説明

LED調光点灯装置

【課題】低コストで製造できる、LEDの調光可能なLED調光点灯装置を提供する。
【解決手段】スイッチ部10は、つまみ16と連結し、回転自在の不導体部15と、根元が不導体部15に保持され、不導体部15から互いに離れる方向へ棒状に延びる第1導電部位11Aと、各第1導電部位11Aの先端と中心で連通する円弧状の第1導電部位11Bと、根元が不導体部15に保持され、不導体部15から互いに離れる方向へ棒状に延びる第2導電部位12Aと、各第2導電部位12Aの先端と中心で連通する円弧状の第2導電部位12Bと、ケーシング19の側面に円弧状に形成された複数の出力端子18と、を有する。ユーザはつまみ16を(例えば45度や90度に)回転し、第1導電部位11A、11Bを変位させることにより、駆動電流を供給して発光させる発光ダイオードL1〜L10の数を変えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、LEDの調光を行うLED調光点灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、duty制御によってLED(Light Emitting Diode)の調光を行うLED調光点灯装置が用いられている(特許文献1参照)。この特許文献1に示されている従来のLED調光点灯装置の構成を、図1を参照して説明する。
【0003】
図1は、特許文献1に示されているLED調光点灯装置9の構成を示す回路図である。LED調光点灯装置9は、ダイオードブリッジ回路DB90とトランスTとチョッパ制御用のスイッチング素子93とダイオードと平滑コンデンサC90とからなる直流電源回路DC90と、白色LEDアレイ91と、電球色LEDアレイ96と、DUTY制御用のスイッチング素子92と、スイッチング素子92、93を制御する制御回路94とを備える。
なお、トランスTの巻き数に関しては2次側を1次側より少なくし、直流電源回路DC90がダウンコンバータとなるようにしている。
【0004】
直流電源回路DC90は、商用交流電源ACの出力をダイオードブリッジ回路DB90で全波整流し、トランスTの1次側においてスイッチング素子93でチョッピングする。さらに、直流電源回路DC90は、トランスTの出力をダイオードで整流した後、コンデンサC90で平滑する。これにより、直流電源回路DC90から出力するDC電流が白色LEDアレイ91と電球色LEDアレイ96とに流れて複数のLEDが発光する。
【0005】
ここで、当該白色LEDアレイ91は、スイッチング素子92のon期間のみ電流が流れ、時間当りの平均電流により明るさが決まる。
制御回路94は、リモコン95から調光度を示す調光信号が入力される。制御回路94は、その調光度が暗くなるにつれ、スイッチング素子92のon−dutyを小さくするようにduty制御し、白色LEDアレイ91に流れる電流を減少させる。逆に、制御回路94は、その調光度が明るくなるにつれ、スイッチング素子92のon−dutyを大きくするようにduty制御し、白色LEDアレイ91に流れる電流を増加させる。
【0006】
以上のようにして、特許文献1に示されているLED調光点灯装置9は、duty制御によって白色LEDアレイ91の調光を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−111104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述のduty制御を行うためには、上記制御回路94をduty制御可能なLSIで構成したり、上記スイッチング素子92を電力制御用トランジスタで構成したりしなければならない。即ち、上述のduty制御を行うために、高価なLSIや電力制御用トランジスタが必要となる。
そのため、上記特許文献1のLED調光点灯装置9を含む従来のLED調光点灯装置では、LEDの調光を行う場合、製品コストが高くなってしまうという問題があった。
【0009】
そこで、この発明の目的は、低コストで製造できる、LEDの調光可能なLED調光点灯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のLED調光点灯装置は、前記課題を解決するために以下の構成を備えている。
【0011】
(1)交流電源に接続する第1導電部位と複数の出力端子とを有するスイッチ部と、
それぞれが並列に前記スイッチ部の各出力端子に接続された複数の整流回路と、
前記複数の整流回路のそれぞれに接続されたLEDと、を備え、
前記スイッチ部は、前記第1導電部位を変位させ、変位した前記第1導電部位の位置に応じて、前記第1導電部位と接続する前記出力端子の数を変える操作部材を有する。
