説明

LED街路灯

【課題】高輝度の赤、緑、青の三色光LEDを白色光に合成した光源による発光効率が大きく、白色光LEDの光源と比べて使用寿命が長い街路灯を提供する。
【解決手段】街路灯本体1は、路面上の一定の高さの所に設置され、路面に対向する底部に開口部111を有する。放熱ユニット2は、街路灯本体1の中に配置され、開口部111に対応する。定流電源3は、安定した電流を供給するため街路灯本体1の中に配置される。街路灯本体1の開口部111に向かい合う所には、放熱ユニット2と連結されたLEDランプ板4が設けられる。LEDランプ板4は、放熱ユニット2に向かい合う一側面において電気的に接続される赤色光、緑色光、青色光の三色のLEDランプ41をそれぞれ多数有する。赤色光、緑色光、青色光の三色のLEDランプ41はそれぞれ直列または並列もしくは直列と並列との両方で接続され、定流電源3によって駆動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、街路灯に関し、特に赤、緑、青の三色光発光ダイオード(以下、「発光ダイオード」を「LED」という。)によって合成される白色光のLED街路灯に関する。
【背景技術】
【0002】
現代においては、都市開発に伴い、道路建設の速さと品質を向上させ、夜間の交通をより安全にすることが求められるため、道路の両側に街路灯を設置することが必要である。近年、半導体技術の急速な進展に伴い、LED照明技術が伝統の照明器材に代わって活躍する傾向にある。LEDを利用する照明具は、安定性が高い、ちらつき現象が発生しない、色彩が多様である、色彩の表現に優れている、調節・制御が簡単であるという長所がある。また、LEDは点光源で、発光角度を制御しやすいため、特定の発光角度の光源を部分照明として使用することにより、光源に生じた光をより効果的に利用することが可能なだけでなく、比較的小さい電力により部分照明効果を満足させ、省エネルギーを実現させることが可能である。
【0003】
従来、一般に街路灯は高圧ナトリウム灯及び各種の蛍光灯または白熱灯を採用したものであるが、その発光効率は僅か30%であり、ほかの電気エネルギーは熱エネルギーに変換して消耗されてしまう。それに対し、近年LEDを街路灯として使用することにより省エネルギーを図るという傾向が強くなっている。LED街路灯は発光効率が高い、消耗電量が低い、反応速度が速い、使用寿命が長い、安全性が高い、環境保護に相応しいなどの特性があるため、LED街路灯は照明市場において潜在力が極めて大きい新世代の製品であるといえる。
【0004】
しかし、従来のLED街路灯は白色光LEDを光源として採用し、かつ高輝度の需要を満たすように、1ワット、2ワットなど使用電力の大きい白色光LEDを組み合せて光源を作ることが一般的である。白色光LEDの発光原理は青色光チップに蛍光粉を加えることである。青色光チップは別の色のLEDチップより輝度が低い。かつ蛍光粉は蛍光減衰が比較的大きいため、白色光LEDの光の減衰も比較的大きい。また使用電力の大きいLEDの発熱量は普通のLEDよりも高い。
従って、如何に上述の問題を解決するかということが本発明の課題である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の問題を解決するため、本発明の主な目的は、高輝度の赤、緑、青の三色光LEDを白色光または暖白色光に合成して生成した街路灯の光源により、発光効率が大きく、白色光LEDの光源と比べて使用寿命が長い白色光のLED街路灯を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明は街路灯本体、放熱ユニット、定流電源及びLEDランプ板を備える。
街路灯本体は路面上の一定の高さの所に設置され、かつ街路灯本体は路面に対向する底部に開口部を有する。放熱ユニットは街路灯本体の中に配置され、かつ開口部に対応する。定流電源は安定した電流を供給するため街路灯本体の中に配置される。その特徴は次の通りである。街路灯本体は開口部に向かい合う所に放熱ユニットと接続するLEDランプ板を有する。LEDランプ板は放熱ユニットに向かい合う一側面において電気的に接続される赤、緑、青の三色光LEDランプを多数有する。赤、緑、青の三色光LEDランプはそれぞれ直列または並列もしくは直列と並列との両方で接続され、定流電源によって駆動される。
