説明

こたつ

【課題】簡単な構成でありながら、こたつ布団の内周部を全体的にしっかりと天板に取り付けることができる布団取り付け構造を備えたこたつを提供する。
【解決手段】こたつ布団9の内周部の裏面に、一辺部ごとに、周方向又は長さ方向に間隔を有して複数個の固定プレート35を固定しておく。こたつ布団9の固定プレート35を、固定プレート35側からT字ロックピン47を天板3の接続孔15に差し込んで天板3に接続し、こたつ布団9を天板3に取り付ける。固定プレート35が湾曲し、固定プレート35が天板3の裏面7に強く押し付けられるように、T字ロックピン47で固定プレート35を押え付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、こたつに関し、より詳しくは、天板に支持脚及びこたつ布団を直接又は直接的に取り付ける形式のこたつに関する。
【背景技術】
【0002】
暖房器具であるこたつとしては、中天板の4隅角部に取り付け部を設け、この取り付け部に支持脚を接続してこたつ櫓を構成し、このこたつ櫓にこたつ布団をかぶせるとともに、こたつ布団を介して中天板上に天板を載置する構成ものが用いられているが、天板に支持脚及びこたつ布団を直接又は直接的に取り付ける構成のこたつも利用されている。このような後者の形式のこたつの場合には、天板にこたつ布団を簡単に取り付けたり、天板からこたつ布団を簡単に取り外したりできるように構成するとともに、こたつ布団の取り付け時に、こたつ布団の内周部に垂れ下がり部分などが生じないように、内周部が全体的に天板にしっかりと固定されるように構成する必要がある。
【0003】
こたつ布団の天板あるいはテーブルへの取り付け方法としては、こたつ布団の内周部に鳩目を取り付けておき、この鳩目内に、テーブルから突出する掛止具の摘子部を嵌め込み、この摘子部を回転させるもの(例えば特許文献1参照)、あるいは、天板の側面に係止した取付枠の凹溝に押え部材でこたつ布団の内周部を固定したり、天板に設けた係止ピンにこたつ布団の内周部の係止孔を嵌め付け、こたつ布団の内周部を化粧枠で押えたりするもの(例えば特許文献2参照)などが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実願昭47−126066号明細書・図面(実開昭49−84382号)
【特許文献2】実願平1−80580号明細書・図面(実開平03−27503号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたようなこたつ布団の取り付け方法では、鳩目部分を天板に十分押し付けて固定できないので、こたつ布団の内周部に垂れ下がりが生じやすい。また、特許文献2の発明では、取付枠や押え部材あるいは化粧枠といった大掛かりな別部材を用いてこたつ布団を取り付けている。
【0006】
そこで本発明は、簡単な構成でありながら、こたつ布団の内周部を全体的にしっかりと天板に取り付けることができる布団取り付け構造を備えたこたつの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するための本発明のこたつは、天板と、この天板の4隅に設けられた支持脚と、内周部が前記天板の外周部に取り付けられたこたつ布団と、を有するこたつであって、前記こたつ布団の前記内周部の外側には固定プレートが固定され、前記こたつ布団の前記内周部は、前記固定プレートを、前記こたつ布団の前記内周部を挟んで、前記天板の前記外周部、例えば天板裏面の外周部に取り外し可能に接続することにより、前記天板の前記外周部に取り付けられているといった基本的構成を有している。固定プレートの天板外周部への接続は、この固定プレートの周方向又は長さ方向中央部に配置された挿入接続軸部材(挿入接続ピン部材)を用いるが、固定プレートの周方向又は長さ方向中央部が挿入接続軸部材に押されて湾曲するようにして行われる。挿入接続軸部材は、例えばワンタッチ式の接続軸部材、又は、90°回転させることにより抜け止め状態となって天板外周部と固定プレートとを接続する軸部材である。あるいは、挿入接続軸部材は先端部にフック部を有するものである。こたつ布団は例えば環状(四角環状を含む)に形成され、あるいは、例えば環状(四角環状を含む)に天板に取り付けられる。こたつ布団の内周部の外側とは、こたつ布団の内周部が取り付けられる天板の外周部と反対側を意味する。固定プレートは例えば周方向又は長さ方向に長く又は細長く延びるように形成され、また例えば薄肉に形成される。こたつ布団の角部以外に固定される固定プレートは、例えば長方形状又は細長い長方形状に形成される。こたつ布団の角部に固定プレートを固定する場合には、角部の固定プレートをL字状に形成してもよい。固定プレートは、こたつ布団の内周部の一辺部分にそれぞれ、周方向又は長さ方向に間隔を設けて複数個固定されていることが好ましい。こたつ布団の内周部の一辺部分に相当する長さの固定プレートを用いると、こたつ布団の取り扱い性が悪くなる。
