説明

アクセレータを備えた、手で操縦されるバッテリー作動型作業機

【課題】バッテリー充電の活用効率が改善されるように、手で操縦されるバッテリー作動方式の作業機を改良する。
【解決手段】電気アクチュエータ(31)の出力信号は、バッテリーパック(15)と駆動原動機(8)とを接続した電子制御装置(26)に供給される。駆動原動機(8)に供給される電気エネルギーは操作要素(32)の位置に依存して電子制御装置(26)により配分される。操作要素(32)の、非作動位置に続く第1の「デッド」ストローク範囲(35)において、配分される電気エネルギーは「ゼロ」である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の、刈り込みばさみ機、パワーチェーンソー、刈払い機等の手で操縦される作業機、特に携帯可能な手で操縦される作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エネルギー源としてバッテリーパックを備えた、手で操縦される携帯可能な作業機は知られている。たとえば特許文献1は、パワーチェーンソー、刈り込みばさみ機、刈払い機等として種々構成された手で操縦される携帯可能な作業機を開示している。作業機ケーシング内には、作業工具用の従動部を付設した電気駆動原動機が設けられている。作業機ケーシングはバッテリーパックを含んでおり、バッテリーパックは適当な電子制御装置を介して駆動原動機と接続されている。操作要素を備えた第1の後部グリップを介して作業機が操縦され、駆動原動機が制御される。他方、作業機を保持するために第2の前部グリップが利用者の第2の手で把持される。
【0003】
この種の作業機にバッテリーで作動する電動機を備えさせることは、ある種の特別なチャレンジである。というのは、一方で十分な駆動パワーを提供しなければならず、他方十分な作動時間が必要だからである。電気エネルギーを提供するには、適当な化学的構成の蓄電池から成る対応的なバッテリーパックが必要である。
【0004】
この種の作業機の作動時間は、主に、バッテリーパックに蓄積されているエネルギーを、要求される出力電力でいかに効率的に活用するかにかかっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0240892A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、バッテリー充電の活用効率が改善されるように、手で操縦されるバッテリー作動方式の作業機を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1の特徴ある構成によって解決される。
【0008】
作業機のアクセレータは電気アクチュエータと接続され、該電気アクチュエータの位置依存出力信号は電子制御装置に送られる。したがって、電子制御装置はアクセレータのストローク位置の位置信号を得て、アクセレータのストローク位置に応じて駆動原動機に必要なエネルギーを供給する。本発明によれば、アクセレータとして構成される操作要素の、非作動位置(停止位置)に続く第1のストローク範囲において、供給されるべき電気エネルギーは「ゼロ」に量定され、すなわち電気エネルギーは供給されない。
【0009】
これにより、駆動原動機を作動させるには、利用者はアクセレータを強く押し下げねばならない。その利点は、駆動原動機が始動と同時に対応的に強い電圧信号で制御されるので、大きなロスを伴う駆動原動機の始動運動がすばやく行われる点にある。始動段階を短くすることができ、その結果駆動原動機の始動段階で生じる電気的ロスを小さくさせることができる。バッテリーパックに蓄積されている充電気は効率的に使用され、バッテリーで作動する作業機の作動時間が長くなる。
【0010】
有利には、操作要素が回転軸線のまわりに回動可能であるのがよい。この場合、エネルギーが供給されない操作要素のストローク範囲は、0゜ないし10゜の範囲、特にほぼ7゜の範囲にわたる。「デッドパス」としてのこの第1のストローク範囲が経過した後にはじめて、すなわち第1の「デッド」ストローク範囲から次の第2のストローク範囲への移行時に、駆動原動機は、合目的にはその駆動原動機電圧のほぼ30%に相当する所定のパワー値へ跳躍的に設定される。有利には、駆動原動機の駆動制御信号として、合目的にはパルス幅に関し変調した信号が供給される。ロスを少なくさせるため、駆動制御信号は直流電圧信号であり、この場合電気駆動原動機はECモータとして実施される。
【0011】
本発明の他の構成によれば、電子制御装置の電源回路内に、電源回路を開閉させる少なくとも1つの機械的なスイッチが配置されている。
【0012】
