光幹部に入射した光は内面反射を繰返しながら進むことになる。
これにより、3個のLED21,22,23の照射光は略均一に混色される。
【0025】
尚、導光幹部35および導光枝部31の断面形状は、できる限り円柱形状であることが好ましい。また射出成型にて導光部材を作成する場合は、内壁での反射損失を低減するため、射出成型時のパーティングラインを導光幹部35および導光枝部31の側面から避けるように配置する。導光幹部の長手に型抜き方向を設定すると、抜き勾配の処理で導光幹部の出射面の径が小さくなりすぎる様な場合には、側面にパーティングラインが形成される様にして、切削および研磨による仕上げ加工を施すことが好ましい。
【0026】
さらに導光枝部31、32、33による三つ股構成によってはアンダーカット処理の問題で、射出成型では成型できない場合、注型成型を用いて作成する。この場合の材料は、アクリルのほか透明エポキシ樹脂も光学特性上好ましい選択肢となる。
【0027】
図12および図13は配光制御手段としての複数のプリズムを組み込んだ配光制御用レンズアレイ60の斜視図を示すものである。図12および図13に示す例は本発明にとって必ずしも必須の要件ではないが、前記導光部材用いた光学系に対して結合効率を考慮した配光制御手段で、より好ましい態様として説明するものである。図12が照明装置1の照射方向斜め前方から観た斜視図、図13が照明装置1の照射方向斜め後方から見た斜視図である。図13は配光制御用レンズアレイ60照明装置1では、3組のLED群25を設け、夫々のLED群25に対応して3個の導光部材30を設けており、配光制御レンズ60も、3個のプリズム部63を有している。プリズム部63は、配光制御用レンズアレイ60の後方に突出する略円錐台形状をなす。円錐台形状の円錐斜面の外周面64と、頂部に設けた凹部61を有する。3個のプリズム部63は、アクリル樹脂により成形され、別体に作製した樹脂円板部62の円形の開口に嵌合して固定することで一体化されている。円板部62に用いる樹脂は、導光部材30や各LED光源と導光枝部入射面36との結合部から漏れた混色不足の光は照明装置1から出射されないように、導光カーボンブラック等の遮光性顔料を分散させた添加しポリカーボネイト等の樹脂が好ましい。円板部62は、レンズ保持部材12に固定される。また、図12に示すごとく、必要に応じて、各々のプリズム部63の光出射面表面は成型による波打ち面65や、あるいはブラスト加工による粗面とし、より一層LED素子群25の混色度合いを高める措置が施される。
【0028】
プリズム部63と導光幹部出射面37は適宜の距離を隔てて配設され、プリズム部63は、導光幹部出射面37から出射した光が略平行光線として波打ち面65に向かうように設計されている。凹部61は、導光幹部35の外径よりも大きな内径とした井戸形状を形成する。凹部61の内径を導光幹部出射面37よりも大きくすることで、凹部61の内側の側面および凹部底面が出射面37から照射される光の主たる入射面となる。凹部底面は中央部を凸とした曲面である。凹部底面は、導光幹部出射面37と互いの中心が対向するように配設し、出射面37から出射した光が、凹部底面にて屈折して入光することで略平行光線としている。凹部側面は、出射面37から出射した光が、凹部側面にて屈折して入射した後、外周面64にて内面反射することで略平行光線としている。したがって、出射面37の大きさを小さくすれば、配光制御用レンズアレイ60との距離、レンズ径を小さくすることができる。
【0029】
混色したいLED間の距離を短くして近接配置すれば、照射光が混色されるまでの距離を短くすることができる。面実装タイプのLEDを基板11上に搭載する場合、面実装タイプのLEDは小型ではあるものの、基板11上に実装する場合、隣接するLEDの発光中心間の距離は、反射枠や外部接続端子等を考慮して数mm程度離さなくてはならない。それゆえ隣接する導光枝部入射面36間の距離も同様に離れる。前記制御用レンズアレイ60を小さくする場合、換言すればプリズム部63を小さくする場合、導光部材30の出射面37を小さくする必要がある。出射面37を小さくすれば配光制御用レンズアレイ60との距離、レンズ径(プリズム部63の径)を小さくすることができる。
【0030】
また、導光幹部35内で光は内面反射を繰り返し、入射面から入射した光を均一に混合する。このとき、混色の均一度合いについて、円柱部の長さは円柱の径によって決まり、径に対して長ければ長いほど均一度合いが良好となる。
【0031】
