説明

α化麺用高油分乳化油脂組成物及びその製造方法並びにこれを使用したα化麺用ソース及びα化麺

【課題】時間経過によるα化麺の結着防止に優れかつα化麺の風味および味覚に影響を与えないα化麺用高油分乳化油脂組成物、その製造方法及び前記α化麺用高油分乳化油脂組成物を含むα化麺和え用ソース並びに前記α化麺用高油分乳化油脂組成物を付着したα化麺を提供すること。
【解決手段】HLB15以上のデカグリセリン脂肪酸エステル(DGSE)及び/又はHLB15以上のショ糖ステアリン酸エステル(SSE)と多価アルコールと水を特定割合でよく混合し60〜70℃に温めた後、油脂の配合量が高油分乳化油脂組成物全体の70質量%を超え86質量%以下となるように攪拌しながら油脂を徐々に加え乳化したα化麺用高油分乳化油脂組成物及びその製造方法である。また、前記高油分乳化油脂組成物を含むα化麺和え用ソースである。さらには、α化麺用高油分乳化油脂組成物又はこれを含むα化麺和え用ソースを付着したα化麺である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、α化麺用高油分乳化油脂組成物及びその製造方法並びにこれを使用したα化麺用ソース及びα化麺に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、女性の社会進出、核家族化、同一家族でも食事時間・食事内容が異なるなどの変化により、調理済み食品が注目されている。
しかし、調理済み食品においては、調理完了後、消費者が食するまでに時間がかかるため、それによって種々の問題が生じる。
調理済み食品のなかでも、調理された麺類(例えば、焼そば、パスタ類など)においては、時間の経過により食品同士が結着するという問題がある。
例えば調理済みパスタ類の場合、麺同士が結着してほぐれにくくなり、美観および食べやすさを著しく損なう。
このような麺同士の結着を防止するためにα化した麺類に大豆油などの植物油などを含むほぐれ剤を使用することが提案されている。
油脂組成物を使用したほぐれ剤としては、油脂、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含むことを特徴とする麺類用油脂組成物が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−6132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、時間経過によるα化麺の結着防止に優れかつα化麺の風味および味覚に影響を与えないα化麺用高油分乳化油脂組成物及びその製造方法並びにこれを使用したα化麺用ソース及びα化麺を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは前記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の乳化剤と多価アルコール及び水を特定の割合で配合しこれに油脂を特定の割合で配合することによりα化麺に和えると時間経過による結着防止に優れ、食品の風味および味覚に影響を与えない高油分乳化油脂組成物を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
従って、本発明は、乳化剤、多価アルコール及び水を以下の(A)、(B)の条件で配合し、
(A)多価アルコール100質量部に対するHLB15以上のデカグリセリン脂肪酸エステル及び/又はHLB15以上のショ糖ステアリン酸エステルの質量割合は乾物換算で8〜35質量部、
(B)水の質量割合はHLB15以上のデカグリセリン脂肪酸エステルの場合は、デカグリセリン脂肪酸エステルと多価アルコールと水の合計の29質量%〜61質量%、HLB15以上のショ糖ステアリン酸エステルの場合は、HLB15以上のショ糖ステアリン酸エステルと多価アルコールと水の合計の41質量%〜71質量%、デカグリセリン脂肪酸エステルとショ糖ステアリン酸エステルを同時に使用する場合は、それぞれの配合割合による前記それぞれの水の配合割合の平均値、
前記配合物をよく混合し60〜70℃に温めた後、油脂の配合量がα化麺用高油分乳化油脂組成物全体の70質量%を超え86質量%以下となるように攪拌しながら油脂を徐々に加え乳化したα化麺用高油分乳化油脂組成物である。
また、前記α化麺用高油分乳化油脂組成物を含むα化麺和え用ソースである。
また、前記α化麺用高油分乳化油脂組成物又は前記を含むα化麺和え用ソースが付着したα化麺である。
さらに、前記α化麺用高油分乳化油脂組成物の製造方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明のα化麺用高油分乳化油脂組成物およびこれを含むソースを使用することにより、時間経過によるα化麺の結着を防止しほぐれをよくすることができα化麺の風味および味覚にも悪影響がない。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において使用できる乳化剤はHLB15以上のデカグリセリン脂肪酸エステル及び/又はHLB15以上のショ糖ステアリン酸エステルである。
