アナログ電波時計
【課題】 時差修正時計の操作性を継承しつつ、簡単な操作で、時差修正を行うことができるようにしたアナログ電波時計を提供すること。
【解決手段】 電波受信部102はアンテナ101を介して、標準電波に含まれるタイムコード中の分及び秒の情報を受信し、演算部103は、分針106及び秒針105のみを、前記受信した分及び秒に修正する。時針107の修正は、時差修正機構109に含まれる竜頭を操作することによって行う。
【解決手段】 電波受信部102はアンテナ101を介して、標準電波に含まれるタイムコード中の分及び秒の情報を受信し、演算部103は、分針106及び秒針105のみを、前記受信した分及び秒に修正する。時針107の修正は、時差修正機構109に含まれる竜頭を操作することによって行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時刻を表すタイムコードを含む標準電波を無線によって受信し、前記タイムコードに基づいて時刻修正を行うアナログ電波時計に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、現在時刻を表すタイムコードを含む標準電波を受信し、時刻を修正する電波時計が普及している。また、全世界の標準電波局(日本国JJY40,日本国JJY60,米国WWVB,英国MSF,独国DCF77)をすべて受信可能としたワールドタイム電波時計が人気を集めている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
標準電波が送信する時刻データは、JJY40,JY60、MSF、DCF77においては現地のローカル時間であり又、WWVBにおいてはGMT(世界標準時)である。
【0004】
このため、受信する地域によっては受信するローカル時間(またはGMT)と現地時間が異なる場合があり、ワールドタイム電波時計を実現するためには、現地での時差情報をユーザが入力する必要がある(例えば、英国MSFをフランスで受信する場合は1時間の時差がある)。
【0005】
これを実現するために、ユーザに滞在都市を選択させるようにしたアナログ電波時計が製品化されている。前記アナログ電波時計は、入力された滞在都市の情報から時差情報をテーブル参照して現地時間を算出し、表示することにより、ワールドタイム電波時計を実現している。
【0006】
図4は、前記従来のワールドタイム電波時計の表示部を示す図で、文字盤401の周囲には、世界の主要な都市名が印刷表示された都市名表示部402が設けられると共に、中心部に設けられた秒針105、分針106、時針107によって時刻表示を行うように構成されている。
【0007】
図5は、図4に示した従来のアナログ電波時計のブロック図である。
【0008】
図5において、アナログ電波時計は、標準電波を受信するアンテナ101、複数の標準電波を受信可能であると共にアンテナ101によって受信した標準電波からタイムコードを抽出して出力する電波受信部102、演算部103、現地時刻を表示させたい都市(例えば、ユーザの滞在都市)を選択入力するための選択都市入力部201、演算部103からの制御信号によって駆動されるモータ104、時刻を表す指針(秒針105、分針106、時針107)、モータ104の回転を秒針105、分針106、時針107に伝達するための駆動伝達部110〜112を備えている。
【0009】
演算部103は、世界の複数の都市に関して、各電波局から出力される標準電波が表す現在時刻と前記都市との時差を対応付けた時差テーブルを記憶している。尚、所定周波数の信号を出力する発振回路、前記発振回路の出力信号を分周して演算部103が計時動作を行う際に計時する時計信号を出力する分周回路は省略して描いている。
【0010】
ユーザは、自己の滞在都市を選択入力する場合、竜頭等によって構成された選択都市入力部201を操作することによって秒針105を回転させ、選択する都市名の表示位置に秒針105を位置させ、これにより、都市の選択を行う。
【0011】
電波受信部102は、アンテナ101を介して標準電波を受信すると、標準電波に含まれるタイムコードを抽出して演算部103に出力する。
【0012】
演算部103は、電波受信部102から入力されたタイムコードに基づいて標準電波局及び現在時刻を判別すると共に、前記時差テーブルを参照することによって選択都市入力部201によって選択された都市の時差を判別し、前記タイムコードが表す時刻を前記時差で修正して、前記選択した都市の現地時刻を算出し、前記算出した現地時刻を表示するようにモータ104を回転制御する。
【0013】
モータ104は、駆動伝達部110〜112を介して、秒針105、分針106、時針107を回転駆動して、現在時刻を表示する。これにより、ユーザの滞在地の現地時刻を表示することが可能になる。
【0014】
しかしながら、前記したように時刻を時刻針によってアナログ表示するアナログ式電波時計においては、滞在都市を選択させるためには文字盤401あるいは外装上に都市名表示402を設け、少なくとも全世界の代表的な都市名を印刷表示する必要がある。狭いスペースに多くの都市名を印刷しなければならないため、文字が小さくなり非常に見辛いという問題がある。また、都市名をユーザに選択させる操作は、選択都市入力部201の操作によって秒針を選択都市の表示箇所に位置させなければならないため、非常に複雑で煩わしく、電波修正時計普及の妨げになっている。
【0015】
一方、アナログ時計の一種として、秒針や分針とは切り離して、時針のみを回転させて時のみを修正可能な時差修正時計が利用されている。時差修正時計は、時差のある都市間で移動した場合に、時針のみを修正するという簡単な操作により、現地時刻への時差修正を容易に行えるという利点を有している。
【特許文献1】特開2006−153655号公報(段落[0030]〜[0076]、図1〜図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、前記問題に鑑み成されたもので、前記時差修正時計の操作性を継承しつつ、簡単な操作で、時差修正を行うことができるようにしたアナログ電波時計を提供することを課題としている。
【0017】
また本発明は、前記時差修正時計の操作性を継承しつつ、簡単な操作で、時差修正及び日付修正を行うことが可能なアナログ電波時計を提供することを課題としている。
【0018】
また本発明は、前記時差修正時計の操作性を継承しつつ、簡単な操作で、時差修正を行うことを可能にすると共に、選択によって自動的に日時修正を行うことが可能なアナログ電波時計を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明によれば、時刻を表すタイムコードを含む標準電波を受信する受信手段と、時刻をアナログ表示する秒針、分針及び時針と、少なくとも前記秒針、分針及び時針を回転駆動する回転駆動手段と、前記時針のみを回転操作する時針操作手段と、前記秒針及び分針のみを前記タイムコードに対応する時刻に修正するように前記回転駆動手段を制御する制御手段とを備えて成ることを特徴とするアナログ電波時計が提供される。
【0020】
制御手段は、秒針及び分針のみをタイムコードに対応する時刻に修正するように回転駆動手段を制御する。
【0021】
ここで、前記回転駆動手段は、モータ及び前記モータの回転を前記秒針、分針及び時針に伝達するための駆動伝達部を有し、前記制御手段は、前記受信手段がタイムコードを受信した際、前記秒針及び分針のみを前記タイムコードに対応する時刻に修正するように前記モータ及び駆動伝達部を制御するように構成してもよい。
【0022】
また、更に、日付を表示する日車を有すると共に、前記回転駆動手段は前記制御手段の制御に応答して前記日車を回転駆動するように構成されて成り、前記制御手段は、前記時針操作手段が前記時針を回転操作して前記時針が24時になったとき、前記日車の表示日付を変更するように前記回転駆動手段を制御するように構成してもよい。
【0023】
また、日を表示する日車と、前記時針が24時になったことを検出する検出手段とを備えると共に、前記回転駆動手段は、前記秒針、分針、時針及び日車を回転駆動し、前記制御手段は、前記時針操作手段の操作によって前記時針が24時になったことを前記検出手段が検出したとき、前記日車を回転駆動して日送り処理を行うように前記回転駆動手段を制御するように構成してもよい。
【0024】
また、前記回転駆動手段は、モータ手段及び前記モータ手段の回転を前記秒針、分針、時針及び日車に伝達するための駆動伝達部を有し、前記制御手段は、前記受信手段がタイムコードを受信した際、前記秒針及び分針のみを前記タイムコードに対応する時刻に修正するように前記モータ手段及び駆動伝達部を制御するように構成してもよい。
【0025】
また、前記受信手段は、前記タイムコードに含まれる年、日、分及び秒の情報を受信し、前記制御手段は、前記受信手段が受信した年及び日の情報を記憶手段に記憶し、前記時針操作手段の操作によって前記時針が24時になったことを前記検出手段が検出したとき、前記記憶手段に記憶した年及び日の情報を参照して、月末の場合には前記日車の日表示が1日になるように日送り処理を行うよう前記回転駆動手段を制御すると共に前記メモリに記憶した情報に日送り処理した日数を加算するように構成してもよい。
【0026】
また、日を表示する日車を備え、前記回転手段は、前記秒針、分針、時針及び日車を回転駆動し、前記制御手段は、前記タイムコードに基づいて前記秒針及び分針の時刻を修正する第1受信モードと、前記タイムコードに基づいて前記秒針、分針、時針及び日車の日時を修正する第2受信モードのいずれかを選択する受信モード選択手段と、前記第1受信モードにおいて前記秒針及び分針のみを前記タイムコードに対応する時刻に修正するように前記回転駆動手段を制御し、前記第2受信モードにおいて前記秒針、分針、時針及び日車を前記タイムコードに対応する日時に修正するように前記回転駆動手段を制御するように構成してもよい。
【0027】
また、前記回転駆動手段は、モータ手段及び前記モータ手段の回転を前記秒針、分針、時針及び日車に伝達するための駆動伝達手段を有し、前記時針操作手段は、前記時針のみが回転するように前記駆動伝達部を駆動操作するように構成してもよい。
【0028】
また、前記受信モード選択手段は所定操作可能な操作手段を有して成り、前記制御手段は前記操作手段の操作に基づいて、前記第1、第2受信モードのいずれが選択されたかを判断し、前記選択された受信モードに対応する処理を行うように前記回転駆動手段を制御するように構成してもよい。
【0029】
また、前記操作手段は前記時針操作手段によって構成されて成り、前記制御手段は前記時針操作手段によって時差修正が行われたことを検出した場合に前記第1の受信モードに移行し、前記時差修正が解除されたことを検出した場合に前記第2受信モードに移行するように構成してもよい。
【0030】
また、前記時針操作手段は竜頭を含み、前記竜頭の操作によって前記時刻針の時差修正を行い、前記制御手段は前記竜頭によって時差修正が行われたことを検出した場合に前記第1の受信モードに移行し、前記時差修正が解除されたことを検出した場合に前記第2受信モードに移行するように構成してもよい。
【0031】
また、前記時針が24時になったことを検出する検出手段を有し、前記制御手段は、前記時針操作手段の操作によって前記時針が24時になったことを前記検出手段が検出したとき、前記日車を回転駆動して日送り処理を行うように前記回転駆動手段を制御するように構成してもよい。
【0032】
また、前記受信手段は、前記第1受信モードでは、前記タイムコードに含まれる分及び秒の情報のみを受信するように構成してもよい。
【0033】
また、前記時針操作手段は、前記時針のみが回転するように前記駆動伝達部を駆動制御するように構成してもよい。
【0034】
また、前記受信手段は、前記タイムコードに含まれる秒及び分の情報のみを受信するように構成してもよい。
【0035】
また、前記制御手段は、前記秒針及び分針を修正する場合、秒針及び分針の位置に応じて、修正が早く終わる方向に前記秒針及び分針を回転するように前記回転駆動手段を制御するように構成してもよい。
【発明の効果】
【0036】
本発明に係るアナログ電波時計によれば、時差修正時計の操作性を継承しつつ、簡単な操作で、時差修正を行うことが可能になる。
【0037】
また、本発明に係るアナログ電波時計によれば、時差修正時計の操作性を継承しつつ、簡単な操作で、時差修正及び日付修正を行うことが可能になる。