照明装置1を駆動する場合、市販のRGBLEDドライバを用いる方法が平易である。図14に駆動例を示す。図14の例におけるLEDドライバ101はナショナルセミコンダクター社のRGB LEDドライバ_LP5520である。LP5520は最大60mAのLED駆動が可能で、本照明装置に用いるようなシングルパッケージLEDの電流定格に相応しい。照明装置の三組のLED群は、例えばLED21、22、23の各発光色別に直列にLEDストリングが形成されている。LP5520はRGB三色LED用のドライバであるが、この発光色の組み合わせに限らず、種々の組み合わせが可能である。LP5520はMCU(マイクロコントロールユニット)103からSPIまたはI2Cインタフェースにより輝度制御され、内部メモリにより色調補正しながらRGB各LEDストリングのパルス定電流駆動が可能である。更に、LP5520はDC/DCコンバータ102の電圧出力を各LEDストリングの降下電圧に応じて最適値に制御する。
【0032】
尚、LEDドライバおよびDC/DCコンバータは電磁妨害波を抑制するためにも、本照明装置の基板11にLEDとともに実装されることが好ましい。この場合、照明装置へは制御インタフェースおよび電源供給線がケーブル70として接続される。
【0033】
ここまで説明した照明装置1は、複数の導光枝部をもつ棒状の導光部材を用い、各導光枝部と各LEDを個々に結合させて混色された光を出射させるようにしているため、照射面での色ムラはかなり軽減されるもののまだ不十分である。照射パターンを観察すると、図15に示すように、LED21〜23各々の照射パターン中心が照射光軸から各々オフセットし、スクリーンパターンには照射パターンエリヤ縁部にLED光色が十分の混合されない領域が僅かながら認められる。無論、実用域を無視して前記導光部材の導光幹部の長さを長くすることができれば、照射パターンエリヤ縁部の色ムラは更に軽減される筈であるが、それでは、LED使用の照明装置に求められるコンパクト性や利便性が失われてしまう。
【0034】
そこで本発明では、三つのLED群25において各々の照射パターンも遠視野領域にて互いに重畳して各照射パターンエリヤ縁部の光色混合不足領域において不足光色を互に補うことで色ムラ感を軽減するように、各LED群を構成するLEDを発光色毎に、各LED群間における相対位置条件を規定することした。以下、実施例によりLED配置の関する措置について具体的に説明をする。
【実施例1】
【0035】
まず、図1は各LED群25の三個のLEDの配置関係を示すもので、三個のLEDは夫々の発光部中心が正三角形(破線にて表示)の頂点に位置するように隣接配置される。尚、点SはLED配置中心点を示すものである。そして図2に示すように基板11上で、三組のLED群25は各LED群25のLED配置中心点Sで結ばれた幾何模様が正三角形(破線にて表示)となるように分散配置される。尚、図2中央の点Pは、三組のLED群25の配置中心位置を示すものである。
【0036】
このようなLED配置とすることにより、前述した導光部材30を組み合わせることで、プリズム部63から照射される照射パターンは、図15に示した三つのパターンエリヤ縁部に発生する光色混合不足領域の大きさが略均等で、光色混合不足領域のLED光色が、互いに略120°回転対象となってスクリーンに照射されるようになる。
【0037】
ここで本発明では更に、各LED群25相互間の発光色ごとのLED位置関係を以下の条件(a)に従うこととする。
(a).各LED群25における各LEDは夫々互いの位置関係も含めて点Pに対し120°回転対象に配置される。従って、各LED群25における三つのLED(LED21,22,23)の点Pに対する相対位置関係は一定である。
但し、点Pに対する三つLEDの配置は限定するものではなく、例えば、図3は図2とは別の本LED配置則によるLED配置を示すもの(基板11は省略してある)で、図2においては、各LED群25のLED配置中心Sを結ぶ円の外側に各LED群25の中の一つのLEDが円の接線方向と平行に設置されているが、図3においては、前記円の内側に各LED群25の中の一つのLEDが円の接線方向と平行に設置されている。
【0038】
図1乃至図3に示したように基板11部品搭載面上の三組のLED群25の限定的な配置と、前述した条件(a)に従うように各LED群25相互間における発光色ごとのLED位置関係を定めることによって、三組のLED群25夫々からの照射パターンにおけるパターンエリヤ縁部に発生する各LED光色ごとの光色混合不足領域の配置は、三組の照射パターンが遠視野領域にて重畳した時の不足色を補完しあうような配置となる。