【0007】
(発明の効果)
本発明による赤、緑、青の三色光LEDは発光効率が高い。同じ電力及び条件の下では、白色光LEDから構成され使用電力の大きい街路灯と比べて、光源照度を1.5倍から3倍高めることができる。また、白色光LEDの光の減衰、及び、使用電力の大きいLEDの発熱の問題を効果的に解決することができるうえに、省エネルギー効果が著しく、使用寿命が白色光LEDより長い。また赤、緑、青の三色光によって合成される光源は色彩が鮮明で、色彩の表現性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(一実施例)
以下、本発明の一実施例について、図面を用いて具体的に説明する。
図1と図2に示すような、本発明が採用した実施例の構造は説明のための一例に過ぎないため、本発明の権利範囲を制限するものではない。
図1、2に示すように、本実施例によると、赤、緑、青の三色光LEDによって合成される白色光のLED街路灯は、街路灯本体1、放熱ユニット2、定流電源3及びLEDランプ板4を備える。
【0009】
街路灯本体1は、路面上の一定の高さの所に設置され、かつ街路灯本体1は路面に対向する底部に開口部111を有する。放熱ユニット2は、街路灯本体1の中に配置され、かつ開口部111に対応する。定流電源3は、安定した電流を供給するため街路灯本体1の中に配置される。その特徴は次の通りである。街路灯本体1は、開口部111と向かい合う位置に、放熱ユニット2と連結されたLEDランプ板4を有する。LEDランプ板4は、放熱ユニット2に向かい合う一側面において電気的に接続される赤色光、緑色光、青色光の三色のLEDランプ41をそれぞれ多数有する。赤色光、緑色光、青色光の三色のLEDランプ41はそれぞれ直列または並列もしくは直列と並列との両方で接続され、定流電源3によって駆動される。
【0010】
本実施例では、街路灯本体1はさらにケース11とカバー12を有する。ケース11は、アーム7によって路面上の一定の高さの所に設置される。ケース11は、路面に対する底部に開口部111を有する。定流電源3及びLEDランプ板4は、ケース11の中に配置される。LEDランプ板4の上の数多くのLEDランプ41は、開口部111に対応する。放熱ユニット2は、LEDランプ板4に対応するケース11の外側に装着される。また、LEDランプ板4のLEDランプ41が配置された一側面に軟膏状の導熱シリコン樹脂及び柔軟性の導熱シリコンフィルム5を被せることにより、LEDランプ板4は放熱ユニット2と接続される。LEDランプ41は、はんだ付けによってLEDランプ板4に電気的に接続される。ケース11は、放熱ユニット2の上方にカバー12を有する。ケース11は、開口部111にすりガラス6を有する。
【0011】
LEDランプ板4の上の赤色光、緑色光、青色光の三色のLEDランプ41は、均等に配列される。そのうちの赤色光のLEDランプ41の波長は610nmから640nmであり、緑色光のLEDランプ41の波長は510nmから540nmであり、青色光のLEDランプ41の波長は450nmから480nmである。LEDの波長及び電流によって、LEDランプ板4の上の赤色光、緑色光、青色光の三色のLEDランプ41の輝度を一定の輝度比の範囲で調節し、白色光または暖白色光を生成する。赤色光、緑色光、青色光の三色のLEDランプ41のそれぞれの総輝度の比R:G:Bの範囲は、2≦R≦4、5G≦7、0.5≦B≦2である。本実施例では赤、緑、青の輝度比をR:G:B=3:6:1とする。
【0012】
各LEDランプ41は定流電源によって駆動されるため、ちらつき現象が発生することなく均質に発光し、本実施例によると街路灯の使用における用途・要求に応じることが可能なだけでなく、従来のLED街路灯のLEDランプと比べて使用寿命が長くなる。また道路照明の要求に応じるため、楕円形のレンズを用いると、発光面が楕円形になり、かつ、電力が80WであるLED街路灯を使用することができる。このLED光源から10メートルでの中心照度は42Luxより大きく、照射面が楕円形であるため、街路灯の要求を大いに満足させることができる。
