説明

T細胞死誘導エピトープ

【課題】細胞死誘導エピトープおよびそれを含むポリペプチドである。活性化T細胞の細胞死を誘導するための化合物、前記エピトープに対する抗体の製造方法、前記エピトープに結合する化合物の同定方法、活性化T細胞の細胞死の誘導方法、および前記化合物を含む医薬組成物もまた、提供する。
【解決手段】X1−X2−X3−X4−X5で表される単離されたエピトープの3次元構造であって、活性化T細胞上の前記エピトープへのリガンドの結合により前記活性化T細胞の細胞死が誘導され、X1がTyr、Trp、HisまたはMetであり;X2がAspであり;X3がSer、Phe、Pro、GluまたはHisであり;X4が任意のアミノ酸であり;X5がPro、Tyr、HisまたはTrpである、エピトープの3次元構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、その内容が全体として参照により引用される、2004年5月11日に出願された米国仮出願第60/570,161号の優先権を主張する。
【0002】
背景
自己免疫疾患、移植片拒絶反応、アレルギー疾患、およびT細胞由来の癌の治療においては、望ましくない免疫反応の制御が重要である。過度に攻撃的なT細胞の活性は、免疫抑制によって、または免疫寛容の誘導によって、抑えられうる。免疫系の機能の適切な維持や、過度に攻撃的なT細胞のような望ましくない細胞の除去には、アポトーシスが関与していると考えられている(Kabelitz et al. (1993) Immunol Today 14, 338−340; and Raff (1992) Nature 356, 397−399)。
【発明の概要】
【0003】
要約
本願は、T細胞死誘導エピトープに関する。当該エピトープは特に、当該エピトープに結合する化合物を選択するために用いられうる。かような化合物は、過度に攻撃的なT細胞が関与する疾患の治療に有用である。かような疾患の例としては、自己免疫疾患、移植片拒絶反応、アレルギー疾患、およびT細胞由来の癌が挙げられる。
【0004】
一形態において、本発明は、単離されたエピトープの3次元構造を特徴とする。活性化T細胞上の当該エピトープにリガンドが結合すると、当該活性化T細胞の細胞死が誘導される。かようなエピトープは、以下により表される。
【0005】
(1)X−X−X−X−X(配列番号1)、ここで、
はTyr、Trp、HisまたはMetであり;
はAspであり;
はSer、Phe、Pro、GluまたはHisであり;
は任意のアミノ酸であり;
はPro、Tyr、HisまたはTrpである。
【0006】
(2)X−X−X−X−X10(配列番号2)、ここで、
はAspであり;
はTyr、Met、Asn、TrpまたはPheであり;
はPheまたはLeuであり;
はProであり;
10はGluである。
【0007】
(3)X11−X12−X13−X14(配列番号3)、ここで、
11はProであり;
12はMetであり;
13はGluまたはSerであり;
14はIleである。
【0008】
上述したこれらのエピトープはいずれも、例えばポリペプチド、2つのポリペプチドの相互作用領域、糖質部分、糖タンパク質、またはこれらの構造的、機能的な等価物でありうる。
【0009】
他の形態において、本発明は、X−X−X−X−X、X−X−X−X−X10、またはX11−X12−X13−X14を含む単離されたポリペプチドを特徴とする。活性化T細胞上の当該ポリペプチドにリガンドが結合すると、当該活性化T細胞の細胞死が誘導される。一実施形態において、当該ポリペプチドは、4〜400のアミノ酸を含む(例えば、4から400の間の任意の整数、両端を含む)。例えば、当該ポリペプチドは、X−X−X−X−X(配列番号1)、X−X−X−X−X10(配列番号2)、X11−X12−X13−X14(配列番号3)、または配列番号4、6〜18および20〜22のいずれかでありうる。
【0010】
「単離されたエピトープ」または「単離されたポリペプチド」とは、天然に関連した分子を実質的に含まない、すなわち、乾燥重量で少なくとも75%(例えば、75%から100%の間の任意の数、両端を含む)の純度を有することを意味する。純度は、適当な標準的な方法、例えば、カラムクロマトグラフィ、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、またはHPLC分析によって測定されうる。本発明の単離されたエピトープまたはポリペプチドは、組換えDNA技術または化学的手法により製造された自然源から精製されうる。
【0011】
さらに他の形態において、本発明は、上述したエピトープの1つに結合する新規な化合物を特徴とする。当該化合物は、モノクローナル抗体などの抗体といった、任意の種類の分子でありうる。本発明の化合物は、本発明のエピトープを検出する目的、および活性化T細胞の細胞死を誘導する目的で用いられうる。
【0012】
抗体の製造方法もまた、本発明の技術的範囲に包含される。当該方法は、上述したエピトープ(例えば、ポリペプチド)の有効量を被験者に投与することを含む。当該抗体は、本発明のエピトープを検出する目的、または活性化T細胞の細胞死を誘導する目的で用いられうる。
【0013】
本発明はまた、活性化T細胞の細胞死を誘導する候補化合物(例えば、モノクローナル抗体)の同定方法をも特徴とする。当該方法は、試験化合物を本発明のエピトープと接触させること、および前記試験化合物が前記エピトープに結合するかどうかを決定することを含む。前記試験化合物が前記エピトープに結合したら、当該化合物は活性化T細胞の細胞死を誘導する候補化合物である。
【0014】
本発明はさらに、活性化T細胞を本発明の化合物と接触させることにより、活性化T細胞の細胞死を誘導する方法を特徴とする。
【0015】
