説明

アシスト装着具

【課題】 様々な姿勢により生ずる筋負担を、応答性よく軽減することが可能なアシスト装着具の提供。
【解決手段】 アシスト装着具1は、人体の背部に配置される復元パッド3と、復元パッド3を人体に固定するための右肩固定ベルト5、左肩固定ベルト9、右腰部固定ベルト15、左腰部固定ベルト19、右大腿部固定ベルト33、左大腿部固定ベルト35、左右大腿部背部接続ベルト39、右大腿部前部接続ベルト25、および左大腿部前部接続ベルト29等により構成されている。これらにより復元パッド3を人体背部の所定位置に配置し、様々な姿勢により復元パッド3が変形した場合に、元の形状に戻ろうとする復元力を上記各ベルトを介して人体に伝達することによって、筋負担を軽減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアシスト装着具に関し、特に腰部などへの筋負担を軽減することが可能なアシスト装着具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、介護や農作業など各種作業時に腰部に生ずる筋負担を軽減するため、補助器具を用いる例がある。例えば、一端を肩部に固定し、他端を下半身に固定して背部に沿って延在する弾性体を有し、その弾性体を長手方向に伸縮させるワイヤ巻き取り機を有する補助器具が提案されている。この補助器具においては、上半身の曲げ状態をセンサで検出し、検出した曲げ状態に応じてワイヤ巻き取り機を駆動して弾性体の伸縮を制御することによって、腰部の筋負担を軽減させている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2008−67762号公報(第5−9頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の補助器具では、弾性体は背部に沿って上下方向に配置されており、ワイヤを巻き取って弾性体を縮小させることにより軽減される筋負担は、前屈により生ずるもののみである。すなわち、上半身の回旋、側屈またはそれらおよび前屈との複合状態などにより生ずる筋負担を軽減する効果はない。また、ワイヤ巻き取り機は、上半身の曲げ状態がセンサで検出されて始めて駆動されるため、応答に時間がかかるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、上半身の前屈、回旋、側屈など様々な姿勢により生ずる筋負担を、応答性よく軽減することが可能なアシスト装着具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、元の形状へ復元しようとする復元力を有する伸縮性部材を少なくとも一部に有して無端形状をなし、人体の背部であって腰部の略上部から肩甲骨の略下部に至る部分に配置される復元力発生部と、復元力発生部の左上部に接続され左肩部に固定される左肩固定部と、復元力発生部の右上部に接続され右肩部に固定される右肩固定部と、復元力発生部の左下部に接続され少なくとも腰部の左側又は左大腿部のいずれかに固定される左下固定部と、復元力発生部の右下部に接続され少なくとも腰部の右側又は右大腿部のいずれかに固定される右下固定部とを備えるアシスト装着具を提供している。
【0006】
このような構成によれば、前屈、回旋、側屈などの様々な姿勢により生ずる復元力発生部の変形を元に戻そうとする復元力を、左肩固定部、右肩固定部、左下固定部、または右下固定部の各固定部を介して人体に伝達する。
【0007】
ここで、復元力発生部は、復元力を調節する復元力調節機構を有することが好ましい。
【0008】
このような構成によれば、腰痛などの症状に応じて、またはアシスト装着具を使用する人の体格に応じて復元力を調整する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1に記載のアシスト装着具によれば、復元力発生部が無端形状であることによって、一方向のみでなく、前屈、回旋、側屈およびそれらの複合姿勢などにより腰部または背部にかかる様々な方向の筋負担を軽減できるという優れた効果を奏し得る。また、センサなどを用いて意図的に装着具を変形させる場合に比べて、応答性がよい。さらに、姿勢を計測するセンサや装着具の一部を変形させるための装備を必要としないので、安価であり、軽量であると共に故障もしづらい。
【0010】