【0038】
また、本発明に係るアナログ電波時計によれば、時差修正時計の操作性を継承しつつ、簡単な操作で、時差修正を行うことが可能になると共に、選択によって自動的に日時修正を行うことも可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態に係るアナログ電波時計について説明する。尚、各図において、同一部分には同一符号を付している。
【0040】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るアナログ電波時計のブロック図であり、腕時計型アナログ電波時計の例を示している。
【0041】
図1において、アナログ電波時計は、標準電波を受信するアンテナ101、複数の周波数の標準電波を受信可能であると共にアンテナ101によって受信した標準電波からタイムコードを抽出して出力する電波受信部102、中央処理装置(CPU)及び前記CPUが実行するプログラムを記憶したメモリによって構成される演算部103、演算部103からの制御信号によって駆動されるモータ104、時刻を表す指針(秒針105、分針106、時針107)、日車108を備えている。
【0042】
また、アナログ電波時計は、モータ104の回転を秒針105、分針106、時針107、日車108に伝達するための駆動伝達部110〜113、時針107のみを回転操作することによって時差修正を行う時差修正機構109、時差修正機構109の操作を時針107に伝達して時針を回転する駆動伝達部114、時差修正機構109の操作によって秒針105及び分針106が回転しないように駆動伝達部112の動きを規制する回転防止機構115を備えている。
【0043】
時差修正機構109は、公知の時差修正時計で使用される機構で、竜頭(図示せず)を有しており、ユーザが前記竜頭を操作することによって時針107のみを回転操作することができるように構成されている。
【0044】
尚、日車108をモータ104とは別のモータによって回転駆動するように構成してもよい。
【0045】
また、本第1の実施の形態の特徴部分には直接関係がないため、演算部103が通常の計時動作を行う(計時手段として機能する)ための回路構成部分は省略している。即ち、図1、図3には明示していないが、通常の電波時計と同様に、所定周波数の信号を出力する発振回路、前記発振回路の出力信号を分周して演算部103が計時動作を行う際に計時する時計信号を出力する分周回路を備えている。
【0046】
尚、アンテナ101及び電波受信部102は標準電波を受信する受信手段を構成し、時差修正機構109は時針操作手段を校正し、モータ104及び駆動伝達部110〜114及び伝達防止機構115は回転駆動手段を構成し、演算部103は制御手段を構成している。受信する標準電波としては少なくとも1つあればよいが、周波数あるいはタイムコード形式が異なる複数の標準電波局からの標準電波を受信して使用する場合には、アンテナ101及び電波受信部102は複数の標準電波局からの標準電波を受信可能な受信手段を構成するようにすればよい。
【0047】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るアナログ電波時計の処理を示すフローチャートであり、主として、演算部103の処理を示している。
【0048】
以下、図1及び図2を用いて、本発明の第1の実施の形態に係るアナログ電波時計の動作を詳細に説明する。
【0049】
電波受信部102はアンテナ101を介して標準電波を受信する。標準電波信号には年、月、日、時、分、秒を表すタイムコードが含まれているが、演算部103は、標準電波信号に含まれるタイムコード中の分及び秒に関する情報のみを受信するように電波受信部102を制御する(ステップS201)。このとき、タイムコード全体を受信するように構成してもよいが、タイムコード中の必要な情報のみを受信するようにしているため、受信時間を短縮することができ又、省電力化することができる。
【0050】
次に、演算部103は、指針(分針106、秒針105)によって表示中の分及び秒(D(m,s))と、受信したタイムコード中の分及び秒(R(m,s))との大小関係を比較する(ステップS202、S203)。
【0051】
演算部103は、処理ステップS203において、(R(m,s)−D(m,s))≧0と判断した場合、即ち、タイムコード中の分及び秒が表示中の分及び秒よりも進んでいると判断した場合、(R(m,s)−D(m,s))の絶対値が30分以下か否かを判断し(ステップS204)、30分以下の場合には正転(時計回り)方向に、(R(m,s)−D(m,s))の絶対値分だけ分針106及び秒針105が回転するようにモータ104を回転制御して、分及び秒の時刻修正を行う(ステップS205)。
【0052】
演算部103は、処理ステップS204において、(R(m,s)−D(m,s))の絶対値が30分以下ではないと判断した場合には逆転(反時計回り)方向に、(60分−(R(m,s)−D(m,s))の絶対値分)だけ分針106及び秒針105を回転するようにモータ104を回転制御して、分及び秒の時刻修正を行う(ステップS206)。
【0053】
一方、演算部103は、処理ステップS203において、(R(m,s)−D(m,s))≧0ではないと判断した場合、即ち、表示中の分及び秒がタイムコード中の分及び秒よりも進んでいると判断した場合、(R(m,s)−D(m,s))の絶対値が30分以下か否かを判断し(ステップS207)、30分以下の場合には逆転(反時計回り)方向に、(R(m,s)−D(m,s))の絶対値分だけ分針106及び秒針105を回転するようにモータ104を回転制御して、分及び秒の時刻修正を行う(ステップS208)。
【0054】
演算部103は、処理ステップS207において、(R(m,s)−D(m,s))の絶対値が30分以下ではないと判断した場合には正転(時計回り)方向に、(60分−(R(m,s)−D(m,s))の絶対値分)だけ分針106及び秒針105を回転するようにモータ104を回転制御して、分及び秒の時刻修正を行う(ステップS209)。
【0055】
演算部103は、前記処理ステップS202〜S209のように、取得したタイムコードの分、秒情報に修正する際に、移動量が±30分以内となるように修正する。即ち、演算部103は、秒針105及び分針106を時刻修正する場合、秒針105及び分針106の位置に応じて、修正が早く終わる方向に秒針105及び分針106を回転するようにモータ104を制御しているため、秒針105及び分針の時刻修正を短時間で行うことが可能になる。
【0056】
時差修正機構109の操作によって時針107を修正する場合、時差修正機構109に含まれる竜頭を段引きして回転操作するなどの所定操作を行うと、前記操作は時差修正用伝達部114を介して時針に伝達され時針107の時差修正が行われる。このとき、時差修正機構109の操作は、伝達防止機構115によって駆動伝達部112へは伝達されないので、秒針105及び分針106は回転しないため、時針107のみの修正が行われる。
【0057】
また、演算部103は、時差修正機構109の操作によって時針107が24時になったとき、日車108の表示日付が翌日になるようにモータ104を回転制御する。前記モータ104は、伝達部113を介して日車108を回転駆動し、日付表示を変更する。
【0058】
以上述べたように本実施の形態に係るアナログ電波時計によれば、秒針105及び分針106は標準電波に基づいて修正し、時針107、日車108はユーザが設定するように構成することで、操作が非常に簡便となり、時差修正時計の操作性を継承しつつ、全世界の標準電波局を受信可能としたアナログ電波時計の提供が可能となる。
【0059】
尚、受信可能な標準電波局は全世界のものでなくても、一部の地域の標準電波局のものを受信して時刻修正できればよい。
【0060】
また、本発明の第2の実施の形態として図3に示すように、日車108を省略した構成とすることができる。本第2の実施の形態の動作は、日車108に関する動作以外は前記第1の実施の形態と同じであり、受信処理に関しても図2記載の受信処理を行う。
【0061】
図6は、本発明の第3の実施の形態に係るアナログ電波時計のブロック図で、後述する実施の形態に共通するブロック図であり、腕時計型アナログ電波時計の例を示している。
【0062】
図6において、アナログ電波時計は、標準電波を受信するアンテナ101、複数の周波数の標準電波を受信可能であると共にアンテナ101によって受信した標準電波からタイムコードを抽出して出力する電波受信部102、中央処理装置(CPU)及び前記CPUが実行するプログラムを記憶したメモリ119によって構成される演算部103、演算部103からの制御信号によって駆動される指針駆動用の第1モータ104及び日車駆動用の第2モータ201、時刻を表す指針(秒針105、分針106、時針107)、日車108を備えている。尚、後述する第4の実施の形態においては、メモリ119に、受信したタイムコード中の年及び日の情報を記憶できるように構成されている。
【0063】
また、アナログ電波時計は、第1モータ104の回転を秒針105、分針106、例えば輪列によって構成され時針107に伝達するための駆動伝達部110〜112、第2モータ201の回転を日車108に伝達するための駆動伝達部118、時針107のみを回転操作することによって時差修正を行う時差修正機構109、時差修正機構109の操作を時針107に伝達して時針107を回転する駆動伝達部114、時差修正機構109の操作によって秒針105及び分針106が回転しないように駆動伝達部114の動きを規制する回転防止機構115、時差修正機構109の操作によって時針107が24時になったことを検出する24時検出スイッチ121、時差修正機構109の操作によって時針107が24時になったことを24時検出スイッチ121に伝達する(例えば24時検出スイッチ121をオンにする)駆動伝達部117を備えている。
【0064】
時差修正機構109は、公知の時差修正時計で使用される機構で、竜頭(図示せず)を有しており、ユーザが前記竜頭を操作することによって時針107のみを回転操作することができるように構成されている。
【0065】
尚、必ずしも指針駆動用の第1モータ104と日車108駆動用の第2モータ201の複数のモータを設ける必要はなく、少なくとも1つのモータ104を設け、モータ104によって日車108を回転駆動するように構成してもよい。
【0066】
また、本第3の実施の形態の特徴部分には直接関係がないため、演算部103が通常の計時動作を行う(計時手段として機能する)ための回路構成部分は省略している。即ち、図1には明示していないが、通常の電波時計と同様に、所定周波数の信号を出力する発振回路、前記発振回路の出力信号を分周して演算部103が計時動作を行う際に計時する時計信号を出力する分周回路を備えている。
【0067】
尚、アンテナ101及び電波受信部102は標準電波を受信する受信手段を構成し、時差修正機構109は時針操作手段を構成し、第1モータ104、第2モータ201、駆動伝達部1102〜112、114、117、118及び伝達防止機構115は回転駆動手段を構成し、24時検出スイッチ121は検出手段を構成し、演算部103は制御手段を構成し、メモリ119は記憶手段を構成している。また、第1モータ104及び第2モータ201はモータ手段を構成している。受信する標準電波としては少なくとも1つあればよいが、周波数あるいはタイムコード形式が異なる複数の標準電波局からの標準電波を受信して使用する場合には、アンテナ101及び電波受信部102は複数の標準電波局からの標準電波を受信可能な受信手段を構成するようにすればよい。
【0068】
本発明の第3の実施の形態に係るアナログ電波時計は、図2のフローチャートと同一の受信処理を行う。
【0069】
以下、図6及び図2を用いて、本発明の第3の実施の形態に係るアナログ電波時計の動作を詳細に説明する。
【0070】
図6及び図2において、標準電波信号に含まれるタイムコード中の分及び秒の情報のみを受信して、分及び秒の修正を行う場合の処理を説明する。
【0071】