さらに他の形態において、本発明は、製薬上許容できる担体、および、(1)ポリペプチドなどの本発明のエピトープ、または(2)前記エピトープに結合する化合物を含む医薬組成物を特徴とする。
【0016】
本発明は、自己免疫疾患、移植片拒絶反応、アレルギー疾患、およびT細胞由来の癌といった、過度に攻撃的なT細胞が関与する疾患を治療するための組成物および方法を提供する。本発明の1つまたは2つ以上の実施形態の詳細を以下に記載する。本発明の他の特徴、目的および利点は、以下の詳細な説明から明らかである。
【0017】
詳細な説明
本発明は、活性化T細胞のアポトーシスの誘導が可能であり、新規なT細胞死誘導エピトープの使用により活性化T細胞が減少しうるという予期せぬ発見に基づいている。
【0018】
活性化T細胞を減少させることは、過剰な、または望ましくない、T細胞が媒介する免疫応答またはT細胞の増殖に関連した症状を治療するのに特に有用である。例えば、活性化T細胞が減少すると、自己免疫疾患、移植片拒絶反応、アレルギー疾患、およびT細胞由来の癌に関与する望ましくないT細胞の活性または増殖が低下または消失しうる。
【0019】
そこで、本発明は、単離されたエピトープの3次元構造を特徴とする。活性化T細胞上の前記エピトープへのリガンドの結合により、前記活性化T細胞の細胞死が誘導される。当該エピトープは、X−X−X−X−X、X−X−X−X−X10、またはX11−X12−X13−X14で表される。X−X−X−X−X、X−X−X−X−X10、またはX11−X12−X13−X14の3次元構造は、例えば、Duggan et al., (1995) J Med Chem. 38:3332−41およびToogood (2002) J Med Chem. 45: 1543−57に記載されているようなコンピュータモデリングプログラムを用いて決定されうる。構造的、機能的に等価なエピトープは、X−X−X−X−X、X−X−X−X−X10、またはX11−X12−X13−X14の3次元構造に従って設計され、本技術分野において公知の手法を用いて調製され、後述する実施例に記載の手法などの手法によって、活性化T細胞の細胞死の誘導に関与する活性を試験されうる。例えば、Barbas et al. (2001) Phage display、A laboratory manual. CSHL Press; Parmley et al. (1998) Gene 73, 305−318; Scott et al. (1990) Science 249, 386−390; U.S. Patent Application No. 20030049252 Al; WO 03/013603 Al; Osborne (1996) Curr Opin Immunol 8:245−248; Lin et al. (1997) J. Immunol. 158, 598−603; Zhang et al. (1995) Nature 377, 348−350; Lai et al. (1995) Eur J Immunol 25, 3243−3248; Mollereau et al. (1996) J Immunol 156, 3184−3190; and Gribben et al. (1995) Proc Natl Acad Sci USA 92, 811−815を参照。
【0020】
本明細書で用いられる場合、「活性化T細胞」とは、非活性化T細胞よりも増殖頻度が多く、増殖速度が速く、または増殖の程度が高いT細胞を意味する。細胞の「死」としては、プログラム細胞死、すなわち、アポトーシスが挙げられる。ある剤による「細胞死の誘導」とは、当該剤で処理された細胞の集団が、処理されていない細胞の集団と比較して、死滅速度が速いことを意味する。例えば、アネキシンV染色およびFACS分析(後述する実施例を参照)により測定すると、モノクローナル抗体であるm128−9F9、m152−15A7またはm166−43B6で処理した場合にアポトーシスを起こすインビトロの活性化T細胞の百分率は、処理していない細胞と比較して約2倍である。
【0021】
本発明はまた、X−X−X−X−X、X−X−X−X−X10、またはX11−X12−X13−X14を含む単離されたポリペプチドをも特徴とする。当該ポリペプチドは、活性化T細胞の細胞死を誘導する化合物を同定するのに用いられうる。かような化合物が活性化T細胞の表面上に発現したポリペプチドに結合すると、細胞死が誘導される。さらに、遊離ポリペプチド(すなわち、細胞表面上に発現していないポリペプチド)は、内因性の細胞死誘導リガンドを求めて細胞表面のポリペプチドと競合することにより、望ましくない細胞死を阻害しうる。ポリペプチドの配列の長さは、その用途に応じて変動しうる。本発明のポリペプチドは、例えば、単離されたT細胞表面タンパク質、合成ポリペプチド、または組換えポリペプチドとして得られる。組換えポリペプチドを調製するには、当該ポリペプチドをコードする核酸を、例えばグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、6x−Hisエピトープタグ、またはM13遺伝子3タンパク質などの融合パートナーをコードする他の核酸に連結すればよい。得られた融合核酸は、適切な宿主細胞中で融合タンパク質を発現し、当該タンパク質は標準的な手法により単離されうる。単離された融合タンパク質は、融合パートナーを除去し、本発明の組換えポリペプチドを得る目的で、例えば酵素消化によりさらに処理されうる。
【0022】