請求項2に記載のアシスト装着具によれば、上記効果に加え、復元力の調整を行うことにより、より個人に適したアシスト装着具とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の一実施の形態によるアシスト装着具について図1乃至図7を参照しながら説明する。
【0012】
図1から図5に示すように、アシスト装着具1は、人体の背部に配置される復元パッド3と、復元パッド3を人体に固定するための右肩固定ベルト5、左肩固定ベルト9、右腰部固定ベルト15、左腰部固定ベルト19、右大腿部固定ベルト33、左大腿部固定ベルト35、左右大腿部背部接続ベルト39、右大腿部前部接続ベルト25、および左大腿部前部接続ベルト29等により構成されている。
【0013】
図1、図3および図5に示すように、復元パッド3は、略環状をした所謂無端形状をなしており、例えばゴムなどの弾性体により形成された中空のチューブである。復元パッド3は、人体背部の腰部の略上部から肩甲骨の略下部に至る部分に配置される。
【0014】
右肩固定ベルト5および左肩固定ベルト9は、例えば布帛など可撓性で厚みがあり肩の形状になじむ素材で細長い帯状に形成されている。右肩固定ベルト5は、両端が復元パッド3の図3における右側上部に接続され、右肩を通すことにより復元パッド3を右肩に対して固定する。左肩固定ベルト9は、両端が復元パッド3の図3における左上部に接続され、左肩を通すことにより復元パッド3を左肩に対して固定する。図6に示すように、左肩固定ベルト9の端部10は別部材で構成されており、左肩固定ベルト9の本体部と縫い合わせることによって結合されている。端部10は、復元パッド3にループ状に巻きつけられて例えばハトメホック18で接続され、復元パッド3の交換が必要な場合に容易に取り外し可能に構成されている。右肩固定ベルト5も同様な構成をなす。
【0015】
図1および図4に示すように、右肩固定ベルト5の人体前側には、右肩固定ベルト接続ベルト11が例えば表面に縫い付けられることによって接続されている。左肩固定ベルト9の人体前側には、左肩固定ベルト接続ベルト13が例えば表面に縫い付けられることによって接続されている。右肩固定ベルト接続ベルト11および左肩固定ベルト接続ベルト13は、例えば布帛など可撓性素材で細長い帯状に形成されている。右肩固定ベルト接続ベルト11と左肩固定ベルト接続ベルト13とは、例えばプラスチック製で接続および解除が容易に可能な接続部14によって互いに連結されている。本実施の形態においては右肩固定ベルト接続ベルト11が長さ調節可能に接続部14Aに接続されており、左肩固定ベルト接続ベルト13が接続部14Bに接続されており、接続部14Aと接続部14Bとを連結させることによって右肩固定ベルト5および左肩固定ベルト9の位置をより確実に固定している。ここで、長さ調節可能な接続部14Aは、例えば漢字の略「日」形状の部材を利用できる。この場合、「日」の上2本の横棒の間の空間に例えば裏手側から右肩固定ベルト接続ベルト11を通し、続いて下2本の横棒の間の空間に手前側から再び通すことによって右肩固定ベルト接続ベルト11を所望の長さに固定することができる。
【0016】
右腰部固定ベルト15および左腰部固定ベルト19は、例えば布帛など可撓性で厚みがあり腰部の形状になじむ素材で細長い帯状に形成されている。右腰部固定ベルト15の一端は、図3および図5における復元パッド3の右下部に接続されている。左腰部固定ベルト19の一端は、図3および図5における復元パッド3の左下部に接続されている。右腰部固定ベルト15および左腰部固定ベルト19の端部は、上記左肩固定ベルト9の端部10のように別部材で構成されており、復元パッド3にループ状に巻きつけられて例えばハトメホック形式で接続され、復元パッド3の交換が必要な場合に容易に取り外し可能に構成されている。右腰部固定ベルト15と左腰部固定ベルト19とは、人体腰部に固定された状態では人体腰部前部において互いに重なり合うことが好ましく、重なり合う部分には、面ファスナー、ホックなどを配置して固定された状態が継続するような構成にすることが好ましい。
【0017】
右腰部固定ベルト15には長さ調節ベルト17が例えば少なくとも一端部を縫い付けられることにより備えられており、左腰部固定ベルト19には、長さ調節ベルト21が例えば少なくとも一端部を縫い付けられることにより備えられている。長さ調節ベルト17、21は、例えば布帛など可撓性素材で細長い帯状に形成されている。長さ調節ベルト17、21は、例えばプラスチック製で接続および解除がワンタッチなど容易に可能な接続部23にそれぞれ接続され、長さ調節ベルト17、21を腰部にあわせて引き締めた状態で接続部23を連結することによって互いに接続されて右腰部固定ベルト15と左腰部固定ベルト19とが固定される。本実施の形態においては、長さ調節ベルト17が長さ調節可能に接続部23に接続されており、右腰部固定ベルト15と左腰部固定ベルト19とを確実に人体腰部に固定する。接続部23の構成は接続部14の構成と同様であるので詳細説明を省略する。