この種のスイッチは、手で操縦されるバッテリー作動型作業機の作動安全性を向上させるため、両手保護要素であるのが合目的である。
【0013】
電子制御装置とスイッチの切換え位置とは、スイッチがその都度電流なしで開閉するように、互いに整合しあっている。これが意味することは、スイッチを切換える瞬間に電源回路に電流が流れず、通常の作動時には、電源回路内の電流がゼロになったときにはじめてスイッチが開くということである。これによって、両手保護のために簡単なスイッチを使用でき、その接点は過負荷から保護され、これに伴う接点消耗のような結果から保護される。
【0014】
本発明の他の構成は他の請求項、以下の説明および図面から明らかである。図面には、以下に詳細に述べる本発明の実施形態が図示されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】手で操縦される作業機としてのパワーチェーンソーの概略側面図である。
【図2】ブラシ型モータ用の電子制御装置を備えた電源回路の概略構成図である。
【図3】ブラシレスモータ用の電子制御装置の概略構成図である。
【図4】パルス幅変調信号列を示す図である。
【図5】パルス幅と操作要素の回動角の関係を示すグラフである。
【図6】刈り込みばさみ機の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面に図示した、手で操縦される作業機1の実施形態は、図1ではパワーチェーンソーとして実施され、図6では刈り込みばさみ機40として実施されている。これらの実施形態は、たとえば切断研削機、刈払い機、縁刈り機、丸太カッター、送風機、噴霧機、掃除機、地下穿孔機、多機能アタッチメント用コンビネーションモータ装置、清掃機、電動くわ、ロータリー耕うん機、高圧クリーナー、芝刈り機、土掻き機、チッパー、湿式または乾式吸引機等の他の手で操縦される作業機の例でもある。
【0017】
利用者は作業機1を2つのグリップ4と6を用いて操縦する。第1の後部グリップ4は利用者の第1の手で、第2の前部グリップ6は利用者の第2の手で把持される。図示した、手で操縦される携帯可能な作業機1は、いわゆる「両手操縦方式作業機」であり、利用者が両手で把持して作業機1を保持し、操縦するものである。
【0018】
作業機1の後部グリップ4(図1と図6)は、作業機のケーシング9と一体に形成され、特に継ぎ合わせたグリップシェルから成っている。前部グリップ6は湾曲グリップとして実施され、作業機の縦軸線5に対し実質的に横方向に位置している。後部グリップ4は作業機の縦軸線5の方向に指向している。前部グリップ6の前方には手保護部材3が配置され、該手保護部材3は、パワーソー2の場合(図1)、作業工具11を一瞬で制動させて停止させる安全ブレーキ用の機械的レリーズとして用いられるので合目的である。
【0019】
図6の刈り込みばさみ機の場合には、前部湾曲グリップ6は合目的には2分割して構成され、半部分6a,6bは、その間に配置されている両手電気保護装置のスイッチ31’を操作するために互いに可動である。スイッチ31’は湾曲グリップの両半部分によって直接に操作されるか、或いは、たとえば切換え湾曲部材等の伝動要素を介して間接的に操作することができる。
【0020】
作業機のケーシング9内には、電気駆動原動機8と、パワーソー2の場合には、作業工具11用のチェーンピニオンを備えた従動部14とが収納されている。図1の実施形態では、作業工具11はソーチェーン12であり、該ソーチェーン12はガイドレール13の外側の周溝内を周回する。図6の実施形態では、作業工具11は往復動する剪断カッターを備えたカッティングバーである。
【0021】
電気駆動原動機8は150ワット以上の入力電力を有し、好ましくは500ワットないし5000ワットの範囲の入力電力を持つ。
【0022】
電気駆動原動機は合目的にはブラシ型モータとして構成されていることができ、好ましくは高出力モータとして実施され、特にECモータまたはブラシレスモータとして構成されている。
【0023】
作業機1のハウジング9内には、バッテリーパック15用の収容ダクト16が形成されている。収容ダクト16は実質的にはバッテリーパック15の体積に相当しており、その結果バッテリーパック15は、図1と図6で一点鎖線で示したように、実質的にハウジング9の収容ダクト16内に完全に収容される。
【0024】