【0012】
この構成において、交流電源から出力される交流電流はスイッチ部の第1導電部位に入力する。交流電流は、第1導電部位と接続する出力端子に流れ、出力端子に接続された整流回路に入力する。整流回路は、交流電流を整流して直流の駆動電流を生成し、整流回路に接続するLEDに駆動電流を供給する。これにより、LEDが発光する。
この構成では、ユーザが操作部材を操作し、第1導電部位を変位させる。これにより、変位した第1導電部位の位置に応じて、第1導電部位と接続する出力端子の数が変わる。このため、ユーザは、操作部材を操作することで、駆動電流を供給して発光させるLEDの数を変えることができる。即ち、ユーザは、操作部材を操作することで、LEDの調光を行うことができる。
よって、この構成では、高価なLSIや電力制御用トランジスタを用いずに、LEDの調光を行うことができる。従って、この構成によれば、低コストで製造できる、LEDの調光可能なLED調光点灯装置を提供することができる。
【0013】
(2)交流電源に接続する第1整流回路と、
前記第1整流回路に接続する第1導電部位と複数の出力端子とを有するスイッチ部と、
それぞれが並列に前記スイッチ部の各出力端子に接続された複数のLEDと、を備え、
前記スイッチ部は、前記第1導電部位を変位させ、変位した前記第1導電部位の位置に応じて、前記第1導電部位と接続する前記出力端子の数を変える操作部材を有する。
【0014】
この構成において、交流電源から出力される交流電流は第1整流回路に入力する。第1整流回路は、交流電源の出力を整流して直流の駆動電流を生成し、スイッチ部の第1導電部位に入力する。駆動電流は、第1導電部位と接続する出力端子に流れ、出力端子に接続されたLEDに供給される。これにより、LEDが発光する。
この構成では、ユーザが操作部材を操作し、第1導電部位を変位させる。これにより、変位した第1導電部位の位置に応じて、第1導電部位と接続する出力端子の数が変わる。このため、ユーザは、操作部材を操作することで、駆動電流を供給して発光させるLEDの数を変えることができる。即ち、ユーザは、操作部材を操作することで、LEDの調光を行うことができる。
よって、この構成では、高価なLSIや電力制御用トランジスタを用いずに、LEDの調光を行うことができる。従って、この構成によれば、低コストで製造できる、LEDの調光可能なLED調光点灯装置を提供することができる。
【0015】
(3)上記(1)において、人体を感知する人体感知センサと、
前記交流電源から出力された交流電流が入力する制御部と、を備え、
前記スイッチ部は、前記制御部と接続する第2導電部位を有し、
前記操作部材は、前記第2導電部位を変位させ、前記第2導電部位を前記第1導電部位に接続されていない全出力端子に接続し、
前記制御部は、
前記人体感知センサが人体を感知していないとき、前記スイッチ部の前記第2導電部位への前記交流電流の通過を遮断し、
前記人体感知センサが人体を感知したとき、前記スイッチ部の前記第2導電部位に前記交流電流を入力する。
【0016】
この構成では、ユーザが操作部材を操作して第1導電部位を変位させ、スイッチ部の全出力端子が第2導電部位に接続して第1導電部位に接続されていないスイッチオフ状態にする場面を想定している。
このスイッチオフ状態において、人が人体感知センサに感知された時、交流電流が第2導電部位に入力し、第2導電部位に接続する全出力端子に伝送される。これにより、各出力端子に接続する各整流回路で生成された駆動電流が各LEDに供給され、全LEDが発光する。
よって、この構成によれば、人(侵入者など)がスイッチオフ状態の装置本体に近づいた時でも全てのLEDを点灯させることができる。
【0017】
(4)上記(2)において、人体を感知する人体感知センサと、
前記交流電源から出力された交流電流が入力する制御部と、
前記制御部と接続する第2整流回路と、を備え、
前記スイッチ部は、前記第2整流回路と接続する第2導電部位を有し、
前記操作部材は、前記第2導電部位を変位させ、前記第2導電部位を前記第1導電部位に接続されていない全出力端子に接続し、
前記制御部は、
前記人体感知センサが人体を感知していないとき、前記第2整流回路への前記交流電流の通過を遮断し、
前記人体感知センサが人体を感知したとき、前記第2整流回路に前記交流電流を入力する。
【0018】
この構成では、ユーザが操作部材を操作して第1導電部位を変位させ、スイッチ部の全出力端子が第2導電部位に接続して第1導電部位に接続されていないスイッチオフ状態にする場面を想定している。