本発明のエピトープまたはポリペプチドは、動物(抗体製造の目的)またはヒト(疾患治療の目的)において抗体を産生させるのに用いられうる。動物においてモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体並びにこれらの断片を作製する手法は、本技術分野において公知である。例えば、Harlow and Lane, (1988) Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, New Yorkを参照。「抗体」との語は、Fab、F(ab’)、Fv、scFv(一本鎖抗体)、およびdAb(ドメイン抗体;Ward, et. al. (1989) Nature, 341, 544)などの、無傷の分子およびその断片を含む。これらの抗体は、例えばエピトープに結合する化合物を同定する際に、エピトープを検出するのに用いられうる(以下を参照)。活性化T細胞の細胞死を誘導しうる抗体はまた、自己免疫疾患、移植片拒絶反応、アレルギー疾患、およびT細胞由来の癌などの疾患を治療するのにも有用である。一般に、本発明のエピトープ(例えば、ポリペプチド)は、KLHなどのキャリアタンパク質と結合され、アジュバントと混合され、宿主動物に注射されうる。当該動物において製造された抗体は、次いでペプチドアフィニティクロマトグラフィにより精製されうる。一般的に用いられている宿主動物としては、ウサギ、マウス、モルモット、およびラットが挙げられる。免疫応答を増強するのに用いられうる種々のアジュバントは宿主の種類に依存し、フロイントアジュバント(完全および不完全)、水酸化アルミニウムなどのミネラルゲル、リゾレシチンなどの界面活性物質、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油性エマルジョン、スカシ貝ヘモシアニンおよびジニトロフェノールが挙げられる。有用なヒトアジュバントとしては、BCG(バシル カルメット−グエリン(bacille Calmette−Guelin))およびコリネバクテリウム パルブム(Corynebacterium parvum)が挙げられる。
【0023】
免疫された被験者の血清中には、ポリクローナル抗体、抗体分子の混成集団が存在する。特定の抗原に対するモノクローナル抗体、抗体の混成集団は、標準的なハイブリドーマ技術を用いて調製されうる(例えば、Kohler et al. (1975) Nature 256, 495; Kohler et al. (1976) Eur J Immunol 6, 511; Kohler et al. (1976) Eur J Immunol 6, 292; and Hammerling et al. (1981) Monoclonal Antibodies and T Cell Hybridomas, Elsevier, N.Y.を参照)。特に、モノクローナル抗体は、Kohler et al. (1975) Nature 256, 495および米国特許第4,376,110号に記載のような培養下の連続継代細胞系、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kosbor et al. (1983) Immunol Today 4, 72; Cole et al. (1983) Proc Natl Acad Sci USA 80, 2026)、並びにEBV−ハイブリドーマ技術(Cole et al. (1983) Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc., pp. 77−96)による抗体分子の製造を提供する任意の技術により得られる。かような抗体は、IgG、IgM、IgE、IgA、IggDおよびこれらの任意のサブクラスのいずれの免疫グロブリンクラスであってもよい。本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、インビトロまたはインビボで培養されうる。インビボでモノクローナル抗体を高力価で産生しうるハイブリドーマによれば、特に有用な製造方法となる。
【0024】
さらに、「キメラ抗体」の製造のために開発された技術も、用いられうる。例えば、Morrison et al. (1984) Proc Natl Acad Sci USA 81, 6851; Neuberger et al. (1984) Nature 312, 604;およびTakeda et al. (1984) Nature 314:452を参照。キメラ抗体は、マウスモノクローナル抗体由来の可変領域とヒト免疫グロブリンの定常領域とを有する抗体のような、異なる部位が異なる動物種由来である分子である。あるいは、単鎖抗体の製造のために開示されている技術を採用して、単鎖Fv抗体のファージライブラリを製造してもよい。単鎖抗体は、Fv領域の重鎖断片および軽鎖断片をアミノ酸架橋を介して連結することにより形成される。さらに、抗体断片は、公知の技術により製造されうる。例えば、かような断片としては、以下に制限されないが、抗体分子のペプシン消化により製造されるF(ab’)断片、およびF(ab’)2断片のジスルフィド架橋を還元することにより得られるFab断片が挙げられる。抗体はまた、本技術分野において公知の方法によりヒト化されうる。例えば、所望の結合特異性を有するモノクローナル抗体は、商業的にヒト化されうる(Scotgene, Scotland; and Oxford Molecular, Palo Alto, Calif.)。トランスジェニック動物で発現している抗体のような完全ヒト化抗体もまた、本発明の特徴である(例えば、Green et al. (1994) Nature Genetics 7, 13;並びに米国特許第5,545,806号および第5,569,825号を参照)。
【0025】
本発明はさらに、本発明のエピトープに結合して活性化T細胞の細胞死を誘導する新規な化合物を特徴とする。かような化合物は、エピトープの3次元構造に従って、例えばコンピュータモデリングプログラムを用いて設計され、本技術分野において公知の手法を用いて合成されうる。当該化合物はまた、後述するライブラリスクリーニングによって同定されうる。
【0026】