【0008】
こたつ布団の角部に固定プレートを固定し、角部を天板の外周部に取り付ける代わりに、
こたつ布団の角部を支持脚で支えるように構成してもよい。例えば、支持脚の天板への取り付けは、支持脚の上端面から雄ネジシャフトを突出させておき、上端面が天板に接触するまで、雄ネジシャフトを天板の4隅に形成された雌ネジ孔にねじ込むことにより行うことができるが、支持脚の上端部外周に、上端が上端面よりも低く位置する引っ掛けピンを設けておき、こたつ布団に形成された引っ掛け孔に引っ掛けピンを嵌めるようにして、こたつ布団を天板の外周部に取り付けてもよい。
【0009】
挿入接続軸部材は、例えば、固定プレートの外側の接続頭部と、この接続頭部から、固定プレート及びこたつ布団の内周部を貫通して延びる軸部と、この軸部の先端部に、軸部の延びる方向と直交するように設けられたフック部と、を有するように構成され、天板の外周部には、例えば、接続凹部が設けられる。そして、挿入接続軸部材の軸部を天板外周部の接続凹部に挿入し、接続頭部を操作して挿入接続軸部材を回転させ、フック部を接続凹部の係合部に引っ掛けることにより挿入接続軸部材を抜け止めし、固定プレートをこたつ布団の内周部を挟んで天板の外周部に接続する。より具体的には、固定プレートの周方向又は長さ方向両側を、内側に固定頭部を有する固定ピンによってこたつ布団の内周部に固定しておく。そして、挿入接続軸部材を天板外周部の接続凹部に挿入し、フック部を係合部に引っ掛けるときに、固定プレートが挿入接続軸部材の接続頭部に押され、固定ピンの固定頭部を天板の外周部に押圧するように固定ピンの間で湾曲するといったように構成しておく。ここでは、固定プレートが長さ方向又は周方向の両側で天板外周部に対して強く押し付けられる。固定プレートは、こたつ布団から取り外し、再び取り付けることができるように形成してもよい。
【0010】
あるいは 本発明のこたつは、天板と、この天板の4隅に設けられた支持脚と、内周部が前記天板の外周部に取り付けられたこたつ布団と、を有するこたつであって、前記こたつ布団の前記内周部の外側には固定プレートが固定され、前記こたつ布団の前記内周部は、前記固定プレートを、前記こたつ布団の前記内周部を挟んで、前記天板の前記外周部に取り外し可能に接続することにより、前記天板の前記外周部に取り付けられていて、前記固定プレートの周方向又は長さ方向両側は、内側に固定頭部を有する固定ピンによって前記こたつ布団の前記内周部に固定され、前記固定プレートは、この固定プレートの周方向又は長さ方向中央部に配置された接続軸部材(接続ネジ部材を含む)によって前記天板の前記外周部に接続され、前記固定プレートの周方向又は長さ方向中央部は、前記接続軸部材に押されて、前記固定ピンの前記固定頭部を前記天板の前記外周部に押圧するように前記固定ピンの間で湾曲しているものとして構成することができる。
【0011】
こたつ布団を1つの角部で切断し、切断された部分にファスナを設けておき、このファスナを開くことにより、こたつ布団の角部を内端から外端部又は外端まで開けることができるように構成してもよい。このように構成すれば、こたつ布団の内端部を天板に取り付けやすくなる。また、ファスナが離れる方向に引っ張られて開いてしまうのを防止する開き防止構造を設けておくのが好ましいが、この開き防止構造は、ファスナを堺に、一方側のこたつ布団に基端部が固定され、他方側のこたつ布団に他端部が取り外し可能に接続された開き防止片を有するように構成できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のこたつでは、固定プレートを接続軸部材によって押え付けるといった簡単な構成でこたつ布団を天板にしっかりと取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るこたつの斜視図である。
【図2】本発明に係るこたつの断面図である。
【図3】天板の裏面図である。
【図4】こたつ布団の裏面図である。
【図5】支持脚の斜視図である。
【図6】天板に支持脚を接続しこたつ布団を取り付けた場合の裏面図である。
【図7】こたつ布団の支持脚への接続状態を示す図である。