バッテリーパック15は、多数の電池を配置したパックケース23から構成されている。蓄電池は充電可能な電池であり、たとえばNiCd(リチウム・カドミウム)電池、NiMh(ニッケル・メタルハイドライド)電池、LiIo(リチウム・イオン)電池、LiPo(リチウム・ポリマー)電池、LiFePo4(リチウム・燐酸鉄)電池、リチウム・チタン電池等として構成された電池である。個々の電池の電池電圧は合目的には2ボルトないし5ボルトの範囲であり、好ましくはほぼ3.6ボルトないし3.7ボルトの範囲である。この種の電池を用いると、実施した回路(直列回路、並列回路)に応じてバッテリーパックの種々の電源電圧を得ることができる。使用する電池3を用いて、実施した回路(直列回路、並列回路)に応じて12ボルトないし150ボルト、有利には25ボルトないし51ボルトのバッテリーパック電圧を得ることができる。本実施形態では、バッテリーパック15の無負荷電圧は20ボルトないし42ボルトの充電状態に依存して設定されている。
【0025】
パックケース23内で結線され、個別電池から成っている電池ブロックは、外側の接続板24を介して電気接触している。接続板24は収容ダクト16の底部25に設けられている。したがって、接続板24は収容ダクト16の挿入穴22に対向しており、その結果バッテリーパック15をその縦軸線18の方向に挿入する際、挿入経路の終端部分でバッテリーパック15の電気接触が行われる。接続板24は電子制御装置26と接続しており、該電子制御装置26には電源回路30(図2、図3)を介して電気駆動原動機8が接続されている。電子制御装置26は、位置センサとしても構成されている電気切換え・アクチュエータ要素31または31a,31b(図3)から制御導線27を介して受けた制御命令を置換して、アクセレータとして実施されている操作要素32のストローク位置に応じて駆動原動機8を制御する。このため、電子制御装置26を用いて、パルス幅変調信号列34(図4)としてのバッテリーパック15の直流電圧が駆動原動機8に供給される。その際信号強度は、バッテリー電圧よりも小さな電圧Vをもっている。バッテリー電圧は充填状態に応じて20ボルトないし42ボルトである。
【0026】
パルス幅変調信号列34の周期τは、信号時間Tの信号S自体と、休止時間Tの信号休止部分Pとから成る。信号時間Tは、周期τを一定にした状態で所望のパワーに依存して0%からM%まで変化させる。0%の場合には信号時間Tはゼロに等しい。M%の場合には信号時間Tはたとえば26ボルトの平均所定モータ電圧に対応している。周期τに対しては、T+T=τが成立する。
【0027】
図2には、ブラシ型モータとして実施された電動機8の回路が図示されている。その電源回路30はスイッチ33と33’によって遮断される。スイッチ33,33’は直接電源回路30内にあり、その結果スイッチ33または33’を開くと、たとえば回動可能なアクセレータとして構成された操作要素32を単独で押し下げても、電動機8に電流は流れない。図示した実施形態では、アクセレータには、該アクセレータとは逆の側でグリップ4に配置されるアクセレータロック20が付設されている。アクセレータとアクセレータロック20とは、アクセレータロック20を押し下げたときだけアクセレータを操作できるように互いに相互作用する。
【0028】
スイッチ33’はスイッチ要素31’の一部であり、図6の刈り込みばさみ機6の実施形態で図示したように前部グリップ6に付設することができる。駆動原動機8は、利用者が片手で後部グリップ4を握り、他方の手で前部グリップ6を握った場合にだけ作動させることができる。グリップ4,6を握った後にはじめてスイッチ33と33’が閉じられ、その際同時にアクセレータロック20とアクセレータとの間の機械的ロックが解除され、その結果利用者はアクセレータとして構成された操作要素32を押し下げることができる。
【0029】
利用者が両グリップ4と6を握り、その際にスイッチ33と33’が閉じられると、アクセレータロック20が解除され、その結果利用者はアクセレータを操作することができる。アクセレータ32は、図1に図示したように、回転軸線21のまわりを矢印方向に角度αだけ回動し、その際位置センサとして構成されているアクチュエータ31がストローク位置または回動位置に依存する信号を制御導線27を介して電子制御装置26に送る。
【0030】
電子制御装置26は、位置調整レバー31のストローク位置に依存して電気駆動原動機8を制御する。ブラシ型モータ8の制御は、電子制御装置26により、バッテリーパック15から提供される直流電流(DC)を用いて行う。直流電流は、図4に図示したように、パルス幅変調信号34として供給される。このような回路により、通常作動時には電源回路30内のスイッチ33と33’が常に電流なしで閉じられ、その結果接点負荷が小さく、よって接点消耗が避けられる。
【0031】
駆動原動機の始動ロスを低減させるため、操作要素32の第1のストローク範囲35(図1)で信号Sのパルス幅を0%に調整する。その結果非作動位置(停止位置)に接続している第1のストローク範囲35で電動機8に配分されるエネルギーは「ゼロ」である。操作要素32によって操作されるアクチュエータ31は、合目的には、第1の「デッド」ストローク範囲35がアクチュエータ31の全ストロークのほぼ30%ないし60%、特にほぼ40%ないし45%に相当するように構成されている。