電波受信部102はアンテナ101を介して標準電波を受信する。標準電波信号には年、日、時、分、秒を表すタイムコードが含まれているが、演算部103は、電波受信部102から入力されてくるタイムコード中の情報に基づいて、標準電波信号に含まれるタイムコード中の分及び秒に関する情報のみを受信するように電波受信部102を制御する(ステップS201)。このとき、タイムコード全体を受信するように構成してもよいが、タイムコード中の必要な情報のみを受信するようにしているため、受信時間を短縮することができ又、省電力化することができる。
【0072】
次に、演算部103は、指針(分針106、秒針105)によって表示中の分及び秒(D(m,s))と、受信したタイムコード中の分及び秒(R(m,s))との大小関係を比較する(ステップS202、S203)。
【0073】
演算部103は、処理ステップS203において、(R(m,s)−D(m,s))≧0と判断した場合、即ち、タイムコード中の分及び秒が表示中の分及び秒よりも進んでいると判断した場合、(R(m,s)−D(m,s))の絶対値が30分以下か否かを判断し(ステップS204)、30分以下の場合には正転(時計回り)方向に、(R(m,s)−D(m,s))の絶対値分だけ分針106及び秒針105が回転するように第1モータ104を回転制御して、分及び秒の時刻修正を行う(ステップS205)。
【0074】
演算部103は、処理ステップS204において、(R(m,s)−D(m,s))の絶対値が30分以下ではないと判断した場合には逆転(反時計回り)方向に、(60分−(R(m,s)−D(m,s))の絶対値分)だけ分針106及び秒針105を回転するように第1モータ104を回転制御して、分及び秒の時刻修正を行う(ステップS206)。
【0075】
一方、演算部103は、処理ステップS203において、(R(m,s)−D(m,s))≧0ではないと判断した場合、即ち、表示中の分及び秒がタイムコード中の分及び秒よりも進んでいると判断した場合、(R(m,s)−D(m,s))の絶対値が30分以下か否かを判断し(ステップS207)、30分以下の場合には逆転(反時計回り)方向に、(R(m,s)−D(m,s))の絶対値分だけ分針106及び秒針105を回転するように第1モータ104を回転制御して、分及び秒の時刻修正を行う(ステップS208)。
【0076】
演算部103は、処理ステップS207において、(R(m,s)−D(m,s))の絶対値が30分以下ではないと判断した場合には正転(時計回り)方向に、(60分−(R(m,s)−D(m,s))の絶対値分)だけ分針106及び秒針105を回転するように第1モータ104を回転制御して、分及び秒の時刻修正を行う(ステップS209)。
【0077】
演算部103は、前記処理ステップS202〜S209のように、取得したタイムコードの分、秒情報に修正する際に、移動量が±30分以内となるように修正する。即ち、演算部103は、秒針105及び分針106を時刻修正する場合、秒針105及び分針106の位置に応じて、修正が早く終わる方向に秒針105及び分針106を回転するように第1モータ104を制御しているため、秒針105及び分針106の時刻修正を短時間で行うことが可能になる。
【0078】
時差修正機構109の操作によって時針107を修正する場合、時差修正機構109に含まれる竜頭を段引きして回転操作するなどの所定操作を行うと、前記操作は時差修正用伝達部115を介して時針107に伝達され時針107の時差修正が行われる。このとき、時差修正機構109の操作は、伝達防止機構115によって駆動伝達部112へは伝達されないので、秒針105及び分針106は回転しないため、時針107のみの修正が行われる。
【0079】
また、時差修正機構109の操作によって時針107が24時になったことが駆動伝達部117を介して24時検出スイッチ121に伝達されると、24時検出スイッチ121は時針107が24時になったことを検出する。演算部103は、時針107が24になったことを24時検出スイッチ121が検出すると、日車108の表示日付を日送り処理するように第2モータ201を回転制御する。第2モータ201は、駆動伝達部118を介して日車108を回転駆動し、日付表示を翌日に変更する。
【0080】
このようにして、本第3の実施の形態によれば、秒針105及び分針106を標準電波に基づいて修正し、時針107、日車108はユーザが設定するように構成することで、操作が非常に簡便となり、時差修正時計の操作性を継承しつつ、全世界の標準電波局を受信可能としたアナログ電波時計の提供が可能となる。
【0081】
図7及び図8は、本発明の第4の実施の形態に係るアナログ電波時計の処理を示すフローチャートであり、主として、演算部103の処理を示している。
【0082】
図7には、標準電波信号に含まれるタイムコード中の年、日、分及び秒の情報のみを受信して、分及び秒の修正を行うと共に、日付修正のために年及び日の情報をメモリ119に記憶するようにした場合の処理を示しており、図2と同一処理を行う部分には同一符号を付している。
【0083】
また、図8には、時針107が24時になったことを24時検出スイッチ121が検出した場合、メモリ119に記憶した年及び日の情報に基づいて、当日が月末か否かに応じて、日車108の日送り処理を適切に行う例を示している。
【0084】
先ず、図6及び図7を用いて、標準電波信号に含まれるタイムコード中の年、日、分及び秒の情報のみを受信して、分及び秒の修正を行うと共に、日付修正のために年及び日の情報を演算部103のメモリ119に記憶する場合の処理を説明する。
【0085】
電波受信部102はアンテナ101を介して標準電波を受信する。標準電波信号には年、日、時、分、秒を表すタイムコードが含まれているが、演算部103は、電波受信部102から入力されてくるタイムコード中の情報に基づいて、標準電波信号に含まれるタイムコード中の年、日、分及び秒に関する情報のみを受信するように電波受信部102を制御する(ステップS701)。このとき、タイムコード全体を受信するように構成してもよいが、タイムコード中の必要な情報のみを受信するようにしているため、受信時間を短縮することができ又、省電力化することができる。
【0086】
次に、演算部103は、その内部のメモリ119に、タイムコード中の年及び日の情報を記憶する(ステップS702)。
【0087】
以下、図2と同様に、演算部103は、指針(分針106、秒針105)によって表示中の分及び秒(D(m,s))と、受信したタイムコード中の分及び秒(R(m,s))との大小関係を比較し、修正が早く終わる方向に秒針105及び分針106を回転するようにモータ104を制御する(ステップS202〜209)。
【0088】
次に、図6及び図8を用いて、時針107が24時になったことを24時検出スイッチ121が検出した場合に、日車108の日送り処理を行う際の動作を説明する。
【0089】
演算部103は、時針107が24時になったことを24時検出スイッチ121が検出したと判断すると(ステップS801)、メモリ119に記憶した年及び日の情報を参照して(ステップS802)、今日が月末か否かを判断する(ステップS803)。
【0090】
演算部103は、処理ステップS803において、今日が月末ではないと判断すると、日車108の日表示を1日増やすように第2モータ201を制御し(ステップS804)、メモリ119に記憶している年及び日の情報に1日加算する(ステップS805)。第2モータ201は演算部103の制御に応答して、駆動伝達部118を介して日車108を1日分回転駆動し、日表示を翌日に変更する。
【0091】
一方、演算部103は、処理ステップS803において、今日が月末と判断すると、日車108の日表示が翌月の1日になるように、月に応じて日表示を所定日数α日増やすよう第2モータ201を制御し(ステップS806)、メモリ119に記憶している年及び日の情報に前記所定日数α日加算する(ステップS807)。第2モータ201は演算部103の制御に応答して、駆動伝達部118を介して日車108を前記所定日数α日分だけ回転駆動し、日表示を翌月の1日に変更する。
【0092】
以上述べたように本第4の実施の形態に係るアナログ電波時計によれば、前記第3の実施の形態と同様に、秒針105及び分針106は標準電波に基づいて修正し、時針107、日車108はユーザが設定するように構成することで、操作が非常に簡便となり、時差修正時計の操作性を継承しつつ、全世界の標準電波局を受信可能としたアナログ電波時計の提供が可能となる。また、時差修正を行う際に日付が変わる場合、月末か否かに応じて適切な日送り処理を行うことが可能になる。
【0093】
尚、受信可能な標準電波局は全世界のものでなくても、一部の地域の標準電波局のものを受信して時刻修正できればよい。
【0094】
図9は、本発明の第5の実施の形態に係るアナログ電波時計のブロック図であり、腕時計型アナログ電波時計の例を示している。
【0095】
図9において、アナログ電波時計は、標準電波を受信するアンテナ101、複数の周波数の標準電波を受信可能であると共にアンテナ101によって受信した標準電波からタイムコードを抽出して出力する電波受信部102、中央処理装置(CPU)及び前記CPUが実行するプログラムを記憶したメモリ(図示せず)によって構成される演算部103、演算部103からの制御信号によって駆動される指針駆動用の第1モータ104及び日車駆動用の第2モータ201、時刻を表す指針(秒針105、分針106、時針107)、日車108を備えている。
【0096】
また、アナログ電波時計は、第1モータ104の回転を秒針105、分針106、時針107に伝達するための駆動伝達部110〜112、第2モータ201の回転を日車108に伝達するための駆動伝達部118、時針107のみを回転操作することによって時差修正を行う時差修正機構109、時差修正機構109の操作を時針107に伝達して時針107を回転する駆動伝達部114、時差修正機構109の操作によって秒針105及び分針106が回転しないように駆動伝達部112の動きを規制する回転防止機構115、時差修正機構109の操作によって時針107が24時になったことを検出する24時検出スイッチ121、時差修正機構109の操作によって時針107が24時になったことを24時検出スイッチ121に伝達する(例えば24時検出スイッチ121をオンにする)駆動伝達部117、時差修正機構109の操作(例えば時差修正機構109に含まれる竜頭120の所定操作)によって時針107の時差修正が行われたか等を検出する時差修正検出スイッチ119を備えている。各駆動伝達部110〜112、114、117、118は輪列によって構成できる。
【0097】
時差修正機構109は、公知の時差修正時計で使用される機構で、ユーザが操作可能な竜頭120を有しており、ユーザが竜頭120を操作することによって時針107のみを回転操作することができるように構成されている。
【0098】
尚、必ずしも指針駆動用の第1モータ104と日車108駆動用の第2モータ201の複数のモータを設ける必要はなく、少なくとも1つのモータ104を設け、該モータ104によって指針105〜107及び日車108を回転駆動するように構成してもよい。
【0099】
また、本第5の実施の形態の特徴部分には直接関係がないため、演算部103が通常の計時動作を行う(計時手段として機能する)ための回路構成部分は省略している。即ち、図9には明示していないが、通常の電波時計と同様に、所定周波数の信号を出力する発振回路、前記発振回路の出力信号を分周して演算部103が計時動作を行う際に計時する時計信号を出力する分周回路を備えている。
【0100】
ここで、アンテナ101及び電波受信部102は標準電波を受信する受信手段を構成し、時差修正機構109は時針操作手段及び操作手段を構成している。第1モータ104、第2モータ201、駆動伝達部110〜112、114、117、118及び伝達防止機構115は回転駆動手段を構成し、24時検出スイッチ121は検出手段を構成し、演算部103は制御手段を構成している。第1モータ104及び第2モータ201はモータ手段を構成している。
【0101】
また、時差修正機構109、時差修正検出スイッチ119及び演算部103は受信モード選択手段を構成している。尚、受信モード選択手段は、受信感度が所定レベル以上の受信環境や現在時刻が所定時刻等の所定の条件が満たされたときに自動的に第1受信モードあるいは第2受信モードに移行するように構成してもよい。
【0102】
受信可能な標準電波としては少なくとも1つあればよいが、周波数あるいはタイムコード形式が異なる複数の標準電波局からの標準電波を受信して使用する場合には、アンテナ101及び電波受信部102は複数の標準電波局からの標準電波を受信可能な受信手段を構成するようにすればよい。