【図8】固定プレートの天板への接続構造を説明するための斜視図である。
【図9】固定プレートの天板への接続構造を説明するための断面図である。
【図10】固定プレートの天板への接続構造を説明するための別の断面図である。
【図11】固定プレートの天板への接続構造を説明するためのさらに別の断面図である。
【図12】本発明に係る別のこたつの裏面図である。
【図13】別の固定プレートの天板への接続構造を説明するための斜視図である。
【図14】別の固定プレートの天板への接続構造を説明するための断面図である。
【図15】別の固定プレートの天板への接続構造を説明するための別の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は本発明に係るこたつの斜視図、図2は本発明に係るこたつの断面図である。
【0015】
こたつ1は、例えばプラスチック製又は木製(MDF)の天板3と、天板3の4隅角部にそれぞれ取り付けられた例えばプラスチック製又は木製(MDF)の支持脚5と、内周部が天板3の裏面7外周部に取り付けられた環状のこたつ布団9とから構成され、天板3は四角形状、より具体的には正方形状であり、天板3の裏面7中央部には金網枠11で囲まれたヒータが設けられている。
【0016】
図3は天板3の裏面図、図4はこたつ布団9の裏面図、図5は支持脚5の斜視図、図6は天板3に支持脚5を接続しこたつ布団9を取り付けた場合の裏面図である。
【0017】
天板3の裏面7外周部には、4隅部でそれぞれ、脚取り付け用の雌ネジ孔13が形成されるとともに、一辺部でそれぞれ、長さ方向(周方向)に間隔を設けて複数個(ここでは3個)の接続孔15(接続凹部)が形成されている。
【0018】
また、こたつ布団9は四角形状、より具体的には正方形状であるが、中央部に四角形状、より具体的には正方形状の切り取り部17が設けられて環状体(四角環状体)として形成され、切り取り部(内周縁)17の大きさは、天板3の裏面7の広さよりも小さくあるいは若干小さくなっている。こたつ布団9の内周縁17の4隅部にはそれぞれ、半円よりも大きな円弧状の切欠き19が形成されていて、こたつ布団9には、この切欠き19の外側に、切欠き19に接近して引っ掛け孔21が設けられている。そして、こたつ布団9の1つの角部には、外端から内端(切欠き19)にかけて切断部23が形成され、この切断部23にはスライドファスナ25が取り付けられていて、スライドファスナ25のスライダ27をスライドさせることにより切断部23を開閉することができるように構成されている。そして、スライダ27をスライドファスナ25の外端部までスライドさせることにより、スライドファスナ25の外端部から切断部23の内端までを開くことができる。また、スライドファスナ25を閉じているときに、すなわち、スライダ27がスライドファスナ25の内端に位置しているときに、スライドファスナ25に引き離し力が作用し、スライダ27が外端側に移動して切断部23の内端側が開いてしまわないように、こたつ布団9の裏面に、スライドファスナ25の内端部位置で開き防止構造が設けられている。この開き防止構造は、スライドファスナ25を境に、一方側のこたつ布団9に基端部が固定された開き防止片29と、他方側のこたつ布団9に取り付けられた接続ボタン31と、を有し、開き防止片29の先端部に接続ボタン31を嵌め入れて係合させるボタン孔33が形成されたものである。したがって、接続ボタン31を開き防止片29のボタン孔33に嵌め入れることにより、スライドファスナ25が開いてしまうといったことが防止される。そして、スライドファスナ25を開けるときには、接続ボタン31をボタン孔33から取り外し、接続ボタン31と開き防止片29との接続を解除する。なお、スライドファスナ25によって、切断部23を全長にわたって開くことができるように構成してもよい。
【0019】
こたつ布団9の内周部の裏面(外側又は外側面)には、一辺部ごとに、周方向又は長さ方向に間隔を有して複数個(ここでは3個)の固定プレート35が、天板3の接続孔15に対応して固定されている。それぞれの固定プレート35は、弾性を有するプラスチック製であり、周方向又は長さ方向に細長い長方形状に形成されている。
【0020】
支持脚5は、角柱状の脚本体37と、この脚本体37の上側端面に、この上側端面の外縁に内接するように形成された円盤状の上端部39と、この上端部39から上方に突出する雄ネジシャフト41と、円盤状の上端部39の外周で、脚本体37の上側端面の角部から突出する引っ掛けピン43と、を有していて、引っ掛けピン43の上端は上端部39の上端面よりも低く位置し、また、円盤状の上端部39の外周には、引っ掛けピン43に対応する位置に断面円弧状の凹部45が形成されている。