このスイッチオフ状態において、人が人体感知センサに感知された時、交流電流が第2整流回路に入力し、第2整流回路で生成された直流の駆動電流が第2導電部位に入力し、第2導電部位に接続する全出力端子に伝送される。これにより、駆動電流が各出力端子に接続する各LEDに供給され、全LEDが発光する。
よって、この構成によれば、人(侵入者など)がスイッチオフ状態の装置本体に近づいた時でも全てのLEDを点灯させることができる。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、低コストで製造できる、LEDの調光可能なLED調光点灯装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】特許文献1に示されているLED調光点灯装置9の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るLED調光点灯装置1を部屋Rに取り付けたときの様子を示す図である。
【図3】図3(A)は、図2に示すLED照明器具101の正面図である。図3(B)は、図2に示すLED照明器具101の側面図である。図3(C)は、照明グローブ100を外したときに露出するLED照明器具101の内部構成を示す正面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るLED調光点灯装置1の回路図である。
【図5】図4に示すLED調光点灯装置1の直流電源DC1の回路図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るLED調光点灯装置1においてつまみ16を45度回転させて半数のLEDを点灯させたときの回路図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るLED調光点灯装置1においてつまみ16を90度回転させて全LEDを点灯させたときの回路図である。
【図8】図4に示す人体感知センサ60と制御部50の動作を示す波形図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るLED調光点灯装置2の回路図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係るLED調光点灯装置を部屋Rに取り付けたときの様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
《第1の実施形態》
本発明の第1の実施形態に係るLED調光点灯装置について各図を参照して説明する。
【0022】
図2は、本発明の第1の実施形態に係るLED調光点灯装置1を部屋Rに取り付けたときの様子を示す図である。図3(A)は、図2に示すLED照明器具101の正面図であり、図3(B)は、同LED照明器具101の側面図である。図3(C)は、照明グローブ100を外したときに露出するLED照明器具101の内部構成を示す正面図である。LED調光点灯装置1は、LED照明器具101と、スイッチ部10とを備える。
【0023】
LED照明器具101は部屋Rの天井に取り付けられる。LED照明器具101は、半透明なプラスチック等からなる照明グローブ100と、照明グローブ100の内部に均等に配置された発光ダイオードL1〜L10と、発光ダイオードL1〜L10を保持し、不透明なプラスチック等からなる本体102と、を備える。照明グローブ100は、発光ダイオードL1〜L10の直線的な光を拡散させ、広範囲に照射させる。
【0024】
スイッチ部10は、LED照明器具101の本体102に取り付けられる。スイッチ部10は、回転軸となる円柱状の不導体部15と、不導体部15と連結され、不導体部15を回転させるつまみ16と、不導体部15を挿入する開口部が上面板に形成された円柱状のケーシング19と、を備える。不導体部15、つまみ16及びケーシング19の材質は樹脂である。
なお、不導体部15及びつまみ16は、本発明の「操作部材」に相当する。
【0025】
以上の構成では、ユーザが照明グローブ100を本体102から外し、つまみ16を回転させることで発光ダイオードL1〜L10の調光を行い、部屋Rの明るさを変える。以下、発光ダイオードL1〜L10の調光を行うLED調光点灯装置1の構成について詳述する。
【0026】
図4は、本発明の第1の実施形態に係るLED調光点灯装置1の構成を示す回路図である。図4中のスイッチ部10に関する図は、ケーシング19の上面板を外したときに露出する概略構成を示す平面透視図となっている。図5は、図4に示す直流電源DC1の回路図である。LED調光点灯装置1は、部屋R内に配置され、焦電素子等で構成される人体感知センサ60と、交流電源AC及び人体感知センサ60に接続する制御部50と、制御部50及び交流電源ACに接続するスイッチ部10と、スイッチ部10に接続する複数の直流電源DC1〜DC10と、複数の直流電源DC1〜DC10に接続する複数の発光ダイオードL1〜L10と、を備える。