【0039】
図4に各LED群25相互間における発光色ごとのLED位置関係が前述した条件(a)に従う場合での、基板11部品搭載面上の三組のLED群25におけるLED21,22,23の位置関係とスクリーンへの照射されるLED21,22,23各々の照射パターンの位置関係を模式的に示す。図4において三組のLED群二十五による照射パターンA,B,Cは互いに離れて図示されているが、照明装置として遠視野領域を照射した場合、前記照射パターンA,B,Cは重畳するように観測される。
図15で説明した各照射パターン縁部の光色混合不足領域は、各照射パターンA,B,Cが重畳し、互いの光色混合不足領域の不足光色を補うことで、その結果として本照明装置からの各照射パターンは統合され、照射パターンエリヤ縁部の色ムラ感が軽減される。
【0040】
ここで確認の為に以下のような構成にて、前述のLED配置に関する措置を実施した照明装置1を作成して、効果の確認を行った。
■使用LED PLCCタイプ,赤色、青色、緑色の三色
■各LED群25のLED配置中心を結ぶ円の直径 40mm
■導光部材 直径4mm 導光幹部長さ 30mm
■配光制御用レンズ径 24mm
■配光角 約40°
■被照射面〜照明装置光出射面距離 1.2m
照射パターンエリヤ縁部で感じられていた色ムラ感は、大幅に改善された結果となった。尚、配光制御用レンズによる配光は40°とあえて挟配光の照明装置としては、色ムラ感を顕著に確認できることを意図したものである。配光を広くすれば色ムラ感はさらに抑制できることは明らかである。
【0041】
本発明における照射パターンエリヤ縁部の色ムラ感が軽減の効果は夫々のLED群を構成する各シングルパッケージLEDの各発光色と輝度が十分に均等に調整されていることが必要要件となる。従って、前述のように、個々のシングルパッケージLEDは基板11への実装段階で少なくとも、出力ランクと発光スペクトル分布については、正確なビンニングに基づいて選択される。これは、異なる発光色のLEDチップを一つのパッケージに組み込んだ所謂多色マルチチップパッケージによるアセンブリ工程ではLEDチップ相互の輝度比のばらつきなどが障害となり、容易に実現できないものである。
【実施例2】
【0042】
遠視野領域にて、三つのLED群25各々の照射パターンも互いに重畳して各照射パターンエリヤ縁部の光色混合不足領域において互に不足光色を補うことが可能となるLED位置関係は、前述の条件(a)による位置関係の他に、次の条件(b)も考えられる。
(b).各LED群25における三個のLEDの位置関係は、条件(a)で定められた各LED群における三個のLEDの位置関係を保持して分散配置された三組のLED群25において、任意の二か所のLED群25の配置が、各々LEDの位置関係を保持したまま平行移動によって置き換えられたものに等しい。
【0043】
図5に本条件(b)に従う三組のLED群25における各LEDの位置関係の例を示す。図の例は、条件(a)によって各LEDの位置が決定済みのX、Y、Zと符号をつけた三組のLED群25が、条件(b)によりZがYの位置へ、またYがZの位置へと平行移動して置き換えられた様子を示している。
【0044】
条件(b)に従うLED配置としても、三つのLED群25から照射される三つの照射パターンは、
各々のパターンエリヤ縁部に発生する光色混合不足領域のLED光色が、互いに略120°回転対象となってスクリーンに照射される。従って、条件(a)の場合と同様に照射パターンエリヤ縁部の色ムラ感が軽減される。
【実施例3】
【0045】
これまで照明装置1は3個のLEDで形成したLED群が基板上に三組搭載された構成で説明してきたが、本発明による照明装置1および色ムラ低減のためのLED配置は、前述の構成に限定されるものではない。
【0046】
例えば、4個のLEDを使用した照明装置の場合、LED配置に関しては、3個のLEDで形成した3組のLED群を用いた照明装置の場合と同様に、4個のLEDで形成したLED群が基板上に4組設けられ、各LED群のLED配置中心点Sの位置は正方形の頂点の位置に一致するように配置される。
また、各LED群における4個のLEDのLED群の分散中心点Pに対する相対位置関係を規定する条件(a)、(b)は
(a)各LED群における4個のLEDは夫々互いの位置関係も含めてLED群の分散中心点Pに対し[90]°回転対象に配置される。従って、各LED群における4個のLEDの点Pに対する相対位置関係は一定である。