試験化合物は、本技術分野において公知のコンビナトリアルライブラリ法における膨大なアプローチのいずれかを用いて得られる。かようなライブラリとしては、ペプチドライブラリ、ペプトイドライブラリ(ペプチドの機能を有するが、酵素分解に耐性の新規な非ペプチド主鎖を有する分子のライブラリ)、空間アドレス可能な並行固相または液相ライブラリ、デコンボリューション(deconvolution)またはアフィニティクロマトグラフィ選択により得られる合成ライブラリ、「1ビーズ1化合物」ライブラリ、および抗体ライブラリが挙げられる。例えば、Zuckermann et al. (1994) J Med Chem 37, 2678−85; Lam (1997) Anticancer Drug Des 12, 145; Lam et al. (1991) Nature 354, 82; Houghten et al. (1991) Nature 354, 84; and Songyang et al. (1993) Cell 72, 767を参照。
【0027】
分子ライブラリを合成する方法の例は、本技術分野において例えば、DeWitt et al. (1993) PNAS USA 90, 6909; Erb et al. (1994) PNAS USA 91, 11422; Zuckermann et al. (1994) J Med Chem 37, 2678; Cho et al. (1993) Science 261, 1303; Carrell et al. (1994) Angew Chem Int Ed Engl 33, 2059; Carell et al. (1994) Angew Chem Int Ed Engl 33, 2061; and Gallop et al. (1994) J Med Chem 37,1233に記載されている。
【0028】
化合物のライブラリは、溶液中(例えば、Houghten (1992) Biotechniques 13, 412−421)、ビーズ上(Lam (1991) Nature 354, 82−84)、チップ(Fodor (1993) Nature 364, 555−556)、細菌(米国特許第5,223,409号)、胞子(米国特許第5,223,409号)、プラスミド(Cull et al. (1992) PNAS USA 89, 1865−1869)、またはファージ(Scott and Smith (1990) Science 249, 386−390; Devlin (1990) Science 249, 404−406; Cwirla et al. (1990) PNAS USA 87,6378−6382; Felici (1991) J Mol Biol 222,301−310;および米国特許第5,223,409号)として提供されうる。
【0029】
活性化T細胞の細胞死を誘導する候補化合物を同定するには、本発明のエピトープを試験化合物と接触させ、当該化合物の前記エピトープへの結合を評価する。前記化合物がエピトープに結合すれば、当該化合物は活性化T細胞の細胞死を誘導する候補である。
【0030】
スクリーニングアッセイは、種々の方法で行われうる。例えば、ある方法ではエピトープ(もしくはエピトープ含有分子、例えば、ポリペプチドもしくは融合タンパク質)または試験化合物を固相上に固定し、反応の終了時に当該固相上に形成されたエピトープ−試験化合物複合体を検出する。実際には、固相としてマイクロタイタープレートが簡便に用いられうる。アンカー成分は、非共有結合または共有結合によって固定化されうる。非共有結合は、単にアンカー成分の溶液で固相表面をコーティングし、プレートを乾燥させることにより、達成されうる。あるいは、前記アンカー成分に特異的な、固定化された抗体(例えば、モノクローナル抗体)が、アンカー成分を固相表面に固定化するのに用いられうる。アンカー成分でコーティングされた固相表面には、非アンカー成分が添加される。反応が完結したら、形成された複合体が固相表面上に固定化されたままでいるような条件下で、(例えば洗浄によって)非アンカー成分の未結合画分を除去する。かような複合体の検出は、多種の方法で達成されうる。非アンカー成分がプレラベル化されている場合には、固相表面上に固定化されたラベルが検出されれば、複合体が形成されたことが示される。非アンカー成分がプレラベル化されていない場合には、間接的なラベルを用いて、例えば、非アンカー成分に特異的な抗体(当該抗体は直接ラベル化されていてもよいし、ラベル化された抗Ig抗体を用いて間接的にラベル化されていてもよい)を用いて、固相上に形成された複合体を検出しうる。
【0031】
あるいは、反応は液相中で行われうる。複合体は、例えばエピトープ(もしくはエピトープ含有分子)または試験化合物に特異的な固定化された抗体を用いて、未結合成分と分離される。当該複合体は次いで、例えば他の成分に特異的なラベル化抗体を用いて検出される。
【0032】
候補化合物は、後述する実施例に記載の方法または本技術分野において公知の任意の他の方法を用いて、活性化T細胞の細胞死の誘導能を評価することにより有効性が確認されうる。確認された化合物は、活性化T細胞の細胞死を誘導する目的で、および自己免疫疾患、移植片拒絶反応、アレルギー疾患、およびT細胞由来の癌の治療などの疾患を治療する目的で、用いられうる。
【0033】
本発明は、例えば活性化T細胞をインビトロで本発明の化合物に接触させることにより、または本発明の化合物の有効量をそれを必要とする被験者に投与することにより、活性化T細胞の細胞死を誘導する方法を提供する。処置される被験者は、過剰なまたは望ましくないT細胞が媒介する免疫応答により特徴づけられる症状を示している、または示す危険があると判定されうる。例えば、自己免疫疾患、移植片拒絶反応、アレルギー疾患、およびT細胞由来の癌に罹患した患者である。この方法は、単独で行われてもよいし、他の薬剤または治療法と組み合わせて行われてもよい。