【0103】
図10は、本発明の第5の実施の形態に係るアナログ電波時計の処理を示すフローチャートであり、主として、演算部103の処理を示している。図10には、受信モードを選択するための処理が示されている。
【0104】
図9及び図10を用いて、受信モードの選択処理について説明すると、演算部103は、時差修正機構109が操作されたか否か、具体的には、時差修正機構109に含まれる竜頭120が操作されたか否かを判断する(ステップS1001)。
【0105】
演算部103は、処理ステップS1001において、竜頭120が1段引き操作されたと判断したきは、電波受信部102によって受信する標準電波のタイムコードに基づいて秒針105及び分針106のみの時刻を修正する第1受信モードに移行し(S1002)、竜頭120が2段引き操作されたと判断したきは、前記タイムコードに基づいて秒針105、分針106、時針107及び日車108の日時を修正する第2受信モードに移行し(S1003)、竜頭が前記操作されないときには前記受信モードへは移行しない。
【0106】
尚、本第5の実施の形態では、竜頭120が1段引きされた場合に時針107の時差修正が行えるように構成されているため、時差修正検出スイッチ119は竜頭120が1段引きされたことを(換言すれば時差修正が行われたと)検出して、演算部103に時差修正が行われた旨の通知を行う。演算部103は、時差修正検出スイッチ119からの前記通知を受けて時差修正操作が行われたと判断する。
【0107】
一方、竜頭120が2段引きされた場合に時針107の時差修正を解除して、時差修正が行えないように構成しているため、時差修正検出スイッチ119は竜頭120が2段引きされたことを(換言すれば時差修正が解除されたと)検出して、演算部103に時差修正解除を通知する。演算部103は、時差修正検出スイッチ119からの前記通知を受けて時差修正解除操作が行われたと判断する。
【0108】
図11は、前記第2受信モードにおける演算部103の処理を示しており、標準電波信号に含まれるタイムコードの全情報(具体的には年、日、時、分、秒)を受信して、日時の修正を行う場合の処理であり、一般の電波時計が通常行う時刻修正処理と同様の処理である。
【0109】
以下、図9及び図11を用いて、本発明の第5の実施の形態に係るアナログ電波時計の第2受信モードの動作を概略説明する。
【0110】
尚、本第5の実施の形態に係るアナログ電波時計の第1受信モードにおける処理は図2と同じであるため、その説明は省略する。
【0111】
電波受信部102はアンテナ101を介して標準電波を受信する。このとき、演算部103は、第2受信モードであることを判別して、標準電波のタイムコード含まれる全情報(具体的には年、日、時、分、秒)を受信するように電波受信部102を制御する(ステップS1101)。
【0112】
次に、演算部103は、受信したタイムコードの日時情報(年、日、時、分、秒)に基づいて、指針(秒針105、分針106、時針107)の表示時刻及び日車108の表示日を修正するように第1、第2モータ104、201を制御する(ステップS1102)。第1、第2モータ104、201は、各々、指針105〜107及び日車108を前記受信したタイムコードに一致するように修正して日時修正を完了する。
【0113】
以上述べたように本第5の実施の形態に係るアナログ電波時計によれば、秒針105及び分針106を自動で時刻修正すると共に時針107は手動によって時差修正を行う第1受信モードと、指針105〜107及び日車108自動で修正する第2受信モードとを選択できるように構成している。
【0114】
したがって、第1受信モードでは、秒針105及び分針106は標準電波に基づいて修正し、時針107、日車108はユーザが設定するように構成することで、操作が非常に簡便となり、時差修正時計の操作性を継承しつつ、全世界の標準電波局を受信可能としたアナログ電波時計の提供が可能となる。
【0115】
また、第2受信モードでは、何らの操作を行うことなく、自動で時刻修正を行うことが可能になる。
【0116】
よって、時差修正時計の操作性を継承しつつ、簡単な操作で、時差修正を行うことが可能になると共に、選択によって自動的に日時修正を行うことも可能になるという効果を奏する。
【0117】
尚、受信可能な標準電波局は全世界のものでなくても、一部の地域の標準電波局のものを受信して時刻修正できればよい。
【産業上の利用可能性】
【0118】
一又は複数の標準電波局が送信する標準電波を受信可能なアナログ電波時計に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るアナログ電波時計のブロック図である。
【図2】本発明の各実施の形態に係るアナログ電波時計の処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るアナログ電波時計のブロック図である。
【図4】従来のアナログ電波時計の外観図である。
【図5】従来のアナログ電波時計のブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るアナログ電波時計のブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係るアナログ電波時計の処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係るアナログ電波時計の処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係るアナログ電波時計のブロック図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係るアナログ電波時計の処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第5の実施の形態に係るアナログ電波時計の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0120】
101・・・アンテナ
102・・・電波受信部
103・・・演算部
104、201・・・モータ
105・・・秒針
106・・・分針
107・・・時針
108・・・日車
109・・・時差修正機構
110〜114、117、118・・・駆動伝達部
111・・・24時検出スイッチ
115・・・回転駆動手段を構成する伝達防止機構
119・・・メモリ
120・・・竜頭
【技術分野】
【0001】
本発明は、時刻を表すタイムコードを含む標準電波を無線によって受信し、前記タイムコードに基づいて時刻修正を行うアナログ電波時計に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、現在時刻を表すタイムコードを含む標準電波を受信し、時刻を修正する電波時計が普及している。また、全世界の標準電波局(日本国JJY40,日本国JJY60,米国WWVB,英国MSF,独国DCF77)をすべて受信可能としたワールドタイム電波時計が人気を集めている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
標準電波が送信する時刻データは、JJY40,JY60、MSF、DCF77においては現地のローカル時間であり又、WWVBにおいてはGMT(世界標準時)である。
【0004】
このため、受信する地域によっては受信するローカル時間(またはGMT)と現地時間が異なる場合があり、ワールドタイム電波時計を実現するためには、現地での時差情報をユーザが入力する必要がある(例えば、英国MSFをフランスで受信する場合は1時間の時差がある)。
【0005】
これを実現するために、ユーザに滞在都市を選択させるようにしたアナログ電波時計が製品化されている。前記アナログ電波時計は、入力された滞在都市の情報から時差情報をテーブル参照して現地時間を算出し、表示することにより、ワールドタイム電波時計を実現している。
【0006】
図4は、前記従来のワールドタイム電波時計の表示部を示す図で、文字盤401の周囲には、世界の主要な都市名が印刷表示された都市名表示部402が設けられると共に、中心部に設けられた秒針105、分針106、時針107によって時刻表示を行うように構成されている。
【0007】
図5は、図4に示した従来のアナログ電波時計のブロック図である。
【0008】
図5において、アナログ電波時計は、標準電波を受信するアンテナ101、複数の標準電波を受信可能であると共にアンテナ101によって受信した標準電波からタイムコードを抽出して出力する電波受信部102、演算部103、現地時刻を表示させたい都市(例えば、ユーザの滞在都市)を選択入力するための選択都市入力部201、演算部103からの制御信号によって駆動されるモータ104、時刻を表す指針(秒針105、分針106、時針107)、モータ104の回転を秒針105、分針106、時針107に伝達するための駆動伝達部110〜112を備えている。
【0009】
演算部103は、世界の複数の都市に関して、各電波局から出力される標準電波が表す現在時刻と前記都市との時差を対応付けた時差テーブルを記憶している。尚、所定周波数の信号を出力する発振回路、前記発振回路の出力信号を分周して演算部103が計時動作を行う際に計時する時計信号を出力する分周回路は省略して描いている。
【0010】
ユーザは、自己の滞在都市を選択入力する場合、竜頭等によって構成された選択都市入力部201を操作することによって秒針105を回転させ、選択する都市名の表示位置に秒針105を位置させ、これにより、都市の選択を行う。
【0011】
電波受信部102は、アンテナ101を介して標準電波を受信すると、標準電波に含まれるタイムコードを抽出して演算部103に出力する。
【0012】
演算部103は、電波受信部102から入力されたタイムコードに基づいて標準電波局及び現在時刻を判別すると共に、前記時差テーブルを参照することによって選択都市入力部201によって選択された都市の時差を判別し、前記タイムコードが表す時刻を前記時差で修正して、前記選択した都市の現地時刻を算出し、前記算出した現地時刻を表示するようにモータ104を回転制御する。
【0013】
モータ104は、駆動伝達部110〜112を介して、秒針105、分針106、時針107を回転駆動して、現在時刻を表示する。これにより、ユーザの滞在地の現地時刻を表示することが可能になる。
【0014】
しかしながら、前記したように時刻を時刻針によってアナログ表示するアナログ式電波時計においては、滞在都市を選択させるためには文字盤401あるいは外装上に都市名表示402を設け、少なくとも全世界の代表的な都市名を印刷表示する必要がある。狭いスペースに多くの都市名を印刷しなければならないため、文字が小さくなり非常に見辛いという問題がある。また、都市名をユーザに選択させる操作は、選択都市入力部201の操作によって秒針を選択都市の表示箇所に位置させなければならないため、非常に複雑で煩わしく、電波修正時計普及の妨げになっている。
【0015】
一方、アナログ時計の一種として、秒針や分針とは切り離して、時針のみを回転させて時のみを修正可能な時差修正時計が利用されている。時差修正時計は、時差のある都市間で移動した場合に、時針のみを修正するという簡単な操作により、現地時刻への時差修正を容易に行えるという利点を有している。
【特許文献1】特開2006−153655号公報(段落[0030]〜[0076]、図1〜図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、前記問題に鑑み成されたもので、前記時差修正時計の操作性を継承しつつ、簡単な操作で、時差修正を行うことができるようにしたアナログ電波時計を提供することを課題としている。
【0017】
また本発明は、前記時差修正時計の操作性を継承しつつ、簡単な操作で、時差修正及び日付修正を行うことが可能なアナログ電波時計を提供することを課題としている。
【0018】
また本発明は、前記時差修正時計の操作性を継承しつつ、簡単な操作で、時差修正を行うことを可能にすると共に、選択によって自動的に日時修正を行うことが可能なアナログ電波時計を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明によれば、時刻を表すタイムコードを含む標準電波を受信する受信手段と、時刻をアナログ表示する秒針、分針及び時針と、少なくとも前記秒針、分針及び時針を回転駆動する回転駆動手段と、前記時針のみを回転操作する時針操作手段と、前記秒針及び分針のみを前記タイムコードに対応する時刻に修正するように前記回転駆動手段を制御する制御手段とを備えて成ることを特徴とするアナログ電波時計が提供される。