【0021】
天板3、支持脚5及びこたつ布団9からこたつ1を組み立てるには、天板3の裏面7の雌ネジ孔13に、支持脚5の雄ネジシャフト41を、上端部39の上端面が天板3の裏面7と接触するまでねじ込んで支持脚5を天板3に取り付ける。次に、開き防止片29のボタン孔33から接続ボタン31を取り外し、スライドファスナ25を開いた状態として、こたつ布団9の固定プレート35を、固定プレート35側からT字ロックピン47(挿入接続軸部材)を対応する接続孔15に差し込んでこたつ布団9を天板9に取り付ける。そして、こたつ布団9の引っ掛け孔21を対応する引っ掛けピン43に引っ掛ける。上端部39の凹部45により、引っ掛け孔21を引っ掛けピン43に引っ掛けやすくなっている。この状態では、こたつ布団9の切欠き19は、支持脚5の上端部39の外周に沿うようにして位置している(図7参照:図7はこたつ布団9の支持脚5への接続状態を示す図)。その後、スライドファスナ25を閉めて開き防止片29のボタン孔33に接続ボタン31を嵌め込む。なお、組み立て順序は適宜変更することができる。
【0022】
図8は固定プレート35の天板3への接続構造を説明するための斜視図、図9は固定プレート35の天板3への接続構造を説明するための断面図、図10は固定プレート35の天板3への接続構造を説明するための別の断面図、図11は固定プレート35の天板3への接続構造を説明するためのさらに別の断面図である。
【0023】
固定プレート35には、長さ方向中央部に、長さ方向に長い差込長孔49が形成され、長さ方向両側に円形状の固定孔51が一対設けられていて、こたつ布団9の内周部にも、対応するように差込スリット(差込孔)53及び一対の固定スリット(固定孔)55が形成されている。こたつ布団9の内周部の表面側(内側)からは、こたつ布団9の固定スリット55及び固定プレート35の固定孔51を貫通して固定ピン57が差し込まれ、この固定ピン57によって固定プレート35がこたつ布団9の内周部に固定されているが、固定ピン57は、断面外側に向かって膨らむ円弧状の外面あるいは球面の一部としての外面を有する固定頭部59と、この固定頭部59から突出する軸部61と、この軸部61の先端部外周に形成されたテーパ状抜け止め部63と、を一体的に有していて、軸部61は径方向一方側と径方向他方側とに2分割されている。すなわち、軸部61を径が小さくなるように弾性変形させることができる。したがって、固定ピン57を先端側から、こたつ布団9の固定スリット55及び固定プレート35の固定孔51に差し込むと、軸部61の外径と等しい又はほぼ等しい径に形成されている固定孔51を通過する際に、抜け止め部63は縮径し、固定プレート35の固定孔51を抜け出たところで弾性復帰力により拡径して抜け止め状態となり、固定ピン57は、こたつ布団9の内周部を十分圧縮してこの内周部に固定プレート35を固定する。また、抜け止め部63を縮径させて固定プレート35の固定孔51から抜き出せば、固定プレート35をこたつ布団9から取り外すことができる。
【0024】
このような固定プレート35を用いてこたつ布団35の内端部を天板3の裏面7に取り付けるには、T字ロックピン47を、固定プレート35側から固定プレート35の差込長孔49及びこたつ布団9の差込スリット53に通して、天板3の裏面7の接続孔15に差し込むこととなるが、T字ロックピン47は、大径の接続頭部65と、この接続頭部65から突出する軸部67と、この軸部67の先端部に設けられた、軸方向と直交するフック部69と、を一体的に有してT字状の抜け止め構造を備えている。また、接続孔15は、天板3の裏面7に金属製の接続孔形成部材71を埋め込むことにより形成されているが、接続孔15は、下側(天板3の裏面7側)の受け入れ部73と上側(奥側)の収容部75との間に、フック部69に対応する通過孔77(フック部69の幅に対応する幅の通過孔77)が形成された係合部79を備えている。そして、フック部69が通過孔77を通過したら、接続頭部65を回転操作し、フック部69を90°回転させて係合部79と係合させ抜け止め状態とする(図10参照)。ここでは、固定ピン57の固定頭部59が天板3の裏面7に接触し、固定プレート35が一直線状となるようにT字ロックピン47の接続頭部65で固定プレート35を押していっても、フック部69が係合部79又は通過孔77を通過しないように構成されている。