【0034】
「治療」という語は、障害、障害の兆候、障害に続発する疾患状態または障害の素因を治癒させ、緩和させ、軽減させ、修復させ、予防し、または改善させる目的での、被験者への組成物の投与として定義される。「有効量」は、処置された患者において、例えば上述したような医学的に望ましい結果を生み出すことができる組成物の量である。
【0035】
治療される疾患の例としては、以下に制限されないが、糖尿病、関節炎(関節リウマチ、若年性関節リウマチ、変形性関節炎、および乾癬性関節炎など)、多発性硬化症、脳脊髄炎、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、自己免疫性甲状腺炎、皮膚炎(アトピー性皮膚炎および湿疹様皮膚炎など)、乾癬、シェーグレン症候群、クローン病、アフター性潰瘍、虹彩炎、結膜炎、角結膜炎、I型糖尿病、炎症性腸管疾患、潰瘍性大腸炎、喘息、アレルギー性喘息、皮膚エリテマトーデス、強皮症、膣炎、直腸炎、薬剤性発疹、ハンセン病の逆転反応、癩性結節性紅斑、自己免疫性ブドウ膜炎、アレルギー性脳脊髄炎、急性壊死性出血性脳障害、特発性両側性進行性感音難聴、再生不良性貧血、赤芽球性貧血、特発性血小板減少症、多発性軟骨炎、ヴェーゲナー肉芽腫症、慢性活動性肝炎、スティーブンス・ジョンソン症候群、特発性スプルー、扁平苔癬、グレーブス病、サルコイドーシス、原発性胆汁性肝硬変、後部ブドウ膜炎、間質性肺線維症、移植片対宿主病、骨髄移植、肝移植または任意の器官もしくは組織の移植などの移植のケース(同種異系または異種の組織を用いた移植など)、アトピー性アレルギーなどのアレルギー、エイズ(AIDS)、および白血病またはリンパ腫などのT細胞新生物が挙げられる。
【0036】
1種のインビボアプローチでは、治療用組成物(例えば、本発明のエピトープ、本発明のポリペプチドまたは本発明の化合物)を被験者に投与する。一般的に、前記エピトープ、前記ポリペプチドまたは前記化合物は、製薬上許容できる担体(例えば、生理食塩水)中に懸濁され、経口で、または静脈内注射により投与され、または皮下に、筋肉内に、髄腔内に、腹腔内に、直腸内に、膣内に、鼻内に、胃内に、気管内に、もしくは肺内に注射され、または埋め込まれる。
【0037】
必要な投与量は、投与経路の選択;製剤の性質;被験者の病気の性質;被験者のサイズ、体重、表面積、年齢および性別;他に投与される薬剤;および主治医の判断に依存する。適切な投与量は、0.01〜100.0mg/kgの範囲内である。必要量における広範な変動は、入手可能な組成物が多様であることや、種々の投与経路の有効性が異なることからすると予想されるところである。例えば、経口投与では、静脈内注射と比べてより多くの投与量が必要と予想される。このような投与量レベルにおける変動は、本技術分野においてよく了解されているように、最適化のための標準的・経験的な手順を用いて補正されうる。適切な送達媒体(例えば、ポリマー性マイクロ粒子または埋め込み型装置)中へ組成物を封入すると、送達(特に、経口送達)の効率が向上しうる。
【0038】
製薬上許容できる担体と、有効量の本発明の化合物とを含有する医薬組成物もまた、本発明の技術的範囲に包含される。当該医薬組成物は、上述した疾患の治療に用いられうる。製薬上許容できる担体としては、溶媒、懸濁媒体、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、および等張性吸収遅延剤が挙げられる。
【0039】
本発明の医薬組成物は、従来の方法を用いた異なる投与経路のための剤形に製剤化されうる。例えば、前記医薬組成物は、カプセル剤、ゲルシール剤、または経口投与用の錠剤として製剤化されうる。カプセル剤は、ゼラチンまたはセルロースなどの標準的な製薬上許容できる物質を含有しうる。錠剤は、組成物を固体状の担体および滑沢剤との混合物を圧縮することにより、従来の手法に従って製剤化されうる。固体状の担体の例としては、デンプンおよび糖ベントナイトが挙げられる。前記医薬組成物はまた、結合剤(例えば、乳糖またはマンニトール)、従来の充填剤、および錠剤化剤を含有する硬殻錠剤またはカプセルの形態で投与されうる。前記医薬組成物は、非経口経路を介して投与されうる。非経口の剤形の例としては、活性剤の水性溶液、等張食塩水もしくは5%ブドウ糖、または他の周知の製薬上許容できる賦形剤が挙げられる。シクロデキストリンまたは本技術分野の当業者に周知の他の可溶化剤が、治療剤の送達のための医薬賦形剤として用いられうる。
【0040】
本発明の組成物の有効性は、インビトロおよびインビボの双方で評価されうる。例えば、後述する実施例を参照。簡潔に言えば、前記組成物は、インビトロで活性化T細胞の細胞死の誘導能を試験されうる。インビボ研究については、前記組成物は動物(例えば、マウスモデル)に注射され、次いでその治療効果が評価されうる。その結果に基づき、適切な投与量の範囲および投与経路が決定されうる。
【実施例】
【0041】
下記の具体的な実施例は単に例示のためのものであって、開示の残部をいかようにも制限するものではないと解釈されるべきである。当業者であれば、本明細書の記載に基づき、さらなる労力を必要とすることなく本発明を全ての範囲に亘って実施可能と考えられる。本明細書で引用した全ての文献は、その全体が参照により本明細書中に引用される。
【0042】
マウス脾臓細胞懸濁液の調製