【0020】
制御手段は、秒針及び分針のみをタイムコードに対応する時刻に修正するように回転駆動手段を制御する。
【0021】
ここで、前記回転駆動手段は、モータ及び前記モータの回転を前記秒針、分針及び時針に伝達するための駆動伝達部を有し、前記制御手段は、前記受信手段がタイムコードを受信した際、前記秒針及び分針のみを前記タイムコードに対応する時刻に修正するように前記モータ及び駆動伝達部を制御するように構成してもよい。
【0022】
また、更に、日付を表示する日車を有すると共に、前記回転駆動手段は前記制御手段の制御に応答して前記日車を回転駆動するように構成されて成り、前記制御手段は、前記時針操作手段が前記時針を回転操作して前記時針が24時になったとき、前記日車の表示日付を変更するように前記回転駆動手段を制御するように構成してもよい。
【0023】
また、日を表示する日車と、前記時針が24時になったことを検出する検出手段とを備えると共に、前記回転駆動手段は、前記秒針、分針、時針及び日車を回転駆動し、前記制御手段は、前記時針操作手段の操作によって前記時針が24時になったことを前記検出手段が検出したとき、前記日車を回転駆動して日送り処理を行うように前記回転駆動手段を制御するように構成してもよい。
【0024】
また、前記回転駆動手段は、モータ手段及び前記モータ手段の回転を前記秒針、分針、時針及び日車に伝達するための駆動伝達部を有し、前記制御手段は、前記受信手段がタイムコードを受信した際、前記秒針及び分針のみを前記タイムコードに対応する時刻に修正するように前記モータ手段及び駆動伝達部を制御するように構成してもよい。
【0025】
また、前記受信手段は、前記タイムコードに含まれる年、日、分及び秒の情報を受信し、前記制御手段は、前記受信手段が受信した年及び日の情報を記憶手段に記憶し、前記時針操作手段の操作によって前記時針が24時になったことを前記検出手段が検出したとき、前記記憶手段に記憶した年及び日の情報を参照して、月末の場合には前記日車の日表示が1日になるように日送り処理を行うよう前記回転駆動手段を制御すると共に前記メモリに記憶した情報に日送り処理した日数を加算するように構成してもよい。
【0026】
また、日を表示する日車を備え、前記回転手段は、前記秒針、分針、時針及び日車を回転駆動し、前記制御手段は、前記タイムコードに基づいて前記秒針及び分針の時刻を修正する第1受信モードと、前記タイムコードに基づいて前記秒針、分針、時針及び日車の日時を修正する第2受信モードのいずれかを選択する受信モード選択手段と、前記第1受信モードにおいて前記秒針及び分針のみを前記タイムコードに対応する時刻に修正するように前記回転駆動手段を制御し、前記第2受信モードにおいて前記秒針、分針、時針及び日車を前記タイムコードに対応する日時に修正するように前記回転駆動手段を制御するように構成してもよい。
【0027】
また、前記回転駆動手段は、モータ手段及び前記モータ手段の回転を前記秒針、分針、時針及び日車に伝達するための駆動伝達手段を有し、前記時針操作手段は、前記時針のみが回転するように前記駆動伝達部を駆動操作するように構成してもよい。
【0028】
また、前記受信モード選択手段は所定操作可能な操作手段を有して成り、前記制御手段は前記操作手段の操作に基づいて、前記第1、第2受信モードのいずれが選択されたかを判断し、前記選択された受信モードに対応する処理を行うように前記回転駆動手段を制御するように構成してもよい。
【0029】
また、前記操作手段は前記時針操作手段によって構成されて成り、前記制御手段は前記時針操作手段によって時差修正が行われたことを検出した場合に前記第1の受信モードに移行し、前記時差修正が解除されたことを検出した場合に前記第2受信モードに移行するように構成してもよい。
【0030】
また、前記時針操作手段は竜頭を含み、前記竜頭の操作によって前記時刻針の時差修正を行い、前記制御手段は前記竜頭によって時差修正が行われたことを検出した場合に前記第1の受信モードに移行し、前記時差修正が解除されたことを検出した場合に前記第2受信モードに移行するように構成してもよい。
【0031】
また、前記時針が24時になったことを検出する検出手段を有し、前記制御手段は、前記時針操作手段の操作によって前記時針が24時になったことを前記検出手段が検出したとき、前記日車を回転駆動して日送り処理を行うように前記回転駆動手段を制御するように構成してもよい。
【0032】
また、前記受信手段は、前記第1受信モードでは、前記タイムコードに含まれる分及び秒の情報のみを受信するように構成してもよい。
【0033】
また、前記時針操作手段は、前記時針のみが回転するように前記駆動伝達部を駆動制御するように構成してもよい。
【0034】
また、前記受信手段は、前記タイムコードに含まれる秒及び分の情報のみを受信するように構成してもよい。
【0035】
また、前記制御手段は、前記秒針及び分針を修正する場合、秒針及び分針の位置に応じて、修正が早く終わる方向に前記秒針及び分針を回転するように前記回転駆動手段を制御するように構成してもよい。
【発明の効果】
【0036】
本発明に係るアナログ電波時計によれば、時差修正時計の操作性を継承しつつ、簡単な操作で、時差修正を行うことが可能になる。
【0037】
また、本発明に係るアナログ電波時計によれば、時差修正時計の操作性を継承しつつ、簡単な操作で、時差修正及び日付修正を行うことが可能になる。
【0038】
また、本発明に係るアナログ電波時計によれば、時差修正時計の操作性を継承しつつ、簡単な操作で、時差修正を行うことが可能になると共に、選択によって自動的に日時修正を行うことも可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態に係るアナログ電波時計について説明する。尚、各図において、同一部分には同一符号を付している。
【0040】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るアナログ電波時計のブロック図であり、腕時計型アナログ電波時計の例を示している。
【0041】
図1において、アナログ電波時計は、標準電波を受信するアンテナ101、複数の周波数の標準電波を受信可能であると共にアンテナ101によって受信した標準電波からタイムコードを抽出して出力する電波受信部102、中央処理装置(CPU)及び前記CPUが実行するプログラムを記憶したメモリによって構成される演算部103、演算部103からの制御信号によって駆動されるモータ104、時刻を表す指針(秒針105、分針106、時針107)、日車108を備えている。
【0042】
また、アナログ電波時計は、モータ104の回転を秒針105、分針106、時針107、日車108に伝達するための駆動伝達部110〜113、時針107のみを回転操作することによって時差修正を行う時差修正機構109、時差修正機構109の操作を時針107に伝達して時針を回転する駆動伝達部114、時差修正機構109の操作によって秒針105及び分針106が回転しないように駆動伝達部112の動きを規制する回転防止機構115を備えている。
【0043】
時差修正機構109は、公知の時差修正時計で使用される機構で、竜頭(図示せず)を有しており、ユーザが前記竜頭を操作することによって時針107のみを回転操作することができるように構成されている。
【0044】
尚、日車108をモータ104とは別のモータによって回転駆動するように構成してもよい。
【0045】
また、本第1の実施の形態の特徴部分には直接関係がないため、演算部103が通常の計時動作を行う(計時手段として機能する)ための回路構成部分は省略している。即ち、図1、図3には明示していないが、通常の電波時計と同様に、所定周波数の信号を出力する発振回路、前記発振回路の出力信号を分周して演算部103が計時動作を行う際に計時する時計信号を出力する分周回路を備えている。
【0046】
尚、アンテナ101及び電波受信部102は標準電波を受信する受信手段を構成し、時差修正機構109は時針操作手段を校正し、モータ104及び駆動伝達部110〜114及び伝達防止機構115は回転駆動手段を構成し、演算部103は制御手段を構成している。受信する標準電波としては少なくとも1つあればよいが、周波数あるいはタイムコード形式が異なる複数の標準電波局からの標準電波を受信して使用する場合には、アンテナ101及び電波受信部102は複数の標準電波局からの標準電波を受信可能な受信手段を構成するようにすればよい。
【0047】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るアナログ電波時計の処理を示すフローチャートであり、主として、演算部103の処理を示している。
【0048】
以下、図1及び図2を用いて、本発明の第1の実施の形態に係るアナログ電波時計の動作を詳細に説明する。
【0049】
電波受信部102はアンテナ101を介して標準電波を受信する。標準電波信号には年、月、日、時、分、秒を表すタイムコードが含まれているが、演算部103は、標準電波信号に含まれるタイムコード中の分及び秒に関する情報のみを受信するように電波受信部102を制御する(ステップS201)。このとき、タイムコード全体を受信するように構成してもよいが、タイムコード中の必要な情報のみを受信するようにしているため、受信時間を短縮することができ又、省電力化することができる。
【0050】
次に、演算部103は、指針(分針106、秒針105)によって表示中の分及び秒(D(m,s))と、受信したタイムコード中の分及び秒(R(m,s))との大小関係を比較する(ステップS202、S203)。
【0051】
演算部103は、処理ステップS203において、(R(m,s)−D(m,s))≧0と判断した場合、即ち、タイムコード中の分及び秒が表示中の分及び秒よりも進んでいると判断した場合、(R(m,s)−D(m,s))の絶対値が30分以下か否かを判断し(ステップS204)、30分以下の場合には正転(時計回り)方向に、(R(m,s)−D(m,s))の絶対値分だけ分針106及び秒針105が回転するようにモータ104を回転制御して、分及び秒の時刻修正を行う(ステップS205)。
【0052】
演算部103は、処理ステップS204において、(R(m,s)−D(m,s))の絶対値が30分以下ではないと判断した場合には逆転(反時計回り)方向に、(60分−(R(m,s)−D(m,s))の絶対値分)だけ分針106及び秒針105を回転するようにモータ104を回転制御して、分及び秒の時刻修正を行う(ステップS206)。
【0053】
一方、演算部103は、処理ステップS203において、(R(m,s)−D(m,s))≧0ではないと判断した場合、即ち、表示中の分及び秒がタイムコード中の分及び秒よりも進んでいると判断した場合、(R(m,s)−D(m,s))の絶対値が30分以下か否かを判断し(ステップS207)、30分以下の場合には逆転(反時計回り)方向に、(R(m,s)−D(m,s))の絶対値分だけ分針106及び秒針105を回転するようにモータ104を回転制御して、分及び秒の時刻修正を行う(ステップS208)。
【0054】
演算部103は、処理ステップS207において、(R(m,s)−D(m,s))の絶対値が30分以下ではないと判断した場合には正転(時計回り)方向に、(60分−(R(m,s)−D(m,s))の絶対値分)だけ分針106及び秒針105を回転するようにモータ104を回転制御して、分及び秒の時刻修正を行う(ステップS209)。
【0055】
演算部103は、前記処理ステップS202〜S209のように、取得したタイムコードの分、秒情報に修正する際に、移動量が±30分以内となるように修正する。即ち、演算部103は、秒針105及び分針106を時刻修正する場合、秒針105及び分針106の位置に応じて、修正が早く終わる方向に秒針105及び分針106を回転するようにモータ104を制御しているため、秒針105及び分針の時刻修正を短時間で行うことが可能になる。
【0056】