(b)各LED群における4個のLEDの位置関係は、条件(a)で定められた各LED群における4個のLEDの位置関係を保持して分散配置された4組のLED群において、少なくとも任意の二か所以上のLED群の配置が、各々LEDの位置関係を保持したまま平行移動によって置き換えられたものに等しい。
となる。
そして各LED群の夫々は4本の導光枝部を有した導光部材と組み合わされ、各LED郡中の夫々のLEDは導光枝部の光入射面と光学的に結合される。そして4個の導光部材の導光幹部の光出射面は、4個のプリズムを組み込んだ配光制御用レンズアレイと光学的に結合されて照明装置が構成される。
【0047】
例えば、LED群を構成するLEDを4個とし、LEDの発光色を光の三原色である赤色,緑色及び青色の他に黄色を加えることにより、欠落するスペクトル領域が補完され一般照明としてより演色性の良好な照明装置とすることができる。
【実施例4】
【0048】
更に、6色のLEDを使用した照明装置の場合でも、6個のLEDで形成したLED群が基板上に6組設けられ、各LED群のLED配置中心点Sの位置は正六角形の頂点の位置に一致するように配置され、前述の条件(a)、(b)は
(a)各LED群における6個のLEDは夫々互いの位置関係も含めてLED群の分散中心点Pに対し[60]°回転対象に配置される。従って、各LED群における6個のLEDの点Pに対する相対位置関係は一定である。
(b)各LED群における6個のLEDの位置関係は、条件(a)で定められた各LED群における4個のLEDの位置関係を保持して分散配置された6組のLED群において、少なくとも任意の二か所以上のLED群の配置が、各々LEDの位置関係を保持したまま平行移動によって置き換えられたものに等しい。
となる。その他、導光部材および配光制御用レンズアレイとの組み合わせは、3個のLEDを用いたLED群を用いる場合や4個のLEDを用いたLED群を用いる場合と同様である。
【0049】
例えば、三原色のLEDに橙色,黄色,青緑色のLEDを加えて6色とすることで、色ムラ感が少なく、平均演色評価係数Raの高い照明装置が実現可能である。一般的に4色や6色のLEDを用いて良好に混色された光を得るためには、LEDの配置や混色方法が困難となり、現実的ではないが、照明装置1の導光部材を用いた光学構造と本発明による色ムラ低減効果により、具現化が可能である。
【0050】
[ LED配置のまとめ ]
以上のことから本発明のLED配置に関する特徴を、n個のLEDで形成したLED群を用いた場合に拡張すれば、
n個のLEDが夫々の発光部中心を正n角形の頂点に位置するように基板上に隣接配置されて、そのn個のLEDで構成されるLED群がn組あり、さらに、n組のLED群はLED配置中心点Sが正n角形の頂点に位置するように分散配置されており、
各LED群におけるn個のLEDは夫々互いの位置関係が以下の条件(a)あるいは(b)を満たすように定められている。
(a)各LED群におけるn個のLEDは夫々互いの位置関係も含めてLED群の分散中心点Pに対し[2π/n]°回転対象に配置される。従って、各LED群におけるn個のLEDの点Pに対する相対位置関係は一定である。
(b)各LED群におけるn個のLEDの位置関係は、条件(a)で定められた各LED群におけるn個のLEDの位置関係を保持して分散配置されたn組のLED群において、少なくとも任意の二か所以上のLED群の配置が、各々LEDの位置関係を保持したまま平行移動によって置き換えられたものに等しい。
と包括的に表現できる。
尚、この場合、照明装置における導光部材の配置構成の表現も
n個の導光部材が前記LED群夫々にLEDの照射方向前方に配設されており、前記導光部材は、1本の棒状の導光幹部と、導光幹部の一方の端部に接続する導光分岐部と、導光分岐部に接続するn本の導光枝部を備え、
n本の導光枝部は該導光幹部の中心軸に対して導光分岐部まで均等に傾斜されて、前記LED群を構成するn個のLED夫々の発光部中心に入射面の中心が一致するように対抗し、
前記導光幹部の他方の端部は出射面として、配光制御手段の入射部に対抗するようにして構成されてLEDの各発光色を混色して照射する配置構成、
とまとめることができる。
【実施例5】
【0051】
[ 面照明装置への応用 ]
本発明を用いた照明装置1は、照明装置1を一つの構成単位として、発光面を平面上に複数個配置して混色性、色バラツキの少ない色調可変型面状照明装置を構築することが可能である。
【0052】