すなわち、図10に示すように、固定プレート35が、T字ロックピン47の接続頭部65で押え付けられて、固定ピン57の間で上側(天板3側)にへこむように湾曲し、固定プレート35又は固定プレート35の長さ方向両側が、十分圧縮されたこたつ布団9及び固定ピン57の固定頭部59を介して天板3の裏面7に強く押し付けられる状態となったときに、フック部69を係合部79と係合させて抜け止め状態とすることができる。すなわち、フック部69が通過孔77を抜け出て回転させることが可能となる。フック部69の係合部79との係合は、固定プレート35の固定ピン57間での湾曲と、十分圧縮されたこたつ布団9及び固定ピン57の固定頭部59を介しての固定プレート35の天板3の裏面7への強い押し付け状態を維持する。なお、こたつ布団9を天板3から取り外すには、T字ロックピン47を回転させて接続孔15から抜き取ればよい。
【0025】
図12は本発明に係る別のこたつ81の裏面図、図13は別の固定プレート83の天板3への接続構造を説明するための斜視図、図14は別の固定プレート83の天板3への接続構造を説明するための断面図、図15は別の固定プレート83の天板3への接続構造を説明するための別の断面図である。
【0026】
別のこたつ81は、こたつ布団9の内周部の角部の取り付け構造を変更したものであり、その他の構成は基本的にはこたつ1と同一であるので、同一の部分には同一の符号を付すなどして説明を省略する。
【0027】
別のこたつ81では、こたつ布団9の内周部の角部を支持脚5で支える代わりに、直角に曲がったあるいはL字型の固定プレート83をこたつ布団9の内周部の角部外側に固定しておく。固定プレート83のこたつ布団9への固定は、固定プレート83の周方向両側に、円形状の固定孔51を一対設けておき、こたつ布団9の内周部にも、対応するように一対の固定スリット(固定孔)55を形成しておいて、こたつ1と同様に、固定ピン57を用いて行われる。また、このような固定プレート83を用いてこたつ布団9の内周部の角部を天板3の裏面7に取り付けるには、固定プレート83の長さ方向中央部に、差込長孔49(ここでは対角方向に長い長孔)を形成し、こたつ布団9の内周部の角部にも、対応するように差込スリット(差込孔)53を形成しておいて、こたつ1と同様に、T字ロックピン47を用いて行われる。ここでも、固定ピン57の固定頭部59が天板3の裏面9に接触し、固定プレート83がフラットとなるようにT字ロックピン47の接続頭部65で固定プレート83を押していっても、フック部69が接続孔15の係合部79又は通過孔77を通過しないように構成されている。すなわち、図15に示すように、固定プレート83が、固定ピン57の間で上側(天板3側)にへこむように湾曲し、固定プレート83が、十分圧縮されたこたつ布団9及び固定ピン57の固定頭部59を介して天板3の裏面7に強く押し付けられる状態となったときに、フック部69を係合部79と係合させて抜け止め状態とすることができる。すなわち、フック部69が通過孔77を抜け出て回転させることが可能となる。フック部69の係合部79との係合は、固定プレート35の固定ピン57間での湾曲と、十分圧縮されたこたつ布団9及び固定ピン57の固定頭部59を介しての固定プレート35の天板3の裏面7への強い押し付け状態を維持する。なお、こたつ布団9を天板3から取り外すには、T字ロックピン47を回転させて接続孔15から抜き取ればよい。
【0028】
なお、ここでは、こたつ布団9の内周部の角部に切欠き17は形成されていないし、こたつ布団9に切断部23も形成されていない。また、支持脚5は、こたつ1よりも若干内側に取り付けられ(雌ネジ孔13が若干内側に配置されている)、支持脚5の上端部は断面正方形状に形成されている。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明のこたつは取り扱い性及び暖房機能に優れたものである。
【符号の説明】
【0030】
1、81 こたつ
3 天板
5 支持脚
7 裏面
9 こたつ布団
35、83 固定プレート
47 T字ロックピン(挿入接続軸部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、この天板の4隅に設けられた支持脚と、内周部が前記天板の外周部に取り付けられたこたつ布団と、を有するこたつであって、
前記こたつ布団の前記内周部の外側には固定プレートが固定され、
前記こたつ布団の前記内周部は、前記固定プレートを、前記こたつ布団の前記内周部を挟んで、前記天板の前記外周部に取り外し可能に接続することにより、前記天板の前記外周部に取り付けられていて、
前記固定プレートは、この固定プレートの周方向又は長さ方向中央部に配置された挿入接続軸部材によって前記天板の前記外周部に接続され、