【0013】
またLEDランプ板4は、軟膏状の導熱シリコン樹脂及び柔軟性の導熱シリコンフィルム5によって放熱ユニット2に接続されるため、LEDランプ41の熱エネルギーをよりよく導き出すことが可能であり、かつ、すりガラス6によって二次混色を行うため、表示した光色と実際の光色との一致がより良好に実現する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施例の外観を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施例の構造を示す断面の模式図である。
【符号の説明】
【0015】
1:街路灯本体、 11:ケース、 111:開口部、 12:カバー、 2:放熱ユニット、 3:定流電源、 4:LEDランプ板、 41:LEDランプ、 5:導熱シリコンフィルム、 6:すりガラス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
街路灯本体、放熱ユニット、定流電源及びLEDランプ板を備え、
路面上の一定の高さの所に設置され、路面に対向する底部に開口部を有しする街路灯本体と、
前記街路灯本体の中に配置されて前記開口部に対応した放熱ユニットと、
前記街路灯本体の中に配置されて安定した電流を供給する定流電源と、
前記街路灯本体において前記開口部に向かい合う所に設けられ、前記放熱ユニットと接続されたLEDランプ板と、を備え、
前記LEDランプ板は、前記放熱ユニットに向かい合う一側面において電気的に接続される赤、緑、青の三色光LEDランプを有し、前記赤、緑、青の三色光LEDランプがそれぞれ、直列または並列に、もしくは直列及び並列の両方で接続され、定流電源によって駆動されることを特徴とする白色光のLED街路灯。
【請求項2】
前記LEDランプ板の上の前記赤、緑、青の三色光LEDランプは、均等に配列されることを特徴とする請求項1に記載の白色光のLED街路灯。
【請求項3】
前記赤、緑、青の三色光LEDランプのうち、赤色光LEDランプの波長は610nmから640nmであり、緑色光LEDランプの波長は510nmから540nmであり、青色光LEDランプの波長は450nmから480nmであることを特徴とする請求項1に記載の白色光のLED街路灯。
【請求項4】
前記LEDランプ板の上の前記赤、緑、青の三色光LEDランプの総輝度比をR:G:Bとすると、2≦R≦4、5≦G≦7、及び0.5≦B≦2であることを特徴とする請求項1に記載白色光のLED街路灯。
【請求項5】
前記赤、緑、青の三色光LEDランプの照射光による照射面の形は楕円形であることを特徴とする請求項1に記載の白色光のLED街路灯。
【請求項6】
前記街路灯本体はさらにケースとカバーとを有し、
前記ケースはアームによって路面上の一定の高さの所に設置され、かつ、前記ケースは路面に対する底部に前記開口部を有し、
前記定流電源と前記LEDランプ板とは前記ケースの中に配置され、
前記LEDランプ板の上の数多くのLEDランプは前記開口部に対応し、
前記放熱ユニットは前記LEDランプ板に対応する前記ケースの外側に装着されることを特徴とする請求項1に記載の白色光のLED街路灯。
【請求項7】
前記LEDランプ板は、前記LEDランプが配置された一側面に軟膏状の導熱シリコン樹脂及び柔軟性の導熱シリコンフィルムを被せることにより前記放熱ユニットと接続されることを特徴とする請求項6に記載の白色光のLED街路灯。
【請求項8】
前記ケースは、前記開口部にすりガラスを有することを特徴とする請求項6に記載の白色光のLED街路灯。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−245846(P2009−245846A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−92812(P2008−92812)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(508098039)蘇州曼斯雷徳光電有限公司 (1)
【Fターム(参考)】