【0018】
図1および図4に示すように、右大腿部前部接続ベルト25は、右腰部固定ベルト15と右大腿固定ベルト33とを接続している。本実施の形態においては、右大腿部前部接続ベルト25の一端は、右腰部固定ベルト15に備えられた長さ調節ベルト17にループ状に巻きつけられ、調節部27を介して長さ調節可能に接続されている。調節部25は、例えばプラスチックで形成された漢字の略「日」形状の部材を利用できる。この場合、まず、「日」の下2本の横棒の間の空間に例えば裏手側からベルトを通し、続いて上2本の横棒の間の空間に手前側からベルトを通す。さらにベルト端部を長さ調節ベルト17にループ状に1回巻きつけた後、「日」の上2本の横棒の間の空間に例えば裏手側からベルトを通し、続いて下2本の横棒の間の空間に手前側からベルトを通すことによって長さ調節可能にベルトを所望の長さに固定することができる。このとき、長さ調節ベルト17と右大腿部前部接続ベルト25とは互いに固定されておらず、図1および図4の横方向に移動が可能である。右大腿部前部接続ベルト25の他端は、右大腿固定ベルト33にループ状に巻きつけられて例えばハトメホック形式で固定されている。
【0019】
図1および図4に示すように、左大腿部前部接続ベルト29は、左腰部固定ベルト19と左大腿固定ベルト35とを接続している。本実施の形態においては、左大腿部前部接続ベルト29の一端は、左腰部固定ベルト19に備えられた長さ調節ベルト21にループ状に巻きつけられ、調節部31を介して長さ調節可能に固定され、他端が左大腿固定ベルト35に固定されている。調節部31は、調節部27と同様の構成であるので詳細説明を省略する。このとき、長さ調節ベルト21と左大腿部前部接続ベルト29とは互いに固定されておらず、図1および図4の横方向に移動が可能である。左大腿部前部接続ベルト29の他端は、左大腿固定ベルト35にループ状に巻きつけられて例えばハトメホック形式で固定されている。右大腿部前部接続ベルト25および左大腿部前部接続ベルト29は、例えば布帛など可撓性素材で細長い帯状に形成されている。
【0020】
復元パッド3の図3および図5における下部には、復元パッド3と、右大腿固定ベルト33および左大腿固定ベルト35とを接続する左右大腿部背部接続ベルト37が接続されている。左右大腿部背部接続ベルト37は例えば布帛など可撓性素材で細長い帯状に形成されている。左右大腿部背部接続ベルト37は、一端側の上部接続部32が調節部39を介して長さ調節可能に復元パッド3に接続されており、他端側は右端34と左端36とに二股に分かれている。右端34は右大腿部固定ベルト33に固定され、左端36は左大腿部固定ベルト35に固定されている。図7は、図3のB部分を紙面裏側から見た図であるが、図7に示すように、左右大腿部背部接続ベルト37の上部接続部32と右端34および左端36とはリベット40によって互いに接続されている。上部接続部32は、調節部39を介して復元パッド3に長さ調節可能に接続されている。調節部39の構成は調節部27および調節部31と同様であるので詳細説明は省略する。上部接続部32と復元パッド3とは互いに固定されていないので、図3および図5の横方向に移動が可能である。右端34の図5下端部は、右大腿固定ベルト33にループ状に巻きつけられ、例えばハトメホックによって固定されている。同様に、左端36の図5下端部は、左大腿固定ベルト35にループ状に巻きつけられ、例えばハトメホックによって固定されている。
【0021】
右大腿部固定ベルト33および左大腿部固定ベルト35は、例えば布帛など可撓性で厚みがあり大腿部の形状になじむ素材で細長い帯状に形成されている。右大腿部固定ベルト33および左大腿部固定ベルト35は、それぞれ左右の大腿部に両端部が重なり合うようにして巻きつけ、固定する。このとき、重なり合う部分には、面ファスナー、ホックなどを配置して固定された状態が継続するような構成にすることが好ましい。
【0022】
以上のように構成されたアシスト装着具1を装着する際の手順について説明する。まず、接続部14および接続部23の接続を解除すると共に、右腰部固定ベルト15、左腰部固定ベルト19、右大腿固定ベルト33および左大腿固定ベルト35の端部の重なりを解除しておく。続いて、右肩固定ベルト5に右肩を通し、左肩固定ベルト9に左肩を通す。右肩固定ベルト接続ベルト11の長さを調節し、接続部14によって右肩固定ベルト接続ベルト11と左肩固定ベルト接続ベルト13とを接続する。