マウスの脾臓を8mLのハンクス平衡塩溶液(HBSS)に浸漬させ、滅菌カバースリップを用いて優しく刻み、15mL遠心チューブ(Costar)に移し、200×gで5分間スピンさせた。上清を捨て、壁を優しくタッピングして細胞ペレットを残ったバッファに再懸濁させた。1mLの赤血球溶解バッファ(0.6M NHCl、0.17Mトリス塩基、pH7.65)の添加により、混入した赤血球(RBC)を溶解させ、次いで室温にて2分間インキュベートし、9mLのHBSSを用いて高速クエンチした。200×gで5分間細胞をペレット化し、2回洗浄し、RPMI培地中に再懸濁させた。ヘモサイトメータ(Cambridge Scientific Inc.)およびトリパンブルー色素排除法を用いて、混合液中の細胞の濃度および生存能力を測定した。
【0043】
抗T細胞アポトーシス誘導モノクローナル抗体の調製
コンカナバリンA活性化ヒトT細胞でマウスを免疫することにより抗T細胞アポトーシス誘導モノクローナル抗体を産生させ、活性化ヒトT細胞に対するその結合能およびそれに続くT細胞のアポトーシスの誘導能をスクリーニングした。当該モノクローナル抗体の調製は、Kohler and Milstein ((1976) Euro J Immunol 6, 511−519)の周知の細胞融合方法に従って行い、所望の抗体を分泌するハイブリドーマを製造した。かような方法に従って製造された3種のハイブリドーマはそれぞれ、m128−9F9、m152−15A7、およびm166−43B6と称され、インビトロでT細胞のアポトーシスを誘導可能なモノクローナル抗体を分泌した。
【0044】
各ハイブリドーマの濃縮した培地の上清を20000×gで10分間スピンし、当該上清を結合バッファ(0.1M酢酸ナトリウム、pH5.0)で1:1の比で希釈した。3〜5mLの前記結合バッファでタンパク質Gカラム(体積倍量:約1mL)を3回洗浄した。透明な培地の上清を前記タンパク質Gカラムにロードし、フロースルーを回収して、カラムに再度ロードした。次いで、6〜10mLの結合バッファでカラムを洗浄し、5mLの溶出バッファ(0.1Mグリシン−HCl、pH2.8)を用いて、結合した抗体をカラムから溶出させた。各画分には溶出された抗体1mLが含まれ、画分1mLあたり50mLの1Mトリス−HCl(pH7.5)と混合することで、溶出画分を中性のpHに調節した。抗体を含有する画分をプールし、2LのPBS(pH7.4)に対して3回、1回あたり4時間透析を行った。バイオラッドタンパク質アッセイ(Bio−Rad Protein Assay)(BIO−RAD,Hercules,CA)を用い、Bradfordに記載の手法に従って、抗体サンプル中のタンパク質濃度を測定した。
【0045】
モノクローナル抗体による活性化ヒトT細胞の細胞死の誘導
活性化T細胞(以下を参照)を、5ng/mLのIL−2を含むRPMI培地に5×10細胞/mLの最終濃度で再懸濁させ、コントロールIg、m128−9F9、m152−15A7、またはm166−43B6で処理した。
【0046】
T細胞死誘導抗体が、移植片拒絶反応、自己免疫疾患およびアレルギーなどのT細胞関連疾患を治療するための治療剤として用いられうることは周知である。ヒトT細胞に対する3種のモノクローナル抗体を作製し、この3種のモノクローナル抗体の、活性化ヒトT細胞のアポトーシスの誘導能を評価した。m128−9F9、m152−15A7、またはm166−43B6により分泌されたモノクローナル抗体を含む培地の上清を、非活性化ヒトT細胞(0日目)またはインビトロ活性化ヒトT細胞(7日目)のいずれかとともに6時間インキュベートした。インキュベーション後、アネキシンVで細胞を染色し、FACS分析に供した。CD3陽性細胞をゲートでコントロールし、インビトロ活性化ヒトT細胞または休眠ヒトT細胞の計数を可能とした。アポトーシスを起こしている細胞はアネキシンV陽性であった。スキャンされた全T細胞のうち、アポトーシスを起こしたT細胞の百分率を表1に示す。予期せぬことに、ハイブリドーマ細胞系m128−9F9、m152−15A7、またはm166−43B6により分泌されたモノクローナル抗体は、インビトロ活性化ヒトT細胞の細胞死を誘導したが、非活性化ヒトT細胞には影響を与えなかった。活性化T細胞のアポトーシスを誘導するが休眠T細胞には影響を与えないというこの能力は、アポトーシス経路の独特な特徴であり、T細胞が関与する疾患を標的とする治療薬の主な特徴である。
【0047】
【表1】

【0048】
T細胞死誘導エピトープの同定
モノクローナル抗体m128−9F9、m152−15A7、またはm166−43B6により認識される、細胞死誘導エピトープを同定する目的で、これらのモノクローナル抗体を用いてポリペプチドライブラリ(Ph. D.−12TM Phage Display Peptide Library Kit, New England Biolabs, Inc.)におけるコンセンサス結合配列をスクリーニングした。当該ライブラリは、12個のアミノ酸からなり406aaM13遺伝子3タンパク質に連結された種々のペプチドを含んでいた。0.1M NaHCO(pH8.6)コーティングバッファ中で10μg/mLの濃度の50μL/ウェルの抗体を用いて、4℃にて一晩、96ウェルのマイクロタイタープレートをコーティングした。洗浄後、0.1M NaHCO(pH8.6)、5mg/mL BSA、0.02%NaN(150μL/ウェル)を含むブロッキングバッファを用いて、4℃にて少なくとも1時間インキュベートすることにより、プレートをブロックした。次いで、上述したポリペプチドライブラリ由来の融合タンパク質を種々の濃度で用いて、室温にて1時間、プレートをインキュベートした。0.5%トゥイーン含有TBSで洗浄後、1mg/mL BSA含有0.2Mグリシン−HCl(pH2.2)バッファを用いて、結合した融合タンパク質を溶出させ、1Mトリス−HCl(pH9.1)を用いて中和した。次いで、溶出した融合タンパク質のアミノ酸配列を決定した。
【0049】
モノクローナル抗体m128−9F9が結合したポリペプチドの配列は、以下の通りである:
【0050】
【化1】

【0051】
−X−X−X−Xのコンセンサスポリペプチド配列が得られ、ここでX=Y/W/H/Mであり、X=Dであり、X=S/F/P/E/Hであり、X=任意のアミノ酸であり、X=P/Y/H/Wである。