【0027】
スイッチ部10は、図2に示すつまみ16と連結し、回転自在の不導体部15と、根元が不導体部15に保持され、不導体部15から互いに離れる方向へ棒状に延びる第1導電部位11Aと、各第1導電部位11Aの先端と中心で連通する円弧状の第1導電部位11Bと、根元が不導体部15に保持され、不導体部15から互いに離れる方向へ棒状に延びる第2導電部位12Aと、各第2導電部位12Aの先端と中心で連通する円弧状の第2導電部位12Bと、ケーシング19の側面に円弧状に形成された複数の出力端子18と、を有する。第1導電部位11A、11Bと第2導電部位12A、12Bとは同じ形状である。そして、第1導電部位11Aは交流電源ACに接続されており、第2導電部位12Aは制御部50に接続されている。
【0028】
さらに、スイッチ部10は、図2及び図4に示すように、第1導電部位11A、11Bを変位させ、変位した第1導電部位11A、11Bの位置に応じて、第1導電部位11Bと接続する出力端子18の数を変えるつまみ16及び不導体部15を有する。
【0029】
なお、図4及び後述の図9では、第2導電部位12Bと出力端子18との間に隙間を少し空けて図示しているが、実際は隙間が存在せず、両者は接する。第1導電部位11Bと出力端子18との間の隙間も同様に、後述の図6、図7に示すように第1導電部位11Bが回転した際、両者は接する。
また、制御部50とスイッチ部10は不図示の制御線で互いに接続されている。スイッチ部10がオフ状態になった時、電気信号が制御線を介して制御部50に入力し、制御部50がオンする。
【0030】
複数の直流電源DC1〜DC10のそれぞれは、スイッチ部10の各出力端子18に並列に接続されている。直流電源DC1は図5に示すように整流回路DB1と平滑コンデンサC1から構成されている。その他の直流電源DC2〜DC10も直流電源DC1と同じ整流回路DB1と平滑コンデンサC1から構成されている。
【0031】
発光ダイオードL1〜L10のそれぞれは、複数の直流電源DC1〜DC10のそれぞれに1対1で接続されている。
【0032】
以上の構成において、交流電源ACから出力される交流電流はスイッチ部10の第1導電部位11Aに入力する。交流電流は、第1導電部位11Bと接続する出力端子18に流れ、出力端子18に接続された直流電源DCに入力する。直流電源DCは、スイッチ部10の出力を整流・平滑して直流の駆動電流を生成し、直流電源DCに接続する発光ダイオードLに駆動電流を供給する。これにより、発光ダイオードLが発光する。
【0033】
図6は、本発明の第1の実施形態に係るLED調光点灯装置1においてつまみ16を45度回転させて半数のLEDを点灯させたときの回路図であり、図7は、同LED調光点灯装置1においてつまみ16を90度回転させて全LEDを点灯させたときの回路図である。
【0034】
この実施形態では、ユーザが図2に示すつまみ16を(例えば45度や90度に)回転し、第1導電部位11A、11Bを変位させる。これにより、変位した第1導電部位11A、11Bの位置に応じて、第1導電部位11Bと接続する出力端子18の数が変わる(図4、図6、図7参照)。このため、ユーザは、つまみ16を操作することで、駆動電流を供給して発光させる発光ダイオードL1〜L10の数を変えることができる。即ち、ユーザは、つまみ16を操作することで、発光ダイオードL1〜L10の調光を行うことができる。
【0035】
よって、LED調光点灯装置1では、高価なLSIや電力制御用トランジスタを用いずに、発光ダイオードL1〜L10の調光を行うことができる。従って、この実施形態によれば、低コストで製造できる、発光ダイオードL1〜L10の調光可能なLED調光点灯装置1を提供することができる。
【0036】
次に、ユーザがつまみ16を操作して第1導電部位11A、11Bを変位させ、スイッチ部10の全出力端子18が第2導電部位12Bに接続され第1導電部位11Bに接続されていないスイッチオフ状態にした場面(図4参照)について説明する。
【0037】
図8は、図4に示す人体感知センサ60と制御部50の動作を示す波形図である。
制御部50には、交流電源ACから出力された交流電流が入力する(図4参照)。制御部50は、図8に示すように、人体感知センサ60が人体を感知していない時、スイッチ部10の第2導電部位12Aへの交流電流の通過を遮断する。このため、スイッチオフ状態では、全発光ダイオードL1〜L10が消灯状態となる。
【0038】