図16は例えば前述までRGB各発光色のLEDによる複数個の照明装置1を用いて千鳥配置した面状照明装置2で、面状照明装置2の照射方向からみたLED配置のみを明示したもので(基板11の外形を省略している)、LED群25を構成する各LEDをRGBで符号を付している。図16に示すごとく、面状照明装置2では一つの照明装置1内のLED群25とこれに隣接する別の一つあるいは二つの照明装置1内のLED群25において、各照明装置1間を隔てて接近する三組のLED群25の各LED配置中心を結んで描かれる三角形が正三角となるように配置され、前記正三角形は一つの照明装置1の中の三組のLED群25のLED配置中心を結んで描かれる正三角形に対して幾何的に合同の関係にあり、複数の照明装置1はそれら正三角形が平面充填される様に配置されている。
【0053】
すなわち、図16の面状照明装置2に用いられる各照明装置1内のLED群25のLED配置中心を結んで描かれる三角形をD、二つの照明装置1内のLED群25において各照明装置1間を隔てて接近する三組のLED群25の各LED配置中心を結んで描かれる三角形をE、更に隣接する三つの照明装置1内のLED群25において各照明装置1間を隔て,三つの照明装置1の中央付近で接近する三組のLED群25の各LED配置中心を結んで描かれる三角形をF、とすれば、
三角形D,E、Fは全て正三角形で、かつ 三角形D ≡ 三角形E ≡ 三角形F
の関係である。
【0054】
ここで前記三角形Dを構成する位置にあるLED群25は、一つの照明装置1を構成するものであり、前述のLED位置関係に関する条件(a)または条件(b)に従っている。
そして前記三角形Eを構成する位置にあるLED群25のLED位置関係に関する条件は、前記三角形Dを構成するLED群のLED位置関係が条件(a)に従っている場合、条件(b)に従い、また前記三角形Dを構成するLED群のLED位置関係が条件(b)に従っている場合、条件(a)に従うものとなる。
さらに前記三角形Fを構成する位置にあるLED群25のLED位置関係に関する条件は、前記三角形Dを構成するLED群のLED位置関係の条件と同じとなる。
【0055】
従って、本面状照明装置2においては、構成単位である照明装置1を前述のように配置することで、照明装置1に含まれる三つLED群25のみに限らず、各照明装置1を隔てて前記正三角形配置を構成する任意の三つのLED群25は、LED位置関係が前述の条件(a)または条件(b)の何れかに従うこととなり、遠視野領域にて各照射パターンも互いに重畳して各照射パターンエリヤ縁部の光色混合不足領域において互に不足光色を補うことが可能となる。
これにより照明装置1を一つの構成単位として、発光面を平面上に複数個配置した場合において、各照明装置1の配置間で僅かに存在する色偏差が抑制され、混色性、色バラツキの少ない照明光を照射することが可能な色調可変型面状照明装置が構築可能となる。
【実施例6】
【0056】
正方形および正六角形は平面充填可能であるため、実施例5の平面照明装置2の場合と同様に、4個のLEDで形成した4組LED群で構成される照明装置や、6個のLEDで形成した6組LED群で構成される照明装置が、前述した本発明による照明装置の特徴に従う構成であれば、これらの照明装置を構成単位として、複数個の発光面を千鳥配置して混色性、色バラツキの少ない色調可変型面状照明装置を構築することが可能である。
【0057】
図17は例えばRGBY各発光色のLED4色使用よる照明装置1’を複数個用いた面状照明装置2’で、面状照明装置2’の照射方向からみたLED配置のみを明示したもので(LEDを搭載した基板の外形を省略している)、図16の場合と同様に、面状照明装置2’では一つの照明装置1’内のLED群25’とこれに隣接する別の一つあるいは二つの照明装置1’内のLED群25’において、各照明装置1’間で接近する四組のLED群25’の各LED配置中心を結んで描かれる四角形が正方形となるように配置され、前記正方形は一つの照明装置1’の中の四組のLED群25’のLED配置中心を結んで描かれる正方形に対して幾何的に合同の関係にあり、複数の照明装置1’はそれら正方形が平面充填される様に配置されている。
【0058】
ここで、図17の面状照明装置2’に用いられる各照明装置1’内のLED群25’のLED配置中心を結んで描かれる四角形をD’、二つの照明装置1内のLED群25’において各照明装置1’間で接近する四組のLED群25’の各LED配置中心を結んで描かれる四角形をE’、三つの照明装置1’内のLED群25において各照明装置1’間で各照明装置1’間を隔て、三つの照明装置1’の中央付近で接近する四組のLED群25’の各LED配置中心を結んで描かれる四角形をF’、とすれば、