時差修正機構109の操作によって時針107を修正する場合、時差修正機構109に含まれる竜頭を段引きして回転操作するなどの所定操作を行うと、前記操作は時差修正用伝達部114を介して時針に伝達され時針107の時差修正が行われる。このとき、時差修正機構109の操作は、伝達防止機構115によって駆動伝達部112へは伝達されないので、秒針105及び分針106は回転しないため、時針107のみの修正が行われる。
【0057】
また、演算部103は、時差修正機構109の操作によって時針107が24時になったとき、日車108の表示日付が翌日になるようにモータ104を回転制御する。前記モータ104は、伝達部113を介して日車108を回転駆動し、日付表示を変更する。
【0058】
以上述べたように本実施の形態に係るアナログ電波時計によれば、秒針105及び分針106は標準電波に基づいて修正し、時針107、日車108はユーザが設定するように構成することで、操作が非常に簡便となり、時差修正時計の操作性を継承しつつ、全世界の標準電波局を受信可能としたアナログ電波時計の提供が可能となる。
【0059】
尚、受信可能な標準電波局は全世界のものでなくても、一部の地域の標準電波局のものを受信して時刻修正できればよい。
【0060】
また、本発明の第2の実施の形態として図3に示すように、日車108を省略した構成とすることができる。本第2の実施の形態の動作は、日車108に関する動作以外は前記第1の実施の形態と同じであり、受信処理に関しても図2記載の受信処理を行う。
【0061】
図6は、本発明の第3の実施の形態に係るアナログ電波時計のブロック図で、後述する実施の形態に共通するブロック図であり、腕時計型アナログ電波時計の例を示している。
【0062】
図6において、アナログ電波時計は、標準電波を受信するアンテナ101、複数の周波数の標準電波を受信可能であると共にアンテナ101によって受信した標準電波からタイムコードを抽出して出力する電波受信部102、中央処理装置(CPU)及び前記CPUが実行するプログラムを記憶したメモリ119によって構成される演算部103、演算部103からの制御信号によって駆動される指針駆動用の第1モータ104及び日車駆動用の第2モータ201、時刻を表す指針(秒針105、分針106、時針107)、日車108を備えている。尚、後述する第4の実施の形態においては、メモリ119に、受信したタイムコード中の年及び日の情報を記憶できるように構成されている。
【0063】
また、アナログ電波時計は、第1モータ104の回転を秒針105、分針106、例えば輪列によって構成され時針107に伝達するための駆動伝達部110〜112、第2モータ201の回転を日車108に伝達するための駆動伝達部118、時針107のみを回転操作することによって時差修正を行う時差修正機構109、時差修正機構109の操作を時針107に伝達して時針107を回転する駆動伝達部114、時差修正機構109の操作によって秒針105及び分針106が回転しないように駆動伝達部114の動きを規制する回転防止機構115、時差修正機構109の操作によって時針107が24時になったことを検出する24時検出スイッチ121、時差修正機構109の操作によって時針107が24時になったことを24時検出スイッチ121に伝達する(例えば24時検出スイッチ121をオンにする)駆動伝達部117を備えている。
【0064】
時差修正機構109は、公知の時差修正時計で使用される機構で、竜頭(図示せず)を有しており、ユーザが前記竜頭を操作することによって時針107のみを回転操作することができるように構成されている。
【0065】
尚、必ずしも指針駆動用の第1モータ104と日車108駆動用の第2モータ201の複数のモータを設ける必要はなく、少なくとも1つのモータ104を設け、モータ104によって日車108を回転駆動するように構成してもよい。
【0066】
また、本第3の実施の形態の特徴部分には直接関係がないため、演算部103が通常の計時動作を行う(計時手段として機能する)ための回路構成部分は省略している。即ち、図1には明示していないが、通常の電波時計と同様に、所定周波数の信号を出力する発振回路、前記発振回路の出力信号を分周して演算部103が計時動作を行う際に計時する時計信号を出力する分周回路を備えている。
【0067】
尚、アンテナ101及び電波受信部102は標準電波を受信する受信手段を構成し、時差修正機構109は時針操作手段を構成し、第1モータ104、第2モータ201、駆動伝達部1102〜112、114、117、118及び伝達防止機構115は回転駆動手段を構成し、24時検出スイッチ121は検出手段を構成し、演算部103は制御手段を構成し、メモリ119は記憶手段を構成している。また、第1モータ104及び第2モータ201はモータ手段を構成している。受信する標準電波としては少なくとも1つあればよいが、周波数あるいはタイムコード形式が異なる複数の標準電波局からの標準電波を受信して使用する場合には、アンテナ101及び電波受信部102は複数の標準電波局からの標準電波を受信可能な受信手段を構成するようにすればよい。
【0068】
本発明の第3の実施の形態に係るアナログ電波時計は、図2のフローチャートと同一の受信処理を行う。
【0069】
以下、図6及び図2を用いて、本発明の第3の実施の形態に係るアナログ電波時計の動作を詳細に説明する。
【0070】
図6及び図2において、標準電波信号に含まれるタイムコード中の分及び秒の情報のみを受信して、分及び秒の修正を行う場合の処理を説明する。
【0071】
電波受信部102はアンテナ101を介して標準電波を受信する。標準電波信号には年、日、時、分、秒を表すタイムコードが含まれているが、演算部103は、電波受信部102から入力されてくるタイムコード中の情報に基づいて、標準電波信号に含まれるタイムコード中の分及び秒に関する情報のみを受信するように電波受信部102を制御する(ステップS201)。このとき、タイムコード全体を受信するように構成してもよいが、タイムコード中の必要な情報のみを受信するようにしているため、受信時間を短縮することができ又、省電力化することができる。
【0072】
次に、演算部103は、指針(分針106、秒針105)によって表示中の分及び秒(D(m,s))と、受信したタイムコード中の分及び秒(R(m,s))との大小関係を比較する(ステップS202、S203)。
【0073】
演算部103は、処理ステップS203において、(R(m,s)−D(m,s))≧0と判断した場合、即ち、タイムコード中の分及び秒が表示中の分及び秒よりも進んでいると判断した場合、(R(m,s)−D(m,s))の絶対値が30分以下か否かを判断し(ステップS204)、30分以下の場合には正転(時計回り)方向に、(R(m,s)−D(m,s))の絶対値分だけ分針106及び秒針105が回転するように第1モータ104を回転制御して、分及び秒の時刻修正を行う(ステップS205)。
【0074】
演算部103は、処理ステップS204において、(R(m,s)−D(m,s))の絶対値が30分以下ではないと判断した場合には逆転(反時計回り)方向に、(60分−(R(m,s)−D(m,s))の絶対値分)だけ分針106及び秒針105を回転するように第1モータ104を回転制御して、分及び秒の時刻修正を行う(ステップS206)。
【0075】
一方、演算部103は、処理ステップS203において、(R(m,s)−D(m,s))≧0ではないと判断した場合、即ち、表示中の分及び秒がタイムコード中の分及び秒よりも進んでいると判断した場合、(R(m,s)−D(m,s))の絶対値が30分以下か否かを判断し(ステップS207)、30分以下の場合には逆転(反時計回り)方向に、(R(m,s)−D(m,s))の絶対値分だけ分針106及び秒針105を回転するように第1モータ104を回転制御して、分及び秒の時刻修正を行う(ステップS208)。
【0076】
演算部103は、処理ステップS207において、(R(m,s)−D(m,s))の絶対値が30分以下ではないと判断した場合には正転(時計回り)方向に、(60分−(R(m,s)−D(m,s))の絶対値分)だけ分針106及び秒針105を回転するように第1モータ104を回転制御して、分及び秒の時刻修正を行う(ステップS209)。
【0077】
演算部103は、前記処理ステップS202〜S209のように、取得したタイムコードの分、秒情報に修正する際に、移動量が±30分以内となるように修正する。即ち、演算部103は、秒針105及び分針106を時刻修正する場合、秒針105及び分針106の位置に応じて、修正が早く終わる方向に秒針105及び分針106を回転するように第1モータ104を制御しているため、秒針105及び分針106の時刻修正を短時間で行うことが可能になる。
【0078】
時差修正機構109の操作によって時針107を修正する場合、時差修正機構109に含まれる竜頭を段引きして回転操作するなどの所定操作を行うと、前記操作は時差修正用伝達部115を介して時針107に伝達され時針107の時差修正が行われる。このとき、時差修正機構109の操作は、伝達防止機構115によって駆動伝達部112へは伝達されないので、秒針105及び分針106は回転しないため、時針107のみの修正が行われる。
【0079】
また、時差修正機構109の操作によって時針107が24時になったことが駆動伝達部117を介して24時検出スイッチ121に伝達されると、24時検出スイッチ121は時針107が24時になったことを検出する。演算部103は、時針107が24になったことを24時検出スイッチ121が検出すると、日車108の表示日付を日送り処理するように第2モータ201を回転制御する。第2モータ201は、駆動伝達部118を介して日車108を回転駆動し、日付表示を翌日に変更する。
【0080】
このようにして、本第3の実施の形態によれば、秒針105及び分針106を標準電波に基づいて修正し、時針107、日車108はユーザが設定するように構成することで、操作が非常に簡便となり、時差修正時計の操作性を継承しつつ、全世界の標準電波局を受信可能としたアナログ電波時計の提供が可能となる。
【0081】
図7及び図8は、本発明の第4の実施の形態に係るアナログ電波時計の処理を示すフローチャートであり、主として、演算部103の処理を示している。
【0082】
図7には、標準電波信号に含まれるタイムコード中の年、日、分及び秒の情報のみを受信して、分及び秒の修正を行うと共に、日付修正のために年及び日の情報をメモリ119に記憶するようにした場合の処理を示しており、図2と同一処理を行う部分には同一符号を付している。
【0083】
また、図8には、時針107が24時になったことを24時検出スイッチ121が検出した場合、メモリ119に記憶した年及び日の情報に基づいて、当日が月末か否かに応じて、日車108の日送り処理を適切に行う例を示している。
【0084】
先ず、図6及び図7を用いて、標準電波信号に含まれるタイムコード中の年、日、分及び秒の情報のみを受信して、分及び秒の修正を行うと共に、日付修正のために年及び日の情報を演算部103のメモリ119に記憶する場合の処理を説明する。
【0085】
電波受信部102はアンテナ101を介して標準電波を受信する。標準電波信号には年、日、時、分、秒を表すタイムコードが含まれているが、演算部103は、電波受信部102から入力されてくるタイムコード中の情報に基づいて、標準電波信号に含まれるタイムコード中の年、日、分及び秒に関する情報のみを受信するように電波受信部102を制御する(ステップS701)。このとき、タイムコード全体を受信するように構成してもよいが、タイムコード中の必要な情報のみを受信するようにしているため、受信時間を短縮することができ又、省電力化することができる。
【0086】
次に、演算部103は、その内部のメモリ119に、タイムコード中の年及び日の情報を記憶する(ステップS702)。
【0087】
以下、図2と同様に、演算部103は、指針(分針106、秒針105)によって表示中の分及び秒(D(m,s))と、受信したタイムコード中の分及び秒(R(m,s))との大小関係を比較し、修正が早く終わる方向に秒針105及び分針106を回転するようにモータ104を制御する(ステップS202〜209)。
【0088】
次に、図6及び図8を用いて、時針107が24時になったことを24時検出スイッチ121が検出した場合に、日車108の日送り処理を行う際の動作を説明する。
【0089】
演算部103は、時針107が24時になったことを24時検出スイッチ121が検出したと判断すると(ステップS801)、メモリ119に記憶した年及び日の情報を参照して(ステップS802)、今日が月末か否かを判断する(ステップS803)。