【0032】
合目的には、第1のストローク範囲35(この範囲では駆動原動機にエネルギーは供給されず、信号Sのパルス幅Tはゼロである)は、アクセレータとして実施されている操作要素32の0゜ないし10゜の回転角、特に7゜以下の回転角に相当している。図5が示すように、「デッド」ストローク範囲35が終了すると、パルス幅PWMは所定のスタート値(たとえばモータ定格出力またはモータ定格電圧の30%)へ跳躍的に増大する。その結果電動機8が強力に始動し、ロスを伴う始動段階が可能な限り短くなる。
【0033】
たとえば25゜ないし30゜までのアクセレータ32の回転角度範囲にわたる該アクセレータの更なるストローク範囲にわたってパルス幅の増大が行われる。このパルス幅の増大は、ストローク範囲の終了時にパルス幅が100%よりも小さなM%になるまで行われる。所定のM%のパルス幅は、電動機8の最大モータ電圧に相当しており、たとえば最大供給電圧(たとえば26%)に相当している。したがって、作動の広範囲にわたってバッテリー電圧はモータに印加される電圧よりも常に大きい。充電量が減少してバッテリー電圧がたとえば28ボルトの閾値以下に低下すると、パルス幅PWMが制御されて小さくなり、その結果バッテリー充電量が低くなるために利用者は電気作業機の反応を受け、さらに作業を進めるための処置(たとえばバッテリーパックの充電或いは交換バッテリーの挿入)を行うことができる。
【0034】
駆動原動機8としてECモータまたはブラシレスモータを使用する場合には、図3の回路に従って制御を行う。電動機8の電源回路内には機械的なスイッチは配置されていない。電流の制御は、好ましくはMOSFET(酸化膜半導体電界効果トランジスタ)等の電子要素、電源モジュールを介して行う。バッテリーパック15は接点板24に設けた接続部28を介して直接に電子制御装置26に接続することができる。電子制御装置26は電子電源モジュールと電源回路30とを介して電動機8に直接給電する。制御導線36を介してECモータが制御され、その結果ECモータの作動に必要な電子駆動制御装置を作業機1の電子制御装置に一体的に組み込むことができる。センサ導線37は電子制御装置にブラシレスモータ8の場の状態に関するフィードバック信号を送る。電子制御装置26には、さらに、信号導線29を介してバッテリーパック15の作動データが送られて、該作動データを制御の際に考慮するようになっている。
【0035】
アクチュエータ31,31’のスイッチ33と33’は制御回路内に配置され、制御導線27を介して電子制御装置26と接続されている。スイッチ33.33’またはアクチュエータ31bの切換え状態に依存してモータ8が制御される。その際、パワー制御は、図4および図5においてブラシ型モータの場合に説明したのと同じように電源回路内でパルス幅を変調して行われる。
【0036】
点線で示したように、たとえば作業機の作動に必要な他の構成要素の状態を電子制御装置26に知らせるために、制御導線27を介して他の切換え要素33”を接続してもよい。
【0037】
パルス幅PWMをM%まで或いは所定のモータ電圧(たとえば26ボルト)まで増大させることは、合目的に構成した曲線にしたがって行うことができる。第1実施形態では、図5に実線で示したように、直線17にしたがって30%からM%まで直線的に且つ連続的に増大させる。これにより、利用者は必要に応じてパワーを敏感に制御することができるようなアクセレータ32を得ることになる。
【0038】
M%へのパルス幅の増大を、図5に二点鎖線で例示したような曲線7にしたがって行うのも合目的である。また、図5に点線で示したように、階段状曲線10にしたがって階段状に増大させることも有利である。
【0039】
値Mは接続されているバッテリーパック15の実際に電圧、よって充填状態に依存している。バッテリーパック15が完全に充填されている場合、バッテリー電圧はたとえばほぼ42ボルトである。その結果、パルス幅をほぼ60%の値へ増大させる。バッテリーパックが十分に放電され、たとえばまだ30ボルトのバッテリー電圧しかない場合には、パルス幅を80%へ増大させる。その結果モータ8にはそのままたとえば26ボルトの電源電圧が印加される。実際のバッテリー電圧がたとえば30ボルトの閾値以下に低下すれば、バッテリー電圧が低下したことに対する反応を利用者が確認できるように、パルス幅を目的に応じて減少させることができる。
【0040】
図6に図示した作業機1は、作業工具11としてカッターバーを備えた刈り込みばさみ機40である。この刈り込みばさみ機40の基本構成は図1の作業機1に対応しており、よって同一の部材には同じ符号を付している。