【0052】
モノクローナル抗体m166−43B6が結合したポリペプチドの配列は、以下の通りである:
【0053】
【化2】

【0054】
−X−X−X−X10のコンセンサスポリペプチド配列が得られ、ここでX=Dであり、X=Y/M/N/W/Fであり、X=FまたはLであり、X=Pであり、X10=Eである。
【0055】
モノクローナル抗体m152−15A7が結合したポリペプチドの配列は、以下の通りである:
【0056】
【化3】

【0057】
11−X12−X13−X14のコンセンサスポリペプチド配列が得られ、ここでX11=P/Aであり、X12=Mであり、X13=E/Sであり、X14=Iである。
【0058】
モノクローナル抗体により認識されるT細胞死誘導エピトープのELISAアッセイ
上述したモノクローナル抗体により認識される細胞死エピトープの特異性を同定する目的で、サンドイッチELISAを行った。エピトープを含むポリペプチドの段階希釈系(0.0017fmol〜17fmol)を、ELISAプレート上に予めコーティングされたm128−9F9、m152−15A7またはm166−43B6とともにインキュベートして、それらの結合親和性を測定した。
【0059】
1μg/mLの濃度の50μL/ウェルの抗体を用いて、4℃にて一晩、96ウェルのマイクロタイタープレートをコーティングした。PBS(150μL/ウェル)中の0.25%BSAを用いて、37℃にて1時間インキュベートすることにより、プレートをブロックした。次いで、種々のポリペプチドを含む融合タンパク質を用いて、室温にて2時間、プレートをインキュベートした。0.05%トゥイーン20を含有するPBS(PBST)で4回洗浄後、融合パートナーに特異的な抗体を2μg/mLで用いて、室温にて1.5時間プレートをインキュベートした。インキュベーション後、PBSTを用いてプレートを4回洗浄した。次いで、50μLの1〜3000倍希釈されたアルカリホスファターゼ(AP)が共役した特異的ヤギ抗融合パートナー抗体を各ウェルに添加し、プレートを37℃にて1時間インキュベートした。50μLのAP基質溶液(1錠のAP基質錠を5mLの基質バッファに溶解させた)を添加することにより、酵素反応を行った。その結果によれば、全ての選択されたポリペプチドが、選択に用いた対応する抗体に特異的に結合することが確認された。
【0060】
他の実施形態
本明細書中に開示された全ての特徴は、任意の組み合わせで組み合わせられうる。本明細書に開示された各特徴は、同一の、均等の、または類似の目的を達成可能な他の特徴により置換されうる。よって、そうでないと明記しない限り、開示された各特徴は、包括的な一連の均等なまたは類似の特徴の単なる一例である。
【0061】
上記記載から、当業者は容易に本発明の本質的な特徴を理解可能であり、本発明の思想および範囲から逸脱することなく、本発明に種々の変更および修飾を加え、本発明を種々の用途および条件に適応させることが可能である。よって、他の実施形態もまた、本発明の技術的範囲に包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
−X−X−X−Xで表される単離されたエピトープの3次元構造であって、活性化T細胞上の前記エピトープへのリガンドの結合により前記活性化T細胞の細胞死が誘導され、
がTyr、Trp、HisまたはMetであり;
がAspであり;
がSer、Phe、Pro、GluまたはHisであり;
が任意のアミノ酸であり;
がPro、Tyr、HisまたはTrpである、エピトープの3次元構造。
【請求項2】
−X−X−X−Xを含む単離されたポリペプチドであって、
活性化T細胞上の前記ポリペプチドへのリガンドの結合により前記活性化T細胞の細胞死が誘導され、
がTyr、Trp、HisまたはMetであり;
がAspであり;
がSer、Phe、Pro、GluまたはHisであり;
が任意のアミノ酸であり;
がPro、Tyr、HisまたはTrpである、ポリペプチド。
【請求項3】
アミノ酸の長さが5〜1500である、請求項2に記載のポリペプチド。
【請求項4】
アミノ酸の長さが5〜150である、請求項3に記載のポリペプチド。
【請求項5】
アミノ酸の長さが5〜15である、請求項4に記載のポリペプチド。
【請求項6】
配列番号4および6〜13からなる群から選択される、請求項2に記載のポリペプチド。
【請求項7】
−X−X−X−Xである、請求項2に記載のポリペプチド。
【請求項8】
請求項1に記載の3次元構造を有するエピトープに結合し、活性化T細胞の細胞死を誘導する、抗体。
【請求項9】
モノクローナル抗体である、請求項8に記載の抗体。
【請求項10】
請求項1に記載の3次元構造を有するエピトープの有効量を被験者に投与することを含む、抗体の製造方法。
【請求項11】
活性化T細胞の細胞死を誘導する候補化合物の同定方法であって、化合物を請求項1に記載の3次元構造を有するエピトープと接触させることを含み、前記化合物が前記エピトープに結合したら前記化合物が活性化T細胞の細胞死を誘導する候補であることを示す、同定方法。
【請求項12】
前記化合物が抗体である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記化合物がモノクローナル抗体である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
活性化T細胞を請求項8に記載の抗体と接触させることを含む、活性化T細胞の細胞死を誘導する方法。
【請求項15】
請求項1に記載の3次元構造を有するエピトープ、および製薬上許容できる担体を含む、医薬組成物。
【請求項16】
請求項2に記載のポリペプチド、および製薬上許容できる担体を含む、医薬組成物。
【請求項17】