これらは、あらかじめ水を添加してある市販品を使用することができる。
本発明において、前記乳化剤以外の乳化剤を使用した場合は高油分乳化油脂組成物の乳化状態が悪くなり油脂が分離したり、食品の風味および味覚に影響を与えたり、粘性が増して作業性が悪いなど良質の高油分乳化油脂組成物を得ることができない。
【0008】
本発明において使用できる多価アルコールは、食用に使用できるものであれば特に限定されない。
例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、キシロース、アラビノース、マンノース、異性化糖、果糖、還元水飴などを挙げることができる。
これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0009】
本発明において、乳化剤と多価アルコールの配合割合が重要である。
多価アルコール100質量部に対するHLB15以上のデカグリセリン脂肪酸エステル及び/又はHLB15以上のショ糖ステアリン酸エステルの質量割合は乾物換算で8〜35質量部である。
この配合割合より乳化剤が多くなると、食品の風味および味覚に影響を与えるので好ましくない。
また、この配合割合より乳化剤が少なくなると油脂が分離するので好ましくない。
なお、本発明において、○○〜△△とは○○以上、△△以下をいい、例えば、1〜3とは1以上3以下をいう。
【0010】
本発明において、水の配合割合もまた重要である。
HLB15以上のデカグリセリン脂肪酸エステルを使用する場合は、水の質量割合はデカグリセリン脂肪酸エステルと多価アルコールと水の合計に対して29.0質量%〜61.0質量%になるように配合する。
HLB15以上のショ糖ステアリン酸エステルを使用する場合は、水の質量割合はHLB15以上のショ糖ステアリン酸エステルと多価アルコールと水の合計に対して41.0質量%〜71.0質量%になるように配合する。
デカグリセリン脂肪酸エステルとショ糖ステアリン酸エステルを同時に使用する場合は、それぞれの配合割合による前記それぞれの水の配合割合の平均値となる。
例えば、デカグリセリン脂肪酸エステルとショ糖ステアリン酸エステルを3:7で使用する場合は、(29.0質量%〜61.0質量%)×0.3+(41.0質量%〜71.0質量%)×0.7=37.4質量%〜68.0質量%となり、水の質量割合は、デカグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、多価アルコールと水の合計に対して37.4質量%〜68.0質量%となる。
水の割合が前記範囲より少ない場合は、粘度が高くなりすぎて作業性が悪くなったり、ダマになったりして、乳化が十分にできず、前記範囲より多い場合は、油脂が分離して食味が劣るので好ましくない。
【0011】
本発明において使用できる油脂は、食用に使用できるものであれば特に限定されない。
例えば、サラダ油、菜種油、大豆油、サフラワー油、コーン油、ひまわり油、米油、パーム油、やし油、カカオ脂、オリーブ油、魚油、乳脂、牛脂などを挙げることができる。
これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。固形脂の場合は溶かして使用する。
【0012】
前記乳化剤、多価アルコール及び水の配合物をよく混合し60〜70℃に温めた後、油脂の配合量がα化麺用高油分乳化油脂組成物全体の70質量%を超え86質量%以下となるように攪拌しながら油脂を徐々に加え乳化する。
攪拌手段は乳化ができれば特に限定されない。
本発明のα化麺用高油分乳化油脂組成物は乳化し易いので、回転数が1000min−1程度の攪拌機で十分乳化が可能である。
なお、油脂には脂溶性の色素などを添加したり、天然物や香料などでフレーバーリングしたりすることができる。
【0013】
本発明のα化麺用高油分乳化油脂組成物は直接α化麺に付着して使用できる。
付着する方法は従来のほぐれ剤と同様でよく、例えば、混合、浸漬、噴霧などの方法を挙げることができる。
また、従来の乳化油脂組成物と同様にα化麺に和えるソースの製造、例えば、ペペロンチーノソースや焼そばソースに使用することができ、α化麺に和えるソースの製造方法も従来のソースの製造方法と同様でよい。
本発明のα化麺用高油分乳化油脂組成物及びこれを含有するα化麺和え用ソースは、10℃程度で保存流通するチルド麺に好適に使用できるのはもちろんであるが、近年コンビニエンスストアーなどで採用されている60〜70℃で保存陳列しているホットキャビネット内でのα化麺の保存にも十分使用することができる。
【実施例】
【0014】
以下本発明を実施例により具体的に説明する。
[実施例1〜3、比較例1〜15]乳化剤の種類
多価アルコール水溶液(日研化成株式会社製、商品名:ソルビトールF)12.5質量部(70質量%水溶液に調整、乾物換算8.75質量部)と表1に示す乳化剤7.5質量部(40質量%水溶液に調整、乾物換算3質量部)を鍋で60〜70℃に加温した後、カッターミキサー(フォアベルク社製、商品名:サーモミックス)に移し、攪拌(1000〜1500min−1)しながらサラダ油80質量部を少しずつ添加し、高油分乳化油脂組成物を調製した。
【0015】
【表1】