【0090】
演算部103は、処理ステップS803において、今日が月末ではないと判断すると、日車108の日表示を1日増やすように第2モータ201を制御し(ステップS804)、メモリ119に記憶している年及び日の情報に1日加算する(ステップS805)。第2モータ201は演算部103の制御に応答して、駆動伝達部118を介して日車108を1日分回転駆動し、日表示を翌日に変更する。
【0091】
一方、演算部103は、処理ステップS803において、今日が月末と判断すると、日車108の日表示が翌月の1日になるように、月に応じて日表示を所定日数α日増やすよう第2モータ201を制御し(ステップS806)、メモリ119に記憶している年及び日の情報に前記所定日数α日加算する(ステップS807)。第2モータ201は演算部103の制御に応答して、駆動伝達部118を介して日車108を前記所定日数α日分だけ回転駆動し、日表示を翌月の1日に変更する。
【0092】
以上述べたように本第4の実施の形態に係るアナログ電波時計によれば、前記第3の実施の形態と同様に、秒針105及び分針106は標準電波に基づいて修正し、時針107、日車108はユーザが設定するように構成することで、操作が非常に簡便となり、時差修正時計の操作性を継承しつつ、全世界の標準電波局を受信可能としたアナログ電波時計の提供が可能となる。また、時差修正を行う際に日付が変わる場合、月末か否かに応じて適切な日送り処理を行うことが可能になる。
【0093】
尚、受信可能な標準電波局は全世界のものでなくても、一部の地域の標準電波局のものを受信して時刻修正できればよい。
【0094】
図9は、本発明の第5の実施の形態に係るアナログ電波時計のブロック図であり、腕時計型アナログ電波時計の例を示している。
【0095】
図9において、アナログ電波時計は、標準電波を受信するアンテナ101、複数の周波数の標準電波を受信可能であると共にアンテナ101によって受信した標準電波からタイムコードを抽出して出力する電波受信部102、中央処理装置(CPU)及び前記CPUが実行するプログラムを記憶したメモリ(図示せず)によって構成される演算部103、演算部103からの制御信号によって駆動される指針駆動用の第1モータ104及び日車駆動用の第2モータ201、時刻を表す指針(秒針105、分針106、時針107)、日車108を備えている。
【0096】
また、アナログ電波時計は、第1モータ104の回転を秒針105、分針106、時針107に伝達するための駆動伝達部110〜112、第2モータ201の回転を日車108に伝達するための駆動伝達部118、時針107のみを回転操作することによって時差修正を行う時差修正機構109、時差修正機構109の操作を時針107に伝達して時針107を回転する駆動伝達部114、時差修正機構109の操作によって秒針105及び分針106が回転しないように駆動伝達部112の動きを規制する回転防止機構115、時差修正機構109の操作によって時針107が24時になったことを検出する24時検出スイッチ121、時差修正機構109の操作によって時針107が24時になったことを24時検出スイッチ121に伝達する(例えば24時検出スイッチ121をオンにする)駆動伝達部117、時差修正機構109の操作(例えば時差修正機構109に含まれる竜頭120の所定操作)によって時針107の時差修正が行われたか等を検出する時差修正検出スイッチ119を備えている。各駆動伝達部110〜112、114、117、118は輪列によって構成できる。
【0097】
時差修正機構109は、公知の時差修正時計で使用される機構で、ユーザが操作可能な竜頭120を有しており、ユーザが竜頭120を操作することによって時針107のみを回転操作することができるように構成されている。
【0098】
尚、必ずしも指針駆動用の第1モータ104と日車108駆動用の第2モータ201の複数のモータを設ける必要はなく、少なくとも1つのモータ104を設け、該モータ104によって指針105〜107及び日車108を回転駆動するように構成してもよい。
【0099】
また、本第5の実施の形態の特徴部分には直接関係がないため、演算部103が通常の計時動作を行う(計時手段として機能する)ための回路構成部分は省略している。即ち、図9には明示していないが、通常の電波時計と同様に、所定周波数の信号を出力する発振回路、前記発振回路の出力信号を分周して演算部103が計時動作を行う際に計時する時計信号を出力する分周回路を備えている。
【0100】
ここで、アンテナ101及び電波受信部102は標準電波を受信する受信手段を構成し、時差修正機構109は時針操作手段及び操作手段を構成している。第1モータ104、第2モータ201、駆動伝達部110〜112、114、117、118及び伝達防止機構115は回転駆動手段を構成し、24時検出スイッチ121は検出手段を構成し、演算部103は制御手段を構成している。第1モータ104及び第2モータ201はモータ手段を構成している。
【0101】
また、時差修正機構109、時差修正検出スイッチ119及び演算部103は受信モード選択手段を構成している。尚、受信モード選択手段は、受信感度が所定レベル以上の受信環境や現在時刻が所定時刻等の所定の条件が満たされたときに自動的に第1受信モードあるいは第2受信モードに移行するように構成してもよい。
【0102】
受信可能な標準電波としては少なくとも1つあればよいが、周波数あるいはタイムコード形式が異なる複数の標準電波局からの標準電波を受信して使用する場合には、アンテナ101及び電波受信部102は複数の標準電波局からの標準電波を受信可能な受信手段を構成するようにすればよい。
【0103】
図10は、本発明の第5の実施の形態に係るアナログ電波時計の処理を示すフローチャートであり、主として、演算部103の処理を示している。図10には、受信モードを選択するための処理が示されている。
【0104】
図9及び図10を用いて、受信モードの選択処理について説明すると、演算部103は、時差修正機構109が操作されたか否か、具体的には、時差修正機構109に含まれる竜頭120が操作されたか否かを判断する(ステップS1001)。
【0105】
演算部103は、処理ステップS1001において、竜頭120が1段引き操作されたと判断したきは、電波受信部102によって受信する標準電波のタイムコードに基づいて秒針105及び分針106のみの時刻を修正する第1受信モードに移行し(S1002)、竜頭120が2段引き操作されたと判断したきは、前記タイムコードに基づいて秒針105、分針106、時針107及び日車108の日時を修正する第2受信モードに移行し(S1003)、竜頭が前記操作されないときには前記受信モードへは移行しない。
【0106】
尚、本第5の実施の形態では、竜頭120が1段引きされた場合に時針107の時差修正が行えるように構成されているため、時差修正検出スイッチ119は竜頭120が1段引きされたことを(換言すれば時差修正が行われたと)検出して、演算部103に時差修正が行われた旨の通知を行う。演算部103は、時差修正検出スイッチ119からの前記通知を受けて時差修正操作が行われたと判断する。
【0107】
一方、竜頭120が2段引きされた場合に時針107の時差修正を解除して、時差修正が行えないように構成しているため、時差修正検出スイッチ119は竜頭120が2段引きされたことを(換言すれば時差修正が解除されたと)検出して、演算部103に時差修正解除を通知する。演算部103は、時差修正検出スイッチ119からの前記通知を受けて時差修正解除操作が行われたと判断する。
【0108】
図11は、前記第2受信モードにおける演算部103の処理を示しており、標準電波信号に含まれるタイムコードの全情報(具体的には年、日、時、分、秒)を受信して、日時の修正を行う場合の処理であり、一般の電波時計が通常行う時刻修正処理と同様の処理である。
【0109】
以下、図9及び図11を用いて、本発明の第5の実施の形態に係るアナログ電波時計の第2受信モードの動作を概略説明する。
【0110】
尚、本第5の実施の形態に係るアナログ電波時計の第1受信モードにおける処理は図2と同じであるため、その説明は省略する。
【0111】
電波受信部102はアンテナ101を介して標準電波を受信する。このとき、演算部103は、第2受信モードであることを判別して、標準電波のタイムコード含まれる全情報(具体的には年、日、時、分、秒)を受信するように電波受信部102を制御する(ステップS1101)。
【0112】
次に、演算部103は、受信したタイムコードの日時情報(年、日、時、分、秒)に基づいて、指針(秒針105、分針106、時針107)の表示時刻及び日車108の表示日を修正するように第1、第2モータ104、201を制御する(ステップS1102)。第1、第2モータ104、201は、各々、指針105〜107及び日車108を前記受信したタイムコードに一致するように修正して日時修正を完了する。
【0113】
以上述べたように本第5の実施の形態に係るアナログ電波時計によれば、秒針105及び分針106を自動で時刻修正すると共に時針107は手動によって時差修正を行う第1受信モードと、指針105〜107及び日車108自動で修正する第2受信モードとを選択できるように構成している。
【0114】
したがって、第1受信モードでは、秒針105及び分針106は標準電波に基づいて修正し、時針107、日車108はユーザが設定するように構成することで、操作が非常に簡便となり、時差修正時計の操作性を継承しつつ、全世界の標準電波局を受信可能としたアナログ電波時計の提供が可能となる。
【0115】
また、第2受信モードでは、何らの操作を行うことなく、自動で時刻修正を行うことが可能になる。
【0116】
よって、時差修正時計の操作性を継承しつつ、簡単な操作で、時差修正を行うことが可能になると共に、選択によって自動的に日時修正を行うことも可能になるという効果を奏する。
【0117】
尚、受信可能な標準電波局は全世界のものでなくても、一部の地域の標準電波局のものを受信して時刻修正できればよい。
【産業上の利用可能性】
【0118】
一又は複数の標準電波局が送信する標準電波を受信可能なアナログ電波時計に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るアナログ電波時計のブロック図である。
【図2】本発明の各実施の形態に係るアナログ電波時計の処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るアナログ電波時計のブロック図である。
【図4】従来のアナログ電波時計の外観図である。
【図5】従来のアナログ電波時計のブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るアナログ電波時計のブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係るアナログ電波時計の処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係るアナログ電波時計の処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係るアナログ電波時計のブロック図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係るアナログ電波時計の処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第5の実施の形態に係るアナログ電波時計の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0120】
101・・・アンテナ
102・・・電波受信部
103・・・演算部
104、201・・・モータ
105・・・秒針
106・・・分針
107・・・時針
108・・・日車
109・・・時差修正機構
110〜114、117、118・・・駆動伝達部
111・・・24時検出スイッチ
115・・・回転駆動手段を構成する伝達防止機構
119・・・メモリ
120・・・竜頭
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻を表すタイムコードを含む標準電波を受信する受信手段と、時刻をアナログ表示する秒針、分針及び時針と、少なくとも前記秒針、分針及び時針を回転駆動する回転駆動手段と、前記時針のみを回転操作する時針操作手段と、前記秒針及び分針のみを前記タイムコードに対応する時刻に修正するように前記回転駆動手段を制御する制御手段とを備えて成ることを特徴とするアナログ電波時計。