【符号の説明】
【0041】
1 パワーチェーンソー
4 後部グリップ
6 前部グリップ
8 駆動原動機
9 作業機ケーシング
14 従動部
15 バッテリーパック
26 電子制御装置
31 アクチュエータ
32 アクセレータ
35 「デッド」ストローク範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機ケーシング(9)に固定される少なくとも1つのグリップ(4,6)と、前記ケーシング(9)内に配置される電気駆動原動機(8)と、作業工具(11)用の従動部(14)と、作業機(1)を作動させるためのバッテリーパック(15)と、前記グリップ(4)に設けられ、前記駆動原動機(8)を制御するための操作要素(32)とを備え、該操作要素(32)が電気アクチュエータ(31)に作用するようにした、手で操縦される作業機において、
前記電気アクチュエータ(31)の出力信号が、前記バッテリーパック(15)と前記駆動原動機(8)とを接続した電子制御装置(26)に供給されること、
前記駆動原動機(8)に供給される電気エネルギーが前記操作要素(32)の位置に依存して前記電子制御装置(26)により配分され、前記操作要素(32)の、非作動位置に続く第1の「デッド」ストローク範囲(35)において、配分される前記電気エネルギーが「ゼロ」であること、
を特徴とする作業機。
【請求項2】
前記アクチュエータ(31)の前記[デッド」ストローク範囲(35)が全ストロークのほぼ30%ないし60%に相当し、好ましくは全ストロークのほぼ40%ないし45%に相当していることを特徴とする、請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記操作要素(32)が回転軸線(21)のまわりに回動可能であり、前記第1のストローク範囲(35)が0゜ないし10゜の回転角、特にほぼ7゜の回転角に相当していることを特徴とする、請求項1または2に記載の作業機。
【請求項4】
前記第1のストローク範囲(35)からこれに続く第2のストローク範囲への跳躍的な移行の際に所定のパワー値が設定されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一つに記載の作業機。
【請求項5】
前記所定のパワー値が定格出力のほぼ30%に相当していることを特徴とする、請求項4に記載の作業機。
【請求項6】
前記電気駆動原動機(8)への前記電子制御装置(26)の制御信号(34)がパルス幅変調信号列(34)であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一つに記載の作業機。
【請求項7】
前記パルス幅変調信号列(34)が直流電圧信号であることを特徴とする、請求項6に記載の作業機。
【請求項8】
前記電気駆動原動機(8)がECモータであることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一つに記載の作業機。
【請求項9】
ECモータの電子駆動制御装置が前記電子制御装置(26)内に組み込まれていることを特徴とする、請求項8に記載の作業機。
【請求項10】
前記グリップ(4,6)に、両手保護要素であるスイッチ(33’)が付設されていることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか一つに記載の作業機。
【請求項11】
前記電子制御装置の(26)の、作業電流を誘導する電源回路(30)内に、少なくとも1つの機械的なスイッチ(33,33’)が配置されていることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか一つに記載の作業機。
【請求項12】
前記スイッチ(33,33’)が電流なしで開閉するように、該スイッチ(33,33’)の切換え位置が互いに整合しあっていることを特徴とする、請求項10または11に記載の作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−200751(P2010−200751A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44074(P2010−44074)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(598052609)アンドレアス シュティール アクチエンゲゼルシャフト ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (95)
【Fターム(参考)】