四角形D’,E’、F’は全て正方形で、かつ 四角形D’ ≡ 四角形E’ ≡ 四角形F’
の関係である。
【0059】
同様に、LED6色使用による照明装置を複数個用いた面状照明装置も可能である。ただし、平面充填される正六角形を形成するのは構成単位となる個々の照明装置のLED群の各LED配置中心を結んで描かれるものと、三つの照明装置間を隔て、三つの照明装置の中央付近で接近する六組のLED群の各LED配置中心を結んで描かれるものの二通りのみとなる。尚、正六角形を平面充填されたパターンは所謂、亀甲柄となるが、図示による説明は、内容が重複するため省略する。
【0060】
上記実施例におけるLED発光色の組み合わせは単なる例示にすぎない。例えば、6個のLEDを使用したLED群が6組で配置されて構成される照明装置において、一つ置きに3組のLED群と別の3組のLED群のLED発光色の組み合わせを変えて夫々混光により実現する光色範囲を二様としたり、LED発光色が全て色温度の異なる疑似白色LEDとしたものなども本発明に包含される。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明に係る照明装置は、色温度可変照明装置として一般照明や演出照明の他、ディスプレイや装飾用のカラー照明などの用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0062】
1 照明装置
2 面照明装置
11 基板
12 レンズ保持部材
20 光源
21 第1のLED
22 第2のLED
23 第3のLED
25 LED素子群
30 導光部材
31 第1の導光枝部
32 第2の導光枝部
33 第3の導光枝部
34 導光分岐部
35 導光幹部
36 導光枝部入射面
37 導光幹部出射面
40 筐体
50 放熱器
60 配光制御用レンズアレイ
63 プリズム部
64 外周面
65 波打ち面
70 ケーブル
101 LEDドライバ
102 DC/DCコンバータ
103 MCU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
nを3以上の整数として、
n個の互いに異なる発光波長分布特性を有するLED夫々の発光部中心を正n角形の頂点に位置するように基板上に隣接配置されて1組のLED群を形成し、
前記基板上には前記編成のLED群がn組存在し、n組のLED群はLED配置中心点Sが正n角形の頂点に位置するように分散配置されており、
n個の導光部材が前記LED群夫々にLEDの照射方向前方に配設されており、前記導光部材は、1本の棒状の導光幹部と、導光幹部の一方の端部に接続する導光分岐部と、導光分岐部に接続するn本の導光枝部を備え、
n本の導光枝部は該導光幹部の中心軸に対して導光分岐部まで均等に傾斜されて、前記LED群を構成するn個のLED夫々の発光部中心に入射面の中心が一致するように対抗し、
前記導光幹部の他方の端部は光出射面として、配光制御手段の入射部に対抗するようにして構成されることで各LEDの発光色を混色して照射する方式のLED照明装置であり、
各LED群におけるn個のLEDは夫々互いの位置関係が以下の条件(a)あるいは(b)を満たすように設定されたことを特徴とするLED照明装置。
(a)各LED群におけるn個のLEDは夫々互いの位置関係も含めてLED群の分散中心点Pに対し[2π/n]°回転対象に配置される。
(b)各LED群におけるn個のLEDの位置関係は、条件(a)で定められた各LED群におけるn個のLEDの位置関係を保持して分散配置されたn組のLED群において、少なくとも任意の二か所以上のLED群の配置が、各々LEDの位置関係を保持したまま平行移動によって置き換えられたものに等しい。
【請求項2】
請求項1によるLED照明装置を構成単位として複数個を千鳥格子状に光照射面が同一平面状となるように配置してなる面状照明装置において、
nを3、4および6として
該LED照明装置に分散配置されたn組のLED群のLED配置中心点Sを結ぶ正n角形と、
隣接しあう二つまたは三つのLED照明装置間を隔てて、各LED照明装置間の中央付近で接近するn組のLED群のLED配置中心点Sを結ぶ正n角形が合同の関係にあり、其れ等の正n角形が平面充填されるように各LED照明装置間の配置間隔が決定されることを特徴とした面状照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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