しかし、制御部50は、図8に示すように、人体感知センサ60が人体を感知した時、スイッチ部10の第2導電部位12Aに交流電流を入力する。そして、制御部50は第2導電部位12Aへの交流電流の入力を、人体感知センサ60が最後に人体を感知した時から所定時間(この実施形態では60秒間)が経過するまで継続する。このため、人が人体感知センサ60に感知された時、交流電流が第2導電部位12Aに入力し、第2導電部位12Bに接続する全出力端子18に伝送される。これにより、各出力端子18に接続する各直流電源DC1〜DC10で生成された駆動電流が各発光ダイオードL1〜L10に供給され、全発光ダイオードL1〜L10が発光する。
【0039】
よって、このLED調光点灯装置1によれば、人(侵入者など)がスイッチオフ状態の装置本体に近づいた時でも全ての発光ダイオードL1〜L10を点灯させることができる。
【0040】
また、上記所定時間が経過した後、制御部50は第2導電部位12Aへの交流電流の通過を再び遮断する(図8参照)。そのため、全ての発光ダイオードL1〜L10が再び消灯状態に戻る。よって、このLED調光点灯装置1によれば、全ての発光ダイオードL1〜L10が自動的に消灯するため、消費電力を削減できる。
【0041】
《第2の実施形態》
図9は、本発明の第2の実施形態に係るLED調光点灯装置2の回路図である。LED調光点灯装置2が図4に示すLED調光点灯装置1と相違する点は、直流電源DC1〜DC10の代わりに直流電源DC21、DC22を備える点である。直流電源DC21、DC22のそれぞれは、直流電源DC1と同様に、整流回路と平滑コンデンサからなる。
【0042】
この構成において、交流電源ACから出力される交流電流は直流電源DC21に入力する。直流電源DC21は、交流電源ACの出力を整流・平滑して直流の駆動電流を生成し、スイッチ部10の第1導電部位11Aに入力する。駆動電流は、第1導電部位11Bと接続する出力端子18に流れ、出力端子18に接続された発光ダイオードLに駆動電流を抵抗を介して供給される。これにより、発光ダイオードLが発光する。
【0043】
この実施形態においても、ユーザが図2に示すつまみ16を(例えば45度や90度に)回転し、第1導電部位11A、11Bを変位させることで、変位した第1導電部位11A、11Bの位置に応じて、第1導電部位11Bと接続する出力端子18の数が変わる(図9、図6、図7参照)。このため、ユーザは、つまみ16を操作することで、駆動電流を供給して発光させる発光ダイオードL1〜L10の数を変えることができる。即ち、ユーザは、つまみ16を操作することで、発光ダイオードL1〜L10の調光を行うことができる。
【0044】
よって、この実施形態のLED調光点灯装置2においても同様に、高価なLSIや電力制御用トランジスタを用いずに、発光ダイオードL1〜L10の調光を行うことができる。従って、この実施形態においても、低コストで製造できる、発光ダイオードL1〜L10の調光可能なLED調光点灯装置2を提供することができる。
【0045】
次に、ユーザがつまみ16を操作して第1導電部位11A、11Bを変位させ、スイッチ部10の全出力端子18が第2導電部位12Bに接続され第1導電部位11Bに接続されていないスイッチオフ状態にした場面(図9参照)について説明する。
【0046】
制御部50には、交流電源ACから出力された交流電流が入力される。制御部50は、図8に示すように、人体感知センサ60が人体を感知していない時、直流電源DC22への交流電流の通過を遮断する。このため、スイッチオフ状態では、全発光ダイオードL1〜L10が消灯状態となる。
【0047】
しかし、制御部50は、図8に示すように、人体感知センサ60が人体を感知した時、直流電源DC22に交流電流を入力する。そして、制御部50は直流電源DC22への交流電流の入力を、人体感知センサ60が最後に人体を感知した時から所定時間(この実施形態では60秒間)が経過するまで継続する。このため、人が人体感知センサ60に感知された時、直流電源DC22で生成された直流の駆動電流が第2導電部位12Aに入力し、第2導電部位12Bに接続する全出力端子18に伝送される。これにより、各出力端子18に接続する各発光ダイオードL1〜L10に駆動電流が供給され、全発光ダイオードL1〜L10が発光する。
【0048】
よって、このLED調光点灯装置2によれば、人(侵入者など)がスイッチオフ状態の装置本体に近づいた時でも全ての発光ダイオードL1〜L10を点灯させることができる。
【0049】
また、上記所定時間が経過した後、制御部50は直流電源DC22への交流電流の通過を再び遮断する(図8参照)。そのため、全ての発光ダイオードL1〜L10が再び消灯状態に戻る。よって、このLED調光点灯装置2においても同様に、全ての発光ダイオードL1〜L10が自動的に消灯するため、消費電力を削減できる。