【0023】
次に、右腰部固定ベルト15と左腰部固定ベルト19とを多少張力を加えながら互いに重ね合わせた状態で腰骨付近に固定する。また、長さ調節ベルト17の長さを調節し、接続部23によって長さ調節ベルト17と長さ調節ベルト21とを接続する。
【0024】
さらに、右大腿部固定ベルト33に多少張力を加えながら重ね合わせた状態で右大腿部に固定する。右大腿部前部接続ベルト25が緩まない程度に長さを調節する。また、左大腿部固定ベルト35に多少張力を加えながら重ね合わせた状態で左大腿部に固定する。左大腿部前部接続ベルト29が緩まない程度に長さを調節する。左右大腿部背部接続ベルト37も、調節部39により緩まない程度に長さを調節する。
【0025】
上記のようにしてアシスト装着具1を装着することによって、略環状の復元パッド3は、人体背部の略肩甲骨の下部から腰部の略上部の位置に略円形状に固定される。
【0026】
上述のように本実施の形態によるアシスト装着具1によれば、元の形状へ復元しようとする性質を有する略環状の復元パッド3が、人体背部の腰部略上部から肩甲骨の略下部に至る部分に略円形状に配置される。復元パッド3の図3における右上部には右肩固定ベルト5の両端が接続され、左上部には左肩固定ベルト9の両端が接続されている。また、右肩固定ベルト5、左肩固定ベルト9、右肩固定ベルト接続ベルト11および左肩固定ベルト接続ベルト13が伸縮性の少ない素材で構成されることによって、復元パッド3と両肩部との距離が略一定に保たれる。また、復元パッド3の右下部には右腰部固定ベルト15が接続されていると共に、長さ調節ベルト17および右大腿部前部接続ベルト25を介して右腰部固定ベルト15に固定された右大腿固定ベルト33が接続されている。これら右腰部固定ベルト15、長さ調節ベルト17および右大腿部前部接続ベルト25、右大腿固定ベルト33が伸縮性の少ない素材で構成されることによって、右腰部または右大腿部と復元パッド3との距離が略一定に保たれる。同様に、復元パッド3の左下部には左腰部固定ベルト19が接続されていると共に、長さ調節ベルト21および左大腿部前部接続ベルト29を介して左腰部固定ベルト19に固定された左大腿固定ベルト35が接続されている。左腰部固定ベルト19、長さ調節ベルト21、左大腿部前部接続ベルト29、左大腿固定ベルト35が伸縮性の少ない素材で構成されることによって、左腰部または左大腿部と復元パッド3との距離が略一定に保たれる。
【0027】
なお、復元パッド3は本発明の復元力発生部に相当し、右肩固定ベルト5は右肩固定部、左肩固定ベルト9は左肩固定部に相当する。右腰部固定ベルト15、右大腿部固定ベルト33および右大腿部前部接続ベルト25は本発明の右下固定部に相当し、左腰部固定ベルト19、左大腿部固定ベルト35および左大腿部前部接続ベルト29は本発明の左下固定部に相当する。
【0028】
以上のようにアシスト装着具1を構成することによって、人体が前屈、側屈、回旋、またはそれら少なくとも2種類の複合姿勢をとった場合、復元パッド3は略環状の無端形状をなすため、各固定ベルトによる張力によって様々な形状に変形する。このとき復元パッド3には、元の形状に戻ろうとする復元力が働く。この復元パッド3による復元力は、右肩固定ベルト5、左肩固定ベルト9、右腰部固定ベルト15、左腰部固定ベルト19、右大腿部固定ベルト33、左大腿部固定ベルト35、左右大腿部背部接続ベルト39、右大腿部前部接続ベルト25、および左大腿部前部接続ベルト29等を介して人体に伝達され、様々な姿勢をとったときに生ずる腰部、背部、肩部、大腿部などの筋負担を軽減する方向に働く。このような構成により、センサなどを用いて姿勢を計測し、意図的に装着具を変形させるような例と異なり、応答性がよくなる。さらに、姿勢を計測するセンサや、復元パッド3の変形のための装備を必要としないので、安価であり、軽量であると共に故障もしづらい。
【0029】
本発明によるアシスト装着具は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、復元パッド3は、中空のチューブに限らず、太い輪ゴムのように中空でない構成でもよい。また、複数の弾性体を、非弾性体で接続して全体として無端形状をなすような構成でもよい。また、全体として無端形状であれば、人体背部に配置された際の形状が3角形など他の形状になっていてもよい。さらに、チューブの空気圧を調整可能な復元力調節機構を有する構成することにより、復元パッド3の復元力を調整することもでき、より個人に適したアシスト装着具とすることができる。