【0016】
得られた高油分乳化油脂組成物を、茹でて冷却したスパゲッティ100質量部に3質量部加えた後よく和えて、以下の(1),(2)の条件で官能試験をパネラー10名によって行った。
乳化状態の悪いものは、官能評価を行わなかった。
(1)60℃の恒温槽で2時間保管後官能試験
(2)10℃の恒温槽で48時間保管後500Wの電子レンジで2分20秒加熱した後官能試験
官能試験の基準を以下に示す。
乳化状態の評価基準
○ 白くなめらかで乳化状態が良い
△ 褐色がかったり、なめらかでなかったり、乳化状態がやや悪い
× 油分の分離がはっきりわかり、乳化状態が悪い
「照り・つや」の評価基準
○ 麺の表面のみずみずさ・つやが非常に良好である
△ みずみずしさ・つやが普通である
× みずみずしさ・つやがない
「ほぐれ」の評価基準
○ 麺を持ち上げた際に非常にほぐれが良い
△ ほぐれが普通である
× ほぐれが悪い
「食味」の評価基準
○ 味・風味が非常に良好である
△ 味・風味が普通である
× 味・風味が悪い
【0017】
結果を表1に示す。
モノデカグリセリン脂肪酸エステル(HLB15)とショ糖ステアリン酸エステル(HLB15とHLB16)が良い評価であった。
【0018】
[実施例4〜9]多価アルコールの種類
表2に示す甘味度が異なる多価アルコール溶液12.5質量部(70質量%水溶液に調整、乾物換算8.75質量部)とモノデカグリセリン脂肪酸エステル(HLB15)7.5質量部(40質量%水溶液に調整、乾物換算3質量部)を鍋で60〜70℃に加温した後、カッターミキサー(フォアベルク社製、商品名:サーモミックス)に移し、攪拌(1000〜1500min−1)しながらサラダ油80質量部を少しずつ添加し、高油分乳化油脂組成物を調製し実施例1と同様に官能評価を行った。
結果を表2に示す。
いずれの多価アルコールでも良好な結果であった。
【0019】
【表2】

【0020】
[実施例10〜15、比較例16〜22]乳化剤と多価アルコールの配合割合
実施例1において、乳化剤と多価アルコール水溶液を表3及び表4に示す割合にし、高油分乳化油脂組成物の官能評価を実施例1と同様に行った。
結果を表3、表4に示す。
なお、表中モノデカグリセリン脂肪酸エステル(HLB15)、ショ糖ステアリン酸エステル(HLB15)は40質量%水溶液に調整後の値(質量部)である。
多価アルコールは日研化成株式会社製、商品名:ソルビトールF(70質量%水溶液に調整)を使用した。
【0021】
【表3】

【0022】
【表4】

【0023】
多価アルコール100質量部に対するモノデカグリセリン脂肪酸エステル及び/またはショ糖ステアリン酸エステルの質量割合は乾物換算で8〜35質量部の場合が良好な結果であった。
【0024】
[実施例16〜18、比較例23〜25]水の配合割合(1)
実施例1において、モノデカグリセリン脂肪酸エステル(HLB15)30質量部(無水物換算値)、多価アルコール(日研化成株式会社製、商品名:ソルビトールF)87.5質量部(無水物換算値)、サラダ油800質量部及び水を表5に示す割合とした他は実施例1と同様にして高油分乳化油脂組成物を調製し官能評価を行った。
水の質量%はモノデカグリセリン脂肪酸エステル(HLB15)、多価アルコール及び水の合計に対する割合である。
結果を表5に示す。
【0025】
【表5】