【0050】
《他の実施形態》
以上の実施形態では、LEDを10個設けているが、実施の際は、LEDを何個設けても構わない。例えばLEDを100個設けた場合、ユーザは、LEDの点灯数を0個〜100個の間で変えることで、調光度を0%〜100%の範囲で自由に変えることができる。ただし、第1の実施形態に係るLED調光点灯装置1であれば、LEDの数に応じた直流電源を設ける必要がある。
【0051】
また、LEDの配置パターンも図3に示す配置パターンに限らず、その他の配置パターンを採用しても構わない。ただし、LEDの光が直線的なため、図3に示すように、調光を行った際に消灯したLEDが極力目立たないよう配置するのが好ましい。
【0052】
また、以上の実施形態では、図2、図3に示すように操作部10を本体102に取り付けているが、実施の際は、図10に示すようにスイッチ部10を部屋Rの壁に取り付けても構わない。この場合、ユーザは、照明グローブ100を本体102から外すことなく、壁に取り付けられているつまみ16を回転させることで発光ダイオードL1〜L10の調光を行い、部屋Rの明るさを変える。
【0053】
なお、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0054】
1…LED調光点灯装置
2…LED調光点灯装置
9…LED調光点灯装置
10…スイッチ部
11A、11B…第1導電部位
12A、12B…第2導電部位
15…不導体部
18…出力端子
19…ケーシング
50…制御部
60…人体感知センサ
91…LEDアレイ
92…スイッチング素子
93…スイッチング素子
94…制御回路
95…リモコン
96…LEDアレイ
100…照明グローブ
101…LED照明器具
102…本体
AC…交流電源
DC1〜DC10…直流電源
DC21、DC22…直流電源
DC90…直流電源
L1〜L10…発光ダイオード
R…部屋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源に接続する第1導電部位と複数の出力端子とを有するスイッチ部と、
それぞれが並列に前記スイッチ部の各出力端子に接続された複数の整流回路と、
前記複数の整流回路のそれぞれに接続されたLEDと、を備え、
前記スイッチ部は、前記第1導電部位を変位させ、変位した前記第1導電部位の位置に応じて、前記第1導電部位と接続する前記出力端子の数を変える操作部材を有するLED調光点灯装置。
【請求項2】
交流電源に接続する第1整流回路と、
前記第1整流回路に接続する第1導電部位と複数の出力端子とを有するスイッチ部と、
それぞれが並列に前記スイッチ部の各出力端子に接続された複数のLEDと、を備え、
前記スイッチ部は、前記第1導電部位を変位させ、変位した前記第1導電部位の位置に応じて、前記第1導電部位と接続する前記出力端子の数を変える操作部材を有するLED調光点灯装置。
【請求項3】
人体を感知する人体感知センサと、
前記交流電源から出力された交流電流が入力する制御部と、を備え、
前記スイッチ部は、前記制御部と接続する第2導電部位を有し、
前記操作部材は、前記第2導電部位を変位させ、前記第2導電部位を前記第1導電部位に接続されていない全出力端子に接続し、
前記制御部は、
前記人体感知センサが人体を感知していないとき、前記スイッチ部の前記第2導電部位への前記交流電流の通過を遮断し、
前記人体感知センサが人体を感知したとき、前記スイッチ部の前記第2導電部位に前記交流電流を入力する請求項1に記載のLED調光点灯装置。
【請求項4】
人体を感知する人体感知センサと、
前記交流電源から出力された交流電流が入力する制御部と、
前記制御部と接続する第2整流回路と、を備え、
前記スイッチ部は、前記第2整流回路と接続する第2導電部位を有し、
前記操作部材は、前記第2導電部位を変位させ、前記第2導電部位を前記第1導電部位に接続されていない全出力端子に接続し、
前記制御部は、
前記人体感知センサが人体を感知していないとき、前記第2整流回路への前記交流電流の通過を遮断し、
前記人体感知センサが人体を感知したとき、前記第2整流回路に前記交流電流を入力する請求項2に記載のLED調光点灯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−204424(P2011−204424A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69563(P2010−69563)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000001074)クロイ電機株式会社 (49)
【Fターム(参考)】