【0030】
右肩固定ベルト5および左肩固定ベルト9は、リュックサックのように長さ調節可能な構成でもよい。このような構成によれば、復元パッド3がより好ましい位置に固定できるように調節可能とすることもできる。また、右肩固定ベルト5および左肩固定ベルト9と、復元パッド3との図3の上部中央側の接続部は、左右大腿部背部接続ベルト37のように、一端の1箇所で復元パッド3に接続され、他端側が2股に分かれて左右の肩固定ベルトを構成し、復元パッド3の左上部および右上部に当該左右の肩固定ベルトの他端がそれぞれ固定されてもよい。
【0031】
また、右腰部固定ベルト15に備えられた長さ調節ベルト17には、右腰部固定ベルト15と右大腿固定ベルト33とを接続する右大腿部前部接続ベルト25が接続されているが、右大腿部前部接続ベルト25は直接右腰部固定ベルトに接続されていてもよい。同様に、左大腿部前部接続ベルト29も直接左腰部固定ベルト19に接続されていてもよい。
【0032】
また、右腰部固定ベルト15と右大腿部固定ベルト33、および左腰部固定ベルト19と左大腿部固定ベルト35とは、どちらか一方を備えるようにしてもよい。特に右腰部固定ベルト15または左腰部固定ベルト19が備えられない場合、右大腿部前部接続ベルト25または左大腿部前部接続ベルト29を直接に復元ベルト3に接続するなど構成の変形を要する場合がある。
【0033】
また、上記のようなアシスト装着具1全体を衣類に内蔵して、例えば、ベストやジャケットのような形状にして着用できるようにしてもよい。このとき、例えば右肩固定ベルト5、左肩固定ベルト9、右肩固定ベルト接続ベルト11および左肩固定ベルト接続ベルト13などを実際に内蔵せずに左右の身ごろや前をとめるボタンなどで代用するような構成でもよい。他の構成についても同様に、同様の作用効果を持つ構成に変形も可能である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明のアシスト装着具は、介護現場や、加齢、事故、怪我による身体機能の衰えを補助するために利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施の形態によるアシスト装着具1の正面概観図。
【図2】本発明の一実施の形態によるアシスト装着具1の側面概観図。
【図3】本発明の一実施の形態によるアシスト装着具1の背面概観図。
【図4】本発明の一実施の形態によるアシスト装着具1を人体に装着した際の正面図。
【図5】本発明の一実施の形態によるアシスト装着具1を人体に装着した際の背面図。
【図6】図3のA部分の拡大図。
【図7】図3のB部分の拡大図。
【符号の説明】
【0036】
1:アシスト装着具
3:復元パッド
5:右肩固定ベルト
9:左肩固定ベルト
15:右腰部固定ベルト
19:左腰部固定ベルト
33:右大腿固定ベルト
35:左大腿固定ベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
元の形状へ復元しようとする復元力を有する伸縮性部材を少なくとも一部に有して無端形状をなし、人体の背部であって腰部の略上部から肩甲骨の略下部に至る部分に配置される復元力発生部と、
該復元力発生部の左上部に接続され左肩部に固定される左肩固定部と、
該復元力発生部の右上部に接続され右肩部に固定される右肩固定部と、
該復元力発生部の左下部に接続され少なくとも腰部の左側又は左大腿部のいずれかに固定される左下固定部と、
該復元力発生部の右下部に接続され少なくとも腰部の右側又は右大腿部のいずれかに固定される右下固定部とを備えることを特徴とするアシスト装着具。
【請求項2】
該復元力発生部は、復元力を調節する復元力調節機構を有することを特徴とする請求項1記載のアシスト装着具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−284942(P2009−284942A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−137986(P2008−137986)
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【出願人】(500262898)インターリハ株式会社 (3)
【Fターム(参考)】