前記固定プレートの周方向又は長さ方向中央部は、前記挿入接続軸部材に押されて湾曲している、ことを特徴とするこたつ。
【請求項2】
前記固定プレートは、周方向又は長さ方向に細長く延びるように形成されている、ことを特徴とする請求項1記載のこたつ。
【請求項3】
前記固定プレートは、前記こたつ布団の前記内周部の一辺部分にそれぞれ、周方向又は長さ方向に間隔を設けて複数個固定されている、ことを特徴とする請求項1又は2記載のこたつ。
【請求項4】
前記こたつ布団の前記内周部の角部には、L字型の前記固定プレートが固定されている、ことを特徴とする請求項3記載のこたつ。
【請求項5】
前記支持脚の上端面からは雄ネジシャフトが突出し、
前記支持脚は、前記上端面が前記天板に接触するまで、前記雄ネジシャフトを前記天板の4隅に形成された雌ネジ孔にねじ込むことにより、前記天板に取り付けられていて、
前記支持脚の上端部外周には、上端が前記上端面よりも低く位置する引っ掛けピンが設けられ、
前記こたつ布団に形成された引っ掛け孔に前記引っ掛けピンが嵌るようにして、前記こたつ布団は前記天板の外周部に取り付けられている、ことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のこたつ。
【請求項6】
前記挿入接続軸部材は、前記固定プレートの外側の接続頭部と、この接続頭部から、前記固定プレート及び前記こたつ布団の前記内周部を貫通して延びる軸部と、この軸部の先端部に、前記軸部の延びる方向と直交するように設けられたフック部と、を有していて、
この挿入接続軸部材の前記軸部を前記天板の前記外周部に設けられた接続凹部に挿入し、前記接続頭部を操作して前記挿入接続軸部材を回転させ、前記フック部を前記接続凹部の係合部に引っ掛けることにより、前記固定プレートが前記天板の前記外周部に接続される、ことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のこたつ。
【請求項7】
前記固定プレートの周方向又は長さ方向両側は、内側に固定頭部を有する固定ピンによって前記こたつ布団の前記内周部に固定されていて、
前記固定プレートは、前記挿入接続軸部材の前記接続頭部に押され、前記固定ピンの前記固定頭部を前記天板の前記外周部に押圧するように前記固定ピンの間で湾曲している、ことを特徴とする請求項6記載のこたつ。
【請求項8】
前記こたつ布団は1つの角部で切断され、切断された部分にはファスナが設けられていて、このファスナを開くことにより、こたつ布団の角部を内端から外端部又は外端まで開けることができる、ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のこたつ。
【請求項9】
前記ファスナが離れる方向に引っ張られて開いてしまうのを防止する開き防止構造が設けられていて、この開き防止構造は、前記ファスナを堺に、一方側の前記こたつ布団に基端部が固定され、他方側の前記こたつ布団に他端部が取り外し可能に接続された開き防止片を有している、ことを特徴とする請求項8記載のこたつ。
【請求項10】
天板と、この天板の4隅に設けられた支持脚と、内周部が前記天板の外周部に取り付けられたこたつ布団と、を有するこたつであって、
前記こたつ布団の前記内周部の外側には固定プレートが固定され、
前記こたつ布団の前記内周部は、前記固定プレートを、前記こたつ布団の前記内周部を挟んで、前記天板の前記外周部に取り外し可能に接続することにより、前記天板の前記外周部に取り付けられていて、
前記固定プレートの周方向又は長さ方向両側は、内側に固定頭部を有する固定ピンによって前記こたつ布団の前記内周部に固定され、
前記固定プレートは、この固定プレートの周方向又は長さ方向中央部に配置された接続軸部材によって前記天板の前記外周部に接続され、
前記固定プレートの周方向又は長さ方向中央部は、前記接続軸部材に押されて、前記固定ピンの前記固定頭部を前記天板の前記外周部に押圧するように前記固定ピンの間で湾曲している、ことを特徴とするこたつ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−106797(P2011−106797A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−265690(P2009−265690)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(300078338)静和YBJ株式会社 (6)