【0026】
モノデカグリセリン脂肪酸エステル(HLB 15)の場合は、水の質量割合がモノデカグリセリン脂肪酸エステルと多価アルコールと水の合計に対して29.9質量%以上、60.8質量%以内で良好な結果であった。
【0027】
[実施例19〜21、比較例26〜28]水の配合割合(2)
実施例1において、ショ糖ステアリン酸エステル(HLB 15)30質量部(無水物換算値)、多価アルコール(日研化成株式会社製、商品名:ソルビトールF)87.5質量部(無水物換算値)、サラダ油1000質量部及び水を表6に示す割合とした他は実施例1と同様にして高油分乳化油脂組成物を調製し官能評価を行った。
水の質量%はショ糖ステアリン酸エステル(HLB 15)、多価アルコール及び水の合計に対する割合である。
結果を表6に示す。
【0028】
【表6】

【0029】
ショ糖ステアリン酸エステル(HLB 15)の場合は、水の質量割合がショ糖ステアリン酸エステルと多価アルコールと水の合計に対して41.3質量%以上、70.6質量%以内で良好な結果であった。
【0030】
[実施例22〜31、比較例29〜38]水の割合割合(3)
実施例19において、ショ糖ステアリン酸エステル(HLB 15)に表7に示す割合でモノデカグリセリン脂肪酸エステル(HLB 15)を配合し、水を表7に示す割合とした他は実施例19と同様にして高油分乳化油脂組成物を調製し官能評価を行った。
結果を表7に示す。
表中、A:Bとはモノデカグリセリン脂肪酸エステル(HLB 15)とショ糖ステアリン酸エステル(HLB 15)の質量割合(無水物換算値)を表し、Aはモノデカグリセリン脂肪酸エステル(HLB 15)、Bはショ糖ステアリン酸エステル(HLB 15)を表す。
【0031】
【表7】

【0032】
好ましい水の配合割合は、モノデカグリセリン脂肪酸エステル(HLB15)とショ糖ステアリン酸エステル(HLB15)の配合割合に比例した。
【0033】
[実施例32〜37、比較例39]油脂の配合割合(1)
モノデカグリセリン脂肪酸エステル(HLB15)75質量部、多価アルコール125質量部、水100質量部及びサラダ油を表8に示す割合とした他は実施例1と同様にして高油分乳化油脂組成物を調製し官能評価を行った。
なお、モノデカグリセリン脂肪酸エステル(HLB15)は40質量%水溶液に調製して使用した。
また、多価アルコールは日研化成株式会社製、商品名:ソルビトールF(70質量%水溶液に調整)を使用した。
結果を表8に示す。
【0034】
【表8】

【0035】
油脂の配合量が高油分乳化油脂組成物全体の86質量%以下で良好な結果であった。
【0036】
[実施例35〜37、比較例40]油脂の配合割合(2)
ショ糖ステアリン酸エステル(HLB 15)75質量部、多価アルコール125質量部、水200質量部及びサラダ油を表9に示す割合とした他は実施例1と同様にして高油分乳化油脂組成物を調製し官能評価を行った。
なお、ショ糖ステアリン酸エステル(HLB 15)は40質量%水溶液に調製して使用した。
また、多価アルコールは日研化成株式会社製、商品名:ソルビトールF(70質量%水溶液に調整)を使用した。
結果を表9に示す。
【0037】
【表9】

【0038】
油脂の配合量が高油分乳化油脂組成物全体の86質量%以下で良好な結果であった。
【0039】
[実施例38]α化麺和え用ペペロンチーノソース
表10に示す原料を鍋に入れ、85℃まで加温し、ホットパック後冷却しα化麺和え用ペペロンチーノソースを得た。
高油分乳化油脂組成物は実施例32で得たものを使用した。
【0040】
【表10】