請求項8に記載の化合物、および製薬上許容できる担体を含む、医薬組成物。
【請求項18】
−X−X−X−X10で表される単離されたエピトープの3次元構造であって、活性化T細胞上の前記エピトープへのリガンドの結合により前記活性化T細胞の細胞死が誘導され、
がAspであり;
がTyr、Met、Asn、TrpまたはPheであり;
がPheまたはLeuであり;
がProであり;
10がGluである、エピトープの3次元構造。
【請求項19】
−X−X−X−X10を含む単離されたポリペプチドであって、
活性化T細胞上の前記ポリペプチドへのリガンドの結合により前記活性化T細胞の細胞死が誘導され、
がAspであり;
がTyr、Met、Asn、TrpまたはPheであり;
がPheまたはLeuであり;
がProであり;
10がGluである、ポリペプチド。
【請求項20】
アミノ酸の長さが5〜1500である、請求項19に記載のポリペプチド。
【請求項21】
アミノ酸の長さが5〜150である、請求項20に記載のポリペプチド。
【請求項22】
アミノ酸の長さが5〜15である、請求項21に記載のポリペプチド。
【請求項23】
配列番号14〜18からなる群から選択される、請求項19に記載のポリペプチド。
【請求項24】
−X−X−X−X10である、請求項19に記載のポリペプチド。
【請求項25】
請求項18に記載の3次元構造を有するエピトープに結合し、活性化T細胞の細胞死を誘導する、抗体。
【請求項26】
モノクローナル抗体である、請求項25に記載の抗体。
【請求項27】
請求項18に記載の3次元構造を有するエピトープの有効量を被験者に投与することを含む、抗体の製造方法。
【請求項28】
活性化T細胞の細胞死を誘導する候補化合物の同定方法であって、化合物を請求項18に記載の3次元構造を有するエピトープと接触させることを含み、前記化合物が前記エピトープに結合したら前記化合物が活性化T細胞の細胞死を誘導する候補であることを示す、同定方法。
【請求項29】
前記化合物が抗体である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記化合物がモノクローナル抗体である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
活性化T細胞を請求項25に記載の抗体と接触させることを含む、活性化T細胞の細胞死を誘導する方法。
【請求項32】
請求項18に記載の3次元構造を有するエピトープ、および製薬上許容できる担体を含む、医薬組成物。
【請求項33】
請求項19に記載のポリペプチド、および製薬上許容できる担体を含む、医薬組成物。
【請求項34】
請求項25に記載の抗体、および製薬上許容できる担体を含む、医薬組成物。
【請求項35】
11−X12−X13−X14で表される単離されたエピトープの3次元構造であって、活性化T細胞上の前記エピトープへのリガンドの結合により前記活性化T細胞の細胞死が誘導され、
11がProであり;
12がMetであり;
13がGluまたはSerであり;
14がIleである、エピトープの3次元構造。
【請求項36】
11−X12−X13−X14を含む単離されたポリペプチドであって、
活性化T細胞上の前記ポリペプチドへのリガンドの結合により前記活性化T細胞の細胞死が誘導され、
11がProであり;
12がMetであり;
13がGluまたはSerであり;
14がIleである、ポリペプチド。
【請求項37】
アミノ酸の長さが4〜1500である、請求項36に記載のポリペプチド。
【請求項38】
アミノ酸の長さが4〜150である、請求項37に記載のポリペプチド。
【請求項39】
アミノ酸の長さが4〜15である、請求項38に記載のポリペプチド。
【請求項40】
配列番号20〜22からなる群から選択される、請求項36に記載のポリペプチド。
【請求項41】
11−X12−X13−X14である、請求項36に記載のポリペプチド。
【請求項42】
請求項35に記載の3次元構造を有するエピトープに結合し、活性化T細胞の細胞死を誘導する、抗体。
【請求項43】
モノクローナル抗体である、請求項42に記載の抗体。
【請求項44】
請求項35に記載の3次元構造を有するエピトープの有効量を被験者に投与することを含む、抗体の製造方法。
【請求項45】
活性化T細胞の細胞死を誘導する候補化合物の同定方法であって、化合物を請求項35に記載の3次元構造を有するエピトープと接触させることを含み、前記化合物が前記エピトープに結合したら前記化合物が活性化T細胞の細胞死を誘導する候補であることを示す、同定方法。
【請求項46】
前記化合物が抗体である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記化合物がモノクローナル抗体である、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
活性化T細胞を請求項42に記載の抗体と接触させることを含む、活性化T細胞の細胞死を誘導する方法。
【請求項49】
請求項35に記載の3次元構造を有するエピトープ、および製薬上許容できる担体を含む、医薬組成物。
【請求項50】
請求項36に記載のポリペプチド、および製薬上許容できる担体を含む、医薬組成物。
【請求項51】
請求項42に記載の抗体、および製薬上許容できる担体を含む、医薬組成物。

【公開番号】特開2013−49679(P2013−49679A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−223627(P2012−223627)
【出願日】平成24年10月5日(2012.10.5)
【分割の表示】特願2007−513303(P2007−513303)の分割
【原出願日】平成17年5月11日(2005.5.11)
【出願人】(509287935)
【Fターム(参考)】