【請求項2】
前記回転駆動手段は、モータ及び前記モータの回転を前記秒針、分針及び時針に伝達するための駆動伝達部を有し、
前記制御手段は、前記受信手段がタイムコードを受信した際、前記秒針及び分針のみを前記タイムコードに対応する時刻に修正するように前記モータ及び駆動伝達部を制御することを特徴とする請求項1記載のアナログ電波時計。
【請求項3】
更に、日付を表示する日車を有すると共に、前記回転駆動手段は前記制御手段の制御に応答して前記日車を回転駆動するように構成されて成り、
前記制御手段は、前記時針操作手段が前記時針を回転操作して前記時針が24時になったとき、前記日車の表示日付を変更するように前記回転駆動手段を制御することを特徴とする請求項1又は2記載のアナログ電波時計。
【請求項4】
日を表示する日車と、前記時針が24時になったことを検出する検出手段とを備えると共に、前記回転駆動手段は、前記秒針、分針、時針及び日車を回転駆動し、
前記制御手段は、前記時針操作手段の操作によって前記時針が24時になったことを前記検出手段が検出したとき、前記日車を回転駆動して日送り処理を行うように前記回転駆動手段を制御することを特徴とする請求項1記載のアナログ電波時計。
【請求項5】
前記回転駆動手段は、モータ手段及び前記モータ手段の回転を前記秒針、分針、時針及び日車に伝達するための駆動伝達部を有し、
前記制御手段は、前記受信手段がタイムコードを受信した際、前記秒針及び分針のみを前記タイムコードに対応する時刻に修正するように前記モータ手段及び駆動伝達部を制御することを特徴とする請求項4記載のアナログ電波時計。
【請求項6】
前記受信手段は、前記タイムコードに含まれる年、日、分及び秒の情報を受信し、
前記制御手段は、前記受信手段が受信した年及び日の情報を記憶手段に記憶し、前記時針操作手段の操作によって前記時針が24時になったことを前記検出手段が検出したとき、前記記憶手段に記憶した年及び日の情報を参照して、月末の場合には前記日車の日表示が1日になるように日送り処理を行うよう前記回転駆動手段を制御すると共に前記メモリに記憶した情報に日送り処理した日数を加算することを特徴とする請求項4又は5記載のアナログ電波時計。
【請求項7】
日を表示する日車を備え、
前記回転手段は、前記秒針、分針、時針及び日車を回転駆動し、
前記制御手段は、前記タイムコードに基づいて前記秒針及び分針の時刻を修正する第1受信モードと、前記タイムコードに基づいて前記秒針、分針、時針及び日車の日時を修正する第2受信モードのいずれかを選択する受信モード選択手段と、前記第1受信モードにおいて前記秒針及び分針のみを前記タイムコードに対応する時刻に修正するように前記回転駆動手段を制御し、前記第2受信モードにおいて前記秒針、分針、時針及び日車を前記タイムコードに対応する日時に修正するように前記回転駆動手段を制御することを特徴とする請求項1記載のアナログ電波時計。
【請求項8】
前記回転駆動手段は、モータ手段及び前記モータ手段の回転を前記秒針、分針、時針及び日車に伝達するための駆動伝達手段を有し、
前記時針操作手段は、前記時針のみが回転するように前記駆動伝達部を駆動操作することを特徴とする請求項7記載のアナログ電波時計。
【請求項9】
前記受信モード選択手段は所定操作可能な操作手段を有して成り、前記制御手段は前記操作手段の操作に基づいて、前記第1、第2受信モードのいずれが選択されたかを判断し、前記選択された受信モードに対応する処理を行うように前記回転駆動手段を制御することを特徴とする請求項7又は8記載のアナログ電波時計。
【請求項10】
前記操作手段は前記時針操作手段によって構成されて成り、前記制御手段は前記時針操作手段によって時差修正が行われたことを検出した場合に前記第1の受信モードに移行し、前記時差修正が解除されたことを検出した場合に前記第2受信モードに移行することを特徴とすることを特徴とする請求項9記載のアナログ電波時計。
【請求項11】
前記時針操作手段は竜頭を含み、前記竜頭の操作によって前記時刻針の時差修正を行い、
前記制御手段は前記竜頭によって時差修正が行われたことを検出した場合に前記第1の受信モードに移行し、前記時差修正が解除されたことを検出した場合に前記第2受信モードに移行することを特徴とすることを特徴とする請求項10記載のアナログ電波時計。
【請求項12】
前記時針が24時になったことを検出する検出手段を有し、
前記制御手段は、前記時針操作手段の操作によって前記時針が24時になったことを前記検出手段が検出したとき、前記日車を回転駆動して日送り処理を行うように前記回転駆動手段を制御することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一に記載のアナログ電波時計。
【請求項13】
前記受信手段は、前記第1受信モードでは、前記タイムコードに含まれる分及び秒の情報のみを受信することを特徴とする請求項8乃至12のいずれか一に記載のアナログ電波時計。
【請求項14】
前記時針操作手段は、前記時針のみが回転するように前記駆動伝達部を駆動制御することを特徴とする請求項1、2、4又は5記載のアナログ電波時計。
【請求項15】
前記受信手段は、前記タイムコードに含まれる秒及び分の情報のみを受信することを特徴とする請求項1、4、5又は14記載のアナログ電波時計。
【請求項16】
前記制御手段は、前記秒針及び分針を修正する場合、秒針及び分針の位置に応じて、修正が早く終わる方向に前記秒針及び分針を回転するように前記回転駆動手段を制御することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一に記載のアナログ電波時計。
【請求項1】
時刻を表すタイムコードを含む標準電波を受信する受信手段と、時刻をアナログ表示する秒針、分針及び時針と、少なくとも前記秒針、分針及び時針を回転駆動する回転駆動手段と、前記時針のみを回転操作する時針操作手段と、前記秒針及び分針のみを前記タイムコードに対応する時刻に修正するように前記回転駆動手段を制御する制御手段とを備えて成ることを特徴とするアナログ電波時計。
【請求項2】
前記回転駆動手段は、モータ及び前記モータの回転を前記秒針、分針及び時針に伝達するための駆動伝達部を有し、
前記制御手段は、前記受信手段がタイムコードを受信した際、前記秒針及び分針のみを前記タイムコードに対応する時刻に修正するように前記モータ及び駆動伝達部を制御することを特徴とする請求項1記載のアナログ電波時計。
【請求項3】
更に、日付を表示する日車を有すると共に、前記回転駆動手段は前記制御手段の制御に応答して前記日車を回転駆動するように構成されて成り、
前記制御手段は、前記時針操作手段が前記時針を回転操作して前記時針が24時になったとき、前記日車の表示日付を変更するように前記回転駆動手段を制御することを特徴とする請求項1又は2記載のアナログ電波時計。
【請求項4】
日を表示する日車と、前記時針が24時になったことを検出する検出手段とを備えると共に、前記回転駆動手段は、前記秒針、分針、時針及び日車を回転駆動し、
前記制御手段は、前記時針操作手段の操作によって前記時針が24時になったことを前記検出手段が検出したとき、前記日車を回転駆動して日送り処理を行うように前記回転駆動手段を制御することを特徴とする請求項1記載のアナログ電波時計。
【請求項5】
前記回転駆動手段は、モータ手段及び前記モータ手段の回転を前記秒針、分針、時針及び日車に伝達するための駆動伝達部を有し、
前記制御手段は、前記受信手段がタイムコードを受信した際、前記秒針及び分針のみを前記タイムコードに対応する時刻に修正するように前記モータ手段及び駆動伝達部を制御することを特徴とする請求項4記載のアナログ電波時計。
【請求項6】
前記受信手段は、前記タイムコードに含まれる年、日、分及び秒の情報を受信し、
前記制御手段は、前記受信手段が受信した年及び日の情報を記憶手段に記憶し、前記時針操作手段の操作によって前記時針が24時になったことを前記検出手段が検出したとき、前記記憶手段に記憶した年及び日の情報を参照して、月末の場合には前記日車の日表示が1日になるように日送り処理を行うよう前記回転駆動手段を制御すると共に前記メモリに記憶した情報に日送り処理した日数を加算することを特徴とする請求項4又は5記載のアナログ電波時計。
【請求項7】
日を表示する日車を備え、
前記回転手段は、前記秒針、分針、時針及び日車を回転駆動し、
前記制御手段は、前記タイムコードに基づいて前記秒針及び分針の時刻を修正する第1受信モードと、前記タイムコードに基づいて前記秒針、分針、時針及び日車の日時を修正する第2受信モードのいずれかを選択する受信モード選択手段と、前記第1受信モードにおいて前記秒針及び分針のみを前記タイムコードに対応する時刻に修正するように前記回転駆動手段を制御し、前記第2受信モードにおいて前記秒針、分針、時針及び日車を前記タイムコードに対応する日時に修正するように前記回転駆動手段を制御することを特徴とする請求項1記載のアナログ電波時計。
【請求項8】
前記回転駆動手段は、モータ手段及び前記モータ手段の回転を前記秒針、分針、時針及び日車に伝達するための駆動伝達手段を有し、
前記時針操作手段は、前記時針のみが回転するように前記駆動伝達部を駆動操作することを特徴とする請求項7記載のアナログ電波時計。
【請求項9】
前記受信モード選択手段は所定操作可能な操作手段を有して成り、前記制御手段は前記操作手段の操作に基づいて、前記第1、第2受信モードのいずれが選択されたかを判断し、前記選択された受信モードに対応する処理を行うように前記回転駆動手段を制御することを特徴とする請求項7又は8記載のアナログ電波時計。
【請求項10】
前記操作手段は前記時針操作手段によって構成されて成り、前記制御手段は前記時針操作手段によって時差修正が行われたことを検出した場合に前記第1の受信モードに移行し、前記時差修正が解除されたことを検出した場合に前記第2受信モードに移行することを特徴とすることを特徴とする請求項9記載のアナログ電波時計。
【請求項11】
前記時針操作手段は竜頭を含み、前記竜頭の操作によって前記時刻針の時差修正を行い、
前記制御手段は前記竜頭によって時差修正が行われたことを検出した場合に前記第1の受信モードに移行し、前記時差修正が解除されたことを検出した場合に前記第2受信モードに移行することを特徴とすることを特徴とする請求項10記載のアナログ電波時計。
【請求項12】
前記時針が24時になったことを検出する検出手段を有し、
前記制御手段は、前記時針操作手段の操作によって前記時針が24時になったことを前記検出手段が検出したとき、前記日車を回転駆動して日送り処理を行うように前記回転駆動手段を制御することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一に記載のアナログ電波時計。
【請求項13】
前記受信手段は、前記第1受信モードでは、前記タイムコードに含まれる分及び秒の情報のみを受信することを特徴とする請求項8乃至12のいずれか一に記載のアナログ電波時計。
【請求項14】
前記時針操作手段は、前記時針のみが回転するように前記駆動伝達部を駆動制御することを特徴とする請求項1、2、4又は5記載のアナログ電波時計。
【請求項15】
前記受信手段は、前記タイムコードに含まれる秒及び分の情報のみを受信することを特徴とする請求項1、4、5又は14記載のアナログ電波時計。
【請求項16】
前記制御手段は、前記秒針及び分針を修正する場合、秒針及び分針の位置に応じて、修正が早く終わる方向に前記秒針及び分針を回転するように前記回転駆動手段を制御することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一に記載のアナログ電波時計。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−224658(P2008−224658A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−2451(P2008−2451)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
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