【0041】
前記α化麺和え用ペペロンチーノソースを、ボイルしたスパゲッティに調味した。
調味方法はフライパンを温め、サラダ油大さじ1を熱し、玉葱20g、ベーコン15g、しめじ15gを30秒間炒め、茹でたスパゲッティ200gを加え1分間炒め、前記α化麺和え用ペペロンチーノソース20gを和えた。
これを60℃の恒温槽で2時間保管後、実施例1と同様に官能評価を行った。
「照り・つや」、「ほぐれ」、「食味」ともに「○」の評価であった。
【0042】
前記α化麺和え用ペペロンチーノソースを、ボイルしたスパゲッティに調味した。
調味方法は茹でて冷却したスパゲッティ200gに前記α化麺和え用ペペロンチーノソース20gを和えた。
10℃の恒温槽で48時間保管後、500Wの電子レンジで2分20秒間加熱した後、実施例1と同様に官能評価を行った。
「照り・つや」、「ほぐれ」、「食味」ともに「○」の評価であった。
【0043】
[実施例39]焼そばへの添加試験
実施例1と同様にして高油分乳化油脂組成物を調製し、焼そばに添加し官能評価を行った。
添加方法はフライパンを温め、サラダ油大さじ1を熱し、蒸したチルド焼そば150gを加え2分間炒め、水50gを加え1分間炒め、粉末ソース10gおよび高油分乳化油脂組成物5gを和えた。
これを60℃の恒温槽で2時間保管後および10℃の恒温槽で48時間保管し500Wの電子レンジで2分20秒加熱した後、実施例1と同様に官能評価を行った。
「照り・つや」、「ほぐれ」、「食味」ともに「○」の評価であった。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳化剤、多価アルコール及び水を以下の(A)、(B)の条件で配合し、
(A)多価アルコール100質量部に対するHLB15以上のデカグリセリン脂肪酸エステル及び/又はHLB15以上のショ糖ステアリン酸エステルの質量割合は乾物換算で8〜35質量部、
(B)水の質量割合はHLB15以上のデカグリセリン脂肪酸エステルの場合は、デカグリセリン脂肪酸エステルと多価アルコールと水の合計の29.0質量%〜61.0質量%、HLB15以上のショ糖ステアリン酸エステルの場合は、HLB15以上のショ糖ステアリン酸エステルと多価アルコールと水の合計の41.0質量%〜71.0質量%、デカグリセリン脂肪酸エステルとショ糖ステアリン酸エステルを同時に使用する場合は、それぞれの配合割合による前記それぞれの水の配合割合の平均値、
前記配合物をよく混合し60〜70℃に温めた後、油脂の配合量がα化麺用高油分乳化油脂組成物全体の70質量%を超え86質量%以下となるように攪拌しながら油脂を徐々に加え乳化したα化麺用高油分乳化油脂組成物。
【請求項2】
請求項1に記載のα化麺用高油分乳化油脂組成物を含むα化麺和え用ソース。
【請求項3】
請求項1に記載のα化麺用高油分乳化油脂組成物を付着したα化麺。
【請求項4】
請求項2に記載のα化麺和え用ソースを付着したα化麺。
【請求項5】
乳化剤、多価アルコール及び水を以下の(A)、(B)の条件で配合し、
(A)多価アルコール100質量部に対するHLB15以上のデカグリセリン脂肪酸エステル及び/又はHLB15以上のショ糖ステアリン酸エステルの質量割合は乾物換算で8〜35質量部、
(B)水の質量割合はHLB15以上のデカグリセリン脂肪酸エステルの場合は、デカグリセリン脂肪酸エステルと多価アルコールと水の合計の29.0質量%〜61.0質量%、HLB15以上のショ糖ステアリン酸エステルの場合は、HLB15以上のショ糖ステアリン酸エステルと多価アルコールと水の合計の41.0質量%〜71.0質量%、デカグリセリン脂肪酸エステルとショ糖ステアリン酸エステルを同時に使用する場合は、それぞれの配合割合による前記それぞれの水の配合割合の平均値、
前記配合物をよく混合し60〜70℃に温めた後、油脂の配合量がα化麺用高油分乳化油脂組成物全体の70質量%を超え86質量%以下となるように攪拌しながら油脂を徐々に加え乳化することを特徴とするα化麺用高油分乳化油脂組成物の製造方法。


【公開番号】特開2010−207155(P2010−207155A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−57522(P2009−57522)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000231637)日本製粉株式会社 (144)
【Fターム(参考)】